【解決手段】シート巻取装置は、エラストマからなる帯状のシート150の幅方向が鉛直方向を向く状態でシート150を巻き取るように構成され、巻取機構3と移送機構4と切断機構6とを備える。巻取機構3は回転台31と複数のピンとを含む。移送機構4は巻取ロール151を移送するように構成されている。切断機構6は、ベース部材61および62を含み、ベース部材61および62が横方向に移動可能に構成されている。ベース部材61には、シート150を切断するカッター611と、シート150を挟み込むための挟持部材612とが設けられている。ベース部材62には、カッターガイド621と、挟持部材612とでシート150を挟み込む挟持部材622とが設けられている。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。
【0018】
−構成−
まず、
図1〜
図11を参照して、本実施形態によるシート巻取装置100の構成について説明する。
【0019】
シート巻取装置100は、帯状のシート150の幅方向が鉛直方向(Z1およびZ2方向)を向く状態でそのシート150を巻き取るように構成されている。また、シート巻取装置100は、シート150の巻き取りによって巻取ロール151が形成された場合に、巻取ロール151を排出して新しい巻取ロールの形成を開始する巻き替えを自動的に行うように構成されている。
【0020】
シート150は、ゴムなどのエラストマからなる厚手シートであり、たとえば成形機(図示省略)により押出成形によって形成され、断面形状が凹凸状になっている。このシート150は、たとえばパッキンとして使用され、その用途に応じて種々の形状(種類)を有する。本実施形態のシート150には、
図11に示すように、幅方向における中央部に他方側(Y2方向側)に膨らむ膨出部が形成され、その膨出部の内部に孔部150aが形成されている。すなわち、シート150は断面に孔部150aを有し、その孔部150aがシート150の長手方向に沿って延びるように形成されている。また、シート150には、膨出部から他方側(Y2方向側)に突出する突起片150bが形成されるとともに、幅方向に間隔を隔てて複数の突部が両面に形成されている。なお、突起片150bおよび各突部もシート150の長手方向に沿って延びるように形成されている。
【0021】
シート巻取装置100は、
図1に示すように、アキューム機構1と搬送機構2と巻取機構3とを備え、これらが上流側(X1方向側)から下流側(X2方向側)に向けて順に配置されている。このシート巻取装置100には、上流側の成形機からシート150が供給されるようになっている。
【0022】
[アキューム機構]
アキューム機構1は、巻き替え時にシート150を一時的に貯留するために設けられている。このため、上流側から供給されるシート150の搬送を停止することなく、巻き替えを行うことが可能である。アキューム機構1は、シート150の搬送経路長を変更することにより、シート150を貯留および排出するように構成されている。なお、アキューム機構1では、シート150の幅方向が水平方向(Y1およびY2方向)を向く状態でシート150が搬送されている。
【0023】
また、アキューム機構1は、ローラ11a〜11eと、ローラ12aおよび12bとを含んでいる。ローラ11a〜11eは、所定の位置に回転可能に配置され、シート150をガイドしている。ローラ12aおよび12bは、回転可能に構成されるとともに、回転中心を鉛直方向に移動可能に構成されている。このローラ12aおよび12bは、アキューム機構1の非作動時に、ローラ11b〜11dよりも下方に配置され、シート150から離間されている。そして、アキューム機構1の作動時には、ローラ11bおよび11cの間のシート150にローラ12aが巻き掛けられるとともに、ローラ11cおよび11dの間のシート150にローラ12bが巻き掛けられ、ローラ12aおよび12bが上方に移動すると搬送経路長が長くなりシート150が貯留され、ローラ12aおよび12bが下方に移動すると搬送経路長が短くなりシート150が排出されるようになっている。
【0024】
[搬送機構]
搬送機構2は、シート150の幅方向の向きを鉛直方向に変更し、その幅方向が鉛直方向を向くシート150を巻取機構3に搬送するために設けられている。この搬送機構2は、下部フレーム91のレーンLに沿ってシート150を搬送するように構成されている。下部フレーム91には、搬送方向(X2方向)に沿って複数のローラ91aが回転自在に設けられ、幅方向が鉛直方向を向くシート150の下端部がそのローラ91aに支持されながらシート150が搬送されるようになっている。また、搬送機構2は、搬送部21と、ガイドローラ22および23と、傾斜ローラ24とを含んでいる。
【0025】
搬送部21は、
