特開2018-203513(P2018-203513A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-203513(P2018-203513A)
(43)【公開日】2018年12月27日
(54)【発明の名称】ワーク搬送装置
(51)【国際特許分類】
   B65G 19/02 20060101AFI20181130BHJP
   B65G 47/14 20060101ALI20181130BHJP
【FI】
   B65G19/02 A
   B65G47/14 N
   B65G47/14 S
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-113659(P2017-113659)
(22)【出願日】2017年6月8日
(71)【出願人】
【識別番号】000001247
【氏名又は名称】株式会社ジェイテクト
(74)【代理人】
【識別番号】110000280
【氏名又は名称】特許業務法人サンクレスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】浅田 昭
【テーマコード(参考)】
3F013
3F080
【Fターム(参考)】
3F013AA06
3F013AA17
3F013AB06
3F013AC01
3F013AD00
3F013AF01
3F080AA05
3F080AA29
3F080BA01
3F080BC08
3F080BD12
3F080CE02
3F080CE08
3F080CF05
3F080CF11
3F080CF23
3F080CG11
3F080DA07
3F080DA10
3F080DB01
(57)【要約】
【課題】一の設備と他の設備との間でより高速なワークの搬送を可能とし、両設備間に存在するワークを少なくすることが可能なワーク搬送装置を提供する。
【解決手段】一の設備1から他の設備2へワークWを搬送するワーク搬送装置10であって、回走駆動される無端状の回走体31と、回走体31に設けられかつ回走体31の回走によってワークWを搬送方向の上流側から押して搬送する搬送部材32とを有し、かつ一の設備1から投入されるワークWの投入時間間隔あたりのワークWの搬送距離がワークWの長さ以上に設定された主搬送部12を備えている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一の設備から他の設備へワークを搬送するワーク搬送装置であって、
回走駆動される無端状の回走体と、前記回走体に設けられかつ前記回走体の回走によってワークを搬送方向の上流側から押して搬送する搬送部材とを有し、かつ前記一の設備から投入されるワークの投入時間間隔あたりのワークの搬送距離がワークの長さ以上に設定された主搬送部を備えている、ワーク搬送装置。
【請求項2】
前記投入時間間隔よりも短時間で前記一の設備から前記他の設備へワークを搬送する、請求項1に記載のワーク搬送装置。
【請求項3】
前記ワークは、円筒形状又は円錐台形状に形成され、前記主搬送部は、水平面に対して互いに逆向きに傾斜した状態で対向する2つの支持面を有しかつ前記両支持面によってワークの外周面の2箇所を下方から支持する搬送路を備えている、請求項1又は2に記載のワーク搬送装置。
【請求項4】
前記一の設備と前記主搬送部との間に設けられ、前記一の設備から投入されたワークを前記主搬送部へ搬送する補助搬送部をさらに有し、
前記補助搬送部は、少なくとも前記主搬送部へのワークの受け渡し位置において前記主搬送部よりも低速でワークを搬送する、請求項1〜3のいずれか1項に記載のワーク搬送装置。
【請求項5】
前記主搬送部に、前記補助搬送部からのワークの受け渡し位置において、前記回走体を撓ませて前記搬送部材をワークから逃がせる逃がし部が設けられている、請求項4に記載のワーク搬送装置。
【請求項6】
前記搬送部材は、ワークにおける搬送方向の上流側端面の下部側を押して搬送し、前記補助搬送部は、前記主搬送部へのワークの受け渡し位置においてワークにおける搬送方向の上流側端面の上部側に搬送方向への空気圧を付与するエア供給部を備えている、請求項4又は5に記載のワーク搬送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワーク搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、円すいころ軸受に用いられる円すいころは、鍛造工程、熱処理工程、研削工程、検査工程等を経て製造される。各工程は、それぞれ専用の設備により実施され、円すいころはワーク搬送装置によって各設備間を搬送される。
【0003】
