特開2018-203199(P2018-203199A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-203199(P2018-203199A)
(43)【公開日】2018年12月27日
(54)【発明の名称】車両用制御装置
(51)【国際特許分類】
   B60H 1/24 20060101AFI20181130BHJP
   B60H 1/00 20060101ALI20181130BHJP
   B60K 1/04 20060101ALI20181130BHJP
【FI】
   B60H1/24 661A
   B60H1/24 661C
   B60H1/00 101Q
   B60K1/04 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2017-114162(P2017-114162)
(22)【出願日】2017年6月9日
(71)【出願人】
【識別番号】000005348
【氏名又は名称】株式会社SUBARU
(74)【代理人】
【識別番号】110002066
【氏名又は名称】特許業務法人筒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】木下 貴博
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 浩史
(72)【発明者】
【氏名】長野 永
【テーマコード(参考)】
3D235
3L211
【Fターム(参考)】
3D235AA01
3D235BB19
3D235CC15
3D235DD24
3D235FF38
3L211BA07
3L211BA12
3L211BA25
3L211DA14
3L211EA03
3L211EA83
3L211GA03
3L211GA04
(57)【要約】
【課題】蓄電体に排気ダクトを接続することなく、車室内の環境を適切に保つ。
【解決手段】車両に搭載される車両用制御装置12であって、車室内10aに設けられる蓄電体と、車室外10bから空気を導入する外気導入口30と、車室内10aから空気を導入する内気導入口31と、車室内10aに空気を放出する前側および後側吹出口18,19と、を備えるダクト組立体28と、ダクト組立体28に設けられ、外気導入口30、内気導入口31および前側および後側吹出口18,19の連通状態を制御する流路切替機構32と、外気導入口30と前側および後側吹出口18,19とを互いに連通させる外気導入状態と、内気導入口31と吹出口とを互いに連通させる内気導入状態と、に流路切替機構32を制御する空調コントローラ44と、を有し、空調コントローラ44は、蓄電体の異常が検出された場合に、流路切替機構32を外気導入状態に制御する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載される車両用制御装置であって、
車室内に設けられる蓄電体と、
車室外から空気を導入する外気導入口と、車室内から空気を導入する内気導入口と、車室内に空気を放出する吹出口と、を備える空調ダクトと、
前記空調ダクトに設けられ、前記外気導入口、前記内気導入口および前記吹出口の連通状態を制御する流路切替機構と、
前記外気導入口と前記吹出口とを互いに連通させる外気導入状態と、前記内気導入口と前記吹出口とを互いに連通させる内気導入状態と、に前記流路切替機構を制御する空調制御部と、
を有し、
前記空調制御部は、前記蓄電体の異常が検出された場合に、前記流路切替機構を前記外気導入状態に制御する、
車両用制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の車両用制御装置において、
前記空調制御部は、前記蓄電体の異常が検出された場合に、前記流路切替機構を前記外気導入状態に制御し、かつ前記空調ダクトに収容される送風機の風量を閾値以上に制御する、
車両用制御装置。
【請求項3】
請求項1に記載の車両用制御装置において、
前記空調制御部は、前記蓄電体の異常が検出された場合に、前記流路切替機構を前記外気導入状態に制御し、かつ前記空調ダクトに収容される送風機の回転方向を反転させる、
車両用制御装置。
【請求項4】
請求項3に記載の車両用制御装置において、
運転席と助手席との間に設けられるコンソールを有し、
前記コンソールに、前記吹出口が設けられ、かつ前記蓄電体が収容される、
車両用制御装置。
【請求項5】
請求項4に記載の車両用制御装置において、
前記空調制御部は、
後部座席に乗員が座っていない状態であり、かつ前記蓄電体の異常が検出された場合には、前記流路切替機構を前記外気導入状態に制御し、かつ前記送風機の回転方向を維持する一方、
