特開2018-203076(P2018-203076A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特開2018-203076ガイドローラユニット及び車両用スライドドア装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-203076(P2018-203076A)
(43)【公開日】2018年12月27日
(54)【発明の名称】ガイドローラユニット及び車両用スライドドア装置
(51)【国際特許分類】
   B60J 5/06 20060101AFI20181130BHJP
   E05F 11/54 20060101ALI20181130BHJP
   E05F 3/22 20060101ALI20181130BHJP
【FI】
   B60J5/06 H
   E05F11/54 A
   E05F3/22 D
   B60J5/06 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
【全頁数】43
(21)【出願番号】特願2017-111198(P2017-111198)
(22)【出願日】2017年6月5日
(71)【出願人】
【識別番号】000000011
【氏名又は名称】アイシン精機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】谷野 泰朗
(72)【発明者】
【氏名】結城 忠夫
(72)【発明者】
【氏名】内恒見 正行
(72)【発明者】
【氏名】石黒 大樹
(72)【発明者】
【氏名】市村 恵介
(57)【要約】
【課題】車室空間の侵食を抑えつつ、より安定的にスライドドアを支持する。
【解決手段】ドア側センターレール10DCに連結される車体側センターローラユニット20BCは、車体2に対して回動可能に連結される回動アーム46と、ドア側センターレール10DCに係合するガイドローラ35(35BC)を支持する状態で回動アーム46と回動可能に連結されるガイドローラ支持部47と、を備える。また、スライドドア5は、移動経路の全閉位置側に当該スライドドア5が車幅方向に変位する幅方向変位区間を有して車両前後方向に開閉動作する。そして、回動アーム46と当該回動アーム46の連結相手となるガイドローラ支持部47との間に形成される回動連結部JT(JT2)には、スライドドア5が幅方向変位区間を超えて開動作した場合に、そのガイドローラ支持部47に対する回動アーム46の相対回動を規制するロック装置51が設けられる。
【選択図】図14
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドア開口部が設けられた車体に対して回動可能に連結される回動アームと、
前記ドア開口部を開閉するスライドドアに設けられたドア側ガイドレールに係合するガイドローラと、
前記ガイドローラを支持する状態で前記回動アームと回動可能に連結されるガイドローラ支持部と、を備え、
前記スライドドアは、移動経路の全閉位置側に該スライドドアが車幅方向に変位する幅方向変位区間を有して車両前後方向に開閉動作するものであって、
前記回動アームと該回動アームが相対回動可能に連結される連結相手との間に形成される回動連結部には、前記スライドドアが前記幅方向変位区間を超えて開動作した場合に、前記連結相手に対する前記回動アームの相対回動を規制するロック装置が設けられた
ガイドローラユニット。
【請求項2】
請求項1に記載のガイドローラユニットにおいて、
前記ロック装置は、
前記回動アーム及び該回動アームの連結相手の一方側に設けられた係合凹部と、
前記係合凹部に対して係脱可能に前記回動アーム及び該回動アームの連結相手の他方側に設けられた係合部材と、を備え、
前記スライドドアが前記幅方向変位区間を開動作する際の前記連結相手に対する前記回動アームの相対回動に基づいて、前記係合凹部と係合部材とが互いに係合するように構成されること、を特徴とするガイドローラユニット。
【請求項3】
請求項2に記載のガイドローラユニットにおいて、
前記ロック装置は、
前記スライドドアと一体に移動するドア側係合部材と、
前記幅方向変位区間に進入する前記スライドドアの閉動作に基づき前記ドア側係合部材が係合することにより回動する解除部材と、を備え、
前記解除部材に係合した前記ドア側係合部材が前記解除部材を回動させる力に基づいて、前記係合凹部に係合した前記係合部材が前記係合凹部から脱離するように構成されること、を特徴とするガイドローラユニット。
【請求項4】
請求項3に記載のガイドローラユニットにおいて、
前記解除部材は、前記ドア開口部の下縁部に配置されること、
を特徴とするガイドローラユニット。
【請求項5】
請求項3に記載のガイドローラユニットにおいて、
前記ロック装置は、
前記回動アームに設けられたロック溝と、
前記回動アームの連結相手となる前記ガイドローラ支持部に設けられたロックレバーと、を備え、
前記スライドドアが前記幅方向変位区間を開動作する際、前記ガイドローラ支持部に対する前記回動アームの相対回動に基づき、前記ロックレバーが前記ロック溝に係合することにより、前記幅方向変位区間を超えて前記スライドドアが開動作した場合における前記ガイドローラ支持部に対する前記回動アームの相対回動を規制するとともに、
前記幅方向変位区間に進入する前記スライドドアの閉動作に基づき、前記ドア側係合部材が前記ロックレバーに係合して該ロックレバーを回動させることにより、前記ロック溝に係合した前記ロックレバーを前記ロック溝から脱離させること、
を特徴とするガイドローラユニット。
【請求項6】
請求項3又は請求項4に記載のガイドローラユニットにおいて、
前記ロック装置は、
前記回動アームに設けられたロック溝と、
前記回動アームの連結相手となる前記車体側に設けられたロックレバーと、
前記ロックレバーと前記解除部材との間を接続する接続部材と、を備え、
前記スライドドアが前記幅方向変位区間を開動作する際、前記車体に対する前記回動アームの相対回動に基づき、前記ロックレバーが前記ロック溝に係合することにより、前記幅方向変位区間を超えて前記スライドドアが開動作した場合における前記車体に対する前記回動アームの相対回動を規制するとともに、
前記幅方向変位区間に進入する前記スライドドアの閉動作に基づき、前記解除部材に係合した前記ドア側係合部材が前記解除部材を回動させる力を前記接続部材を介して前記ロックレバーに伝達することにより、前記ロック溝に係合した前記ロックレバーを前記ロック溝から脱離させること、を特徴とするガイドローラユニット。
【請求項7】
請求項2〜請求項6の何れか一項に記載のガイドローラユニットにおいて、
前記ロック装置は、
前記係合凹部に連接して設けられた摺動面と、
前記係合部材を付勢して前記摺動面に摺接させる付勢機構と、
を備えること、を特徴とするガイドローラユニット。
【請求項8】
車体に設けられたドア開口部の下縁部において前記車体側に設けられる第1の車体側ガイドレールと、
前記ドア開口部を開閉するスライドドアに支持された状態で前記第1の車体側ガイドレールに連結される第1のドア側ガイドローラユニットと、
前記第1の車体側ガイドレールよりも上方に配置される第2の車体側ガイドレールと、
前記第2の車体側ガイドレールに連結される第2のドア側ガイドローラユニットと、
前記ドア開口部の下縁部において前記スライドドア側に設けられる第1のドア側ガイドレールと、
前記車体に支持された状態で前記第1のドア側ガイドレールに連結される第1の車体側ガイドローラユニットと、
前記第1のドア側ガイドレールよりも上方に配置される第2のドア側ガイドレールと、
前記第2のドア側ガイドレールに連結される第2の車体側ガイドローラユニットと、
を備えるとともに、
前記第2の車体側ガイドローラユニットには、請求項1〜請求項7の何れか一項に記載のガイドローラユニットが用いられた車両用スライドドア装置。
【請求項9】
請求項8に記載の車両用スライドドア装置において、
前記第1のドア側ガイドレールは、前記スライドドアが前記幅方向変位区間を超えて開動作した場合において前記第1の車体側ガイドローラユニットに支持されたガイドローラが配置される部分に、前記スライドドアが前記幅方向変位区間にある場合に前記ガイドローラが係合する湾曲形状部よりも広いレール幅が設定された幅広形状部を備えること、
を特徴とする車両用スライドドア装置。
【請求項10】
車体に設けられたドア開口部の下縁部において前記車体側に設けられる第1の車体側ガイドレールと、
前記ドア開口部を開閉するスライドドアに支持された状態で前記第1の車体側ガイドレールに連結される第1のドア側ガイドローラユニットと、
前記第1の車体側ガイドレールよりも上方に配置される第2の車体側ガイドレールと、
前記第2の車体側ガイドレールに連結される第2のドア側ガイドローラユニットと、
前記スライドドア側に設けられるドア側ガイドレールと、
前記ドア側ガイドレールに連結される車体側ガイドローラユニットと、
前記ドア開口部の下縁部において回動可能に前記車体側に設けられる車体側連結部材と、
前記ドア開口部の下縁部において前記スライドドア側に設けられるドア側連結部材と、
を備え、
前記車体側ガイドローラユニットには、請求項1〜請求項7の何れか一項に記載のガイドローラユニットが用いられるとともに、
前記スライドドアが前記幅方向変位区間にある場合には、前記車体側連結部材と前記ドア側連結部材とが相対回動可能に連結され、
前記スライドドアが前記幅方向変位区間を超えて開動作した場合には、該スライドドアと一体に開動作方向に移動する前記ドア側連結部材が前記車体側連結部材から離脱する
車両用スライドドア装置。
【請求項11】
請求項10に記載の車両用スライドドア装置において、
前記車体側連結部材及び前記ドア側連結部材の一方側には、上下方向に延びる軸状部材が設けられ、
前記車体側連結部材及び前記ドア側連結部材の他方側には、前記軸状部材が係脱可能な係合溝が設けられるとともに、
前記係合溝は、前記幅方向変位区間を超えて開動作する前記スライドドアと一体に前記ドア側連結部材が開動作方向に移動することにより前記係合溝に係合した前記軸状部材が前記係合溝に対して相対移動する方向に開口部を有すること、
を特徴とする車両用スライドドア装置。
【請求項12】
請求項11に記載の車両用スライドドア装置において、
前記スライドドアが前記幅方向変位区間を超えて開動作することにより前記ドア側連結部材が前記車体側連結部材から離脱した状態で、該車体側連結部材の回動位置を保持する位置保持機構を備えること、を特徴とする車両用スライドドア装置。
【請求項13】
請求項11又は請求項12に記載の車両用スライドドア装置において、
複数の前記軸状部材と、
前記各軸状部材が独立に係合する複数の前記係合溝と、を備えるとともに、
前記各軸状部材のうち、前記車体と前記車体側連結部材との間に形成された車体側回動軸から最も離間した主軸状部材が、前記車体側連結部材と前記ドア側連結部材との間にドア側回動軸を形成するとともに、
前記各係合溝のうち、前記主軸状部材と係合する主係合溝以外の副係合溝には、前記ドア側回動軸と同心状に湾曲して延びる湾曲形状部が設けられること、
を特徴とする車両用スライドドア装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガイドローラユニット及び車両用スライドドア装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、車両用のスライドドア装置は、車両前後方向に延びる複数のガイドレールと、これらの各ガイドレールに対し、その延伸方向に沿って相対移動可能に連結される複数のガイドローラユニットと、を備えている。そして、これらの各ガイドレール及びガイドローラユニットを介して車体にスライドドアを支持することにより、その各ガイドレールの延伸方向に沿ったスライドドアの前後移動に基づいて、車体の側面に形成された車両のドア開口部を開閉することが可能となっている。
【0003】
例えば、特許文献1に記載のスライドドア装置は、ドア開口部の下縁部において車体側に設けられる第1の車体側ガイドレールと、この第1の車体側ガイドレールよりも上方に配置された第2の車体側ガイドレールと、を備えている。また、この従来技術のスライドドア装置は、ドア開口部の下縁部においてスライドドア側に設けられる第1のドア側ガイドレールと、この第1のドア側ガイドレールよりも上方に配置される第2のドア側ガイドレールと、を備えている。そして、このスライドドア装置は、そのスライドドアに支持された状態で第1及び第2の車体側ガイドレールに連結される第1及び第2のドア側ガイドローラユニットと、車体に支持された状態で第1及び第2のドア側ガイドレールに連結される第1及び第2の車体側ガイドローラユニットと、を備えている。
【0004】
即ち、スライドドア側にもガイドレールを設けることで、そのガイドレールの配置自由度を高めることができる。そして、上記従来例の構成では、第2のドア側ガイドレール及び第2の車体側ガイドレールを窓部下方の所謂ベルトライン付近に配置することで、その窓枠を廃止することが可能となっている。
【0005】
更に、例えば、特許文献2に記載のスライドドア装置は、第1及び第2の車体側ガイドレールとドア開口部の下縁部においてスライドドア側に設けられたドア側ガイドレールとの三本のガイドレールによりスライドドアを開閉動作させる。そして、このようなスライドドアのベルトライン付近にドア側ガイドレールを設けない構成を採用することで、その車室空間の有効利用が図られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−335136号公報
【特許文献2】特開2013−163414号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、スライドドアの開閉動作時、ドア側ガイドローラユニットはスライドドアと一体に移動するのに対し、車体側ガイドローラユニットは移動しない。このため、スライドドアの開動作時には、ドア開口部の下縁部において、そのドア側及び車体側の各ガイドローラユニットが形成するスライドドアの支持点が近づいてしまうという問題がある。そして、上記従来技術のような上方のドア側ガイドレールを廃止する構成では、これにより、そのスライドドアの支持安定性が損なわれるおそれがあることから、この点において、なお改善の余地を残すものとなっていた。
【0008】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、車室空間の侵食を抑えつつ、より安定的にスライドドアを支持することのできるガイドローラユニット及び車両用スライドドア装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するガイドローラユニットは、ドア開口部が設けられた車体に対して回動可能に連結される回動アームと、前記ドア開口部を開閉するスライドドアに設けられたドア側ガイドレールに係合するガイドローラと、前記ガイドローラを支持する状態で前記回動アームと回動可能に連結されるガイドローラ支持部と、を備え、前記スライドドアは、移動経路の全閉位置側に該スライドドアが車幅方向に変位する幅方向変位区間を有して車両前後方向に開閉動作するものであって、前記回動アームと該回動アームが相対回動可能に連結される連結相手との間に形成される回動連結部には、前記スライドドアが前記幅方向変位区間を超えて開動作した場合に、前記連結相手に対する前記回動アームの相対回動を規制するロック装置が設けられる。
【0010】
上記構成によれば、スライドドアと一体にドア側ガイドレールが車幅方向に変位した場合、回動アームが車体に対して相対回動するとともに、この回動アームとガイドローラ支持部とが相対回動する。そして、これにより、そのスライドドアの開閉動作姿勢(例えば、車体の側面に対して略平行な姿勢)が保たれる。即ち、スライドドアが車幅方向に変位する全閉位置側の幅方向変位区間、つまり全閉位置近傍にある場合に、そのガイドローラが係合する閉動作側の長手方向端部に湾曲形状部を有しない直線的なドア側ガイドレールを用いた場合であっても、円滑に、そのスライドドアを開閉動作させることができる。そして、これにより、このようなドア側ガイドレールを設けることにより生ずる車室空間の侵食を最小限に抑えることができる。