図7(a)は、従来のワーク搬送装置110を示す概略的な側面図である。このワーク搬送装置110は、第1の設備1と第2の設備2との間で円すいころを搬送するものである。ワーク搬送装置110は、搬送ホース111と、圧送機113とを備えており、第1の設備1から排出された円すいころは圧送機113によって搬送ホース111の一端に押し込まれる。搬送ホース111内には多数の円すいころが1列に並べた状態で満たされ、図7(b)に示すように、圧送機113によって1個の円すいころWが搬送ホース111の一端に押し込まれると、搬送ホース111の他端から1個の円すいころWが押し出され、第2の設備2へ排出されるようになっている。
【0004】
なお、下記特許文献1には、ホース状のシュートを用いてワークを搬送する搬送装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−247902号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
図7に示すワーク搬送装置110は、搬送ホース111内で多数の円すいころWを所定の姿勢、例えば小端面及び大端面を一定の方向に向けた姿勢で安定して搬送できるという利点を有する。しかし、搬送ホース111の一端に押し込まれた円すいころWが搬送ホース111の他端から排出されるまでに相当の時間を要する。また、搬送ホース111内は常に円すいころWで満たされた状態になるので、例えば、第2の設備2において円すいころWの不良が発見された場合、搬送ホース111内の円すいころWにも同様の不良が生じている可能性があるため、搬送ホース111内の全ての円すいころWが廃棄対象とされる場合もあり、多くの無駄が生じる。
【0007】
また、製造ラインを異なる型番の製品用に変更(段替え)する場合には、搬送ホース111内の円すいころWを全て取り出さなければならないので、作業に多くの手間と時間を要する。
【0008】
本発明は、以上のような実情に鑑みてなされたものであり、一の設備と他の設備との間でより高速なワークの搬送を可能とし、両設備間に存在するワークを少なくすることが可能なワーク搬送装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(1)本発明は、一の設備から他の設備へワークを搬送するワーク搬送装置であって、回走駆動される無端状の回走体と、前記回走体に設けられかつ前記回走体の回走によってワークを搬送方向の上流側から押して搬送する搬送部材とを有し、かつ前記一の設備から投入されるワークの投入時間間隔あたりのワークの搬送距離がワークの長さ以上に設定された主搬送部を備えている。
【0010】
図7に示す従来の搬送装置は、搬送ホース111内に多数のワークWが接した状態で満たされており、搬送ホース111の一端に新たな1個のワークWが押し込められたときに、搬送ホース111の他端から1個のワークWが排出されていたため、実質的な搬送速度が、[ワークの長さ]/[ワークの投入時間間隔]となっていた。
本発明のワーク搬送装置は、回走体と搬送部材とを有する主搬送部を備えているので、回走体の回走速度を高めることでワークの搬送速度を高めることができ、ワークの投入時間間隔あたりのワークの搬送距離をワークの長さ以上に設定することができる。そのため、従来よりも高速でワークを搬送できるとともに、一の設備と他の設備との間に存在するワークの数を減らすことができる。
【0011】
(2)ワーク搬送装置は、前記投入時間間隔よりも短時間で前記一の設備から前記他の設備へワークを搬送することが好ましい。
このような構成によって、一の設備からワーク搬送装置へ投入されたワークは、次のワークが当該一の設備から搬送装置へ投入されるまでの間に他の設備まで搬送される。したがって、実質的にワーク搬送装置には多くとも1つのワークのみが存在することになり、ワーク搬送装置に多くのワークが存在することを防止することができる。
【0012】
(3)前記ワークは、円筒形状又は円錐台形状に形成され、前記主搬送部は、水平面に対して互いに逆向きに傾斜した状態で対向する2つの支持面を有しかつ前記両支持面によってワークの外周面の2箇所を下方から支持する搬送路を備えていることが好ましい。
このような構成によって、ワークに対する接触面積を可及的に少なくしてワークが搬送路上を移動する際の抵抗を小さくし、より高速なワークの搬送を可能にする。
【0013】
(4)ワーク搬送装置は、前記一の設備と前記主搬送部との間に設けられ、前記一の設備から投入されたワークを前記主搬送部へ搬送する補助搬送部をさらに有し、前記補助搬送部は、少なくとも前記主搬送部へのワークの受け渡し位置において前記主搬送部よりも低速でワークを搬送することが好ましい。