前記後部座席に乗員が座っている状態であり、かつ前記蓄電体の異常が検出された場合には、前記流路切替機構を前記外気導入状態に制御し、かつ前記送風機の回転方向を反転させる、
車両用制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に搭載される車両用制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車等の車両には、リチウムイオンバッテリ等の蓄電体が搭載されている。このような蓄電体の搭載位置としては、エンジンルーム等の車室外に限られることはなく、荷室等の車室内に搭載される場合もある(特許文献1参照)。また、特許文献1に記載されるように、蓄電体が車室内に搭載される場合には、蓄電体から発生し得るガスを車室外に放出するため、蓄電体に対して排気ダクトが接続されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−231321号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されるように、蓄電体に対して排気ダクトを接続することにより、過度な温度上昇等によって蓄電体からガスが放出された場合であっても、排気ダクトから車室外にガスを放出することができる。これにより、車室内に蓄電体が搭載されていた場合であっても、車室内の環境を適切に保つことができる。しかしながら、蓄電体に排気ダクトを接続することは、電源装置の重量増加や高コスト化等を招く要因であった。このため、蓄電体に排気ダクトを接続することなく、車室内の環境を適切に保つことが求められている。
【0005】
本発明の目的は、蓄電体に排気ダクトを接続することなく、車室内の環境を適切に保つことにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の車両用制御装置は、車両に搭載される車両用制御装置であって、車室内に設けられる蓄電体と、車室外から空気を導入する外気導入口と、車室内から空気を導入する内気導入口と、車室内に空気を放出する吹出口と、を備える空調ダクトと、前記空調ダクトに設けられ、前記外気導入口、前記内気導入口および前記吹出口の連通状態を制御する流路切替機構と、前記外気導入口と前記吹出口とを互いに連通させる外気導入状態と、前記内気導入口と前記吹出口とを互いに連通させる内気導入状態と、に前記流路切替機構を制御する空調制御部と、を有し、前記空調制御部は、前記蓄電体の異常が検出された場合に、前記流路切替機構を前記外気導入状態に制御する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、蓄電体の異常が検出された場合に、流路切替機構を外気導入状態に制御する。これにより、車室外からの空気を車室内に取り込むことができ、車室内の環境を適切に保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】車室内を簡単に示した車両の側面図である。
図2】車室内を簡単に示した車両の平面図である。
図3】車両に搭載される空調装置の一例を示す概略図である。
図4】車両に搭載される電源装置の一例を示す概略図である。
図5】電源回路の一例を示す回路図である。
図6】スタータジェネレータを燃焼発電状態に制御したときの電力供給状況の一例を示す図である。
図7】スタータジェネレータを発電休止状態に制御したときの電力供給状況の一例を示す図である。
図8】スタータジェネレータを回生発電状態に制御したときの電力供給状況の一例を示す図である。
図9】スタータジェネレータを力行状態に制御したときの電力供給状況の一例を示す図である。
図10】フェイルセーフ制御1の実行手順の一例を示すフローチャートである。
図11】フェイルセーフ制御2の実行手順の一例を示すフローチャートである。
図12】フェイルセーフ制御2における空調装置の空気流れを簡単に示した図である。
図13】フェイルセーフ制御2における車室内の空気流れを簡単に示した図である。
図14】フェイルセーフ制御3の実行手順の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1は車室内10aを簡単に示した車両11の側面図であり、図2は車室内10aを簡単に示した車両11の平面図である。図1および図2に示される車両11には、後述するように、本発明の一実施の形態である車両用制御装置12が搭載されている。図1および図2に示すように、車両11の車室内10aには、インストルメントパネル13およびセンタコンソール(コンソール)14が設けられている。また、車両11の車室内10aには、運転席15、助手席16および後部座席17が設けられている。図2に示すように、センタコンソール14はインストルメントパネル13の中央部から車両後方に延びており、センタコンソール14は運転席15と助手席16との間に設置されている。また、後述する空調装置20を構成する吹出口として、インストルメントパネル13には複数の前側吹出口18が設けられており、センタコンソール14には後側吹出口19が設けられている。
