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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-203420(P2018-203420A)
(43)【公開日】2018年12月27日
(54)【発明の名称】反転装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 15/00 20060101AFI20181130BHJP
   H01M 10/04 20060101ALN20181130BHJP
   H01M 10/0585 20100101ALN20181130BHJP
【FI】
   B65H15/00 A
   H01M10/04 Z
   H01M10/0585
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2017-108202(P2017-108202)
(22)【出願日】2017年5月31日
(71)【出願人】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100124062
【弁理士】
【氏名又は名称】三上 敬史
(74)【代理人】
【識別番号】100148013
【弁理士】
【氏名又は名称】中山 浩光
(74)【代理人】
【識別番号】100183081
【弁理士】
【氏名又は名称】岡▲崎▼ 大志
(72)【発明者】
【氏名】西原 寛恭
(72)【発明者】
【氏名】櫻井 隼人
(72)【発明者】
【氏名】浅井 真也
(72)【発明者】
【氏名】村田 卓也
【テーマコード(参考)】
3F102
5H028
5H029
【Fターム(参考)】
3F102AA00
3F102AB06
3F102BA11
3F102BB18
3F102EB01
3F102EC02
5H028AA05
5H028BB04
5H028BB18
5H029AJ14
5H029AK03
5H029AK05
5H029AK11
5H029AL01
5H029AL02
5H029AL06
5H029AL07
5H029AL08
5H029AL12
5H029AL13
5H029CJ03
5H029CJ30
(57)【要約】
【課題】ワークの損傷又は位置ずれを抑制できる反転装置を提供する。
【解決手段】正極搬送ユニット301は、循環部材310と、外周面310aに所定間隔で設けられ、セパレータ付き正極11を受け取って支持する複数の支持部311と、支持部311に設けられ、支持部311によるセパレータ付き正極11の受取時にセパレータ付き正極11が受ける衝撃を緩和する緩衝材100と、を備える。緩衝材100は、隣り合う第1支持部311A及び第2支持部311Bのうち第1支持部311Aに設けられた第1緩衝材110と第2支持部311Bに設けられた第2緩衝材120とを有する。第1緩衝材110及び第2緩衝材120は、幅方向(Y方向)において互いに異なる位置に配置されている。上昇区間又は下降区間において、第1緩衝材110及び第2緩衝材120は、幅方向から見て互いに重なる重なり部分を有する。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
供給装置から供給されるシート状のワークを反転させる反転装置であって、
上昇する上昇区間と上昇した後に旋回する旋回区間と旋回した後に下降する下降区間とを含む循環経路を形成するように循環する循環部材と、
前記循環経路に沿って前記循環部材の外周面に所定間隔で設けられ、前記供給装置により供給される前記ワークを受け取って支持する複数の支持部と、
前記支持部に設けられ、前記支持部による前記ワークの受取時に前記ワークが受ける衝撃を緩和する緩衝材と、
を備え、
前記緩衝材は、隣り合う第1支持部及び第2支持部のうち前記第1支持部に設けられた第1緩衝材と前記第2支持部に設けられた第2緩衝材とを有し、
前記第1緩衝材及び前記第2緩衝材は、前記供給装置が前記ワークを供給する供給方向及び鉛直方向に交差する幅方向において互いに異なる位置に配置されており、
前記上昇区間又は前記下降区間において、前記第1緩衝材及び前記第2緩衝材は、前記幅方向から見て互いに重なる部分を有する、
反転装置。
【請求項2】
前記第1緩衝材は、前記第1支持部の前記第2支持部側の側面に設けられており、
前記第2緩衝材は、前記第2支持部の前記第1支持部側の側面に設けられている、
請求項1に記載の反転装置。
【請求項3】
前記第1支持部と前記第2支持部とは、交互に配置されており、
前記支持部は、前記循環部材に取り付けられる底壁と、前記底壁の端部に立設され、前記底壁よりも前記幅方向の長さが短く、前記ワークの支持面をなす側壁と、を有し、
前記ワークは、前記ワークの前記幅方向における両端部が前記側壁よりも外側にはみ出した状態で、前記支持部に支持されており、
前記第1緩衝材及び前記第2緩衝材は、前記ワークの両端部に当接するように、前記底壁の前記側壁よりも前記幅方向における外側の部分に設けられている、
請求項1に記載の反転装置。
【請求項4】
前記支持部に支持された前記ワークの前記幅方向における両端部を押すことにより、前記ワークを排出する押出部を更に備え、
前記第1緩衝材及び前記第2緩衝材は、前記幅方向において前記押出部と互いに異なる位置に配置されている、
請求項3に記載の反転装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、反転装置に関する。
【背景技術】
【0002】
製造ラインでは、加工及び処理の都合上、搬送対象であるワークの搬送途中でワークを整列させたり、反転させたりすることがある。特許文献1に記載の電極積層装置は、複数の板状の支持部を有し、鉛直方向に延びるループ状の搬送部材により、シート状の電極(ワーク)を一端上昇させて反転させた後に下降させる。当該電極積層装置は、電極の積層を目的とした装置であり、その構造上、電極の反転を伴うものであるが、例えば、検査工程において、ワークの表裏を検査する場合等、搬送対象であるワークをその目的に応じて意図して反転させることもある。ここでは、装置の目的を問わず、上下方向の循環搬送によりワークを反転させるものを、反転装置とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017−033752号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような反転装置を用いる場合、水平方向にワークを搬送する搬送装置(例えばベルトコンベヤ又はローラコンベヤ)から反転装置へのワークの移載を伴う。移載時のワークへの衝撃を緩和するために、反転装置の支持部間に緩衝材が設けられることがある。例えば、緩衝材は、隣り合う2つの支持部同士が平行となる状態で当該2つの支持部間の隙間を埋めるように設けられる。しかし、仮にこのように支持部間の隙間を埋めるように緩衝材が設けられたとしても、反転装置の頂部で支持部が旋回する際には、隣り合う支持部同士の間隔が広がるため、支持部と緩衝材との間に隙間が生じ得る。このような隙間にワークが挟まってしまうと、ワークの損傷又は位置ずれが生じるおそれがある。
