特開2018-203463(P2018-203463A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ コニカミノルタ株式会社の特許一覧
<>
  • 特開2018203463-画像形成装置 図000003
  • 特開2018203463-画像形成装置 図000004
  • 特開2018203463-画像形成装置 図000005
  • 特開2018203463-画像形成装置 図000006
  • 特開2018203463-画像形成装置 図000007
  • 特開2018203463-画像形成装置 図000008
  • 特開2018203463-画像形成装置 図000009
  • 特開2018203463-画像形成装置 図000010
  • 特開2018203463-画像形成装置 図000011
  • 特開2018203463-画像形成装置 図000012
  • 特開2018203463-画像形成装置 図000013
  • 特開2018203463-画像形成装置 図000014
  • 特開2018203463-画像形成装置 図000015
  • 特開2018203463-画像形成装置 図000016
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-203463(P2018-203463A)
(43)【公開日】2018年12月27日
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 7/04 20060101AFI20181130BHJP
【FI】
   B65H7/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2017-111067(P2017-111067)
(22)【出願日】2017年6月5日
(71)【出願人】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】野田 隆
【テーマコード(参考)】
3F048
【Fターム(参考)】
3F048AA01
3F048AB02
3F048BA08
3F048BB02
3F048BB09
3F048BD07
3F048DB15
3F048DC07
(57)【要約】
【課題】簡易な方式でアクチュエーターの異常状態を調整することが可能な画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置は、アクチュエーターと、アクチュエーターの変位を検知する検知部と、昇降可能に設けられた被動作部材と、被動作部材を駆動する駆動部とを備える。被動作部材は、昇降した際にアクチュエーターに一時的に接触する位置に配置される。画僧形成装置は、検知部の検知結果に基づいて、アクチュエーターが異常状態であるか否かを判断する判断部と、判断部の判断結果に基づいて駆動部に対して所定動作を実行するように指示する調整部とをさらに備える。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アクチュエーターと、
前記アクチュエーターの変位を検知する検知部と、
昇降可能に設けられた被動作部材と、
前記被動作部材を駆動する駆動部とを備え、
前記被動作部材は、昇降した際に前記アクチュエーターに一時的に接触する位置に配置され、
前記検知部の検知結果に基づいて、前記アクチュエーターが異常状態であるか否かを判断する判断部と、
前記判断部の判断結果に基づいて前記駆動部に対して所定動作を実行するように指示する調整部とをさらに備える、画像形成装置。
【請求項2】
前記所定動作は、前記被動作部材の昇降動作を再度実行するように指示する再昇降動作および前記被動作部材の上昇速度を調整する速度調整動作の少なくとも一方を含む、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記再昇降動作は、
前記被動作部材を所定の位置まで下降させる動作と、
前記下降動作後に前記被動作部材を上昇させる動作とを含む、請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記被動作部材は、前記アクチュエーターに一時的に接触する位置に凹み部を有し、
前記アクチュエーターは、先端方向に所定の長さ下に向かうほど凹み部との間隔が大きくなるように構成され、
