【解決手段】第1シート供給装置1は、第1載置部11と、第1給送ローラー12と、検知部20と、制御部30とを備える。第1載置部11は、シートR1が載置される。第1給送ローラー12は、シートR1を第1載置部11の外部へ送出する。検知部20は、送出中のシートR1の異常形状を検知する。制御部30は、検知部20の検知結果に基づいて、第1給送ローラー12がシートR1を第1載置部11に戻すように第1給送ローラー12を制御する。前記異常形状は、シートR1の搬送方向Xに対してシートR1の一部Raが傾斜するときのシートR1の形状を示す。
前記送出部は、第1速度で前記シートを搬送した後、前記第1速度よりも速い第2速度で前記シートを搬送する、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のシート供給装置。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図中、同一又は相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。
【0012】
図1及び
図2を参照して、本発明の実施形態を示す画像形成装置100について説明する。
図1は、画像形成装置100の概略構成図である。
図2は、画像形成装置100の一部拡大図である。
【0013】
図1及び
図2に示すように、画像形成装置100は、第1シート供給装置(シート供給装置)1と、読取部2と、第1排出ローラー3と、第1排出トレイ4と、入力部5と、第2シート供給装置6と、画像形成部7と、第2排出ローラー8と、第2排出トレイ9とを備える。
【0014】
第1シート供給装置1は、例えば、ADF(Auto Document Feeder)である。第1シート供給装置1は、第1載置部(載置部)11と、第1給送ローラー(送出部)12と、第1搬送ローラー13と、第1レジストローラー14とを有する。
【0015】
第1載置部11には、単数又は複数のシートが載置される。本実施形態では、第1載置部11には、複数のシートRが載置される。
【0016】
第1給送ローラー12は、第1載置部11に載置されたシートRを第1載置部11の外部へ送出する。詳細には、第1給送ローラー12は、第1載置部11に積み重ねられた複数のシートRのうち最上位に位置するシートR1から最下位に位置するシートに向けて順に1枚ずつ第1載置部11の外部へ送出する。第1給送ローラー12は、上下方向に移動可能に支持されると共に、回転可能に支持される。第1給送ローラー12は、シートR1を送出する際、第1載置部11に載置されたシートR1に近接し、シートR1に接触する。そして、第1給送ローラー12は、第1載置部11に載置されたシートR1に接触しつつ回転することでシートR1を第1載置部11の外部へ送出する。第1給送ローラー12がシートR1を第1載置部11の外部へ送出するときのシートR1の移動方向を、搬送方向Xと記載する。第1給送ローラー12は、第1搬送ローラー13に向けてシートR1を送出する。
【0017】
第1搬送ローラー13は、第1給送ローラー12から送出されたシートR1を第1レジストローラー14に向けて送出する。第1レジストローラー14は、読取部2に向けてシートR1を送る。具体的には、読取部2が稼働するタイミングに合わせて、第1レジストローラー14が読取部2にシートR1を送る。
【0018】
読取部2は、シートR1に形成された画像を読み取る。読取部2は、例えば、LED(Light Emitting Diode)のような発光部と、イメージセンサーのような撮像部とを含む。発光部、及び撮像部によって、シートR1に形成された画像が読み取られる。読取部2は、本実施形態では、CIS(Contact Image Sensor)ユニットである。なお、CISユニットに換えて、CCD(Charge Coupled Device)センサー、及びレンズ系を設けてもよい。
【0019】
第1排出ローラー3は、読取部2を通過したシートR1を第1排出トレイ4へ排出する。
【0020】
入力部5は、表示部5aと、操作キー群5bとを含む。入力部5は、画像形成装置100に対するユーザーからの指示を受け付ける。つまり、ユーザーは、入力部5を介して画像形成装置100にジョブを入力する。表示部5aは、タッチパネルであってもよい。
【0021】
第2シート供給装置6は、第2載置部61と、第2給送ローラー62と、第2搬送ローラー63と、第2レジストローラー64とを有する。
【0022】
第2載置部61には、単数又は複数のシートが載置される。本実施形態では、第2載置部61には、複数のシートPが載置される。
【0023】
