特開2018-203283(P2018-203283A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特開2018-203283合成樹脂製ブロー成形容器、及び内容物入り容器の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-203283(P2018-203283A)
(43)【公開日】2018年12月27日
(54)【発明の名称】合成樹脂製ブロー成形容器、及び内容物入り容器の製造方法
(51)【国際特許分類】
   B65D 1/02 20060101AFI20181130BHJP
   B65D 77/06 20060101ALI20181130BHJP
   B29C 49/22 20060101ALI20181130BHJP
   B29C 49/04 20060101ALI20181130BHJP
【FI】
   B65D1/02 111
   B65D77/06 H
   B29C49/22
   B29C49/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-107571(P2017-107571)
(22)【出願日】2017年5月31日
(71)【出願人】
【識別番号】000006909
【氏名又は名称】株式会社吉野工業所
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100154003
【弁理士】
【氏名又は名称】片岡 憲一郎
(72)【発明者】
【氏名】宮入 圭介
(72)【発明者】
【氏名】津田 直毅
【テーマコード(参考)】
3E033
3E067
4F208
【Fターム(参考)】
3E033AA01
3E033BA13
3E033BB08
3E033CA20
3E033DA03
3E033DB10
3E033DC10
3E033DD20
3E033FA03
3E033GA02
3E067AA03
3E067AA04
3E067AB01
3E067AB28
3E067AC01
3E067BA02B
3E067BA02C
3E067BB14B
3E067BB14C
3E067CA04
3E067CA07
3E067CA15
3E067EB27
3E067FA04
3E067FC01
3E067GB05
3E067GD01
3E067GD02
3E067GD06
4F208AG03
4F208AG07
4F208AH55
4F208LA01
4F208LA09
4F208LB01
4F208LG04
4F208LG06
4F208LG22
4F208LJ09
4F208LW02
4F208LW15
4F208LW23
4F208LW31
4F208LW50
(57)【要約】
【課題】内容物の充填後の液体噴射時に、液体が容器の内部に浸入することを防止可能な合成樹脂製ブロー成形容器、及び内容物入り容器の製造方法を提供する。
【解決手段】外層体2と内層体3とを備える合成樹脂製ブロー成形容器1であって、一方側の端部が筒状の口部10に連なるとともに他方側の端部が閉塞している胴部11と、胴部11の他方側の端部に位置するピンチオフ部とを有し、ピンチオフ部には、破断予定部13によって区画形成された除去片12が設けられており、除去片12を破断予定部13に沿って切り離すことにより、外層体2と内層体3の間に外気を導入可能な外気導入孔が形成されるよう構成され、除去片12には、除去片12の一方側の側面から他方側の側面に向かって食い込ませた食い込み部14が少なくとも1つ形成されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器の外殻を形成する外層体と、該外層体の内側に設けられた内層体とを備える合成樹脂製ブロー成形容器であって、
一方側の端部が筒状の口部に連なるとともに他方側の端部が閉塞している胴部と、該胴部の前記他方側の端部に位置するピンチオフ部とを有し、
前記ピンチオフ部には、破断予定部によって区画形成された除去片が設けられており、
前記除去片を前記破断予定部に沿って切り離すことにより、前記外層体と前記内層体の間に外気を導入可能な外気導入孔が形成されるように構成され、
