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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-203209(P2018-203209A)
(43)【公開日】2018年12月27日
(54)【発明の名称】乗物用シート
(51)【国際特許分類】
   B60N 2/68 20060101AFI20181130BHJP
【FI】
   B60N2/68
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2017-114461(P2017-114461)
(22)【出願日】2017年6月9日
(71)【出願人】
【識別番号】000241500
【氏名又は名称】トヨタ紡織株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000394
【氏名又は名称】特許業務法人岡田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】溝端 洋志
【テーマコード(参考)】
3B087
【Fターム(参考)】
3B087BC23
3B087BD02
3B087DB02
(57)【要約】
【課題】非鉄材料で製造されたバックフレームを有する乗物用シートにおいて、バックフレームをリクライニング機構に対して簡潔な構造で取付け軽量化を可能とする。
【解決手段】クッションフレームと、非鉄材料製のバックフレーム31と、リクライナ50と、バックフレーム31をリクライナ50に対して挟持する挟持板70と、を備える。リクライナ50には複数のダボ52aが設けられ、バックフレーム31には、ダボ52aが遊嵌するダボ孔31a111と、前フランジ部31a2及び後フランジ部31a3と、が設けられる。挟持板70に、バーリング部71bと、前当て壁部72a及び後当て壁部73aと、が設けられる。挟持板70は、バーリング部71bの外側をダボ孔31a111に、内側をダボ52aに嵌合させ、前当て壁部72a及び後当て壁部73aを前フランジ部31a2及び後フランジ部31a3に当接させてリクライナ50に固定される。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗物用シートであって、
クッションフレームと、非鉄材料製のバックフレームと、前記クッションフレームの後部側と前記バックフレームの下部側との間に配設され前記クッションフレームに対して前記バックフレームを相対回動可能に支持するリクライナと、前記バックフレームを前記リクライナに対して挟持して固定する挟持板と、を備え、
前記リクライナの前記バックフレームとの対向面上には前記リクライナの回動軸を中心とする円周上に配置された複数の突起部が設けられ、
前記バックフレームの前記下部側には、前記突起部が遊嵌する遊嵌貫通孔と、該遊嵌貫通孔より前記回動軸から径方向に離れた部位に配設され前記径方向に対して略垂直方向かつ前記挟持板の方向に延びる立壁部と、が設けられ、
前記挟持板には、前記突起部が内側に嵌合し前記バックフレームの前記遊嵌貫通孔が外側に嵌合するバーリング部と、前記立壁部に前記径方向の内側から面状に当接する当て壁部と、が設けられ、
前記挟持板は、前記遊嵌貫通孔に前記バーリング部の外側を嵌合させて前記突起部を前記バーリング部の内側に嵌合させるとともに、前記当て壁部を前記立壁部に当接させて前記バックフレームを前記リクライナに挟持した状態で、前記リクライナに対し固定されている乗物用シート。
【請求項2】
請求項1において、前記立壁部は、前記バックフレームの前記下部側に設けられたフランジ部及び/又は切起し部である乗物用シート。
【請求項3】
請求項1又は請求項2において、前記立壁部と前記当て壁部は、それぞれ、前記回動軸を挟んで対向して一対ずつ設けられている乗物用シート。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のいずれか1項において、前記立壁部に対して前記当て壁部は当接した状態で機械的結合及び/又は接着により連結されている乗物用シート。
【請求項5】
請求項1ないし請求項4のいずれか1項において、前記バックフレームは複合樹脂材料製又は軽合金製である乗物用シート。











【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乗物用シートに関する。
