特開2018-203300(P2018-203300A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社吉野工業所の特許一覧
<>
  • 特開2018203300-混合容器 図000003
  • 特開2018203300-混合容器 図000004
  • 特開2018203300-混合容器 図000005
  • 特開2018203300-混合容器 図000006
  • 特開2018203300-混合容器 図000007
  • 特開2018203300-混合容器 図000008
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-203300(P2018-203300A)
(43)【公開日】2018年12月27日
(54)【発明の名称】混合容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 51/28 20060101AFI20181130BHJP
   B65D 81/32 20060101ALI20181130BHJP
   B65D 51/24 20060101ALI20181130BHJP
【FI】
   B65D51/28 100
   B65D81/32 T
   B65D51/24 200
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-108412(P2017-108412)
(22)【出願日】2017年5月31日
(71)【出願人】
【識別番号】000006909
【氏名又は名称】株式会社吉野工業所
(74)【代理人】
【識別番号】100156867
【弁理士】
【氏名又は名称】上村 欣浩
(72)【発明者】
【氏名】星野 真弥
【テーマコード(参考)】
3E013
3E084
【Fターム(参考)】
3E013AB02
3E013AB10
3E013AC01
3E013AD12
3E013AD17
3E013AE02
3E013AF02
3E013AF17
3E013AF26
3E084AA04
3E084AA12
3E084AB01
3E084BA03
3E084BA05
3E084CA01
3E084DA01
3E084DB12
3E084DB13
3E084EA04
3E084EB02
3E084FA09
3E084FB01
3E084FC07
3E084GA01
3E084GB01
3E084GB09
3E084HB02
3E084HD04
3E084JA01
3E084JA20
3E084KA12
3E084KB03
3E084LA17
3E084LA25
(57)【要約】
【課題】第1剤に第2剤が投入されたことが容器の外からでもすぐに判別できる混合容器を提案する。
【解決手段】本発明の混合容器は、第1剤を収める容器本体2と、天壁3aに、刃部3cと連通口3bとを設けたベース3と、壁部4aの底部開口を閉鎖して第2剤を収容するシール部4bを有する充填体4と、連結片5bによって充填体4を支持するとともに、ベース3に対して上下動可能に装着されるキャップ5と、充填体4の上方に位置するとともにキャップ5に保持される識別体6とを備え、識別体6は、キャップ5を下方へ移動させて刃部3cがシール部4bを破断して第2剤が連通口3bを通して収容空間S1に導入される際、壁部4aが天壁3aに押し当たって充填体4がキャップ5に対して上方へ移動するに伴ってキャップ5から脱落するものである。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1剤を収める収容空間を有する容器本体と、
前記容器本体の口部を覆う天壁を有し、該天壁に、上方へ向けて起立する刃部と前記収容空間に通じる連通口とを設けてなるベースと、
有蓋筒状をなす壁部と、該壁部の底部開口を閉鎖して該壁部との間に第2剤を収容するシール部とを有する充填体と、
前記充填体につながる連結片によって前記シール部が前記刃部及び前記連通口の上方に位置する状態で該充填体を支持するとともに、前記ベースに対して上下動可能に装着されるキャップと、
前記充填体の上方に位置するとともに前記キャップに保持される識別体と、を備える混合容器であって、