前記所定の位置として、前記被動作部材の凹み部と前記アクチュエーターとの間隔が最大となる位置まで前記被動作部材を下降させる、請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記速度調整動作は、前記被動作部材の動作速度を遅くする、請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記被動作部材は、用紙の搬送を行なうピックアップローラーである、請求項1〜5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記検知部は、前記アクチュエーターの変位に従って用紙の有無を検知する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記判断部は、所定期間内において前記検知部が前記用紙の有無の変化を検知した回数に基づいて、前記アクチュエーターが異常状態であると判断する、請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記判断部は、所定期間内において前記検知部が前記用紙の存在を検知した1回あたりの時間に基づいて、前記アクチュエーターが異常状態であると判断する、請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記判断部は、所定期間内において、前記検知部が前記用紙の有無の変化を検知した回数および前記用紙の存在を検知した1回あたりの時間のいずれにも基づいて、前記アクチュエーターが異常状態であると判断する、請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記判断部は、ユーザーからの選択指示に従って、所定期間内において前記検知部が前記用紙の有無の変化を検知した回数に基づいて、または、所定期間内において前記検知部が前記用紙の存在を検知した1回あたりの時間に基づいて、前記アクチュエーターが異常状態であると判断する、請求項7に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、用紙搬送装置を含む画像形成装置においては、原稿トレイに載置された原稿を1枚ずつ分離し、原稿搬送路に沿って画像読取部に搬送した後、画像の読取が終了した原稿を排紙トレイに排出する機構が採用されている。
【0003】
このような用紙搬送装置において、原稿トレイに載置された原稿は、ピックアップローラーによって原稿搬送路へと繰り出される。ピックアップローラーを採用した画像形成装置については、さまざまな開示がされている。たとえば、特許文献1には、ピックアップローラーが退避位置と給紙位置とを移動するように配置され、ピックアップローラーが退避位置に保持されているか否かを検出する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012−35969号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一方で、ピックアップローラ−の近傍においては、原稿トレイに原稿が載置されているか否かを検出するためのアクチュエーターが設けられており、アクチュエーターの動作に従ってピックアップローラーが動作するように制御されている。この点で、ピックアップローラーが退避位置と給紙位置とを移動する間に、アクチュエーターとピックアップローラーとが干渉する可能性があり、異常が発生する場合がある。
【0006】
本開示は、上記問題点を解決するためになされたものであり、簡易な方式でアクチュエーターの異常状態を調整することが可能な画像形成装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
ある局面に従うと、画像形成装置は、アクチュエーターと、アクチュエーターの変位を検知する検知部と、昇降可能に設けられた被動作部材と、被動作部材を駆動する駆動部とを備える。被動作部材は、昇降した際にアクチュエーターに一時的に接触する位置に配置される。画僧形成装置は、検知部の検知結果に基づいて、アクチュエーターが異常状態であるか否かを判断する判断部と、判断部の判断結果に基づいて駆動部に対して所定動作を実行するように指示する調整部とをさらに備える。
【0008】
好ましくは、所定動作は、被動作部材の昇降動作を再度実行するように指示する再昇降動作および被動作部材の上昇速度を調整する速度調整動作の少なくとも一方を含む。
【0009】
好ましくは、再昇降動作は、被動作部材を所定の位置まで下降させる動作と、下降動作後に被動作部材を上昇させる動作とを含む。
【0010】
好ましくは、被動作部材は、アクチュエーターに一時的に接触する位置に凹み部を有し、アクチュエーターは、先端方向に向かうほど凹み部との間隔が大きくなるように構成され、所定の位置として、被動作部材の凹み部とアクチュエーターとの間隔が最大となる位置まで被動作部材を下降させる。
【0011】
好ましくは、速度調整動作は、被動作部材の動作速度を遅くする。
好ましくは、被動作部材は、用紙の搬送を行なうピックアップローラーである。
【0012】
好ましくは、検知部は、アクチュエーターの変位に従って用紙の有無を検知する。