【背景技術】
【0002】
複合樹脂材料等の非鉄材料で製造されたバックフレームを有する乗物用シートにおいて、バックフレームをリクライニング機構に結合する場合、バックフレームをリクライナに対してプレート部材で押し付けて取付けているものがある。特許文献1に記載される技術においては、複合樹脂材料で製造されたバックフレームのサイドフレーム下端部にリクライナのサイドフレームとの対向面上に設けられた突起部が遊嵌する貫通孔が設けられている。また、プレート部材には、突起部が内側に嵌合し外側が貫通孔に嵌合するバーリング部が設けられている。そして、プレート部材は、サイドフレームの貫通孔にバーリング部の外側を嵌合させるとともに、リクライナの突起部をバーリング部の内側に嵌合させた状態でリクライナに対して固定されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017−39483号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の技術においては、リクライナに対してサイドフレームから印加されるねじりモーメントは、バーリング部の外側とサイドフレームの貫通孔との嵌合部においてのみ受けられる。これによって、サイドフレームが耐えられるねじりモーメントを増やそうとすると、サイドフレームの肉厚を増加させたり、サイドフレームを構成する複合樹脂材料に含まれる強化繊維を増加させたりする必要があり、軽量化が図りにくいという問題があった。
【0005】
かかる問題に鑑み本発明の課題は、非鉄材料で製造されたバックフレームを有する乗物用シートにおいて、バックフレームをリクライニング機構に対して簡潔な構造で取付けることにより軽量化が可能な乗物用シートを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1発明は、乗物用シートであって、クッションフレームと、非鉄材料製のバックフレームと、前記クッションフレームの後部側と前記バックフレームの下部側との間に配設され前記クッションフレームに対して前記バックフレームを相対回動可能に支持するリクライナと、前記バックフレームを前記リクライナに対して挟持して固定する挟持板と、を備え、前記リクライナの前記バックフレームとの対向面上には前記リクライナの回動軸を中心とする円周上に配置された複数の突起部が設けられ、前記バックフレームの前記下部側には、前記突起部が遊嵌する遊嵌貫通孔と、該遊嵌貫通孔より前記回動軸から径方向に離れた部位に配設され前記径方向に対して略垂直方向かつ前記挟持板の方向に延びる立壁部と、が設けられ、前記挟持板には、前記突起部が内側に嵌合し前記バックフレームの前記遊嵌貫通孔が外側に嵌合するバーリング部と、前記立壁部に前記径方向の内側から面状に当接する当て壁部と、が設けられ、前記挟持板は、前記遊嵌貫通孔に前記バーリング部の外側を嵌合させて前記突起部を前記バーリング部の内側に嵌合させるとともに、前記当て壁部を前記立壁部に当接させて前記バックフレームを前記リクライナに挟持した状態で、前記リクライナに対し固定されていることを特徴とする。
【0007】
第1発明によれば、非鉄材料製のバックフレームの下部側は、リクライナに対して挟持板で挟持して固定されている。このとき、バックフレームと挟持板とは、遊嵌貫通孔の外周壁部とバーリング部の外側との嵌合だけでなく、立壁部と当て壁部の当接によっても相対回動が止められている。これによって、バックフレームからの強大なねじりモーメントをリクライナに伝達する場合、立壁部と当て壁部を設けるという簡潔な構造で、遊嵌貫通孔の外周壁部とバーリング部の外側との嵌合による連結強度を補うことができる。立壁部と当て壁部を設けることにより増加する重量は軽微なので乗物用シートの軽量化が達成できる。
【0008】
本発明の第2発明は、上記第1発明において、前記立壁部は、前記バックフレームの前記下部側に設けられたフランジ部及び/又は切起し部であることを特徴とする。
【0009】
第2発明によれば、バックフレームの下部側に別部材を取付ける必要がないので、構造が簡潔化し軽量化が促進される。
【0010】
本発明の第3発明は、上記第1発明又は上記第2発明において、前記立壁部と前記当て壁部は、それぞれ、前記回動軸を挟んで対向して一対ずつ設けられていることを特徴とする。
【0011】
