特開2018-203896(P2018-203896A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ コニカミノルタ株式会社の特許一覧
<>
  • 特開2018203896-熱可塑性樹脂組成物の製造方法 図000006
  • 特開2018203896-熱可塑性樹脂組成物の製造方法 図000007
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-203896(P2018-203896A)
(43)【公開日】2018年12月27日
(54)【発明の名称】熱可塑性樹脂組成物の製造方法
(51)【国際特許分類】
   C08J 11/06 20060101AFI20181130BHJP
   C08J 3/20 20060101ALI20181130BHJP
【FI】
   C08J11/06CER
   C08J3/20 ZCEZ
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2017-111606(P2017-111606)
(22)【出願日】2017年6月6日
(71)【出願人】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105050
【弁理士】
【氏名又は名称】鷲田 公一
(74)【代理人】
【識別番号】100155620
【弁理士】
【氏名又は名称】木曽 孝
(72)【発明者】
【氏名】齊田 靖治
(72)【発明者】
【氏名】宮崎 啓太
【テーマコード(参考)】
4F070
4F401
【Fターム(参考)】
4F070AA13
4F070AA15
4F070AA18
4F070AA33
4F070AA47
4F070AB08
4F070AB09
4F070AB11
4F070AB26
4F070AE03
4F070AE04
4F070AE07
4F070AE09
4F070FA03
4F070FB06
4F070FC05
4F401AA08
4F401AA11
4F401AA22
4F401AA23
4F401AD20
4F401BA09
4F401BB09
4F401CA59
4F401CA60
4F401CB28
4F401DC06
4F401EA78
4F401EA81
4F401EA90
4F401FA01Y
4F401FA05X
4F401FA20X
4F401FA20Y
(57)【要約】
【課題】熱可塑性樹脂組成物を連続して製造する方法を提供する。
【解決手段】本発明における熱可塑性樹脂製の組成物を製造する方法は、溶融粘度を測定する工程と、溶融張力を測定する工程と、溶融混練する工程と、形状を測定する工程と、巻き取る工程と、調整する工程とを有する。調整する工程では、溶融粘度の測定結果と、溶融張力の測定結果と、樹脂ストランドの形状の測定結果とに基づいて、回収材料の物性のばらつきによる樹脂ストランドの形状の変動を打ち消すように、溶融混練機の条件およびペレダイザーの条件を調整する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱可塑性樹脂製の回収材料を溶融混練機で溶融混練した後に、前記溶融混練機から吐出された樹脂ストランドをペレダイザーで巻き取ることで、再生された熱可塑性樹脂製の組成物を製造する方法であって、
前記回収材料の溶融粘度を測定する工程と、
前記回収材料の溶融張力を測定する工程と、
前記回収材料を前記溶融混練機で溶融混練する工程と、
前記溶融混練機から吐出された樹脂ストランドの形状を測定する工程と、
前記樹脂ストランドを冷却しつつ、前記ペレダイザーで巻き取ることで熱可塑性樹脂組成物を得る工程と、
前記溶融粘度の測定結果と、前記溶融張力の測定結果と、前記樹脂ストランドの形状の測定結果とに基づいて、前記回収材料の物性のばらつきによる前記樹脂ストランドの形状の変動を打ち消すように、前記溶融混練機の条件および前記ペレダイザーの条件を調整する工程とを含む、
熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
【請求項2】
