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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-203461(P2018-203461A)
(43)【公開日】2018年12月27日
(54)【発明の名称】後処理装置及び画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 31/26 20060101AFI20181130BHJP
【FI】
   B65H31/26
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2017-111010(P2017-111010)
(22)【出願日】2017年6月5日
(71)【出願人】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100167302
【弁理士】
【氏名又は名称】種村 一幸
(74)【代理人】
【識別番号】100135817
【弁理士】
【氏名又は名称】華山 浩伸
(72)【発明者】
【氏名】天井 諒
(72)【発明者】
【氏名】岩本 和久
【テーマコード(参考)】
3F054
【Fターム(参考)】
3F054AA01
3F054AC01
3F054BA04
3F054BB22
3F054BG03
3F054CA34
(57)【要約】
【課題】後処理トレイに次のシートが供給されるまでに比較的に長い時間が掛かった場合における前記後処理トレイ上のシートのカールを抑制する。
【解決手段】本発明に係る後処理装置30は、後処理トレイ340と、排出ローラー305と、制御部と、を備える。後処理トレイ340には、画像が形成された後のシート100が積載される。排出ローラー305は、駆動ローラー351を有している。この駆動ローラー351は、後処理トレイ340にシート100が供給されるたびに、供給されたシート100の上面に接触して当該シート100を後処理トレイ340における特定位置に移動させる。制御部は、後処理トレイ340上で駆動ローラー351に接触しているシート100の像密度に応じたタイミングで、当該駆動ローラー351をシート100から離間させる。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像が形成された後のシートが積載される後処理トレイと、
前記後処理トレイに前記シートが供給されるたびに、供給された前記シートの上面に接触して前記シートを前記後処理トレイにおける特定位置に移動させることにより、前記後処理トレイに積載される前記シートの位置を揃える位置揃え部材と、
前記後処理トレイ上で前記位置揃え部材に接触している前記シートの像密度に応じて予め設定されたタイミングで前記位置揃え部材を前記シートから離間させる離間制御部と、
を備える後処理装置。
【請求項2】
前記離間制御部は、前記像密度が大きいほど前記タイミングを早める、
請求項1に記載の後処理装置。
【請求項3】
前記離間制御部は、前記シートのうち前記後処理トレイへの前記シートの供給方向の下流側における特定領域の像密度に応じて前記タイミングを決定する、
請求項1又は2に記載の後処理装置。
【請求項4】
前記離間制御部は、前記像密度と前記積載面上に積載された前記シートの枚数とに応じて前記タイミングを決定する、
請求項1〜3のいずれかに記載の後処理装置。
【請求項5】
前記離間制御部は、前記枚数が多いほど前記タイミングを早める、
請求項4に記載の後処理装置。
【請求項6】
前記離間制御部は、前記離間制御部による前記位置揃え部材の離間制御の有無をユーザー操作に応じて切替可能である、
請求項1〜5のいずれかに記載の後処理装置。
【請求項7】
前記位置揃え部材は、前記シートの上面に接触して回転駆動することにより前記シートを前記特定位置に移動させる駆動ローラーを含む、
請求項1〜6のいずれかに記載の後処理装置。
【請求項8】
前記駆動ローラーは、前記駆動ローラーと対を成す従動ローラーと協働して前記後処理を施された後の前記シートの束を前記後処理トレイから排出可能である、
請求項7に記載の後処理装置。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれかに記載の後処理装置が着脱可能であり、
前記シートにインクを吐出して画像を形成する画像形成部と、
前記シートの前記像密度に関する情報を前記後処理装置に伝達する情報伝達部と、
を備える画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像が形成された後のシートにステープル処理などの後処理を施す後処理装置、及びこの後処理装置を備える画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複合機などの画像形成装置には、前記画像形成装置によって画像が形成された後のシートに後処理を施す後処理装置が取り付けられることがある。前記後処理として、例えばステープル処理が施される場合、前記シートは一旦、後処理トレイに供給される。なお、後処理装置は、前記シートが1枚ずつ搬送される搬送路を備えており、この搬送路から前記後処理トレイに前記シートが1枚ずつ供給される。前記後処理トレイに供給された前記シートは、前記後処理トレイに積載される。そして、前記後処理トレイに積載された各シートの位置が揃えられた上で、これら各シートに前記ステープル処理が施される。前記ステープル処理を施された後のシート束は、後処理トレイから排紙トレイに向けて排出される。