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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-203211(P2018-203211A)
(43)【公開日】2018年12月27日
(54)【発明の名称】シートベルト巻取制御装置
(51)【国際特許分類】
   B60R 22/48 20060101AFI20181130BHJP
   B60R 21/0132 20060101ALI20181130BHJP
【FI】
   B60R22/48 102
   B60R21/0132
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2017-114504(P2017-114504)
(22)【出願日】2017年6月9日
(71)【出願人】
【識別番号】000003551
【氏名又は名称】株式会社東海理化電機製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳
(74)【代理人】
【識別番号】100099025
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 浩志
(72)【発明者】
【氏名】馬越 智也
(72)【発明者】
【氏名】永田 裕也
(72)【発明者】
【氏名】尾崎 隆宏
(72)【発明者】
【氏名】斎藤 拓宏
【テーマコード(参考)】
3D018
【Fターム(参考)】
3D018PA01
3D018PA02
(57)【要約】
【課題】車両状況に合わせた適切な巻取荷重でウェビングを巻き取ることが可能なシートベルト巻取制御装置を提供することを目的とする。
【解決手段】ウェビングの巻き取りを駆動するモータ52と、車両姿勢を制御する姿勢制御部による制御をオンオフするVSCカットオフスイッチ54によって姿勢制御部による制御がオフされている場合は、モータ54による巻取荷重を予め定めた低荷重に設定し、VSCカットオフスイッチ54によって姿勢制御部による制御がオンされている場合は、巻取荷重を予め定めた低荷重に設定する制御装置50と、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウェビングの巻き取りを駆動する駆動部と、
車両姿勢を制御する姿勢制御部によって車両姿勢が制御されている場合は、前記駆動部による巻取荷重を予め定めた第1荷重に設定し、前記姿勢制御部によって車両姿勢が制御されていない場合は、前記巻取荷重を前記第1荷重より大きい第2荷重に設定する設定部と、
を備えたシートベルト巻取制御装置。
【請求項2】
ウェビングの巻き取りを駆動する駆動部と、
車両姿勢を制御する姿勢制御部による制御を行うか否かを切り替えるスイッチ部の切り替え状態が前記姿勢制御部による制御が行われている状態の場合は、前記駆動部による巻取荷重を予め定めた第1荷重に設定し、前記スイッチ部の切り替え状態が前記姿勢制御部による制御が行われていない状態の場合は、前記巻取荷重を前記第1荷重より大きい第2荷重に設定する設定部と、
を備えたシートベルト巻取制御装置。
【請求項3】
前記設定部は、車両の衝突を予測する衝突予測部によって衝突が予測された場合に、設定した巻取荷重でウェビングを巻き取る巻取制御を更に行う請求項1又は請求項2に記載のシートベルト巻取制御装置。
【請求項4】
前記設定部は、車両の横滑りを検出する横滑り検出部によって車両の横滑りが検出された場合に、前記巻取荷重の設定を行う請求項1〜3の何れか1項に記載のシートベルト巻取制御装置。
【請求項5】
前記第1荷重は、巻取荷重が前記第2荷重より緩やかに立ち上がる請求項1〜4の何れか1項に記載のシートベルト巻取制御装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モータ等の駆動部を駆動してウェビングの巻取りを制御するシートベルト巻取制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
モータ等の駆動部によりウェビングを巻き取るシートベルト巻取装置として、例えば、特許文献1に記載の技術が提案されている。
【0003】
