特開2018-203302(P2018-203302A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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  • 特開2018203302-電子レンジ用易開封包装体 図000005
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-203302(P2018-203302A)
(43)【公開日】2018年12月27日
(54)【発明の名称】電子レンジ用易開封包装体
(51)【国際特許分類】
   B65D 81/34 20060101AFI20181130BHJP
   B65D 65/30 20060101ALI20181130BHJP
【FI】
   B65D81/34 V
   B65D65/30
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-108429(P2017-108429)
(22)【出願日】2017年5月31日
(71)【出願人】
【識別番号】000000033
【氏名又は名称】旭化成株式会社
(72)【発明者】
【氏名】吉野 正行
【テーマコード(参考)】
3E013
3E086
【Fターム(参考)】
3E013BA15
3E013BA30
3E013BD01
3E013BD11
3E013BE01
3E086AA02
3E086AB01
3E086AD16
3E086BA02
3E086BA04
3E086BA15
3E086BB67
3E086CA01
(57)【要約】
【課題】本発明は、包装体に開孔させた孔より、昆虫等の異物が侵入することなく、電子レンジ加熱後も容易に開封できる電子レンジ用易開封包装体の提供を目的とする。
【解決手段】フィルムの少なくとも一部に900mmあたりに50個以上、10000個以下の開孔を有し、開孔径が100μm以上、700μm以下であり、フィルムの開孔部上に粘着ラベルを貼りつけられた電子レンジ加熱用易開封包装体。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィルムと粘着ラベルを有する包装体であって、
フィルムの少なくとも一部に、900mmあたり50個以上、10000個以下の開孔部を有し、
該開孔径が、100μm以上、700μm以下であり、
前記開孔部上に粘着ラベルが貼りつけられている、
電子レンジ用易開封包装体。
【請求項2】
前記粘着ラベルは、その長手方向が、フィルムの流れ方向またはそれに垂直な巾方向の引裂強度のうち、低い方と同方向になるよう貼りつけられている、請求項1に記載の電子レンジ用易開封包装体。
【請求項3】
前記フィルムの開孔部のうち、80〜2000mmの面積が粘着ラベルで覆われている、請求項1または2に記載の電子レンジ用易開封包装体。
【請求項4】
前記フィルムの流れ方向、およびそれに垂直な巾方向の少なくとも一方の引裂強度が、5〜100mNである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の電子レンジ用易開封包装体。
【請求項5】
フィルムで被包装物を包装し、加熱により収縮させた後、1分以内にフィルムの開孔部上に粘着ラベルを貼りつける、請求項1〜4のいずれか1項に記載の電子レンジ用易開封包装体の包装方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子レンジ用易開封包装体に関する。具体的には、弁当や総菜、調理麺などをシュリンクフィルムで包装し、熱収縮させて得られた包装体が、昆虫などの異物侵入がなく、レンジ加熱調理後も開孔部に貼りつけたラベルから容易に開封することが可能な電子レンジ用易開封包装体に関する。
【背景技術】
【0002】
