特開2018-203071(P2018-203071A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特開2018-203071リッドロック機構およびコンソールボックス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-203071(P2018-203071A)
(43)【公開日】2018年12月27日
(54)【発明の名称】リッドロック機構およびコンソールボックス
(51)【国際特許分類】
   B60R 7/04 20060101AFI20181130BHJP
   E05B 83/32 20140101ALI20181130BHJP
【FI】
   B60R7/04 C
   E05B83/32
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-111128(P2017-111128)
(22)【出願日】2017年6月5日
(71)【出願人】
【識別番号】000004765
【氏名又は名称】カルソニックカンセイ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】240000327
【弁護士】
【氏名又は名称】弁護士法人クレオ国際法律特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】菊池 真実
【テーマコード(参考)】
2E250
3D022
【Fターム(参考)】
2E250HH01
2E250JJ42
2E250KK01
2E250LL12
2E250MM04
3D022CA07
3D022CB01
3D022CC19
3D022CD14
(57)【要約】
【課題】主に、リッドロック機構の小型化を図ることができるようにする。
【解決手段】リッド部4の開閉をロック・解除可能なロック部11と、ロック部11を操作する操作部12とを有し、
ロック部11が、リッド部4に設けた受部13に対して係合離脱可能なストライカ14を備え、
操作部12が、操作ボタン15と、操作ボタン15の押込みによってストライカ14を操作可能な伝達アーム16とを備えたリッドロック機構1に関する。
伝達アーム16を、受部13と操作ボタン15との間の領域21内に収めるようにする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
リッド部の開閉をロック・解除可能なロック部と、該ロック部を操作する操作部とを有し、
前記ロック部が、前記リッド部に設けた受部に対して係合離脱可能なストライカを備え、
前記操作部が、操作ボタンと、該操作ボタンの押込みによって前記ストライカを操作可能な伝達アームとを備えたリッドロック機構において、
前記伝達アームを、前記受部と前記操作ボタンとの間の領域内に収めたことを特徴とするリッドロック機構。
【請求項2】
請求項1に記載のリッドロック機構であって、
前記ストライカをストライカ回動軸部によって回動自在に軸支し、
前記伝達アームを、前記ストライカ回動軸部と平行な伝達アーム回動軸部によって回動自在に軸支すると共に、
前記ストライカ回動軸部を、前記受部の直下部に配置すると共に、
前記伝達アーム回動軸部を、前記操作ボタンの押込方向の直下部で且つ前記ストライカ回動軸部よりも前記操作ボタンに近い位置に配置したことを特徴とするリッドロック機構。
【請求項3】
請求項2に記載のリッドロック機構であって、
前記操作ボタンの押込みを前記伝達アームへ伝える入力部を、前記操作ボタンの押込方向の直下部で且つ前記伝達アーム回動軸部よりも押込方向の奥側の位置に設けたことを特徴とするリッドロック機構。
【請求項4】
請求項2または請求項3に記載のリッドロック機構であって、
前記伝達アームの回動を前記ストライカへ伝える出力部を、前記ストライカ回動軸部と前記伝達アーム回動軸部との間で且つ前記入力部よりも押込方向の奥側の位置に設けたことを特徴とするリッドロック機構。
【請求項5】
請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載のリッドロック機構であって、
前記リッド部を複数並設し、該各リッド部に対してそれぞれ前記ストライカを設けると共に、複数の該ストライカを同一の前記伝達アームで操作するようにしたことを特徴とするリッドロック機構。
【請求項6】
請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載のリッドロック機構を、コンソール本体と、該コンソール本体に開閉可能に取付けたリッド部との間に備えたことを特徴とするコンソールボックス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、リッドロック機構およびコンソールボックスに関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動車などの車両は、車室内にコンソールボックスなどの収納装置を備えている。このような収納装置には、開閉可能なリッド部を有するものがあり、リッド部に対し、リッド部を閉状態にロックするためのリッドロック機構を備えるようにしている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