好ましくは、判断部は、所定期間内において検知部が用紙の有無の変化を検知した回数に基づいて、アクチュエーターが異常状態であると判断する。
【0013】
好ましくは、判断部は、所定期間内において検知部が用紙の存在を検知した1回あたりの時間に基づいて、アクチュエーターが異常状態であると判断する。
【0014】
好ましくは、判断部は、所定期間内において、検知部が用紙の有無の変化を検知した回数および用紙の存在を検知した1回あたりの時間のいずれにも基づいて、アクチュエーターが異常状態であると判断する。
【0015】
好ましくは、判断部は、ユーザーからの選択指示に従って、所定期間内において検知部が用紙の有無の変化を検知した回数に基づいて、または、所定期間内において検知部が用紙の存在を検知した1回あたりの時間に基づいて、アクチュエーターが異常状態であると判断する。
【0016】
上記および他の目的、特徴、局面および利点は、添付の図面と関連して理解される次の詳細な説明から明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】画像形成装置の概形を示す図である。
図2】画像形成装置のハードウェア構成を示す図である。
図3】画像形成装置の備えるADFユニットの断面図である。
図4】ピックアップローラーの挙動とエンプティセンサーの出力の関係を示す図である。
図5】センサーレバーの正常状態を示す図である。
図6】センサーレバーの異常状態を示す図である。
図7】センサーレバーが正常状態におけるエンプティセンサーの出力と、駆動モーターの回転の関係を示す図である。
図8】センサーレバーが異常状態におけるエンプティセンサーの出力と、駆動モーターの回転の関係を示す図である。
図9】ピックアップローラーの制御を示す機能ブロック図である。
図10】ピックアップローラーの制御を行った場合におけるエンプティセンサーの出力と、駆動モーターの回転の関係を示す図である。
図11】本実施形態におけるピックアップローラーの制御手順を示すフロー図である。
図12】センサーレバーが異常状態におけるエンプティセンサーの出力と、駆動モーターの回転の関係を示す他の図である。
図13】第2の実施の形態に係るピックアップローラーの制御を行った場合におけるエンプティセンサーの出力と、駆動モーターの回転の関係を示す図である。
図14】センサーレバーが異常状態におけるエンプティセンサーの出力と、駆動モーターの回転の関係を示すさらに他の図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照しつつ、実施形態について説明する。以下の説明では、同一の部品および構成要素には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、これらについての詳細な説明は繰り返さない。なお、以下で説明される各実施の形態および各変形例は、適宜選択的に組み合わされてもよい。
【0019】
<第1の実施の形態>
図1は、画像形成装置100の概形を示す図である。図1に示すように、画像形成装置100は、MFP(Multi Function Peripheral)として構成され、制御部10と、画像形成部20と、給紙部30と、スキャナーユニット40と、ADF(Auto Document Feeder:原稿搬送装置)ユニット50と、操作パネル60とを備える。制御部10、画像形成部20、および給紙部30は、画像形成装置100の中央部に位置している。スキャナーユニット40およびADFユニット50は、画像形成装置100の上部に位置している。操作パネル60は、画像形成装置の上部前面に位置している。
【0020】
図2は、画像形成装置100のハードウェア構成を示す図である。図2に示すように、制御部10は、CPU(Central Processing Unit)11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、通信I/F部14と、画像データ記憶部15と、原稿サイズ記憶部16とを含んでいる。CPU11、ROM12、RAM13、通信I/F部14、画像データ記憶部15、および原稿サイズ記憶部16の各々とは、互いにデータ連携が可能となるように接続されている。
【0021】
CPU11は、画像形成装置100全体の動作を制御する。ROM12は、CPU11が実行する制御プログラムを記憶する。RAM13はCPU11の作業用のメモリである。通信I/F部14は、ネットワークなどを通じて、図示しない外部機器との間で各種の情報を送受信する。画像データ記憶部15は、スキャナーユニット40で読み取った画像データなどを記憶する。原稿サイズ記憶部16は、ADFユニット50で計測した原稿のサイズや、操作パネル60を通じて設定された原稿のサイズを記憶する。
【0022】