前記識別体は、前記キャップを下方へ移動させて前記刃部が前記シール部を破断して第2剤が前記連通口を通して前記収容空間に導入される際、前記壁部が前記天壁に押し当たって前記充填体が該キャップに対して上方へ移動するに伴って該キャップから脱落する混合容器。
【請求項2】
前記識別体は、前記キャップに設けた係止部に引っ掛かる爪部によって該キャップに保持される請求項1に記載の混合容器。
【請求項3】
前記キャップは、前記識別体の側壁を取り囲む環状壁を有し、該識別体は、該キャップに保持される際は該環状壁によって該側壁に近づく向きに撓む一方、該キャップから脱落した際は該側壁から離れる向きに復元する弾性片を有する請求項1又は2に記載の混合容器。
【請求項4】
前記識別体は、弱化部を介して前記キャップと連結することによって該キャップに保持される請求項1に記載の混合容器。
【請求項5】
前記ベースと前記キャップとの相互間に、該ベースに対する該キャップの下方への移動を阻止するバージンリングを備える請求項1〜4の何れか一項に記載の混合容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、別々に収容した第1剤と第2剤を使用時に混合させることができる混合容器に関する。
【背景技術】
【0002】
洗浄液や消毒液の他、各種の飲料等を収容する容器にあっては、一つの容器内に第1剤と第2剤を別々に収容しておき、使用時にはこれらを混合させることができる混合容器が使用されている。このような混合容器として、例えば特許文献1には、第1剤を収める収容空間を有する本体部と、この本体部の口部に装着されるベースと、ベースとの間で第2剤を収容するとともにベースに対してねじ止めされるキャップとを備え、キャップを締め込むことによってベースに保持した隔壁が外れて第2剤が収容空間に落下して第1剤と第2剤とが混ざり合う混合容器が示されている。このような混合容器によれば、第1剤を収容した容器の中に第2剤を投入する作業が省略できるため、使い勝手がよいという利点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−52786号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の混合容器は、このような利点がある反面、第1剤に第2剤が投入されたことが容器の外からすぐに判別することが難しいという問題を抱えている。例えば特許文献1の混合容器においては、第2剤を投入するためにキャップを締め込むと、キャップはベースに近づくことになる。このため、キャップの位置を確認することによって第1剤に第2剤が投入されたことを知ることができるものの、一見しただけでキャップの位置の違いを判別するのは困難である。
【0005】
本発明は、このような問題点を解決することを課題とするものであり、第1剤に第2剤が投入されたことが容器の外からでもすぐに判別できる混合容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、第1剤を収める収容空間を有する容器本体と、
前記容器本体の口部を覆う天壁を有し、該天壁に、上方へ向けて起立する刃部と前記収容空間に通じる連通口とを設けてなるベースと、
有蓋筒状をなす壁部と、該壁部の底部開口を閉鎖して該壁部との間に第2剤を収容するシール部とを有する充填体と、
前記充填体につながる連結片によって前記シール部が前記刃部及び前記連通口の上方に位置する状態で該充填体を支持するとともに、前記ベースに対して上下動可能に装着されるキャップと、
前記充填体の上方に位置するとともに前記キャップに保持される識別体と、を備える混合容器であって、
前記識別体は、前記キャップを下方へ移動させて前記刃部が前記シール部を破断して第2剤が前記連通口を通して前記収容空間に導入される際、前記壁部が前記天壁に押し当たって前記充填体が該キャップに対して上方へ移動するに伴って該キャップから脱落する混合容器である。
【0007】
前記識別体は、前記キャップに設けた係止部に引っ掛かる爪部によって該キャップに保持されることが好ましい。
【0008】
前記キャップは、前記識別体の側壁を取り囲む環状壁を有し、該識別体は、該キャップに保持される際は該環状壁によって該側壁に近づく向きに撓む一方、該キャップから脱落した際は該側壁から離れる向きに復元する弾性片を有することが好ましい。