第2給送ローラー62は、第2載置部61に載置されたシートPを第2載置部61の外部へ送出する。詳細には、第2給送ローラー62は、第2載置部61に積み重ねられた複数のシートPのうち最上位に位置するシートP1から最下位に位置するシートに向けて順に1枚ずつ第2載置部61の外部へ送出する。第2給送ローラー62は、上下方向に移動可能に支持されると共に、回転可能に支持される。第2給送ローラー62は、シートP1を送出する際、第2載置部61に載置されたシートP1に近接し、シートP1に上方から接触する。そして、第2給送ローラー62は、第2載置部61に載置されたシートP1に接触しつつ回転することでシートP1を第2載置部61の外部へ送出する。第2給送ローラー62は、第2搬送ローラー63に向けてシートP1を送出する。
【0024】
第2搬送ローラー63は、第2給送ローラー62から送出されたシートP1を第2レジストローラー64に向けて送出する。第2レジストローラー64は、画像形成部7に向けてシートP1を送る。具体的には、画像形成部7が稼働するタイミングに合わせて、第2レジストローラー64が画像形成部7にシートP1を送る。
【0025】
画像形成部7は、シートP1に画像を形成する。画像は、具体的には、トナー画像を示す。画像形成部7は、例えば、読取部2が読み取った画像をシートP1に形成する。また、画像形成部7は、例えば、外部のコンピューターから画像データを受信し、外部のコンピューターから受信した画像データの示す画像をシートP1に形成する。
【0026】
画像形成部7は、感光体ドラムと、帯電部と、露光部と、現像部と、転写部と、クリーニング部と、除電部とを含む。感光体ドラム、帯電部、露光部、現像部、及び転写部によって、シートP1に画像が形成される。クリーニング部は、感光体ドラムの表面に残留しているトナーを除去する。除電部は、感光体ドラムの表面の残留電荷を除去する。画像形成部7は、シートP1に画像を形成した後、シートP1を定着部に向けて送出する。定着部は、画像を加熱及び加圧してシートP1に定着させる。
【0027】
第2排出ローラー8は、画像形成部7を通過したシートP1を、第2排出トレイ9へ排出する。
【0028】
次に、
図3を参照して、画像形成装置100について更に説明する。
図3は、画像形成装置100を示すブロック図である。
【0029】
図3に示すように、画像形成装置100は、記憶部10と、検知部20と、制御部30とを更に備える。
【0030】
記憶部10は、記憶装置を含む。記憶装置は、ROM(Read Only Memory)、及びRAM(Random Access Memory)のような主記憶装置(例えば、半導体メモリー)を含み、補助記憶装置(例えば、ハードディスクドライブ)を更に含んでもよい。主記憶装置及び/又は補助記憶装置は、制御部30によって実行される種々のコンピュータープログラムを記憶する。
【0031】
制御部30は、CPU(Central Processing Unit)及びMPU(Micro Processing Unit)のようなプロセッサーを含む。制御部30は、画像形成装置100の各要素を制御する。具体的には、プロセッサーは、記憶装置に記憶されたコンピュータープログラムを実行することにより、第1シート供給装置1と、読取部2と、第1排出ローラー3と、入力部5と、第2シート供給装置6と、画像形成部7と、第2排出ローラー8と、記憶部10と、検知部20とを制御する。
【0032】
なお、第1排出ローラー3、第2排出ローラー8、第1給送ローラー12、第1搬送ローラー13、第1レジストローラー14、第2給送ローラー62、第2搬送ローラー63、及び第2レジストローラー64のようなシートを搬送する搬送部材は、例えば、ギア及びクラッチを介してモーターに接続されている。従って、制御部30は、例えば、ギア、クラッチ、及びモーターを操作して、搬送部材の動作を制御する。
【0033】
図4(a)及び
図4(b)を参照して、検知部20について説明する。
図4(a)は、検知部20の位置を示す斜視図である。
図4(b)は、シートR1の異常形状を示す斜視図である。
【0034】
図4(a)及び
図4(b)に示すように、検知部20は、第1載置部11に設置される。本実施形態の検知部20は、光電センサーである。検知部20は、具体的には、発光部21と、受光部22とを有する。発光部21は、光Lを出射する。受光部22は、発光部21が出射した光Lを受光する。発光部21と、受光部22とは、幅方向Wに沿って対向するように設置される。幅方向Wは、搬送方向Xに対して垂直であり、かつ、水平な方向を示す。発光部21と受光部22との間の寸法は、シートR1の幅方向Wの寸法よりも大きい。上方から見て、発光部21と受光部22との間に、第1載置部11に載置されたシートR1が位置する。発光部21と受光部22とは、例えば、側壁部に取り付けられる。側壁部は、第1載置部11に載置されたシートR1に対し、幅方向Wの両側に位置するように設置される。なお、発光部21と受光部22とを支持する部材は、特に限定されない。