包装用収縮フィルムは、被包装物の形状や大きさに依らず、同時に複数個の製品を迅速かつタイトに包装することができ、得られた包装物は外観が美しく、ディスプレイ効果を発揮し、商品価値を高め、また内容物を衛生的に保ち、視覚による品質確認が容易なことから、食品、雑貨等の包装に多用されている。
【0003】
かかる包装用収縮フィルムを用いた包装方法としては、フィルムに少し余裕を持たせて内容物を一次包装した後、熱風等によりフィルムを熱収縮させる方法が一般的であり、ピローシュリンク包装がその代表例である。この方法は、一般的には、容器やトレーに収納された食品等の被包装物をフィルムで筒状に覆い、次に回転ローラー式等のセンターシール装置にて被包装物の裏面にシール線がくるように合掌ヒートシールし、続いて該筒状フィルムの両開放端をヒートシールして袋状とし、シュリンクトンネルと呼ばれるボックス内で熱風によって加熱処理をして、あらかじめ付設した針孔より内部の空気を脱気しながらこれを加熱収縮させる。このピローシュリンク包装には上記以外にも三方シール、および四方シールした袋状フィルムを加熱する方法等がある。
【0004】
このような針孔を設けたフィルムを用いた、ピローシュリンク包装を施す被包装体の主な例として、弁当や惣菜を入れた蓋付きのポリスチレン製やフィラー入りポリプロピレン(PP)製等の耐熱容器、肉や魚を入れた蓋の無い発泡ポリスチレン製、PP製、紙製等のトレー等が挙げられ、いずれの場合も容器やトレーを、余裕を持たせてゆったり包装し、その後に熱風を吹き付けて収縮させる方法が挙げられる。
【0005】
ところで、弁当や惣菜といった被包装体の包装においては、包装後に電子レンジでの再加熱が行われることが多く、容器の密閉性が高いと、内部の空気が膨張し、嵌合部の外れや、容器が熱と圧力によって、変形しやすくなるため、容器内の具材の汁やソース類が容器外に流れ出やすくなり、容器外部が汚れやすくなる。そのため、レンジ加熱時の圧力を適度に解放させるために、容器蓋の天面1〜2か所が蒸気口としてU字型に打ち抜かれている。
【0006】
特許文献1には、フィルムに直線、V字、U字、S字の形状に施した切り込みをラベルで覆うシュリンク包装体が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2009−173340号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1に記載の包装体では0.5mmより長く、10mmより短い切り込みが形成されるが、熱収縮工程でのフィルムの収縮により、切り込み部が大きく開孔し、異物が混入する恐れがある。また、1つの包装体に対し、切れ込みが1つの場合はラベルを貼りつけるタイミングがずれると開孔部が露出する恐れがあるし、複数の切れ込みを施すとラベルを複数貼りつけて覆う必要があるため、美粧性を損なう場合がある。
【0009】
弁当や惣菜、調理麺等の包装をピロー包装で行う場合、一般に用いられるピロー包装機は被包装体を1次包装する際にフィルムに針で孔を設け、更にフィルムの両端を10〜20%程度幅方向に引っ張りながら、被包装体の底部にフィルム端部を誘導し、一対の熱ローラーで挟んで連続的に熱シールする。孔を開けるのは後工程の収縮時に包装体内の余分な空気を抜くためであるが、フィルムに孔を設ける際、0.5〜3mm程度長さの針が突き出たロール上を走行させる。この時、フィルムが弛むと、針孔で十分に開孔せず、包装体内部の空気が十分抜けなくなるため、収縮不足でタイトな包装体が得られない場合がある。
【0010】
反対に針が長すぎると、熱収縮包装時に、包装体内の空気が抜けやすくなり、包装仕上りは良好となるが針孔が大きくなり過ぎて、虫等の異物が侵入しやすくなる。
また、電子レンジにて、加熱調理することで包装体が熱くなるため、容易にフィルムを開封できることが求められている。
【0011】
本発明は、包装体に開孔させた孔より、昆虫等の異物が侵入することなく、電子レンジ加熱後も容易に開封できる包装体の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