前記溶融混練機の条件は、前記溶融混練機のシリンダーの温度と、前記溶融混練機のダイの温度とであり、
前記ペレダイザーの条件は、前記ペレダイザーによる前記樹脂ストランドの巻き取り速度であり、
前記溶融混練機の条件および前記ペレダイザーの条件を調整する工程では、前記溶融粘度の測定結果と、前記溶融張力の測定結果と、前記樹脂ストランドの形状の測定結果との少なくとも1つが規定値でなかったときに、前記溶融粘度の測定結果と、前記溶融張力の測定結果と、前記樹脂ストランドの形状の測定結果とを規定値に収めるように、前記シリンダーの温度および前記ダイの温度の少なくとも一方と、前記巻き取り速度とを調整する、
請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
【請求項3】
前記溶融混練機の条件は、前記溶融混練機のシリンダーの温度と、前記溶融混練機のダイの温度とであり、
前記ペレダイザーの条件は、前記ペレダイザーによる前記樹脂ストランドの巻き取り速度であり、
前記溶融混練機の条件および前記ペレダイザーの条件を調整する工程では、前記溶融粘度の測定結果と、前記溶融張力の測定結果と、前記樹脂ストランドの形状の測定結果との少なくとも1つが規定値でなかったときに、前記溶融粘度の測定結果と、前記溶融張力の測定結果と、前記樹脂ストランドの形状の測定結果とを規定値に収まるように、前記溶融混練機の調整内容と前記ペレダイザーの調整内容とを示す調整テーブルに基づいて、前記シリンダーの温度および前記ダイの温度の少なくとも一方と、前記巻き取り速度とを調整する、
請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
【請求項4】
前記熱可塑性樹脂として、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリエチレンテレフタラートおよびポリブチレンテレフタラートからなる群から選択される少なくとも一つの樹脂を用いる、請求項1〜3のいずれか一項に記載の熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
【請求項5】
前記回収材料として、熱可塑性樹脂の廃材を用いる、請求項1〜4のいずれか一項に記載の熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
【請求項6】
前記回収材料は、着色剤、難燃剤、滑剤、相溶化剤、酸化防止剤および紫外線吸収剤からなる群から選択される少なくとも一つの添加剤を含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱可塑性樹脂組成物の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
熱可塑性樹脂は、添加物の添加によって種々の特性を付与することができ、様々な分野において有用な材料として利用されている。一方、近年では、環境保全の観点から、廃棄物の減量が求められており、そのための一手段として、熱可塑性樹脂製の使用済みの製品(以下、「廃材」とも言う)を回収し、それを熱可塑性樹脂製の新たな製品の原料として再利用することが知られている。
【0003】
廃材は、一般に、熱可塑性樹脂の種類毎に回収される。回収された個々の廃材は、元の用途に応じた特有の物性を有している。このため、廃材は、一般に、樹脂の種類は同じだが異なる物性を有する。よって、廃材を熱可塑性樹脂製の新たな製品の原料として再利用する場合には、廃材による物性のばらつきの影響を抑制する必要がある。
【0004】
廃材における物性のばらつきを抑制する技術として、似た物性を有する廃材のみを使用する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。この技術では、物性の大きく異なる廃材を使用しないことで、所望の物性を有する熱可塑性樹脂の原料を得る。
【0005】
また、大量の廃材を予め混合することで、廃材における物性のばらつきを抑制する技術も知られている。
【0006】