【0035】
検知部20は、第1載置部11に載置された最大シート束よりも高い場所に位置する。最大シート束は、第1載置部11に載置可能な最大枚数のシートを積み重ねてできるシートの束を示す。
【0036】
検知部20は、第1給送ローラー12が送出中のシートR1の異常形状を検知する。異常形状は、シートR1の搬送方向Xに対してシートR1の一部Raが傾斜するときのシートR1の形状を示す。つまり、異常形状は、シートR1が搬送方向Xと略平行な状態から、シートR1の一部Raが跳ね上がったときのシートR1の形状を示す。
【0037】
検知部20は、第1給送ローラー12よりも搬送方向Xの上流に設置される。従って、検知部20は、シートR1のうち第1給送ローラー12よりも搬送方向Xの上流に位置する部分の異常形状を検知する。
【0038】
シートR1が正常形状のとき、シートR1は、発光部21と受光部22との間の光Lよりも下方に位置する。正常形状は、シートR1が搬送方向Xと略平行な状態を示す。従って、検知部20は、シートR1を検知しない。つまり、検知部20は、シートR1の正常形状を検知する。
【0039】
これに対し、シートR1が異常形状のとき、シートR1の一部Raが光Lを遮る。従って、検知部20は、シートR1を検知する。つまり、検知部20は、シートR1の異常形状を検知する。
【0040】
例えば、複数のシートRがステープラーの針のような綴じ部材Zで綴じられた状態で、第1給送ローラー12がシートR1を送出すると、シートR1が綴じ部材Zを中心に回転し、シートR1の一部Raが跳ね上がる。その結果、シートR1の一部Raが光Lを遮り、検知部20がシートR1の異常形状を検知する。
【0041】
以上、
図4(a)及び
図4(b)を参照して説明したように、複数のシートRが綴じ部材Zで綴じられた状態でシートR1が送出されると、検知部20がシートR1の異常形状を検知する。従って、検知部20は、綴じ部材Zで綴じられたシートR1の異常形状を検知することが可能となる。
【0042】
次に、
図5(a)及び
図5(b)を参照して、検知部20の設置場所の変形例について説明する。
図5(a)は、検知部20の設置場所の第1変形例を示す。
図5(b)は、検知部20の設置場所の第2変形例を示す。
【0043】
図5(a)に示すように、第1変形例では、検知部20が複数設けられる点で本実施形態とは異なる。具体的には、第1変形例では、検知部20が2つ設けられる。第1変形例において、複数の検知部20は、第1給送ローラー12よりも搬送方向Xの上流に設置される。複数の検知部20は、搬送方向Xに互いに間隔を空けて設置される。具体的には、複数の発光部21が搬送方向Xに互いに間隔を空けて設置される。また、複数の受光部22が搬送方向Xに互いに間隔を空けて設置される。従って、搬送方向Xに離間した複数の場所でシートR1の異常形状を検知することが可能となる。その結果、シートR1の異常形状をより確実に検知することが可能となる。
【0044】
図5(b)に示すように、第2変形例では、検知部20が複数設けられる点で本実施形態とは異なる。具体的には、第2変形例では、検知部20が2つ設けられる。第2変形例において、複数の検知部20のうちの1つは、第1給送ローラー12よりも搬送方向Xの上流に設置される。複数の検知部20のうちの他の1つは、第1給送ローラー12よりも搬送方向Xの下流に設置される。具体的には、第1給送ローラー12よりも搬送方向Xの上流と下流とのそれぞれに、発光部21と受光部22とが設置される。従って、第1給送ローラー12よりも搬送方向Xの上流のみならず、第1給送ローラー12よりも搬送方向Xの下流でも、シートR1の異常形状を検知することが可能となる。その結果、シートR1の異常形状をより確実に検知することが可能となる。
【0045】
なお、複数の検知部20を設ける場合、複数の発光部21が出射した光Lを単数の受光部22が受光するように構成してもよい。その結果、部材点数を削減することが可能となる。
【0046】
次に、
図3、及び
図6(a)〜
図7(b)を参照して、第1給送ローラー12の動作について説明する。
図6(a)〜
図7(b)は、第1給送ローラー12の動作を示す図である。
【0047】
図3、及び
図6(a)に示すように、第1給送ローラー12が第1載置部11に載置されたシートR1に接触するように、制御部30が第1給送ローラー12を制御する。
【0048】
図3、及び