特許文献1では、ベルトを巻回するベルトリールと、ベルトリールを回転駆動するモータと、モータへの通電量を制御する制御装置と、ベルトリールの回転位置を検知する回転位置検知部とを備えたシートベルト装置が提案されている。詳細には、特許文献1では、制御装置が、所定の車両走行状態のときにモータへ所定の定電流に係る通電量を与える手段と、所定の定電流に係る通電量が与えられている最中に、回転位置検知部により検知した回転位置に基づきベルトリールが所定の回転位置に達したと判断されたとき、当該所定の回転位置を保持する通電量を与える手段とを備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−6747号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1では、所定の走行状態のときにベルトを巻き取って乗員を拘束することができる。しかしながら、車両姿勢等を制御する車両安定化システムなどが車両に搭載されている場合、車両を安定化させる制御の実行の有無により、乗員に発生する横加速度等が異なるが、特許文献1では、制御の有無を考慮していないため改善の余地がある。
【0006】
本発明は、上記事実を考慮して成されたもので、車両状況に合わせた適切な巻取荷重でウェビングを巻き取ることが可能なシートベルト巻取制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために第1の態様は、ウェビングの巻き取りを駆動する駆動部と、車両姿勢を制御する姿勢制御部によって車両姿勢が制御されている場合は、前記駆動部による巻取荷重を予め定めた第1荷重に設定し、前記姿勢制御部によって車両姿勢が制御されていない場合は、前記巻取荷重を前記第1荷重より大きい第2荷重に設定する設定部と、を備える。
【0008】
第1の態様によれば、駆動部を駆動することによってウェビングが巻き取られる。
【0009】
設定部は、車両姿勢を制御する姿勢制御部によって車両姿勢が制御されている場合は、駆動部による巻取荷重を予め定めた第1荷重に設定する。一方、姿勢制御部によって車両姿勢が制御されていない場合は、巻取荷重を第1荷重より大きい第2荷重に設定する。
【0010】
これにより、車両姿勢の制御が行われている場合は、第1荷重でウェビングが巻き取られ、車両姿勢の制御が行われていない場合は、第1荷重より高い第2荷重でウェビングが巻き取られるので、車両状況に合わせた適切な巻取荷重でウェビングを巻き取ることができる。
【0011】
また、第2の態様は、ウェビングの巻き取りを駆動する駆動部と、車両姿勢を制御する姿勢制御部による制御を行うか否かを切り替えるスイッチ部の切り替え状態が前記姿勢制御部による制御が行われている状態の場合は、前記駆動部による巻取荷重を予め定めた第1荷重に設定し、前記スイッチ部の切り替え状態が前記姿勢制御部による制御が行われていない状態の場合は、前記巻取荷重を前記第1荷重より大きい第2荷重に設定する設定部と、を備える。
【0012】
第2の態様によれば、駆動部を駆動することによってウェビングが巻き取られる。
【0013】
設定部は、車両姿勢を制御する姿勢制御部による制御を行うか否かを切り替えるスイッチ部の切り替え状態が姿勢制御部による制御が行われている状態の場合は、駆動部による巻取荷重を予め定めた第1荷重に設定する。一方、スイッチ部の切り替え状態が姿勢制御部による制御が行われていない状態の場合は、巻取荷重を第1荷重より大きい第2荷重に設定する。
【0014】
これにより、車両姿勢の制御が行われる場合は、第1荷重でウェビングが巻き取られ、車両姿勢の制御が行われない場合は、第1荷重より高い第2荷重でウェビングが巻き取られるので、車両状況に合わせた適切な巻取荷重でウェビングを巻き取ることができる。
【0015】
なお、設定部は、車両の衝突を予測する衝突予測部によって衝突が予測された場合に、設定した巻取荷重でウェビングを巻き取る巻取制御を更に行ってもよい。
【0016】
また、設定部は、車両の横滑りを検出する横滑り検出部によって車両の横滑りが検出された場合に、巻取荷重の設定を行ってもよい。
【0017】
さらに、第1荷重は、巻取荷重が第2荷重より緩やかに立ち上がる荷重としてもよい。
【発明の効果】
【0018】
以上説明したように本発明によれば、車両状況に合わせた適切な巻取荷重でウェビングを巻き取ることが可能なシートベルト巻取制御装置を提供できる、という効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本実施形態に係るシートベルト巻取制御装置の制御対象となるシートベルト装置の概略構成を示す正面図である。
図2】第1実施形態に係るシートベルト巻取制御装置の構成を示すブロック図である。
図3】(A)はウェビングの巻取荷重の一例を示す図であり、(B)は高荷重よりも低荷重の場合の荷重の立ち上がりを緩やかにした例を示す図である。
図4】第1実施形態に係るシートベルト巻取制御装置の制御装置で行われる処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図5】第2実施形態に係るシートベルト巻取制御装置の構成を示すブロック図である。