【0009】
前記識別体は、弱化部を介して前記キャップと連結することによって該キャップに保持されることが好ましい。
【0010】
前記ベースと前記キャップとの相互間に、該ベースに対する該キャップの下方への移動を阻止するバージンリングを備えることが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明の混合容器では、ベースに向かってキャップを下方へ移動させることによって、ベースの刃部が第2剤を収容した充填体のシール部を破断し、これによって第1剤を収容した容器本体の収容空間に第2剤が導入される。またこの時、充填体の壁部はベースの天壁に押し当たってキャップに対して上方へ移動するため、充填体の上方に位置するとともにキャップに保持される識別体が、キャップから脱落する。すなわち、識別体がキャップに残っているか否かはすぐに判断できるため、第2剤の投入の有無を簡単に判別することができる。
【0012】
ところで、キャップに識別体を保持するにあたっては、充填体のシール部が破断される前に識別体が脱落してしまうことを防止するために、シール部を破断する際の抵抗力に比してキャップに保持される識別体の保持力を高く設定しておくこととする。ここで、識別体に、キャップに設けた係止部に引っ掛かる爪部を設ける場合は、識別体をある程度強い保持力でもってキャップに保持しておくことができるため、シール部が破断される前に識別体が脱落してしまう不具合を有効に防止することができる。
【0013】
またキャップに、識別体の側壁を取り囲む環状壁を設け、識別体に、キャップに保持される際はこの環状壁によって側壁に近づく向きに撓む一方、キャップから脱落した際は側壁から離れる向きに復元する弾性片を設ける場合は、脱落した識別体をキャップに取り付けようとしても、この弾性片が邪魔をしてキャップへの装着を防止することができる。これにより、第2剤が投入されているのに識別体がキャップに残っていることがなくなるため、第2剤の投入の有無を常に正しく判別することができる。
【0014】
また識別体を、弱化部を介して前記キャップと連結することによっても、脱落した識別体の再装着を防止することができる。
【0015】
そして、ベースとキャップとの相互間に、ベースに対するキャップの下方への移動を阻止するバージンリングを設ける場合は、不用意にキャップを移動させることがなくなるため、意図しない第2剤の投入を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明に従う混合容器の第1実施形態を示す、(a)は平面図であり、(b)は側面視での半断面図である。
図2】(a)は、図1に示すA−Aに沿う断面図であり、(b)は図1に示す識別体が脱落した状態を示す側面視での半断面図である。
図3】本発明に従う混合容器の第2実施形態を示す、(a)は平面図であり、(b)は側面視での半断面図である。
図4図3に示す識別体が脱落した状態を示す側面視での半断面図である。
図5】本発明に従う混合容器の第3実施形態を示す、(a)は平面図であり、(b)は側面視での半断面図である。
図6】(a)は図5に示す識別体が脱落した際の平面図であり、(b)は脱落した識別体を含む混合容器の側面視での半断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照しながら本発明に従う混合容器の一実施形態について説明する。なお、本明細書等において「上」とは、容器本体(符号2)に対してキャップ(符号5)が位置する側であり、「下」とはその逆側である。
【0018】
図1図2は、本発明に従う混合容器の第1実施形態を示している。本実施形態の混合容器1は、容器本体2、ベース3、充填体4、キャップ5、識別体6、バージンリング7を備えている。
【0019】
容器本体2は、円筒状の口部2aと、口部2aの下端につながる胴部2bと、胴部2bの下端につながる不図示の底部とを備えている。口部2a、胴部2b、及び底部の内側には、第1剤を収める収容空間S1が形成されている。また口部2aの外周面には、ベース3を保持するための外向き突起2cが設けられている。
【0020】