【0011】
また、幅方向変位区間を超えたスライドドアの開動作時、当該スライドドアの車幅方向位置が略一定となることで、その回動アームが当該回動アームの連結相手である車体及びガイドローラ支持部に対して相対回動しなくなる。そして、これにより、そのドア側ガイドレールとガイドローラ支持部に支持されたガイドローラとの係合力に基づいたスライドドアの支持点が形成される。更に、このとき、ロック装置の作動によりガイドローラ支持部に対する回動アームの相対回動が規制されることで、そのスライドドアの開閉動作姿勢が安定する。そして、これにより、幅方向変位区間を超えたスライドドアの開動作領域において、より安定的に、スライドドアを支持することができる。
【0012】
上記課題を解決するガイドローラユニットにおいて、前記ロック装置は、前記回動アーム及び該回動アームの連結相手の一方側に設けられた係合凹部と、前記係合凹部に対して係脱可能に前記回動アーム及び該回動アームの連結相手の他方側に設けられた係合部材と、を備え、前記スライドドアが前記幅方向変位区間を開動作する際の前記連結相手に対する前記回動アームの相対回動に基づいて、前記係合凹部と係合部材とが互いに係合するように構成されることが好ましい。
【0013】
上記構成によれば、スライドドアが前記幅方向変位区間を開動作する際、回動アームが連結相手に対して相対回動することを利用した簡素な構成にて、その係合凹部と係合部材との係合力に基づき回動アームの連結相手に対する相対回動を規制することができる。
【0014】
上記課題を解決するガイドローラユニットにおいて、前記ロック装置は、前記スライドドアと一体に移動するドア側係合部材と、前記幅方向変位区間に進入する前記スライドドアの閉動作に基づき前記ドア側係合部材が係合することにより回動する解除部材と、を備え、前記解除部材に係合した前記ドア側係合部材が前記解除部材を回動させる力に基づいて、前記係合凹部に係合した前記係合部材が前記係合凹部から脱離するように構成されることが好ましい。
【0015】
上記構成によれば、幅方向変位区間に進入するスライドドアの閉動作に基づいて、その係合凹部と係合部材との係合による回動アームの回動規制を解除することができる。そして、これにより、スライドドアが幅方向変位区間内にある場合における回動アームの連結相手に対する相対回動を許容して、そのスライドドアの開閉動作姿勢を安定的に維持することができる。
【0016】
上記課題を解決するガイドローラユニットにおいて、前記解除部材は、前記ドア開口部の下縁部に配置されることが好ましい。
上記構成によれば、解除部材が外部(車室及び車外空間)に露出しないようにすることができる。そして、これにより、デザイン性の向上を図ることができる。
【0017】
上記課題を解決するガイドローラユニットにおいて、前記ロック装置は、前記回動アームに設けられたロック溝と、前記回動アームの連結相手となる前記ガイドローラ支持部に設けられたロックレバーと、を備え、前記スライドドアが前記幅方向変位区間を開動作する際、前記ガイドローラ支持部に対する前記回動アームの相対回動に基づき、前記ロックレバーが前記ロック溝に係合することにより、前記幅方向変位区間を超えて前記スライドドアが開動作した場合における前記ガイドローラ支持部に対する前記回動アームの相対回動を規制するとともに、前記幅方向変位区間に進入する前記スライドドアの閉動作に基づき、前記ドア側係合部材が前記ロックレバーに係合して該ロックレバーを回動させることにより、前記ロック溝に係合した前記ロックレバーを前記ロック溝から脱離させることが好ましい。
【0018】
上記構成によれば、回動アームに設けられたロック溝とガイドローラ支持部に設けられたロックレバーとの間の係合力に基づいて、簡素な構成にて、幅方向変位区間を超えてスライドドアが開動作した場合におけるガイドローラ支持部に対する回動アームの相対回動を規制することができる。
【0019】
また、ガイドローラ支持部に設けられたロックレバーが係合部材及び解除部材を兼ねるかたちで、構成簡素且つコンパクトに、そのロックレバーを係合凹部としてのロック溝から脱離させるための解除機構を形成することができる。そして、これにより、スライドドアが幅方向変位区間内にある場合における回動アームとガイドローラ支持部との相対回動を許容して、そのスライドドアの開閉動作姿勢を安定的に維持することができる。
【0020】
上記課題を解決するガイドローラユニットにおいて、前記ロック装置は、前記回動アームに設けられたロック溝と、前記回動アームの連結相手となる前記車体側に設けられたロックレバーと、前記ロックレバーと前記解除部材との間を接続する接続部材と、を備え、前記スライドドアが前記幅方向変位区間を開動作する際、前記車体に対する前記回動アームの相対回動に基づき、前記ロックレバーが前記ロック溝に係合することにより、前記幅方向変位区間を超えて前記スライドドアが開動作した場合における前記車体に対する前記回動アームの相対回動を規制するとともに、前記幅方向変位区間に進入する前記スライドドアの閉動作に基づき、前記解除部材に係合した前記ドア側係合部材が前記解除部材を回動させる力を前記接続部材を介して前記ロックレバーに伝達することにより、前記ロック溝に係合した前記ロックレバーを前記ロック溝から脱離させることが好ましい。
【0021】
上記構成によれば、回動アームに設けられた係合凹部としてのロック溝と車体側に設けられた係合部材としてのロックレバーとの間の係合力に基づいて、簡素な構成にて、幅方向変位区間を超えてスライドドアが開動作した場合における車体側に対する回動アームの相対回動を規制することができる。
【0022】
また、ロックレバーを車体側に設けることで、精度よく、そのロック溝とロックレバーとが係合するタイミングを制御することができる。そして、これにより、高い信頼性を確保することができる。更に、このロックレバーが外部(車室及び車外空間)に露出しないようにすることができる。そして、これにより、デザイン性の向上を図ることができる。
【0023】
更に、ロックレバーと解除部材とを互いに異なる位置に配置することが可能になる。そして、これにより、高いレイアウト自由度を確保することで、更なる信頼性及びデザイン性の向上を図ることができる。
【0024】
例えば、スライドドアの幅方向変位区間に対応した湾曲形状部を有したガイドレールを備える構成においては、そのガイドレールの近傍に解除部材を配置する構成を採用する。そして、これにより、その湾曲形状部を目印として、幅方向変位区間に進入するスライドドアの閉動作に基づきロック溝からロックレバーを脱離させる最適な位置に、解除部材を配置することができる。
【0025】
上記課題を解決するガイドローラユニットにおいて、前記ロック装置は、前記係合凹部に連接して設けられた摺動面と、前記係合部材を付勢して前記摺動面に摺接させる付勢機構と、を備えることが好ましい。
【0026】
上記構成によれば、スライドドアが幅方向変位区間を開動作する際、連結相手に対して回動アームが相対回動することにより、見かけ上、その摺動面上を摺動した係合部材が係合凹部に係合する。そして、これにより、簡素な構成にて、精度よく、その係合部材と係合凹部とが係合するタイミングを制御することができる。
【0027】
上記課題を解決する車両用スライドドア装置は、車体に設けられたドア開口部の下縁部において前記車体側に設けられる第1の車体側ガイドレールと、前記ドア開口部を開閉するスライドドアに支持された状態で前記第1の車体側ガイドレールに連結される第1のドア側ガイドローラユニットと、前記第1の車体側ガイドレールよりも上方に配置される第2の車体側ガイドレールと、前記第2の車体側ガイドレールに連結される第2のドア側ガイドローラユニットと、前記ドア開口部の下縁部において前記スライドドア側に設けられる第1のドア側ガイドレールと、前記車体に支持された状態で前記第1のドア側ガイドレールに連結される第1の車体側ガイドローラユニットと、前記第1のドア側ガイドレールよりも上方に配置される第2のドア側ガイドレールと、前記第2のドア側ガイドレールに連結される第2の車体側ガイドローラユニットと、を備えるとともに、前記第2の車体側ガイドローラユニットには、上記何れかのガイドローラユニットが用いられる。
【0028】
上記構成によれば、第1の車体側ガイドレールに連結された第1のドア側ガイドローラユニット、第2の車体側ガイドレールに連結された第2のドア側ガイドローラユニット、及び第1のドア側ガイドレールに連結された第1の車体側ガイドローラユニットもまた、それぞれ、そのスライドドアの支持点を形成する。そして、スライドドアが全閉位置近傍の幅方向変位区間にある場合には、その第1のドア側ガイドローラユニット及び第2のドア側ガイドローラユニット、並びに第1の車体側ガイドローラユニットが形成する3つの支持点により、安定的にスライドドアを支持することができる。
【0029】
また、スライドドアが開動作することにより、そのスライドドアと一体に移動する第1のドア側ガイドローラユニットが第1の車体側ガイドローラユニットに近接することになる。しかしながら、このとき、第2のドア側ガイドローラユニットが形成するスライドドアの支持点は、そのスライドドアの開動作によって、第2の車体側ガイドローラユニットが形成する支持点から離間する方向に移動する。つまり、これら第2のドア側ガイドローラユニット及び第2の車体側ガイドローラユニットが形成する各支持点、並びに第1のドア側ガイドローラユニットが形成する支持点を結ぶことで、大きな三角形を描くことができる。そして、これにより、スライドドアの開動作時においても、安定的に、そのスライドドアを支持することができる。
【0030】
上記課題を解決する車両用スライドドア装置において、前記第1のドア側ガイドレールは、前記スライドドアが前記幅方向変位区間を超えて開動作した場合において前記第1の車体側ガイドローラユニットに支持されたガイドローラが配置される部分に、前記スライドドアが前記幅方向変位区間にある場合に前記ガイドローラが係合する湾曲形状部よりも広いレール幅が設定された幅広形状部を備えることが好ましい。
【0031】
即ち、スライドドアが幅方向変位区間にある場合には、第1の車体側ガイドローラユニットに支持されたガイドローラが第1のドア側ガイドレールに設けられた湾曲形状部に係合して支持点を形成する。そして、これにより、この第1の車体側ガイドローラユニットと同様に第1のドア側ガイドローラユニットが形成する支持点及び第2のドア側ガイドローラユニットが形成する支持点を加えた3点で、安定的にスライドドア5を支持することができる。
【0032】
また、第1の車体側ガイドローラユニットのガイドローラが第1のドア側ガイドレールの幅広形状部に移動することで、この第1のドア側ガイドレールに対する第1の車体側ガイドローラユニットの係合力が弱くなる。その結果、第1の車体側ガイドローラユニットが形成する支持点の支持機能が低下することで、第1及び第2のドア側ガイドローラユニットが形成する各支持点、並びに第2の車体側ガイドローラユニットが形成する支持点の3点でスライドドアを支持する状態となる。そして、これにより、より高い支持安定性を確保することができる。
【0033】
上記課題を解決する車両用スライドドア装置は、車体に設けられたドア開口部の下縁部において前記車体側に設けられる第1の車体側ガイドレールと、前記ドア開口部を開閉するスライドドアに支持された状態で前記第1の車体側ガイドレールに連結される第1のドア側ガイドローラユニットと、前記第1の車体側ガイドレールよりも上方に配置される第2の車体側ガイドレールと、前記第2の車体側ガイドレールに連結される第2のドア側ガイドローラユニットと、前記スライドドア側に設けられるドア側ガイドレールと、前記ドア側ガイドレールに連結される車体側ガイドローラユニットと、前記ドア開口部の下縁部において回動可能に前記車体側に設けられる車体側連結部材と、前記ドア開口部の下縁部において前記スライドドア側に設けられるドア側連結部材と、を備え、前記車体側ガイドローラユニットには、上記何れかのガイドローラユニットが用いられるとともに、前記スライドドアが前記幅方向変位区間にある場合には、前記車体側連結部材と前記ドア側連結部材とが相対回動可能に連結され、前記スライドドアが前記幅方向変位区間を超えて開動作した場合には、該スライドドアと一体に開動作方向に移動する前記ドア側連結部材が前記車体側連結部材から離脱する。
【0034】
上記構成によれば、スライドドアが全閉位置近傍の幅方向変位区間にある場合には、車体側連結部材とドア側連結部材とが互いに連結することにより、スライドドアの支持点を形成する。そして、これらの車体側連結部材及びドア側連結部材が形成する支持点に、その第1のドア側ガイドローラユニットが形成する支持点、及び第2のドア側ガイドローラユニットが形成する支持点を加えた3点で、安定的にスライドドアを支持することができる。
【0035】
また、このとき、そのスライドドアの幅方向変位に合わせ、車体に対して車体側連結部材が相対回動するとともに、この車体側連結部材とドア側連結部材とが相対回動することにより、そのスライドドアの開閉動作姿勢が安定的に維持される。そして、これにより、円滑に、スライドドアが全閉位置側の幅方向変位区間を開閉動作することができる。
【0036】
更に、スライドドアが幅方向変位区間を超えて開動作した場合には、車体側連結部材からドア側連結部材が離脱することで、これらの車体側連結部材及びドア側連結部材がスライドドアの支持点を形成しない状態となる。そして、これにより、第1のドア側ガイドローラユニットが形成する支持点、第2のドア側ガイドローラユニットが形成する支持点、及び車体側ガイドローラユニットが形成する支持点の3点で、安定的にスライドドアを支持することができる。
【0037】
上記課題を解決する車両用スライドドア装置において、前記車体側連結部材及び前記ドア側連結部材の一方側には、上下方向に延びる軸状部材が設けられ、前記車体側連結部材及び前記ドア側連結部材の他方側には、前記軸状部材が係脱可能な係合溝が設けられるとともに、前記係合溝は、前記幅方向変位区間を超えて開動作する前記スライドドアと一体に前記ドア側連結部材が開動作方向に移動することにより前記係合溝に係合した前記軸状部材が前記係合溝に対して相対移動する方向に開口部を有することが好ましい。
【0038】
上記構成によれば、係合溝と軸状部材とが係合することにより、当該軸状部材が回動軸を形成するかたちで、その車体側連結部材とドア側連結部材とが相対回動可能に連結される。また、スライドドアが幅方向変位区間を超えて開動作することにより、係合溝に係合した軸状部材が、その係合溝から脱離する。そして、これにより、簡素な構成にて、スライドドアと一体に開動作方向に移動するドア側連結部材を車体側連結部材から離脱させることができる。
【0039】
上記課題を解決する車両用スライドドア装置は、前記スライドドアが前記幅方向変位区間を超えて開動作することにより前記ドア側連結部材が前記車体側連結部材から離脱した状態で、該車体側連結部材の回動位置を保持する位置保持機構を備えることが好ましい。
【0040】
上記構成によれば、幅方向変位区間に進入するスライドドアの閉動作に基づいて、その開口部を介して係合溝内に軸状部材が進入する。そして、これらの係合溝及び軸状部材が互いに係合することにより、スライドドアが幅方向変位区間にある場合において、その車体側連結部材とドア側連結部材との間を相対回動可能に連結することができる。
【0041】
上記課題を解決する車両用スライドドア装置は、複数の前記軸状部材と、前記各軸状部材が独立に係合する複数の前記係合溝と、を備えるとともに、前記各軸状部材のうち、前記車体と前記車体側連結部材との間に形成された車体側回動軸から最も離間した主軸状部材が、前記車体側連結部材と前記ドア側連結部材との間にドア側回動軸を形成するとともに、前記各係合溝のうち、前記主軸状部材と係合する主係合溝以外の副係合溝には、前記ドア側回動軸と同心状に湾曲して延びる湾曲形状部が設けられることが好ましい。
【0042】