第3発明によれば、立壁部と当て壁部が、それぞれ、回動軸を挟んで対向して設けられて当接しているのでバランスよく連結強度を高めることができる。
【0012】
本発明の第4発明は、上記第1発明ないし上記第3発明のいずれかにおいて、前記立壁部に対して前記当て壁部は当接した状態で機械的結合及び/又は接着により連結されていることを特徴とする。
【0013】
第4発明によれば、立壁部に対して当て壁部は当接しているだけでなく、機械的結合及び/又は接着により連結されているのでよりねじりモーメントに対する強度が高まる。
【0014】
本発明の第5発明は、上記第1発明ないし上記第4発明のいずれかにおいて、前記バックフレームは複合樹脂材料製又は軽合金製であることを特徴とする。
【0015】
第5発明によれば、バックフレーム本体による重量軽減効果が相俟って軽量化が図られる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の第1実施形態に係る自動車用シートの側面図である。
図2図1のII部分を拡大して示す図である。シート内側から見た状態である。
図3図2のIII−III矢視線断面図である。
図4図2のIV−IV矢視線断面図である。
図5】上記実施形態にかかる自動車用シートのバックフレームの斜視図である。
図6】上記実施形態にかかる自動車用シートのバックフレームに挟持板を取付けた状態を示す斜視図である。
図7】本発明の第2実施形態を示す斜視図である。
図8】本発明の第3実施形態を示す斜視図である。
図9】本発明の第4実施形態に係る自動車用シートのバックフレームの斜視図である。
図10図9のX部分を拡大して示す図である。
図11図10のXI−XI矢視線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1図6は、本発明の一実施形態を示す。本実施形態は、自動車用シートに本発明を適用した例である。各図中、矢印により自動車のフロアFに自動車用シート1を取付けた時の自動車用シート1及び自動車の各方向を示している。以下の説明において、方向に関する記述は、この方向を基準として行うものとする。
【0018】
図1に示すように、本実施形態の自動車用シート1は、乗用車用のフロントシートであって、着座部となるシートクッション20と、背もたれとなるシートバック30と、シートクッション20をフロアFに対して前後方向摺動可能に取付けるスライドレール40を備えている。ここで、自動車用シート1が、特許請求の範囲の「乗物用シート」に相当する。
【0019】
シートクッション20は、骨格をなすクッションフレーム21の上にクッション材であるクッションパッド22を載置して、その上から表皮材であるクッションカバー23で被覆した構成とされ、着座者の荷重を弾性的に支持するものである。クッションフレーム21は、左右一対の前後方向に延びる鋼板材よりなるサイドフレーム21aの前端部側同士がフロントパイプ(図示せず)によって相対回動可能に架け渡し状に連結され、後端部側同士がリアパイプ21cによって相対回動可能に架け渡し状に連結されている。これによって、クッションフレーム21は、上面視でシートクッション20の外周形状に沿った矩形枠状に形成されている。図3に示すように、サイドフレーム21aは、それぞれフロアFに垂直に前後方向に延びる板状の主体部21a1の上下端部から補強のために左側(シート内側)に延びる立壁部21a2を形成した部材である。サイドフレーム21aは、それぞれ主体部21a1の後端部側上部にロアアーム21bがボルト等の締結部材によって取付けられている。ロアアーム21bは、サイドフレーム21aに比較して肉厚の鋼板材よりなる部材で、後述するリクライナ50のシート外側の面が当接して溶接固定が可能な孔が設けられている。
【0020】
シートバック30は、骨格をなすバックフレーム31の上にクッション材であるバックパッド32を載置して、その上から表皮材であるバックカバー33で被覆した構成とされ、着座者の背部を弾性的に支持するものである。図5に示すように、バックフレーム31は、左右一対の上下方向に延びるアルミニウム合金材よりなるサイドフレーム31aの上端部同士が、前面視で逆U字状に形成されたアルミニウム合金パイプ材よりなるアッパパイプ31bで連結された構造とされている。左右のサイドフレーム31aの間にはバックパッド32を支持するワイヤ(図示せず)が架け渡し状に配設されている。
【0021】