図6(b)に示すように、第1給送ローラー12がシートR1に接触すると、第1給送ローラー12が第1方向D1に回転するように、制御部30が第1給送ローラー12を制御する。その結果、第1給送ローラー12がシートR1に接触しつつ第1方向D1に回転して、シートR1を第1載置部11の外部へ送出する処理が開始される。つまり、シートR1が搬送方向Xに移動する。
【0049】
検知部20がシートR1の異常形状を検知すると、第1給送ローラー12の回転を停止させるように、制御部30が第1給送ローラー12を制御する。その結果、シートR1を第1載置部11の外部へ送出する処理が中止される。
【0050】
図3、及び
図7(a)に示すように、第1給送ローラー12の回転が停止した後、第1給送ローラー12が第1方向D1と反対の第2方向D2に回転するように、制御部30が第1給送ローラー12を制御する。その結果、第1給送ローラー12がシートR1に接触しつつ第2方向D2に回転して、シートR1を第1載置部11に戻す。つまり、第1給送ローラー12は、シートR1の搬送方向Xと反対方向にシートR1を搬送して、シートR1を第1載置部11に戻す。シートR1を第1載置部11に戻すとは、第1給送ローラー12がシートR1を送出する前に、シートR1が位置していた第1載置部11上の元の場所に、シートR1を戻すことを示す。
【0051】
図3、及び
図7(b)に示すように、シートR1が第1載置部11に戻った後、第1給送ローラー12がシートR1から離間する方向に移動するように、制御部30が第1給送ローラー12を制御する。その結果、第1給送ローラー12がシートR1から離間し、シートR1に対する押圧を解除する。つまり、シートR1が第1給送ローラー12で加圧されていない状態になる。
【0052】
以上、
図3、及び
図6(a)〜
図7(b)を参照して説明したように、検知部20の検知結果に基づいて、第1給送ローラー12がシートR1を第1載置部11に戻すように、制御部30が第1給送ローラー12を制御する。従って、検知部20がシートR1の異常形状を検知すると、第1給送ローラー12がシートR1を第1載置部11に戻すことが可能となる。その結果、異常形状を有するシートR1を、第1給送ローラー12が第1載置部11の外部へ無理に送出し、シートR1が損傷することを抑制することが可能となる。
【0053】
例えば、複数のシートRが綴じ部材Zで綴じられた状態でシートR1が送出されると、検知部20がシートR1の異常形状を検知する(
図4(b))。従って、第1給送ローラー12がシートR1を第1載置部11に戻すことで、第1給送ローラー12が複数のシートRからシートR1を無理に分離して送出することを抑制できる。その結果、シートR1が損傷することを抑制することが可能となる。
【0054】
また、シートR1の送出中にシートR1に異常形状が発生すると、第1給送ローラー12がシートR1を第1載置部11に戻す。従って、シートR1を送出する処理をやり直す場合、第1給送ローラー12からシートR1を無理に分離して、第1載置部11に戻す必要がない。その結果、シートR1が損傷することを更に抑制することが可能となる。
【0055】
また、第1給送ローラー12は、シートR1の搬送方向Xと反対方向にシートR1を搬送して、シートR1を第1載置部11に戻す。従って、シートR1を第1載置部11にスムーズに戻すことが可能となる。
【0056】
また、第1給送ローラー12は、シートR1を第1載置部11に戻すと、シートR1に対する押圧を解除する。従って、シートR1を第1載置部11から取り出す際、シートR1が第1給送ローラー12に引っかかり、シートR1が損傷することを更に抑制することが可能となる。
【0057】
続いて、
図6(b)〜
図7(a)を参照して、第1回転角度M1と第2回転角度M2との関係について説明する。
【0058】
第1回転角度M1は、第1給送ローラー12が第1方向D1に回転するときの第1給送ローラー12の回転角度を示す。つまり、第1回転角度M1は、第1給送ローラー12が第1載置部11からシートR1を送出するときの第1給送ローラー12の回転角度を示す。
第2回転角度M2は、第1給送ローラー12が第2方向D2に回転するときの第1給送ローラー12の回転角度を示す。つまり、第2回転角度M2は、第1給送ローラー12が第1載置部11へシートR1を戻すときの第1給送ローラー12の回転角度を示す。
【0059】
第2回転角度M2の絶対値は、第1回転角度M1の絶対値以上の大きさを有する(|M2|≧|M1|)。好ましくは、第2回転角度M2の絶対値は、第1回転角度M1の絶対値と略等しい(|M2|≒|M1|)。その結果、第1給送ローラー12が第1回転角度M1だけ回転した後、第2回転角度M2だけ回転すると、第1載置部11にシートR1を精度よく戻すことが可能となる。