そして、特許文献1のリッドロック機構は、リッド部の開閉をロック・解除可能なロック部と、ロック部を操作する操作部とを有している。ロック部は、リッド部に設けた受部に対して係合離脱可能なストライカを備えている。操作部は、操作ボタンと、操作ボタンの押込みによってストライカを操作可能な伝達アームとを備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】CN204172791
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載されたコンソールボックスのリッドロック機構は、構造的に大型化を招き易いなどの問題があった。
【0006】
そこで、本発明は、主に、上記した問題点を解決することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明は、
リッド部の開閉をロック・解除可能なロック部と、該ロック部を操作する操作部とを有し、
前記ロック部が、前記リッド部に設けた受部に対して係合離脱可能なストライカを備え、
前記操作部が、操作ボタンと、該操作ボタンの押込みによって前記ストライカを操作可能な伝達アームとを備えたリッドロック機構において、
前記伝達アームを、前記受部と前記操作ボタンとの間の領域内に収めたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、上記構成によって、リッドロック機構の小型化を図ることなどができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本実施の形態にかかるリッドロック機構の側面図である。
図2図1のリッドロック機構を適用した収納装置のリッド部周辺の斜視図である。
図3】リッド部を開いた状態を示す図2の収納装置の斜視図である。
図4】リッド部の1つを閉じた状態を示す図2の収納装置の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本実施の形態を、図面を用いて詳細に説明する。
図1図4は、この実施の形態を説明するためのものである。
【実施例1】
【0011】
<構成>以下、この実施例の構成について説明する。
【0012】
図1はこの実施例のリッドロック機構1を示す図であり、図の左右方向を前後方向X、紙面と直交する方向を幅方向Y、図の上下方向を上下方向Zとする。
【0013】
先ず、図2(〜図4)に示すように、自動車などの車両の車室内に収納装置2を設ける。この収納装置2の開口部3に、リッド部4を開閉可能に取付ける。そして、リッド部4を閉状態にロックするためのリッドロック機構1を設ける。
【0014】
そして、図1に示すように、リッドロック機構1は、リッド部4の開閉をロック・解除可能なロック部11と、ロック部11を操作する操作部12とを有するものとする。
ロック部11は、リッド部4に設けた受部13と、受部13に対して係合離脱可能なストライカ14とを備えたものとする。
操作部12は、操作ボタン15と、操作ボタン15の押込みによってストライカ14を操作可能な伝達アーム16とを備えたものとする。
【0015】
ここで、車室内の収納装置2には、コンソールボックスやグローブボックスなど各種のものが存在している。具体的な収納装置2については後述する。
【0016】
リッド部4は、蓋部材のことである。リッド部4は、収納装置2の本体の上部に設けた開口部3に開閉自在に取付ける。リッド部4は、付勢手段によって開方向に常時付勢する。
【0017】
受部13は、リッド部4に設けた、ストライカ14が係止する部位である。受部13は、リッド部4に一体に設けたり、リッド部4とは別体の受部材で構成してリッド部4に取付けたりすることができる。受部13は、ストライカ14を受けるために、前後方向Xへ凹む凹部を有しており、この凹部に、上方へ向いたほぼ水平な係止面13aを有している。
【0018】
ストライカ14は、受部13に係止する爪部17を有する部材である。爪部17は、受部13の凹部内で係止面13aに上方から係止可能な下向きのほぼ水平な係止面17aを有している。爪部17は、その上部に、リッド部4で上から押圧することで退避可能な下り勾配の傾斜面17bを有している。ストライカ14は、付勢手段によって受部13へ向けて常時付勢する。
【0019】
操作ボタン15は、上から下へ向けて押し込むようにした押込みボタンである。操作ボタン15は、ストライカ14を受部13へ向けて付勢する付勢手段の付勢力やその他の付勢手段の付勢力によって伝達アーム16と共に押し込み前の位置へ復帰するようになっている。操作ボタン15の上面の押し込み前の位置は、閉状態のリッド部4や、リッド部4の取付面18の位置とほぼ面一になっている。リッド部4や取付面18は、水平に対して若干前下がりに傾斜している。操作ボタン15はリッド部4よりも前後方向Xの前側に位置している。