上記構成によれば、複数の軸状部材が複数の係合溝に対して、それぞれ、独立に係合することにより、その車体側連結部材とドア側連結部材との間を強固に連結することができる。更に、副係合溝に係合する副軸状部材が、その副係合溝の湾曲形状部内を相対移動することにより、主軸状部材が形成するドア側回動軸周りに、その車体側連結部材とドア側連結部材との間の相対回動が許容される。そして、これにより、スライドドアが幅方向変位区間にある場合における円滑な開閉動作を担保しつつ、安定的に、そのスライドドアを支持することができる。
【発明の効果】
【0043】
本発明によれば、車室空間の侵食を抑えつつ、より安定的にスライドドアを支持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
図1】スライドドア装置の斜視図。
図2】スライドドア装置の側面図(全閉状態)。
図3】(a)は、車体側ロアレール及びドア側ロアローラユニットの平面図、(b)は、車体側センターレール及びドア側センターローラユニットの平面図。
図4】(a)は、ドア側ロアレール及び車体側ロアローラユニットの平面図、(b)は、ドア側センターレール及び車体側センターローラユニットの平面図。
図5】車体側ロアレールに連結されたドア側ロアローラユニットの正面図。
図6】車体側センターレールに連結されたドア側センターローラユニットの正面図。
図7】ドア側ロアレールに連結された車体側ロアローラユニットの正面図。
図8】ドア側センターレールに連結された車体側センターローラユニットの正面図。
図9】車体側センターローラユニットの動作説明図。
図10】湾曲形状部を有したドア側センターレールを備えるスライドドアの参考例を示す斜視図。
図11】スライドドア装置の側面図(全開状態)。
図12】ドア側ロアレールに設けられた幅広形状部を示す平面図。
図13】車体側センターローラユニットに設けられたロック装置の平面図(アンロック状態)。
図14】車体側センターローラユニットに設けられたロック装置の平面図(ロック状態)。
図15】車体側センターローラユニットに設けられたロック装置の平面図(ロック解除時)。
図16】第2の実施形態のスライドドア装置において車体側センターローラユニットに設けられたロック装置の平面図(アンロック状態)。
図17】第2の実施形態のスライドドア装置において車体側センターローラユニットに設けられたロック装置の平面図(ロック状態)。
図18】ドア側ロアローラユニットに設けられたドア側係合部材及び車体側ロアレールの近傍に設けられた解除レバーの平面図。
図19】ドア側ロアローラユニットに設けられたドア側係合部材及び車体側ロアレールの近傍に設けられた解除レバーの側面図。
図20】ドア側係合部材及び解除レバーの動作説明図(ドア側係合部材接触)。
図21】ドア側係合部材及び解除レバーの動作説明図(解除レバー回動)。
図22】車体側センターローラユニットに設けられたロック装置の動作説明図(係合解除)。
図23】ドア側係合部材及び解除レバーの動作説明図(スライドドア幅方向変位区間内)。
図24】第3の実施形態におけるスライドドア装置の概略構成図(全閉状態)。
図25】ドア開口部の下縁部に設けられた車体側連結部材及びドア側連結部材の斜視図。
図26】車体側連結部材及びドア側連結部材の平面図(離脱状態)。
図27】車体側連結部材及びドア側連結部材の平面図(進入時)。
図28】車体側連結部材及びドア側連結部材の平面図(連結状態)。
図29】別例の車体側連結部材及びドア側連結部材の平面図。
【発明を実施するための形態】
【0045】
[第1の実施形態]
以下、ガイドローラユニット及び車両用スライドドア装置に関する第1の実施形態を図面に従って説明する。
【0046】
図1及び図2に示すように、本実施形態の車両1は、車体2の側面に設けられたドア開口部3を開閉するスライドドア5を備えている。本実施形態の車両1において、このスライドドア5は、所謂後開き型の後部ドアとしての構成を有している。即ち、このスライドドア5は、車両後方側(各図中、右側)に移動することにより開動作する。そして、車両前方側(各図中、左側)に移動することにより閉動作する構成になっている。
【0047】
詳述すると、本実施形態の車両1には、車両前後方向(各図中、左右方向)に延びる複数(4本)のガイドレール10と、これら各ガイドレール10(10BL,10BC,10DL,10DC)に連結される複数のガイドローラユニット20(20DL,20DC,20BL,20BC)と、を備えたスライドドア装置30が設けられている。そして、本実施形態のスライドドア5は、これらの各ガイドレール10及び各ガイドローラユニット20を介して車体2の側方に支持されることにより、車両前後方向(各図中、左右方向)に移動して、その車体2の側面に形成されたドア開口部3を開閉することが可能となっている。
【0048】
具体的には、図1図3に示すように、本実施形態のスライドドア装置30は、ドア開口部3の下縁部3aにおいて車体2側に設けられた車体側ロアレール10BLと、スライドドア5の内側面5bに支持された状態で、この車体側ロアレール10BLに連結されるドア側ロアローラユニット20DLと、を備えている。また、このスライドドア装置30は、上記車体側ロアレール10BLよりも上方となる位置、詳しくは、スライドドア5のベルトラインγ付近、窓部5wの下方において、そのドア開口部3の後方に設けられた車体側センターレール10BCと、この車体側センターレール10BCに連結されるドア側センターローラユニット20DCと、を備えている。本実施形態では、ドア側ロアローラユニット20DLは、スライドドア5の前方下端部5faに設けられ、ドア側センターローラユニット20DCは、スライドドア5の後端部5rにおいて、そのベルトラインγ付近に設けられている。そして、本実施形態のスライドドア装置30においては、これらの車体側ロアレール10BL及び車体側センターレール10BCが、それぞれ、その第1及び第2の車体側ガイドレールを構成し、ドア側ロアローラユニット20DL及びドア側センターローラユニット20DCが、それぞれ、その第1及び第2のドア側ガイドローラユニットを構成する。
【0049】
また、図1図2及び図4に示すように、本実施形態のスライドドア装置30は、ドア開口部3の下縁部3aにおいてスライドドア5の内側面5bに固定されたドア側ロアレール10DLと、車体2側に支持された状態で、このドア側ロアレール10DLに連結される車体側ロアローラユニット20BLと、を備えている。更に、このスライドドア装置30は、上記ドア側ロアレール10DLよりも上方、詳しくは、窓部5wの下方、上記車体側センターレール10BCよりも上方の位置において、そのスライドドア5に設けられたドア側センターレール10DCと、このドア側センターレール10DCに連結される車体側センターローラユニット20BCと、を備えている。本実施形態では、車体側ロアローラユニット20BLは、ドア開口部3の後方において、その下縁部3aの近傍に設けられ、車体側センターローラユニット20BCは、ドア開口部3の後縁部3rにおいて、そのスライドドア5のベルトラインγ付近の高さに設けられている。そして、本実施形態のスライドドア装置30においては、これらのドア側ロアレール10DL及びドア側センターレール10DCが、それぞれ、その第1及び第2のドア側ガイドレールを構成し、車体側ロアローラユニット20BL及び車体側センターローラユニット20BCが、それぞれ、その第1及び第2のドア側ガイドローラユニットを構成する。
【0050】
さらに詳述すると、図3(a)及び図5に示すように、本実施形態の車体側ロアレール10BLは、車両1の下側(図5中、下側)に開口する断面略コ字状の外形を有したガイドローラ係合部32(32BL)を備えている。また、本実施形態のドア側ロアローラユニット20DLは、略L字状の折曲板形状を有してスライドドア5の内側面5bに固定される支持アーム33と、その車幅方向内側(図5中、右側)に向かって延びる支持アーム33の延伸部33aに対して回動可能に連結されたガイドローラ支持部34と、を備えている。更に、このドア側ロアローラユニット20DLは、回転可能な状態で、そのガイドローラ支持部34に支持された一対のガイドローラ35(35DL)を備えている。そして、本実施形態のドア側ロアローラユニット20DLは、断面コ字形状をなすガイドローラ係合部32BLの内側に、これらの各ガイドローラ35DLを配置する状態で車体側ロアレール10BLに連結されている。
【0051】
即ち、本実施形態の車体側ロアレール10BLは、そのガイドローラ係合部32BLの側壁部32a,32bに対してドア側ロアローラユニット20DLの各ガイドローラ35DLが内側から当接することにより、そのレール幅方向(図5中、左右方向)におけるドア側ロアローラユニット20DLの相対移動を規制する。そして、本実施形態の車体側ロアレール10BLは、これにより、そのガイドローラ係合部32BLの延伸方向にドア側ロアローラユニット20DLを案内する構成になっている。
【0052】
また、本実施形態のドア側ロアローラユニット20DLは、車両1の上下方向に延びる各ガイドローラ35DLの支軸36DL及びガイドローラ支持部34の連結軸NDLに対して略直交する方向に延びる支軸37DLを有したロードローラ38(38DL)を備えている。具体的には、このロードローラ38DLは、車体側ロアレール10BLに係合する各ガイドローラ35DLの間の位置に設けられている。そして、本実施形態の車両1は、ドア開口部3の下縁部3aとなる位置において、その車体側ロアレール10BLの下方に設けられた支持面S1を備えている。
【0053】
即ち、本実施形態のドア側ロアローラユニット20DLは、この支持面S1に対し、そのロードローラ38DLが上側から当接する状態で、車体側ロアレール10BLに連結される。そして、本実施形態のスライドドア装置30は、この支持面S1上をロードローラ38DLが転動することにより、スライドドア5の荷重を支えつつ、その車体側ロアレール10BLの延伸方向に沿ってドア側ロアローラユニット20DLが移動する構成になっている。
【0054】
図3(b)及び図6に示すように、本実施形態の車体側センターレール10BCもまた、上記車体側ロアレール10BLと同様に、車両1の下側(図6中、下側)に開口する断面略コ字状の外形を有したガイドローラ係合部32(32BC)を備えている。また、本実施形態のドア側センターローラユニット20DCは、スライドドア5の内側面5bに固定される支持ブラケット40と、この支持ブラケット40に対して回動可能に連結された回動アーム41と、を備えている。そして、このドア側センターローラユニット20DCもまた、その回動アーム41の先端部41aに設けられた一対のガイドローラ35(35DC)を備えている。
【0055】
また、本実施形態の車体側センターレール10BCは、上記ガイドローラ係合部32BCの下方となる位置において、その車体2側に固定される断面略L字型の外形を有したロードローラ支持部42を備えている。そして、本実施形態のドア側センターローラユニット20DCもまた、このロードローラ支持部42が形成する支持面S2に対して上側から当接するロードローラ38(38DC)を備えている。
【0056】
即ち、本実施形態の車体側センターレール10BCもまた、そのガイドローラ係合部32BCの側壁部32a,32bに対してドア側センターローラユニット20DCの各ガイドローラ35DCが内側から当接することにより、そのレール幅方向(図6中、左右方向)におけるドア側センターローラユニット20DCの相対移動を規制する。また、本実施形態の車体側センターレール10BCは、これにより、ガイドローラ係合部32BCの延伸方向に沿ってドア側センターローラユニット20DCを案内するとともに、そのロードローラ支持部42が形成する支持面S2上をドア側センターローラユニット20DCに設けられたロードローラ38DCが転動する。尚、このロードローラ38DCもまた、車両1の上下方向に延びる各ガイドローラ35DCの支軸36DC及び回動アーム41の連結軸NDCに対して略直交する方向に延びる支軸37DCを備えている。そして、本実施形態のスライドドア装置30は、これにより、スライドドア5の荷重を支えつつ、その車体側センターレール10BCの延伸方向に沿ってドア側センターローラユニット20DCが移動する構成になっている。
【0057】
一方、図4(a)及び図7に示すように、本実施形態のドア側ロアレール10DLもまた、車両1の下側(図7中、下側)に開口する断面略コ字状の外形を有したガイドローラ係合部32(32DL)を備えている。また、本実施形態の車体側ロアローラユニット20BLは、車体2側に固定される支持ブラケット43と、車両1の上下方向に延びる連結軸NBL周りに回動可能な状態で、この支持ブラケット43に連結された回動アーム44を備えている。更に、この回動アーム44の先端部44aには、同じく車両1の上下方向に延びる支軸36BLを有して回動可能に軸支された一対のガイドローラ35(35BL)が設けられている。そして、この車体側ロアローラユニット20BLもまた、断面コ字形状をなすガイドローラ係合部32DLの内側に、これらの各ガイドローラ35BLを配置する状態でドア側ロアレール10DLに連結されている。
【0058】
即ち、本実施形態のドア側ロアレール10DLは、そのガイドローラ係合部32DLの側壁部32a,32bに対して車体側ロアローラユニット20BLの各ガイドローラ35BLが内側から当接することにより、その車体側ロアローラユニット20BLに対するレール幅方向(図7中、左右方向)の相対移動が規制される。そして、本実施形態のスライドドア装置30は、これにより、ガイドローラ係合部32DLに案内される態様で、その延伸方向に沿ったドア側ロアレール10DLと車体側ロアローラユニット20BLとの相対移動が許容される構成になっている。
【0059】
また、図4(b)及び図8に示すように、本実施形態のドア側センターレール10DCも同様に、車両1の下側(図8中、下側)に開口する断面略コ字状の外形を有したガイドローラ係合部32(32DC)を備えている。更に、本実施形態の車体側センターローラユニット20BCは、車体2に対して固定される支持ブラケット45と、この支持ブラケット45に対して回動可能に連結された回動アーム46と、この回動アーム46の先端部46aに対して回動可能に連結されたガイドローラ支持部47と、を備えている。そして、本実施形態の車体側センターローラユニット20BCもまた、このガイドローラ支持部47に設けられた支軸36BCにより回動可能に軸支された一対のガイドローラ35(35BC)を備えている。
【0060】
具体的には、この車体側センターローラユニット20BCにおいてもまた、支持ブラケット45に対する回動アーム46の連結軸NBC1、この回動アーム46に対するガイドローラ支持部47の連結軸NBC2、及び各ガイドローラ35の支軸36BCは、車両1の上下方向に延びている。そして、この車体側センターローラユニット20BCもまた、断面コ字形状をなすガイドローラ係合部32DCの内側に、その各ガイドローラ35BCを配置する状態でドア側センターレール10DCに連結されている。
【0061】
即ち、本実施形態のドア側センターレール10DCもまた、そのガイドローラ係合部32DCの側壁部32a,32bに対して車体側センターローラユニット20BCの各ガイドローラ35BLが内側から当接することにより、その車体側センターローラユニット20BCに対するレール幅方向(図8中、左右方向)の相対移動が規制される。そして、本実施形態のスライドドア装置30は、これにより、ガイドローラ係合部32DLに案内される態様で、その延伸方向に沿ったドア側センターレール10DCと車体側センターローラユニット20BCとの相対移動が許容される構成になっている。
【0062】