【0060】
続いて、
図6(b)〜
図7(a)を参照して、第1回転時間T1と第2回転時間T2との関係について説明する。
【0061】
第1回転時間T1は、第1給送ローラー12が第1方向D1に回転するときの第1給送ローラー12の回転時間を示す。つまり、第1回転時間T1は、第1給送ローラー12が第1載置部11からシートR1を送出するときの第1給送ローラー12の回転時間を示す。
第2回転時間T2は、第1給送ローラー12が第2方向D2に回転するときの第1給送ローラー12の回転時間を示す。つまり、第2回転時間T2は、第1給送ローラー12が第1載置部11へシートR1を戻すときの第1給送ローラー12の回転時間を示す。
【0062】
第2回転時間T2は、第1回転時間T1以上の大きさを有する(T2≧T1)。好ましくは、第2回転時間T2は、第1回転時間T1と略等しい(T2≒T1)。
また、第1回転速度V1の絶対値と、第2回転速度V2の絶対値とが略等しい(|V1|≒|V2|)。第1回転速度V1は、第1給送ローラー12が第1方向D1に回転するときの第1給送ローラー12の回転速度を示す。第2回転速度V2は、第1給送ローラー12が第2方向D2に回転するときの第1給送ローラー12の回転速度を示す。
その結果、第1給送ローラー12が第1回転速度V1で第1回転時間T1だけ回転した後、第2回転速度V2で第2回転時間T2だけ回転すると、第1載置部11にシートR1を精度よく戻すことが可能となる。
【0063】
次に、
図8を参照して、制御部30の動作について説明する。
図8は、制御部30の動作を示すフローチャートの一例である。
【0064】
図8に示すように、ステップS10において、入力部5は、ユーザーからジョブの指示を受け付ける。本実施形態のジョブは、シートR1に形成された画像を読み取ることを示す。
【0065】
ステップS20において、第1給送ローラー12が、第1方向D1に回転し、第1載置部11に載置されたシートR1を第1載置部11の外部へ送出する処理を開始する。
【0066】
ステップS30において、シートR1の送出中、検知部20がシートR1の異常形状を検知した場合、処理がステップS40へ移行する。検知部20がシートR1の異常形状を検知しない場合、処理がステップS60へ移行する。
【0067】
ステップS40において、第1給送ローラー12が、回転を停止する。その結果、シートR1を第1載置部11の外部へ送出する処理が中止される。
【0068】
ステップS50において、第1給送ローラー12が、第2方向D2に回転し、シートR1を第1載置部11に戻す。
【0069】
ステップS60において、第1給送ローラー12が第1方向D1に回転し続け、シートR1を第1載置部11の外部へ送出する。そして、読取部2がシートR1に形成された画像を読み取る。そして、シートR1が第1排出トレイ4へ排出される。
【0070】
以上、
図8を参照して説明したように、検知部20がシートR1の異常形状を検知した場合、第1給送ローラー12がシートR1を第1載置部11に戻す。また、検知部20がシートR1の異常形状を検知しなかった場合、読取部2がシートR1に形成された画像を読み取る。従って、シートR1が損傷することを抑制しつつ、シートR1に形成された画像を読み取るジョブを実行することが可能となる。
【0071】
なお、第1給送ローラー12は、シートR1を第1載置部11の外部へ送出する際、第1速度Y1でシートR1を搬送した後、第1速度Y1よりも速い第2速度Y2でシートR1を搬送してもよい(Y1<Y2)。つまり、第1給送ローラー12は、まずは、遅い第1速度Y1でシートR1を搬送し、シートR1に異常形状が発生しない場合、回転速度を上げて、速い第2速度Y2でシートR1を搬送する。
【0072】
第1給送ローラー12がシートR1を搬送する速度を第1速度Y1から第2速度Y2に変更するタイミングは、例えば、実験を行って適宜決定される。
例えば、第1給送ローラー12が第1載置部11に載置されたシートR1を第1速度Y1で搬送する。そして、シートR1が1cm〜2cm移動した時点で、検知部20がシートR1の異常形状を検知しなかった場合、第1給送ローラー12がシートR1の搬送速度を第1速度Y1から第2速度Y2に変更する。
【0073】
以上、第1給送ローラー12がシートR1を搬送する速度を、第1速度Y1と第2速度Y2との2段階に変更する。従って、シートR1が損傷することを抑制しつつ、シートR1を円滑に送出することが可能となる。
【0074】
以上、図面(
図1〜