ベース3は、口部2aの開口を覆う天壁3aを備えている。天壁3aの中央部分には、天壁3aを貫く連通口3bが設けられている。また連通口3bの外縁部には、天壁3aから上方に向けて尖るようにして起立する刃部3cが設けられている。更に天壁3aの下面には、口部2aの内周壁に液密に当接する環状のシール壁3dが設けられている。そして天壁3aの上面には、円筒状の筒状壁3eが設けられていて、筒状壁3eの外周面には、雄ねじ部3fが設けられている。また天壁3aの外縁部には、口部2aを取り囲む周壁3gが設けられている。そして周壁3gの内周面には、外向き突起2cに係合してベース3を口部2aに抜け止め保持する内向き突起3hが設けられている。更に、天壁3aの外縁部における周壁3gの上方(図1に示すA−A線が重なる部位)には、図2(a)に示すように、周方向に間隔をあけて設けられる凸部3jが設けられている。
【0021】
充填体4は、有蓋筒状をなす壁部4aを備えていて、壁部4aの内側には、第2剤を収める充填空間S2が形成されている。なお、本実施形態の壁部4aは、筒状部分が円筒状をなすとともに、上部部分はこれに合わせて円板状をなすものであるが、この形状に限定されるものではなく、例えば筒状部分を多角形の筒状とし、且つ上部部分をこれに合わせて多角形の板状としてもよい。また壁部4aの底部開口には、薄手のシートで形成されるシール部4bが固着されていて、充填空間S2を閉鎖している。
【0022】
キャップ5は、筒状壁3eの径方向内側に位置する円筒状の内周壁5aを備えている。内周壁5aの径方向内側には、壁部4aと一体に連結する薄肉状の連結片5bが設けられている。また、内周壁5aの上端部には、径方向外側に向けて延在するフランジ部5cが設けられていて、フランジ部5cの外縁部には、筒状壁3eの径方向外側に位置する円筒状の外周壁5dが設けられている。ここで、外周壁5dの内周面には、雄ねじ部3fに適合する雌ねじ部5eが設けられている。そして、外周壁5dの下端部には、径方向外側に延在した後、下方に向けて延在する段差壁5fが設けられている。またフランジ部5cには、図1(b)の拡大図に示すように、その中央部分から上方に向けて立ち上がる内側環状壁5gが設けられていて、内側環状壁5gの外周面には、径方向外側に向けて突出する係止部5hが設けられている。また、内側環状壁5gの径方向外側には、外側環状壁5jが設けられている。
【0023】
識別体6は、円板状をなす内側頂壁6aと、内側頂壁6aの径方向外側に位置するとともに内側頂壁6aの外縁部と全周に亘って一体に連結する外側頂壁6bを備えている。内側頂壁6aの下面には、壁部4aの上面に向かって突出する下向き突起6cが設けられている。また、外側頂壁6bの外縁部には、図1(b)の拡大図に示すように、下方に向けて延在して内側環状壁5gと外側環状壁5jとの間に位置する側壁6dが設けられている。そして側壁6dの内周面には、径方向内側に向けて突出して係止部5hに引っ掛かる爪部6eが設けられている。
【0024】
バージンリング7は、ベース3とキャップ5との間に設けられるものである。本実施形態においては、ベース3の周壁3gとキャップ5の段差壁5fとの間に設けられている。本実施形態のバージンリング7は、図2(a)に示すように、天壁3aの外縁部を取り囲むリング本体7aを備えていて、リング本体7aの内周面には、凸部3jに適合する凹部7bが設けられている。また、リング本体7aの径方向外側には、円弧状の指掛け部7cが設けられている。なお、図2(a)に示すようにリング本体7aと指掛け部7cとが連結する部位においては、リング本体7aは局所的に薄肉になっている。このため、指掛け部7cを反転させるようにして引っ張れば、リング本体7aを薄肉の部位から破断させることができる。
【0025】
このような形態になる混合容器1では、上述したバージンリング7によって、キャップ5の下方への移動が阻止されている。すなわち、流通時等で不用意にキャップ5が下方へ移動する不具合を防止することができる。
【0026】
そして第2剤を投入するにあたっては、まず、バージンリング7を取り除く作業を行う。本実施形態においては、指掛け部7cを引っ張ることによってリング本体7aの薄肉部位が破断するため、バージンリング7を取り除くことができる。なおリング本体7aは、図2(a)に示すように凸部3jが凹部7bに嵌まり込んでいて、指掛け部7cを反転させるようにして引っ張っても、リング本体7aがベース3に対して回転することがない。このため、指掛け部7cに加える力が小さくても、薄肉部位を破断させることができる。