図6】第2実施形態に係るシートベルト巻取制御装置の制御装置で行われる処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図7】変形例のシートベルト巻取制御装置の構成を示すブロック図である。
図8】変形例のシートベルト巻取制御装置の制御装置で行われる処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態の一例を詳細に説明する。図1は、本実施形態に係るシートベルト巻取制御装置の制御対象となるシートベルト装置の概略構成を示す正面図である。なお、図1において、車幅方向外方(車両右方)を矢印OUTで示し、上方を矢印UPで示す。
【0021】
図1に示すように、シートベルト装置10は、車両のシート12に装備されており、シート12の前方、右方及び上方は、それぞれ車両の前方、右方及び上方に向けられている。シート12の下部には、シートクッション12Aが設けられると共に、シート12の後部には、シートバック12Bが設けられており、シート12には、車両の乗員14が着座可能となっている。
【0022】
また、シートベルト装置10は、可撓性を有する長尺帯状のウェビング16(ベルト)を備えている。
【0023】
ウェビング16は、長手方向基端側から、巻取装置18に巻取られて格納されており、巻取装置18は、シート12の車幅方向外側部かつ下部における車体(シート12でもよい)に固定されると共に、ウェビング16が車両前側へ引出されている。
【0024】
巻取装置18には、図示しないロック機構が設けられており、衝突時(巻取装置18からのウェビング16の急激な引出し時及び車両の急減速時)等の車両の緊急時には、ロック機構が作動されて巻取装置18からのウェビング16の引出しをロックする。また、巻取装置18には、駆動部の一例としてのモータ52(図2参照)が設けられており、モータ52の駆動によってスプール18Aへのウェビング16の巻取りが可能とされている。
【0025】
シート12の車幅方向外側部かつ上部の車両後側における車体(シート12でもよい)には、ショルダアンカ20が固定されており、ショルダアンカ20には、長尺矩形状の挿通孔が貫通形成されている。
【0026】
ショルダアンカ20の挿通孔には、ウェビング16が挿通しており、ウェビング16は、ショルダアンカ20の挿通孔で折返された状態で支持されている。
【0027】
また、ウェビング16の長手方向先端は、アンカ22に支持されており、アンカ22は、シート12後部の車幅方向外側かつ下側の車体(シート12でもよい)に固定されている。
【0028】
ウェビング16のショルダアンカ20とアンカ22との間の部分には、タング24が設けられている。タング24には、長尺矩形状の挿通孔が貫通形成されており、挿通孔には、ウェビング16が長手方向へ移動可能に挿通されている。
【0029】
また、シート12後部の車幅方向内側かつ下側の車体(シート12でもよい)には、バックル26が固定されている。タング24はバックル26に対し着脱可能とされており、巻取装置18からウェビング16が引出されると共に、タング24がバックル26に装着されることで、シート12に着座した乗員14にウェビング16が前側から装着される。
【0030】
これにより、ウェビング16がタング24の挿通孔で折返された状態で支持されることで、ウェビング16のショルダアンカ20とタング24との間の部分(タング24一側方の部分)が、ショルダウェビング16A(ショルダベルト)とされて、乗員14の肩部及び胸部等に斜め方向へ装着される。
【0031】
また、ウェビング16のタング24とアンカ22との間の部分(タング24他側方の部分)が、ラップウェビング16B(ラップベルト)とされて、乗員14の腰部に横方向へ装着される。
【0032】
なお、ラップウェビング16Bには、ラップウェビング16Bの両面から突出するタングストッパ28が取付けられており、タングストッパ28によって、ウェビング16の長手方向先端側へのタング24の移動が制限されている。
【0033】
(第1実施形態)
次に、第1実施形態に係るシートベルト巻取制御装置の構成について説明する。図2は、第1実施形態に係るシートベルト巻取制御装置の構成を示すブロック図である。
【0034】
シートベルト巻取制御装置30は、ウェビング16の巻取りを行なうモータ52の駆動を制御する設定部の一例としての制御装置50を備えている。
【0035】
制御装置50は、CPU50A、ROM50B、RAM50C、及びI/O(入出力インターフェース)50Dがバス50Eに接続されたコンピュータで構成されている。