前記除去片には、該除去片の一方側の側面から他方側の側面に向かって食い込ませた食い込み部が少なくとも1つ形成されていることを特徴とする合成樹脂製ブロー成形容器。
【請求項2】
前記除去片には、相互に食い込み方向が対向する複数の前記食い込み部が形成されている、請求項1に記載の合成樹脂製ブロー成形容器。
【請求項3】
複数の前記食い込み部は、隣接する2つの前記食い込み部の食い込み方向が相互に対向するように配置されている、請求項2に記載の合成樹脂製ブロー成形容器。
【請求項4】
複数の前記食い込み部は、前記除去片における前記破断予定部とは逆側の縁部に沿って千鳥状に配置されている、請求項2または3に記載の合成樹脂製ブロー成形容器。
【請求項5】
前記破断予定部が、前記除去片よりも薄肉に形成された薄肉部で構成されている、請求項1〜4の何れか一項に記載の合成樹脂製ブロー成形容器。
【請求項6】
請求項1〜5の何れか一項に記載の合成樹脂製ブロー成形容器を用いた内容物入り容器の製造方法であって、
前記外層体を形成する合成樹脂と前記内層体を形成する合成樹脂とを積層した筒状のパリソンを用いてブロー成形するブロー成形工程と、
前記ブロー成形工程により形成された前記合成樹脂製ブロー成形容器の前記収容空間に内容物を充填する充填工程と、
前記充填工程後に、液体を前記合成樹脂製ブロー成形容器に噴射する液体噴射工程と、
前記液体噴射工程後に、前記除去片を切り離して前記外気導入孔を形成する外気導入孔形成工程と、を含む、内容物入り容器の製造方法。
【請求項7】
前記液体噴射工程が、冷却用の液体を前記合成樹脂製ブロー成形容器に噴射する冷却工程を含む、請求項6に記載の内容物入り容器の製造方法。
【請求項8】
前記液体噴射工程が、殺菌用の液体を前記合成樹脂製ブロー成形容器に噴射する殺菌工程を含む、請求項6または7に記載の内容物入り容器の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器の外殻を形成する外層体と、該外層体の内側に収められた内層体とを備える合成樹脂製ブロー成形容器、及び内容物入り容器の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、口部及び胴部を有する容器の外殻を形成する外層体と、該外層体の内側に収められた内層体とを備え、外層体に、内層体との相互間に通じる開口(外気導入孔)を設けて、内層体の減容変形に伴い当該外気導入孔から外層体と内層体との間に外気を導入可能な合成樹脂製ブロー成形容器が知られている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
また、このような合成樹脂製ブロー成形容器は、合成樹脂製の外層体と、外層体に対して相溶性が低い合成樹脂にて形成される内層体とを積層して形成した筒状のパリソンを、押出ブロー成形することによって形成することができる。その場合、ブロー成形の割り金型による食い切りによって容器のピンチオフ部に形成される開口を、そのまま外気導入孔として用いることができる。すなわち、容器のピンチオフ部において外層体を割ることで内層体を外層体から剥離させ、スリット状の外気導入孔を設けることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−207860号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、例えば、醤油、醤油含有調味料、食酢、料理酒等の液体食品等の内容物を容器に充填して製品化する方法として、内容物を充填する充填工程と、該工程の後にシャワー水等の冷却用液体を用いて容器及び内容物を冷却する冷却工程とを含む場合がある。また、冷却工程の前に、高温のシャワー水等の殺菌用液体を噴射して容器を殺菌する殺菌工程を含むこともある。
【0006】
しかしながら、上記のような合成樹脂製ブロー成形容器について、容器に液体を噴射する冷却工程または殺菌工程等の液体噴射工程を行った場合には、液体が外気導入孔から容器の内部空間(外層体と内層体との間)に浸入してしまう虞があった。
【0007】
本発明は、前記の課題を解決するために開発されたもので、内容物の充填後の液体噴射時に、液体が容器の内部に浸入することを防止可能な合成樹脂製ブロー成形容器、及び内容物入り容器の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の合成樹脂製ブロー成形容器は、容器の外殻を形成する外層体と、該外層体の内側に設けられた内層体とを備える合成樹脂製ブロー成形容器であって、