ここで、CPU11が実行する制御プログラムは、単体のプログラムとしてではなく、モジュールとしての任意のプログラムの一部に組み込まれて提供されてもよい。この場合、本実施の形態に従う制御処理は、任意のプログラムと協働して実現される。さらに、制御プログラムによって提供される機能の一部または全部は、専用のハードウェアによって実現されてもよい。
【0023】
画像形成部20は、おおまかに、トナー像形成部および定着装置などで構成される。画像形成部20は、たとえば電子写真方式で用紙に画像を形成する。画像形成部20は、いわゆるタンデム方式で4色の画像を合成し、用紙にカラー画像を形成可能に構成される。
【0024】
トナー像形成部は、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(ブラック)の各色について設けられた感光体と、感光体からトナー像が転写(1次転写)される中間転写ベルトと、中間転写ベルトから用紙に画像を転写(2次転写)する転写部などで構成される。
【0025】
定着装置は、加熱ローラーおよび加圧ローラーを有する。定着装置は、加熱ローラーと加圧ローラーとでトナー像が形成された用紙を挟みながら搬送し、その用紙に加熱および加圧を行なう。これにより、定着装置は、用紙に付着したトナーを溶融させて用紙に定着させ、用紙に画像を形成する。
【0026】
給紙部30は、給紙ローラー、搬送ローラー、およびそれらを駆動するモーターなどで構成されている。給紙部30は、用紙を給紙カセットから給紙して、画像形成装置100の筐体の内部で搬送する。給紙部30は、画像が形成された用紙を画像形成装置から排紙トレイなどに排出する。スキャナーユニット40は、原稿の画像を読み取り、原稿の画像データを作成する。
【0027】
ADFユニット50は、スキャナーユニット40へ1枚ずつ原稿(用紙の一例)を送る。ADFユニット50は、原稿搬送モーター51、原稿搬送時に両面同時読取の場合に設けられる裏面読取手段52、原稿サイズ検知センサー53、エンプティセンサー160を含む。原稿搬送モーター51は、CPU11の制御により動作する。
【0028】
操作パネル60は、各種情報を表示し、各種操作を受け付ける。操作パネル60は、読み取りジョブやコピージョブなどの各種ジョブを開始するためのスタートボタン61を含む。
【0029】
図3は画像形成装置100の備えるADFユニット50の断面図である。図3を参照して、ADFユニット50の内部構造を説明する。
【0030】
図3に示すように、ADFユニット50では、ピックアップローラー137の近傍に、アクチュエーターとしてセンサーレバー162が設けられている。センサーレバー162の基端部162Aは、エンプティセンサー160の検知部160Aに対向するように配置されている。エンプティセンサー160は、検知部160Aからセンサーレバー162の基端部162Aに向けて検知光を発光する。エンプティセンサー160は、基端部162Aで反射した検知光を検知部160Aで受光することにより、センサーレバーの変位を検知する反射型センサーとして構成されている。
【0031】
ピックアップローラー137は、昇降した際にセンサーレバー162に一時的に接触する位置に配置される。具体的には、ピックアップローラー137が、図3に示されたような退避位置から、給紙位置(図4(c)参照)へと下降する場合、ピックアップローラー137は、矢印D1方向に下降する。この時、ピックアップローラー137は、センサーレバー162の円R1で囲まれた部分に接触する。ピックアップローラー137がセンサーレバー162の円R1で囲まれた部分に接触すると、センサーレバー162は、軸部164を回転軸として矢印D2に示した方向に回転する。
【0032】
[ピックアップローラー137の挙動]
図4を参照して、ピックアップローラー137の挙動を説明する。図4は、ピックアップローラー137の挙動とエンプティセンサー160の出力の関係を示す図である。以降の説明において、エンプティセンサー160の出力が所定の閾値(用紙検知閾値)より高い場合、出力が「高」であるとする。一方、エンプティセンサー160の出力が所定の閾値(用紙検知閾値)より低い場合、出力が「低」であるとする。
【0033】
図4(a)に示すように、用紙Sがセットされていない場合、ピックアップローラー137は退避状態に位置しており、ピックアップローラー137とセンサーレバー162とは接触している。このとき、エンプティセンサー160の検知部160Aと、センサーレバー162の基端部162Aとは、上述した通り、互いに対向する位置に配置されている。そして、検知部160Aから発光された光は、基端部162Aにおいて反射され、検知部160Aにおいて受光される。そのため、エンプティセンサー160の出力は「高」となる。
【0034】