また、廃材を使用する場合に、溶融混練機内の滞在時間、廃材の温度、シリンダーの温度、溶融混練機への廃材の供給量を調整する技術も知られている(例えば、特許文献2参照)。この技術では、廃材に応じた条件を設定することで、所望の物性を有する熱可塑性樹脂の原料を得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2005−120186号公報
【特許文献2】特開平10−151623号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1に記載の技術を採用すると、溶融混練機へ投入する材料として使用できない廃材が生じるため、生産コストが高くなることがある。また、特許文献2に記載の技術を採用すると、溶融混練機に投入される廃材の経時的なばらつきに対応できず、溶融混練機から吐出された樹脂ストランドの形状を安定に維持できないことがある。このように、廃材を使用して熱可塑性樹脂組成物を得ようとすると、樹脂ストランドの形状が安定しないため、場合によっては樹脂ストランドが切れてしまうことがある。この場合、復旧のために熱可塑性樹脂組成物の製造を中断する必要があり、生産性が低下してしまうことがある。
【0009】
本発明は、物性のばらつきを有する熱可塑性樹脂製の原料を用いて、原料の物性のばらつきによる製品の物性のばらつきを十分に低減させて、溶融混練機から吐出された樹脂ストランドが製造中で切れることを抑制し、熱可塑性樹脂組成物を連続して製造する方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、上記の課題を解決するための一態様として、熱可塑性樹脂製の回収材料を溶融混練機で溶融混練した後に、前記溶融混練機から吐出された樹脂ストランドをペレダイザーで巻き取ることで、再生された熱可塑性樹脂製の組成物を製造する方法であって、前記回収材料の溶融粘度を測定する工程と、前記回収材料の溶融張力を測定する工程と、前記回収材料を前記溶融混練機で溶融混練する工程と、前記溶融混練機から吐出された樹脂ストランドの形状を測定する工程と、前記樹脂ストランドを冷却しつつ、前記ペレダイザーで巻き取ることで熱可塑性樹脂組成物を得る工程と、前記溶融粘度の測定結果と、前記溶融張力の測定結果と、前記樹脂ストランドの形状の測定結果とに基づいて、前記回収材料の物性のばらつきによる前記樹脂ストランドの形状の変動を打ち消すように、前記溶融混練機の条件および前記ペレダイザーの条件を調整する工程とを含む。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、連続して熱可塑性樹脂組成物を製造できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、熱可塑性樹脂組成物の製造方法を模式的に示す図である。
図2図2は、樹脂ストランドの形状を測定する工程を説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の一実施の形態について説明する。
【0014】
[熱可塑性樹脂組成物の製造方法]
本実施の一形態に係る熱可塑性樹脂組成物の製造方法は、熱可塑性樹脂を含む回収材料から再生品の熱可塑性樹脂組成物を製造する方法である。熱可塑性樹脂組成物の製造方法は、第1工程と、第2工程と、溶融混練機を用いた第3工程と、第4工程と、第5工程と、第6工程とを含む。
【0015】
第1工程は、回収材料の溶融粘度を測定する工程である。
【0016】
回収材料は、熱可塑性樹脂を含む。熱可塑性樹脂の例には、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタラート(PET)およびポリブチレンテレフタラート(PBT)が含まれる。熱可塑性樹脂は、単独で含まれていてもよいし、2種類以上が含まれていてもよい。
【0017】
熱可塑性樹脂は、市場から回収された使用済みの熱可塑性樹脂製品またはその破砕物である廃材や、市場に出回る前に回収された未使用の熱可塑性樹脂製品またはその破砕物である未使用品を含む。廃材および未使用品は、熱可塑性樹脂として用いられる場合には、一般に破砕物として樹脂の種類に応じて分類され、または分類品の混合品として用いられる。
【0018】