【0020】
伝達アーム16は、操作ボタン15による操作力をストライカ14へ伝えるためのアーム状をした部材である。伝達アーム16については後述する。
【0021】
以上のような基本的な構成に対し、この実施例では、以下のような構成を備えるようにしている。
【0022】
(1)伝達アーム16を、受部13と操作ボタン15との間の領域21内に収めるようにする。
【0023】
ここで、受部13と操作ボタン15との間の領域21は、前後方向Xにおける、受部13と操作ボタン15との間の範囲のことである。受部13は、凹部の奥部の位置、または、係止面13aにおける爪部17が係止する部分を領域21の境界とする。操作ボタン15は、その前部の位置を領域21の境界とする。
【0024】
伝達アーム16は、領域21内に収まるように、大きさや形状を設定する。但し、伝達アーム16は、実質的に操作力を伝達する機能を担う部分が上記した領域21内に入っていれば良く、伝達機能に関与しない部分については若干であれば上記した領域21からハミ出ても許容できる。
【0025】
(2)ストライカ14をストライカ回動軸部31によって回動自在に軸支する。
また、伝達アーム16を、ストライカ回動軸部31と平行な伝達アーム回動軸部32によって回動自在に軸支する。
この際、ストライカ回動軸部31を、受部13の直下部に配置する。
また、伝達アーム回動軸部32を、操作ボタン15の押込方向33の直下部で且つストライカ回動軸部31よりも操作ボタン15に近い位置に配置する。
【0026】
ここで、ストライカ回動軸部31および伝達アーム回動軸部32は、幅方向Yに延設した水平軸とする。これにより、ストライカ14および伝達アーム16は、紙面と平行な方向に回動する回動部材となる。
【0027】
ストライカ回動軸部31は、受部13の係止面13aのほぼ真下の位置に配置する。
【0028】
操作ボタン15の押込方向33は、ほぼ上下方向Zとする。図では、操作ボタン15の押込方向33は、リッド部4や取付面18とほぼ面直にすることで下方へ進むに従い後側へ向かうように若干前傾している。操作ボタン15の押込方向33の直下部は、図中一点鎖線で示す操作ボタン15の前後方向Xの中心線を通る位置またはその近傍のことである。
【0029】
操作ボタン15に近い位置は、ストライカ回動軸部31よりも上側の位置のことである。この場合、伝達アーム回動軸部32は、伝達アーム16の上端部に、受部13の係止面13aとほぼ同じ高さとなって、幅方向Yから見て操作ボタン15の下側部分に重なるように設けている。これにより、伝達アーム16は、下振り子状に動く吊り部材などとなる。
【0030】
ストライカ回動軸部31と伝達アーム回動軸部32は、それぞれ収納装置2の本体の内部に設置した取付ベース35に対して軸支している。取付ベース35は、ストライカ回動軸部31を軸支するための軸受部35aと、伝達アーム回動軸部32を軸支するための軸受部35bとを一体に備えている。なお、上記したストライカ14を受部13へ向けて付勢する付勢手段は、例えば、トーションスプリングなどとして、ストライカ14と取付ベース35との間に介装することができる。
【0031】
(3)操作ボタン15の押込みを伝達アーム16へ伝える入力部41を、操作ボタン15の押込方向33の直下部で且つ伝達アーム回動軸部32よりも押込方向33の奥側の位置に設けるようにしても良い。
【0032】
ここで、入力部41は、操作ボタン15と伝達アーム16との間に設けたカム機構とすることができる。このカム機構は、操作ボタン15の下部に設けたカム面45によって伝達アーム16の上側部分に設けた円柱状のカム46を案内して、伝達アーム16を回動するものとなっている。
【0033】
操作ボタン15は、筒状をしており、その下端部は、前側が高く、後側が低い段差形状を有している。段差形状を構成している段差面は、操作ボタン15の前後方向Xのほぼ中心線の位置に設けられている。そして、この段差面をカム面45とする。この段差面は、操作ボタン15の押込方向33に対し、下方へ進むに従い後側へ向かうように若干前傾している。例えば、カム面45は、前後方向Xに対して45度よりも大きい角度で前傾するように立ち上がった縦面となっている。このカム面45は、操作ボタン15の前後方向Xの中心線と交差している。
【0034】
円柱状のカム46は、伝達アーム回動軸部32と平行で、操作ボタン15の前後方向Xの中心線上に位置している。このカム機構によって、伝達アーム16は、カム46の部分が図中に矢印で示すような小さな角度変化を伴って傾動する。この角度変化を小さく抑える(例えば、10度程度以下にする)ことによって、無駄な分力が発生することがなくなり、より有効に伝達アーム16へ力を伝えることができるようになる。
【0035】
