特開2018-203431(P2018-203431A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-203431(P2018-203431A)
(43)【公開日】2018年12月27日
(54)【発明の名称】産業車両のリフト装置
(51)【国際特許分類】
   B66F 9/08 20060101AFI20181130BHJP
【FI】
   B66F9/08 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-109133(P2017-109133)
(22)【出願日】2017年6月1日
(71)【出願人】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】小川 博
【テーマコード(参考)】
3F333
【Fターム(参考)】
3F333AA02
3F333AB14
3F333BD02
3F333CB02
3F333CB11
3F333CB16
3F333DA02
3F333DA04
3F333DB10
(57)【要約】
【課題】複数のホースの張力の調整作業を効率良く行うこと。
【解決手段】一対のカムプレート26は、カムプレート26の回転方向に延びるとともに一端30aから他端30bに向かうにつれて突出軸25の軸線L1からの直線距離が長くなる弧状部30を有している。一対のブラケット部21bには、弧状部30に係合可能なピン32が設けられている。一対のカムプレート26が突出軸25の軸線L1を回転中心として回転して、弧状部30におけるピン32との係合位置が、弧状部30の一端30aから他端30bの間で変更されることに伴って、一対の突出軸25が一対のブラケット部21bの長孔21hに沿って鉛直方向に移動する。よって、プーリ23が一対の突出軸25と共に鉛直方向に移動するため、プーリ23の鉛直方向の移動に伴って、プーリ23に掛装されている複数のホースの張力が同時に調整される。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
各種アタッチメントを駆動する油圧媒体を供給する複数のホースと、
前記複数のホースが掛装されるプーリと、
前記プーリから水平方向両側に突出する一対の突出軸と、
前記一対の突出軸がそれぞれ挿通されるとともに鉛直方向に延びる長孔を有する板状の一対のブラケット部と、
前記一対の突出軸に一体的にそれぞれ設けられるとともに前記突出軸の軸線を回転中心として回転可能な一対のカムプレートと、を備え、
前記一対のカムプレートは、前記カムプレートの回転方向に延びるとともに一端から他端に向かうにつれて前記突出軸の軸線からの直線距離が長くなる弧状部を有し、
前記一対のブラケット部には、前記弧状部に係合可能な係合部が設けられている産業車両のリフト装置。
【請求項2】
前記弧状部は、円弧状の複数の凹部が連続してなり、
前記係合部は、前記複数の凹部に係合可能な円柱状のピンである請求項1に記載の産業車両のリフト装置。
【請求項3】
前記弧状部は、前記カムプレートに形成された円弧状のガイド溝であり、
前記係合部は、前記ガイド溝に係合された状態で前記ブラケット部に螺着されるボルトである請求項1に記載の産業車両のリフト装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種アタッチメントを駆動する油圧媒体を供給する複数のホースが掛装されるプーリを備える産業車両のリフト装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、産業車両としてのフォークリフトは、リフトブラケットに各種アタッチメントを装着して作業を行う場合がある。この場合、各種アタッチメントを駆動する油圧媒体を供給する複数のホースが必要となる。
【0003】
例えば特許文献1のフォークリフトのリフト装置は、3段マスト式のフォークリフトのリフト装置であり、マスト間に立設された油圧シリンダのピストンロッドの上端には、ホース用の溝を有するプーリが軸支されている。そして、複数のホースの一部は、プーリの溝に掛装されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−20087号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、複数のホースは、プーリから外れることが無いように、適正な張力に調整された状態でプーリに掛装されている必要がある。しかしながら、ホースの張力の調整を1本ずつ行うと、複数のホースの張力の調整作業に時間が掛かってしまう。