なお、前記各シートの位置を揃える技術として、前記後処理トレイに前記シートが供給されるたびに、供給された前記シートの上面に接触して前記シートを前記後処理トレイにおける特定位置に移動させる引込部材を備えるものが知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−184159号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、前記引込部材は、前記後処理トレイに次の前記シートが供給されるまでの間、前記後処理トレイ上の最新の(最も上にある)前記シートの端部上面に接触した状態にある。ここで例えば、前記画像形成装置側で用紙切れ又はジャム(紙詰まり)が発生するなどにより、前記後処理トレイに前記次のシートが供給されるまでに比較的に長い時間が掛かる場合がある。この場合、前記後処理トレイに載置されているシートに転写されたトナー又はインクなどの乾燥に伴い、そのシートにカールが生じることがある。このカールは、シートの一端側だけが前記引込部材によって拘束された状態にあることで顕著になる。そして、前記カールが生じると、例えばこのカールが生じているシート上に次のシートが適切に積載されず、前記後処理が適切に行われないことがある。
【0005】
本発明は、後処理トレイに次のシートが供給されるまでに比較的に長い時間が掛かった場合における前記後処理トレイ上のシートのカールを抑制することが可能な後処理装置及び画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一の局面に係る後処理装置は、後処理トレイと、位置揃え部材と、離間制御部と、を備える。後処理トレイには、画像が形成された後のシートが積載される。位置揃え部材は、前記後処理トレイに前記シートが供給されるたびに、供給された前記シートの上面に接触して前記シートを前記後処理トレイにおける特定位置に移動させることにより、前記後処理トレイに積載される前記シートの位置を揃える。離間制御部は、前記後処理トレイ上で前記位置揃え部材に接触している前記シートの像密度に応じて予め設定されたタイミングで前記位置揃え部材を前記シートから離間させる。
【0007】
本発明の他の局面に係る画像形成装置は、本発明の一の局面に係る後処理装置が着脱可能である。そして、本発明の他の局面に係る画像形成装置は、画像形成部と、情報伝達部と、を備える。画像形成部は、前記シートにインクを塗布して画像を形成する。情報伝達部は、前記シートの前記像密度に関する情報を前記後処理装置に伝達する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、後処理トレイに次のシートが供給されるまでに比較的に長い時間が掛かった場合における前記後処理トレイ上のシートのカールを抑制することが可能な後処理装置及び画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本発明の一実施形態に係る画像形成システムの全体の構成を概略的に示す図である。
図2図2は、本発明の一実施形態に係る画像形成システムの制御関連部の概略構成を示すブロック図である。
図3図3は、本発明の一実施形態に係る画像形成システムが備える後処理装置の後処理トレイにシートが供給される直前の状態の一例を示す概略図である。
図4図4は、本発明の一実施形態に係る画像形成システムが備える後処理装置の後処理トレイにシートが供給された直後の状態の一例を示す概略図である。
図5図5は、本発明の一実施形態に係る画像形成システムが備える後処理装置の後処理トレイにシートが引き込まれるときの状態の一例を示す概略図である。
図6図6は、本発明の一実施形態に係る画像形成システムが備える後処理装置の後処理トレイ上の特定位置にシートが移動された状態の一例を示す概略図である。
図7図7は、本発明の一実施形態に係る画像形成システムが備える後処理装置の後処理トレイに次のシートが供給される直前の状態の一例を示す概略図である。
図8図8は、本発明の一実施形態に係る画像形成システムが解決しようとする課題を説明するための概略図である。
図9図9は、本発明の一実施形態に係る画像形成システムが解決しようとする課題を説明するための別の概略図である。
図10図10は、本発明の一実施形態に係る画像形成システムの制御部が実行する排出ローラー制御処理の一部分の一例を示すフローチャートである。
図11図11は、本発明の一実施形態に係る画像形成システムの制御部が実行する排出ローラー制御処理の他の部分の一例を示すフローチャートである。
図12図12は、本発明の一実施形態に係る画像形成システムが解決しようとする課題が解決された状態の一例を示す概略図である。
図13図13は、本発明の一実施形態に係る画像形成システムが解決しようとする課題が解決された別の状態の一例を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照しつつ、本発明の実施形態について説明する。なお、以下に説明される実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0011】
まず、図1を参照しつつ、本発明の一実施形態に係る画像形成システム10について説明する。
【0012】
画像形成システム10は、画像形成装置20と後処理装置30とを備える。画像形成装置10は、不図示のパーソナルコンピューターなどの情報処理装置から入力される印刷ジョブ(画像データ)に基づいて画像形成媒体としてのシート100に画像を形成する画像形成処理を実行する機能を備えるプリンターである。なお、画像形成装置10は、プリンターに限られず、複写機、ファクシミリ、複合機などであってもよい。一方、後処理装置30は、画像形成装置20に着脱可能であり、当該画像形成装置20によって画像が形成された後のシート100にステープル処理などの後処理を施すことができる。以下の説明では、図1に示される如く画像形成システム10が使用可能に設置された状態を基準として、その上下方向11を定義する。併せて、図1において左側を画像形成システム10の前方として、その前後方向12を定義する。そして、前後方向12の前方側から見て画像形成システム10の左右方向13を定義する。