図5に示すように、左右のサイドフレーム31aは、アルミニウム合金の板材をプレス成形することにより製造されており、バックフレーム31の左右方向中央部において前後方向に延びる面に関して対称形状に形成されている。左右のサイドフレーム31aは、側面視で下方から上方に向かうにつれて前後方向の幅が徐々に小さくなる主面部31a1と、主面部31a1の前端部から互いに近接する方向に延びる前フランジ部31a2と、主面部31a1の後端部から互いに近接する方向に延びる後フランジ部31a3と、を有する。前フランジ部31a2と後フランジ部31a3は、サイドフレーム31aの下端部で連結されている。主面部31a1の下端部側の前後方向の幅が広い部分である下側部31a11には、後述するリクライナ50の表面に形成された6つのダボ52aが遊嵌する6つのダボ孔31a111と、リクライナ50の回動軸50Aを通す貫通孔31a112が設けられている。
【0022】
クッションフレーム21に対してバックフレーム31を起立状態としたとき、下側部31a11の前後において、前フランジ部31a2と後フランジ部31a3は、ほぼ対向して上下方向に延びている。主面部31a1の上端部側の前後方向の幅が狭い部分である上側部31a12においては、前フランジ部31a2と後フランジ部31a3の前後方向の間隔が狭められその間にアッパパイプ31bの下側端部が挟持された状態で連結されている。ここで、前フランジ部31a2と後フランジ部31a3が、それぞれ、特許請求の範囲の「立壁部」に相当する。また、下側部31a11とダボ孔31a111が、それぞれ、特許請求の範囲の「下部側」と「遊嵌貫通孔」に相当する。
【0023】
スライドレール40は、前後方向に延びてフロアFに固定されたロアレール41に対してアッパレール42が前後方向に摺動可能に組み付けられている。アッパレール42の上面には、前後方向に延びるブラケット42aが取付けられている。
【0024】
クッションフレーム21は、その前部側において一対のフロントリンク24を介して、その後部側において一対のリアリンク25を介してブラケット42aに取付けられている。具体的には、左右ともサイドフレーム21aの前部側にフロントリンク24の上端部が回動可能に取付けられ、フロントリンク24の上端部間はフロントパイプで連結されている。また、左右ともサイドフレーム21aの後部側にリアリンク25の上端部が回動可能に取付けられ、リアリンク25の上端部間はリアパイプ21cで連結されている。そして、左右ともブラケット42aの前部側にフロントリンク24の下端部が回動可能に取付けられ、ブラケット42aの後部側にリアリンク25の下端部が回動可能に取付けられる。すなわち、左右ともサイドフレーム21a、フロントリンク24、リアリンク25、ブラケット42aで4節リンクが形成されるとともに、フロントリンク24の上端部間及びリアリンク25の上端部間がパイプで連結された構成となっている。リアリンク25の1つには、セクタギア25aが設けられセクタギア25aにはサイドフレーム21aに回動可能に支持されたピニオンギア(図示せず)が噛み合いピニオンギアはリフターレバー(図示せず)で回動可能に構成されている。これによって、リフターレバーを操作してピニオンギアを回動させるとリアリンク25の1つがサイドフレーム21aに対して回動するとともにこの動きが他のリアリンク25及びフロントリンク24にも伝達されてスライドレール40に対しクッションフレーム21が略平行を保った状態で上下動する。
【0025】
リクライナ50は、互いに相対回転可能な状態に軸方向に組み付けられた2枚の円板状の連結部材(図示せず)の間にこれらの相対回転をロックするロック機構(図示せず)を設け外周を外周リング51でかしめて保持した装置である。リクライナ50の基本的構成は、特開2002−360368号公報等の文献に開示された公知の構成となっているため、詳細な説明は省略する。左右のリクライナ50は、バックフレーム31の左右方向中間部において前後方向に延びる面に関して対称関係にあるので代表として右側のリクライナ50について説明する。図2及び図3に示すように、リクライナ50の左側の面(シート内側の面)を構成する連結部材には略円筒状に突出する6つのダボ52aが円周方向に等間隔で並んで形成されている。ダボ52aの高さはバックフレーム31のサイドフレーム31aの主面部31a1の肉厚とほぼ等しく設定されている。また、リクライナ50の右側の面(シート外側の面)を構成する連結部材には略円筒状に突出する4つのダボ53aが円周方向に等間隔で並んで形成されている。リクライナ50の中心には、2枚の円板状の連結部材の回動軸50Aを中心とする貫通孔54が設けられている。貫通孔54内に後述するシャフト60が通されたときロック機構がシャフト60に係合してシャフト60の回動に応じて2枚の連結部材の相対回転をロック又はロック解除できるように構成されている。ここで、ダボ52aが、特許請求の範囲の「突起部」に相当する。