押込方向33の奥側の位置は、伝達アーム回動軸部32よりも下側でストライカ回動軸部31よりも上側の位置のことである。そして、入力部41が、操作ボタン15の押込方向33の直下部で伝達アーム回動軸部32よりも低い位置にあることで、伝達アーム16は、高い位置にある伝達アーム回動軸部32を中心として安定して前後方向Xに揺動することができる。
【0036】
(4)伝達アーム16の回動をストライカ14へ伝える出力部51を、ストライカ回動軸部31と伝達アーム回動軸部32との間で且つ入力部41よりも押込方向33の奥側の位置に設けるようにしても良い。
【0037】
ここで、出力部51は、伝達アーム16とストライカ14との間に設けた、ストライカ14を引っ張る引張機構とすることができる。この引張機構は、ストライカ14に設けた円柱状の引張軸55と、伝達アーム16に設けた係止穴56とを有している。そして、引張軸55と係止穴56とを嵌合した状態にして、伝達アーム16を回動することでストライカ回動軸部31を中心としてストライカ14を前後方向Xで且つ上下方向Zへ回動するものとしている。この際、ストライカ14は、引張軸55の部分が図中に矢印で示すような小さな角度変化を伴って傾動する。この角度変化を小さく抑える(例えば、10度程度以下にする)ことによって、無駄な分力が発生することがなくなり、より有効にストライカ14へ力を伝えることができるようになる。
【0038】
但し、引張軸55と係止穴56は逆に設けることも可能である。円柱状の引張軸55は、伝達アーム回動軸部32と平行になっている。係止穴56は、伝達アーム16とストライカ14の回動方向の違いを吸収するために長孔にしている。この際、例えば、リッド部4によって上から押された時に、ストライカ14のみが単独で退避できるように、係止穴56を、ストライカ回動軸部31を中心とする円弧状の長孔としている。
【0039】
この場合、伝達アーム16の係止穴56は、上端部にてストライカ14の引張軸55を係止するようになっている。
【0040】
ストライカ回動軸部31と伝達アーム回動軸部32との間は、ストライカ回動軸部31の中心と伝達アーム回動軸部32中心とを結んだ線上およびその近傍のことである。よって、出力部51は、上下方向Zおよび前後方向Xに対してストライカ回動軸部31と伝達アーム回動軸部32との間に位置することになる。
【0041】
入力部41よりも押込方向33の奥側の位置は、入力部41よりも下側となる位置のことである。
【0042】
よって、出力部51は、ストライカ回動軸部31と伝達アーム回動軸部32とを内分する点またはその周辺となる。ストライカ回動軸部31と伝達アーム回動軸部32とを内分する出力部51の位置は、操作ボタン15の押込み量と、ストライカ14の回動量とのバランスに合わせて設定する。
【0043】
上記により、伝達アーム16は、側方から見た時に、ほぼ上下方向Zへ延びると共に、下端部分が後方へ屈曲したほぼL字状の縦型アームになる。そして、この縦型アームは、上端部に伝達アーム回動軸部32を有し、中間部に入力部41のカム46を有し、下端側の屈曲部分の先端に出力部51の係止穴56を有する吊下アームとなる。
【0044】
また、ストライカ14は、側方から見た時に、ほぼ上下方向Zへ延びると共に、前方へ迂回した形状を有する縦型アームとなる。そして、この縦型アームの上端部に後方へ延びる爪部17を有し、中間部(の前側)に出力部51の引張軸55を有し、下端部にストライカ回動軸部31を有するものとなる。
【0045】
(5)そして、図2(〜図4)に示すように、リッド部4を複数並設し、各リッド部4に対してそれぞれストライカ14を設けると共に、複数のストライカ14を同一の伝達アーム16で操作するようにしても良い。
【0046】
ここで、リッド部4は、前後方向Xへ延びる開閉軸61(図3参照)を中心として左右両開き(観音開き)となるように二枚設けることができる。この場合、各リッド部4(の開閉軸61から幅方向Yに離れた中央寄りの位置)にそれぞれ受部13を設け、各受部13に対してそれぞれ左右のストライカ14を設けて、左右のストライカ14を共通の操作ボタン15および伝達アーム16で操作するようにする。伝達アーム16は、複数のものを連結した形状にしても良いし、または、複数個分の厚みを有するものにしても良い。
【0047】
なお、複数のストライカ14を同一の伝達アーム16で操作するようにした場合、出力部51の係止穴56の長孔形状は、一方のリッド部4が閉じた状態で、他方のリッド部4を開いた状態から閉じる操作を行った時に、他方のリッド部4のストライカ14が回動しても、伝達アーム16は回動しないようにするための逃げ溝としても機能する。これによって、一方のリッド部4が閉じていて他方のリッド部4が開いている状態から他方のリッド部4を閉じても、一方のリッド部4が開くことなく他方のリッド部4を閉じることができる。
【0048】
(6)上記リッドロック機構1を、コンソール本体71と、コンソール本体71に開閉可能に取付けたリッド部4との間に備えることでコンソールボックス72を構成しても良い。