【0013】
[画像形成装置20]
画像形成装置20は、給紙搬送部201、画像形成部202、インクタンク部203、印字搬送部204、排紙部205などを備える。また、画像形成装置20は、後述する制御部206及び操作表示部207を備える(図2参照)。
【0014】
給紙搬送部201は、給紙カセット210、ピックアップローラー211、搬送路212、搬送ローラー213、レジストローラー214、手差しフィーダー215、及び給紙ローラー216を備える。給紙カセット210は、複数枚のシート100を重ねて収容することが可能である。シート100としては、紙、フィルムなどがある。ピックアップローラー211は、不図示のピックアップ用モーターから駆動力が与えられることにより、給紙カセット210からシート100を1枚ずつ取り出して、搬送路212へ送り込む。搬送ローラー213は、搬送路212の途中に1以上、例えば2つ、設けられている。この搬送ローラー213は、ピックアップローラー211によって給紙カセット210から搬送路212へ送り込まれてきたシート100を当該搬送路212に沿って搬送する。なお、符号の記載は省略するが、搬送ローラー213は、不図示の搬送用モーターから駆動力を与えられることにより回転駆動される駆動ローラーと、この駆動ローラーと対を成す従動ローラーと、を有するローラー対である。
【0015】
レジストローラー214は、搬送路212における搬送ローラー213が設けられている位置よりもシート100の搬送方向の下流側の位置に設けられている。このレジストローラー214は、予め定められた搬送タイミング(画像の書き出しタイミング)でシート100を印字搬送部204へ送り込む。符号の記載は省略するが、このレジストローラー214もまた、駆動ローラーと従動ローラーとを有するローラー対である。手差しフィーダー215は、複数枚のシート100を重ねて載置することが可能である。そして、給紙ローラー216は、手差しフィーダー215からシート100を1枚ずつ取り出して搬送路212へ送り込む。この給紙ローラー216によって手差しフィーダー215から搬送路212へ送り込まれてきたシート100は、レジストローラー214へ向けて搬送される。
【0016】
画像形成部202は、K(ブラック)に対応する記録ヘッド220、C(シアン)に対応する記録ヘッド221、M(マゼンタ)に対応する記録ヘッド222、及びY(イエロー)に対応する記録ヘッド223を有するインクジェット方式の記録部である。各記録ヘッド220〜223それぞれの下端部には、インクを吐出する多数の吐出口(ノズル)を有するインク吐出面が設けられている。各記録ヘッド220〜223のそれぞれは、印字搬送部204が備える搬送ベルト240の載置面240aに前記インク吐出面を対向させた状態で配置されている。また、各記録ヘッド220〜223は、印字搬送部204によるシート100の搬送方向D1に沿って一定の間隔で配置されている。なお、本実施形態では、画像形成部202がKCMYの4色に対応した4つの記録ヘッド220〜223を有する構成を例に挙げて説明するが、記録ヘッドの数はこれに限られない。即ち、画像形成部202は、1又は4以外の複数の記録ヘッドを有する構成であってもよい。
【0017】
画像形成部202は、印字搬送部204により搬送ベルト240の載置面240aに載置されて搬送されるシート100に対して各記録ヘッド220〜223のインク吐出面からインクを吐出し、当該シート100に画像を形成する。即ち、画像形成装置202は、いわゆるラインヘッド型のインクジェット記録装置である。なお、各記録ヘッド220〜223のインクの吐出方式としては、例えばピエゾ素子を利用してインクを吐出させるピエゾ方式、或いは加熱により気泡を発生させてインクを吐出させるサーマル方式などが採用される。
【0018】
前記インクタンク部203は、K(ブラック)に対応するインクタンク230、C(シアン)に対応するインクタンク231、M(マゼンタ)に対応するインクタンク232、Y(イエロー)に対応するインクタンク233を備える。これら各インクタンク230〜233は、不図示のインクチューブにより対応する記録ヘッド220〜223に接続されており、当該記録ヘッド220〜223にそれぞれインクを補給する。
【0019】
印字搬送部204は、各記録ヘッド220〜223の下方に配置されている。この印字搬送部204は、給紙搬送部201(レジストローラー214)から送り込まれてきたシート100を各記録ヘッド220〜223のインク吐出面に対向させながら排紙部205まで搬送する。具体的に、印字搬送部204は、搬送ベルト240、駆動ローラー241、従動ローラー242、243、244、押圧ローラー245、及びシート検知器246などを備える。なお、搬送ベルト240の載置面240aと各記録ヘッド220〜223のインク吐出面との間隙は、搬送ベルト240により搬送されるシート100の上面(記録面)と各記録ヘッド220〜223のインク吐出面との間隔が例えば1mm〜2mmとなるように定められている。
【0020】
搬送ベルト240は、シート100が載置される載置面240aを有する無端ベルトであって、駆動ローラー241及び各従動ローラー242〜244によって所定の張力で張架されている。
【0021】
駆動ローラー241は、不図示の駆動ギアを介して不図示の駆動モーターの回転軸に連結されている。この駆動ローラー241は、前記駆動モーターから前記駆動ギアを介して駆動力が与えられると、図1において反時計回りに回転する。そして、この駆動ローラー241の回転に伴って、搬送ベルト240が走行する。さらに、この搬送ベルト240の載置面240aに載置されたシート100が、前記搬送方向D1へ搬送される。このとき、各従動ローラー242〜244は、駆動ローラー241から搬送ベルト240を介して与えられる駆動力により、駆動ローラー241の回転方向と同じ方向へ回転する。