また、図3及び図4に示すように、本実施形態のスライドドア装置30において、車体側ロアレール10BLは、その車両前方側(図3中、左側)の長手方向端部10BLfに、車両後方側から前方側に向かって車幅方向内側(図3中、下側)に湾曲した湾曲形状部48(48BL)を有している。更に、車体側センターレール10BCもまた、車両前方側の長手方向端部10BCfに、車両後方側から前方側に向かって車幅方向内側に湾曲した湾曲形状部48(48BC)を有している。更に、ドア側ロアレール10DLには、その車両後方側(図4中、右側)の長手方向端部10DLrに、車両前方側から後方側に向かって車幅方向外側(図4中、上側)に湾曲した湾曲形状部48(48DL)が設けられている。そして、本実施形態のスライドドア装置30は、これらの各ガイドレール10(10BL,10BC,10DL)に設けられた湾曲形状部48(48BL,48BC,48DL)に沿うように、車幅方向の変位を伴いつつ、そのスライドドア5が車両前後方向に移動する構成になっている。
【0063】
即ち、本実施形態のスライドドア装置30は、スライドドア5が全閉状態にある場合(各図中、二点鎖線に示す位置)においては、そのスライドドア5の外表面5aが車体2の側面2aに対して略面一となるように構成されている。また、このような全閉状態からスライドドア5が開動作する場合、このスライドドア5は、車幅方向外側に変位しつつ、車両後方側に移動する。つまり、このスライドドア5は、その移動経路Rの全閉位置P1側に当該スライドドアが車幅方向に変位する幅方向変位区間Rcを有している。尚、各図中、一点鎖線は、その開閉動作するスライドドア5(先端部分)の軌跡を示している。そして、本実施形態のスライドドア装置30は、これにより、その開動作時(及び閉動作時)においても、車体2の側面2aにスライドドア5が干渉しない構成になっている。
【0064】
具体的には、ドア側ロアローラユニット20DLは、その車体側ロアレール10BL(のガイドローラ係合部32BL)に対するガイドローラ35DLの係合位置が、車体側ロアレール10BLの湾曲形状部48BL上を移動することにより、その連結軸NDL周りに各ガイドローラ35DLを支持したガイドローラ支持部34が回動する。また、ドア側センターローラユニット20DCは、その車体側センターレール10BC(のガイドローラ係合部32BC)に対するガイドローラ35DCの係合位置が、車体側センターレール10BCの湾曲形状部48BC上を移動することで、その連結軸NDC周りに各ガイドローラ35DLを支持した回動アーム41が回動する。更に、車体側ロアローラユニット20BLもまた、そのガイドローラ35BLに対するドア側ロアレール10DL(のガイドローラ係合部32DL)の係合位置が、当該ドア側ロアレール10DLの湾曲形状部48DL上を移動することで、その連結軸NBL周りに各ガイドローラ35BLを支持した回動アーム44が回動する。そして、本実施形態のスライドドア装置30は、これにより、スライドドア5を車体2の側面2aに対して略平行に支持したまま、その開閉動作位置に応じて車幅方向に変位させつつ、そのスライドドア5を車両前後方向に移動させる構成になっている。
【0065】
ここで、図4(b)に示すように、本実施形態のスライドドア装置30において、ドア側センターレール10DCには、その他の各ガイドレール10(10BL,10BC,10DL)のような湾曲形状部48(48BL,48BC,48DL)が設けられていない。
【0066】
即ち、図9に示すように、本実施形態の車体側センターローラユニット20BCは、その各ガイドローラ35BCに係合したドア側センターレール10DC(のガイドローラ係合部32DL)がスライドドア5と一体に車幅方向(図9中、上下方向)に変位することで、車体2に対して回動アーム46が相対回動する。そして、このとき、この回動アーム46の先端部46aに連結されたガイドローラ支持部47もまた、その回動アーム46に対して相対回動する。
【0067】
具体的には、図4(b)及び図9に示すように、例えば、スライドドア5の全閉動作時、このスライドドア5と一体にドア側センターレール10DCが車幅方向内側(図9中、下側)に移動することで、回動アーム46は、その車体2側に固定された支持ブラケット45に対する連結軸NBC1を支点として、各図中、反時計回り方向に回動する。そして、このとき、ガイドローラ支持部47は、その回動アーム46に対する連結軸NBC2を支点として、各図中、時計回り方向に回動する。
【0068】
一方、スライドドア5が全閉状態(全閉位置P1)から開動作する場合、スライドドア5と一体にドア側センターレール10DCが車幅方向外側(図9中、上側)に移動することで、回動アーム46は、その支持ブラケット45に対する連結軸NBC1を支点として、各図中、時計回り方向に回動する。また、このとき、ガイドローラ支持部47は、その回動アーム46に対する連結軸NBC2を支点として、各図中、反時計回り方向に回動する。そして、本実施形態のスライドドア装置30は、これにより、そのスライドドア5に設けられたドア側センターレール10DCを車体2の側面2aに対して略平行に保つことで、これらのドア側センターレール10DC及び車体側センターローラユニット20BCが、そのスライドドア5の車幅方向変位を妨げない構成になっている。
【0069】
次に、上記のように構成された本実施形態のスライドドア装置30の作用について説明する。
例えば、図10に示す参考例のスライドドア5Zのように、ドア側センターレール10DCZの長手方向端部10DCrに湾曲形状部48DCを設けた場合には、このドア側センターレール10DCZが、そのスライドドア5Zの内側面5bから車幅方向内側に突出することになる。そして、これにより、そのドア側センターレール10DCZの突出量αに相当する車室空間が侵食されることになる。
【0070】
しかしながら、本実施形態のスライドドア装置30においては、そのスライドドア5と一体にドア側センターレール10DCが車幅方向に変位した場合、上記のように、その車体側センターローラユニット20BCを構成する回動アーム46が車体2に対して相対回動するとともに、この回動アーム46とガイドローラ支持部47とが相対回動する。その結果、上記参考例のドア側センターレール10DCZのような湾曲形状部48を長手方向端部10DCrに設定することなく、その車体2の側面2aに対して略平行なスライドドア5の開閉動作姿勢が保たれる。そして、本実施形態のスライドドア装置30は、これにより、そのスライドドア5のベルトラインγ付近にドア側センターレール10DCを設けることにより生ずる車室空間の侵食を最小限に抑える構成になっている。
【0071】
また、スライドドア5の開動作時、ドア側センターレール10DCを除いた各ガイドレール10(10BL,10BC,10DL)に対する各ガイドローラ35(35DL,35DC,35BL)の係合位置が、その湾曲形状部48(48BL,48BC,48DL)から移動することで、スライドドア5の車幅方向位置が略一定となる。その結果、車体側センターローラユニット20BCを構成する回動アーム46が、その連結相手となる車体2側及びガイドローラ支持部47に対して相対回動しなくなる。そして、本実施形態のスライドドア装置30は、これにより、この車体側センターローラユニット20BCもまた、スライドドア5の荷重を支える状態となる。
【0072】
即ち、図2及び図11に示すように、スライドドア5の開動作時、このスライドドア5に設けられたドア側センターローラユニット20DCは、その車体側センターローラユニット20BCから離間する方向(車両後方側、各図中、右側)に移動する。このため、スライドドア5の開動作によって、そのドア側ロアローラユニット20DLが車体側ロアローラユニット20BLに近づいた場合であっても、その車体側センターローラユニット20BCがスライドドア5の支持点(X4)を形成することで、このスライドドア5を安定的に支持することができる。
【0073】
例えば、図11に示すように、本実施形態のスライドドア装置30は、そのスライドドア5が全開状態となった場合、そのドア側ロアローラユニット20DLと、その車体側ロアローラユニット20BLと、が互いに近接した位置に配置される。しかしながら、このような状態であっても、そのドア側ロアローラユニット20DLが形成する支持点X1、ドア側センターローラユニット20DCが形成する支持点X2、及び車体側センターローラユニット20BCが形成する支持点X4を結ぶことで、大きな三角形δを描くことができる。そして、本実施形態のスライドドア装置30は、これにより、そのスライドドア5の安定した開動作姿勢を維持することが可能になっている。
【0074】
また、図9に示すように、スライドドア5が車幅方向に変位する全閉位置P1側の幅方向変位区間Rc(図3及び図4参照)にある場合においては、上記のように回動アーム46及びガイドローラ支持部47が回動することで、その車体側センターローラユニット20BCがスライドドア5を支える力が弱くなる。つまり、車体側センターローラユニット20BCがスライドドア5の全閉位置P1に対応した折り畳み状態β1と当該スライドドア5の開動作によりスライドドア5の車幅方向位置が略一定となる所定位置P2に対応した展開状態β2との間にある場合には、その車体側センターローラユニット20BCがスライドドア5の支持点X4になり難い。
【0075】
しかしながら、図2に示すように、このとき、ドア側ロアローラユニット20DL及び車体側ロアローラユニット20BLは、互いに離間した位置に配置されている。つまり、これらドア側ロアローラユニット20DL及び車体側ロアローラユニット20BLが形成する支持点X1,X3、並びにドア側センターローラユニット20DCが形成する支持点X2を結ぶ大きな三角形δを描くことができる。そして、本実施形態のスライドドア装置30は、これにより、より安定的に、そのスライドドア5を支持することが可能になっている。
【0076】
更に、図4(a)及び図12に示すように、本実施形態のドア側ロアレール10DLは、スライドドア5が幅方向変位区間Rcを超えて開動作した場合において車体側ロアローラユニット20BLの各ガイドローラ35BLが配置される部分に、その湾曲形状部48DLよりも広いレール幅Wが設定された幅広形状部50を備えている(W2>W1)。具体的には、この幅広形状部50は、そのレール幅Wを徐々に広げるかたちで、ドア側ロアレール10DLの長手方向略中央部分から当該ドア側ロアレール10DLにおける車両前方側(各図中、左側)の長手方向端部10DLfまでの範囲に設けられている。そして、本実施形態のスライドドア装置30は、これにより、スライドドア5が開動作状態にある場合において、より一層、そのスライドドア5を安定的に支持することが可能になっている。
【0077】
即ち、本実施形態のスライドドア装置30は、スライドドア5の開動作時、車体側センターローラユニット20BCが支持点X4を形成する位置までスライドドア5が移動した後、その車体側ロアローラユニット20BLに支持された各ガイドローラ35BLが、ドア側ロアレール10DLの幅広形状部50に移動する構成となっている。また、これにより、ドア側ロアレール10DL(のガイドローラ係合部32DL)に対する車体側ロアローラユニット20BL(の各ガイドローラ35BL)の係合力が低下することで、当該車体側ロアローラユニット20BLがスライドドア5の支持点X3になり難い状態となる。そして、本実施形態のスライドドア装置30は、これによりドア側ロアローラユニット20DLが形成する支持点X1、ドア側センターローラユニット20DCが形成する支持点X2、及び車体側センターローラユニット20BCが形成する支持点X4の3点でスライドドア5を支持する状態となることで、高い支持安定性を確保する構成になっている。
【0078】
(ロック装置)
次に、本実施形態のスライドドア装置30を構成する上記車体側センターローラユニット20BCに設けられたロック装置について説明する。
【0079】
図13図15に示すように、本実施形態の車体側センターローラユニット20BCには、回動アーム46と当該回動アーム46の連結相手とが形成する回動連結部JTにおいて、その連結相手に対する回動アーム46の相対回動を規制可能なロック装置51が設けられている。
【0080】
詳述すると、本実施形態の車体側センターローラユニット20BCにおいて、このロック装置51は、車体2側の連結部となる支持ブラケット45を回動アーム46の連結相手とした第1の回動連結部JT1、及びガイドローラ支持部47を回動アーム46の連結相手とした第2の回動連結部JT2のうち、その第2の回動連結部JT2に設けられている。
【0081】
具体的には、本実施形態の回動アーム46は、そのガイドローラ支持部47に連結された先端部46aに、当該ガイドローラ支持部47に対する連結軸NBC2と同心状に湾曲して延びる弧状周面52を備えている。そして、この弧状周面52には、当該弧状周面52の一部分を切り欠く形で、その径方向外側に開口するロック溝53が設けられている。
【0082】
また、本実施形態のガイドローラ支持部47には、その連結軸NBC2の近傍において回動可能に軸支されたロックレバー54が設けられている。更に、このロックレバー54は、その第1端部54aが上記回動アーム46側のロック溝53に対して係脱可能な突部形状をなしている。そして、ロックレバー54の支軸55には、このロックレバー54を付勢して、その第1端部54aを回動アーム46側の弧状周面52に当接させる捩りコイルバネ56が嵌挿されている。
【0083】
即ち、図13及び図14に示すように、本実施形態のロック装置51は、スライドドア5が幅方向変位区間Rcを開動作する際(図4参照)、ガイドローラ支持部47と回動アーム46とが相対回動することにより、回動アーム46側の弧状周面52に当接したロックレバー54の第1端部54aが、その弧状周面52上を摺動する構成になっている。更に、このロック装置51は、スライドドア5が全閉位置P1側の幅方向変位区間Rcを超えて開動作した場合に、上記のように弧状周面52上を摺動したロックレバー54の第1端部54aが、その弧状周面52に設けられたロック溝53に対して係合するように構成されている。そして、本実施形態のロック装置51は、これにより、そのガイドローラ支持部47に対する回動アーム46の相対回動を規制する構成になっている。
【0084】
具体的には、図13に示すように、本実施形態のロック装置51は、車体側センターローラユニット20BCがスライドドア5の全閉位置P1に対応した折り畳み状態β1にある場合、同図中、ロック溝53よりも時計回り方向側の位置において、その弧状周面52に対してロックレバー54の第1端部54aが当接するように構成されている。
【0085】
即ち、図13及び図14に示すように、本実施形態の車体側センターローラユニット20BCは、スライドドア5が全閉位置P1から開動作する際、見かけ上、回動アーム46が、そのガイドローラ支持部47に対する連結軸NBC2を支点として、各図中、時計回り方向に回動する。また、本実施形態のロックレバー54は、これにより、回動アーム46側の弧状周面52に当接した第1端部54aが、見かけ上、その摺動面Sxとなる弧状周面52上を、各図中、反時計回り方向に摺動する。そして、本実施形態のロック装置51は、これにより、車体側センターローラユニット20BCが折り畳み状態β1から展開状態β2に移行する過程において、ガイドローラ支持部47側に設けられたロックレバー54の第1端部54aが、その回動アーム46側の弧状周面52に連接して設けられたロック溝53に係合する構成になっている。
【0086】
さらに詳述すると、本実施形態のロック装置51は、全閉位置P1側の幅方向変位区間Rcを開動作したスライドドア5が、その車幅方向位置が略一定となる所定位置P2の近傍に到達したタイミングで(図4参照)、そのガイドローラ支持部47側に設けられたロックレバー54と回動アーム46側に設けられたロック溝53とが互いに係合する。そして、本実施形態のスライドドア装置30は、これにより、ガイドローラ支持部47に対する回動アーム46の相対回動を規制することで、その幅方向変位区間Rcを超えたスライドドア5の開動作領域において、より安定的に、スライドドア5を支持することが可能になっている。
【0087】
また、図4及び図15に示すように、本実施形態のスライドドア装置30において、スライドドア5の内側面5bには、そのドア側センターレール10DCの近傍に、上記車体側センターローラユニット20BCのガイドローラ支持部47に設けられたロックレバー54に対して係合可能なドア側係合部材57が設けられている。
【0088】