【0005】
本発明は、ワークの損傷又は位置ずれを抑制できる反転装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一側面に係る反転装置は、供給装置から供給されるシート状のワークを反転させる反転装置であって、上昇する上昇区間と上昇した後に旋回する旋回区間と旋回した後に下降する下降区間とを含む循環経路を形成するように循環する循環部材と、循環経路に沿って循環部材の外周面に所定間隔で設けられ、供給装置により供給されるワークを受け取って支持する複数の支持部と、支持部に設けられ、支持部によるワークの受取時にワークが受ける衝撃を緩和する緩衝材と、を備え、緩衝材は、隣り合う第1支持部及び第2支持部のうち第1支持部に設けられた第1緩衝材と第2支持部に設けられた第2緩衝材とを有し、第1緩衝材及び第2緩衝材は、供給装置がワークを供給する供給方向及び鉛直方向に交差する幅方向において互いに異なる位置に配置されており、上昇区間又は下降区間において、第1緩衝材及び第2緩衝材は、幅方向から見て互いに重なる部分を有する。
【0007】
この反転装置では、隣り合う第1支持部及び第2支持部に設けられた第1緩衝材及び第2緩衝材は、非旋回区間(上昇区間又は下降区間)において、幅方向から見て互いに重なる部分を有している。このため、旋回区間においては、上記重なる部分の少なくとも一部が解消し、幅方向から見て第1緩衝材及び第2緩衝材が占める領域が非旋回区間よりも増大する。このように増大する領域により、支持部と緩衝材との間に隙間が生じることを抑制することができる。その結果、支持部と緩衝材との間にワークが挟まれてしまうことを抑制でき、ワークの損傷又は位置ずれを抑制できる。
【0008】
第1緩衝材は、第1支持部の第2支持部側の側面に設けられており、第2緩衝材は、第2支持部の第1支持部側の側面に設けられてもよい。この場合、第1緩衝材によって第1支持部と緩衝材との間の隙間の発生が確実に防止されると共に、第2緩衝材によって第2支持部と緩衝材との間の隙間の発生が確実に防止される。
【0009】
第1支持部と第2支持部とは、交互に配置されており、支持部は、循環部材に取り付けられる底壁と、底壁の端部に立設され、底壁よりも幅方向の長さが短く、ワークの支持面をなす側壁と、を有し、ワークは、ワークの幅方向における両端部が側壁よりも外側にはみ出した状態で、支持部に支持されており、第1緩衝材及び第2緩衝材は、ワークの両端部に当接するように、底壁の側壁よりも幅方向における外側の部分に設けられてもよい。この場合、ワークの側壁よりも幅方向外側にはみ出した部分に当接するように設けられた第1緩衝材及び第2緩衝材により、ワークが上記隙間に挟まることを防止できる。
【0010】
上記反転装置は、支持部に支持されたワークの幅方向における両端部を押すことにより、ワークを排出する押出部を更に備え、第1緩衝材及び第2緩衝材は、幅方向において押出部と互いに異なる位置に配置されてもよい。この場合、第1緩衝材及び第2緩衝材と押出部との干渉を適切に防止できる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、ワークの損傷又は位置ずれを抑制できる反転装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】一実施形態に係る反転装置を含む電極積層装置を適用して製造される蓄電装置の内部を示す断面図である。
図2図1のII−II線断面図である。
図3】電極積層装置を示す側面図(一部断面を含む)である。
図4】支持部の構成を示す図である。
図5】電極積層装置の平面図である。
図6】比較例に係る緩衝材を備えた反転装置の旋回部を示す拡大図である。
図7】緩衝材の(a)非旋回時及び(b)旋回時における位置関係を示す図である。
図8】反転装置(正極搬送ユニット)の旋回部を示す拡大図である。
図9】変形例に係る反転装置(正極搬送ユニット)の緩衝材の配置を示す図である。
図10】変形例に係る反転装置(正極搬送ユニット)の旋回部を示す拡大図である。
図11】他の変形例に係る反転装置の一部を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、図面において、同一または同等の要素には同じ符号を付し、重複する説明を省略する。
【0014】
図1は、本発明の実施形態に係る反転装置(正極搬送ユニット又は負極搬送ユニット)を含む電極積層装置を適用して製造される蓄電装置の内部を示す断面図である。図2は、図1のII−II線断面図である。図1及び図2において、蓄電装置1は、積層型の電極組立体を有するリチウムイオン二次電池である。
【0015】
蓄電装置1は、例えば略直方体形状のケース2と、このケース2内に収容された電極組立体3とを備えている。ケース2は、例えばアルミニウム等の金属により形成されている。ケース2の内部には、図示はしないが、例えば非水系(有機溶媒系)の電解液が注液されている。ケース2上には、正極端子4及び負極端子5が互いに離間して配置されている。正極端子4は、絶縁リング6を介してケース2に固定され、負極端子5は、絶縁リング7を介してケース2に固定されている。また、電極組立体3とケース2の内側の側面及び底面との間には絶縁フィルムが配置されており、絶縁フィルムによってケース2と電極組立体3との間が絶縁されている。図1では便宜上、電極組立体3の下端とケース2の底面との間には僅かな隙間が設けられているが、実際には電極組立体3の下端が絶縁フィルムを介してケース2の内側の底面に接触している。また、電極組立体3の積層方向において、電極組立体3のガタツキを低減するために、電極組立体3とケース2との間の隙間に、数枚のスペーサが配置されている。スペーサの枚数は、電極組立体3の厚みに応じて適宜調整される。
【0016】
電極組立体3は、複数の正極8と複数の負極9とが袋状のセパレータ10を介して交互に積層された構造を有している。正極8は、袋状のセパレータ10に包まれている。袋状のセパレータ10に包まれた状態の正極8は、セパレータ付き正極11として構成されている。従って、電極組立体3は、複数のセパレータ付き正極11と複数の負極9とが交互に積層された構造を有している。なお、電極組立体3の両端に位置する電極は、負極9である。
【0017】