【0022】
押圧ローラー245は、給紙搬送部201から印字搬送部204へのシート100の受け渡し位置に設けられている。この押圧ローラー245は、従動ローラー244の対向位置に配置されている。そして、搬送ベルト240は、これら従動ローラー244及び押圧ローラー245の間に挟まれている。押圧ローラー245は、給紙搬送部201から送り込まれてきたシート100を搬送ベルト240に押しつけて密着させる。なお、シート100は、搬送ベルト240に静電吸着又は吸引吸着により吸着された状態で当該搬送ベルト240により搬送される。
【0023】
排紙部205は、印字搬送部204の搬送方向D1における画像形成部202が設けられている位置よりも下流側の位置に設けられている。この排紙部205は、乾燥装置250、搬送路251、排紙ローラー252などを有する。乾燥装置250は、前記画像が形成された後のシート100に空気を送ることにより、当該シート100に形成された画像のインクを乾燥させる。そして、この乾燥装置250を通過したシート100は、搬送路251に沿って搬送され、排紙ローラー252により排紙口253を介して後処理装置30へ送り込まれる。なお、排紙ローラー252は、不図示の排紙用モーターから与えられる駆動力によって駆動される。
【0024】
なお、制御部206及び操作表示部207については、後で詳しく説明する。
【0025】
[後処理装置30]
後処理装置30は、シート検知器301、穿孔部302、搬送部303、ステープル部304、排出ローラー305、排紙トレイ306などを備える。前述したように、この後処理装置30は、画像形成装置20に着脱可能であり、詳しくは画像形成装置20の前面部に着脱可能である。
【0026】
後処理装置30における画像形成装置20との連結部の適宜位置、詳しくは画像形成装置20の排紙口253と対向する位置に、画像形成装置20から送り込まれてくるシート100が搬入される搬入口310が設けられている。そして、この搬入口310の適宜位置、例えば穿孔部302へのシート100の供給位置に、シート検知器301が設けられている。このシート検知器301は、シート100を検知しているか否かに応じた二値のシート検知信号を出力する例えば反射型の光電センサーである。このシート検知信号は、後述する如く画像形成装置10の制御部206に入力される。なお、シート検知器301は、反射式の光電センサーに限らず、透過式の光電センサー、それ以外の非接触式検知器、或いはマイクロスイッチなどの接触式検知器であってもよい。
【0027】
そして、搬入口301の近傍に、穿孔部302が設けられている。この穿孔部302は、搬入口310を介して供給されるシート100に穿孔処理を施すことが可能である。この穿孔部302についての具体的な説明は省略する。
【0028】
搬送部303は、穿孔部302を通過したシート100が搬送される搬送路330と、この搬送路330に沿ってシート100を搬送する複数の、例えば2つの、後処理搬送ローラー331、332と、を備える。符号の記載は省略するが、各後処理搬送ローラー331、332のそれぞれは、不図示の後処理搬送用モーターから駆動力を与えられることにより回転駆動される駆動ローラーと、この駆動ローラーと対を成す従動ローラーと、を有するローラー対である。これら各後処理搬送ローラー331、332は、後処理装置30の前方側へ向けてシート100を搬送する。
【0029】
ステープル部304は、後処理トレイ340、ストッパー341、ステープル装置342などを備える。
【0030】
後処理トレイ340は、平面状のシート積載面340a(図3など参照)を有する。そして、この後処理トレイ340は、シート100の搬送方向における下流側の後処理搬送ローラー332の下方において、シート積載面340aが後処理装置30の後方側から前方側へ向かって上り坂の傾斜面となるように設けられている。この後処理トレイ340には、後述する如く画像形成装置20によって画像が形成された後のシート100が積載される。また、後処理トレイ340の後端縁(図1における右側の端縁)に、シート積載面340aに対して直角を成し、且つ、当該シート積載面340aから後上方に延伸するように、平面状のストッパー341が設けられている。さらに、後処理トレイ340の後端縁及びストッパー341を取り囲むように、ステープル装置342が設けられている。
【0031】
排出ローラー305は、後処理トレイ340の先端縁(図1における左側の端縁)の近傍に設けられている。この排出ローラー305は、後述する排出用モーター350(図2参照)から駆動力を与えられることにより回転駆動される駆動ローラー351と、この駆動ローラー351と対を成す従動ローラー352と、を有する。駆動ローラー351は、従動ローラー352の上方に設けられている。また、駆動ローラー351は、アーム353を介して適当な駆動機構、例えば後述するソレノイドアクチュエータ(以下「アクチュエータ」と言う。)354により、従動ローラー352に対して接離する方向へ移動可能に支持されている。そして、前記ステープル処理において、駆動ローラー351は、アクチュエータ354により、後述する如く従動ローラー352に対して適宜のタイミングで接離するように動作する。なお、前記ステープル処理が行われないときは、駆動ローラー351は、従動ローラー352と接触した状態にある。そして、駆動ローラー351は、従動ローラー352と協働してシート100を挟持しつつ、このシート100を排出口311から排出させる方向へ回転駆動する。