【0026】
図3図4及び図6に示すように、挟持板70は、鋼板製の部材で円板状の本体部71と、本体部71から径方向の外側に向かって延びる前延設部72と後延設部73を有する。本体部71は、外径がリクライナ50の外径とほぼ同程度で、中心にシャフト60の外径よりわずかに大きい内径の貫通孔71aが設けられた円板状に形成されている。本体部71には、リクライナ50の6つのダボ52aがそれぞれ内側に嵌合する6つのバーリング部71bが設けられている。バーリング部71bの円筒部分の高さは、バックフレーム31のサイドフレーム31aの主面部31a1の肉厚よりわずかに小さく設定されている。バーリング部71bの円筒部分の内側の直径は、リクライナ50のダボ52aの直径よりわずかに大きく設定されている。また、バーリング部71bの円筒部分の外側の直径は、サイドフレーム31aのダボ孔31a111の直径よりわずかに小さく設定されている。これによって、リクライナ50に対してサイドフレーム31aの下側部31a11を当接させ、挟持板70で挟持したとき、挟持板70のバーリング部71bは円筒部分の内側がダボ52aに嵌合し、円筒部分の外側がダボ孔31a111の外周壁部に嵌合する。前延設部72と後延設部73は、クッションフレーム21に対してバックフレーム31を起立状態としたとき、前延設部72は径方向の前方に向かって延び、後延設部73は径方向の後方に向かって延びている。前延設部72の前端部側は、挟持板70に対して直角に左方(シート内側方向)に向かって折り曲げられた前当て壁部72aとして形成されている。また、後延設部73の後端部側は、挟持板70に対して直角に左方(シート内側方向)に向かって折り曲げられた後当て壁部73aとして形成されている。サイドフレーム31aに対してリクライナ50と挟持板70が取付けられたとき、前当て壁部72aの前面は
前フランジ部31a2の後面に、と後当て壁部73aの後面は後フランジ部31a3の前面に当接する。ここで、前当て壁部72aと後当て壁部73aが、特許請求の範囲の「当て壁部」に相当する。
【0027】
図3及び図4に基づいてリクライナ50を介してバックフレーム31をロアアーム21bに取付ける手順について説明する。まず、左右のサイドフレーム31aにアッパパイプ31bを連結してバックフレーム31を形成する。次に、リクライナ50の左側の面(シート内側の面)の6つのダボ52aをバックフレーム31の6つのダボ孔31a111に遊嵌させるとともに、挟持板70の6つのバーリング部71bの円筒部分内側に6つのダボ52aを嵌合させて挟持板70を取付ける。このとき、予め挟持板70の前当て壁部72aの前面と後当て壁部73aの後面に常温硬化タイプの構造用接着剤を塗布しておく。挟持板70の6つのバーリング部71bの円筒部分外側は、バックフレーム31の6つのダボ孔31a111に嵌合させられる。この状態で、挟持板70の6つのバーリング部71bのいくつかとそれに嵌合するリクライナ50のダボ52aとの間を溶接で固定する。このとき、挟持板70の前当て壁部72aの前面は、サイドフレーム31aの前フランジ部31a2の後面に接着剤を介して当接し、挟持板70の後当て壁部73aの後面はサイドフレーム31aの後フランジ部31a3の前面に接着剤を介して当接した状態となる。左側のサイドフレーム31aに対しても同様にリクライナ50と挟持板70を取付ける。最後に、クッションフレーム21に対して左右のロアアーム21bを取付けるとともに、左右のリクライナ50の貫通孔54間を掛け渡すようにシャフト60を配置し、右側のリクライナ50の右側の面に摺動可能に当接してリクライニングレバー62が配置されシャフト60の外周部に対して溶接して固定される。前フランジ部31a2と前当て壁部72aの間の接着剤と後フランジ部31a3と後当て壁部73aの間の接着剤は、製造された自動車用シート1を自動車に搭載する前までに硬化して所定の強度を発揮する。
【0028】