正極8は、例えばアルミニウム箔からなる正極集電体である金属箔14と、この金属箔14の両面に形成された正極活物質層15とを有している。金属箔14は、平面視矩形状の箔本体部14aと、この箔本体部14aと一体化されたタブ14bとを有している。タブ14bは、箔本体部14aの長手方向の一端部近傍の縁から突出している。そして、タブ14bは、セパレータ10を突き抜けている。複数の正極8より延びる複数のタブ14bは、集箔された状態で導電部材12に接続(溶接)され、導電部材12を介して正極端子4に接続されている。なお、図2では、便宜上タブ14bを省略している。
【0018】
正極活物質層15は、箔本体部14aの表裏両面に形成されている。正極活物質層15は、正極活物質とバインダとを含んで形成された多孔質の層である。正極活物質としては、例えば複合酸化物、金属リチウムまたは硫黄等が挙げられる。複合酸化物には、例えばマンガン、ニッケル、コバルト及びアルミニウムの少なくとも1つとリチウムとが含まれる。
【0019】
負極9は、例えば銅箔からなる負極集電体である金属箔16と、この金属箔16の両面に形成された負極活物質層17とを有している。金属箔16は、平面視矩形状の箔本体部16aと、この箔本体部16aと一体化されたタブ16bとを有している。タブ16bは、箔本体部16aの長手方向の一端部近傍の縁から突出している。タブ16bは、導電部材13を介して負極端子5に接続されている。なお、図2では、便宜上タブ16bを省略している。
【0020】
負極活物質層17は、箔本体部16aの表裏両面に形成されている。負極活物質層17は、負極活物質とバインダとを含んで形成された多孔質の層である。負極活物質としては、例えば黒鉛、高配向性グラファイト、メソカーボンマイクロビーズ、ハードカーボン、ソフトカーボン等のカーボン、リチウム、ナトリウム等のアルカリ金属、金属化合物、SiOx(0.5≦x≦1.5)等の金属酸化物またはホウ素添加炭素等が挙げられる。
【0021】
セパレータ10は、平面視矩形状を呈している。セパレータ10の形成材料としては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン系樹脂からなる多孔質フィルム、或いはポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、メチルセルロース等からなる織布または不織布等が例示される。
【0022】
以上のように構成された蓄電装置1を製造する場合は、まずセパレータ付き正極11及び負極9を製作した後、セパレータ付き正極11と負極9とを交互に積層し、積層体を形成する。この積層体を加圧することでセパレータ付き正極11及び負極9を密着させた後、セパレータ付き正極11及び負極9を固定することで電極組立体3を得る。そして、セパレータ付き正極11のタブ14bを導電部材12を介して正極端子4に接続すると共に、負極9のタブ16bを導電部材13を介して負極端子5に接続した後、電極組立体3をケース2内に収容する。
【0023】
次に、図3図5を参照して、本発明の実施形態に係る電極積層装置300について説明する。図3は、電極積層装置300を示す側面図(一部断面を含む)である。図4は、電極積層装置300の支持部の構成を示す図である。図5は、電極積層装置300の平面図である。
【0024】
電極積層装置300は、正極搬送ユニット301(反転装置)と、負極搬送ユニット302(反転装置)と、正極供給用コンベア303(供給装置)と、負極供給用コンベア304(供給装置)と、積層ユニット305とを備えている。また、電極積層装置300は、電極供給センサ306,307と、積層位置センサ308,309とを備えている。
【0025】
正極搬送ユニット301は、セパレータ付き正極11を貯めながら順次搬送するユニットである。正極搬送ユニット301は、その構造上、正極供給用コンベア303から供給されるセパレータ付き正極11を反転させる反転装置として機能する。正極搬送ユニット301は、循環部材310と、複数の支持部311と、駆動部312とを有している。循環部材310は、上下方向に延びるループ状の部材であり、上昇した後に下降する循環経路を形成するように循環する外周面310aを有する。複数の支持部311は、循環部材310の外周面310aの循環方向D1に沿って外周面310aに所定間隔で設けられる。複数の支持部311は、外周面310aが上昇する上昇区間において正極供給用コンベア303により供給されるセパレータ付き正極11を受け取り、当該セパレータ付き正極11を支持する。駆動部312は、循環部材310を駆動する。
【0026】
循環部材310は、例えば無端状のベルトで構成されている。循環部材310は、図示しない支持フレームを介し、上下方向に離間して配置された2つのローラに架け渡され、各ローラの回転に伴って連れ回る。このように循環部材310が回転(周回)することで、各支持部311が循環移動する。また、循環部材310は、支持フレーム及び2つのローラと共に上下方向に移動可能である。なお、循環部材310とローラの位相のずれを防止する為には、循環部材310を歯付きのベルトとし、ローラをプーリとしてもよい。
【0027】
駆動部312は、循環部材310を回転させると共に、循環部材310を上下方向に移動させる。例えば、駆動部312は、特に図示はしないが、ローラを回転させることで循環部材310を回転(周回)させる回転用モータと、昇降機構(図示せず)を介して循環部材310を上下方向に移動させる昇降用モータとを有してもよい。このとき、駆動部312は、循環部材310を電極積層装置300の前側(図3の紙面表側)から見て時計回りに回転させる。従って、正極供給用コンベア303側の支持部311は循環部材310に対して上昇し、積層ユニット305側の支持部311は循環部材310に対して下降する。なお、駆動部312は、他の駆動機構でも実現できる。例えば、特開平05−201529号公報等に開示された駆動機構が用いられてもよい。この場合、駆動機構は、正極供給用コンベア303側に配置され、支持部311とともに循環部材310を上昇させる上昇用モータと、積層ユニット305側に配置され、支持部311とともに循環部材310を下降させる下降用モータと、を有する。上昇用モータの回転数が下降用モータの回転数と等しい場合には、循環部材310は上下動することなく循環する。下降用モータが停止し、上昇用モータのみ回転する場合には、積層ユニット305側の支持部311は停止した状態のまま、正極供給用コンベア303側の支持部311は上昇する。このとき、循環部材310全体も上昇する。このように動作する駆動機構は公知であるため、これ以上の説明を省略する。
【0028】
図4の(a)は、セパレータ付き正極11が支持された状態の支持部311の側面図であり、図4の(b)は、図4の(a)のb−b線に沿った断面図である。図4に示されるように、支持部311は、底壁311aと、側壁311bとを有する断面L字状の部材である。底壁311aは、循環部材310の外周面310aに取り付けられる矩形板状部材である。側壁311bは、循環部材310の循環方向D1における後側の底壁311aの端部に立設された矩形板状部材である。側壁311bは、セパレータ付き正極11を支持する支持面をなす。セパレータ付き正極11の幅方向の長さは、側壁311bの幅方向の長さよりも長い。このため、セパレータ付き正極11は、セパレータ付き正極11の幅方向(Y方向)における両端部が側壁311bよりも外側にはみ出した状態で、支持部311に支持される。