【0010】
[空調装置]
図3は車両11に搭載される空調装置20の一例を示す概略図である。この空調装置20の一部を用いて、本発明の一実施の形態である車両用制御装置12が構成されている。図3に示すように、空調装置20は、吸入ダクト21、ブロワ収容部22、ミックスチャンバ23および放出ダクト24〜27等からなるダクト組立体(空調ダクト)28を有している。ダクト組立体28の吸入ダクト21には、車室外10bから空気を導入する外気導入口30が設けられるとともに、車室内10aから空気を導入する内気導入口31が設けられている。また、ダクト組立体28の放出ダクト24〜27には、車室内10aに空気を放出する前側吹出口(吹出口)18および後側吹出口(吹出口)19が設けられている。このように、ダクト組立体28には、外気導入口30、内気導入口31、前側吹出口18および後側吹出口19が設けられている。
【0011】
また、ダクト組立体28の吸入ダクト21には、吹出口18,19に対する外気導入口30や内気導入口31の連通状態を制御する流路切替機構32が設けられている。流路切替機構32は、インテークドア33とこれを駆動するアクチュエータ34とを備えている。インテークドア33は、外気導入口30を開放して内気導入口31を閉塞する外気導入位置と、内気導入口31を開放して外気導入口30を閉塞する内気循環位置と、に移動自在である。すなわち、図3に実線で示すように、インテークドア33を外気導入位置に作動させることにより、流路切替機構32は外気導入口30と吹出口18,19とを互いに連通させる外気導入状態に制御される。一方、図3に破線で示すように、インテークドア33を内気導入位置に作動させることにより、流路切替機構32は内気導入口31と吹出口18,19とを互いに連通させる内気導入状態に制御される。
【0012】
ダクト組立体28のブロワ収容部22には、電動モータ35によって回転駆動されるブロワ(送風機)36が収容されている。また、ダクト組立体28のミックスチャンバ23には、冷房用のエバポレータ37および暖房用のヒータコア38が収容されている。ミックスチャンバ23には、アクチュエータ39によって駆動されるミックスダンパ40が設けられている。ミックスダンパ40をヒータコア38に近づく方向に移動させると、ヒータコア38を通過する風量を減少させることができ、ミックスチャンバ23を流れる空気の温度上昇を抑制することができる。一方、ミックスダンパ40をヒータコア38から離れる方向に移動させると、ヒータコア38を通過する風量を増加させることができ、ミックスチャンバ23を流れる空気の温度上昇を促進することができる。
【0013】
前述したように、ミックスチャンバ23には、複数の放出ダクト24〜27が接続されている。放出ダクト24〜26として、フロントウィンドウに向けて送風するデフロスタダクト24、乗員の上半身に向けて送風するフェイスダクト25、乗員の下半身に向けて送風するフットダクト26等が設けられている。デフロスタダクト24、フェイスダクト25およびフットダクト26の端部には、前述したインストルメントパネル13の前側吹出口18が設けられている。なお、図2に示した前側吹出口18は、フェイスダクト25の端部に設けられる吹出口である。また、ミックスチャンバ23に接続される放出ダクト27として、後部座席17に向けて送風するリヤダクト27が設けられている。このリヤダクト27の端部には、前述したセンタコンソール14の後側吹出口19が設けられている。なお、それぞれの放出ダクト24〜27には、開閉プレート41とこれを駆動するアクチュエータ42とからなる開閉機構43が設けられている。
【0014】
空調装置20には、前述した電動モータ35やアクチュエータ34,39,42等を制御するため、マイコン等からなる空調コントローラ(空調制御部)44が設けられている。また、空調コントローラ44には、車室内10aの温度や風量等を設定する際に乗員に操作される設定スイッチ45、車室外10bの空気の温度を検出する外気温センサ46、車室内10aの空気の温度を検出する室温センサ47等が接続されている。そして、空調コントローラ44は、乗員が設定した車内環境に向けて温度や風量等を調整するため、外気温センサ46や室温センサ47等の検出信号に基づいて、電動モータ35やアクチュエータ34,39,42等を制御している。また、空調コントローラ44は、後述するリチウムイオンバッテリ72の異常発生時に車内環境を適切に維持するため、リチウムイオンバッテリ72の異常に基づき空調装置20を制御するフェイルセーフ機能を有している。このため、空調コントローラ44にはバッテリコントローラ84が接続されており、バッテリコントローラ84から空調コントローラ44にリチウムイオンバッテリ72の作動状況が送信される。