すなわち、本発明は下記の通りである。
[1]
フィルムと粘着ラベルを有する包装体であって、フィルムの少なくとも一部に、900mmあたり50個以上、10000個以下の開孔部を有し、該開孔径が、100μm以上、700μm以下であり、前記開孔部上に粘着ラベルが貼りつけられている、電子レンジ用易開封包装体。
[2]
前記粘着ラベルは、その長手方向が、フィルムの流れ方向またはそれに垂直な巾方向の引裂強度のうち、低い方と同方向になるよう貼りつけられている、[1]に記載の電子レンジ用易開封包装体。
[3]
前記フィルムの開孔部のうち、80〜2000mmの面積が粘着ラベルで覆われている、[1]または[2]に記載の電子レンジ用易開封包装体。
[4]
前記フィルムの流れ方向、およびそれに垂直な巾方向の少なくとも一方の引裂強度が、5〜100mNである、[1]〜[3]のいずれか1つに記載の電子レンジ用易開封包装体。
[5]
フィルムで被包装物を包装し、加熱により収縮させた後、1分以内にフィルムの開孔部上に粘着ラベルを貼りつける、[1]〜[4]のいずれか1つに記載の電子レンジ用易開封包装体の包装方法。
【発明の効果】
【0013】
本発明の電子レンジ用の易開封包装体は、昆虫などの異物侵入がなく、レンジ加熱調理後も開孔部に貼りつけたラベルから容易に開封することが出来る包装体を提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本実施形態の包装体の一例を示す概略平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明について、好ましい実施態様を中心に、以下詳細に説明する。
[包装体]
本実施形態の電子レンジ用易開封包装体は、包装物を覆うフィルムと、該フィルム上に貼り付けられる粘着ラベルを有する。
【0016】
本実施形態の電子レンジ用易開封包装体に用いる包装フィルムには、フィルムの少なくとも一部に、900mmあたりに50個以上、10000個以下の開孔が付設される。より好ましくは100〜9000個、更に好ましくは150〜8000個である。この開孔部は、包装体となる際に、熱工程によりフィルムが収縮することにより付設された際とは孔径が変化するものであり、本実施形態では熱収縮後の孔径が100〜700μmである。粘着ラベルによる易開封性と昆虫等の異物混入を防止する点で、孔径は好ましくは150〜600μmである。
【0017】
開孔方法は包装機に付設した針等で包装時に開孔させても良いが、予めCOレーザーや熱針、刃物による傷付、無機物を付設した金属ロールやゴムロールでフィルムを挟みながら開孔処理させても良い。熱処理前の開孔サイズの目安としては、フィルムの収縮性を考慮して、開孔後に狙いたい開孔径の1/2〜1/3の大きさで加工すると良い。
【0018】
図1に示す通り、本実施形態の電子レンジ用易開封包装体(1)は、前記開孔部(2)上に粘着ラベル(3)が貼りつけられたものである。包装時のフィルムの流れ方向(以下、MD、という(4))に対し、ラベルの長手方向は同方向となるよう貼りつけても良いし、直交する巾方向(以下、TD、という)に貼りつけても良いが、MDおよびTDのうち、フィルムの引裂強度が低い方向と同方向となるよう貼りつけることが好ましく、開封時には同方向へラベルを引き剥がしながら開封できるよう、粘着剤が塗布されていない掴みしろを設けると更に良い。
また、MD、TDの引裂強度に差がない場合は、いずれの方向へ向かって貼りつけても良い。
【0019】
本実施形態の電子レンジ加熱用易開封包装体の開孔部上に貼りつけられる粘着ラベルのうち、粘着ラベルで覆われる面積は易開封性と美粧性を損なわないために、80〜2000mmが好ましく、100〜1800mmがより好ましい。
【0020】
開封する際は粘着ラベルの長手方向へ向かって開封することが好ましく、寸法はラベルの長手方向をLD、直交する方向をCDとした時、易開封性の観点からLDが20mm以上が好ましく、より好ましくは25mm以上、更に好ましくは30mm以上、CDは5mm以上が好ましく、より好ましくは10mm以上、更に好ましくは15mm以上である。