【0006】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、複数のホースの張力の調整作業を効率良く行うことができる産業車両のリフト装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決する産業車両のリフト装置は、各種アタッチメントを駆動する油圧媒体を供給する複数のホースと、前記複数のホースが掛装されるプーリと、前記プーリから水平方向両側に突出する一対の突出軸と、前記一対の突出軸がそれぞれ挿通されるとともに鉛直方向に延びる長孔を有する板状の一対のブラケット部と、前記一対の突出軸に一体的にそれぞれ設けられるとともに前記突出軸の軸線を回転中心として回転可能な一対のカムプレートと、を備え、前記一対のカムプレートは、前記カムプレートの回転方向に延びるとともに一端から他端に向かうにつれて前記突出軸の軸線からの直線距離が長くなる弧状部を有し、前記一対のブラケット部には、前記弧状部に係合可能な係合部が設けられている。
【0008】
これによれば、一対のカムプレートが突出軸の軸線を回転中心として回転して、弧状部における係合部との係合位置が、弧状部の一端から他端の間で変更されることに伴って、一対の突出軸が一対のブラケット部の長孔に沿って鉛直方向に移動する。よって、プーリが一対の突出軸と共に鉛直方向に移動するため、プーリの鉛直方向の移動に伴って、プーリに掛装されている複数のホースの張力を同時に調整することができる。したがって、複数のホースの張力の調整作業を効率良く行うことができる。
【0009】
上記産業車両のリフト装置において、前記弧状部は、円弧状の複数の凹部が連続してなり、前記係合部は、前記複数の凹部に係合可能な円柱状のピンであるとよい。
これによれば、凹部にピンを係合させるだけで、カムプレートにおける突出軸の軸線を回転中心とした回転が規制されるため、プーリの鉛直方向の位置が調整し易く、プーリに掛装されている複数のホースの張力を調整し易くすることができる。
【0010】
上記産業車両のリフト装置において、前記弧状部は、前記カムプレートに形成された円弧状のガイド溝であり、前記係合部は、前記ガイド溝に係合された状態で前記ブラケット部に螺着されるボルトであるとよい。
【0011】
これによれば、ガイド溝に係合された状態でボルトをブラケット部に螺着することにより、カムプレートがボルトを介してブラケット部に固定され、カムプレートにおける突出軸の軸線を回転中心とした回転が規制される。よって、弧状部を複雑な形状にする必要が無く、カムプレートを容易に製造することができる。
【発明の効果】
【0012】
この発明によれば、複数のホースの張力の調整作業を効率良く行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】実施形態におけるフォークリフトのリフト装置を示す斜視図。
図2】リフト装置の一部を拡大して示す斜視図。
図3】プーリ周辺の縦断面図。
図4】プーリ周辺の斜視図。
図5】プーリ周辺の側面図。
図6】プーリ周辺の側面図。
図7】別の実施形態におけるプーリ周辺の側面図。
図8】プーリ周辺の側面図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、産業車両のリフト装置をフォークリフトのリフト装置に具体化した一実施形態を図1図6にしたがって説明する。
図1に示すように、フォークリフトのリフト装置10は、車体の前部に装着される左右一対のアウターマスト11と、左右一対のアウターマスト11の内側に配置される左右一対のミドルマスト12と、左右一対のミドルマスト12の内側に配置される左右一対のインナーマスト13と、を備えている。左右一対のミドルマスト12は、左右一対のアウターマスト11の内側で左右一対のアウターマスト11に沿って昇降する。左右一対のインナーマスト13は、左右一対のミドルマスト12の内側で左右一対のミドルマスト12に沿って昇降する。よって、本実施形態のリフト装置10は、3段マスト式である。
【0015】
左右一対のインナーマスト13には、左右一対のインナーマスト13と共に昇降するリフトブラケット14が支持されている。リフトブラケット14には、左右一対のフォーク15が装着されている。また、リフトブラケット14は、各種アタッチメントの着脱を可能とする。各種アタッチメントとしては、例えば、左右一対のフォーク15の左右動作、傾動動作、又は回転動作を可能とするアタッチメントがある。
【0016】
左右一対のミドルマスト12の後方には、油圧により作動するリヤシリンダ16が左右一対のアウターマスト11に沿ってそれぞれ配設されている。各リヤシリンダ16のピストンロッド16aの上端は、左右一対のミドルマスト12の上部とそれぞれ連結されている。
【0017】