図2に示すように、幅方向が鉛直方向を向くシート150を搬送する搬送ローラ21aと、搬送ローラ21aよりも上流側に配置されるガイドローラ21bとを含み、搬送ローラ21aによるシート150の搬送速度を調整可能に構成されている。具体的には、搬送部21は、シート150に対して一方側(Y1方向側)に配置される固定部材211と、シート150に対して他方側(Y2方向側)に配置される可動部材212とを含んでいる。
【0026】
固定部材211の本体部211aには、
図4に示すように、本体部211aに対して昇降可能な上側スライド部材211bおよび下側スライド部材211cが設けられている。上側スライド部材211bには、駆動ローラ213aが回転可能に設けられ、下側スライド部材211cには、駆動ローラ213bが回転可能に設けられている。駆動ローラ213aおよび213bはシャフト213cにスプライン嵌合され、シャフト213cは図示省略したベルトを介してモータ213d(
図3参照)に連結されている。
図3に示すように、上側スライド部材211bにはリードスクリュー211dが挿入されており、そのリードスクリュー211dがハンドル211eを用いて回転されることにより上側スライド部材211bが昇降するように構成されている。下側スライド部材211cにはリードスクリュー211fが挿入されており、そのリードスクリュー211fがハンドル211gを用いて回転されることにより下側スライド部材211cが昇降するように構成されている。
【0027】
図2に示すように、本体部211aには、エアシリンダ214aのシリンダ本体214bが取り付けられている。このエアシリンダ214aは、ピストン214cを進退させるように構成されている。また、固定部材211の本体部211hには、アーム211iが回動可能に設けられている。このアーム211iは鉛直方向において対向するように設けられ、その一対のアーム211iの間にローラ214dが回転可能に設けられている。また、一対のアーム211iの間にはピン214eが設けられ、そのピン214eにピストン214cが連結されている。
【0028】
可動部材212の本体部212aは、横方向(Y1およびY2方向)に移動可能に構成されている。
図5に示すように、本体部212aには、本体部212aに対して昇降可能な上側スライド部材212bおよび下側スライド部材212cが設けられている。上側スライド部材212bには、ローラ215aおよび216aが回転可能に設けられ、下側スライド部材212cには、ローラ215bおよび216bが回転可能に設けられている。
図3に示すように、上側スライド部材212bにはリードスクリュー212dが挿入されており、そのリードスクリュー212dがハンドル212eを用いて回転されることにより上側スライド部材212bが昇降するように構成されている。下側スライド部材212cにはリードスクリュー212fが挿入されており、そのリードスクリュー212fがハンドル212gを用いて回転されることにより下側スライド部材212cが昇降するように構成されている。
【0029】
このような搬送部21では、
図2に示すように、シート150の搬送時に、可動部材212の本体部212aが固定部材211側(Y1方向側)に移動されるとともに、エアシリンダ214aのピストン214cが突出されている。これにより、駆動ローラ213aとローラ215aとによりシート150が挟み込まれるとともに、駆動ローラ213bとローラ215bとによりシート150が挟み込まれている。また、ローラ214dとローラ216aとによりシート150が挟み込まれるとともに、ローラ214dとローラ216bとによりシート150が挟み込まれている。そして、モータ213dによって駆動ローラ213aおよび213bが回転されることによりシート150が搬送される。駆動ローラ213a、213b、ローラ215a、215b、216aおよび216bの高さ位置は、シート150の形状に応じて調整される。
【0030】
なお、駆動ローラ213aおよび213bとローラ215aおよび215bとにより搬送ローラ21aが構成され、ローラ214dとローラ216aおよび216bとによりガイドローラ21bが構成されている。
【0031】
ガイドローラ22および23は、
図1に示すように、搬送部21と傾斜ローラ24との間に配置され、シート150を搬送部21へとガイドしている。ガイドローラ22および23は、それぞれ、幅方向が鉛直方向を向くシート150を挟み込むように設けられている。また、ガイドローラ22および23は、鉛直方向に連なるように配置される複数のローラからなり、その複数のローラの高さ位置をシート150の形状に応じて調整することが可能である。
【0032】
傾斜ローラ24は、アキューム機構1とガイドローラ23との間に配置され、幅方向の向きを変更中のシート150を支持するために設けられている。この傾斜ローラ24は、鉛直方向に対して側方(Y1およびY2方向)に傾斜するように設けられている。
【0033】
[巻取機構]
巻取機構3は、搬送機構2により搬送されるシート150を巻き取るために設けられている。この巻取機構3は、