【0032】
排紙トレイ306は、後処理装置30の前面部における排出口311の少し下方の位置に設けられている。この排紙トレイ306には、排出口311から排出されたシート100が排出される。
【0033】
[制御部206]
図2に示されるように、制御部206は、CPU(Central Processing Unit)260及び記憶部261を備える。CPU206は、各種の演算処理を実行するプロセッサーである。記憶部261は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM登録商標)などの記憶装置を備える。ROMは、CPU260に前記各種の演算処理を実行させるための制御プログラムなどの情報が予め記憶される不揮発性の記憶装置である。RAMは、CPU260が前記各種の演算処理を実行する際の一時記憶メモリー(作業領域)として使用される不揮発性の記憶装置である。EEPROMは、後述する像密度閾値αなどの各種データを記憶する書き換え可能な不揮発性の記憶装置である。
【0034】
そして、制御部206には、シート検知器301が接続されており、当該シート検知器301から前記シート検知信号が入力される。また、制御部206には、排出ローラー305の駆動ローラー351を駆動するための排出用モーター350が接続されている。併せて、制御部206には、排出ローラー305の従動ローラー352に対して駆動ローラー351を接離させる方向へ移動させるためのアクチュエータ354が接続されている。
【0035】
さらに、制御部206には、操作表示部207が接続されている。操作表示部206は、ユーザー操作を受け付ける不図示の操作部と、制御部206による処理に応じて各種の情報を表示する表示部と、を備えている。
【0036】
加えて、図示は省略するが、制御部206には、前記ピックアップ用モーター、前記搬送用モーター、前記駆動モーター、前記排紙用モーターなども接続される。この制御部206によれば、CPU206によって前記制御プログラムが実行されることで、画像形成システム10が統括的に制御される。
【0037】
[後処理装置30の基本的な動作]
前述したように、後処理装置30は、画像形成装置20によって画像が形成された後のシート100にステープル処理などの後処理を施すものであるが、当該ステープル処理を施す際の後処理装置30の基本的な動作について説明する。
【0038】
まず、画像形成装置20によって画像が形成された後のシート100がシート検知器301により検知されると、排出ローラー305の駆動ローラー351が従動ローラー352から離間した状態となる。この状態を、排出ローラー305の開状態と言う。そして、図3に示されるように、駆動ローラー351が当該図3において時計回り351aに回転し、言わば順回転する。併せて、シート100が搬送部303を搬送される。なお、このときもし、シート100の先端が駆動ローラー351に当接したとしても、前述の如く駆動ローラー351は順回転しているので、シート100がこの駆動ローラー351に当接することによる紙詰まりの発生が防止される。
【0039】
そして、図4に示されるように、シート100が搬送部303を通過して後処理トレイ340(シート積載面340a上)に供給されると、搬送ローラー305の駆動ローラー351の順回転が停止される。なお、シート100が後処理トレイ340に供給されたかどうかは、シート検知部301によるシート100の検知時点からの経過時間、及び搬送部303による当該シート100の搬送速度に基づいて求められる。
【0040】
続いて、図5に示されるように、搬送ローラー305の駆動ローラー351がシート100を挟んで従動ローラー352と接触する状態になる。この状態を、排出ローラー305の閉状態と言う。その上で、駆動ローラー351が図5において反時計回り351bに回転し、言わば逆回転する。これにより、シート100が後処理トレイ340上に沿ってストッパー341側へ引き込まれる。
【0041】
そして、図6に示されるように、シート100の後端がストッパー341に当接する(少し前の)タイミングで、駆動ローラー351の逆回転が停止される。なお、シート100の後端がストッパー341に当接するタイミングは、駆動ローラー351の逆回転停止時点からの経過時間、及び駆動ローラー351の逆回転速度に基づいて求められる。このシート100の後端がストッパー341に当接するときの当該シート100の位置が、本発明に係る特定位置の一例である。また、駆動ローラー351は、本発明に係る位置揃え部材の一例である。
【0042】
駆動ローラー351の逆回転が停止された後、駆動ローラー351は、シート100を挟んで従動ローラー352と接触した状態にある。即ち、排出ローラー305は、閉状態にある。これは、後処理トレイ340に収容されたシート100の位置が風、振動などの影響によってずれるのを抑制するためである。そして、次のシート100がシート検知器301により検知されると、図7に示されるように、排出ローラー305は改めて開状態となる。併せて、駆動ローラー351が順回転する。これ以降は、上述と同様の動作が繰り返される。即ち、駆動ローラー351は、後処理トレイ340にシート100が供給されるたびに、供給されたシート100の上面に接触して、当該シート100の後端がストッパー341に当接する位置まで当該シート100を移動させる。これにより、後処理トレイ340に積載される各シート100の位置が揃えられる。
【0043】