【0027】
その後は、雄ねじ部3fと雌ねじ部5eが締まる向きにキャップ5を回転させる。これによりキャップ5は、図2(b)に示すように、ベース3に向かって下方に移動する。この時、連結片5bによってキャップ5に連結する充填体4も回転しながら下方に移動するため、シール部4bは刃部3cによって破断する。これにより、第2剤は充填空間S2から流出し、連通口3bを通して収容空間S1に導入されるため、第1剤と第2剤を混合させることができる。
【0028】
また、雄ねじ部3fと雌ねじ部5eが締まる向きにキャップ5を回転させることによって、壁部4aの下端部が天壁3aの上面に当接して壁部4aはその位置で留まる一方で、キャップ5は下方に移動するため、充填体4には相対的に上方へ向かう力が作用する。このため充填体4は、図2(b)に示すように、連結片5bを反転させつつ、キャップ5に対して上方へ移動する。これにより、壁部4aの上面に当接していた識別体6にも上方へ向かう力が作用し、係止部5hと爪部6eとの係合が解かれて、識別体6がキャップ5から脱落する。すなわち、第2剤の投入に合わせて識別体6が脱落することになるため、識別体6がキャップ5に残っているか否かによって、第2剤の投入の有無を判別することができる。ところで、キャップ5に識別体6を保持するにあたっては、シール部4bが破断される前に識別体6が脱落してしまうことを防止するために、シール部4bを破断する際の抵抗力に比してキャップ5に保持される識別体6の保持力を高く設定しておくこととする。本実施形態のように、係止部5hと爪部6eによって識別体6をキャップ5に保持する場合は、ある程度強い保持力でもって識別体6を保持しておくことができるため、シール部4bが破断される前に識別体6が脱落してしまう不具合を有効に防止することができる。なお、キャップ5に識別体6を保持させておくには、例えば内側環状壁5gに対して側壁6dが圧入されるように構成するなど、種々の手法が採用可能である。
【0029】
次に、本発明に従う混合容器の第2実施形態について、図3図4を参照しながら説明する。本実施形態の混合容器11は、前述の識別体6に換えて識別体16を備えるものである。
【0030】
識別体16は、円板状をなす内側頂壁16aと、内側頂壁16aの径方向外側に位置する外側頂壁16bを備えている。ここで、内側頂壁16aと外側頂壁16bとの間には、これらを周方向に間欠的に連結する弱化部16fが設けられている。なお、弱化部16fは内側頂壁16aと外側頂壁16bとを破断可能に連結するものであればよく、例えば厚みを薄くして内側頂壁16aと外側頂壁16bとを全周に亘って連結させてもよい。また識別体16は、先に説明した下向き突起6c、側壁6d、爪部6eと同様の構成になる下向き突起16c、側壁16d、爪部16eを備えている。
【0031】
このような形態になる混合容器11においても、第2剤を投入するにあたっては、まず、バージンリング7を取り除く作業を行う。そして、キャップ5を締め込むことによって、シール部4bは刃部3cによって破断し、充填空間S2から第2剤が流出して、連通口3bを通して収容空間S1の第1剤と混合させることができる。
【0032】
また、キャップ5を締め込むことによって、壁部4aの下端部が天壁3aの上面に当接し、充填体4がキャップ5に対して上方へ移動して、識別体16の下向き突起16cに押し当たるため、内側頂壁16aには上方へ向かう力が作用する。これにより弱化部16fが破断して、内側頂壁16aが脱落する。すなわち、本実施形態にあっては、内側頂壁16aが脱落しているか否かによって第2剤の投入の有無を判別することができる。更に、本実施形態の識別体16では、弱化部16fが破断して内側頂壁16aが脱落するため、キャップ5に対して内側頂壁16aを再び取り付けることはできない。このため、第2剤が投入されているのに内側頂壁16aが残っている、という状態になることがなく、第2剤の投入の有無を常に正しく判別することができる。
【0033】