この構成によれば、一の設備から投入されるワークの搬送速度を補助搬送部から主搬送部にかけて段階的に高めることができ、急激なワークの速度増を抑制し、安定して高速なワークの搬送を実現することができる。
【0014】
(5)前記主搬送部に、前記補助搬送部からのワークの受け渡し位置において、前記回走体を撓ませて前記搬送部材をワークから逃がせる逃がし部が設けられていることが好ましい。
補助搬送部から主搬送部へワークを受け渡す際、搬送部材がワークの外周面に干渉すると当該受け渡し位置においてワークが詰まってしまう可能性があるが、主搬送部は、回走体を撓ませてワークから逃がせる逃がし部を有しているので、搬送部材がワークの外周面に干渉しようとしたときに回走体を逃がすことによってワークの詰まりを防止することができる。
【0015】
(6)前記搬送部材は、ワークにおける搬送方向の上流側端面の下部側を押して搬送し、前記補助搬送部は、前記主搬送部へのワークの受け渡し位置においてワークにおける搬送方向の上流側端面の上部側に搬送方向への空気圧を付与するエア供給部を備えていることが好ましい。
補助搬送部から主搬送部へワークが受け渡されるときに、搬送部材が高速でワークの下部側を押すとワークの前端が浮き上がりワークの姿勢が不安定になるおそれがあるが、エア供給部がワークの上部側に対して搬送方向への空気圧を付与することによってワークの浮き上がりを防止し、姿勢を安定させることができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明のワーク搬送装置によれば、一の設備と他の設備との間でより高速なワークの搬送を可能とし、両設備間に存在するワークを少なくすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の一実施形態に係るワーク搬送装置を示す概略的な側面図である。
図2】ワーク搬送装置の補助搬送部と主搬送部を示す概略的な側面説明図である。
図3】補助搬送部の搬送ホースの一部を示す平面図である。
図4図2におけるIV−IV線断面図である。
図5】エア供給部における作用を説明する側面図である。
図6】逃がし部における作用を説明する側面図である。
図7】(a)は、従来技術に係るワーク搬送装置を示す概略的な側面図、(b)は、要部の拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付図面を参照しつつ、本発明の実施形態を詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るワーク搬送装置を示す概略的な側面図である。本実施形態のワーク搬送装置10は、例えば、円すいころ軸受における円すいころをワークWとして搬送する。円すいころは、鍛造工程、熱処理工程、研削工程、検査工程等を経て製造される。各工程は、それぞれ専用の設備により実施され、円すいころはワーク搬送装置10によって各設備間を搬送される。図1に示す例では、ワーク搬送装置10は、第1の設備(一の設備)1から第2の設備(他の設備)2までワークWを搬送する。なお、以下の説明においては、搬送方向の下流側を前側、上流側を後側ということがある。
【0019】
ワーク搬送装置10は、補助搬送部11と、主搬送部12とを有している。補助搬送部11は、第1の設備1から投入されたワークWを受け入れ、主搬送部12まで搬送する。主搬送部12は、補助搬送部11からワークWを受け入れ、第2の設備2まで搬送する。補助搬送部11は、第1の設備1から前斜め下方に向けてワークWを搬送し、主搬送部12は、補助搬送部11の搬送終端部から第2の設備2へ前斜め上方へ向けてワークWを搬送する。
【0020】
図2は、ワーク搬送装置10の補助搬送部11と主搬送部12を示す概略的な側面説明図である。
図1及び図2に示すように、補助搬送部11は、搬送ホース21と、エア供給部22とを有している。この搬送ホース21は、円筒形状に形成され、第1の設備1から前斜め下方に延びる第1の部分21aと、第1の部分21aから前方へ向けて略水平に延び、下方に開放された断面半円形状の第2の部分21bとを有している。
【0021】
搬送ホース21の第1の部分21aは、内部に投入されたワークWを自重によって滑走させる。第1の部分21aの内径は、ワークWである円すいころの大端面の外径よりも若干大きな寸法に形成されている。また、第1の部分21a内には、小端面側が前、大端面側が後となるように円すいころが挿入される。
【0022】
搬送ホース21の第2の部分21bは、主搬送部12へワークWを受け渡す部分となる。また、第2の部分21bは、ワークWの上方に配置され、ワークWの上方への移動を制限する。
補助搬送部11には、第1の設備1から一定時間毎に1個ずつワークWが投入される。例えば、第1の設備1から補助搬送部11へのワークWの投入時間間隔は、0.5秒〜1秒とされている。