【0015】
[電源装置]
続いて、車両11に搭載される電源装置50について説明する。図4は車両11に搭載される電源装置50の一例を示す概略図である。この電源装置50の一部を用いて、本発明の一実施の形態である車両用制御装置12が構成されている。図4に示すように、車両11には、動力源であるエンジン52を備えたパワーユニット53が搭載されている。エンジン52のクランク軸54には、ベルト機構55を介してスタータジェネレータ56が機械的に連結されている。また、エンジン52にはトルクコンバータ57を介して変速機構58が連結されており、変速機構58にはデファレンシャル機構59等を介して車輪60が連結されている。
【0016】
エンジン52に連結されるスタータジェネレータ56は、発電機および電動機として機能する所謂ISG(Integrated Starter Generator)である。このスタータジェネレータ56は、クランク軸54によって駆動される発電機として機能するだけでなく、クランク軸54を回転させる電動機として機能する。例えば、アイドリングストップ制御においてエンジン52を再始動させる場合や、発進時や加速時等においてエンジン52をアシスト駆動する場合には、スタータジェネレータ56は電動機として力行状態に制御される。
【0017】
スタータジェネレータ56は、ステータコイルを備えたステータ61と、フィールドコイルを備えたロータ62と、を有している。また、スタータジェネレータ56には、ステータコイルやフィールドコイルの通電状態を制御するため、インバータ、レギュレータおよびマイコン等からなるISGコントローラ63が設けられている。ISGコントローラ63によってフィールドコイルやステータコイルの通電状態を制御することにより、スタータジェネレータ56の発電電圧、発電トルク、力行トルク等を制御することができる。
【0018】
電源装置50が備える電源回路70について説明する。図5は電源回路70の一例を示す回路図である。図5に示すように、電源回路70は、スタータジェネレータ56に電気的に接続される鉛バッテリ71と、これと並列にスタータジェネレータ56に電気的に接続されるリチウムイオンバッテリ(蓄電体)72と、を備えている。なお、リチウムイオンバッテリ72を積極的に放電させるため、リチウムイオンバッテリ72の端子電圧は、鉛バッテリ71の端子電圧よりも高く設計されている。また、リチウムイオンバッテリ72を積極的に充放電させるため、リチウムイオンバッテリ72の内部抵抗は、鉛バッテリ71の内部抵抗よりも小さく設計されている。
【0019】
鉛バッテリ71の正極端子71aには正極ライン73が接続され、リチウムイオンバッテリ72の正極端子72aには正極ライン74が接続され、スタータジェネレータ56の正極端子56aには正極ライン75が接続される。これらの正極ライン73〜75は、接続点76を介して互いに接続されている。また、鉛バッテリ71の負極端子71bには負極ライン77が接続され、リチウムイオンバッテリ72の負極端子72bには負極ライン78が接続され、スタータジェネレータ56の負極端子56bには負極ライン79が接続される。これらの負極ライン77〜79は、基準電位点80を介して互いに接続されている。
【0020】
鉛バッテリ71の正極ライン73には、導通状態と遮断状態とに切り替えられるスイッチSW1が設けられている。また、リチウムイオンバッテリ72の正極ライン74には、導通状態と遮断状態とに切り替えられるスイッチSW2が設けられている。なお、スイッチSW2の設置箇所としては、リチウムイオンバッテリ72の正極ライン74に限られることはなく、リチウムイオンバッテリ72の負極ライン78であっても良い。また、スイッチSW1,SW2は、MOSFET等の半導体素子によって構成されるスイッチであっても良く、電磁力等を用いて接点を機械的に開閉させるスイッチであっても良い。なお、スイッチSW1,SW2は、リレーやコンタクタ等とも呼ばれている。
【0021】