以上のように構成される第1実施形態は、以下のような作用効果を奏する。サイドフレーム31aは、リクライナ50に対して、左右の主面部31a1に設けられた6つのダボ孔31a111に左右のリクライナ50の6つのダボ52aが遊嵌され、リクライナ50とは反対側の面から挟持板70で挟持されて固定されている。このとき、挟持板70の前当て壁部72aと後当て壁部73aは、それぞれ、サイドフレーム31aの前フランジ部31a2と後フランジ部31a3に当接している。これによって、バックフレーム31からの強大なねじりモーメントをリクライナ50に伝達する場合、挟持板70に前当て壁部72aと後当て壁部73aを設けるという簡潔な構造で、ダボ孔31a111の外周壁部とバーリング部71bの円筒部分外側との嵌合による連結強度を補うことができる。挟持板70に前当て壁部72aと後当て壁部73aを設けることにより増加する重量は軽微なので自動車用シート1の軽量化が達成できる。
【0029】
また、サイドフレーム31aの前フランジ部31a2と後フランジ部31a3は、主面部31a1の外周縁部に一体に設けられたフランジ部分なので、別部材を取付ける必要がないので、構造が簡潔化し軽量化が促進される。また、前当て壁部72aと後当て壁部73aは、それぞれ、回動軸50Aを挟んで対向して設けられているのでバランスよく連結強度を高めることができる。さらに、前フランジ部31a2と前当て壁部72aの間、及びと後フランジ部31a3と後当て壁部73aの間には接着剤が介在されて接着により連結されている。これによって、サイドフレーム31aから印加されるねじりモーメントに対する強度をさらに高めることができる。加えて、バックフレーム31はアルミニウム合金の軽合金製であるので、バックフレーム31本体による重量軽減効果が相俟って軽量化を図ることができる。
【0030】
図7に本発明の第2実施形態を示す。第1実施形態と共通の構造については対応する符号を付して詳細な説明を省略する。第1実施形態との違いは、挟持板の当て壁部とバックフレームの立壁部が異なっている点である。サイドフレーム31aの下側部31a11には、6つのダボ孔31a111の外接円と前フランジ部31a2との間に、前フランジ部31a2と平行に上下に延びる前切起し部31a113が形成されている。また、サイドフレーム31aの下側部31a11には、6つのダボ孔31a111の外接円と後フランジ部31a3との間に、後フランジ部31a3と平行に上下に延びる後切起し部31a114が形成されている。前切起し部31a113と後切起し部31a114の上下方向の長さは、挟持板70Aの本体部71の直径の1/2程度とされている。挟持板70Aの本体部71には、前延設部72Aの前端部側には前切起し部31a113に対応して前当て壁部72Aaが、後延設部73Aの後端部側には後切起し部31a114に対応して後当て壁部73Aaが形成されている。ここで、前切起し部31a113と後切起し部31a114が、特許請求の範囲の「立壁部」に相当する。
【0031】
リクライナ50の左側の面(シート内側の面)の6つのダボ52aをバックフレーム31の6つのダボ孔31a111に遊嵌させるとともに、挟持板70Aの6つのバーリング部71bの円筒部分内側に6つのダボ52aを嵌合させて挟持板70Aを取付ける。このとき、予め挟持板70Aの前当て壁部72Aaの前面と後当て壁部73Aaの後面に常温硬化タイプの構造用接着剤を塗布しておく。挟持板70Aの6つのバーリング部71bの円筒部分外側は、バックフレーム31の6つのダボ孔31a111に嵌合させられる。この状態で、挟持板70Aの6つのバーリング部71bのいくつかとそれに嵌合するリクライナ50のダボ52aとの間を溶接で固定する。このとき、挟持板70Aの前当て壁部72Aaの前面は、サイドフレーム31aの前切起し部31a113の後面に接着剤を介して当接し、挟持板70Aの後当て壁部73Aaの後面はサイドフレーム31aの後切起し部31a114の前面に接着剤を介して当接した状態となる。左側のサイドフレーム31aに対しても同様にリクライナ50と挟持板70Aが取付けられる。ここで、前当て壁部72Aaと後当て壁部73Aaが、特許請求の範囲の「当て壁部」に相当する。
【0032】
以上のように構成される第2実施形態は、実質的に第1実施形態と同様な作用効果を奏する。加えて、前延設部72Aと後延設部73Aは、それぞれ、前延設部72と後延設部73より左右方向の長さが短いのでその分軽量化が可能となる。
【0033】