図7に示すように、回転台31と、複数(本実施形態では5つ)のピン32とを含み、シート150の下端部を回転台31で支持しながら複数のピン32の外側にシート150を巻き取るように構成されている。
【0034】
回転台31は、下部フレーム91に回転可能に設けられ、ローラ91aと同じ高さ位置に配置されている。回転台31の下面には、鉛直方向(Z1およびZ2方向)に延びる回転軸31aが取り付けられている。この回転軸31aには動力源(図示省略)が連結され、その動力源からの動力によって回転軸31aおよび回転台31が回転されるようになっている。
【0035】
複数のピン32は、巻き替え時に切断されたシート150を巻き付けるために設けられている。この複数のピン32は、回転台31と一体的に回転するように構成され、回転台31の中央部に回転方向に間隔(本実施形態では72度)を隔てて配置されている。各ピン32は、回転台31のピン挿入孔31bに挿入され、基端が回転部材32aに保持されている。回転部材32aは、昇降部材33に回転可能に設けられ、回転軸31aと一体的に回転するように構成されている。昇降部材33は、ガイドピン34に沿って鉛直方向に移動可能に設けられている。このため、昇降部材33が上方(Z1方向)に移動された場合には、ピン32が回転台31から突出され、そのピン32の先端が、上部フレーム92に回転自在に設けられた受け部材92aに受け止められている。したがって、回転台31とともに、ピン32、回転部材32aおよび受け部材92aが一体的に回転される。また、昇降部材33が下方(Z2方向)に移動された場合(
図13参照)には、ピン32が回転台31から退避され、後述する移送機構4により巻取ロール151を移送可能になる。
【0036】
また、シート巻取装置100は、
図6に示すように、移送機構4と、結束機構5と、切断機構6と、送り機構7と、栓部材挿入機構8(
図7参照)とを備え、これらにより巻き替えを自動的に行うように構成されている。
【0037】
[移送機構]
移送機構4は、巻取ロール151を回転可能に保持した状態でその巻取ロール151を移送方向(X1およびX2方向)に移送するように構成されている。この移送機構4は、巻取位置P1から結束位置P2に巻取ロール151を移送するとともに、結束位置P2から排出位置P3に巻取ロール151を移送するために設けられている。なお、移送方向は、鉛直方向と直交する方向であり、本発明の「第1方向」の一例である。また、巻取位置P1は、巻取機構3によりシート150の巻き取りが行われる位置であり、結束位置P2は、結束機構5により巻取ロール151が結束される位置であり、排出位置P3は、バンド170で結束された巻取ロール151が排出される位置である。巻取位置P1、結束位置P2および排出位置P3は、上流側から下流側に向けて順に隣接するように設けられている。
【0038】
また、移送機構4は、上部フレーム92に設けられた移送フレーム41と、移送フレーム41に設けられた複数(本実施形態では4つ)の保持ピン42とを含んでいる。移送フレーム41は、上部フレーム92に対して移送方向にスライド移動可能に構成されている。保持ピン42は、移送フレーム41から下方に延びるように構成され、巻取ロール151を回転可能に保持するために設けられている。この保持ピン42は、移送フレーム41に対して回転可能であるとともに、回転中心が巻取ロール151の径方向に移動可能に構成されている。なお、下部フレーム91には、移送方向に沿って複数のローラ91bが回転自在に設けられ、巻取ロール151の下端部がそのローラ91bに支持されながら巻取ロール151が移送されるようになっている。
【0039】
[結束機構]
結束機構5は、巻取ロール151の巻き崩れを防止するために、巻取ロール151をバンド170(
図22参照)で結束するように構成されている。この結束機構5は、結束位置P2に配置され、巻取ロール151にバンド170を巻き付けるバンド巻付装置51と、巻取ロール151を結束位置P2で回転させる複数(本実施形態では4つ)の円錐ローラ52とを含んでいる。バンド巻付装置51(
図22参照)は、一方側(Y1方向側)に配置され、バンド170を巻取ロール151の中心開口部に通して径方向外側に巻き付けるように構成されている。具体的には、巻取ロール151の中心開口部の内周面のY1方向側の部分と、その部分から巻取ロール151の径方向外側に位置する外周面、上端面および下端面とがバンド170で縛られている。
【0040】
複数の円錐ローラ52は、結束位置P2で巻取ロール151を回転させることにより、巻取ロール151の周方向における複数箇所(本実施形態では4箇所)にバンド170を巻き付けるために設けられている。複数の円錐ローラ52は、巻取ロール151の回転方向に所定の間隔(本実施形態では90度)を隔てて配置されている。各円錐ローラ52は、