図4(b)に示すように、用紙Sがセットされると、センサーレバー162は、用紙Sの搬送方向(図4(b)における矢印方向)に移動する。これに伴い、センサーレバー162の基端部162Aが下方に移動し、エンプティセンサー160の検知部160Aと互いに対向する位置から外れることとなる。その結果、検知部160Aから発光された光は、基端部162Aにおいて反射されず、検知部160Aにおける受光量が低下する。そのため、エンプティセンサー160の出力は「低」となる。ここで、エンプティセンサー160は、エンプティセンサー160の出力が用紙検知閾値を下回ったことにより、用紙Sがセットされた(存在する)ことを検知する。
【0035】
図4(c)に示すように、用紙Sのセットの後、ピックアップローラー137が給紙位置へ下降して用紙Sと接触する。このとき、ピックアップローラー137は、センサーレバー162と接触することはない。そのため、センサーレバー162の配置は変化せず、エンプティセンサー160の出力も「低」のまま変化しない。その後、ピックアップローラー137が回転し、用紙SをADFユニット50内へ搬送する。
【0036】
図4(d)に示すように、用紙Sがピックアップローラー137の回転によってADFユニット50内に搬送されると、センサーレバー162は用紙Sの搬送方向と逆方向(図4(d)における矢印方向)に引き戻される。そして、センサーレバー162の基端部162Aは、エンプティセンサー160の検知部160Aと互いに対向する位置に戻される。その結果、検知部160Aから発光された光は、基端部162Aにおいて反射され、検知部160Aにおいて受光される。そして、エンプティセンサー160の出力は「高」となる。ここで、エンプティセンサー160は、エンプティセンサー160の出力が所定の閾値(用紙検知閾値)を上回ったことにより、セットされた用紙Sが無くなったことを検知する。
【0037】
図4(e)に示すように、用紙SがADFユニット50内に搬送された後、ピックアップローラー137は、退避位置に戻るために上昇する。このとき、ピックアップローラー137がセンサーレバー162の円R1で囲まれた部分と接触し、ピックアップローラー137は用紙Sの搬送方向に移動する。これに伴い、センサーレバー162の基端部162Aが下方に移動させられ、エンプティセンサー160の検知部160Aと互いに対向する位置から外れる。検知部160Aから発光された光は、基端部162Aにおいて反射されず、検知部160Aにおける受光量が低下し、エンプティセンサー160の出力は「低」となる。
【0038】
図4(f)に示すように、ピックアップローラー137が退避位置まで上昇すると、センサーレバー162の基端部162Aは、エンプティセンサー160の検知部160Aと互いに対向する位置に戻される。その結果、検知部160Aから発光された光は、基端部162Aにおいて反射され、検知部160Aにおいて受光される。エンプティセンサー160の出力は「高」となる。
【0039】
[センサーレバー162の状態]
ここで、図5及び図6を参照して、ピックアップローラー137が退避位置にあるときの、センサーレバー162の状態について説明する。図5は、センサーレバー162の正常状態を示す図である。図6は、センサーレバー162の異常状態を示す図である。
【0040】
図5及び図6において、図(a)は、ピックアップローラー137とセンサーレバー162の軸138との位置関係を示す側方断面図である。図(b)は、図(a)における正面図である。図(c)は、図(a)をさらに模式的に示している。
【0041】
図5(a)〜図5(c)に示すように、ピックアップローラー137の軸138は、径方向に短い凹み部138Aを備えている。そして、当該凹み部138Aにセンサーレバー162の内周面162Bが係合する態様となっている。センサーレバー162は、先端方向に向けて軸138と係合する領域(内周面162B)が少なくなるように構成されている。センサーレバー162は、先端方向に向けて、ピックアップローラー137の軸138の方向の長さが短くなるように構成されている。すなわち、センサーレバー162は、先端方向に向かうほど凹み部138Aとの間隔が大きくなるように構成されている。このように、センサーレバー162の内周面162Bが、ピックアップローラー137の軸138が備える凹み部138Aと係合している状態を、センサーレバー162が正常状態であるとする。
【0042】
一方、ピックアップローラー137が上昇、下降を繰り返すと、経時劣化による摩耗やガタツキにより、ピックアップローラー137とセンサーレバー162との位置関係にずれが生じる。具体的には、図6(a)〜(c)に示すように、センサーレバー162の内周面162Bがピックアップローラー137の軸138における凹み部138A以外の長径部分に乗り上げる可能性がある。このように、センサーレバー162の内周面162Bが、ピックアップローラー137の軸138が備える凹み部138A以外にある状態、およびそのような状態を誘発しそうな状態を、センサーレバー162が異常状態であるとする。
