技術分野
セラミックグリーンシート、セラミックグリーンシートの製造方法、およびセラミックグリーンシートを用いた電子部品の製造方法
要約特許出願時に添付された[要約書]
【課題】接着力を向上させたセラミックグリーンシート、そのセラミックグリーンシートの製造方法、およびセラミックグリーンシートを用いて製造される電子部品の製造方法を提供する。
【解決手段】セラミックグリーンシート11、12は、セラミック材料と、バインダと、ポリマーと、を含む。バインダのSP値とポリマーのSP値との差は1.0以上3.1以下であり、ポリマーのTgは、バインダのTgより低く、ポリマーの分子量は20000以上であり、表裏両主面の少なくとも一方に、ポリマーが偏析している。
セラミックグリーンシートの製造方法は、セラミック材料、バインダ、ポリマーおよび有機溶剤を含むセラミックグリーンシート用スラリーを準備する工程と、セラミックグリーンシート用スラリーを支持部材上に付与し、乾燥させる工程と、を有する。
【選択図】図1
発明が解決しようとする課題[発明の詳細な説明]から抜粋
複数のセラミックグリーンシートを積層して圧着する際に、セラミックグリーンシートの接着力が小さすぎると、未接着部分が存在し、焼成時に誘電体や内部電極の粒成長が異常に進み、製品である電子部品の電気特性や信頼性が低下する。また、外部からの水分が上述した未接着部分から内部に浸透しやすくなり、製品である電子部品の電気特性や信頼性が低下する。
ここで、積層した複数のセラミックグリーンシートを圧着する際の温度や圧力を高くすると接着力は大きくなるが、複数のセラミックグリーンシートを圧着して形成される圧着体を、個々の電子部品の大きさに切断する際に、セラミックグリーンシートや内部電極が大きく変形する。この変形により、内部電極付近のセラミック層の厚みが薄いと、内部電極間の短絡が生じ、製品である電子部品の電気特性や信頼性が低下する。
また、セラミック層および内部電極の面方向の変形が生じると、個々の電子部品の大きさに切断された圧着体から内部電極が露出し、短絡が生じる場合がある。この問題の対策のために、セラミックグリーンシート上の、隣接する内部電極用導電性ペースト間の間隔を広くすると、製造可能な電子部品の数が少なくなり、電子部品の単価が高くなる。
本発明は、課題を解決するものであり、接着力を向上させたセラミックグリーンシート、そのセラミックグリーンシートの製造方法、およびセラミックグリーンシートを用いて製造される電子部品の製造方法を提供することを目的とする。
課題を解決するための手段[発明の詳細な説明]から抜粋
本発明のセラミックグリーンシートは、
セラミック材料と、
バインダと、
ポリマーと、
を含み、
前記バインダのSP値と前記ポリマーのSP値との差は1.0以上3.1以下であり、
前記ポリマーのTgは、前記バインダのTgより低く、
前記ポリマーの分子量は20000以上であり、
表裏両主面の少なくとも一方に、前記ポリマーが偏析している、
ことを特徴とする。
【発明の効果】
本発明によるセラミックグリーンシートによれば、表裏両主面の少なくとも一方に、ポリマーが偏析している。ポリマーのTgはバインダのTgよりも低いので、ポリマーが偏析している面において、ポリマーの流動性はバインダよりも高い。このため、ポリマーが偏析している面を接着面として接着するときに、ポリマーは大きく変形し、ポリマーを介した接着面積が増えるので、セラミックグリーンシートの接着力が大きくなる。
本発明によるセラミックグリーンシートの製造方法によれば、ポリマーがセラミックグリーンシートの支持部材側の表面である接着面に偏析する。ポリマーのTgはバインダのTgよりも低いので、接着面において、ポリマーの流動性はバインダよりも高い。このため、例えば、複数のセラミックグリーンシートを積層して圧着する際に、接着面に偏在しているポリマーは大きく変形し、ポリマーを介した接着面積が増えるので、セラミックグリーンシートの接着力が大きくなる。
本発明による電子部品の製造方法によれば、上述した接着力が大きいセラミックグリーンシートを複数積層する工程を経て電子部品を製造するようにしているので、信頼性の高い電子部品を製造することができる。
この発明についての権利主張の範囲[特許請求の範囲]
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この特許公報に記載されている図面[図面の簡単な説明]から抜粋
【図1】セラミックグリーンシートの接着力を調べるための圧着体を作製する方法を示す図である。
【図2】走査型電子顕微鏡で撮影した顕微鏡写真の一例であって、(a)は外観不良が存在しない場合の写真を、(b)は、外観不良が存在している場合の写真をそれぞれ示している。
【図3】(a)は、バインダのSP値とポリマーのSP値との差が大きく、ポリマーがセラミックグリーンシートのPETフィルムが設けられている面に偏析した状態を示す図であり、(b)は、バインダのSP値とポリマーのSP値との差が小さく、セラミックグリーンシート中のポリマーとバインダが略均一に相溶している状態を示す図である。
11 セラミックグリーンシート
11a 上側セラミックグリーンシート
12 内部電極用導電性ペーストを印刷したセラミックグリーンシート
12a 下側セラミックグリーンシート
13 圧着体
20 内部電極用導電性ペースト
30 ポリマーリッチ層
31 セラミック材料
32 PETフィルム
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