図8に示すように、円錐状に形成され、先端が巻取ロール151の径方向内側を向くように配置されている。また、各円錐ローラ52は、昇降部材52aに回転可能に設けられ、動力源(図示省略)によって回転されるように構成されている。昇降部材52aにより円錐ローラ52が下方(Z2方向)に移動された場合には、移送機構4により巻取ロール151を移送可能であり、昇降部材52aにより円錐ローラ52が上方(Z1方向)に移動された場合には、円錐ローラ52により巻取ロール151を回転させることが可能である。また、下部フレーム91には、巻取ロール151の中心開口部にバンド170を通すための切欠部(図示省略)が形成され、その切欠部を開閉するための開閉アーム53が設けられている。開閉アーム53の先端には、切欠部を塞ぐ閉塞面53aが形成されている。
【0041】
[切断機構]
切断機構6は、結束位置P2に移送された巻取ロール151へと延びるシート150を切断するために設けられている。この切断機構6は、シート150に対して一方側(Y1方向側)に配置されるベース部材61(
図9参照)と、シート150に対して他方側(Y2方向側)に配置されるベース部材62(
図10参照)とを含んでいる。ベース部材61および62は、移送フレーム41に横方向(Y1およびY2方向)に移動可能に設けられている。なお、ベース部材61および62は、それぞれ、本発明の「第1ベース部材」および「第2ベース部材」の一例である。また、横方向は、鉛直方向および移送方向と直交する方向であり、本発明の「第2方向」の一例である。
【0042】
ベース部材61には、
図9に示すように、カッター611と、挟持部材612と、挟持ローラ613とが設けられている。カッター611は、シート150を切断するために設けられ、鉛直方向に移動可能に構成されている。挟持部材612は、ベース部材61に着脱可能に取り付けられ、後述する挟持部材622とでシート150を挟み込むように構成されている。この挟持部材612は、シート150の形状と対応する挟持面612aを有する。挟持面612aには、シート150の一方側の面の突部と対応する位置に凹部が形成されている。挟持ローラ613は、後述する挟持ローラ623とでシート150を挟み込むように構成されている。この挟持ローラ613は、鉛直方向に延びるように形成された1本のローラである。カッター611、挟持部材612および挟持ローラ613は、ベース部材61に対して昇降可能に構成されている。なお、挟持部材612は、本発明の「第1挟持部材」の一例であり、挟持ローラ613は、本発明の「第1挟持ローラ」の一例である。
【0043】
ベース部材62には、
図10に示すように、カッターガイド621と、挟持部材622と、挟持ローラ623と、把持部材624とが設けられている。カッターガイド621は、カッター611が鉛直方向に移動する際にガイドする機能を有し、ガイド溝(図示省略)が鉛直方向に延びるように形成されている。挟持部材622は、ベース部材62に着脱可能に取り付けられ、挟持部材612とでシート150を挟み込むように構成されている。この挟持部材622は、シート150の形状と対応する挟持面622aを有する。挟持面622aには、シート150の他方側の面の突部と対応する位置に凹部が形成されている。また、挟持部材622は、シート150の膨出部を逃がすために2つに分割されている。挟持ローラ623は、ベース部材62に着脱可能に取り付けられ、挟持ローラ613とでシート150を挟み込むように構成されている。この挟持ローラ623は、鉛直方向に連なるように配置される複数(本実施形態では5つ)のローラを含んでいる。把持部材624は、開閉可能であり、シート150の突起片150bを掴むために設けられている。カッターガイド621、挟持部材622、挟持ローラ623および把持部材624は、ベース部材62に対して昇降可能かつスライド移動可能に構成されている。なお、挟持部材622は、本発明の「第2挟持部材」の一例であり、挟持ローラ623は、本発明の「第2挟持ローラ」の一例である。
【0044】
したがって、切断機構6では、シート150の形状に応じて、挟持部材612および622を交換可能であり、挟持ローラ623の高さ位置を調整することが可能である。
【0045】
[送り機構]
送り機構7は、切断されたシート150の端部(切断端の一方)を巻取ロール151側に送るために設けられている。この送り機構7は、
図11に示すように、シート150に対して一方側に配置されるベース部材71と、シート150に対して他方側に配置されるベース部材72と、横方向(Y1およびY2方向)に延びる中間パイプ73とを含んでいる。ベース部材71および72は、中間パイプ73に横方向(Y1およびY2方向)に移動可能に設けられている。中間パイプ73は、移送フレーム41に移送方向(X1およびX2方向)に移動可能に設けられている。
【0046】