一方側の端部が筒状の口部に連なるとともに他方側の端部が閉塞している胴部と、該胴部の前記他方側の端部に位置するピンチオフ部とを有し、
前記ピンチオフ部には、破断予定部によって区画形成された除去片が設けられており、
前記除去片を前記破断予定部に沿って切り離すことにより、前記外層体と前記内層体の間に外気を導入可能な外気導入孔が形成されるように構成され、
前記除去片には、該除去片の一方側の側面から他方側の側面に向かって食い込ませた食い込み部が少なくとも1つ形成されていることを特徴とする。
【0009】
なお、本発明の合成樹脂製ブロー成形容器にあっては、前記除去片には、相互に食い込み方向が対向する複数の前記食い込み部が形成されていることが好ましい。
【0010】
また、本発明の合成樹脂製ブロー成形容器にあっては、複数の前記食い込み部は、隣接する2つの前記食い込み部の食い込み方向が相互に対向するように配置されていることが好ましい。
【0011】
また、本発明の合成樹脂製ブロー成形容器にあっては、複数の前記食い込み部は、前記除去片における前記破断予定部とは逆側の縁部に沿って千鳥状に配置されていることが好ましい。
【0012】
また、本発明の合成樹脂製ブロー成形容器にあっては、前記破断予定部が、前記除去片よりも薄肉に形成された薄肉部で構成されていることが好ましい。
【0013】
また、上記の何れかの合成樹脂製ブロー成形容器を用いた本発明の内容物入り容器の製造方法は、
前記外層体を形成する合成樹脂と前記内層体を形成する合成樹脂とを積層した筒状のパリソンを用いてブロー成形するブロー成形工程と、
前記ブロー成形工程により形成された前記合成樹脂製ブロー成形容器の前記収容空間に内容物を充填する充填工程と、
前記充填工程後に、液体を前記合成樹脂製ブロー成形容器に噴射する液体噴射工程と、
前記液体噴射工程後に、前記除去片を切り離して前記外気導入孔を形成する外気導入孔形成工程と、を含む。
【0014】
また、本発明の内容物入り容器の製造方法にあっては、前記液体噴射工程が、冷却用の液体を前記合成樹脂製ブロー成形容器に噴射する冷却工程を含むことが好ましい。
【0015】
また、本発明の内容物入り容器の製造方法にあっては、前記液体噴射工程が、殺菌用の液体を前記合成樹脂製ブロー成形容器に噴射する殺菌工程を含むことが好ましい。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、除去片を切り離す前に内容物の充填及び液体噴射工程を行うことで、外気導入孔が形成される前の状態で当該液体噴射工程を終えることができるので、シャワー水等の液体が容器の内部に浸入することを防止できる。
【0017】
したがって、本発明によれば、内容物の充填後の液体噴射時に、液体が容器の内部に浸入することを防止可能な合成樹脂製ブロー成形容器、及び内容物入り容器の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の一実施形態に係る合成樹脂製ブロー成形容器を一部断面で示す正面図である。
図2図1の合成樹脂製ブロー成形容器の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照して、本発明をより具体的に例示説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る合成樹脂製ブロー成形容器1(以下、「容器1」と称する)の正面図であり、図2は、容器1の側面図である。なお、本明細書において、上下方向とは、容器1の中心軸線Cに平行な方向であり、口部10が位置する側を上方(例えば、図1の上方)、除去片12が位置する側を下方(例えば、図1の下方)とする。
【0020】
容器1は、容器1の外殻を形成する合成樹脂製の外層体2と、外層体2の内側において外層体2に対して相溶性が低い合成樹脂にて形成される減容変形自在な内層体3とを積層させたものである。内層体3は、その内側が、内容物(図示省略)を収容するための収容空間Sとなっており、また、外層体2から剥離可能に積層配置されている。外層体2と内層体3の間には、これら外層体2及び内層体3を互いに部分的に接合する接着帯を設けてもよい。接着帯は、例えば、除去片12の外端部付近から口部10に向けて、中心軸線Cに対して平行に延在する縦帯状とすることができるが、これに限定されない。