【0021】
本実施形態の包装体への粘着ラベルの貼付けは、フィルムに添加された防曇剤や可塑剤等の熱収縮によるブリードアウトや埃の付着による粘着強度の低下を防止する点で、容器を覆って、一次包装した後の熱収縮工程の後、1分以内に貼りつけることが好ましい。
本実施形態の電子レンジ用易開封包装体に用いるフィルムのMDおよびTDのいずれか一方の引裂強度は包装時の破れを抑制する点と、易開封性を発現させる点で、5〜100mNが好ましく、より好ましくは10〜70mN、更に好ましくは15〜60mNである。さらにMD及びTDどちらも上記範囲を満たすことが好ましい。
【0022】
本実施形態に用いられるフィルムの厚みは、易開封性の観点から、5〜15μmであることが好ましく、6〜12μmであることがより好ましく、7〜10μmであることがさらに好ましい。蓋付き容器の弁当や惣菜の包装用フィルムとしては、10μm以下の厚みでも十分である。
【0023】
本実施形態に用いられるフィルムは、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等の少なくとも1種のポリオレフィン樹脂から選ばれることが好ましく、中でも、フィルムにした後の収縮性と易引裂性の観点から、ポリエチレン系樹脂がより好ましい。また、フィルムは単層でもよく、目的に応じて、2層以上の積層構造としてもよい。
【0024】
本フィルムには、構成するいずれかの層に界面活性剤や防曇剤が含まれていてもよい。例えば、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、エチレンオキサイド付加物等の防曇剤、流動パラフィン等の可塑剤等の添加剤を、各層を構成する樹脂組成物に対して、0.1〜10質量%含有すると、加工性や包装時のフィルムの走行性等が向上し好ましい。特に、透明性の観点から、各層を構成する樹脂組成物に対して、ポリグリセリン脂肪酸エステル等を0.5〜10質量%配合するとより好ましく、帯電防止性と滑り性の観点も考慮すれば、0.8〜6質量%配合するのがさらに好ましい。
【0025】
上記添加剤は、一種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
さらに、本実施形態に用いられるフィルムは、構成するいずれかの層に、可塑剤として、アルコン(商標)、クリアロン(登録商標)、アイマーブ(登録商標)等の粘着付与樹脂や石油系樹脂を含んでもよい。上記可塑剤の含有量としては、各層を構成する樹脂組成物に対して0.1〜10質量%とするとラベルの粘着性が向上する場合がある。
【0026】
開孔部はフィルムのMDに連続的に形成されるが、開孔部のTD幅の目安は、被包装物の周長の2〜50%となるように調整するとよい。なお、被包装物の周長とは、本実施形態の被包装体の、フィルムTDの被包装物の周長をいう。
本発明に用いられる粘着ラベルは市販されているものの中で耐熱性に優れるものであれば特に制限は無く、シリコン系、アクリル系、ゴム系粘着剤等の中から選ばれる。
【0027】
[フィルムの製造例]
本実施形態に用いるフィルムの製造例は、特に限定されないが、例えば、単層フィルム、多層フィルム等の熱収縮性フィルムを製造し、上記熱収縮性フィルムに穿孔処理を施す方法等が挙げられる。
上記熱収縮性フィルムの製造方法は、特に限定されず、単層押出で単層フィルムとして製造してもよいし、共押出で多層フィルムとして製造してもよいし、各層を別々に形成し、その後貼り合わせて多層フィルムとして製造してもよい。中でも、多層フィルムを製造する場合は、溶融押出法で共押出して製造することが好ましい。例えば、各層を構成する樹脂又は樹脂組成物をそれぞれの押出機で溶融して、多層サーキュラダイ等で共押出する方法が挙げられる。
【0028】