図4に示すように、電源回路70には、バッテリモジュール81が設けられている。このバッテリモジュール81には、リチウムイオンバッテリ72が組み込まれるとともに、スイッチSW1,SW2が組み込まれている。図1および図2に示すように、バッテリモジュール81は、車室内10aのセンタコンソール14に収容されている。また、図4に示すように、バッテリモジュール81のハウジング82には、スリット等の開口部83が形成されている。また、バッテリモジュール81には、マイコン等からなるバッテリコントローラ84が設けられている。バッテリコントローラ84は、リチウムイオンバッテリ72の充電状態SOC、充放電電流、端子電圧、セル温度、内部抵抗等を監視する機能や、スイッチSW1,SW2を制御する機能を有している。なお、充電状態SOC(State Of Charge)とは、バッテリの設計容量に対する蓄電量の比率である。
【0022】
鉛バッテリ71の正極ライン73には、複数の電気負荷85からなる電気負荷群86が接続されている。電気負荷群86を構成する電気負荷85として、前述した空調装置20、ISGコントローラ63、バッテリコントローラ84が設けられるとともに、後述するメインコントローラ90等が設けられる。また、鉛バッテリ71の負極ライン77には、鉛バッテリ71の充放電状況を検出するバッテリセンサ87が設けられている。このバッテリセンサ87は、鉛バッテリ71の充電電流、放電電流、端子電圧、充電状態SOC等を検出する機能を有している。また、鉛バッテリ71の正極ライン73には、電気負荷群86等を保護するヒューズ88が設けられている。
【0023】
[電源装置の制御系]
図4に示すように、車両11には、電源回路70のスタータジェネレータ56等を制御するため、マイコン等によって構成されるメインコントローラ90が設けられている。このメインコントローラ90や前述した各コントローラ44,63,84は、CANやLIN等の車載ネットワーク93を介して互いに通信自在に接続されている。
【0024】
メインコントローラ90は、ISGコントローラ63に制御信号を出力し、スタータジェネレータ56を力行状態や発電状態に制御する。例えば、メインコントローラ90は、アイドリングストップ制御においてエンジン52を再始動させる場合や、発進時や加速時等においてエンジン52をアシスト駆動する場合に、スタータジェネレータ56を力行状態に制御する。また、後述するように、メインコントローラ90は、リチウムイオンバッテリ72の充電状態SOCが低い場合に、スタータジェネレータ56の発電電圧を上げて燃焼発電状態に制御する一方、リチウムイオンバッテリ72の充電状態SOCが高い場合に、スタータジェネレータ56の発電電圧を下げて発電休止状態に制御する。
【0025】
メインコントローラ90は、バッテリコントローラ84に制御信号を出力し、スイッチSW1,SW2を導通状態や遮断状態に制御する。例えば、メインコントローラ90は、図示しないスタータモータを用いたエンジン初始動時に、電気負荷85の1つであるスタータモータに鉛バッテリ71から電力を供給するため、スイッチSW1,SW2を共に遮断状態に制御する。また、メインコントローラ90は、スタータモータによるエンジン初始動後に、スタータジェネレータ56によって鉛バッテリ71を補充電するため、スイッチSW2を遮断状態に制御してスイッチSW1を導通状態に制御する。そして、メインコントローラ90は、エンジン初始動後における鉛バッテリ71の補充電が終了すると、スイッチSW1,SW2を共に導通状態に制御する。また、後述するように、メインコントローラ90は、スタータジェネレータ56が力行制御される際に、スイッチSW1を遮断状態に制御する。なお、メインコントローラ90は、リチウムイオンバッテリ72等に異常が発生した場合に、スイッチSW2を遮断状態に制御する。
【0026】
[電力供給状況]
スタータジェネレータ56の発電制御や力行制御に伴う電力供給状況について説明する。図6はスタータジェネレータ56を燃焼発電状態に制御したときの電力供給状況の一例を示す図である。図7はスタータジェネレータ56を発電休止状態に制御したときの電力供給状況の一例を示す図である。図8はスタータジェネレータ56を回生発電状態に制御したときの電力供給状況の一例を示す図である。図9はスタータジェネレータ56を力行状態に制御したときの電力供給状況の一例を示す図である。なお、図6図9に示した黒塗りの矢印は、電源回路70内の電力供給状況を示している。
【0027】
図6に示すように、リチウムイオンバッテリ72の蓄電量が低下している場合には、スタータジェネレータ56が燃焼発電状態に制御される。つまり、リチウムイオンバッテリ72の充電状態SOCが所定の下限値を下回る場合には、リチウムイオンバッテリ72を充電して充電状態SOCを高めるため、スタータジェネレータ56が燃焼発電状態に制御される。スタータジェネレータ56を燃焼発電状態に制御する際には、スタータジェネレータ56の発電電圧がリチウムイオンバッテリ72の端子電圧よりも引き上げられる。これにより、図6に示すように、スタータジェネレータ56から、リチウムイオンバッテリ72、電気負荷群86および鉛バッテリ71等に対して発電電力が供給される。なお、スタータジェネレータ56の燃焼発電状態とは、エンジン52によってスタータジェネレータ56が発電駆動される状態である。