図8に本発明の第3実施形態を示す。第1実施形態と共通の構造については対応する符号を付して詳細な説明を省略する。第1実施形態との違いは、挟持板の当て壁部とバックフレームの立壁部が異なっており、第1実施形態と第2実施形態とを組み合わせたものになっている点である。サイドフレーム31aの下側部31a11には、6つのダボ孔31a111の外接円の上部に、前フランジ部31a2に対して垂直に左右に延びる上切起し部31a115が形成されている。また、サイドフレーム31aの下側部31a11には、6つのダボ孔31a111の外接円の下部に、後フランジ部31a3に対して垂直に左右に延びる下切起し部31a116が形成されている。上切起し部31a115と下切起し部31a116の左右方向の長さは、挟持板70Bの本体部71の直径の1/2程度とされている。挟持板70Bの本体部71には、前延設部72と後延設部73に加えて、上延設部74の上端部側には上切起し部31a115に対応して上当て壁部74aが、下延設部75の下端部側には下切起し部31a116に対応して下当て壁部75aが形成されている。ここで、上切起し部31a115と下切起し部31a116が、特許請求の範囲の「立壁部」に相当する。
【0034】
リクライナ50の左側の面(シート内側の面)の6つのダボ52aをバックフレーム31の6つのダボ孔31a111に遊嵌させるとともに、挟持板70Bの6つのバーリング部71bの円筒部分内側に6つのダボ52aを嵌合させて挟持板70Bを取付ける。このとき、予め挟持板70Bの前当て壁部72aの前面、後当て壁部73aの後面、上当て壁部74aの上面と下当て壁部75aの下面に常温硬化タイプの構造用接着剤を塗布しておく。挟持板70Bの6つのバーリング部71bの円筒部分外側は、バックフレーム31の6つのダボ孔31a111に嵌合させられる。この状態で、挟持板70Bの6つのバーリング部71bのいくつかとそれに嵌合するリクライナ50のダボ52aとの間を溶接で固定する。このとき、挟持板70Bの前当て壁部72aの前面は前フランジ部31a2の後面に、後当て壁部73aの後面は後フランジ部31a3の前面に、上当て壁部74aの上面は上切起し部31a115の下面に、下当て壁部75aの下面は下切起し部31a116の上面に、接着剤を介して当接した状態となる。左側のサイドフレーム31aに対しても同様にリクライナ50と挟持板70Bが取付けられる。ここで、上当て壁部74aと下当て壁部75aが、特許請求の範囲の「当て壁部」に相当する。
【0035】
以上のように構成される第3実施形態は、実質的に第1実施形態と同様な作用効果を奏する。加えて、前当て壁部72aと前フランジ部31a2の当接及び後当て壁部73aと後フランジ部31a3の当接に、上当て壁部74aと上切起し部31a115の当接及び下当て壁部75aと下切起し部31a116の当接が付加される。これによって、サイドフレーム31aから印加されるねじりモーメントに対する強度をさらに高めることができる。
【0036】
図9図11に本発明の第4実施形態を示す。第1実施形態と共通の構造については対応する符号を付して詳細な説明を省略する。第1実施形態との違いは、バックフレームの構造が異なる点である。図9に示すように、バックフレーム31Cは、シート幅方向の両側部において上下方向に延びるサイドフレーム31Caと、アッパフレーム31Cbと、ロアフレーム31Ccと、を有する。サイドフレーム31Caは、所定の閉断面を横断面形状として有するアルミニウム合金の押出し材をベースに作られており、上下方向の中央部付近で前方に向って凸形状となるように折り曲げられて形成されている。アッパフレーム31Cbは、繊維強化複合樹脂製の下方に向って開口した横断面が略逆U字状の部材である。アッパフレーム31Cbは、左右のサイドフレーム31Caの上端部に上方から被せつけられた状態でリベットにより連結されている。ロアフレーム31Ccも繊維強化複合樹脂製の部材で、前面視で略U字状をしている。ロアフレーム31Ccは、左右のサイドフレーム31Caの下端部に後方から被せつけられた状態でリベットにより連結されている。
【0037】