回収材料は、熱可塑性樹脂のみから構成されていてもよいし、他の添加剤をさらに含有していてもよい。添加剤の例には、着色剤、難燃剤、滑剤、相溶化剤、酸化防止剤および紫外線吸収剤が含まれる。添加剤は、単独で使用してもよいし、2種類以上を併用してもよい。
【0019】
着色剤の例には、無機顔料や有機顔料などの樹脂用着色剤が含まれる。難燃剤の例には、リン酸エステルなどのリン系化合物やブロモ化合物が含まれる。滑剤の例には、高級脂肪酸の金属塩類や高級脂肪酸アミド類が含まれる。相溶化剤の例には、ランダムコポリマー系、グラフトコポリマー系、ブロックポリマー系の相溶化剤が含まれる。酸化防止剤の例には、ヒンダードフェノール系、含硫黄有機化合物系、含リン有機化合物系の酸化防止剤が含まれる。紫外線吸収剤の例には、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、サリシレート系の紫外線吸収剤が含まれる。
【0020】
添加剤の含有量は、添加剤を添加することによる効果を発揮する観点から、0.3質量%以上であることが好ましく、0.5質量%以上であることがより好ましい。また、添加剤の含有量は、溶融混練する工程に影響をおよぼさない観点から、20質量%以下であることが好ましく、15質量%以下であることがより好ましい。
【0021】
回収材料の溶融粘度の測定は、回収材料が溶融混練機に投入される前に行われる。本実施の形態では、回収材料は連続して溶融混練機の投入口に投入されるため、溶融粘度の測定は任意の間隔で行えばよい。
【0022】
より具体的には、回収材料を投入口まで搬送する途中で、回収材料の一部をサンプリングして、溶融粘度を測定すればよい。溶融粘度の測定は、回収材料が投入口に投入される前に終了すればよい。回収材料の溶融粘度の測定結果が規定値にない場合には、調整する工程で溶融混練機の条件およびペレダイザーの条件が調整される。
【0023】
また、溶融粘度の指標としては、例えば、メルトフローレート(MFR)を使用すればよい。回収材料のMFR値は、JIS K7210で規定されている方法によって測定できる。また、MFR値は、公知(市販)の測定装置で測定できる。測定装置の例には、メルトインデクサー(MFR測定装置)が含まれる。MFR値の測定値は、回収材料のMFR値を代表する値であればよく、例えば複数の測定値の平均値であってもよいし、最大値であってもよいし、最小値であってもよいし、これらの中間値であってもよい。
【0024】
第2工程は、回収材料の溶融張力を測定する工程である。
【0025】
溶融張力の測定は、溶融粘度の測定と同様に、回収材料が溶融混練機に投入される前に行われる。本実施の形態では、回収材料は連続して溶融混練機に投入されるため、溶融張力の測定も任意の間隔で行えばよい。
【0026】
より具体的には、回収材料を投入口まで搬送する途中で、回収材料の一部をサンプリングして、回収材料の溶融張力を測定すればよい。溶融張力の測定時間は、サンプリングした後、当該回収材料が投入口に投入される前に終了すればよい。回収材料における溶融張力の測定結果の測定結果が規定値にない場合には、調整工程で溶融混練機の条件およびペレダイザーの条件が調整される。
【0027】
溶融張力の測定は、公知(市販)の測定装置で測定できる。測定装置の例には、キャピラリーレオメーターが含まれる。溶融張力の測定値は、回収材料の溶融張力を代表する値であればよく、例えば複数の測定値の平均値であってもよいし、最大値であってもよいし、最小値であってもよいし、これらの中間値であってもよい。
【0028】
また、回収材料の溶融粘度の測定と、回収材料の溶融張力の測定とは、同時期にサンプリングされた回収材料に対して行うことが好ましい。
【0029】
第3工程は、回収材料を溶融混練機で溶融混練する工程である。回収材料を溶融混練する溶融混練機は、公知(市販)の機械を使用できる。例えば、溶融混練機は、回収材料を投入するための投入口と、投入した回収材料を溶融混練するためのシリンダーと、溶融混練した回収材料を外部に吐出するためのダイとを有する。
【0030】