【0029】
図4の(a)に示されるように、底壁311aによって、隣り合う2つの支持部311(側壁311b)同士の間隔が規定される。すなわち、支持部311が平行移動する非旋回区間(すなわち、直線的に上昇する上昇区間又は下降する下降区間)においては、隣り合う支持部311(側壁311b)同士は平行となり、隣り合う支持部311の側壁311b同士の距離は、底壁311aの循環方向D1に沿った長さと一致する。図4の(b)に示されるように、本実施形態では一例として、側壁311bは、二股状に形成されている。ただし、側壁311bの形状は、セパレータ付き正極11を支持可能な形状であれば何でもよい。底壁311a及び側壁311bは、例えばステンレス鋼等の金属により一体的に形成されている。
【0030】
支持部311の基端部(本実施形態では底壁311aに沿った部分)には、スポンジ等の緩衝材100が設けられている。正極供給用コンベア303から支持部311に供給されるセパレータ付き正極11は、正極供給用コンベア303の搬送速度が高速の場合、緩衝材100に衝突することになるが、緩衝材100によって衝突の衝撃が緩和される。すなわち、緩衝材100は、支持部311がセパレータ付き正極11を受け取る際におけるセパレータ付き正極11への衝撃を緩和する衝撃緩和部として機能する。その結果、セパレータ付き正極11が支持部311に供給される際において、セパレータ付き正極11の正極活物質層15の損傷を抑制することができる。
【0031】
負極搬送ユニット302は、負極9を貯めながら順次搬送するユニットである。負極搬送ユニット302は、その構造上、負極供給用コンベア304から供給される負極9を反転させる反転装置として機能する。負極搬送ユニット302は、循環部材313と、複数の支持部314と、駆動部315とを有している。循環部材313は、上下方向に延びるループ状の部材であり、上昇した後に下降する循環経路を形成するように循環する外周面313aを有する。複数の支持部314は、循環部材313の外周面313aの循環方向D2に沿って外周面313aに所定間隔で設けられる。複数の支持部314は、外周面313aが上昇する上昇区間において負極供給用コンベア304により供給される負極9を受け取り、当該負極9を支持する。駆動部315は、循環部材313を駆動する。支持部314及び支持部314に設けられる緩衝材の構成は、支持部311及び緩衝材100と同様である。当該緩衝材により、負極9が支持部314に供給される際に、負極9の損傷(例えば負極活物質層17の剥離)を抑制することができる。
【0032】
循環部材313は、上記の循環部材310と同様に、例えば無端状のベルトで構成されている。循環部材313は、図示しない支持フレームを介し、上下方向に離間して配置された2つのローラに架け渡され、各ローラの回転に伴って連れ回る。このように循環部材313が回転(周回)することで、各支持部314が循環移動する。また、循環部材313は、支持フレーム及び2つのローラと共に上下方向に移動可能である。
【0033】
駆動部315は、循環部材313を回転させると共に、循環部材313を上下方向に移動させる。例えば、駆動部315は、特に図示はしないが、ローラを回転させることで循環部材313を回転(周回)させる回転用モータと、昇降機構(図示せず)を介して循環部材313を上下方向に移動させる昇降用モータとを有している。このとき、駆動部315は、循環部材313を電極積層装置300の前側(図3の紙面表側)から見て反時計回りに回転させる。従って、負極供給用コンベア304側の支持部314は循環部材313に対して上昇し、積層ユニット305側の支持部314は循環部材313に対して下降する。なお、駆動部315は、上述した駆動部312と同様に、他の駆動機構でも実現できる。
【0034】
正極供給用コンベア303は、セパレータ付き正極11を正極搬送ユニット301に向けて水平方向に搬送し、正極搬送ユニット301の支持部311にセパレータ付き正極11を供給する。正極供給用コンベア303は、正極供給用コンベア303の循環方向に沿って等間隔に設けられた複数の爪部303aを有する。爪部303aは、上記循環方向に直交する方向に延び、セパレータ付き正極11の搬送方向後方の端部に当接する。これにより、セパレータ付き正極11は、正極搬送ユニット301に対して一定の間隔で供給されるようになっている。
【0035】
負極供給用コンベア304は、負極9を負極搬送ユニット302に向けて水平方向に搬送し、負極搬送ユニット302の支持部314に負極9を供給する。負極供給用コンベア304は、負極供給用コンベア304の循環方向に沿って等間隔に設けられた複数の爪部304aを有する。爪部304aは、上記循環方向に直交する方向に延び、負極9の搬送方向後方の端部に当接する。これにより、負極9は、負極搬送ユニット302に対して一定の間隔で供給されるようになっている。
【0036】
正極供給用コンベア303から正極搬送ユニット301の支持部311に移載されたセパレータ付き正極11は、循環部材310の回転によって一旦上昇してから下降するように循環移動する。このとき、循環部材310の上部においてセパレータ付き正極11の表裏が反転する。負極供給用コンベア304から負極搬送ユニット302の支持部314に移載された負極9は、循環部材313の回転によって一旦上昇してから下降するように循環移動する。このとき、循環部材313の上部において負極9の表裏が反転する。
【0037】
積層ユニット305は、正極搬送ユニット301と負極搬送ユニット302との間に配置されている。積層ユニット305は、一例として、上下方向に延びるループ状の循環部材(不図示)と、この循環部材の外周面に取り付けられ、セパレータ付き正極11及び負極9が交互に積層される複数の積層部316と、循環部材を駆動する駆動部(不図示)とを有している。
【0038】
積層部316は、セパレータ付き正極11及び負極9が載置されるプレート状の基台を有している。基台は、水平方向に広がる板状の構成を有している。これによって、積層部316の上面にセパレータ付き正極11及び負極9が交互に積層される。
【0039】