具体的には、このドア側係合部材57は、車体側センターローラユニット20BCが展開状態β2に移行する上記所定位置P2の近傍にスライドドア5がある場合において、そのドア側センターレール10DCに係合するガイドローラ35BCを支持したガイドローラ支持部47の近傍を通過する位置に固定されている。また、このドア側係合部材57は、このとき、そのガイドローラ支持部47に設けられたロックレバー54の第2端部54bに係合することにより、当該ロックレバー54を回動させる。そして、本実施形態のロック装置51は、これにより、その幅方向変位区間Rcに進入するスライドドア5の閉動作に基づいて、ガイドローラ支持部47側のロックレバー54と回動アーム46側のロック溝53と係合を解除する構成になっている。
【0089】
詳述すると、図14に示すように、本実施形態のロックレバー54は、第1端部54aがロック溝53に係合したロック状態にある場合に、その第2端部54bが、ロックレバー54の支軸55を挟んで第1端部54aとは反対方向、つまりはスライドドア5側(図14中、上側)に突出する構成となっている。また、図15に示すように、本実施形態のドア側係合部材57は、ドア側センターレール10DCよりも車体2側(図15中、下側)に突出したカム部58を備えている。そして、本実施形態のロック装置51は、スライドドア5の閉動作時、このドア側係合部材57のカム部58がロックレバー54の第2端部54bに係合する構成となっている。
【0090】
具体的には、本実施形態のカム部58は、その後端側(図15中、右側)ほど、より大きく車体2側に突出した略楔形の外形を有している。即ち、本実施形態のドア側係合部材57は、このカム部58が形成する斜面58sに対してロックレバー54の第2端部54bが係合した状態で、スライドドア5が閉動作方向(15中、左側)に移動することにより、ロックレバー54の第2端部54bを車体2側(図15中、下側)に変位させる。また、これにより、ロックレバー54は、上記捩りコイルバネ56の付勢力に抗して、図15中、時計回り方向に回動する。そして、本実施形態のロック装置51は、このロックレバー54の回動によって、当該ロックレバー54の第1端部54aを、その回動アーム46側のロック溝53に係合から脱離させる構成になっている。
【0091】
更に、本実施形態のロック装置51は、閉動作方向に移動するスライドドア5が全閉位置P1側の幅方向変位区間Rcに進入した状態で、そのドア側係合部材57の移動により当該ドア側係合部材57とロックレバー54との係合が解除されるようになっている。
【0092】
即ち、ロックレバー54は、ドア側係合部材57との係合が解除されることで、捩りコイルバネ56の付勢力に基づいて、再び、その第1端部54aが回動アーム46側に形成されたロック溝53に近接する方向(図15中、反時計回り方向)に回動する。しかしながら、このとき、車体側センターローラユニット20BCは、既に、その展開状態β2から折り畳み状態β1に移行する回動状態となっている。このため、ロックレバー54の第1端部54aは、ロック溝53に係合することなく、その摺動面Sxとなる弧状周面52に当接する(図13参照)。そして、本実施形態のスライドドア装置30は、これにより、ロック装置51が回動アーム46とガイドローラ支持部47との間の相対回動を許容するアンロック状態に移行することで、そのスライドドア5の車幅方向変位を妨げない構成になっている。
【0093】
以上、本実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)ドア側センターレール10DCに対して連結される車体側センターローラユニット20BCは、車体2に対して回動可能に連結される回動アーム46と、ドア側センターレール10DCに係合するガイドローラ35(35BC)を支持する状態で回動アーム46と回動可能に連結されるガイドローラ支持部47と、を備える。また、スライドドア5は、移動経路Rの全閉位置P1側に当該スライドドア5が車幅方向に変位する幅方向変位区間Rcを有して車両前後方向に開閉動作する。そして、回動アーム46と当該回動アーム46の連結相手となるガイドローラ支持部47との間に形成される回動連結部JT(JT2)には、スライドドア5が幅方向変位区間Rcを超えて開動作した場合に、そのガイドローラ支持部47に対する回動アーム46の相対回動を規制するロック装置51が設けられる。
【0094】
上記構成によれば、スライドドア5と一体にドア側センターレール10DCが車幅方向に変位した場合、車体側センターローラユニット20BCを構成する回動アーム46が車体2に対して相対回動するとともに、この回動アーム46とガイドローラ支持部47とが相対回動する。そして、これにより、そのスライドドア5の開閉動作姿勢(例えば、車体2の側面2aに対して略平行な姿勢)が保たれる。即ち、スライドドア5が車幅方向に変位する全閉位置P1側の幅方向変位区間Rc、つまり全閉位置P1近傍にある場合に、そのガイドローラ35BCが係合する閉動作側の長手方向端部10DCrに湾曲形状部48を有しない直線的なドア側センターレール10DCを用いた場合であっても、円滑に、そのスライドドア5を開閉動作させることができる。そして、これにより、このようなドア側センターレール10DCを設けることにより生ずる車室空間の侵食を最小限に抑えることができる。
【0095】
また、幅方向変位区間Rcを超えたスライドドア5の開動作時、当該スライドドア5の車幅方向位置が略一定となることで、車体側センターローラユニット20BCを構成する回動アーム46が、その連結相手である車体2及びガイドローラ支持部47に対して相対回動しなくなる。その結果、そのドア側センターレール10DCとガイドローラ支持部47に支持された各ガイドローラ35BCとの係合力に基づいて、この車体側センターローラユニット20BCがスライドドア5の支持点X4を形成するようになる。更に、このとき、ロック装置51の作動によりガイドローラ支持部47に対する回動アーム46の相対回動が規制されることで、そのスライドドア5の開閉動作姿勢が安定する。そして、これにより、幅方向変位区間Rcを超えたスライドドア5の開動作領域において、より安定的に、スライドドア5を支持することができる。
【0096】
(2)回動アーム46の先端部46aには、係合凹部としてのロック溝53が設けられる。また、この回動アーム46の先端部46a側において、その回動アーム46の連結相手となるガイドローラ支持部47には、回動アーム46側のロック溝53に対して係脱可能な係合部材としてのロックレバー54が設けられる。そして、ロック装置51は、スライドドア5が幅方向変位区間Rcを開動作する際のガイドローラ支持部47に対する回動アーム46の相対回動に基づいて、この回動アーム46に設けられたロック溝53とガイドローラ支持部47に設けられたロックレバー54とが互いに係合するように構成される。
【0097】
上記構成によれば、回動アーム46に設けられたロック溝53とガイドローラ支持部47に設けられたロックレバー54との間の係合力に基づき、簡素な構成にて、幅方向変位区間Rcを超えてスライドドア5が開動作した場合におけるガイドローラ支持部47に対する回動アーム46の相対回動を規制することができる。
【0098】
(3)ロック装置51は、スライドドア5と一体に移動するドア側係合部材57を備える。また、ガイドローラ支持部47に設けられたロックレバー54は、幅方向変位区間Rcに進入するスライドドア5の閉動作に基づき、その第2端部54bに対してドア側係合部材57が係合することにより回動する。そして、ロック装置51は、このロックレバー54の回動により、当該ロックレバー54の第1端部54aが回動アーム46側のロック溝53から脱離するように構成される。
【0099】
上記構成によれば、ガイドローラ支持部47に設けられたロックレバー54が係合部材及び解除部材を兼ねるかたちで、構成簡素且つコンパクトに、そのロックレバー54をロック溝53から脱離させるための解除機構を形成することができる。そして、これにより、スライドドア5が幅方向変位区間Rcにある場合における回動アーム46とガイドローラ支持部47との相対回動を許容して、そのスライドドア5の開閉動作姿勢を安定的に維持することができる。
【0100】
(4)ロック装置51は、ロック溝53に連接して設けられた摺動面Sxと、ロックレバー54を付勢して当該ロックレバー54の第1端部54aを摺動面Sxに摺接させる付勢機構を構成する捩りコイルバネ56と、を備える。
【0101】
上記構成によれば、スライドドア5が幅方向変位区間Rcを開動作する際、ガイドローラ支持部47と回動アーム46とが相対回動することにより、見かけ上、その弧状周面52上を摺動したロックレバー54の第1端部54aがロック溝53に係合する。そして、これにより、簡素な構成にて、精度よく、その回動アーム46に設けられたロック溝53とガイドローラ支持部47に設けられたロックレバー54とが係合するタイミングを制御することができる。
【0102】
(5)摺動面Sxは、回動アーム46とガイドローラ支持部47との間の連結軸NBC2と同心状に湾曲して延びる弧状周面52により構成される。
上記構成によれば、ガイドローラ支持部47と回動アーム46との相対回動に基づいて、円滑に、その摺動面Sx上をロックレバー54の第1端部54aが摺動する。そして、これにより、より確実に、その摺動面Sx上を摺動したロックレバー54の第1端部54aをロック溝53に係合させることができる。
【0103】
(6)スライドドア装置30は、ドア開口部3の下縁部3aにおいて車体2側に設けられる車体側ロアレール10BLと、この車体側ロアレール10BLよりも上方に配置される車体側センターレール10BCと、を備える。そして、スライドドア装置30は、ドア開口部3の下縁部3aにおいてスライドドア5側に設けられるドア側ロアレール10DLと、このドア側ロアレール10DLよりも上方に配置されるドア側センターレール10DCと、を備える。
【0104】
上記構成によれば、車体側ロアレール10BLに連結されたドア側ロアローラユニット20DL、車体側センターレール10BCに連結されたドア側センターローラユニット20DC、及びドア側ロアレール10DLに連結された車体側ロアローラユニット20BLもまた、それぞれ、そのスライドドア5の支持点を形成する。そして、スライドドア5が全閉位置P1近傍の幅方向変位区間Rcにある場合には、そのドア側ロアローラユニット20DL及びドア側センターローラユニット20DC、並びに車体側ロアローラユニット20BLが形成する3つの支持点X1〜X3により、安定的にスライドドア5を支持することができる。
【0105】
また、スライドドア5が開動作することにより、そのスライドドア5と一体に移動するドア側ロアローラユニット20DLが車体側ロアローラユニット20BLに近接することになる。しかしながら、このとき、ドア側センターローラユニット20DCが形成するスライドドア5の支持点X2は、スライドドア5の開動作によって、車体側センターローラユニット20BCが形成する支持点X4から離間する方向に移動する。つまり、これらドア側センターローラユニット20DC及び車体側センターローラユニット20BCが形成する各支持点X2,X4、並びにドア側ロアローラユニット20DLが形成する支持点X1を結ぶことで、大きな三角形δを描くことができる。そして、これにより、スライドドア5の開動作時においても、安定的に、そのスライドドア5を支持することができる。
【0106】
(7)車体側ロアレール10BL、車体側センターレール10BC、及びドア側ロアレール10DLには、車幅方向に湾曲する湾曲形状部48(48BL,48BC,48DL)が設けられる。
【0107】
上記構成によれば、これらの各ガイドレール10(10BL,10BC,10DL)に設けられた湾曲形状部48(48BL,48BC,48DL)によりスライドドア5の移動経路Rの全閉位置P1側に幅方向変位区間Rcを形成して、当該スライドドア5を車幅方向に変位させつつ開閉動作させることができる。そして、幅方向変位区間Rcにおいても、これらの各ガイドレール10(10BL,10BC,10DL)の湾曲形状部48(48BL,48BC,48DL)に係合する各ガイドローラユニット20(20DL,20DC,20BL)が3つの支持点を形成することで、より安定的に、スライドドア5を支持することができる。
【0108】
更に、これらの各ガイドレール10(10BL,10BC,10DL)には、このような湾曲形状部48(48BL,48BC,48DL)を設けた場合であっても、当該各ガイドレール10(10BL,10BC,10DL)が車室内に突出し難いという利点がある。そして、これにより、車室空間の侵食を小さく抑えることができる。
【0109】
(8)ドア側ロアレール10DLは、スライドドア5が幅方向変位区間Rcを超えて開動作した場合において車体側ロアローラユニット20BLの各ガイドローラ35BLが配置される部分に、その湾曲形状部48DLよりも広いレール幅Wが設定された幅広形状部50を備える(W2>W1)。
【0110】
即ち、車体側ロアローラユニット20BLの各ガイドローラ35BLがドア側ロアレール10DLの幅広形状部50に移動することで、このドア側ロアレール10DL(のガイドローラ係合部32DL)に対する車体側ロアローラユニット20BL(の各ガイドローラ35BL)の係合力が弱くなる。その結果、車体側ロアローラユニット20BLが形成する支持点X3の支持機能が低下することで、ドア側ロアローラユニット20DLが形成する支持点X1、ドア側センターローラユニット20DCが形成する支持点X2、及び車体側センターローラユニット20BCが形成する支持点X4の3点でスライドドア5を支持する状態となる。そして、これにより、より高い支持安定性を確保することができる。
【0111】
(9)ドア側センターレール10DCは、スライドドア5に設けられた窓部5wの下方、車体側センターレール10BCよりも上方となる位置に設けられる。
即ち、ドア側センターレール10DCをスライドドア5のベルトラインγ付近に設けることで、スライドドア5のデザイン自由度を確保しつつ、より安定的に、そのスライドドア5を支持することができる。また、スライドドア5のベルトラインγ付近において、そのドア側センターレール10DCを設けることにより生ずる車室空間の侵食を抑えることで、より有効に、その車室空間を利用することができる。更に、ドア側センターレール10DCと車体側センターレール10BCとを上下方向にずれた位置に配置することで、より効果的に、そのドア側センターレール10DCを設けることにより生ずる車室空間の侵食を抑えることができる。そして、これにより、より一層、その車室空間の快適性を高めることができる。
【0112】
[第2の実施形態]
以下、ガイドローラユニット及び車両用スライドドア装置に関する第2の実施形態を図面に従って説明する。尚、説明の便宜上、上記第1の実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して、その説明を省略することとする。
【0113】
図16及び図17に示すように、本実施形態のスライドドア装置60は、そのロック装置61が、車体側センターローラユニット20BCを構成する回動アーム46と車体2側の連結部を構成する支持ブラケット45との間の第1の回動連結部JT1に設けられている点において、上記第1の実施形態におけるスライドドア装置30と相違する。
【0114】
詳述すると、スライドドア装置60において、回動アーム46の基端部46bには、この基端部46bに対し、上記第1の実施形態において、その回動アーム46の先端部46aに設けられた弧状周面52及びロック溝53(図13参照)と同様の弧状周面62及びロック溝63を形成するロック部材64が設けられている。即ち、このロック部材64が形成する弧状周面62は、車体2側の連結部を構成する支持ブラケット45に対する回動アーム46の連結軸NBC1と同心状に湾曲して延びている。そして、ロック溝63は、この弧状周面62の一部を切り欠くかたちで、径方向外側に開口する構成になっている。
【0115】