また、左右一対のミドルマスト12の上部の後面には、図示しないリフトチェーン用プーリがそれぞれ設けられている。各リフトチェーン用プーリには、図示しないリフトチェーンが掛装されている。そして、各リヤシリンダ16のピストンロッド16aの駆動により、各リフトチェーンを介して左右一対のミドルマスト12が左右一対のアウターマスト11に沿って昇降するとともに、左右一対のインナーマスト13が左右一対のミドルマスト12に沿って昇降する。
【0018】
図2に示すように、左右一対のインナーマスト13の間の下部には、フロントシリンダ17が立設されている。フロントシリンダ17のピストンロッド17aの上端部には、左右一対のチェーン用プーリ18が装着されている。左右一対のチェーン用プーリ18には、チェーン19がそれぞれ掛装されている。各チェーン19の一端は、各インナーマスト13に連結されるとともに、各チェーン19の他端は、リフトブラケット14に連結されている。そして、フロントシリンダ17のピストンロッド17aの駆動により、チェーン19を介して、リフトブラケット14が左右一対のインナーマスト13に沿って昇降する。
【0019】
図3に示すように、ピストンロッド17aの上端面には支持部材20が取り付けられている。支持部材20は、取付部20a、一対の立設部20b、及び一対の延設部20cを有している。取付部20aは、ピストンロッド17aの上端面に取り付けられるとともに水平方向に延びる平板状である。一対の立設部20bは、取付部20aの両縁部から取付部20aに対して鉛直方向にそれぞれ立設される平板状である。一対の延設部20cは、一対の立設部20bにおける取付部20aとは反対側の縁部から立設部20bに対して互いに離間する方向へ水平方向に延びる平板状である。
【0020】
一対の延設部20cには、L字板状のブラケット21がそれぞれ取り付けられている。各ブラケット21は、取付部21a及びブラケット部21bを有している。取付部21aは、延設部20cに取り付けられるとともに延設部20cに沿って水平方向に延びる平板状である。ブラケット部21bは、取付部21aの縁部から取付部21aに対して鉛直方向に延びる平板状である。各ブラケット21のブラケット部21bには、鉛直方向に延びる長孔21hがそれぞれ形成されている。
【0021】
リフト装置10は、各種アタッチメントを駆動する油圧媒体を供給する複数のホース22と、複数のホース22が掛装されるプーリ23と、を備えている。本実施形態において、プーリ23には、4本のホース22が掛装されている。プーリ23は、両ブラケット21のブラケット部21bの間に配置されている。
【0022】
図4に示すように、プーリ23は、円筒部23aと、円筒部23aにおける軸方向の両端外縁部から円筒部23aの径方向外側にそれぞれ突出する円環状の一対のフランジ部23bと、を有している。そして、一対のフランジ部23bにおいて円筒部23aの軸方向で対向する両対向面23c、及び円筒部23aの外周面23dによって、複数のホース22の一部が掛装される溝23eが形成されている。
【0023】
図3に示すように、プーリ23の円筒部23aには、円柱状のシャフト24が貫通している。シャフト24は、円筒部23aの中央部を円筒部23aの軸方向に貫通している。シャフト24は水平方向に延びている。シャフト24の軸方向の両端部は、円筒部23aの軸方向両側(水平方向両側)に位置する両端面23fからそれぞれ突出している。そして、シャフト24の軸方向の両端部は、円筒部23aの両端面23fから突出する一対の突出軸25である。よって、リフト装置10は、プーリ23から水平方向両側に突出する一対の突出軸25を備えている。
【0024】
一対の突出軸25は、大径部25aと、大径部25aよりも外径が小径の小径部25bと、大径部25aと小径部25bとを繋ぐ円環状の段差部25cと、を有している。小径部25bは、大径部25aよりもプーリ23から離間した位置に配置されており、小径部25bは、シャフト24における軸方向の最端部である。一対の突出軸25の小径部25bは、両ブラケット21のブラケット部21bの長孔21hにそれぞれ挿通されている。よって、リフト装置10は、一対の突出軸25がそれぞれ挿通されるとともに鉛直方向に延びる長孔21hを有する板状の一対のブラケット部21bを備えている。
【0025】
リフト装置10は、一対の突出軸25に一体的にそれぞれ設けられるとともに突出軸25の軸線L1を回転中心として回転可能な一対のカムプレート26を備えている。各カムプレート26には、各突出軸25の小径部25bが挿通可能な挿通孔26aが形成されている。各カムプレート26は、各突出軸25の小径部25bが挿通孔26aに挿通されることにより突出軸25に一体的に設けられている。
【0026】