【0036】
ROM50Bには、シートベルト装置10のウェビング16の巻取りを制御するためのプログラムが記憶されている。ROM50Bに記憶されたプログラムをRAM50Cに展開してCPU50Aが実行することにより、ウェビング16の巻取制御が行なわれる。
【0037】
I/O50Dには、モータ52が接続されていると共に、衝突予測部40、及びVSC(Vehicle Stability Control)カットオフスイッチ54が接続されている。
【0038】
モータ52は、上述したようにウェビング16のスプール18Aへの巻取りを行なう。具体的には、ウェビング16が巻き取られるスプール18Aを回転駆動することにより、ウェビング16をスプール18Aに巻き取る。
【0039】
衝突予測部40は、周知の技術により車両の衝突を予測して予測結果を制御装置50に出力する。衝突予測部40は、例えば、各種レーダやセンサ、カメラ等の撮影画像を用いて、車両周辺を監視し、車両への衝突や障害物等への衝突を予測する。
【0040】
VSCカットオフスイッチ54は、姿勢制御部としてのVSC制御部の作動のオンオフを行うためのスイッチである。VSCカットオフスイッチ54をオンすることにより、VSC制御部による制御がキャンセルされ、オフすることにより、VSC制御部による制御が行われる。本実施形態では、VSCカットオフスイッチ54の状態が制御装置50に入力される。
【0041】
ここで、本実施形態に係るシートベルト巻取制御装置30の制御装置50で行われるウェビング16の巻取制御について説明する。
【0042】
本実施形態に係るシートベルト巻取制御装置30は、衝突予測部40によって車両の衝突が予測された場合に、衝突前にモータ52を駆動してウェビング16を巻き取ることにより、乗員を拘束する、所謂PSB(プリクラッシュシートベルト)制御を行う。
【0043】
また、本実施形態では、PSB制御によってモータ52を駆動する際に、ウェビング16の巻取荷重を変更する制御を行う。具体的には、制御装置50は、VSCカットオフスイッチ54の状態を取得して、VSCカットオフスイッチ54の状態に応じて、ウェビング16の巻取り荷重を変更する制御を行う。本実施形態では、モータ52への通電量を変更することにより、ウェビング16の巻取荷重を変更する。本実施形態では、図3(A)に示すように、ウェビング16を巻き取る荷重が第2荷重として予め定めた高荷重と、第1荷重として予め定めた低荷重とに変更可能とされている。
【0044】
VSCカットオフスイッチ54がオフされている場合には、VSC制御部の制御により、車両が安定化される。一方、VSCカットオフスイッチ54がオンされている場合には、VSC制御部の制御が行われないため、車両が安定しない。そのため、VSCカットオフスイッチ54のオンオフにより、車両に発生する横加速度が異なり、シートベルトの拘束に必要な荷重も異なる。そこで、本実施形態では、VSCカットオフスイッチ54がオフされている場合には、ウェビング16の巻取荷重を低荷重に設定し、VSCカットオフスイッチ54がオンされている場合には、ウェビング16の巻取荷重を高荷重に設定する。
【0045】
なお、高荷重の場合と、低荷重の場合とで、異なる荷重の立ち上がりとして、図3(B)に示すように、高荷重よりも低荷重の場合の荷重の立ち上がりを緩やかにしてもよい。これにより、乗員を驚かせることなく、かつ乗員の動きの阻害を抑制できる。
【0046】
続いて、上述のように構成された本実施形態に係るシートベルト巻取制御装置30の制御装置50で行われる具多的な処理について説明する。図4は、本実施形態に係るシートベルト巻取制御装置30の制御装置50で行われる処理の流れの一例を示すフローチャートである。なお、図4の処理は、図示しないイグニッションスイッチがオンされてシートベルトの装着(タング24のバックル26への挿入)が検出された場合に開始する。
【0047】
ステップ100では、CPU50Aが、VSCカットオフスイッチ54の状態を検出してステップ102へ移行する。
【0048】
ステップ102では、CPU50Aが、VSCカットオフスイッチ54がオフであるか否かを判定し、該判定が肯定された場合にはステップ104へ移行し、否定された場合にはステップ106へ移行する。
【0049】
ステップ104では、CPU50Aが、モータ52の巻取荷重を低荷重に設定してステップ108へ移行する。これにより、衝突予測部40によって衝突が予測されて、ウェビング16を巻き取る際に低荷重でウェビング16の巻取りが行われる。
【0050】
一方、ステップ106では、CPU50Aが、モータ52の巻取荷重を高荷重に設定してステップ108へ移行する。これにより、衝突予測部40によって衝突が予測されて、ウェビング16を巻き取る際に高荷重でウェビング16の巻取りが行われる。