また、車体2に固定された状態で回動アーム46の基端部46bが連結される支持ブラケット45には、その連結軸NBC1の径方向(各図中、左右方向)に沿って移動可能な軸状のロックレバー65が設けられている。更に、このロックレバー65は、その連結軸NBC1側に位置する第1端部65a側が上記回動アーム46側のロック溝63に対して係脱可能な突部形状となっている。そして、本実施形態のロック装置61は、この車体2側(の連結部)に設けられたロックレバー65の第1端部65aが回動アーム46側に設けられたロック溝63に対して係合することにより、その車体2に対する回動アーム46の相対回動を規制する構成になっている。
【0116】
さらに詳述すると、本実施形態のスライドドア装置60において、ロックレバー65は、支持ブラケット45に設けられた支持部材66に支持されている。具体的には、本実施形態の支持部材66は、連結軸NBC1の径方向(各図中、左右方向)に対向する一対の支持板部66a,66bを備えている。更に、これらの各支持板部66a,66bには、それぞれ、当該各支持板部66a,66bを厚み方向に貫通する挿通孔67が形成されている。そして、本実施形態のロックレバー65は、その第1端部65aを回動アーム46側(各図中、左側)に向けた状態で、支持部材66の各挿通孔67に挿通されることにより、その軸線方向に沿ってスライド動作可能な状態で支持ブラケット45側に支持されている。
【0117】
また、本実施形態のロックレバー65は、支持部材66の両支持板部66a,66b間に配置されるフランジ部65fを有している。更に、本実施形態のロック装置61は、このフランジ部65f及びロックレバー65の第2端部65b側を支持する支持板部66bに当接する状態で、そのロックレバー65に嵌挿された圧縮コイルバネ68を備えている。そして、本実施形態のロック装置61においては、この圧縮コイルバネ68の弾性力(弾性復元力)に基づきロックレバー65を付勢して、回動アーム46側の弧状周面62に当接させる付勢機構が形成されている。
【0118】
即ち、本実施形態のロック装置61もまた、スライドドア5が幅方向変位区間Rcを開動作する際(図4参照)、車体2に対して回動アーム46が相対回動することにより、回動アーム46側の弧状周面62に当接したロックレバー65の第1端部65aが、その弧状周面62上を摺動する構成になっている。そして、スライドドア5が全閉位置P1側の幅方向変位区間Rcを超えて開動作した場合に、弧状周面52上を摺動したロックレバー65の第1端部65aが、その摺動面Sxとなる弧状周面52に設けられたロック溝63に対して係合するように構成されている。
【0119】
具体的には、図16に示すように、本実施形態のロック装置61は、車体側センターローラユニット20BCがスライドドア5の全閉位置P1に対応した折り畳み状態β1にある場合、同図中、ロック溝63よりも時計回り方向側の位置において、その弧状周面62に対してロックレバー65の第1端部65aが当接するように構成されている。
【0120】
即ち、図16及び図17に示すように、本実施形態の車体側センターローラユニット20BCは、スライドドア5が全閉位置P1から開動作する際、見かけ上、回動アーム46が、その車体2に固定された支持ブラケット45に対する連結軸NBC1を支点として、各図中、時計回り方向に回動する。また、本実施形態のロックレバー65は、これにより、回動アーム46の基端部46bに設けられた弧状周面62に当接した第1端部65aが、見かけ上、その摺動面Sxとなる弧状周面62上を、各図中、反時計回り方向に摺動する。そして、本実施形態のロック装置61は、これにより、車体側センターローラユニット20BCが折り畳み状態β1から展開状態β2に移行する過程において、車体側の支持ブラケット45に設けられたロックレバー65の第1端部65aが、その弧状周面52に連接して設けられた回動アーム46側のロック溝63に係合する構成になっている。
【0121】
尚、本実施形態のロック装置61もまた、全閉位置P1側の幅方向変位区間Rcを開動作したスライドドア5が、その車幅方向位置が略一定となる所定位置P2の近傍に到達したタイミングで(図4参照)、回動アーム46側のロック溝63と車体2側のロックレバー65の第1端部65aとが係合する。そして、本実施形態のスライドドア装置60は、これにより、幅方向変位区間Rcを超えたスライドドア5の開動作領域において、より安定的に、スライドドア5を支持することが可能になっている。
【0122】
さらに詳述すると、図18及び図19に示すように、本実施形態のスライドドア装置60においては、ドア側ロアローラユニット20DLを構成するガイドローラ支持部34の先端部分に、そのスライドドア5と一体に移動するドア側係合部材70が設けられている。また、そのドア側ロアローラユニット20DLが連結された車体側ロアレール10BLが配置されるドア開口部3の下縁部3a(図1参照)には、この車体側ロアレール10BLの近傍において回動可能に軸支された解除レバー71が設けられている。更に、この解除レバー71は、幅方向変位区間Rcに進入するスライドドア5の閉動作に基づいて、そのスライドドア5に固定されたドア側ロアローラユニット20DLのガイドローラ支持部34と一体に移動するドア側係合部材70が係合する位置に配置されている。そして、本実施形態のロック装置61は、この解除レバー71に係合したドア側係合部材70が、その解除レバー71を回動させる力に基づいて、回動アーム46側のロック溝63に係合したロックレバー65を、そのロック溝63から脱離させる構成になっている。
【0123】
具体的には、本実施形態の解除レバー71は、車体側ロアレール10BLの延伸方向(各図中、左右方向)に交差して略水平方向(図19中、紙面に直交する方向)に延びる支持軸72を有した支持ブラケット73に支持されている。そして、本実施形態のスライドドア装置60において、この支持ブラケット73は、スライドドア5が幅方向変位区間Rcにある場合に、そのドア側ロアローラユニット20DLの各ガイドローラ35DLが係合する車体側ロアレール10BLに設けられた湾曲形状部48BLの入口部分、つまりは、その開動作側の端部近傍に設けられている。
【0124】
また、本実施形態のドア側係合部材70は、ドア側ロアローラユニット20DLのガイドローラ支持部34に固定されることにより略水平方向に延びる略平板形状を有している。更に、このドア側係合部材70は、スライドドア5と一体に移動することにより、上記支持ブラケット73に設けられた解除レバー71の支持軸72の下方(図19中、下側)を通過する。そして、本実施形態のドア側係合部材70は、これにより、下方側に延びる解除レバー71の第1端部71aに係合して、その支持軸72周りに当該解除レバー71を回動させる構成になっている。
【0125】
また、図16図19に示すように、本実施形態のスライドドア装置60においては、互いに異なる位置に配置されたロックレバー65と解除レバー71とがワイヤーケーブル74を介して接続された構成になっている。具体的には、このワイヤーケーブル74は、ロックレバー65の第2端部65bと解除レバー71の第2端部71bとを接続する。尚、本実施形態のワイヤーケーブル74は、可撓性を有した樹脂製のチューブ74aに鋼線74bが挿通された周知の構成を有している。即ち、本実施形態のロック装置61は、このワイヤーケーブル74を介することにより、その解除レバー71に係合したドア側係合部材70が解除レバー71を回動させる力をロックレバー65に伝達する。そして、これによりロックレバー65をスライド動作させることにより、その第1端部65aを回動アーム46の基端部46bに設けられたロック溝63から脱離させる構成になっている。
【0126】
具体的には、図20及び図21に示すように、本実施形態の解除レバー71は、スライドドア5と一体に閉動作方向(各図中、右側から左側)に移動するドア側係合部材70に対し、その下方側に延びる第1端部71aがドア側係合部材70の平板形状に乗り上げるかたちで、当該ドア側係合部材70に係合する。尚、ドア側係合部材70は、その移動方向の両端部分に(各図中、左側及び右側の端部)、それぞれ、上方に臨む斜面70sを有している。そして、本実施形態のロック装置61は、これにより、このドア側係合部材70に係合した解除レバー71が、その支持軸72周りに、各図中、時計回り方向に回動する構成になっている。
【0127】
また、図21及び図22に示すように、この解除レバー71の回動により、当該解除レバー71の第2端部71bに接続されたワイヤーケーブル74を介して、その車体側センターローラユニット20BCの支持ブラケット45に設けられたロックレバー65の第2端部65bが牽引される。そして、本実施形態のロック装置61は、これにより、圧縮コイルバネ68の弾性力に抗してロックレバー65がスライド動作することによって、そのロックレバー65の第1端部65aが回動アーム46側のロック溝63から脱離する構成になっている。
【0128】
尚、図23に示すように、本実施形態のロック装置61においてもまた、閉動作方向に移動するスライドドア5が全閉位置P1側の幅方向変位区間Rcに進入した状態で、そのドア側係合部材70の移動により当該ドア側係合部材70と解除レバー71との係合が解除されるようになっている。
【0129】
即ち、ワイヤーケーブル74を介して解除レバー71がロックレバー65を牽引する力は、その解除レバー71とドア側係合部材70との係合が解除されることにより消失する。そして、これにより、ロックレバー65は、その圧縮コイルバネ68の付勢力に基づいて、再び、その第1端部65aが回動アーム46側に形成されたロック溝63に近接する方向にスライド動作する。
【0130】
しかしながら、このとき、車体側センターローラユニット20BCは、既に、その展開状態β2から折り畳み状態β1に移行する回動状態となっている。このため、ロックレバー65の第1端部65aは、ロック溝63に係合することなく、その摺動面Sxとなる弧状周面62に当接する(図16参照)。そして、本実施形態のスライドドア装置60は、これにより、ロック装置61が、車体2に対する回動アーム46の相対回動を許容するアンロック状態に移行することで、そのスライドドア5の車幅方向変位を妨げない構成になっている。
【0131】
更に、本実施形態のロック装置61は、このようなロックレバー65の第1端部65aが回動アーム46の基端部46bに設けられた弧状周面62に当接(摺接)した状態にある場合、そのワイヤーケーブル74を構成する鋼線74bの剛性に基づいて、解除レバー71の第1端部71aが持ち上がった回動状態が維持される構成になっている。そして、これにより、スライドドア5が全閉位置P1側の幅方向変位区間Rcを超えて開動作する際、そのスライドドア5と一体に移動するドア側係合部材70が、解除レバー71の第1端部71aに引っ掛からない構成になっている。
【0132】
以上、本実施形態の構成を採用した場合においてもまた、上記第1の実施形態の構成と同様の効果を得ることができる。そして、本実施形態のスライドドア装置60によれば、以下のような特有の効果を得ることができる。
【0133】
(1)回動アーム46の基端部46bには、係合凹部としてのロック溝63が設けられる。また、この回動アーム46の基端部46b側において、その回動アーム46の連結相手となる車体2側(の支持ブラケット45)には、回動アーム46側のロック溝63に対して係脱可能な係合部材としてのロックレバー65が設けられる。そして、ロック装置61は、スライドドア5が幅方向変位区間Rcを開動作する際の車体2側に対する回動アーム46の相対回動に基づいて、この回動アーム46に設けられたロック溝63と車体2側に設けられたロックレバー65とが互いに係合するように構成される。
【0134】
上記構成によれば、回動アーム46に設けられたロック溝63と車体2側に設けられたロックレバー65との間の係合力に基づき、簡素な構成にて、幅方向変位区間Rcを超えてスライドドア5が開動作した場合における車体2側に対する回動アーム46の相対回動を規制することができる。
【0135】
また、係合部材としてのロックレバー65を車体2側に設けることで、精度よく、そのロック溝63とロックレバー65とが係合するタイミングを制御することができる。そして、これにより、高い信頼性を確保することができる。更に、このロックレバー65が外部(車室及び車外空間)に露出しないようにすることができる。そして、これにより、デザイン性の向上を図ることができる。
【0136】
(2)ロック装置61は、ドア側ロアローラユニット20DLを構成するガイドローラ支持部34の先端部分に設けられたドア側係合部材70を備える。また、ロック装置61は、車体側ロアレール10BLの近傍において回動可能に軸支されることにより、幅方向変位区間Rcに進入するスライドドア5の閉動作に基づいて、そのスライドドア5と一体に移動するドア側係合部材70が係合する解除部材としての解除レバー71を備える。更に、ロック装置61は、これらのロックレバー65と解除レバー71との間を接続する接続部材としてのワイヤーケーブル74を備える。そして、ロック装置61は、このワイヤーケーブル74を介して解除レバー71に係合したドア側係合部材70が解除レバー71を回動させる力をロックレバー65に伝達することにより、回動アーム46側のロック溝63に係合したロックレバー65を、そのロック溝63から脱離させる。
【0137】
上記構成によれば、ロックレバー65と解除レバー71とを互いに異なる位置に配置することが可能になる。そして、これにより、高いレイアウト自由度を確保することで、更なる信頼性及びデザイン性の向上を図ることができる。
【0138】
例えば、上記第1の実施形態では、ロックレバー54が係合部材及び解除部材を兼ねることで、構成の簡素化及びコンパクト化が可能になる。しかしながら、このような構成を採用するためには、スライドドア5の内装(ドアトリム)に、そのガイドローラ支持部47に設けられたロックレバー54をドア側センターレール10DCの近傍に設けられたドア側係合部材57に係合させるための開口部が必要となる。
【0139】
この点、上記構成のように、車体側ロアレール10BLが設けられたドア開口部3の下縁部3aに解除レバー71を配置することで、当該解除レバー71が外部(車室及び車外空間)に露出しないようにすることができる。そして、車体側ロアレール10BLの近傍に解除レバー71を配置する構成を採用することで、容易に、その湾曲形状部48BLを目印として、幅方向変位区間Rcに進入するスライドドア5の閉動作に基づきロック溝63からロックレバー65を脱離させる最適な位置に、解除レバー71を配置することができる。
【0140】
[第3の実施形態]
以下、ガイドローラユニット及び車両用スライドドア装置に関する第3の実施形態を図面に従って説明する。尚、説明の便宜上、上記第1の実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して、その説明を省略することとする。
【0141】
図24に示すように、本実施形態のスライドドア装置80は、ドア開口部3の下縁部3aにドア側ロアレール及び車体側ロアローラユニット(図1参照、10DL,20BL)を有していない。そして、これらに代えて、そのドア開口部3の下縁部3aに設けられた車体側連結部材81及びドア側連結部材82を備える点において、上記第1の実施形態におけるスライドドア装置30と相違する。
【0142】
詳述すると、図25図28に示すように、本実施形態の車体側連結部材81は、車体2に固定された支持ブラケット83に対し、その上下方向(図26図28中、紙面に直交する方向)に延びる支持軸84周りに回動可能に連結されている。具体的には、本実施形態のスライドドア装置80において、この車体側連結部材81は、その基端部81b側が車体2に軸支された略四角棒状のアーム形状をなしている。また、この車体側連結部材81の先端部81aには、上下方向に対向する一対の板状部85が形成されている。そして、本実施形態の車体側連結部材81は、これらの両板状部85に両端が支持される態様で上下方向に延びる二本の軸状部材86(86a,86b)を備えている。
【0143】