【0028】
図7に示すように、リチウムイオンバッテリ72の蓄電量が十分に確保されている場合には、スタータジェネレータ56が発電休止状態に制御される。つまり、リチウムイオンバッテリ72の充電状態SOCが所定の上限値を上回る場合には、リチウムイオンバッテリ72から電気負荷群86に対する電力供給が可能であるため、スタータジェネレータ56は発電休止状態に制御される。スタータジェネレータ56を発電休止状態に制御する際には、スタータジェネレータ56の発電電圧がリチウムイオンバッテリ72の端子電圧よりも引き下げられる。これにより、図7に示すように、リチウムイオンバッテリ72から電気負荷群86等に電力が供給されるため、スタータジェネレータ56の発電を抑制または停止させることができ、エンジン負荷を低減することができる。
【0029】
前述したように、メインコントローラ90は、充電状態SOCに基づきスタータジェネレータ56を燃焼発電状態や発電休止状態に制御するが、減速走行時には多くの運動エネルギーを回収して燃費性能を高めることが必要である。そこで、減速走行時には、スタータジェネレータ56が回生発電状態に制御され、スタータジェネレータ56の発電電圧がバッテリ71,72や電気負荷群86等の耐電圧を超えない範囲で引き上げられる。これにより、図8に示すように、スタータジェネレータ56から、リチウムイオンバッテリ72や鉛バッテリ71に大きな電流を供給することができる。つまり、スタータジェネレータ56の発電電力を増やすことができるため、運動エネルギーを積極的に電気エネルギーに変換して回収することができ、車両11のエネルギー効率を高めて燃費性能を向上させることができる。なお、リチウムイオンバッテリ72の内部抵抗は、鉛バッテリ71の内部抵抗よりも小さいことから、発電電流の多くはリチウムイオンバッテリ72に供給される。
【0030】
図6図8に示すように、スタータジェネレータ56を燃焼発電状態、回生発電状態および発電休止状態に制御する際に、スイッチSW1,SW2は導通状態に保持される。つまり、車両用制御装置12においては、スイッチSW1,SW2の切替制御を行うことなく、スタータジェネレータ56の発電電圧を制御するだけで、リチウムイオンバッテリ72の充放電を制御することが可能である。これにより、簡単にリチウムイオンバッテリ72の充放電を制御することができ、スイッチSW1,SW2の耐久性を向上させることができる。
【0031】
また、図9に示すように、スタータジェネレータ56を力行状態に制御する際には、スイッチSW1が遮断状態に制御される。つまり、スタータジェネレータ56によってエンジン52を始動回転させる場合や、スタータジェネレータ56によってエンジン52をアシスト駆動する場合には、スイッチSW1が導通状態から遮断状態に制御される。これにより、鉛バッテリ71およびこれに接続される電気負荷群86からなる第1電源系91と、リチウムイオンバッテリ72およびこれに接続されるスタータジェネレータ56からなる第2電源系92と、が互いに切り離される。これにより、図9に示すように、スタータジェネレータ56の消費電流が増加する場合であっても、鉛バッテリ71から電気負荷群86に電力を供給することができるため、電気負荷群86に対する瞬間的な電圧低下つまり瞬低を防止することができ、電気負荷群86を適切に機能させることができる。
【0032】
[フェイルセーフ制御1]
空調コントローラ44によって所定周期毎に実行されるフェイルセーフ制御1について説明する。図10はフェイルセーフ制御1の実行手順の一例を示すフローチャートである。なお、図10にはリチウムイオンバッテリ72がLiBとして記載される。
【0033】
図10に示すように、ステップS10では、リチウムイオンバッテリ72に異常が発生しているか否かが判定される。例えば、バッテリコントローラ84からの送信信号に基づいて、リチウムイオンバッテリ72のセル温度が所定値(例えば200℃)を上回ると判定された場合には、リチウムイオンバッテリ72に発煙等の異常が発生していると判定される。なお、リチウムイオンバッテリ72の異常を判定する方法としては、前述したセル温度に限られることはなく、充放電電流に基づきリチウムイオンバッテリ72の過度な充放電を検出しても良く、図示しないガスセンサ等を用いてリチウムイオンバッテリ72から放出されるガスを検出しても良い。
【0034】