一対のブラケット部21bにおけるプーリ23側の面である第1面21cの長孔21hの周囲の一部分は、一対の突出軸25の段差部25cにそれぞれ当接している。一対のカムプレート26は、一対のブラケット部21bにおけるプーリ23とは反対側の面である第2面21dと水平方向に重なっている。そして、一対のカムプレート26は、小径部25bにねじ込まれるナット27によって、ブラケット部21bの第2面21dとナット27との間に挟み込まれた状態でブラケット21に固定されている。
【0027】
図5に示すように、一対のカムプレート26は、カムプレート26の回転方向に延びる弧状部30を有している。弧状部30は、カムプレート26の外周面の一部に形成されており、円弧状の複数の凹部31が連続してなる。弧状部30は、一端30aから他端30bに向かうにつれて突出軸25の軸線L1からの直線距離が徐々に長くなっている。突出軸25の軸線L1から弧状部30の一端30aに位置する凹部31までの直線距離L11は、突出軸25の軸線L1から弧状部30の他端30bに位置する凹部31までの直線距離L12よりも短い。一対のカムプレート26は、各々の弧状部30(複数の凹部31)の位置関係がプーリ23を挟んで水平方向で面対称となるように配置されている。
【0028】
一対のブラケット部21bの第2面21dには、複数の凹部31に係合可能な円柱状のピン32が設けられている。ピン32は、ブラケット部21bの第2面21dから突出している。ピン32は、ブラケット部21bに設けられるとともに弧状部30に係合可能な係合部である。複数の凹部31の内周面は、ピン32の外周面に沿っている。ピン32は、複数の凹部31のうちの一つに係合する。
【0029】
図2に示すように、複数のホース22は、フロントシリンダ17の後面を通過してホース22の一部がプーリ23の溝23eに掛装され、フロントシリンダ17の前面を通過するように配策されている。
【0030】
次に、本実施形態の作用について説明する。
ところで、複数のホース22は、プーリ23から外れることが無いように、適正な張力に調整された状態でプーリ23の溝23eに掛装されている必要がある。よって、複数のホース22は、プーリ23の溝23eにホース22の一部が掛装された後、張力の調整作業が行われる。
【0031】
図6に示すように、複数のホース22の張力の調整作業の際には、一対のカムプレート26を、ナット27によって、ブラケット部21bの第2面21dとナット27との間に挟み込む前の状態において、一対のカムプレート26を突出軸25の軸線L1を回転中心として回転させる。そして、複数の凹部31とピン32との係合位置が、弧状部30の一端30aから他端30bの間で変更されることにより、一対の突出軸25が一対のブラケット部21bの長孔21hに沿って鉛直方向に移動する。よって、プーリ23が、一対の突出軸25、つまりシャフト24と共に鉛直方向に移動する。このプーリ23の鉛直方向への移動に伴って、プーリ23の溝23eに掛装されている複数のホース22の張力が同時に調整される。
【0032】
このとき、両ピン32は、両カムプレート26の複数の凹部31のうち、弧状部30の一端30aから他端30bまでの間においてそれぞれ同じ位置に存在する凹部31と係合している。よって、一対の突出軸25の鉛直方向の高さは同じになっており、プーリ23が水平方向に対して傾かないようになっている。
【0033】
そして、複数のホース22の張力が適正な張力となる位置にプーリ23の鉛直方向の位置が調整された状態において、ナット27を、小径部25bにねじ込み、一対のカムプレート26を、ブラケット部21bの第2面21dとナット27との間に挟み込んで、一対のカムプレート26をブラケット21に固定する。これにより、複数のホース22の張力の調整作業が完了する。
【0034】
上記実施形態では以下の効果を得ることができる。
(1)一対のカムプレート26は、カムプレート26の回転方向に延びるとともに一端30aから他端30bに向かうにつれて突出軸25の軸線L1からの直線距離が長くなる弧状部30を有している。一対のブラケット部21bには、弧状部30に係合可能なピン32が設けられている。これによれば、一対のカムプレート26が突出軸25の軸線L1を回転中心として回転して、弧状部30におけるピン32との係合位置が、弧状部30の一端30aから他端30bの間で変更されることに伴って、一対の突出軸25が一対のブラケット部21bの長孔21hに沿って鉛直方向に移動する。よって、プーリ23が一対の突出軸25と共に鉛直方向に移動するため、プーリ23の鉛直方向の移動に伴って、プーリ23に掛装されている複数のホース22の張力を同時に調整することができる。したがって、複数のホース22の張力の調整作業を効率良く行うことができる。
【0035】
(2)弧状部30は、円弧状の複数の凹部31が連続してなり、ピン32は、複数の凹部31に係合可能である。これによれば、凹部31にピン32を係合させるだけで、カムプレート26における突出軸25の軸線L1を回転中心とした回転が規制されるため、プーリ23の鉛直方向の位置が調整し易く、プーリ23に掛装されている複数のホース22の張力を調整し易くすることができる。