これにより、後処理トレイ340上においては、複数枚のシート100が互いの位置を揃えられた状態で積載される。そして、予め設定された枚数Pのシート100が積載されると、ステープル装置342により前記ステープル処理が施される。このステープル処理が施されるとき、排出ローラー305は閉状態にある。これは、前記ステープル処理が安定して施されるようにするためである。そして、前記ステープル処理後は、閉状態にある排出ローラー305の駆動ローラー351が順回転される。これにより、ステープル処理後のシート100の束が排出口311を介して排紙トレイ306上へ排出される。具体的には、搬出ローラー305の駆動ローラー351と従動ローラー352とが協働して、前記ステープル処理後のシート100の束を後処理トレイ340上から排紙トレイ306上へ排出する。なお、シート100の束が排紙トレイ306上へ排出された後、排出ローラー305の駆動ローラー351の回転が停止される。シート100の束が排紙トレイ306上へ排出されるタイミングは、駆動ローラー351の順回転の開始時点からの経過時間、及び駆動ローラー351の順回転速度に基づいて求められる。
【0044】
ところで前述した通り、排出ローラー305は、後処理トレイ340に次のシート100が供給されるまでの間、閉状態にある。即ち、排出ローラー305の駆動ローラー351が後処理トレイ340上の最新のシート100の上面に接触した状態にある。ここで例えば、画像形成装置10側で用紙切れ又はジャムが発生するなどにより、後処理トレイ340に次のシート100が供給されるまでに比較的に長い時間が掛かる場合がある。この場合、後処理トレイ340上の最新のシート100に形成された前記画像のインクの乾燥に伴い、図8に示されるように、当該シート100にカールが生じることがある。このカールは、シート100の一端(先端)側だけが駆動ローラー351によって拘束された状態にあることで顕著になる。そして、このカールが生じると、例えば当該カールが生じているシート100上に次のシート100が適切に積載されず、前記ステープル処理が適切に行われないことがある。特に図9に示されるように、カールが生じているシート100に次のシート100が干渉(衝突)すると、紙詰まりが生じるおそれがある。
【0045】
[排出ローラー制御処理]
このような不都合を回避するために、本実施形態では、後処理トレイ340上の最新のシート100の像密度に応じて予め設定されたタイミングで排出ローラー305が開状態とされる。例えば、前記最新のシート100の像密度が大きいほど、排出ローラー305が開状態とされるタイミングが早められる。具体的には、制御部206(CPU260)が、排出ローラー制御処理を実行する。この排出ローラー制御処理の流れについて、図10及び図11に示されるフローチャートを参照して説明する。なお、制御部206は、前記情報処理装置から前記ステープル処理の指示を含む前記印刷ジョブが入力されたときに、この排出ローラー制御処理の実行を開始する。
【0046】
<ステップS1>
ステップS1において、制御部206は、後処理トレイ340に供給されたシート100の枚数をカウントするためのインデックスNに“1”という値を設定する。そして、制御部206は、処理をステップS2に進める。
【0047】
<ステップS2>
ステップS2において、制御部206は、前記ステープル処理を行う回数(部数)をカウントするためのインデックスQに“1”という値を設定する。そして、制御部206は、処理をステップS2に進める。
【0048】
<ステップS3>
ステップS3において、制御部206は、シート検知器301によってシート100が検知されたかどうかを判定する。この判定は、シート検知器301から入力される前記シート検知信号に基づいて行われる。ここで例えば、シート検知器301によってシート100が検知された場合(S3:YES)、制御部206は、処理をステップS4に進める。一方、シート検知器301によってシート100が検知されていない場合(S3:NO)は、制御部206は、処理をステップS22に進める。
【0049】
<ステップS4>
ステップS4において、制御部206は、シート検知器301によって検知されたシート100の像密度に応じてタイマーの時間を設定する。ここで言うタイマーとは、シート検知器301によって検知されたシート100が当該シート検知器301によって検知された時点からの時間をカウントするためのものであり、制御部206が構成する。また、このタイマーの時間は、シート検知器301によって検知されたシート100の像密度が大きいほど、短く設定される。このステップS4の実行後、制御部206は、処理をステップS5に進める。
【0050】
<ステップS5>
ステップS5において、制御部206は、前記タイマーによる時間のカウントを開始する。そして、制御部206は、処理をステップS6に進める。
【0051】
<ステップS6>
ステップS6において、制御部206は、排出ローラー305を開状態とするように、アクチュエータ354を制御する。そして、制御部206は、処理をステップS7に進める。
【0052】
<ステップS7>
ステップS7において、制御部206は、排出ローラー305の駆動ローラー351の順回転を開始させるように、排出用モーター350を制御する。そして、制御部206は、処理をステップS8に進める。
【0053】
<ステップS8>
ステップS8において、制御部206は、後処理トレイ340上にシート100が供給されるのを待つ(S8:NO)。そして、後処理トレイ340上にシート100が供給されると(S8:YES)、制御部206は、処理をステップS10に進める。なお、制御部206は、シート検知部301によるシート100の検知時点からの経過時間、及び搬送部303による当該シート100の搬送速度に基づいて、シート100が後処理トレイ340に供給されたかどうかを判定する。
【0054】
<ステップS9>
ステップS9において、制御部206は、排出ローラー305の駆動ローラー351の順回転を停止させるように、排出用モーター350を制御する。そして、制御部206は、処理をステップS10に進める。なお、図4は、この時点での後処理装置30の状態を示す。