図8)を参照しながら本発明の実施形態について説明した。但し、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である(例えば、(1)〜(5))。また、上記の実施形態に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることによって、種々の発明の形成が可能である。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。図面は、理解しやすくするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の個数等は、図面作成の都合から実際とは異なる場合もある。また、上記の実施形態で示す各構成要素は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の効果から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0075】
(1)本実施形態の画像形成装置100はシートP1にトナー画像を形成する。しかし、本発明はこれに限定されない。画像形成装置100は、シートP1にインクを吐出し、シートP1にインク画像を形成してもよい。
【0076】
(2)本実施形態の検知部20は、光電センサーである。しかし、本発明はこれに限定されない。検知部20は、シートR1の異常形状を検知できればよい。検知部20は、例えば、送出中のシートR1を撮像し、パターンマッチングによってシートR1の異常形状を検知してもよい。また、検知部20は、高さセンサーを用いて、送出中のシートR1の高さの変化量を算出し、シートR1の高さの変化量に基づいて、シートR1の異常形状を検知してもよい。この場合、シートR1が跳ね上がり、シートR1の高さの変化量が所定値以上になると、検知部20がシートR1の異常形状を検知する。その結果、検知部20のバリエーションを増大させることができる。
【0077】
(3)本実施形態では、読取部2用の第1シート供給装置1で、シートR1に異常形状が発生した場合に、シートR1を第1載置部11に戻す。しかし、本発明はこれに限定されない。画像形成部7用の第2シート供給装置6で、シートP1に異常形状が発生した場合に、シートP1を第2載置部61に戻してもよい。以下、画像形成部7用の第2シート供給装置(シート供給装置)6について説明する。
【0078】
検知部20は第2載置部(載置部)61に設置される。検知部20は、第2給送ローラー(送出部)62が送出中のシートP1の異常形状を検知する。制御部30は、検知部20の検知結果に基づいて、第2給送ローラー62がシートP1を第2載置部61に戻すように、第2給送ローラー62を制御する。第2給送ローラー62は、シートP1の搬送方向と反対方向にシートP1を搬送して、シートP1を第2載置部61に戻す。シートP1の搬送方向は、第2給送ローラー62がシートP1を第2載置部61の外部へ送出するときのシートP1の移動方向を示す。第2給送ローラー62は、第1方向D3に回転してシートP1を第2載置部61の外部へ送出する。第2給送ローラー62は、第1方向D3と反対の第2方向D4に回転してシートP1を第2載置部61に戻す。第2給送ローラー62は、シートP1を第2載置部61に戻すと、シートP1に対する押圧を解除する。第2給送ローラー62は、第1速度Y3でシートP1を搬送した後、第1速度Y3よりも速い第2速度Y4でシートP1を搬送する(Y3<Y4)。
【0079】
検知部20がシートP1の異常形状を検知した場合、第2給送ローラー62がシートP1を第2載置部61に戻す。また、検知部20がシートP1の異常形状を検知しなかった場合、画像形成部7がシートP1に画像を形成する。
【0080】
以上、シートP1の送出中にシートP1に異常形状が発生すると、第2給送ローラー62がシートP1を第2載置部61に戻す。従って、異常形状を有するシートP1を、第2給送ローラー62が第2載置部61の外部へ無理に送出し、シートP1が損傷することを抑制することが可能となる。
【0081】
(4)画像形成装置100のうち画像の読み取り機能を構成する部材を画像読取装置として構成してもよい。この場合、画像読取装置は、第1シート供給装置1と、読取部2と、第1排出ローラー3と、第1排出トレイ4と、入力部5と、記憶部10と、検知部20と、制御部30とを備える。画像読取装置は、本実施形態のように画像形成装置100に含まれていてもよく、画像形成装置100とは独立した単体の装置であってもよい。画像読取装置は、シートに形成された画像を読み取る機能を有していればよい。
【0082】
(5)画像形成装置100は、シートに画像を形成する機能を有していればよく、画像の読み取り機能を有していなくてもよい。例えば、画像形成装置100は、第1シート供給装置1と、読取部2と、第1排出ローラー3と、第1排出トレイ4とを備えていなくてもよい。