【0036】
(3)両ピン32は、両カムプレート26の複数の凹部31のうち、弧状部30の一端30aから他端30bまでの間においてそれぞれ同じ位置に存在する凹部31と係合している。よって、一対の突出軸25の鉛直方向の高さを同じにすることができ、プーリ23が水平方向に対して傾くことを抑制することができる。
【0037】
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
図7及び図8に示すように、弧状部が、カムプレート26に形成された円弧状のガイド溝40であってもよい。そして、係合部として、ガイド溝40に係合された状態でブラケット部21bに螺着されるボルト41を用いてもよい。ガイド溝40は、一端40aから他端40bに向かうにつれて突出軸25の軸線L1からの直線距離が徐々に長くなっている。突出軸25の軸線L1からガイド溝40の一端40aまでの直線距離L21は、突出軸25の軸線L1からガイド溝40の他端40bまでの直線距離L22よりも短い。ボルト41は、ガイド溝40に挿通されてガイド溝40に係合されるとともにブラケット部21bに螺着している。
【0038】
図8に示すように、複数のホース22の張力の調整作業の際には、ボルト41におけるブラケット部21bに対する螺着状態を解除し、ボルト41をガイド溝40に挿通した状態において、一対のカムプレート26を突出軸25の軸線L1を回転中心として回転させる。そして、ガイド溝40におけるボルト41の挿通位置、すなわち、ガイド溝40とボルト41との係合位置が、ガイド溝40の一端40aから他端40bの間で変更されることにより、一対の突出軸25が一対のブラケット部21bの長孔21hに沿って鉛直方向に移動する。よって、プーリ23が、一対の突出軸25、つまりシャフト24と共に鉛直方向に移動する。このプーリ23の鉛直方向への移動に伴って、プーリ23の溝23eに掛装されている複数のホース22の張力が同時に調整される。
【0039】
そして、複数のホース22の張力が適正な張力となる位置にプーリ23の鉛直方向の位置が調整された状態において、ボルト41をブラケット部21bに対して螺着し、カムプレート26を、ブラケット部21bの第2面21dとボルト41の頭部との間に挟み込んで、カムプレート26をブラケット21に固定する。これにより、複数のホース22の張力の調整作業が完了する。
【0040】
これによれば、ガイド溝40に係合された状態でボルト41をブラケット部21bに螺着することにより、カムプレート26がボルト41を介してブラケット部21bに固定され、カムプレート26における突出軸25の軸線L1を回転中心とした回転が規制される。よって、弧状部を複雑な形状にする必要が無く、カムプレート26を容易に製造することができる。
【0041】
図7及び図8に示す実施形態において、一対のカムプレート26におけるガイド溝40付近それぞれに目盛が設けられていてもよい。これによれば、両カムプレート26のガイド溝40における一端40aから他端40bまでの間においてそれぞれボルト41を同じ位置に配置させ易くなる。したがって、一対の突出軸25の鉛直方向の高さが同じになり易く、プーリ23が水平方向に対して傾いてしまうことを抑制することができる。
【0042】
○ 実施形態において、プーリ23を貫通するシャフト24を用いずに、プーリ23の水平方向両側の端面から突出軸がそれぞれ突出している構成であってもよい。要は、リフト装置10は、プーリ23から水平方向両側に突出する一対の突出軸を備えていればよい。
【0043】
○ 実施形態において、各ブラケット部21bは、L字状の各ブラケット21の一部分であったが、一対のブラケット部21bが、例えば、U字状のブラケットに一体的に設けられていてもよい。
【0044】
○ 実施形態において、プーリ23には、ホース22が2本又は3本掛装されていてもよいし、5本以上掛装されていてもよい。要は、ホース22の本数は特に限定されるものではない。
【0045】
○ 実施形態において、リフト装置10は、アウターマスト及びインナーマストからなる2段マスト式であってもよい。
○ 産業車両は、フォークリフト以外であってもよく、建機などであってもよい。
【符号の説明】
【0046】
10…リフト装置、21b…ブラケット部、21h…長孔、22…ホース、23…プーリ、25…突出軸、26…カムプレート、30…弧状部、30a,40a…一端、30b,40b…他端、31…凹部、32…係合部であるピン、40…弧状部であるガイド溝、41…係合部であるボルト。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8