【0051】
ステップ108では、CPU50Aが、衝突予測部40によって衝突が予測されたか否かを判定し、該判定が否定された場合にはステップ100に戻って上述の処理を繰り返し、判定が肯定された場合にはステップ110へ移行する。
【0052】
ステップ110では、CPU50Aが、ステップ104またはステップ106で設定された荷重でモータ52を駆動して一連の処理を終了する。すなわち、VSCカットオフスイッチ54がオフされている場合には低荷重でウェビング16が巻き取られ、VSCカットオフスイッチ54がオンされている場合には高荷重でウェビング16が巻き取られる。
【0053】
このように、VSCカットオフスイッチ54の状態に応じて、ウェビング16の巻取荷重を変更することにより、複雑なセンサを用いることなく、乗員を適切に拘束することができる。
【0054】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態に係るシートベルト巻取制御装置の構成について説明する。図5は、第2実施形態に係るシートベルト巻取制御装置の構成を示すブロック図である。
【0055】
第1実施形態では、VSCカットオフスイッチ54の状態に応じて、ウェビング16の巻取荷重の設定を変更したが、本実施形態に係るシートベルト巻取制御装置31では、VSC制御部56の制御の実行の有無に応じて、巻取荷重を変更するようにしたものである。
【0056】
すなわち、本実施形態に係るシートベルト巻取制御装置31は、図5に示すように、第1実施形態に対して、VSCカットオフスイッチ54の代わりに、姿勢制御部としてのVSC制御部56が制御装置50に接続されている点が異なる。その他の構成については同一であるため、詳細な説明は省略する。
【0057】
VSC制御部56は、制御装置50からの取得要求等に応じて、車両を安定化させるVSC制御の実行の有無を制御装置50に通知するようになっている。或いは、VSC制御部56は、VSC制御を実行しているときに制御信号を出力し、VSC制御を実行していないときは制御信号を出力しない形態としてもよい。
【0058】
そして、制御装置50は、VSC制御部56からのVSC制御の実行の有無に応じて、ウェビング16の巻取荷重の設定を変更する。具体的には、VSC制御が実行されている場合には、巻取荷重を低荷重に設定し、VSC制御が実行されていない場合には、巻取荷重を高荷重に設定する。
【0059】
続いて、本実施形態に係るシートベルト巻取制御装置31の制御装置50で行われる具多的な処理について説明する。図6は、本実施形態に係るシートベルト巻取制御装置31の制御装置50で行われる処理の流れの一例を示すフローチャートである。なお、図6の処理は、図示しないイグニッションスイッチがオンされてシートベルトの装着(タング24のバックル26への挿入)が検出された場合に開始する。また、図4の処理と同一処理については同一符号を付して説明する。
【0060】
ステップ101では、CPU50Aが、VSC制御部56からVSC制御信号を取得してステップ103へ移行する。
【0061】
ステップ103では、CPU50Aが、VSC制御部56によってVSC制御状態であるか否かを判定し、該判定が肯定された場合にはステップ104へ移行し、否定された場合にはステップ106へ移行する。
【0062】
ステップ104では、CPU50Aが、モータ52の巻取荷重を低荷重に設定してステップ108へ移行する。これにより、衝突予測部40によって衝突が予測されて、ウェビング16を巻き取る際に高荷重でウェビング16の巻取りが行われる。
【0063】
一方、ステップ106では、CPU50Aが、モータ52の巻取荷重を高荷重に設定してステップ108へ移行する。これにより、衝突予測部40によって衝突が予測されて、ウェビング16を巻き取る際に低荷重でウェビング16の巻取りが行われる。
【0064】
ステップ108では、CPU50Aが、衝突予測部40によって衝突が予測されたか否かを判定し、該判定が否定された場合にはステップ101に戻って上述の処理を繰り返し、判定が肯定された場合にはステップ110へ移行する。
【0065】
ステップ110では、CPU50Aが、ステップ104またはステップ106で設定された荷重でモータ52を駆動して一連の処理を終了する。すなわち、VSC制御部56によってVSC制御が実行されている場合には低荷重でウェビング16が巻き取られ、VSC制御部56によってVSC制御が実行されていない場合には高荷重でウェビング16が巻き取られる。
【0066】