【0055】
<ステップS10>
ステップS10において、制御部206は、排出ローラー305を閉状態とするように、アクチュエータ354を制御する。そして、制御部206は、処理をステップS11に進める。
【0056】
<ステップS11>
ステップS11において、制御部206は、排出ローラー305の駆動ローラー351の逆回転を開始させるように、排出用モーター350を制御する。そして、制御部206は、処理をステップS12に進める。なお、図5は、この時点での後処理装置30の状態を示す。
【0057】
<ステップS12>
ステップS12において、制御部206は、シート100の後端がストッパー341に当接したかどうかを、つまり当該シート100が特定位置に到達したかどうかを、判定する。この判定は、駆動ローラー351の逆回転停止時点からの経過時間、及び駆動ローラー351の逆回転速度に基づいて行われる。そして、制御部206は、シート100が特定位置に到達するまでこの判定を繰り返し行う(S11:NO)。そして、シート100が特定位置に到達したと判定すると(S11:YES)、制御部206は、処理をステップS13に進める。
【0058】
<ステップS13>
ステップS13において、制御部206は、排出ローラー305の駆動ローラー351の逆回転を停止させるように、排出用モーター350を制御する。そして、制御部206は、処理をステップS14に進める。なお、図6は、この時点での後処理装置30の状態を示す。
【0059】
<ステップS14>
ステップS14において、制御部206は、後処理トレイ340に供給されたシート100の枚数をカウントするための前記インデックスNの値が、前記ステープル処理を施す枚数として予め設定された枚数Pの値に到達したかどうかを判定する。ここで例えば、前記インデックスNの値が予め設定された枚数Pの値に到達していない場合(S14:NO)、制御部206は、処理をステップS15に進める。一方、前記インデックスNの値が予め設定された枚数Pの値に到達した場合(S14:YES)は、制御部206は、処理をステップS16に進める。
【0060】
<ステップS15>
ステップS15において、制御部206は、前記インデックスNの値をインクリメントする。そして、制御部206は、画像形成装置20から次のシート100が送り込まれてくるのを待つべく、処理をステップS3に戻す。
【0061】
<ステップS16>
ステップS16において、制御部206は、前記ステープル処理を実行する。そして、制御部206は、処理をステップS17に進める。
【0062】
<ステップS17>
ステップS17において、制御部206は、排出ローラー305の駆動ローラー351の順回転を開始させるように、排出用モーター350を制御する。これにより、前記ステープル処理後のシート100の束が排出口311に向かって搬送される。そして、制御部206は、処理をステップS12に進める。
【0063】
<ステップS18>
ステップS18において、制御部206は、前記ステープル処理後のシート100の束が排出口311を介して排紙トレイ306上へ排出されたかどうかを判定する。この判定は、駆動ローラー351の順回転の開始時点からの経過時間、及び駆動ローラー351の順回転速度に基づいて求められる。そして、制御部206は、前記シート100の束が排紙トレイ306上へ排出されるまでこの判定を繰り返し行う(S18:NO)。そして、前記シート100の束が排紙トレイ306上へ排出されたと判定すると(S18:YES)、制御部206は、処理をステップS19に進める。
【0064】
<ステップS19>
ステップS19において、制御部206は、排出ローラー305の駆動ローラー351の順回転を停止させるように、排出用モーター350を制御する。そして、制御部206は、処理をステップS20に進める。
【0065】
<ステップS20>
ステップS20において、制御部206は、前記ステープル処理を行う回数をカウントするための前記インデックスQの値が、前記ステープル処理を施す回数として予め設定された回数Rの値に到達したかどうかを判定する。ここで例えば、前記インデックスQの値が予め設定された回数Rの値に到達していない場合(S20:NO)、制御部206は、処理をステップS21に進める。一方、前記インデックスQの値が予め設定された回数Rの値に到達した場合(S20:YES)は、制御部206は、この排出ローラー制御処理を終了する。
【0066】
<ステップS21>
ステップS21において、制御部206は、前記インデックスQの値をインクリメントする。そして、制御部206は、画像形成装置20から次のシート100が送り込まれてくるのを待つべく、処理をステップS3に戻す。
【0067】
<ステップS22>
ステップS22において、制御部206は、前記タイマーによる時間のカウント中であるかどうかを判定する。ここで例えば、前記タイマーによる時間のカウント中でない場合(S22:NO)、制御部206は、処理をステップS3に戻す。一方、前記タイマーによる時間のカウント中である場合(S22:YES)、制御部206は、処理をステップS23に進める。
【0068】
<ステップS23>
ステップS23において、制御部206は、前記タイマーによるカウント時間が前記ステップS4で設定された時間に到達したかどうかを、つまりタイマーがカウントアップしたかどうかを、判定する。ここで例えば、前記タイマーがカウントアップしていない場合(S23:NO)、制御部206は、処理をステップS3に戻す。一方、前記タイマーがカウントアップした場合(S23:YES)、制御部206は、処理をステップS24に進める。
【0069】
<ステップS24>