ベース部材71には、後述する保持ローラ721とでシート150を挟み込む保持ローラ711が設けられている。この保持ローラ711は、鉛直方向に延びるように形成された1本のローラであり、ベース部材71に対して昇降可能に構成されている。ベース部材72には、保持ローラ711とでシート150を挟み込む保持ローラ721が設けられている。この保持ローラ721は、鉛直方向に連なるように配置される複数(本実施形態では5つ)のローラを含み、ベース部材72に着脱可能に取り付けられている。このため、シート150の形状に応じて、保持ローラ721の高さ位置を調整することが可能である。また、保持ローラ721は、ベース部材72に対して昇降可能かつスライド移動可能に構成されている。なお、保持ローラ711および721は、本発明の「保持部材」の一例である。
【0047】
[栓部材挿入機構]
栓部材挿入機構8は、
図7に示すように、切断されたシート150の孔部150aに栓部材160を挿入するために設けられている。すなわち、栓部材挿入機構8は、切断されたシート150の端部(切断端の他方)に現れる孔部150aを閉塞するために設けられている。この栓部材挿入機構8は、巻取機構3の下流側(X2方向側)に配置され、鉛直方向に移動可能な本体部81を含んでいる。この本体部81には栓部材160が供給され、その栓部材160を本体部81がシート150の孔部150aに挿入するようになっている。
【0048】
−動作−
次に、
図1〜
図23を参照して、本実施形態によるシート巻取装置100の動作について説明する。
【0049】
まず、シート巻取装置100に供給されるシート150は、上流側に配置される成形機(図示省略)により押出成形によって形成される。そのシート150は、
図1に示すように、アキューム機構1および搬送機構2を介して巻取機構3に搬送され、その巻取機構3により巻き取られる。
【0050】
具体的には、シート150の巻き取り時には、アキューム機構1が非作動状態であり、成形機から供給されるシート150は、ローラ11a〜11eを介して搬送機構2に送られる。なお、アキューム機構1では、シート150の幅方向が水平方向(Y1およびY2方向)を向いている。そして、傾斜ローラ24、ガイドローラ23および22を介して搬送部21にシート150が送られ、その搬送部21によりシート150が搬送される。このとき、ローラ11eから傾斜ローラ24を介してガイドローラ23に送られる過程において、シート150の幅方向の向きが鉛直方向(Z1およびZ2方向)に変更される。このため、搬送部21により搬送されるシート150は、下端部がローラ91aに支持されている。
【0051】
また、搬送部21では、
図2に示すように、可動部材212の本体部212aが固定部材211側(Y1方向側)に移動されるとともに、エアシリンダ214aのピストン214cが突出されている。このため、搬送ローラ21aによりシート150が挟み込まれるとともに、ガイドローラ21bによりシート150が挟み込まれている。そして、モータ213d(
図3参照)によって駆動ローラ213aおよび213bが回転されることによりシート150が搬送される。なお、搬送部21によるシート150の搬送速度は、成形機からのシート150の供給速度とほぼ同じに設定される。
【0052】
そして、
図7に示すように、巻取機構3では、昇降部材33が上方(Z1方向)に配置され、ピン32が回転台31から突出されており、この状態で回転台31が回転されてシート150が巻き取られる。このようなシート150の巻き取りにより、回転台31上のピン32の外側に巻取ロール151が形成される。なお、回転台31は、動力源(図示省略)からの動力が回転軸31aを介して伝達されることによって回転される。また、回転台31とともに、ピン32、回転部材32aおよび受け部材92aが一体的に回転される。
【0053】
次に、巻き替え時には、搬送部21によるシート150の搬送が停止されるとともに、回転台31の回転が停止されてシート150の巻き取りが中断される。また、アキューム機構1が作動されることにより、ローラ12aおよび12b(
図1参照)が上方(Z1方向)に移動されて搬送経路長が長くなることから、成形機から供給されるシート150がアキューム機構1に貯留される。このため、巻き替え時に成形機を停止させる必要がない。
【0054】
次に、
図12に示すように、移送機構4では、保持ピン42が巻取位置P1の巻取ロール151に近づくように内側に移動される。これにより、複数の保持ピン42が巻取ロール151の外周面に当接され、巻取ロール151が移送機構4に回転可能な状態で保持される。
【0055】
そして、
図13に示すように、巻取機構3では、昇降部材33が下方(Z2方向)に移動され、ピン32が回転台31から退避される。このため、ピン32が巻取ロール151から抜かれるので、巻取ロール151を巻取位置P1から移送可能な状態になる。
【0056】
その後、