ステップS10において、リチウムイオンバッテリ72の異常が検出された場合には、ステップS11に進み、空調装置20の流路切替機構32が、外気導入口30と吹出口18,19とを互いに連通させる外気導入状態に制御される。これにより、積極的に車室内10aに外気を取り込むことができるため、万一、車室内10aのリチウムイオンバッテリ72からガスが放出された場合であっても、車室内10aのガス濃度を素早く低下させることができる。すなわち、リチウムイオンバッテリ72からガス等が放出された場合には、バッテリモジュール81の開口部83からセンタコンソール14内にガスが漏れ、センタコンソール14の隙間等から車室内10aにガスが漏れることになる。しかしながら、リチウムイオンバッテリ72の異常に基づき流路切替機構32を外気導入状態に制御することにより、車室内10aに積極的に外気を取り込むことができるため、車室内10aのガス濃度を素早く低下させることができ、車室内10aの環境を適切に保つことができる。なお、車室内10aに漏れ出たガスは、車体の隙間等から徐々に車外に放出される。
【0035】
続くステップS12では、ブロワ36の回転速度を高めることにより、ブロワ36の送風量が引き上げられる。つまり、リチウムイオンバッテリ72の異常が検出されると、ブロワ36の風量が閾値以上に制御される。このように、ブロワ36の風量を増加させることにより、車室内10aに多くの外気を取り込むことができるため、車室内10aのガス濃度を素早く低下させることができ、車室内10aの環境を適切に保つことができる。
【0036】
これまで説明したように、リチウムイオンバッテリ72の異常が検出された場合には、流路切替機構32を外気導入状態に制御するようにしたので、リチウムイオンバッテリ72から車室内10aにガスが漏れたとしても、車室内10aのガス濃度を素早く低下させて車室内10aの環境を適切に保つことができる。これにより、リチウムイオンバッテリ72からガス排出用の排気ダクトを削減することができ、電源装置50の軽量化や低コスト化を達成することができる。
【0037】
なお、リチウムイオンバッテリ72に排気ダクトを備えた車両であっても、リチウムイオンバッテリ72の異常に基づき流路切替機構32を外気導入状態に制御することにより、電源装置50の信頼性を高めることができる。つまり、排気ダクトに詰まりや接続不良等が発生していた場合であっても、流路切替機構32を外気導入状態に制御することにより、車室内10aのガス濃度を素早く低下させて車室内10aの環境を適切に保つことができる。
【0038】
[フェイルセーフ制御2]
空調コントローラ44によって所定周期毎に実行されるフェイルセーフ制御2について説明する。図11はフェイルセーフ制御2の実行手順の一例を示すフローチャートである。なお、図11において、図10に示すステップと同様のステップについては、同一の符号を付してその説明を省略する。また、図12はフェイルセーフ制御2における空調装置20の空気流れを簡単に示した図である。図13はフェイルセーフ制御2における車室内10aの空気流れを簡単に示した図である。
【0039】
図11に示すように、ステップS10においてリチウムイオンバッテリ72の異常が検出され、ステップS11において流路切替機構32が外気導入状態に制御されると、ステップS20に進み、ブロワ36の回転方向が逆方向に切り替えられる。つまり、ブロワ36の回転方向を反転させることにより、図12に白抜きの矢印で示すように、吹出口18,19から外気導入口30に向けて空気を逆向きに流すことができる。これにより、リチウムイオンバッテリ72から車室内10aにガスが漏れたとしても、車室内10aのガスを空調装置20のダクト組立体28から車室外10bに放出することができ、車室内10aのガス濃度を素早く低下させて車室内10aの環境を適切に保つことができる。
【0040】
しかも、図13に示すように、センタコンソール14には、バッテリモジュール81が収容されるだけでなく、リヤダクト27の後側吹出口19が設けられている。これにより、矢印αで示すように、センタコンソール14から車室内10aに漏れ出たガスは、矢印βで示すように、近傍の後側吹出口19に素早く吸い込まれる。すなわち、車室内10aに多くのガスを漂わせることなく、直ちにガスをリヤダクト27から車室外10bに放出することができ、車室内10aのガス濃度を素早く低下させて車室内10aの環境を適切に保つことができる。
【0041】
[フェイルセーフ制御3]
空調コントローラ44によって所定周期毎に実行されるフェイルセーフ制御3について説明する。図14はフェイルセーフ制御3の実行手順の一例を示すフローチャートである。なお、図14において、図10に示すステップと同様のステップについては、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0042】