溶融混練時のシリンダーの温度は、回収材料の種類に応じて適宜選択できる。例えば、回収材料に含まれる熱可塑性樹脂がPCの場合のシリンダーの温度は、160〜240℃の範囲内である。また、例えば、回収材料に含まれる熱可塑性樹脂がABS樹脂の場合のシリンダーの温度は、140〜220℃の範囲内である。
【0031】
また、溶融混練機のダイの温度も回収材料の種類に応じて適宜選択できる。例えば、回収材料に含まれる熱可塑性樹脂がPCの場合のダイの温度は、140〜240℃の範囲内である。また、例えば、回収材料に含まれる熱可塑性樹脂がABS樹脂の場合のダイの温度は、120〜220℃の範囲内である。
【0032】
溶融混練機で溶融混練された回収材料は、樹脂ストランドとしてダイから溶融混練機の外部に吐出される。
【0033】
第4工程は、溶融混練機から吐出された樹脂ストランドの形状を測定する工程である。ここで、「樹脂ストランドの形状」とは、樹脂ストランドの形状を特定できる情報である。本実施の形態では、樹脂ストランドの形状は、溶融混練機から吐出された後の樹脂ストランドの太さと、溶融混練機のダイから吐出された後の樹脂ストランドの軌道(張り具合)と、を含む。
【0034】
樹脂ストランドの太さは、公知(市販)の測定装置で測定できる。測定装置の例には、非接触のセンサーや、CCDカメラおよび画像解析装置を組み合わせた装置が含まれる。
【0035】
樹脂ストランドの太さは、樹脂ストランドがダイから吐出された後であれば任意の位置で測定できる。本実施の形態では、樹脂ストランドの太さを測定する位置は、溶融混練機から吐出された直後の位置(溶融混練機から10mm離れた位置)である。
【0036】
樹脂ストランドの太さの規定値は、溶融混練機から吐出された後、ペレダイザーで巻き取られるまでに樹脂ストランドが切断しなければ、使用する溶融混練機に応じて、適宜設定できる。例えば、樹脂ストランドの太さ(直径)の規定値は、2mm以上3mm以下の範囲内である。すなわち、本実施の形態では、樹脂ストランドの直径が2mm未満であるか、または3mm超の場合には、調整工程で溶融混練機の条件およびペレダイザーの条件が調整される。
【0037】
樹脂ストランドの軌道は、公知(市販)の測定装置で測定できる。測定装置の例には、非接触のセンサー、CCDカメラおよび画像解析装置を組み合わせた装置が含まれる。また、樹脂ストランドの軌道は、樹脂ストランドとして吐出された後であれば任意の位置で測定できる。例えば、樹脂ストランドの軌道は、所定の位置を樹脂ストランドが通過するか否かを調べればよい。例えば、樹脂ストランドの軌道を測定する位置は、溶融混練機のダイから100mm離れた位置である。また、樹脂ストランドの軌道は、ペレダイザーで樹脂ストランドを適切に巻き取ることができれば適宜設定できる。例えば、樹脂ストランドの軌道の規定値は、直線で結ぶ基準線からのずれが20mm以内のことを言う。樹脂ストランドの軌道が規定値にない場合には、調整工程で溶融混練機の条件およびペレダイザーの条件が調整される。
【0038】
第5工程は、溶融混練機のダイから吐出された樹脂ストランドを冷却しつつ、樹脂ストランドの下流に配置されたペレダイザーで樹脂ストランドを巻き取る工程である。
【0039】
樹脂ストランドを冷却する方法および冷却温度は、適宜設定できる。樹脂ストランドを冷却する方法は、水冷であってもよいし、空冷であってもよい。本実施の形態では、樹脂ストランドを冷却する方法は、水冷である。また、本実施の形態では、樹脂ストランドの冷却温度は、30℃である。
【0040】
冷却された樹脂ストランドは、ペレダイザーで巻き取られる。ペレダイザーによる樹脂ストランドの巻き取り速度は、溶融混練機による樹脂ストランドの吐出速度や、樹脂ストランドの太さ、および樹脂ストランドの軌道に応じて適宜設定できる。ペレダイザーによる樹脂ストランドの巻き取り速度は、5〜100m/min程度である。
【0041】
第6工程では、樹脂ストランドが切断しないように、各製造条件を調整する。第6工程は、溶融粘度の測定結果と、溶融張力の測定結果と、樹脂ストランドの形状の測定結果とに基づいて、回収材料の物性のばらつきによる樹脂ストランドの形状の変動を打ち消すように、溶融混練機の条件およびペレダイザーの条件を調整する工程である。
【0042】