図14に示すように、移送フレーム41が移送方向(X2方向)に移動されることにより、巻取ロール151が巻取位置P1から結束位置P2に移送される。このとき、搬送部21から巻取ロール151までの搬送経路長の増大に応じて、搬送部21によりシート150が送り出される。すなわち、巻取ロール151の移送に起因する、搬送部21と巻取ロール151との間の経路長の増加分のシート150が、巻取ロール151から引き出されることなく、搬送部21側(上流側)から供給される。なお、移送機構4により移送される巻取ロール151は、下端部がローラ91bに支持されている。
【0057】
次に、
図15に示すように、切断機構6では、ベース部材61が移送フレーム41に沿って横方向(Y2方向)に移動されるとともに、ベース部材62が移送フレーム41に沿って横方向(Y1方向)に移動される。また、送り機構7では、ベース部材71(
図11参照)が中間パイプ73に沿って横方向(Y2方向)に移動されるとともに、ベース部材72(
図11参照)が中間パイプ73に沿って横方向(Y1方向)に移動される。これにより、ベース部材61および62が接近した状態になるとともに、ベース部材71および72が接近した状態になる。
【0058】
そして、カッターガイド621、挟持部材622、挟持ローラ623および把持部材624が、ベース部材62に対してスライド移動(Y1方向への移動)される。これにより、
図16に示すように、カッターガイド621のガイド溝にカッター611の先端が挿入され、挟持部材612および622によりシート150が挟持されるとともに、挟持ローラ613および623によりシート150が挟持される。そして、把持部材624が閉じられることにより、シート150の突起片150bが把持部材624に掴まれる。また、保持ローラ721がベース部材72に対してスライド移動(Y1方向への移動)されることにより、
図17に示すように、保持ローラ711および721によりシート150が挟持される。
【0059】
これにより、カッター611およびカッターガイド621に対する上流側(X1方向側)のシート150は、挟持部材612および622により挟持されるとともに、挟持ローラ613および623により挟持される。また、カッター611およびカッターガイド621に対する下流側(X2方向側)のシート150は、保持ローラ711および721により保持される。したがって、シート150を強固に保持することができるので、エラストマからなるシート150をカッター611で切断する際に、シート150がずれたりして切断できなくなるのを抑制することが可能である。なお、巻取機構3では、昇降部材33が上方(Z1方向)に移動され、ピン32が回転台31から突出される。これにより、シート150が複数のピン32の間に通された状態になる。
【0060】
その後、カッター611、挟持部材612および挟持ローラ613が、ベース部材61に対して若干上昇されるとともに、カッターガイド621、挟持部材622、挟持ローラ623および把持部材624が、ベース部材62に対して若干上昇される。また、保持ローラ711がベース部材71に対して若干上昇されるとともに、保持ローラ721がベース部材72に対して若干上昇される。これにより、シート150が持ち上げられ、シート150の下端部までカッター611により切断可能になる。
【0061】
この状態で、カッター611をD方向(
図16参照)に揺動させながら、カッター611をカッターガイド621に沿って下方(Z2方向)に移動させる。これにより、
図18に示すように、シート150が下端部まで切断される。なお、切断端の一方(下流側の切断端)は送り機構7に保持され、切断端の他方(上流側の切断端)は切断機構6に挟持されている。
【0062】
そして、結束機構5では、
図19に示すように、昇降部材52aにより円錐ローラ52が上方(Z1方向)に移動される。このため、結束位置P2の巻取ロール151が円錐ローラ52によって支持され、下部フレーム91のローラ91bから巻取ロール151が離間される。したがって、円錐ローラ52により巻取ロール151を回転可能な状態になる。
【0063】
その後、送り機構7の中間パイプ73(
図11参照)が巻取ロール151側(X2方向側)に移動されることにより、
図20に示すように、切断されたシート150の端部(切断端の一方)を保持する保持ローラ711および721がX2方向側に移動される。このため、切断されたシート150の端部が巻取ロール151に近づけられる。このとき、円錐ローラ52が回転されることにより、その円錐ローラ52に載置される巻取ロール151が回転されるため、その巻取ロール151にシート150が巻き取られる。
【0064】
また、栓部材挿入機構8では、
図21に示すように、本体部81が上方(Z1方向)に移動されることにより、その本体部81が回転台31の開口部31cを介してレーンL(
図1参照)に現れる。そして、本体部81により栓部材160が切断されたシート150の端部(切断端の他方)に向けて上流側(X1方向側)に移動され、栓部材160がシート150の孔部150aに挿入される。このため、シート150の孔部150aが栓部材160によって閉塞される。その後、本体部81が下方(Z2方向)に移動され、元の位置に戻される。