ステップS24において、制御部206は、排出ローラー305を開状態とするように、アクチュエータ354を制御する。これにより、図12に示されるように、後処理トレイ340上の最新のシート100が大きくカールする前に、排出ローラー305が開状態となり、つまり前記シート100の一端側が駆動ローラー351によって拘束された状態が解かれる。この結果、前記シート100が大きくカールすることが抑制される。このようにシート100の過度なカールを抑制するべく、前記タイマーがカウントアップした場合に排出ローラー305を開状態とする制御部206は、本発明に係る離間制御部の一例である。このステップS24の実行後、制御部206は、処理をステップS25に進める。
【0070】
<ステップS25>
ステップS25において、制御部206は、シート検知器301によってシート100が検知されるのを待つ(S25:NO)。そして、シート検知器301によってシート100が検知されると(S25:YES)、制御部206は、処理をステップS7に進める。なお前述したように、後処理トレイ340上の最新のシート100が大きくカールすることがないので、この後、図13に示される如く次のシート100が後処理トレイ340に供給されても、当該次のシート100は最新のシート100上に適切に載置される。
【0071】
以上説明したように、本実施形態によれば、後処理トレイ340上の最新のシート100の像密度に応じたタイミングで、排出ローラー305が開状態とされる。従って、後処理トレイ340に次のシート100が供給されるまでに比較的に長い時間が掛かったとしても、後処理トレイ340上の最新のシート100がカールする前に、排出ローラー305が開状態となる。この結果、後処理トレイ340上の最新のシート100の過度なカールが抑制され、当該最新のシート100上に次のシート100が適切に積載される。そして、前記ステープル処理が適切に行われる。
【0072】
以上説明したように、本実施形態によれば、後処理トレイ340上の最新のシート100の像密度に応じて予め設定されたタイミングで、排出ローラー305が開状態とされる。従って、後処理トレイ340に次のシート100が供給されるまでに比較的に長い時間が掛かったとしても、後処理トレイ340上の最新のシート100がカールする前に、排出ローラー305が開状態となる。この結果、後処理トレイ340上の最新のシート100の過度なカールが抑制され、当該最新のシート100上に次のシート100が適切に積載される。そして、前記ステープル処理が適切に行われる。
【0073】
ところで、後処理トレイ340上の最新のシート100のうち、当該後処理トレイ340へのシート100の供給方向の下流側(前方側)の領域における前記像密度が大きいほど、後処理トレイ340に供給される次のシート100にとって不都合である。従って例えば、前記ステップS4においては、シート100の後処理トレイ340への供給方向の下流側の特定領域における前記像密度に応じて、前記タイマーの時間が設定されてもよい。具体的には、前記特定領域における前記像密度が大きいほど、前記タイマーの時間が短く設定されてもよい。
【0074】
また、後処理トレイ340上の積載されているシート100の枚数が多いほど、後処理トレイ340に供給される次のシート100にとって、前記最新のシート100に生じた前記カールが影響し易い。従って例えば、前記ステップS4においては、シート100の前記像密度と、後処理トレイ340上に積載されているシート100の枚数、つまり前記インデックスNの値と、に応じて、前記タイマーの時間が設定されてもよい。具体的に、インデックスNの値については、この値が大きいほど、前記タイマーの時間が短く設定されてもよい。
【0075】
さらに、制御部206は、操作表示部207に対するユーザー操作に応じて、排出ローラー305をどのように制御するのかを切替可能であってもよい。即ち、制御部206は、前記排出ローラー制御処理を実行するのか、それとも、前述の基本的な動作に従って排出ローラー305を動作させるのかを、前記ユーザー操作に応じて切替可能であってもよい。
【0076】
なお、画像形成装置20が備える制御部206とは別に、後処理装置30が制御部を備え、この後処理装置30が備える制御部に、シート検知器301、排出用モーター350、及びアクチュエータ354が接続される構成も考えられる。この構成においては、後処理装置30側の制御部が、前記排出ローラー制御処理を実行する。そして、画像形成装置20側の制御部206から後処理装置30側の制御部へ、シート100の前記像密度に関する情報が伝達される。後処理装置30側の制御部は、この画像形成装置20側の制御部206から伝達された情報に基づいて、前記ステップS4における前記タイマーの時間を設定する。この場合、画像形成装置20側の制御部206は、本発明に係る情報伝達部の一例として機能する。
【0077】
本実施形態では、排出ローラー305の駆動ローラー351が、本発明に係る位置揃え部材の一例として機能したが、これに限らない。例えば、前記特許文献1におけるのと同様の引込部材が、本発明に係る位置揃え部材の一例として設けられてもよい。この場合、前記引込部材は、後処理トレイ340上の最新のシート100の像密度に応じたタイミングで、当該最新のシート100から離間する構成とされる必要がある。
【0078】
本実施形態における画像形成装置20は、インクジェット方式の画像形成部202を備える構成であるが、電子写真方式の画像形成装置を備えるものであってもよい。
【符号の説明】
【0079】
10 :画像形成システム
20 :画像形成装置
30 :後処理装置
100:シート
206:制御部
304:ステープル部
305:排出ローラー
340:後処理トレイ
341:ストッパー
342:ステープル装置
351:駆動ローラー
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13