本実施形態に用いられるフィルムは、耐熱性が付与されるという観点や、5〜15μm程度の厚さでも安定して延伸を行うことができるという点と、易開封性を付与する点で架橋処理を行ったフィルムが好ましい場合がある。
架橋処理の方法としては、例えば、電子線、紫外線、X線、α線、γ線等のエネルギー線の照射が挙げられる。架橋処理の好ましい照射線量の範囲は10〜150kGyであり、ヒートシール性と延伸安定性の観点から20〜120kGyがより好ましく、架橋度の尺度としてはゲル分率が用いられる。
【0029】
本実施形態のフィルムのゲル分率は、フィルムの延伸性や耐熱性の観点から、1〜60質量%が好ましく、より好ましくは5〜50質量%、更に好ましくは10〜40質量%である。
ここで、ゲル分率とは、フィルムを溶かす溶媒(例えば、ポリオレフィン系樹脂の場合には沸騰パラキシレン)に穿孔フィルムを12時間浸漬した後、溶解しないで残存している部分の割合であり、次式により表される。
ゲル分率(質量%)=(浸漬後の穿孔フィルムの質量/浸漬前の穿孔フィルムの質量)×100
【0030】
本実施形態に用いられるフィルムとしては、延伸処理を施したフィルムが好ましい。具体的には、未延伸の熱収縮性フィルムに架橋処理を行い、各層を構成する樹脂の融解ピーク温度より10℃以上高い温度で、MD及び/又はTDに6倍以上の逐次二軸延伸または同時二軸延伸を行うことが好ましい。延伸の方法としては、特にダブルバブルインフレーション法によるのが好ましく、該方法は10μm程度の薄いフィルムを延伸するのに好適である。
【0031】
ダブルバブルインフレーション法によって製膜する製造方法としては、具体的には、以下の方法等が挙げられる。
押出機を用いて各層を構成する樹脂組成物を溶融押出して、1層ずつ環状ダイス内で順次合流させるか、環状ダイス内で1度に合流させて、多層のチューブ状未延伸原反を得る。このとき、1層につき1台の押出機を使用してもよいし、1台の押出機から環状ダイスに樹脂組成物が流入するまでに2つ以上に分割して、複数の層としてもよい。これを急冷固化したものを延伸機内に誘導し、延伸開始点の加熱温度を該樹脂組成物の融点−10℃〜融点+40℃までの範囲に設定しながら、速度差を設けたニップロール間でエアー注入を行い、流れ方向、幅方向に、それぞれ4.0倍以上の延伸を行うのが好ましい。
【0032】
延伸倍率の上限として、延伸安定性の観点から12.0倍以下が好ましい。各層を構成する樹脂組成物の融点以上で延伸することで、高倍率延伸ができ、収縮率の高いフィルムが得られる。
本発明で得られる包装体は、電子レンジ加熱用に特に好適である。
【実施例】
【0033】
本発明を実施例に基づいて説明する。
以下に実施例、参考例、比較例において用いた測定方法を記す。
(1)引裂強度の測定
引裂試験機(東洋精機製、商品名「軽荷重引裂試験機」)を用いて、測定レンジを50gに設定し、幅50mm、長さ64.5mmのフィルムのMD、TDの引裂試験を行った。
【0034】
(2)熱処理前の穿孔の孔径
多孔加工により、形成したフィルムの開孔部をMDに30mm、TDに30mmの大きさに切り出し、マイクロメーター(株式会社キーエンス製、製品名:本体「VHX−5000」、レンズ「VH−ZST」)により、包装体上面中央部900mm中の開孔径を測定し、その平均値を熱処理前の孔径(μm)とした。
【0035】
(3)熱処理後の開孔数、孔径
開孔処理したフィルムを用いて、蓋に1cm×1.5cmの大きさの蒸気抜き孔を設けた、長さ20cm、巾15cm、高さ4cmの耐熱PS製弁当容器に米飯を200g入れ、株式会社フジキカイ製の包装機「FW3451A−αV」にて、一次包装を行った。次いで、ケーユーシステム株式会社製のシュリンクトンネル「FB800」をトンネル温度150℃、トンネル通過時間4秒に設定し、フィルムを収縮させて、タイトな包装体を得た。
得られた包装体の上面中央の開孔部をMDに30mm、TDに30mmの大きさに切り出し、開孔数をカウントした。また、マイクロメーター(株式会社キーエンス製、製品名:本体「VHX−5000」、レンズ「VH−ZST」)により、包装体中央部900mm中の開孔径を測定し、その平均値を熱収縮後の孔径(μm)とした。