【0049】
ここで、コンソールボックス72は、運転席と助手席との間に設置する大型の収納装置2のことである。コンソールボックス72の場合、リッド部4は、コンソール本体71の上部の開口部3に開閉自在に取付ける。
【0050】
そして、コンソールボックス72は、車両に対し、前後方向Xを車両前後方向とし、幅方向Yを車幅方向として設置する。
【0051】
<作用>以下、この実施例の作用について説明する。
【0052】
リッド部4を開く場合、操作ボタン15を下へ押し込む。すると、操作ボタン15の押し込みの動きが入力部41を介して伝達アーム16へ伝わり、伝達アーム回動軸部32を中心として伝達アーム16の下部が前方で且つ下側へ回動する。そのため、伝達アーム16の回動が、出力部51を介してストライカ14へ伝わり、ストライカ回動軸部31を中心としてストライカ14の上部が前方で且つ下側へ回動する。これにより、ストライカ14の上部の爪部17が受部13から外れて、ロックが解除する。よって、リッド部4は付勢手段の付勢力によって自動的に開くことになる。そして、操作ボタン15から手を離すことで、操作ボタン15は付勢手段の付勢力によって自動的に元の位置に復帰する。
【0053】
反対に、リッド部4を閉じる場合、付勢手段の付勢力に抗してリッド部4を下へ押し込む。すると、リッド部4の下部によってストライカ14の爪部17の傾斜面17bが押され、ストライカ14が退避する。リッド部4が完全に閉じた時に、リッド部4の受部13がストライカ14と対向する位置に来るので、ストライカ14は付勢手段の付勢力によって受部13へ入る。これにより、リッド部4が自動的にロックする。この際、出力部51では、引張軸55のみが係止穴56(長孔)の内部で動くことにより、操作部12に影響を与えないようにすることができる。リッド部4は、図4に示すように、1枚ずつ個別にロックすることができる。
【0054】
<効果>この実施例によれば、以下のような効果を得ることができる。
【0055】
(効果1)伝達アーム16を、受部13と操作ボタン15との間の領域21内に収まる(大きさや形状を有する)ものとした。これにより、伝達アーム16を小型化し、以って、リッドロック機構1の小型化を図ることができる。
【0056】
(効果2)ストライカ回動軸部31を受部13の直下部に配置しても良い。これにより、受部13の係止面13aに対する爪部17の係止面17aの向きや大きさを最適化し易くして、ロック時におけるストライカ14の受部13への掛かり量を十分に確保できるようにすると共に、ロックを解除する際のストライカ14の受部13に対するロック方向の分力を低減することができ、ロックおよび解除の確実性を確保することができる。
【0057】
また、伝達アーム回動軸部32を、操作ボタン15の押込方向33の直下部で且つストライカ回動軸部31よりも操作ボタン15に近い位置に配置することで、伝達アーム16の小型化を図ることができる。また、操作ボタン15の押込力を伝達アーム16へ直接的且つ効率的に伝えることが可能になる。
【0058】
(効果3)入力部41を、操作ボタン15の押込方向33の直下部で且つ伝達アーム回動軸部32よりも押込方向33の奥側の位置に設けても良い。これにより、入力部41と伝達アーム回動軸部32を共に操作ボタン15の押込方向33に沿って配置することができて、伝達アーム16を受部13と操作ボタン15との間の領域21内に収めるのに有利な形状にすることができる。また、上記により、操作ボタン15の操作力を無駄なく安定して入力部41に伝えることが可能になる。
【0059】
(効果4)出力部51を、ストライカ回動軸部31と伝達アーム回動軸部32との間で且つ入力部41よりも押込方向33の奥側の位置に設けても良い。これにより、出力部51および伝達アーム16を受部13と操作ボタン15との間の領域21内に収めるのに有利な形状にすることができる。また、伝達アーム16の回動を、出力部51を介して無駄なく(引張力として)ストライカ14に伝えることが可能になる。
【0060】
(効果5)複数のストライカ14を同一の伝達アーム16で操作するようにしても良い。これによって、複数のリッド部4を同時且つ均等に開操作することができる。よって、複数のリッド部4を開く動きにバラ付きが生じるのを防止できる。また、ストライカ14を複数有することにより、リッド部4を別々に閉めてロックすることができる。
【0061】
(効果6)リッドロック機構1をコンソールボックス72に適用しても良い。これによって、コンソールボックス72は小型のリッドロック機構1を備えることができる。
【符号の説明】
【0062】
1 リッドロック機構
4 リッド部
11 ロック部
12 操作部
13 受部
14 ストライカ
15 操作ボタン
16 伝達アーム
21 領域
31 ストライカ回動軸部
32 伝達アーム回動軸部
33 押込方向
41 入力部
51 出力部
71 コンソール本体
72 コンソールボックス
X 前後方向
Y 幅方向
Z 上下方向
図1
図2
図3
図4