【0043】
[エンプティセンサー160の出力]
図7を参照して、センサーレバー162が正常状態におけるエンプティセンサー160の出力について説明する。図7は、センサーレバー162が正常状態におけるエンプティセンサー160の出力と、駆動モーター121の回転の関係を示す図である。以降の説明において、「正転」とはピックアップローラー137が退避位置から給紙位置へ下降する方向に、駆動モーター121が回転することを示している。一方、「逆転」とはピックアップローラー137が給紙位置から退避位置へ上昇する方向に、駆動モーター121が回転することを示している。
【0044】
図7に示すように、センサーレバー162が正常状態の場合、駆動モーター121が正転してピックアップローラー137が下降した後、用紙SがADFユニット50内へ搬送されると、エンプティセンサー160の出力は「高」となる(図4(d)参照)。そして、駆動モーター121が逆転してピックアップローラー137が上昇する期間において、エンプティセンサー160の出力は、ピックアップローラー137がセンサーレバー162の円R1で囲まれた部分と接触するときに「高」から「低」に変化し(図4(e)参照)、ピックアップローラー137が退避位置に収まったときに「低」から「高」に変化する(図4(f)参照)。
【0045】
図8を参照して、センサーレバー162が異常状態におけるエンプティセンサー160の出力について説明する。図8は、センサーレバー162が異常状態におけるエンプティセンサー160の出力と、駆動モーター121の回転の関係を示す図である。
【0046】
図8には、異常状態の1つとして、センサーレバー162がピックアップローラー137の軸138における凹み部138A以外の長径部分に乗り上げた場合のエンプティセンサー160の出力が示されている。この場合、駆動モーター121が逆転してピックアップローラー137が上昇する期間において、エンプティセンサー160の出力は、「高」から「低」に変化したまま、「高」に変化しない。これは、センサーレバー162がピックアップローラー137の軸138における長径部分に乗り上げたことにより、センサーレバー162とピックアップローラー137との位置関係が、図6で示した状態になっていることを表している。
【0047】
[ピックアップローラー137の制御]
図9は、ピックアップローラー137の制御を示す機能ブロック図である。図9を参照して、本実施形態における画像形成装置100における制御部10によるピックアップローラー137の制御を説明する。
【0048】
図9に示すように、制御部10の備える判断部111は、エンプティセンサー160の出力に基づいて、センサーレバー162が異常状態であるか否かを判断する。調整部112は、判断部111の判断結果に基づいて、駆動モーター121に対して所定動作を実行するように指示する。
【0049】
ここで、判断部111は、エンプティセンサー160の出力をもとに、センサーレバー162が異常状態であるか否かを判断する。具体的には、判断部111は、所定期間として、駆動モーター121を逆転させている期間において、エンプティセンサー160からの出力が用紙検知閾値を跨ぐ回数(すなわち、エンプティセンサー160が検知する用紙の有無の変化の回数)に基づいて、センサーレバー162が異常状態であるか否かを判断する。本実施形態では、当該回数が2回以外の場合には、センサーレバー162が異常状態であると判断し、調整部112は、駆動モーター121に対して所定動作を実行するように指示する。
【0050】
所定動作としては、本実施形態では、ピックアップローラー137が再度下降および上昇をするように、駆動モーター121を正転及び逆転させる。ここで、好ましくは、駆動モーター121は、ピックアップローラー137の軸138における凹み部138Aとセンサーレバーとの間隔(図5(b)および図6(b)における間隔D)が最大となる位置(図5(b)および図6(b)における位置P)までピックアップローラー137を下降させる。こうすることで、センサーレバー162のピックアップローラー137の軸138における長径部分への乗り上げが解消され、センサーレバー162の状態が異常状態から正常状態へと回復する。
【0051】
図10を参照して、上記ピックアップローラー137の制御を行った場合におけるエンプティセンサー160の出力を説明する。図10は、ピックアップローラー137の制御を行った場合におけるエンプティセンサー160の出力と、駆動モーター121の回転の関係を示す図である。
【0052】