図14に示すように、ステップS10においてリチウムイオンバッテリ72の異常が検出され、ステップS11において流路切替機構32が外気導入状態に制御されると、ステップS30に進み、後部座席17に乗員が座っているか否かが判定される。ここで、図2に示すように、運転席15、助手席16、後部座席17等の各座席には、メンブレンスイッチ等の着座センサ15a〜17aが組み込まれている。空調コントローラ44は、着座センサ15a〜17aの検出信号に基づいて、各座席15〜17における乗員の着座状況を判定することが可能である。
【0043】
ステップS30において、後部座席17に乗員が座っていると判定された場合には、ステップS31に進み、ブロワ36の回転方向が逆方向に切り替えられる。これにより、リチウムイオンバッテリ72から車室内10aにガスが漏れたとしても、車室内10aのガスを空調装置20のダクト組立体28から車外に放出することができ、車室内10aのガス濃度を素早く低下させて車室内10aの環境を適切に保つことができる。
【0044】
一方、ステップS30において、後部座席17に乗員が座っていないと判定された場合には、ステップS32に進み、ブロワ36の回転方向が正方向に維持される。すなわち、後部座席17に乗員が居ない場合には、前側吹出口18や後側吹出口19から積極的に外気を吹き出させるようにしている。このように、前側吹出口18や後側吹出口19から積極的に外気を放出することにより、後部座席17側にガスを移動させることができる。これにより、運転席15や助手席16の乗員からガスを遠ざけることができ、車室内10aの環境をより良くすることができる。
【0045】
なお、ブロワ36の回転方向が正方向とは、ブロワ36を回転させたときに、導入口30,31から吹出口18,19に向けて空気が流れるブロワ36の回転方向を意味している。一方、ブロワ36の回転方向が逆方向とは、ブロワ36を回転させたときに、吹出口18,19から導入口30,31に向けて空気が流れるブロワ36の回転方向を意味している。
【0046】
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。前述の説明では、センタコンソール14にリチウムイオンバッテリ72を収容しているが、これに限られることはなく、車室内10aであれば荷室等の他の場所にリチウムイオンバッテリ72を設置しても良い。前述の説明では、蓄電体としてリチウムイオンバッテリ72を採用しているが、これに限られることはなく、他の種類のバッテリやキャパシタを採用しても良い。また、前述の説明では、電源装置50に対して2つの蓄電体を組み込んでいるが、これに限られることはなく、電源装置50に対して1つの蓄電体を組み込んでも良く、電源装置50に対して3つ以上の蓄電体を組み込んでも良い。また、前述の説明では、送風機としてブロワ36を採用しているが、これに限られることはなく、送風機としてファンを採用しても良い。また、送風機としては、遠心送風機であっても良く、軸流送風機であっても良い。
【0047】
前述の説明では、空調コントローラ44を空調制御部として機能させているが、これに限られることはなく、例えば、メインコントローラ90等の他のコントローラを空調制御部として機能させても良い。また、前述の説明では、フェイルセーフ制御1において、流路切替機構32を外気導入状態に制御し、かつブロワ36の風量を増加させているが、これに限られることはなく、流路切替機構32を外気導入状態に制御するだけであっても良い。また、前述の説明では、フェイルセーフ制御1〜3において、リチウムイオンバッテリ72に異常が検出された場合には、前側吹出口18や後側吹出口19を開放しているが、これに限られることはない。例えば、フェイルセーフ制御3において、後部座席17に乗員が居ることからブロワ36を逆転させる場合には、前側吹出口18を閉じて後側吹出口19を開いても良い。また、例えば、フェイルセーフ制御3において、後部座席17に乗員が居ないことからブロワ36を正転させる場合には、前側吹出口18を開いて後側吹出口19を閉じても良い。なお、図2に示した例では、運転席15が右側に設置されており、助手席16が左側に設置されているが、これに限られることはなく、運転席15が左側に設置されて助手席16が右側に設置されていても良い。
【符号の説明】
【0048】
10a 車室内
10b 車室外
11 車両
12 車両用制御装置
14 センタコンソール(コンソール)
15 運転席
16 助手席
17 後部座席
18 前側吹出口(吹出口)
19 後側吹出口(吹出口)
28 ダクト組立体(空調ダクト)
30 外気導入口
31 内気導入口
32 流路切替機構
36 ブロワ(送風機)
44 空調コントローラ(空調制御部)
72 リチウムイオンバッテリ(蓄電体)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14