積層ユニット305と正極搬送ユニット301との間には、上下方向に延びる壁部317が配置されている。壁部317には、後述する押出ユニット321により押し出されたセパレータ付き正極11が通過する複数(ここでは9つ)のスリット318が設けられている。各スリット318は、上下方向に等間隔で配置されている。なお、本実施形態では一例として、スリット318の上側部分は、正極搬送ユニット301側から積層部316側に向かって下方に傾斜する傾斜面となっている。また、スリット318の下側部分は、正極搬送ユニット301側から積層部316側に向かって上方に傾斜する傾斜面となっている。これにより、セパレータ付き正極11を積層部316へと適切に案内するとともに、スリット318における入口側(正極搬送ユニット301側)の開口部分を大きくすることができる。その結果、押出ユニット321により押し出されるセパレータ付き正極11の高さ位置に多少のずれが生じても、スリット318にセパレータ付き正極11を通過させることが可能となる。
【0040】
積層ユニット305と負極搬送ユニット302との間には、上下方向に延びる壁部319が配置されている。壁部319には、後述する押出ユニット322により押し出された負極9が通過する複数(ここでは9つ)のスリット320が設けられている。各スリット320の高さ位置は、各スリット318の高さ位置と同じである。なお、本実施形態では一例として、スリット320の上側部分は、負極搬送ユニット302側から積層部316側に向かって下方に傾斜する傾斜面となっている。また、スリット320の下側部分は、負極搬送ユニット302側から積層部316側に向かって上方に傾斜する傾斜面となっている。これにより、負極9を積層部316へと適切に案内するとともに、スリット320における入口側(負極搬送ユニット302側)の開口部分を大きくすることができる。その結果、押出ユニット322により押し出される負極9の高さ位置に多少のずれが生じても、スリット320に負極9を通過させることが可能となる。
【0041】
スリット318を通過したセパレータ付き正極11、及びスリット320を通過した負極9は、壁部317と壁部319との間で位置決めされる。壁部317と壁部319との間隔は、スリット318を通過したセパレータ付き正極11及び負極9の横幅に対し、僅かに大きく設定される。セパレータ付き正極11の横幅とは、両側の側縁11d間の寸法であり、負極9の横幅とは、両側の側縁9d間の寸法である(図5参照)。なお、前述する横幅は、製造誤差を見込んだ設計上の最大値を意味する。
【0042】
また、電極積層装置300は、押出ユニット321と、押出ユニット322とを備えている。
【0043】
押出ユニット321は、セパレータ付き正極11を積層する積層エリアにおいて、複数(ここでは9つ)のセパレータ付き正極11を上下複数段(ここでは上下9段)の積層部316に向けて同時に押し出すことにより、9つのセパレータ付き正極11を9段の積層部316に同時に積層する。押出ユニット321は、9つのセパレータ付き正極11を一緒に押す1対の押し部材321a(押出部)と、この押し部材321aを9段の積層部316側に移動させる駆動部44(図5参照)とを有している。この駆動部44は、例えばモータ及びリンク機構から構成されている。押出ユニット321は、循環部材310とは独立し、壁部317のスリット318に対し、高さが変わらないように駆動部44が固定されている。
【0044】
押出ユニット322は、負極9を積層する積層エリアにおいて、複数(ここでは9つ)の負極9を複数段(ここでは上下9段)の積層部316に向けて同時に押し出すことにより、9つの負極9を9段の積層部316に同時に積層する。押出ユニット322は、9つの負極9を一緒に押す1対の押し部材322a(押出部)と、この押し部材322aを9段の積層部316側に移動させる駆動部46(図5参照)とを有している。この駆動部46の構成は、押出ユニット321の駆動部と同様である。押出ユニット322は、循環部材313とは独立し、壁部319のスリット320に対し、高さが変わらないように駆動部46が固定されている。なお、押出ユニット321,322の駆動部としては、シリンダ等を有していてもよい。
【0045】
また、図5に示されるように、電極積層装置300は、セパレータ付き正極11の底縁11cの位置を揃える位置決めユニット47と、負極9の底縁9cの位置を揃える位置決めユニット48とを備えている。位置決めユニット47,48は、セパレータ付き正極11及び負極9を積層する積層エリアに配置されている。セパレータ付き正極11の底縁11cは、セパレータ付き正極11におけるタブ14b側とは反対側の縁である。負極9の底縁9cは、負極9におけるタブ16b側とは反対側の縁である。
【0046】
位置決めユニット47は、正極搬送ユニット301の前側(図3の紙面表側)に配置され、セパレータ付き正極11の底縁11cと当接する受け部49と、正極搬送ユニット301の後側に配置され、セパレータ付き正極11を受け部49に対して押圧する押圧部50とを有している。受け部49には、複数のフリーローラが並んで設けられている。なお、受け部49は、表面が滑りやすい樹脂で形成されていてもよい。
【0047】
押圧部50は、セパレータ付き正極11を押す押し板51と、この押し板51を受け部49側に移動させる駆動部52とを有している。駆動部52は、例えばシリンダを有している。押し板51は、シリンダのピストンロッドの先端に固定されている。押し板51には、セパレータ付き正極11のタブ14bを逃がすためのスリット51aが設けられている。
【0048】
位置決めユニット48は、負極搬送ユニット302の前側(図3の紙面表側)に配置され、負極9の底縁9cと当接する受け部53と、負極搬送ユニット302の後側に配置され、負極9を受け部53に対して押圧する押圧部54とを有している。受け部53の構造は、受け部49と同様である。押圧部54は、負極9を押す押し板55と、この押し板55を受け部53側に移動させる駆動部56とを有している。押し板55には、負極9のタブ16bを逃がすためのスリット55aが設けられている。駆動部56の構成は、駆動部52と同様である。
【0049】
また、図3に示すように、電極積層装置300は、コントローラ350を備えている。コントローラ350は、CPU、RAM、ROM及び入出力インターフェース等から構成されている。コントローラ350は、上述した駆動部312,315を制御する搬送制御部と、積層ユニット305の駆動部を制御する積層制御部と、押出ユニット321の駆動部及び押出ユニット322の駆動部を制御する押出制御部と、を有している。また、コントローラ350は、電極供給センサ306,307及び積層位置センサ308,309と接続されており、これらのセンサからの検知信号を受信可能となっている。コントローラ350は、各センサからの検知信号、及びROMに保存されたプログラムに基づき制御内容を決定し、各制御部を介して、各駆動部を駆動制御する。
【0050】
電極供給センサ306は、正極供給用コンベア303の正極搬送ユニット301側の端部付近に配置され、爪部303a又はセパレータ付き正極11の有無を検知する。電極供給センサ306は、爪部303a又はセパレータ付き正極11の有無を示す検知信号を定期的にコントローラ350に送信する。
【0051】