図10に示すように、駆動モーター121を逆転させている期間において、エンプティセンサー160からの出力が用紙検知閾値を跨ぐ回数が2回以外の場合(図10では1回)、判断部111は、センサーレバー162が異常状態にあると判断する。そして、上述の通り、調整部112は、駆動モーター121を正転および逆転させ、ピックアップローラーを下降および上昇させる。こうすることで、ピックアップローラー137の乗り上げが解消される。そして、図10に示すように、次回の駆動モーター121を逆転させている期間において、エンプティセンサー160からの出力が用紙検知閾値を跨ぐ回数は2回となり、センサーレバー162が正常状態に回復したことが読み取れる。
【0053】
[処理手順]
図11は、本実施形態におけるピックアップローラー137の制御手順を示すフロー図である。図11を参照して、本実施形態における制御手順を説明する。
【0054】
画像形成装置100の運転を開始すると、ステップS100において、ピックアップローラー137は退避位置に収まっている(図4(a)に対応)。そして、ADFユニット50に用紙Sがセットされるのを待機する。
【0055】
ステップS110において、用紙SがADFユニット50にセットされてエンプティセンサー160の出力が用紙検知閾値を下回ると(図4(b)に対応)、制御部10は、制御をステップS120へ移す。
【0056】
ステップS120において、制御部10は、駆動モーター121を正転させてピックアップローラー137を下降させる(図4(c)に対応)。制御部10は、制御をステップS130へ移す。
【0057】
ステップS130において、制御部10は、ピックアップローラー137を回転させて用紙SをADFユニット50内に搬送する(図4(d)に対応)。制御部10は、制御をステップS140へ移す。
【0058】
ステップS140において、制御部10は、駆動モーター121を逆転させてピックアップローラー137を上昇させる(図4(e)に対応)。制御部10は、制御をステップS150へ移す。
【0059】
ステップS150において、制御部10の備える判断部111は、エンプティセンサー160の出力から、ピックアップローラー137が異常状態であるかどうかを判断する。異常状態であると判断された場合には、制御部10は、制御をステップS155へ移す。異常状態でないと判断された場合には、制御部10は、制御をステップS160へ移す。
【0060】
ステップS155において、制御部10の備える調整部112は、駆動モーター121に対して所定動作を実行するように指示する。すなわち、駆動モーター121を正転および逆転させることにより、ピックアップローラー137を上昇および下降させる。こうすることで、ピックアップローラー137の乗り上げが解消される。制御部10は、制御をステップS160へ移す。
【0061】
ステップS160において、ピックアップローラー137は退避位置に収まり(図4(f)に対応)、次に用紙がセットされるのを待機する。
【0062】
<第2の実施の形態>
[概要]
第2の実施の形態では、調整部212が駆動モーター121に対して指示する所定動作の内容が、ピックアップローラー137の昇降速度の変更である点で、第1の実施の形態と異なる。なお、本実施形態においては、前述の実施の形態に係る画像形成装置100が備える構成と同様の構成には、画像形成装置100の符号と同一の符号を付してある。したがって、それらの説明は繰り返さない。
【0063】
[詳細]
図12は、センサーレバー162が異常状態におけるエンプティセンサーの出力と、駆動モーターの回転の関係を示す他の図である。図12には、異常状態の1つとして、ピックアップローラー137が下降および上昇する際に、ピックアップローラー137とセンサーレバーとの間にガタツキが発生し、センサーレバー162が上下に振動する場合(チャタリング)のエンプティセンサー160の出力が示されている。この場合、駆動モーター121が逆転してピックアップローラー137が上昇する期間において、エンプティセンサー160の出力は、「低」と「高」との間を複数回振動する。これは、ピックアップローラー137が退避位置に収まる前に、搖動していることを示している。
【0064】
このように、ピックアップローラー137が下降および上昇する際にチャタリングが発生する場合、ピックアップローラー137は最終的には退避位置に収まることとなる。しかし、ピックアップローラー137とセンサーレバー162との位置関係になんらかの不具合が発生しており、将来的にピックアップローラー137の乗り上げを引き起こす可能性が高いと考えられる。よって、第2の実施の形態では、このような異常状態に対する制御を行う。
【0065】
図13は、第2の実施の形態に係るピックアップローラー137の制御を行った場合におけるエンプティセンサー160の出力と、駆動モーター121の回転の関係を示す図である。図13を参照して、第2の実施の形態に係るピックアップローラー137の制御を行った場合におけるエンプティセンサー160の出力の変化を説明する。
【0066】