【0023】
エア供給部22は、搬送ホース21内のワークWに空気圧を付与することで、主搬送部12へのワークWの受け渡し姿勢を安定させるものである。エア供給部22は、生成した圧縮空気をノズル22aから吐出するものであり、このノズル22aは、図3に示すように、搬送ホース21の第1の部分21aと第2の部分21bとの境界部上面に形成されたスリット21cを介して搬送ホース21内に挿入されている。このエア供給部22による詳細な作用については後述する。
【0024】
図4は、図2のIV−IV線断面図である。
図1図2、及び図4に示すように、主搬送部12は、搬送チェーン31と、搬送部材32と、搬送路33とを有している。搬送チェーン31は、搬送方向の上流側(後側)の第1スプロケット34と下流側(前側)の第2スプロケット35との間に掛け渡されており、図示しない駆動モータ等により一方のスプロケット35を回転させることによって回走駆動される。第2スプロケット35は、第1スプロケット34よりも上位に配置されている。搬送チェーン31は、両スプロケット34,35間の上部側の部分31a(以下、「搬送作用部31a」ともいう)で搬送路33上のワークWを搬送する。また、搬送チェーン31の搬送作用部31aは支持フレーム36によって下側から支持されている。
【0025】
搬送部材32は、搬送チェーン31に取り付けられている。搬送部材32は、搬送チェーン31の外周面から外方へ突出する板状部材により構成され、搬送チェーン31に固定されている。搬送部材32は、搬送チェーン31の回走に伴って搬送路33上のワークWに搬送方向の上流側から接触し、ワークWを押すことによって第2の設備2に向けてワークWを搬送する。
【0026】
搬送部材32は、搬送チェーン31の長さ方向に間隔をあけて複数設けられている。複数の搬送部材32の間隔は、ワークWの長さ(円すいころの軸心方向の長さ)よりも長い間隔、例えば、ワークWの長さの3.5倍〜7倍の間隔をあけて設けられている。ただし、搬送部材32の間隔は、例示した間隔に限定されるものではない。
【0027】
図2に示すように、搬送路33は、ナイロン等を素材とする合成樹脂材により形成され、補助搬送部11の搬送終端部から第2の設備2まで前斜め上方へ向けて延びている。搬送路33は、図4に示すように、ワークWを下方から支持している。具体的に、搬送路33は、ワークWを下方から支持する一対の支持面33aを有している。この支持面33aは、水平面に対して互いに逆向きに傾斜して対向し、略V字状に配置されている。そして、支持面33aは、ワークWの外周面を下方から2点で支持している。搬送路33の下方には搬送チェーン31が配置され、搬送チェーン31に設けられた搬送部材32は、2つの支持面33aの間を通って上方へ突出している。2つの支持面33aの間の角度θは、例えば90°とすることができる。
【0028】
このように、搬送路33は、2つの支持面33aによってワークWを下方から2点で安定して支持することができ、しかも、ワークWに対する接触面積が小さくすることができるので、ワークWの搬送に伴う抵抗を低減し、より高速なワークWの搬送を可能にしている。
図2に示すように、搬送路33上のワークWの上方であって、搬送ホース21の第2の部分21bよりも前側には、蓋部材37が設けられている。この蓋部材37は、搬送路33に沿って長手方向に延び、ワークWの上方への脱落を防止している。また、蓋部材37は、透明な材質により形成され、搬送路33上のワークWの移動を外部から視認可能であり、また搬送路33に対して着脱自在となっている。
【0029】
ワーク搬送装置10におけるワークWの搬送速度は、少なくとも、図7に示す従来技術のように複数のワークWが互いに接した状態で連なって搬送されることがないように設定されている。つまり、ワーク搬送装置10におけるワークWの搬送速度は、ワークWの投入時間間隔あたりの搬送距離が、ワークWの長さ以上となるように設定されている。
【0030】
より具体的には、次の(1)、(2)のようにワークWの搬送速度を設定することができる。
(1)例えば、ワーク搬送装置10におけるワークWの搬送速度は、第1の設備1から補助搬送部11へのワークWの投入時間間隔あたりの搬送距離がワークWの長さの4倍〜8倍の距離となるように設定することができる。
【0031】
(2)あるいは、ワーク搬送装置10におけるワークWの搬送速度は、第1の設備1から補助搬送部11へのワークWの投入時間間隔よりも短時間でワークWが第2の設備2に到達するように設定することができる。
この場合、第1の設備1から投入されたワークWは、次のワークWが第1の設備1から投入されるまでに第2の設備2に搬送されるので、通常は、次のワークWが投入される段階では、ワーク搬送装置10上に前のワークWは存在しないことになる。