本発明に従う混合容器にあっては、更に別の実施形態とすることも可能である。図5図6は、本発明に従う混合容器の第3実施形態を示している。本実施形態の混合容器21は、第1実施形態の識別体6に換えて識別体26を備えるものである。
【0034】
識別体26は、先に説明した内側頂壁6a、外側頂壁6b、下向き突起6c、側壁6d、爪部6eと同様の構成になる内側頂壁26a、外側頂壁26b、下向き突起26c、側壁26d、爪部26eを備えている。ここで、図5(b)の拡大図、及び図6(b)に示すように側壁26dには、部分的に側壁26dを切り欠く凹所26gが設けられていて、凹所26gには、上部が側壁26dに一体に連結するとともに、下方に向かうにつれて径方向外側に広がる弾性片26hが設けられている。本実施形態の弾性片26hは、周方向に等間隔で合計8個設けられている。なお、組み立て時に識別体26をキャップ5に取り付けるにあたっては、例えば環状をなす治具等によって弾性片26hを全て内側に撓ませておき、この状態で内側環状壁5gと外側環状壁5jの間に側壁26dを挿入すればよい。
【0035】
このような形態になる混合容器21においても、まず、バージンリング7を取り除く作業を行う。そして、キャップ5を締め込めば、シール部4bが刃部3cによって破断し、充填空間S2から流出する第2剤は、連通口3bを通して収容空間S1に導入されて第1剤と混合される。
【0036】
また、キャップ5を締め込むと、壁部4aの下端部が天壁3aの上面に当接して充填体4がキャップ5に対して上方へ移動する。これにより、壁部4aの上面が下向き突起26cに押し当たるため、識別体26にも上方へ向かう力が作用し、係止部5hと爪部26eとの係合が解かれて、識別体26がキャップ5から脱落する。すなわち、本実施形態においても、識別体26がキャップ5に残っているか否かによって、第2剤の投入の有無を判別することができる。更に本実施形態の識別体26は、キャップ5から脱落することによって、図6(b)に示すように弾性片26hが側壁26dから離れる向きに復元するため、識別体26を再度キャップ5に取り付けようとしても、弾性片26hが外側環状壁5jに干渉することになる。このため、識別体26の再装着が防止され、第2剤の投入の有無を常に正しく判別することができる。
【0037】
本発明に従う混合容器は、これまでに説明した実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に従う範疇で種々の変更を加えたものも含まれる。例えばキャップ5は、上述した実施形態のようにねじによって下方に移動するものに限られず、例えばベース3に上下方向に延在する溝を設け、キャップ5にはこの溝に適合する凸部を設けて、スライドさせることによって下方に移動できるように構成してもよい。また上述した実施形態にあっては、内側環状壁5gに係止部5hを設けたが、これを外側環状壁5jに設けるとともに、識別体6、16、26の爪部6e、16e、26eを径方向外側に突出するように構成してもよい。また、識別体6、16、26は、下向き突起6c、16c、26cを介して壁部4aの上面に当接するようにしているが、下向き突起を省略して壁部4aの上面が内側頂壁6a、16a、26aに直接当接するように構成してもよい。
【符号の説明】
【0038】
1:混合容器
2:容器本体
2a:口部
2b:胴部
2c:外向き突起
3:ベース
3a:天壁
3b:連通口
3c:刃部
3d:シール壁
3e:筒状壁
3f:雄ねじ部
3g:周壁
3h:内向き突起
3j:凸部
4:充填体
4a:壁部
4b:シール部
5:キャップ
5a:内周壁
5b:連結片
5c:フランジ部
5d:外周壁
5e:雌ねじ部
5f:段差壁
5g:内側環状壁
5h:係止部
5j:外側環状壁
6:識別体
6a:内側頂壁
6b:外側頂壁
6c:下向き突起
6d:側壁
6e:爪部
7:バージンリング
7a:リング本体
7b:凹部
7c:指掛け部
11:混合容器
16:識別体
16a:内側頂壁
16b:外側頂壁
16c:下向き突起
16d:側壁
16e:爪部
16f:弱化部
21:混合容器
26:識別体
26a:内側頂壁
26b:外側頂壁
26c:下向き突起
26d:側壁
26e:爪部
26g:凹所
26h:弾性片
S1:収容空間
S2:充填空間
図1
図2
図3
図4
図5
図6