第2の実施の形態では、判断部111がエンプティセンサー160の出力に基づいて、センサーレバー162が異常状態であると判断すると、調整部212は、次回以降のピックアップローラー137の上昇速度が遅くなるように駆動モーター121を制御する。すなわち、図13に示すように、調整部212は、逆転する期間が長くなるように駆動モーター121を制御する。こうすることで、ピックアップローラー137とセンサーレバーとの間に発生しうるガタツキを抑制することができ、ピックアップローラー137とセンサーレバー162との位置関係における異常状態の発生を防止することができる。
【0067】
<第3の実施の形態>
[概要]
第3の実施の形態では、判断部311は、エンプティセンサー160からの出力が用紙検知閾値を下回った1回あたりの時間に基づいて、センサーレバー162が異常状態であるか否かを判断している点で、上記実施の形態と異なる。なお、本実施形態においては、前述の実施の形態に係る画像形成装置100が備える構成と同様の構成には、同一の符号を付してある。したがって、それらの説明は繰り返さない。
【0068】
[詳細]
図14は、センサーレバー162が異常状態におけるエンプティセンサー160の出力と、駆動モーターの回転の関係を示すさらに他の図である。図14には、異常状態の1つとして、駆動モーター121が逆転してピックアップローラー137が上昇した時に、エンプティセンサー160の出力が、長時間「低」となった後に再び「高」に戻っている。すなわち、ピックアップローラー137が退避位置に収まるまでに、長時間かかっていることがわかる。この場合も、ピックアップローラー137とセンサーレバー162との位置関係に、なんらかの異常が発生していると考えることができる。
【0069】
本実施形態では、エンプティセンサー160の出力が用紙検知閾値を下回った時間(すなわち、エンプティセンサー160が用紙の存在を検知した1回あたりの時間)に基づいて、センサーレバー162が異常状態であるか否かを判断する。具体的には、判断部311は、エンプティセンサー160からの出力が用紙検知閾値を下回る時間が所定の閾値を上回ると、センサーレバー162が異常状態であると判断する。そして、調整部112は、駆動モーター121に対して所定動作を実行するように指示する。これにより、所定の期間において、エンプティセンサー160の出力が用紙検知回数を跨ぐ回数が正常状態と変わらない場合についても、ピックアップローラー137とセンサーレバー162との位置関係における異常状態を検知することができる。
【0070】
<他の実施の形態>
なお、本開示は上記実施形態に限定されない。例えば、判断部111は、駆動モーター121を逆転させている期間において、エンプティセンサー160からの出力が用紙検知閾値を跨いだ回数および下回った時間のいずれにも基づいて、センサーレバー162が異常状態であるか否かを判断してもよい。具体的には、例えば、エンプティセンサー160からの出力が用紙検知閾値を下回った延時間に基づいて、判断部111は、センサーレバー162が異常状態であるか否かを判断することができる。すなわち、当該延べ時間が所定の閾値を上回ると、判断部111は、センサーレバー162が異常状態であると判断する。そして、調整部112は、駆動モーター121に対して所定動作を実行するように指示してもよい。
【0071】
さらに、判断部111は、エンプティセンサー160からの出力が用紙検知閾値を下回った回数または時間のいずれに基づいてセンサーレバー162が異常状態であるか否かを判断するかを、ユーザーからの選択指示に従って決定してもよい。具体的には、画像形成装置100の備えるADFユニット50の型番などに応じて、エンプティセンサー160からの出力が用紙検知閾値を下回った回数または時間のいずれに基づいて判断するかを、ユーザーが選択するようにしてもよい。これらの場合においても、本開示は上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0072】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0073】
10 制御部、11 CPU、12 ROM、13 RAM、14 通信I/F部、15 画像データ記憶部、16 原稿サイズ記憶部、20 画像形成部、30 給紙部、40 スキャナーユニット、50 ADFユニット、51 原稿搬送モーター、52 裏面読取手段、53 原稿サイズ検知センサー、60 操作パネル、61 スタートボタン、100 画像形成装置、111 判断部、112,212 調整部、121 駆動モーター、137 ピックアップローラー、138 軸、160 エンプティセンサー、160A 検知部、162 センサーレバー、162A 基端部、162B 内周面、164 軸部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14