【0032】
以上のようにワークWの搬送速度を設定することによって、ワーク搬送装置10に存在するワークWの数を従来技術(図7参照)よりも少なくすることができる。そのため、第2の設備2以降でワークWに不良が発見された場合に、廃棄対象となるワークWを可及的に少なくすることができる。
【0033】
本実施形態のワーク搬送装置10は、主搬送部12における搬送速度が、補助搬送部11における搬送速度よりも高速となっている。また、ワーク搬送装置10は、主搬送部12における搬送速度をより高速とすることによって、前述したような搬送速度でワークWを搬送可能となっている。
【0034】
より高速でワークWを搬送する主搬送部12の前に、より低速でワークWを搬送する補助搬送部11を設けることによって、第1の設備1から投入されるワークWの搬送速度を補助搬送部11から主搬送部12にかけて段階的に高めることができる。これにより、主搬送部12において急激にワークWの搬送速度が増大されることを防止し、安定してより高速なワークWの搬送を可能とすることができる。
【0035】
補助搬送部11からより高速な主搬送部12へワークWを受け渡すとき、例えば、図5(a)に示すように、搬送ホース21の第1の部分21aから排出されたワークWの後面(円すいころの大端面)に、高速で移動する主搬送部12の搬送部材32が接触すると、ワークWの前端(円すいころの小端面側)が浮き上がるように姿勢が崩れてしまう可能性がある。本実施形態では、このようなワークWの姿勢の崩れを前述したエア供給部22によって防止している。
【0036】
具体的には、図5(b)に示すように、エア供給部22は、ノズル22aから吐出した圧縮空気をワークWの後面上部に向けて吹き付け、空気圧を付与する。これにより、ワークWの前端の浮き上がりが抑制され、ワークWを適切な姿勢で主搬送部12に受け渡すことができる。
【0037】
図2に示すように、補助搬送部11から主搬送部12へワークWが受け渡されるとき、搬送部材32の先端がワークWの外周面に干渉し、搬送部材32と搬送ホース21の上面との間でワークWが挟まれ、ワークWが詰まってしまう可能性がある。また、第1の設備1においてワークWにオイルが付着していると、搬送ホース21内でのワークWの滑りが悪くなり、複数のワークWが互いに付着した状態で補助搬送部11を滑走することがある。この場合、搬送ホース21の上面と搬送部材32との間にワークWが挟まれてしまう可能性がより高くなる。また、付着した複数のワークWのうち前側のワークWが搬送ホース21の上面と搬送部材32との間に挟まれると、当該ワークWは上下方向への移動と後方への移動とが制限されるために逃げ場が全く無くなり、搬送ホース21内で完全に詰まってしまうことになる。
【0038】
本実施形態の主搬送部12は、補助搬送部11との受け渡し位置において、搬送チェーン31を下方へ逃がす逃がし部36aを備えている。具体的に、図4にも示すように、逃がし部36aは、搬送チェーン31を下方から支持する支持フレーム36において、補助搬送部11からのワークWの受け渡し位置に形成された開口によって構成されている。搬送チェーン31は、開口36aに入り込むことによって下方に撓むことができ、図6に示すように、搬送部材32と搬送ホース21の上面との間でワークWが挟まれたとき、搬送チェーン31が下方に撓むことによって搬送部材32をワークWから逃がすことができ、これによって、ワークWの詰まりを防止することができる。したがって、確実に補助搬送部11から主搬送部12へワークを受け渡すことが可能となっている。
【0039】
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内において適宜変更可能である。
例えば、ワークWは、円すいころに限定されるものはなく、円筒ころ軸受に用いられる円筒ころであってもよい。また、ワークWは、転がり軸受に用いられるころに限らず、円筒形状、円すい台形状、又はその他の形状に形成されたものであってもよい。
【0040】
第1の設備及び第2の設備は、特に限定されるものではなく、適宜選定することができるものである。
回走体は、搬送チェーンに限らず、搬送ベルトであってもよい。
【符号の説明】
【0041】
1:第1の設備(一の設備)、2:第2の設備(他の設備)、10:ワーク搬送装置、11:補助搬送部、12:主搬送部、21:搬送ホース、22:エア供給部、31:搬送チェーン(回走体)、32:搬送部材、33:搬送路、33a:支持面、36a:開口(逃がし部)、W:ワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7