電極供給センサ307は、負極供給用コンベア304の負極搬送ユニット302側の端部付近に配置され、爪部304a又は負極9の有無を検知する。電極供給センサ307は、爪部304a又は負極9の有無を示す検知信号を定期的にコントローラ350に送信する。
【0052】
積層位置センサ308は、セパレータ付き正極11を支持した支持部311が予め定められた積層位置(例えば、積層ユニット305の最下段の積層部316に対応するスリット318の下端位置)に到達したことを検知する。積層位置センサ308は、循環部材310の上下動とは独立しており、積層位置センサ308の高さ位置は、スリット318に対して固定されている。積層位置センサ308は、セパレータ付き正極11を支持した支持部311が積層位置に到達したことを検知すると、その旨を示す検知信号をコントローラ350に送信する。
【0053】
積層位置センサ309は、負極9を支持した支持部314が予め定められた積層位置(例えば、積層ユニット305の最下段の積層部316に対応するスリット320の下端位置)に到達したことを検知する。積層位置センサ309は、循環部材313の上下動とは独立しており、積層位置センサ309の高さ位置は、スリット320に対して固定されている。積層位置センサ309は、負極9を支持した支持部314が積層位置に到達したことを検知すると、その旨を示す検知信号をコントローラ350に送信する。
【0054】
正極搬送ユニット301及び負極搬送ユニット302は、上述したような循環部材310,313の駆動について、上下動及び循環を別個に制御することにより、正極供給用コンベア303又は負極供給用コンベア304から一定の周期で電極を受け取りつつ、積層部316に対しては、より長い周期で支持部311,314を相対的に停止させることができる。これにより、複数の電極(ここでは9枚の電極)を同時に、且つ、正極供給用コンベア303又は負極供給用コンベア304の供給速度より遅い速度で排出するといった制御が可能となっている。
【0055】
次に、正極搬送ユニット301の支持部311に設けられた緩衝材100の詳細について説明する。まず、図6を参照して、比較例に係る緩衝材500の構成を説明する。図6は、比較例に係る緩衝材500を備えた正極搬送ユニットの旋回部(旋回区間S1を含む部分)の拡大図である。旋回区間S1は、循環経路のうち支持部311が旋回移動する区間である。上述の通り、非旋回区間(上昇区間又は下降区間)においては、隣り合う支持部311同士は互いに平行となり、隣り合う支持部311同士の間隔は最小となる。一方、図6に示されるように、循環部材310が曲線状(円弧状)に移動する旋回区間S1においては、隣り合う支持部311同士は0°より大きい所定の角度を成し、隣り合う支持部311同士の間隔は最大となる。
【0056】
ここで、緩衝材500は、各支持部311の底壁311aの内側表面に設けられている。具体的には、緩衝材500は、非旋回区間において隣り合う支持部311同士の間に隙間を生じないように、1つの支持部311の底壁311aと同じ厚みを有する直方体状に形成されている。しかし、図6に示されるように、旋回区間S1においては、正極供給用コンベア303がセパレータ付き正極11を供給する供給方向(X方向)及び鉛直方向(Z方向)に交差する幅方向(Y方向)から見て、緩衝材500と支持部311(側壁311b)との間に隙間Gが生じてしまう。ここで、隙間Gは、幅方向に延在する空間であり、セパレータ付き正極11の一部が入り込む可能性のある空間である。このため、旋回区間S1において重力によって前方の支持部311に乗り移ったセパレータ付き正極11の一部が、上記隙間Gに挟まってしまい、損傷するおそれがある。また、隙間Gに挟まってしまったセパレータ付き正極11の位置ずれを位置決めユニット47によっても修正できず、当該セパレータ付き正極11を正常に排出できないおそれもある。
【0057】
そこで、本実施形態に係る緩衝材100は、セパレータ付き正極11が隙間Gに挟まることを抑制するための構成を備えている。具体的には、緩衝材100は、隣り合う第1支持部311A及び第2支持部311Bのうち第1支持部311Aに設けられた第1緩衝材110と第2支持部311Bに設けられた第2緩衝材120とを有する。第1支持部311Aは、第2支持部311Bよりも循環方向D1における前方に位置する支持部311である。第1緩衝材110及び第2緩衝材120は、幅方向(Y方向)において互いに異なる位置に配置されている。第1緩衝材110及び第2緩衝材120は、非旋回区間(上昇区間又は下降区間)において、幅方向から見て互いに重なる部分を有する。
【0058】
図7の(a)は、非旋回区間(例えば上昇区間)における支持部311及び緩衝材100の位置関係を表した図である。図7の(b)は、旋回区間S1における支持部311及び緩衝材100の位置関係を表した図である。同図に示されるように、第1支持部311A及び第2支持部311Bの間に設けられる緩衝材100は、幅方向に4等分に分割されている。分割された4つの緩衝材のうちの2つが第1緩衝材110であり、残りの2つが第2緩衝材120である。この例では、第1緩衝材110及び第2緩衝材120が幅方向に沿って交互に配置されている。2つの第1緩衝材110は、第1支持部311Aの第2支持部311B側の側面(すなわち、第1支持部311Aの側壁311bの外側面)に設けられている。2つの第2緩衝材120は、第2支持部311Bの第1支持部311A側の側面(すなわち、第2支持部311Bの側壁311bの内側面)に設けられている。第1緩衝材110及び第2緩衝材120は、例えば接着等により各側壁311bに設けられている。
【0059】
図7の(b)に示されるように、旋回区間S1においては、第1支持部311Aと第2支持部311Bとの間隔が非旋回区間よりも大きくなる。このとき、第1緩衝材110は第1支持部311Aの側壁311bと共に移動し、第2緩衝材120は第2支持部311Bの側壁311bと共に移動する。
【0060】
図8は、正極搬送ユニット301の旋回部(旋回区間S1を含む部分)の拡大図である。図8に示されるように、第1緩衝材110と第2緩衝材120とは、旋回区間S1において、互いに重なる部分が非旋回区間よりも小さくなるように、互いに逆の方向に相対的に移動することになる。これにより、第1緩衝材110と第1支持部311A(前方の支持部311)との間に隙間が生じることを防止できると共に、第2緩衝材120と第2支持部311B(後方の支持部311)との間に隙間が生じることも防止できる。さらに、非旋回区間において、幅方向(Y方向)から見て、第1緩衝材110と第2緩衝材120とが互いに重なる部分の大きさが十分であれば、旋回区間S1において、第1緩衝材110と第2緩衝材120との間にも隙間が生じない。その結果、旋回区間S1において、比較例(図6参照)のようにセパレータ付き正極11が隙間Gに挟まることを抑制し、セパレータ付き正極11の損傷又は位置ずれを抑制できる。