【0065】
そして、シート150の巻き取りが再開され、新しい巻取ロールの形成が開始される。具体的には、回転台31およびピン32が回転されると、切断されたシート150の端部(切断端の他方)がピン32に係り合されて複数のピン32の外側に巻き付けられる。また、搬送部21によりシート150が巻取機構3に搬送される。アキューム機構1(
図1参照)では、ローラ12aおよび12bが下方(Z2方向)に移動されて搬送経路長が短くなることから、シート150がアキューム機構1から排出される。そして、アキューム機構1からのシート150の排出が完了されると、アキューム機構1が非作動状態になり、搬送部21によるシート150の搬送速度が、成形機からのシート150の供給速度とほぼ同じに設定される。
【0066】
また、結束機構5では、
図22に示すように、結束位置P2の巻取ロール151に対してバンド170が巻き付けられる。具体的には、開閉アーム53(
図19参照)が下方に回動され、バンド170を通すための切欠部(図示省略)が開放される。そして、バンド巻付装置51により、バンド170が巻取ロール151の中心開口部を通されて径方向外側(Y1方向側)に巻き付けられる。その後、開閉アーム53が上方に回動され、閉塞面53a(
図19参照)により切欠部が塞がれる。次に、円錐ローラ52が回転されることにより、その円錐ローラ52に載置される巻取ロール151が所定角度(本実施形態では90度)だけ回転される。なお、円錐ローラ52上で回転される巻取ロール151は、移送機構4の保持ピン42により保持されている。このようなバンド170の巻き付けと巻取ロール151の回転とが繰り返し行われることにより、巻取ロール151の周方向における4箇所にバンド170が巻き付けられる。
【0067】
その後、バンド170の巻き付けが完了されると、昇降部材52a(
図8参照)により円錐ローラ52が下方(Z2方向)に移動される。このため、円錐ローラ52による巻取ロール151の支持が解除され、下部フレーム91のローラ91bに巻取ロール151が載置される。これにより、移送機構4により巻取ロール151を移送可能な状態になる。
【0068】
次に、
図23に示すように、移送フレーム41が移送方向(X2方向)に移動されることにより、バンド170で結束された巻取ロール151が結束位置P2から排出位置P3に移送される。そして、保持ピン42が巻取ロール151の径方向外側に移動され、保持ピン42による巻取ロール151の保持が解除される。その後、移送機構4が元の位置に戻される。このようにして、巻取ロール151が自動的に排出位置P3に排出される。
【0069】
−効果−
本実施形態では、上記のように、幅方向が鉛直方向を向くシート150を巻き取る巻取機構3と、巻取ロール151を移送方向(X2方向)に移送する移送機構4と、巻取ロール151へと延びるシート150を切断する切断機構6とが設けられている。巻取機構3は、回転台31および複数のピン32を含み、ピン32が回転台31から突出された状態で回転台31が回転されることによって切断されたシート150がピン32に巻き付けられるように構成されるとともに、巻取ロール151が移送されるときにピン32が回転台31から退避するように構成されている。切断機構6は、横方向(Y1およびY2方向)に移動可能なベース部材61および62を含み、ベース部材61にカッター611および挟持部材612が設けられるとともに、ベース部材62にカッターガイド621および挟持部材622が設けられている。このように構成することによって、移送機構4により巻取ロール151を移送するとともに、切断機構6によりシート150を切断し、ピン32が突出された状態の回転台31を回転させることにより、切断されたシート150をピン32に巻き付けることができるので、巻取ロール151を排出して新しい巻取ロールの形成を開始することができる。したがって、エラストマからなる帯状のシート150の幅方向が鉛直方向を向く状態でそのシート150を巻き取る場合に、巻き替えを自動化することができる。
【0070】
また、本実施形態では、ベース部材61に挟持ローラ613が設けられるとともに、ベース部材62に挟持ローラ623が設けられることによって、切断されるシート150をより強固に保持することができる。また、挟持ローラ613が鉛直方向に延びるように形成された1本のローラであり、挟持ローラ623が、鉛直方向に連なるように配置される複数のローラを含み、ベース部材62に着脱可能に取り付けられている。これにより、シート150の形状に応じて挟持ローラ623の高さ位置を調整することができるので、種々の形状のシート150を適切に挟持することができる。すなわち、形状の異なるシート150に対応可能である。
【0071】