このように、VSC制御部56による制御状態を直接検出して、制御状態に応じてウェビング16の巻取荷重を変更しても、複雑なセンサを用いることなく、乗員を適切に拘束することができる。
【0067】
なお、上記の実施形態における制御装置50で行う処理は、車両の横滑りが発生した場合に行うようにしてもよい。図7は、変形例のシートベルト巻取制御装置32の構成を示すブロック図である。すなわち、図7に示す変形例のシートベルト巻取制御装置32では、第1実施形態に対して横滑り検出部60が制御装置50に更に接続されている。横滑り検出部60は、車両の横滑りを検出し、検出結果を制御装置50に出力する。例えば、横滑り検出部60は、舵角センサ、車速センサ、及びヨーレートセンサから信号を取得して横滑りを検出する。横滑りの検出方法としては、例えば、舵角センサ及び車速センサから推定される運転者のステアリングが意図する旋回速度と、ヨーレートセンサが検出する実際の旋回速度に差異がある場合に、横滑りの発生と判断する。そして、制御装置50が、横滑り検出部60が横滑りを検出したことをトリガとして、ウェビング16の巻取荷重の設定を行う。すなわち、横滑りが発生した場合に、VSCカットオフスイッチ54の状態に応じて、ウェビング16の巻取荷重を高荷重、または低荷重に設定する。この場合の処理は、例えば、図8に示すように、図4の処理に対して、ステップ99の処理を追加すればよい。すなわち、ステップ99では、CPU50Aが、横滑り検出部60の検出結果から横滑りを検出したか否か判定する。該判定が肯定されるまで待機して肯定されたところでステップ100へ移行する。なお、第2実施形態に係るシートベルト巻取制御装置31に対して、図7と同様に、制御装置50に横滑り検出部60を更に接続する構成としてもよい。
【0068】
また、上記の実施形態における制御装置50で行われる処理は、ソフトウエアの処理として説明したが、これに限るものではない。例えば、ハードウエアで行う処理としてもよいし、ハードウエアとソフトウエアの双方を組み合わせた処理としてもよい。
【0069】
また、上記の実施形態における制御装置50で行われる処理は、プログラムとして記憶媒体に記憶して流通させるようにしてもよい。
【0070】
さらに、本発明は、上記に限定されるものでなく、上記以外にも、その主旨を逸脱しない範囲内において種々変形して実施可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0071】
10 シートベルト装置
16 ウェビング
30、31、32 シートベルト巻取制御装置
40 衝突予測部
50 制御装置
52 モータ
54 VSCカットオフスイッチ
56 VSC制御部
60 横滑り検出部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2018年9月10日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウェビングの巻き取りを駆動する駆動部と、
車両姿勢を制御する姿勢制御部によって車両姿勢制御状態である場合は、前記駆動部による巻取荷重を予め定めた第1荷重に設定し、前記姿勢制御部によって車両姿勢未制御状態である場合は、前記巻取荷重を前記第1荷重より大きい第2荷重に設定する設定部と、
を備えたシートベルト巻取制御装置。
【請求項2】
前記設定部は、車両の衝突を予測する衝突予測部によって衝突が予測された場合に、設定した巻取荷重でウェビングを巻き取る巻取制御を更に行う請求項1に記載のシートベルト巻取制御装置。
【請求項3】
前記設定部は、車両の横滑りを検出する横滑り検出部によって車両の横滑りが検出された場合に、前記巻取荷重の設定を行う請求項1又は請求項2に記載のシートベルト巻取制御装置。
【請求項4】
前記第1荷重は、巻取荷重が前記第2荷重より緩やかに立ち上がる請求項1〜3の何れか1項に記載のシートベルト巻取制御装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
上記目的を達成するために第1の態様は、ウェビングの巻き取りを駆動する駆動部と、車両姿勢を制御する姿勢制御部によって車両姿勢制御状態である場合は、前記駆動部による巻取荷重を予め定めた第1荷重に設定し、前記姿勢制御部によって車両姿勢未制御状態である場合は、前記巻取荷重を前記第1荷重より大きい第2荷重に設定する設定部とを備える。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
設定部は、車両姿勢を制御する姿勢制御部によって車両姿勢制御情報である場合は、駆動部による巻取荷重を予め定めた第1荷重に設定する。一方、姿勢制御部によって車両姿勢未制御状態である場合は、巻取荷重を第1荷重より大きい第2荷重に設定する。