【0021】
容器1は、筒状の口部10と、口部10に連なる胴部11と、胴部11の端部(口部10とは逆側の端部)に位置するピンチオフ部に設けられた除去片12と、を有する。本実施形態において口部10は円筒状に形成され、その外周面には吐出キャップ等を装着可能な雄ねじ10aが設けられている。また、口部10の先端開口10bは、内容物の流出口となる。
【0022】
ここで、口部10に装着される吐出キャップは、例えば、口部10の外側に螺合する装着筒と、装着筒の上部を覆う隔壁と、隔壁から上方に立設し、先端開口が内容物の吐出口となる吐出筒と、吐出口を開閉可能に閉塞する蓋体とを備える構成とすることができる。また、この場合、収容空間Sと吐出口との間に、収容空間Sから吐出口へ向けた内容物の流出は許容しつつ、吐出口側から収容空間Sへの内容物及び空気の流入を阻止する逆止弁を設けることも可能である。なお、吐出キャップの装着筒は口部10に対してアンダーカット係合する構成とすることも可能である。
【0023】
胴部11は、一方側の端部が口部10に連なるとともに他方側の端部が閉塞している。また、本例において胴部11は、図1に示す幅Wが、図2に示す厚さTよりも大きい扁平形状となっており、中心軸線Cに垂直な断面が略楕円形となっている。また、胴部11は、断面形状が一定となる筒状の中央領域11aと、中央領域11aの一方側(口部10側)に連なる上側領域11bと、中央領域11aの他方側(除去片12側)に連なる下側領域11cとを有する。上側領域11bは、中央領域11aへの連結部分から口部10に向けて徐々に縮径しながら口部10に連結しており、図1に示す正面視での上側領域11bの輪郭線は、円弧を描くように湾曲している。下側領域11cは、中央領域11aへの連結部分から下方に向けて徐々に縮径しており、図1に示す正面視での下側領域11cの輪郭線は、半円を描くように湾曲し、閉塞している。容器1の胴部11は可撓性を有し、収容空間Sの内容物を外部に吐出する際に、胴部11を押圧して圧搾(スクイズ)することができるように構成されている。
【0024】
除去片12は、破断予定部13によって区画形成されている。本例において、除去片12は、破断予定部13を介して胴部11の下側領域11cに一体に連なる板状の突片である。また除去片12は、胴部11における口部10とは逆側の端部(下側領域11c側の端部)に位置するピンチオフ部に設けられている。本例において除去片12は、金型のパーティングラインPLに沿って直線状に延在している。なお、図2に示す容器1の側面図において、金型の分割面により形成される容器1のパーティングラインPLは、中心軸線Cに重なって示されている。
【0025】
破断予定部13は、除去片12よりも薄肉に形成された薄肉部で構成されており、破断し易くなっている。破断予定部13は、胴部11の下端部の輪郭線に沿って延在している。このような破断予定部13を設けたことで、胴部11の下端部の輪郭線に沿って除去片12を容易に切り離すことができる。そして、除去片12を切り離すことにより、当該除去片12を切り離した位置において、つまり破断予定部13が形成されていた部分において、外層体2を貫通するスリット状の開口(外気導入孔)が形成される。
【0026】
外気導入孔は、内層体3は貫通せずに外層体2のみを貫通する孔であり、当該外気導入孔を通して、容器1の外部の空気を、外層体2と内層体3との間の内部空間に導入することが可能である。このような構成とすることにより、内容物の吐出に伴って、外層体2と内層体3との間の内部空間に外気を導入することができ、その結果、内層体3のみを減容変形させることができる。なお、口部10に逆止弁付きの吐出キャップを設けた場合には、収容空間S内に外気が流入することを防止することができ、容器1の収容空間S内に残った内容物の劣化や変質を抑制することができる。
【0027】
ここで、除去片12には、一方側の側面から他方側の側面に向かって食い込ませた食い込み部14が少なくとも1つ形成されている。食い込み部14は、除去片12の厚さ方向が食い込み方向となる凹部である。