併せて、得られた包装体10個の上面中央に表1に示すように粘着ラベルを貼りつけた。
【0036】
(4)易開封性の評価
(3)で得られた粘着ラベル付きの包装体10個をそれぞれシャープ株式会社製の電子レンジ RE6200A(1600W)にて、70秒間加熱した。電子レンジから取り出して、室温で10分間放置した後、ラベルの掴みしろをつまみ、ラベルの長手方向に向かって剥がした。この操作を10個繰り返して、ラベルの縁から伝播してフィルムが破れ、開封できたものを易開封性良好とし、10回中の開封率を測定した。
【0037】
(5)虫侵入試験
市販の蒸気口付き容器に入れられたパスタを各穿孔フィルムで熱収縮包装した弁当包装体を、25℃に調整した部屋で、ナイロンゴースケージ(30cm×30cm×高さ30cm)内の床面に設置し、オオキモンノミバエ100頭をケージ内に放して試験を開始した。放虫24時間後に各包装体内の侵入虫数を調査した。
【0038】
[実施例1]
予め、厚みが8μm、580mmの幅のサイズにスリットした、MDの引裂強度が40mN、TDの引裂強度が25mNのポリエチレン系架橋シュリンクフィルムを用いて、フィルムのTD中央に5cmの巾(容器巾方向の周長470mmに対して、10.6%)に渡って、2mm間隔にフィルムのTDに25個の孔を付設し、それぞれの孔の位置からMDに2mm間隔に、MDへ連続的に孔を付設して、試験用フィルムとした。
【0039】
試験用フィルムを用いて、蓋に1cm×1.5cmの大きさの蒸気抜き孔を設けた、長さ20cm、巾15cm、高さ4cmの耐熱PS製弁当容器に米飯を200g入れ、株式会社フジキカイ製の包装機「FW3451A−αV」にて、一次包装を行った。次いで、ケーユーシステム株式会社製のシュリンクトンネル「FB800」をトンネル温度150℃、トンネル通過時間4秒に設定し、フィルムを収縮させて、タイトな包装体を得た。
【0040】
得られた包装体の上面中央部をMDに30mm、TDに30mmのサイズに切り出し、開孔数をカウントし、マイクロスコープにて、平均開孔径が350μmの大きさに開孔していることを確認した。
更に得られた包装体10個のそれぞれ上面中央の開孔部に収縮後、1分以内に表1に示すように粘着ラベルを貼り付けて、易開封性評価用のサンプルとした。得られた包装体について、評価した結果を表1に示した。
【0041】
[実施例2〜8、比較例1〜4]
開孔数、および収縮前の開孔径を適宜調整しながら、収縮後の開孔数、および開孔径を表1、2に記載のように変更した以外は、実施例1と同様の操作を行い、易開封性評価用のサンプルを得て、評価した結果を表1、2に示した。
【0042】
比較例1は包装時の脱気の為に容器側面にあたる部分に最小限の孔を設けたが、孔の無い上面の中央に、フィルムのMD方向に直交させてラベルを貼り付けた。
実施例1〜9で得られた穿孔フィルムは、貼り付けたラベルを引き剥がす際に接着面からフィルムが破れて、ラベルに沿って伝播し、良好な開封性を示した。
比較例1はラベルを開孔部に貼っていないため、フィルム破れが起こらず、ラベルのみが剥離するにとどまった。
比較例2は収縮後の開孔径が小さいため、フィルム破れが起こらず、ラベルのみが剥離するにとどまった。
比較例3は開孔数が少なく、10個中の1個が開封したが、残りはフィルム破れが起こらず、ラベルのみが剥離するにとどまった。
比較例4は開封性が良好であったが、包装体の平均開孔径が大きく、虫侵入試験にて、開孔部より虫が20頭侵入した。
【0043】
【表1】
【0044】
【表2】
【産業上の利用可能性】
【0045】
本実施形態の電子レンジ用易開封包装体は、包装体に開孔させた孔より、昆虫等の異物が侵入することなく、電子レンジ加熱後も容易に開封できる電子レンジ用易開封包装体の提供が可能である。
【符号の説明】
【0046】
1 包装体
2 開孔部
3 粘着ラベル
4 フィルムの流れ方向(MD)
図1