【0061】
以上述べた正極搬送ユニット301は、正極供給用コンベア303から供給されるセパレータ付き正極11を反転させる反転装置である。正極搬送ユニット301は、上昇区間と旋回区間S1と下降区間とを含む循環経路を形成するように循環する循環部材310と、循環経路に沿って外周面310aに所定間隔で設けられ、正極供給用コンベア303により供給されるセパレータ付き正極11を受け取って支持する複数の支持部311と、支持部311の基端部(底壁311a側の部分)に設けられ、支持部311によるセパレータ付き正極11の受取時にセパレータ付き正極11が受ける衝撃を緩和する緩衝材100と、を備える。緩衝材100は、隣り合う第1支持部311A及び第2支持部311Bのうち第1支持部311Aに設けられた第1緩衝材110と第2支持部311Bに設けられた第2緩衝材120とを有する。第1緩衝材110及び第2緩衝材120は、幅方向(Y方向)において互いに異なる位置に配置されている。非旋回区間(上昇区間又は下降区間)において、第1緩衝材110及び第2緩衝材120は、幅方向から見て互いに重なる部分を有する。
【0062】
この反転装置では、隣り合う第1支持部311A及び第2支持部311Bに設けられた第1緩衝材110及び第2緩衝材120は、非旋回区間において、幅方向(Y方向)から見て互いに重なる部分を有している。このため、旋回区間S1においては、上記重なる部分の少なくとも一部が解消し、幅方向から見て第1緩衝材110及び第2緩衝材120が占める領域が非旋回区間よりも増大する。このように増大する領域により、支持部311と緩衝材100との間に隙間Gが生じることを抑制することができる。その結果、支持部311と緩衝材100との間にセパレータ付き正極11が挟まれてしまうことを抑制でき、セパレータ付き正極11の損傷又は位置ずれを抑制できる。
【0063】
第1緩衝材110は、第1支持部311Aの第2支持部311B側の側面に設けられている。第2緩衝材120は、第2支持部311Bの第1支持部311A側の側面に設けられている。この場合、第1緩衝材110によって第1支持部311Aと緩衝材100との間の隙間の発生が確実に防止されると共に、第2緩衝材120によって第2支持部311Bと緩衝材100との間の隙間の発生が確実に防止される。
【0064】
また、上述した正極搬送ユニット301の支持部311及び緩衝材100と同様の支持部314及び緩衝材を有する負極搬送ユニット302も、正極搬送ユニット301と同様の効果を奏する。
【0065】
次に、図9及び図10を参照して、変形例に係る正極搬送ユニット301Aについて説明する。正極搬送ユニット301Aは、緩衝材100の代わりに緩衝材200を備える点で、正極搬送ユニット301と異なり、その他の構成については正極搬送ユニット301と同様である。
【0066】
図9に示されるように、正極搬送ユニット301Aにおいては、緩衝材200は、緩衝材210と、第1緩衝材220と、第2緩衝材230と、を有する。緩衝材210は、隣り合う支持部311(側壁311b)間に設けられる直方体状の緩衝材(上述した比較例に係る緩衝材500と同様の緩衝材)である。本変形例では、側壁311bの幅方向(Y方向)の長さは、底壁311aよりも短くなっている。すなわち、底壁311aの幅方向における両端部分は、側壁311bの縁部よりも外側にはみ出している。第1緩衝材220及び第2緩衝材230は、セパレータ付き正極11の両端部(側壁311bよりも幅方向における外側にはみ出した部分)に当接するように、底壁311aの側壁311bよりも幅方向における外側の部分に設けられた緩衝材である。1つの支持部311には、緩衝材210と、第1緩衝材220及び第2緩衝材230のいずれか一方と、が設けられている。第1緩衝材220が設けられる第1支持部311Aと第2緩衝材230が設けられる第2支持部311Bとは、交互に配置される。
【0067】
図10は、正極搬送ユニット301Aの旋回部(旋回区間S1を含む部分)の拡大図である。図10に示されるように、第1緩衝材220及び第2緩衝材230は、いずれも幅方向に直交する方向に延在する板状に形成されている。第1緩衝材220は、幅方向から見て、隣り合う支持部311(側壁311b)同士の間隔よりも大きい高さ幅Hを有する矩形状の部分221と、当該部分221と底壁311aとを接続する台形状の部分222と、を有する。部分222は、部分221に接続される部分から底壁311aに接続される部分に向かって高さ幅が小さくなるように設けられた斜辺部222aを有する。また、図9に示されるように、側壁311bの延在方向における第1緩衝材220の長さは、同方向における緩衝材200の長さと同一となっている。
【0068】
第1緩衝材220及び第2緩衝材230は、セパレータ付き正極11の幅方向における両端部に対応して、底壁311aの幅方向における両側に1つずつ設けられている。1対の第1緩衝材220は、1対の第2緩衝材230と干渉しないように、1対の第2緩衝材230よりも幅方向における外側に設けられている。また、1対の第1緩衝材220及び1対の第2緩衝材230は、上述した1対の押し部材321a(押出部)と干渉しないように、当該1対の押し部材321aと幅方向において互いに異なる位置に配置されている。例えば、押し部材321aは、第1緩衝材220及び第2緩衝材230よりも幅方向外側に配置されており、セパレータ付き正極11を押すことが可能になっている。
【0069】
図10に示されるように、非旋回区間において、隣り合う2つの支持部311に設けられた第1緩衝材220及び第2緩衝材230は、幅方向(Y方向)から見て互いに重なる部分を有する。つまり、第1緩衝材220及び第2緩衝材230はいずれも、非旋回区間において隣り合う2つの支持部311間の距離よりも十分に大きい高さ幅Hを有している。このため、旋回区間S1において隣り合う支持部311同士の間隔が非旋回区間よりも広がり、支持部311と緩衝材210との間に隙間が生じたとしても、幅方向から見て、第1緩衝材220又は第2緩衝材230が当該隙間に重なることになる。これにより、セパレータ付き正極11の幅方向における両端部が第1緩衝材220又は第2緩衝材230によって支えられ、セパレータ付き正極11が上記隙間に挟まることを防止できる。
【0070】
第1緩衝材220又は第2緩衝材230の高さ幅Hは、例えば、セパレータ付き正極11が上記隙間に挟まることを確実に防止できるように設定される。例えば、高さ幅Hについての要件は、下記式(1)により定められる。下記式(1)において、θは、旋回区間S1において隣り合う支持部311同士がなす角度である。H1は、底壁311aの高さ(すなわち、非旋回区間において隣り合う支持部311の側壁311b間の距離)である。Lは、側壁311bの延在方向における第1緩衝材220又は第2緩衝材230の長さである。Tは、底壁311aの厚さである。