一方、本実施形態のドア側連結部材82は、スライドドア5の内側面5bに固定されるフランジ部82aと、このフランジ部82aから略水平方向に突出する略平板状のフック部82bと、を備えている。尚、各図中、一点鎖線は、スライドドア5と一体に移動するドア側連結部材82、詳しくは、そのフランジ部82aの移動軌跡を示している。そして、このフック部82bには、当該フック部82bを厚み方向に貫通するスリット形状を有して、それぞれ独立に、その車体側連結部材81の先端部81aに設けられた各軸状部材86(86a,86b)が係脱可能な二本の係合溝87(87a,87b)が設けられている。
【0144】
さらに詳述すると、図26及び図27に示すように、本実施形態の車体側連結部材81において、各軸状部材86は、その棒状をなす車体側連結部材81の長手方向に並んで設けられている。また、本実施形態の車体側連結部材81は、その基端部81b側を回動可能に軸支する支持ブラケット83に設けられた付勢部材、詳しくは、支持軸84に嵌挿された捩りコイルバネ88の弾性力(弾性復元力)に基づいて、各図中、時計周り方向に付勢されている。更に、この車体側連結部材81は、基端部81b側の側面が支持ブラケット83のストッパ部83aに当接することにより、その捩りコイルバネ88の弾性力に基づいた支持軸84周りの回動が規制される。そして、本実施形態の車体側連結部材81は、これにより、先端部81aに設けられた各軸状部材86が車幅方向(各図中、上下方向)に並ぶ状態で、その回動姿勢が保持される構成になっている。
【0145】
また、本実施形態の車体側連結部材81は、上記第1の実施形態における車体側ロアローラユニット20BLと同様、ドア開口部3の後方において、その下縁部3aの近傍に設けられている(図24参照)。更に、本実施形態のドア側連結部材82は、閉動作するスライドドア5が幅方向変位区間Rcに進入する際、或いは開動作するスライドドア5が当該幅方向変位区間Rcから離脱する際、当該スライドドア5と一体に移動することにより、その車体側連結部材81の基端部81bを支持した支持ブラケット83の側方を通過する位置に設けられる。そして、このドア側連結部材82のフック部82bに設けられた上記各係合溝87は、それぞれ、そのスライドドア5の閉動作方向となる車両前方側(各図中、左側)に開口部89を備えている。
【0146】
即ち、本実施形態のスライドドア装置80は、全閉位置P1側(図4参照)の幅方向変位区間Rcに進入するスライドドア5と一体にドア側連結部材82が閉動作方向に移動することにより、その閉動作方向に開口する各係合溝87内に、車体側連結部材81の先端部81aに設けられた各軸状部材86が進入する。尚、本実施形態のドア側連結部材82において、そのスライドドア5の開動作方向に臨む各係合溝87の開口部89は、それぞれ、その開口端側(各図中、左側)ほど溝幅(各図中、上下方向の幅)が広くなるようなテーパ形状に形成されている。そして、本実施形態のスライドドア装置80は、これにより、車体側連結部材81の各軸状部材86が、その開口部89を介してドア側連結部材82の各係合溝87に対して円滑に進入する構成になっている。
【0147】
また、この状態で更にスライドドア5が閉動作することにより、車体側連結部材81の長手方向に並んで設けられた各軸状部材86(86a,86b)のうち、その最先端部分に位置する主軸状部材86aが、当該主軸状部材86aが進入した主係合溝87aの最奥部90に係合する。そして、本実施形態のスライドドア装置80は、これにより、スライドドア5が幅方向変位区間Rcにある場合においては、この主軸状部材86aが形成するドア側回動軸ND周りに、その車体側連結部材81とドア側連結部材82とが相対回動可能に連結される構成になっている。
【0148】
具体的には、本実施形態のドア側連結部材82において、そのフック部82bに設けられた各係合溝87は、車体側連結部材81の先端部81aに設けられた各軸状部材86が各係合溝87に係合する部分の直径dと略等しい(僅かに大径の)溝幅wを有している。そして、これらの各係合溝87のうち、上記主軸状部材86aと係合する主係合溝87aは、その車両前方側に臨む開口部89から車両後方側(各図中、左側から右側)に向かって略直線的に延びている。
【0149】
一方、主軸状部材86aよりも車体側連結部材81の基端部81b側、つまりは、当該車体側連結部材81と車体2との間に形成される車体側回動軸NBに近い位置に配置された副軸状部材86bに係合する副係合溝87bもまた、上記主係合溝87aと同様、その開口部89から略直線的に延びる直線形状部91を有している。そして、この副係合溝87bには、その直線形状部91に連続して、上記主係合溝87aの最奥部90に係合した主軸状部材86aが形成するドア側回動軸NDと同心状に湾曲して延びる湾曲形状部92が設けられている。
【0150】
即ち、図27及び図28に示すように、主係合溝87aの最奥部90に主軸状部材86aが係合した状態で、そのスライドドア5と一体にドア側連結部材82が閉動作方向に移動することにより、車体側連結部材81には、その捩りコイルバネ88の付勢力に抗して当該車体側連結部材81を各図中、反時計周り方向に回動させる力が働く。
【0151】
ここで、本実施形態のスライドドア装置80においては、このとき、副係合溝87bに係合した副軸状部材86bが、その副係合溝87bに設けられた湾曲形状部92内を相対移動することで、上記主軸状部材86aが形成するドア側回動軸NDを支点としたドア側連結部材82と車体側連結部材81との間の相対回動が許容される。そして、本実施形態のスライドドア装置80は、これにより、スライドドア5の開閉動作姿勢を維持しつつ、円滑に、そのスライドドア5が全閉位置P1側(図4参照)の幅方向変位区間Rcを閉動作することが可能になっている。
【0152】
一方、スライドドア5が全閉位置P1から幅方向変位区間Rcを開動作する場合には、その車体側回動軸NB周りに車体側連結部材81を各図中、時計周り方向に回動させる力が働く。本実施形態のスライドドア装置80においては、この場合においても同様に、その副係合溝87bの湾曲形状部92内を副軸状部材86bが相対移動することで、上記主軸状部材86aが形成するドア側回動軸NDを支点としたドア側連結部材82と車体側連結部材81との間の相対回動が許容される。そして、本実施形態のスライドドア装置80は、これにより、スライドドア5の開閉動作姿勢を維持しつつ、円滑に、そのスライドドア5が全閉位置P1側(図4参照)の幅方向変位区間Rcを閉動作することが可能になっている。
【0153】
また、図26及び図27に示すように、本実施形態の各係合溝87は、上記のように車両前方側に臨む開口部89を備えている。つまり、これらの各係合溝87は、幅方向変位区間Rcを超えて開動作するスライドドア5と一体にドア側連結部材82が開動作方向に移動することにより、その係合溝87に係合した車体側連結部材81側の軸状部材が係合溝87に対して相対移動する方向に開口部89を有している。このため、スライドドア5が幅方向変位区間Rcを超えて開動作した場合には、当該スライドドア5と一体にドア側連結部材82が開動作方向(各図中、右側)に移動することにより、その閉動作方向に臨む開口部89を介して、ドア側連結部材82の各係合溝87から車体側連結部材81の各軸状部材86が脱離する。そして、本実施形態のスライドドア装置80は、これにより、車体側連結部材81からドア側連結部材82が離脱した状態で、その幅方向変位区間Rcを超えた開動作領域をスライドドア5が移動する構成になっている。
【0154】
更に、本実施形態のスライドドア装置80においては、車体側連結部材81の支持軸84に嵌挿された捩りコイルバネ88の付勢力に基づいて、そのドア側連結部材82が車体側連結部材81から離脱した状態で、当該車体側連結部材81の回動位置が保持される。そして、本実施形態のスライドドア装置80は、これにより、その幅方向変位区間Rcに進入するスライドドア5と一体にドア側連結部材82が閉動作方向に移動することで、上記のように、そのドア側連結部材82側の各係合溝87内に車体側連結部材81側の各軸状部材86が進入する構成になっている。
【0155】
即ち、図24に示すように、本実施形態のスライドドア装置80は、スライドドア5が全閉位置P1近傍の幅方向変位区間Rcにある場合には、車体側連結部材81とドア側連結部材82とが互いに連結することにより、スライドドア5の支持点X5を形成する。そして、これにより、より安定的に、スライドドア5を支持することが可能になっている。
【0156】
また、このとき、そのスライドドア5の幅方向変位に合わせ、車体2に対して車体側連結部材81が相対回動するとともに、この車体側連結部材81とドア側連結部材82との間が相対回動することにより、そのスライドドア5の開閉動作姿勢が維持される。そして、これにより、円滑且つ安定的に、そのスライドドア5が全閉位置P1側の幅方向変位区間Rcを開閉動作することが可能になっている。
【0157】
更に、スライドドア5が幅方向変位区間Rcを超えて開動作した場合には、その車体側連結部材81からドア側連結部材82が離脱することで、これら車体側連結部材81及びドア側連結部材82がスライドドア5の支持点を形成しない状態となる。そして、本実施形態のスライドドア装置80は、これによりドア側ロアローラユニット20DLが形成する支持点X1、ドア側センターローラユニット20DCが形成する支持点X2、及び車体側センターローラユニット20BCが形成する支持点X4の3点で、安定的にスライドドア5を支持することが可能となっている。
【0158】
このように、本実施形態の構成を採用することによっても、上記第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。そして、本実施形態のスライドドア装置80によれば、以下のような特有の効果を得ることができる。
【0159】
(1)車体側連結部材81には、上下方向に延びる軸状部材86が設けられ、ドア側連結部材82には、その軸状部材86に係合する係合溝87が設けられる。そして、この係合溝87は、幅方向変位区間Rcを超えて開動作するスライドドア5と一体にドア側連結部材82が開動作方向に移動することにより、その係合溝87に係合した車体側連結部材81側の軸状部材86が係合溝87に対して相対移動する方向に開口部89を有する。
【0160】
上記構成によれば、ドア側連結部材82側の係合溝87に対して車体側連結部材81側の軸状部材86が係合することにより、当該軸状部材86が回動軸(ドア側回動軸ND)を形成する。そして、これにより、そのドア側回動軸ND周りに、その車体側連結部材81とドア側連結部材82とが相対回動可能に連結される。
【0161】
また、スライドドア5が幅方向変位区間Rcを超えて開動作することにより、そのドア側連結部材82側の係合溝87に係合した車体側連結部材81側の軸状部材86が係合溝87から脱離する。そして、これにより、簡素な構成にて、そのスライドドア5と一体に開動作方向に移動するドア側連結部材82を車体側連結部材81から離脱させることができる。
【0162】
(2)車体側連結部材81は、その車体2側の回動軸(車体側回動軸NB)を形成する支持軸84に嵌挿された捩りコイルバネ88の付勢力に基づいて、スライドドア5が幅方向変位区間Rcを超えて開動作することによりドア側連結部材82が車体側連結部材81から離脱した状態で、その回動位置が保持される。
【0163】
上記構成によれば、幅方向変位区間Rcに進入するスライドドア5の閉動作に基づき当該スライドドア5と一体に移動するドア側連結部材82に設けられた係合溝87内に、その開口部89を介して車体側連結部材81側の軸状部材86が進入する。そして、これにより、ドア側連結部材82側の係合溝87と車体側連結部材81側の軸状部材86とが係合することで、スライドドア5が幅方向変位区間Rcにある場合において、その車体側連結部材81とドア側連結部材82との間を相対回動可能に連結することができる。
【0164】
(3)スライドドア装置80は、車体側連結部材81に設けられた複数(二本)の軸状部材86(86a,86b)と、これらの各軸状部材86が独立に係合するドア側連結部材82に設けられた複数(二本)の係合溝87(87a,87b)と、を備える。また、このスライドドア装置80においては、車体側連結部材81の最先端部分、つまり車体側連結部材81と車体2との間に形成される車体側回動軸NBから離間した位置に配置された主軸状部材86aが、その車体側連結部材81とドア側連結部材82との間にドア側回動軸NDを形成する。そして、各係合溝87(87a,87b)のうち、その主軸状部材86aと係合する主係合溝87a以外の副係合溝87bには、ドア側回動軸NDと同心状に湾曲して延びる湾曲形状部92が設けられる。
【0165】
上記構成によれば、複数の軸状部材86が複数の係合溝87に対して、それぞれ、独立に係合することにより、その車体側連結部材81とドア側連結部材82との間を強固に連結することができる。更に、副係合溝87bに係合する副軸状部材86bが、その副係合溝87bの湾曲形状部92内を相対移動することにより、主軸状部材86aが形成するドア側回動軸ND周りに、その車体側連結部材81とドア側連結部材82との間の相対回動が許容される。そして、これにより、スライドドア5が幅方向変位区間Rcにある場合における円滑な開閉動作を担保しつつ、安定的に、そのスライドドア5を支持することができる。
【0166】
なお、上記各実施形態は以下のように変更してもよい。
・スライドドア5は、開閉駆動装置を有したパワースライドドアであってもよく、手動式のものであってもよい。
【0167】
・上記各実施形態では、スライドドア5は、車両の後部ドアとしての構成を有することとしたが、フロントドアに適用してもよい。そして、必ずしも車両後方側に開動作する所謂後開き型でなく、車両前方側に開動作方向する前開き型であってもよい。
【0168】
・上記各実施形態では、スライドドア5が全閉位置近傍にある場合にガイドローラ35BCが係合する閉動作側の長手方向端部10DCrに湾曲形状部48を有しない直線的なドア側センターレール10DCを用いることとしたが、必ずしも、完全な直線状でなくともよい。そして、スライドドア5の開閉動作姿勢についてもまた、必ずしも車体2の側面2aに対して平行でなくともよい。
【0169】
・上記各実施形態では、スライドドア5が全閉位置P1側の幅方向変位区間Rcにある場合、即ち車体側センターローラユニット20BCが折り畳み状態β1と展開状態β2との間にある場合には、車体側センターローラユニット20BCがスライドドア5の支持点X4になり難いとしたが、必ずしも、全く荷重を支えないものでなくともよい。
【0170】
・上記各実施形態では、ドア側センターレール10DCは、スライドドア5に設けられた窓部5wの下方、車体側センターレール10BCよりも上方となる位置に設けられることとした。しかし、これに限らず、車体側センターレール10BCよりも下方となる位置にドア側センターレール10DCを設けてもよい。また、車体側センターレール10BCとドア側センターレール10DCとを上下にずらさず略同じ高さに設ける構成としてもよい。そして、スライドドア5のベルトラインγ付近以外の高さにドア側センターレール10DCを配置する構成であってもよい。
【0171】
・上記第1の実施形態では、ドア側ロアレール10DLは、スライドドア5が幅方向変位区間Rcを超えて開動作した場合において車体側ロアローラユニット20BLの各ガイドローラ35BLが配置される部分に、その湾曲形状部48DLよりも広いレール幅Wが設定された幅広形状部50を備えることとした。しかし、これに限らず、このような幅広形状部50を有しないドア側ロアレール10DLを用いる構成としてもよい。
【0172】
・上記第1の実施形態では、回動アーム46側に係合凹部としてのロック溝53が設けられ、その回動アーム46の連結相手となるガイドローラ支持部47側に係合部材としてのロックレバー54が設けられる。そして、上記第2の実施形態では、回動アーム46側に係合凹部としてのロック溝63が設けられ、その回動アーム46の連結相手となる車体2側の支持ブラケット45に係合部材としてのロックレバー65が設けられることとした。しかし、これに限らず、回動アーム46側に係合部材を設け、回動アーム46の連結相手側に係合凹部を設ける構成としてもよい。
【0173】