図10及び図11に示すように、左側のサイドフレーム31Caの下端部は前後方向に拡開された拡開部31Ca1として形成され、拡開部31Ca1の内側には側面視で略逆U字状に切り欠かれた切欠き部31Ca2が設けられている。サイドフレーム31Caの拡開部31Ca1には、リクライナ50の左側面に当接する主面部31Ca3と、主面部31Ca3の前端部から前左方に向かって湾曲して延びる前面部31Ca4と、主面部31Ca3の後端部から後左方に向かって延びる後面部31Ca5と、が形成されている。主面部31Ca3には、リクライナ50の6つのダボ52aが遊嵌する6つのダボ孔31a111と、リクライナ50の回動軸50Aを通す貫通孔31a112が設けられている。挟持板70Cの本体部71Cは、リクライナ50の6つのダボ52aを6つのダボ孔31a111に遊嵌させたとき、その右面が主面部31Ca3の左面に当接するように形成されている。また、本体部71Cの前端部には、本体部71Cの右面を主面部31Ca3の左面に当接させたとき、前面部31Ca4の後面にその前面が当接する前当て壁部72Cが設けられている。さらに、本体部71Cの後端部には、本体部71Cの右面を主面部31Ca3の左面に当接させたとき、後面部31Ca5の前面にその後面が当接する後当て壁部73Cが設けられている。ここで、前面部31Ca4と後面部31Ca5が、特許請求の範囲の「立壁部」に相当する。また、前当て壁部72Cと後当て壁部73Cが、特許請求の範囲の「当て壁部」に相当する。さらに、拡開部31Ca1が、特許請求の範囲の「下部側」に相当する。
【0038】
以上のように構成される第4実施形態は、実質的に第1実施形態と同様な作用効果を奏する。加えて、サイドフレーム31Caはその横断面が閉断面形状であって、その下端部を一部切り欠いて前面部31Ca4及び後面部31Ca5を形成している。これによって、前面部31Ca4及び後面部31Ca5の上下方向の長さは短く上端部側で互いに連結されているので、サイドフレーム31Caから印加されるねじりモーメントに対する強度をさらに高めることができる。
【0039】
以上、特定の実施形態について説明したが、本発明は、それらの外観、構成に限定されず、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の変更、追加、削除が可能である。例えば、次のようなものが挙げられる。
【0040】
1.上記実施形態においては、バックフレーム31、31Cの材料としてアルミニウム合金を用いたがこれに限らず、マグネシウム合金等他の軽合金を用いてもよい。また、強化材にカーボンファイバー織物やガラス繊維の織物を用い、マトリクス樹脂にエポキシ樹脂やフェノール樹脂や不飽和ポリエステル樹脂のような熱硬化樹脂を用いた繊維強化複合樹脂を用いてもよい。さらには、カーボンファイバーやガラス繊維等の強化材をポリプロピレンやポリアミド等の熱可塑性樹脂と複合化したスタンパブルシートを加熱して冷間プレス成形してもよい。
【0041】
2.上記実施形態では、前当て壁部72aと前フランジ部31a2との間、後当て壁部73aと後フランジ部31a3との間、上当て壁部74aと上切起し部31a115との間、下当て壁部75aと下切起し部31a116との間に、接着剤を介して当接させた。しかし、これに限らず、前当て壁部72aと前フランジ部31a2、後当て壁部73aと後フランジ部31a3、上当て壁部74aと上切起し部31a115、下当て壁部75aと下切起し部31a116をリベットやボルトナット等の機械的結合手段で連結してもよい。
【0042】
3.上記実施形態では、本発明を自動車のシートに適用したが、飛行機、船、電車等の乗物に搭載のシートに適用しても良い。
【符号の説明】
【0043】
1 自動車用シート(乗物用シート)
21 クッションフレーム
31 バックフレーム
31a11 下側部(下部側)
31a111 ダボ孔(遊嵌貫通孔)
31a113 前切起し部(立壁部)
31a114 後切起し部(立壁部)
31a115 上切起し部(立壁部)
31a116 下切起し部(立壁部)
31a2 前フランジ部(立壁部)
31a3 後フランジ部(立壁部)
31C バックフレーム
31Ca1 拡開部(下部側)
31Ca4 前面部(立壁部)
31Ca5 後面部(立壁部)
50 リクライナ
50A 回動軸
52a ダボ(突起部)
70 挟持板
70A 挟持板
70B 挟持板
70C 挟持板
71b バーリング部
72a 前当て壁部(当て壁部)
72Aa 前当て壁部(当て壁部)
72C 前当て壁部(当て壁部)
73a 後当て壁部(当て壁部)
73Aa 後当て壁部(当て壁部)
73C 後当て壁部(当て壁部)
74a 上当て壁部(当て壁部)
75a 下当て壁部(当て壁部)
F フロア


図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11