また、本実施形態では、巻取ロール151をバンド170で結束する結束機構5を設けることによって、巻取ロール151が巻き崩れるのを防止することができる。また、結束位置P2で巻取ロール151を回転させる複数の円錐ローラ52を設けることによって、巻取ロール151の周方向における複数箇所にバンド170を巻き付けることができる。
【0072】
また、本実施形態では、切断されたシート150の端部(切断端の一方)を巻取ロール151側に送る送り機構7を設けることによって、切断されたシート150の端部を巻取ロール151に巻き付けることができる。また、一対の保持ローラ711および721を設けることによって、切断されるシート150をより強固に保持することができる。また、保持ローラ711が鉛直方向に延びるように形成された1本のローラであり、保持ローラ721が、鉛直方向に連なるように配置される複数のローラを含み、ベース部材72に着脱可能に取り付けられている。これにより、シート150の形状に応じて保持ローラ721の高さ位置を調整することができるので、種々の形状のシート150を適切に保持することができる。すなわち、形状の異なるシート150に対応可能である。
【0073】
また、本実施形態では、カッター611によりシート150が切断される前に、挟持部材612、622、挟持ローラ613、623、保持ローラ711および721が上方に移動されることによって、シート150が持ち上げられるので、シート150の下端部までカッター611により切断することができる。
【0074】
また、本実施形態では、切断されたシート150の孔部150aに栓部材160を挿入する栓部材挿入機構8を設けることによって、切断されたシート150の端部(切断端の他方)に現れる孔部150aを栓部材160により閉塞することができる。これにより、押出成形されるシート150の孔部150aの内圧を保つことができるので、成形直後のシート150の形状が変形するのを抑制することができる。
【0075】
また、本実施形態では、挟持部材612がベース部材61に着脱可能に取り付けられるとともに、挟持部材622がベース部材62に着脱可能に取り付けられることによって、シート150の形状に応じて挟持部材612および622を交換することができるので、種々の形状のシート150を適切に挟持することができる。すなわち、形状の異なるシート150に対応可能である。
【0076】
−他の実施形態−
なお、今回開示した実施形態は、すべての点で例示であって、限定的な解釈の根拠となるものではない。したがって、本発明の技術的範囲は、上記した実施形態のみによって解釈されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて画定される。また、本発明の技術的範囲には、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0077】
たとえば、本実施形態では、バンド170を巻取ロール151の4箇所に巻き付ける例を示したが、これに限らず、バンドを巻取ロールの5箇所以上に巻き付けるようにしてもよい。
【0078】
また、本実施形態では、シート150に孔部150aが形成される例を示したが、これに限らず、シートに孔部が形成されていなくてもよい。
本発明によるシート巻取装置は、エラストマからなる帯状のシートの幅方向が鉛直方向を向く状態でそのシートを巻き取るように構成されたものであり、幅方向が鉛直方向を向くシートを巻き取る巻取機構と、シートの巻き取りによって形成される巻取ロールを移送する移送機構と、巻取ロールへと延びるシートを切断する切断機構とを備える。巻取機構は、鉛直方向の回転軸を有する回転台と、回転台の中央部に回転方向に間隔を隔てて配置される複数のピンとを含み、ピンが回転台から突出された状態で回転台が回転されることによって切断されたシートがピンに巻き付けられるように構成されるとともに、巻取ロールが移送されるときにピンが回転台から退避するように構成されている。移送機構は、巻取ロールを鉛直方向と交差する第1方向に移送するように構成されている。切断機構は、シートに対して一方側に配置される第1ベース部材と、シートに対して他方側に配置される第2ベース部材とを含み、第1ベース部材および第2ベース部材が第1方向と交差する第2方向に移動可能に構成されている。第1ベース部材には、シートを切断するカッターが鉛直方向に移動可能に設けられるとともに、カッターによるシートの切断時に
シートを挟み込むための第1挟持部材が設けられている。第2ベース部材には、カッターが鉛直方向に移動する際にガイドするカッターガイドと、カッターによるシートの切断時に第1挟持部材とでシートを挟み込む第2挟持部材とが設けられている。
シートを挟み込むための第1挟持ローラが設けられるとともに、第2ベース部材には、カッターによるシートの切断時に第1挟持ローラとでシートを挟み込む第2挟持ローラが設けられており、第1挟持ローラは、鉛直方向に延びるように形成された1本のローラを含み、第2挟持ローラは、鉛直方向に連なるように配置される複数のローラを含み、第2ベース部材に着脱可能に取り付けられている。