・上記第1の実施形態では、ロックレバー54は、回動可能にガイドローラ支持部47側に軸支される。また、ロックレバー54の第1端部54aが回動アーム46側のロック溝53に係合する。更に、ロックレバー54は、その第2端部54bにスライドドア5と一体に移動するドア側係合部材57が係合することにより回動する。そして、これにより、回動アーム46のロック溝53からロックレバー54の第1端部54aが脱離することにより、そのロックレバー54が係合部材及び解除部材を兼ねる構成とした。
【0174】
しかし、これに限らず、このように回動アーム46とガイドローラ支持部47との間の回動連結部JT(JT2)にロック装置31を設ける構成においてもまた、第2の実施形態におけるロック装置61と同様、その係合部材(ロックレバー65)と解除部材(解除レバー71)とを異なる位置に配置する。そして、これら係合部材と解除部材とが接続部材を介して接続される構成を採用してもよい。
【0175】
・上記第2の実施形態では、ロックレバー65はスライド動作可能な状態で、車体2側の支持ブラケット45に支持されることとした。しかし、これに限らず、このように回動アーム46と車体2側との回動連結部JT(JT1)にロック装置61を設ける構成においてもまた、上記第1の実施形態におけるロックレバー54のように、回動可能に軸支された係合部材を用いる構成としてもよい。そして、回動アーム46とガイドローラ支持部47との間の回動連結部JT(JT2)にロック装置31を設ける構成において、スライド動作可能に支持された係合部材を用いる構成としてもよい。
【0176】
・上記第1及び第2の実施形態では、ロック機構(31,61)は、それぞれ、その係合凹部(ロック溝53,63)に連接して設けられた摺動面Sxと、係合部材(ロックレバー54,65)を付勢して摺動面Sxに摺接される付勢機構(捩りコイルバネ56、圧縮コイルバネ68)と、を備える。そして、その摺動面Sxは、回動アーム46と当該回動アーム46の連結相手(ガイドローラ支持部47、又は車体2)との間の連結軸(NBC1,NBC2)と同心状に湾曲して延びる弧状周面(52,62)により形成されることとした。しかし、これに限らず、摺動面Sxは、必ずしも厳密に連結軸と同心状に形成されたものでなくともよい。また、付勢機構の構成についても任意に変更してもよい。そして、必ずしも、このような摺動面Sx及び付勢機構を備えていない構成であってもよい。
【0177】
・上記第2の実施形態では、接続部材にワイヤーケーブル74を用いることとしたが、例えば、リンクを用いる等、その係合部材と解除部材との間の接続構造については任意に変更してもよい。
【0178】
・また、上記第2の実施形態では、ドア側ロアローラユニット20DLを構成するガイドローラ支持部34の先端部分にドア側係合部材70が設けられる。そして、解除部材としての解除レバー71は、ドア開口部3の下縁部3aにおいて車体2側に設けられた車体側ロアレール10BLの近傍に配置されることとした。しかし、これに限らず、スライドドア5と一体にドア側係合部材70が移動し、このドア側係合部材に対して係合可能な車体2側の位置に解除部材となる解除レバー71が設けられる構成であれば、これらの配置(例えば、上下方向位置)については、任意に変更してもよい。
【0179】
・上記各実施形態では、ロック装置(31,61)は、車体側センターローラユニット20BCを構成する回動アーム46と当該回動アーム46の連結相手との相対回動に基づいて、機械的に、その一方側に設けられた係合凹部と他方側に設けられた係合部材とを係合させる。そして、これにより、スライドドア5が幅方向変位区間Rcを超えて開動作した場合に、その連結相手に対する回動アーム46の相対回動を規制することとした。しかし、例えば、ソレノイドやモータ、或いは電磁クラッチ等、電気的に作動する駆動部を有して連結相手に対する回動アーム46の相対回動を規制する構成を採用してもよい。
【0180】
・また、上記第3の実施形態のスライドドア装置80のように、車体側連結部材81及びドア側連結部材82を備える構成において、上記第2の実施形態のスライドドア装置60のように、車体側センターローラユニット20BCを構成する回動アーム46と車体2側との回動連結部JT(JT1)にロック装置61が設けられた構成としてもよい。そして、車体側連結部材81及びドア側連結部材82を備える構成において、その車体側センターローラユニット20BCを構成する回動アーム46と当該回動アーム46の連結相手との間の相対回動を規制するロック装置を備えない構成に具体化してもよい。
【0181】
・上記第3の実施形態では、車体側回動軸NBを形成する車体側連結部材81の支持軸84に嵌挿された捩りコイルバネ88の付勢力に基づいて、そのドア側連結部材82が車体側連結部材81から離脱した状態で、当該車体側連結部材81の回動位置が保持されることとした。しかし、これに限らず、例えば、ドア側連結部材82が車体側連結部材81から離脱した状態で、当該車体側連結部材81が支持ブラケット83に係合することにより、その車体側連結部材81の回動位置が保持される等、位置保持機構の構成は、任意に変更してもよい。
【0182】
・上記第3の実施形態では、車体側連結部材81側には、二本の軸状部材86(86a,86b)が設けられ、ドア側連結部材82側には、二本の係合溝87(87a,87b)が設けられることとした。
【0183】
しかし、これに限らず、例えば、図29に示すスライドドア装置100のように、ドア側連結部材102側に上下方向に延びる複数(二本)の軸状部材104(104a,104b)を設け、車体側連結部材105側に、これらの各軸状部材104が独立に係脱可能な複数(二本)の係合溝107(107a,107b)を設ける構成としてもよい。
【0184】
具体的には、このスライドドア装置100において、ドア側連結部材102は、車幅方向(図29中、上下方向)に延びる支持部102bを有している。そして、各軸状部材104は、この支持部102bの延伸方向に並んで設けられている。
【0185】
また、車体側連結部材105側の各係合溝107(107a,107b)は、その捩りコイルバネ88の付勢力に基づき当該車体側連結部材105の回動位置が保持された状態で、その車幅方向に延びる車体側連結部材105の長手方向に並んで設けられている。そして、これらの各係合溝107は、車両後方側(図29中、右側)、つまり幅方向変位区間Rcを超えて開動作するスライドドア5と一体にドア側連結部材102が開動作方向に移動することで、その各係合溝107に係合したドア側連結部材102側の各軸状部材104が、その各係合溝107に対して相対移動する方向に開口部89を有している。
【0186】
即ち、このスライドドア装置100においてもまた、幅方向変位区間Rcに進入するスライドドア5の閉動作に基づき当該スライドドア5と一体にドア側連結部材102が閉方向移動することにより、当該ドア側連結部材102に設けられた各軸状部材104が、その開口部89を介して車体側連結部材81側の各係合溝107内に進入する。そして、スライドドア5が幅方向変位区間Rcを超えて開動作することにより、その車体側連結部材105側の各係合溝107に係合したドア側連結部材102側の各軸状部材104が各係合溝107から脱離する。
【0187】
更に、ドア側連結部材102に設けられた各軸状部材104のうち、スライドドア5に近い方、つまりは車体側連結部材105と車体2との間に形成される車体側回動軸NBから離間した位置に配置される主軸状部材104aが、その車体側連結部材81とドア側連結部材82との間にドア側回動軸NDを形成する。そして、車体側連結部材105側に設けられた各係合溝107のうち、この主軸状部材104aと係合する主係合溝107a以外の副係合溝107bには、そのドア側回動軸NDと同心状に湾曲して延びる湾曲形状部92が設けられている。
【0188】
即ち、このスライドドア装置100においてもまた、副係合溝107bに係合した副軸状部材104bが、その副係合溝107bに設けられた湾曲形状部92内を相対移動することで、上記主軸状部材104aが形成するドア側回動軸NDを支点としたドア側連結部材102と車体側連結部材105との間の相対回動が許容される。従って、このような構成を採用しても、上記第3の実施形態におけるスライドドア装置80と同様の効果を得ることができる。
【0189】
・また、車体側連結部材(81,105)及びドア側連結部材(82,102)の一方側に3本以上の軸状部材(86,104)を設け、その他方側に3本以上の係合溝(87,107)を設ける構成を採用してもよい。
【0190】
即ち、この場合には、車体側回動軸NBから最も離間した位置に配置される軸状部材を主軸状部材(86a,104a)として、この主軸状部材がドア側回動軸NDを形成するように構成する。更に、この主軸状部材以外の各軸状部材を全て副軸状部材(86b,104b)とする。そして、その主軸状部材が係合する各主係合溝(87a,107a)以外の全ての副係合溝(87b,107b)に、そのドア側回動軸NDと同心状に湾曲して延びる湾曲形状部92を設けるとよい。これにより、車体側連結部材とドア側連結部材との間の相対回動を許容しつつ、これらの車体側連結部材及びドア側連結部材を、より強固に連結することができる。
【0191】
更に、車体側連結部材及びドア側連結部材の一方側に1本の軸状部材を設け、その他方側に1本の係合溝を設ける構成としてもよい。これにより、構成の簡素化を図ることができる。
【0192】
次に、以上の実施形態から把握することのできる技術的思想を効果とともに記載する。
(イ)前記ガイドローラユニットが係合する前記ドア側ガイドレールは、前記スライドドアのベルトライン付近に設けられること、を特徴とする車両用スライドドア装置。
【0193】
上記構成によれば、スライドドアのデザイン自由度を確保しつつ、より安定的に、そのスライドドアを支持することができる。そして、スライドドアのベルトライン付近において、そのドア側ガイドレールを設けることにより生ずる車室空間の侵食を抑えることで、より有効に、その車室空間を利用することができる。
【0194】
(ロ)前記ガイドローラユニットが係合する前記ドア側ガイドレールは、前記車体側に設けられたガイドレールとは上下方向にずれた位置に配置されること、を特徴とする車両用スライドドア装置。
【0195】
上記構成によれば、より効果的に、そのドア側ガイドレールを設けることにより生ずる車室空間の侵食を抑えることができる。
(ハ)前記ガイドローラユニットが係合する前記ドア側ガイドレールは、車幅方向に湾曲する湾曲形状部を有しないこと、を特徴とする車両用スライドドア装置。
【0196】
(ニ)前記第1及び第2の車体側ガイドレールには、車幅方向に湾曲する湾曲形状部が設けられること、を特徴とする車両用スライドドア装置。
上記構成によれば、これらの各ガイドレールに設けられた湾曲形状部によりスライドドアの移動経路の全閉位置側に幅方向変位区間を形成して、そのスライドドアを車幅方向に変位させつつ開閉動作させることができる。そして、幅方向変位区間においても、これらの各ガイドレールの湾曲形状部に係合する各ガイドローラユニットが支持点を形成することで、より安定的に、スライドドアを支持することができる。
【0197】
また、これらの各ガイドレールには、このような湾曲形状部を設けた場合であっても、当該各ガイドレールが車室内に突出し難いという利点がある。そして、これにより、車室空間の侵食を小さく抑えることができる。
【0198】
(ホ)車体に設けられたドア開口部の下縁部において前記車体側に設けられる第1の車体側ガイドレールと、前記ドア開口部を開閉するスライドドアに支持された状態で前記第1の車体側ガイドレールに連結される第1のドア側ガイドローラユニットと、前記第1の車体側ガイドレールよりも上方に配置される第2の車体側ガイドレールと、前記第2の車体側ガイドレールに連結される第2のドア側ガイドローラユニットと、前記スライドドア側に設けられるドア側ガイドレールと、前記ドア側ガイドレールに連結される車体側ガイドローラユニットと、前記ドア開口部の下縁部において回動可能に前記車体に支持される車体側連結部材と、前記ドア開口部の下縁部において前記スライドドア側に設けられるドア側連結部材と、を備え、前記スライドドアは、移動経路の全閉位置側に該スライドドアが車幅方向に変位する幅方向変位区間を有して車両前後方向に開閉動作するものであって、前記スライドドアが前記幅方向変位区間にある場合には、前記車体側連結部材と前記ドア側連結部材とが相対回動可能に連結され、前記スライドドアが前記幅方向変位区間を超えて開動作した場合には、該スライドドアと一体に開動作方向に移動する前記ドア側連結部材が前記車体側連結部材から離脱する車両用スライドドア装置。
【符号の説明】
【0199】
1…車両、2…車体、2a…側面、3…ドア開口部、3a…下縁部、5…スライドドア、5Z…参考例のスライドドア、5a…外表面、5b…内側面、5w…窓部、γ…ベルトライン、10…ガイドレール、10BL…車体側ロアレール(第1の車体側ガイドレール)、10BC…車体側センターレール(第2の車体側ガイドレール)、10DL…ドア側ロアレール(第1のドア側ガイドレール)、10DC…ドア側センターレール(第2のドア側ガイドレール)、10DCZ…参考例のドア側センターレール、10BCf,10BLf,10DLr,10DCr…長手方向端部、20…ガイドローラユニット、20BL…車体側ロアローラユニット(第1の車体側ガイドローラユニット)、20BC…車体側センターローラユニット(第2の車体側ガイドローラユニット)、20DL…ドア側ロアローラユニット(第1のドア側ガイドローラユニット)、20DC…ドア側センターローラユニット(第2のドア側ガイドローラユニット)、30…スライドドア装置、32(32BL,32BC,32DL,32DC)…ガイドローラ係合部、33…支持アーム、34…ガイドローラ支持部、35(35BL,35BC,35DL,35DC)…ガイドローラ、38(38DC,38DL)…ロードローラ、40…支持ブラケット、41…回動アーム、42…ロードローラ支持部、43…支持ブラケット、44…回動アーム、45…支持ブラケット、46…回動アーム、47…ガイドローラ支持部、48(48BL,48BC,48DL,48DC)…湾曲形状部、50…幅広形状部、51…ロック装置、52…弧状周面、53…ロック溝(係合凹部)、54…ロックレバー(係合部材及び解除部材)、54a…第1端部、54b…第2端部、55…支軸、56…捩りコイルバネ(付勢機構)、57…ドア側係合部材、58…カム部、58s…斜面、60…スライドドア装置、61…ロック装置、62…弧状周面、63…ロック溝(係合凹部)、64…ロック部材、65…ロックレバー(係合部材)、65a…第1端部、65b…第2端部、65f…フランジ部、66…支持部材、68…圧縮コイルバネ(付勢機構)、70…ドア側係合部材、70s…斜面、71…解除レバー(解除部材)、71a…第1端部、71b…第2端部、72…支持軸、73…支持ブラケット、74…ワイヤーケーブル(接続部材)、74a…チューブ、74b…鋼線、80…スライドドア装置、81…車体側連結部材、81a…先端部、81b…基端部、82…ドア側連結部材、82a…フランジ部、82b…フック部、83…支持ブラケット、83a…ストッパ部(位置保持機構)、84…支持軸、85…板状部、86…軸状部材、86a…主軸状部材、86b…副軸状部材、87…係合溝、87a…主係合溝、87b…副係合溝、88…捩りコイルバネ(位置保持機構)、89…開口部、90…最奥部、91…直線形状部、92…湾曲形状部、100…スライドドア装置、102…ドア側連結部材、102b…支持部、104…軸状部材、104a…主軸状部材、104b…副軸状部材、105…車体側連結部材、107…係合溝、107a…主係合溝、107b…副係合溝、α…突出量、NDL,NDC,NBL,NBC1,NBC2…連結軸、R…移動経路、Rc…幅方向変位区間、P1…全閉位置、β1…折り畳み状態、P2…所定位置、β2…展開状態、X1〜X5…支持点、δ…三角形、Sx…摺動面、w…溝幅、d…直径、NB…車体側回動軸、ND…ドア側回動軸。
図1
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