【0028】
本例の除去片12には、食い込み部14が5箇所に設けられ、除去片12の下側の縁部12a(除去片12における、破断予定部13とは逆側の縁部)に沿って、千鳥状に配置されている。また、複数の食い込み部14は、隣接する2つの食い込み部14の食い込み方向が相互に対向するように配置されている。なお、食い込み部14の形状、数、位置等は特に限定されず、適宜変更することができる。例えば、除去片12の下側の縁部12aに沿って、除去片12の幅全体にわたって延在する一直線状の食い込み部を形成してもよい。
【0029】
容器1は、外層体2を形成する合成樹脂と、外層体2に対して相溶性が低い内層体3の合成樹脂を積層して形成した筒状のパリソンを用いた押出ブロー成形(ブロー成形工程)によって得ることができる。また、本実施形態の容器1においては、外層体2をポリプロピレン樹脂(PP)とし、内層体3をエチレンビニルアルコール共重合樹脂(EVOH)とした層構成としている。なお、上記の層構成は一例であり、外層体2に対して内層体3が剥離可能であれば、外層体2、内層体3の材料は特に限定されるものではなく、それぞれ単層構造としてもよいし、例えば、内層体3を「EVOH/接着/オレフィン」や「ナイロン/接着/オレフィン」等の複数層からなる多層構造としてもよい。
【0030】
ここで、除去片12は、ブロー成形工程において、外層体2を形成する合成樹脂及び内層体3を形成する合成樹脂を積層した筒状のパリソンを、割り金型によって押し潰すとともに、その先端を食い切ることにより形成される。また、食い込み部14は、ブロー成形工程において、割り金型に設けた突出ピンを除去片12に押し込むことによって形成される。ここで、除去片12に食い込み部14を設けない場合には、外層体2に対して相溶性が低い材料からなる内層体3が、外層体2から剥離し易くなる。このため、食い込み部14を設けない場合には除去片12の先端側の縁部12aにおいて、外層体2と内層体3との間に隙間が生じ易く、当体隙間からシャワー水等の液体が容器1の内部空間(外層体2と内層体3の間の空間)に浸入する虞がある。
【0031】
そこで、本実施形態のように除去片12に食い込み部14を設けることで、除去片12における内層体3の剥離を抑制して、除去片12を通じたシャワー水等の液体の容器1の内部空間への浸入を防止することができる。
【0032】
ここで、外気導入孔形成工程において、除去片12を切り離す際には、除去片12を下方に引張りながら破断予定部13を切断することがこのましい。これにより、切断後に除去片12または破断予定部13が胴部11に残留して胴部11の下端部から突出するといった不具合を防止することができる。すなわち、除去片12を下方に引っ張ることにより除去片12及び破断予定部13が下方に弾性変形した状態で破断予定部13を切断すると、切断後の除去片12または破断予定部13の残留部分は、下方に弾性変形していた破断予定部13の復元力により、容器1の内側上方に戻ることとなる。これにより、胴部11に残留した除去片12または破断予定部13の一部が胴部11の下端から下方に突出して外観を損なうといった問題を解消することができる。
【0033】
なお、除去片12の切り離し方法は特に限定されず、例えば、切断用の工具等を用いて破断予定部13を切断してもよいし、除去片12を手で摘んで引き千切ってもよい。切断用の工具等を用いて破断予定部13を切断する場合は、トムソン刃等を使用した切断機等を選定できる。
【0034】
かかる容器1について充填工程及び液体噴射工程を適用するに際しては、まず、液体食品等の内容物を必要に応じて加熱し高温とした状態で内層体3の収容空間Sに充填(熱充填)し、蓋体を閉めた状態の吐出キャップを螺着する。そして、その後の液体噴射工程において、液体を容器1に噴射する。液体噴射工程は、例えば殺菌用の高温のシャワー水を噴射して容器1を殺菌する殺菌工程、及び冷却用の低温のシャワー水を噴射して容器1及びその内容物を冷却する冷却工程を含む。なお、液体噴射工程は、殺菌工程及び冷却工程の何れか一方のみでもよいし、両方を含んでもよい。液体噴射工程に殺菌工程が含まれる場合には、充填工程において内容物を熱充填する必要はない。このような液体噴射工程を行う際、容器1の除去片12を切り離していない状態では、外気導入孔が形成されていないため、従来のように外気導入孔から液体が容器1の内部に浸入することはない。