H≧H1+(L+T)×tanθ ・・・(1)
【0071】
以上述べた正極搬送ユニット301Aでは、第1緩衝材220が設けられる第1支持部311Aと第2緩衝材230が設けられる第2支持部311Bとは、交互に配置されている。支持部311は、循環部材310に取り付けられる底壁311aと、底壁311aの端部に立設され、底壁311aよりも幅方向(Y方向)の長さが短く、セパレータ付き正極11の支持面をなす側壁311bと、を有する。セパレータ付き正極11は、セパレータ付き正極11の幅方向における両端部が側壁311bよりも外側にはみ出した状態で、支持部311に支持されている。第1緩衝材220及び第2緩衝材230は、セパレータ付き正極11の両端部に当接するように、底壁311aの側壁311bよりも幅方向における外側の部分に設けられる。この場合、セパレータ付き正極11の側壁311bよりも幅方向外側にはみ出した部分に当接するように複数の支持部311に交互に配置された第1緩衝材220及び第2緩衝材230により、セパレータ付き正極11が支持部311と緩衝材210との間の隙間に挟まることを防止できる。
【0072】
また、正極搬送ユニット301Aは、支持部311に支持されたセパレータ付き正極11の幅方向(Y方向)における両端部を押すことにより、セパレータ付き正極11を排出する押し部材321aを備えている。そして、第1緩衝材220及び第2緩衝材230は、幅方向(Y方向)において押し部材321aと互いに異なる位置に配置されている。この場合、第1緩衝材220及び第2緩衝材230と押し部材321aとの干渉を適切に防止できる。押し部材321aが第1緩衝材220及び第2緩衝材230と干渉しないことにより、セパレータ付き正極11が上記隙間に挟まることを防止しつつ、押し部材321aによるセパレータ付き正極11の排出動作を適切に行うことができる。
【0073】
また、上述した正極搬送ユニット301Aの支持部311及び緩衝材200と同様の支持部314及び緩衝材を負極搬送ユニット302が有する場合には、負極搬送ユニットも302も、正極搬送ユニット301Aと同様の効果を奏する。
【0074】
以上、本発明の実施形態及びその変形例について説明したが、本発明は上記実施形態又は上記変形例に限定されない。
【0075】
図11の(a)は、第1緩衝材220及び第2緩衝材230の変形例(第1緩衝材220A及び第2緩衝材230A)を示している。この変形例では、第1緩衝材220A及び第2緩衝材230Aは、互いに干渉しないように、幅方向(Y方向)に傾斜している。図11の(a)に示されるように、第1緩衝材220A及び第2緩衝材230Aは、同様の構成を有してもよい。すなわち、底壁311aの端部において第1緩衝材220Aが設けられる位置及び第1緩衝材220Aの傾斜角度は、底壁311aの端部において第2緩衝材230Aが設けられる位置及び第2緩衝材230Aの傾斜角度と同じであってもよい。また、この例では、第1緩衝材220A及び第2緩衝材230Aは、下部よりも上部が幅方向外側に位置するように傾斜しているが、下部よりも上部が幅方向内側に位置するように傾斜していてもよい。
【0076】
例えば、上記実施形態では、シート状のワークの具体例として電極(負極9又はセパレータ付き正極11)について説明したが、電極以外の物品が反転対象とされてもよい。また、上記実施形態では、反転装置の具体例として、電極積層のために電極を搬送する搬送ユニット(正極搬送ユニット301又は負極搬送ユニット302)を説明したが、本発明の反転装置は、例えば検査工程及び乾燥工程等のように搬送工程以外の工程に利用される装置であってもよい。
【0077】
また、上記実施形態では、緩衝材100が2つの直方体状の第1緩衝材110と2つの直方体状の第2緩衝材120とに4等分される例について説明したが、第1緩衝材及び第2緩衝材の個数及び形状は、上記例に限られない。例えば、緩衝材100を2等分し、一方を第1緩衝材とし、他方を第2緩衝材としてもよい。あるいは、第1緩衝材又は第2緩衝材は、それぞれ3つ以上であってもよい。
【0078】
また、上記変形例では、ある支持部311の底壁311aに設けられた第1緩衝材220及び第2緩衝材230が、当該支持部311よりも循環方向D1における前方に向かって延在する例について説明した(図10参照)。しかし、ある支持部311の底壁311aに設けられた第1緩衝材220及び第2緩衝材230は、当該支持部311よりも循環方向D1における後方に向かって延在するように設けられてもよい。あるいは、ある支持部311の底壁311aに設けられた第1緩衝材220及び第2緩衝材230は、当該支持部311よりも循環方向D1における前方及び後方の両方に延在するように設けられてもよい。
【0079】
また、上記実施形態及び変形例では、幅方向から見て、上述した隙間Gが第1緩衝材又は第2緩衝材によって完全に埋められる(すなわち、隙間Gにセパレータ付き正極11が挟まることが確実に防止される)例について説明した。しかし、上述した隙間Gは、第1緩衝材又は第2緩衝材によって完全に埋められなくてもよい。この場合、隙間Gにセパレータ付き正極11が挟まる可能性を完全に0にすることはできないものの、第1緩衝材又は第2緩衝材によって隙間Gを小さくすることができるため、隙間Gにセパレータ付き正極11が挟まる可能性を低減することができる。
【0080】
また、上記実施形態及び変形例では、緩衝材100,210は支持部311の基端部(底壁311aに沿った部分)に設けられていた。しかし、緩衝材100,210は、衝撃吸収が可能な厚みがあれば、必ずしも基端部に設けられなくともよい。例えば、図11の(b)に示されるように、セパレータ付き正極11の横幅(両側の側縁11d間の寸法(図5参照))が支持部311の側壁311bの長さ(幅方向(Y方向)に直交する方向の長さ)よりも短い場合には、緩衝材100,210は底壁311aから離れた位置に設けられてもよい。同様に、負極9の横幅(両側の側縁9d間の寸法(図5参照))が支持部314の側壁の長さ(幅方向に直交する方向の長さ)よりも短い場合には、緩衝材100,210は支持部314の底壁から離れた位置に設けられてもよい。
【符号の説明】
【0081】
9…負極、11…セパレータ付き正極、100,200…緩衝材、110,220,220A…第1緩衝材、120,230,230A…第2緩衝材、301…正極搬送ユニット(反転装置)、302…負極搬送ユニット(反転装置)、303…正極供給用コンベア(供給装置)、304…負極供給用コンベア(供給装置)、310,313…循環部材、310a,313a…外周面、311,314…支持部、311A…第1支持部、311B…第2支持部、311a…底壁、311b…側壁、D1,D2…循環方向、S1…旋回区間。
図1
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図11