【0035】
また、上述の通り、除去片12に、外層体2と内層体3の剥離を防止する食い込み部14を形成したことにより、除去片12に、内部空間に連通する隙間が形成されることを防止することができる。これにより、液体噴射工程において液体が容器1の内部空間に浸入することをより確実に防止することができる。
【0036】
以上説明したように、容器1を用いた内容物入り容器の製造方法は、筒状のパリソンを用いてブロー成形するブロー成形工程と、ブロー成形工程により形成された容器1の収容空間Sに内容物を充填する充填工程と、充填工程後に、液体を容器1に噴射する液体噴射工程と、液体噴射工程後に、除去片12を切り離して外気導入孔を形成する外気導入孔形成工程と、を含む。
【0037】
なお、内容物入り容器から内容物を吐出する際には、吐出キャップの蓋体を開いた状態で容器1を傾倒或いは倒立姿勢にし、胴部11をスクイズすることにより、内容物をスムーズに吐出することができる。また、スクイズを解除すれば内層体3は減容変形したままで外層体2のみが復元し、これに伴い、外気導入孔を通して外層体2と内層体3の間の内部空間に外気が導入されることとなる。
【0038】
以上説明したように、本実施形態に係る合成樹脂製ブロー成形容器1は、胴部11から除去片12を切り離すことで外気導入孔が形成される構成とし、且つ、除去片12に食い込み部14を設けた構成としている。したがって、本実施形態に係る容器1によれば、除去片12を切り離して外気導入孔を形成する外気導入孔形成工程の前に液体噴射工程を終えることができるので、液体の容器1の内部への浸入を防止することができる。また、食い込み部14を設けたことで、除去片12を介した容器1の内部への液体の浸入も抑制することができる。また、液体噴射工程の後、外気導入孔形成工程において除去片12を切り離して外気導入孔を形成することで、内容物入り容器から内容物を吐出する際に、外層体2と内層体3との間の内部空間に外気を導入することが可能となる。
【0039】
なお、本実施形態では、除去片12の下側の縁部12aに沿って食い込み部14を配置することにより、液体噴射工程における容器1の内部空間への液体の浸入をより確実に防止することができる。すなわち、押出ブロー成形において割り金型によって食い切られる除去片12の下側の縁部12aの近傍は、外層体2から内層体3が剥離し易くなっている。このため、当該縁部12aに沿って食い込み部14を設けることで、外層体2から内層体3が剥離して隙間が形成されることを有効に防止して、液体の浸入をより確実に防止することができる。さらに、複数の食い込み部14を千鳥状に配置することにより、除去片12における外層体2と内層体3の剥離防止効果を高めることができる。
【0040】
また、本実施形態では、隣接する2つの食い込み部14の食い込み方向が相互に対向するように配置されている構成としたことにより、除去片12における外層体2と内層体3の剥離防止効果をさらに高めることができる。
【0041】
また、本例では、破断予定部13を薄肉部としたことにより、ブロー成形の際に、当該破断予定部13が除去片12よりも強く金型によって押し潰されることとなる。そのため、破断予定部13においては、外層体2と内層体3が強力に圧着されて剥がれ難くなり、液体の浸入をより確実に防止することができる。
【0042】
前述したところは本発明の一実施形態を示したにすぎず、特許請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。例えば、先の実施形態において胴部11は、断面が略楕円形となるような扁平形状となっているが、胴部11の形状は適宜変更が可能である。例えば、胴部11を円筒状または多角形筒状としてもよい。また、胴部11の下側領域11cは、下端に向けて縮径する形状に限らず、略一定の径とした筒状の胴部11の下端部を、中心軸線Cに対して略垂直に延在する底板で閉塞した有底筒状の構成としてもよい。
【符号の説明】
【0043】
1:合成樹脂製ブロー成形容器
2:外層体
3:内層体
10:口部
11:胴部
11a:中央領域
11b:上側領域
11c:下側領域
12:除去片
12a:縁部
13:破断予定部
14:食い込み部
C:中心軸線
S:収容空間
図1
図2