溶融混練機の条件は、回収材料の物性のばらつきによる樹脂ストランドの形状の変動を打ち消すことができれば適宜に選択できる。溶融混練機の条件の例には、溶融混練機のシリンダーの温度および溶融混練機のダイの温度を含む。また、ペレダイザーの条件は、回収材料の物性のばらつきによる樹脂ストランドの形状の変動を打ち消すことができれば適宜に選択できる。ペレダイザーの条件の例には、ペレダイザーによる樹脂ストランドの巻き取り速度を含む。
【0043】
例えば、回収材料における溶融粘度の測定値および溶融張力の測定値に基づく、溶融混練機の条件およびペレダイザーの条件の調整により、回収材料の物性ばらつきによる熱可塑性樹脂組成物の物性の大きなばらつきを予め抑制する(フィードフォワード制御)。また、樹脂ストランドの形状の測定値に基づく、溶融混練機の条件の調整およびペレダイザーの条件の調整により、回収材料の物性ばらつきによる熱可塑性樹脂組成物の物性の小さなばらつきを抑制する(フィードバック制御)。
【0044】
まず、製造過程において樹脂ストランドの形状が変動することにより樹脂ストランドが切断してしまう原因について説明する。本実施の形態では、熱可塑性樹脂組成物の材料として、廃材や未使用品を含む回収材料を使用している。廃材を含む回収材料は、例えば、長時間屋外で使用されて、熱や紫外線により劣化が進行した樹脂製品を含むことがあるため、溶融粘度や溶融張力が低下している。また、未使用品を含む回収材料は、上記した所望の樹脂以外の樹脂が混入していることがあるため、溶融粘度や溶融張力が低下していることがある。このように、回収材料には、様々な用途で使用されていた廃材や未使用品などを集めているため、溶融特性が異なる材料が含まれている。よって、一定の条件で製造すると、熱可塑性樹脂組成物の物性が異なってしまうため、製造過程において樹脂ストランドの形状が変動し切断してしまうことがある。
【0045】
次に、溶融混練機の条件およびペレダイザーの条件を調整しなければならない理由について説明する。例えば、樹脂ストランドの形状が正常な場合、樹脂ストランドの太さが規定値に収まっており、かつ、樹脂ストランドの軌道も規定値に収まっている。この場合、溶融粘度の測定結果と、溶融張力の測定結果と、樹脂ストランドの形状の測定結果とのいずれもが規定値に収まっている。
【0046】
樹脂ストランドの形状の測定結果が規定値に収まっていなかったとき、樹脂ストランドは、張り具合が弱くなってしまう。すなわち、樹脂とランドの軌道が重力に沿う方向に変形してしまう。樹脂ストランドの張り具合が弱くなる原因としては、(1)ペレダイザーによる樹脂ストランドの巻き取り速度が遅いこと、(2)回収材料の溶融粘度が低いこと、(3)(1)および(2)の両方であることが含まれる。
【0047】
樹脂ストランドの張り具合が弱い原因が前述の(1)に由来する場合、ペレダイザーによる樹脂ストランドの巻き取り速度を速くすることにより、上記問題は解決できる。しかしながら、樹脂ストランドの張り具合が弱い原因が前述の(2)または(3)に由来する場合、ペレダイザーによる樹脂ストランドの巻き取り速度のみを調整しても、上記の問題は解決できず、溶融混練の条件も調整する必要がある。そこで、本実施の形態では、溶融粘度の測定結果と、溶融張力の測定結果と、樹脂ストランドの形状の測定結果とに基づいて、溶融混練機の条件およびペレダイザーの条件を調整することにより、樹脂ストランドが切断することを防止している。本実施の形態のように、樹脂ストランドの張り具合が弱く、前述の(2)または(3)が原因の場合には、溶融混練の温度を下げ、ペレダイザーによる巻き取り速度を遅くすることにより、樹脂ストランドの張り具合が規定値に収まるように調整できる。
【0048】
回収材料の溶融張力が低いとき、樹脂ストランドの太さが全体的に細くなってしまったり、部分的に細くなってしまったりすることがある。樹脂ストランドの少なくとも一部の太さが細くなる原因としては、(1)ペレダイザーによる巻き取り速度が速いこと、(2)回収材料の溶融張力が低いことなどが挙げられる。なお、樹脂ストランドが細くなってしまう別の原因には、異物が混入することで当該部分の樹脂ストランドが細くなり、部分的に溶融張力が低下することもある。
【0049】
樹脂ストランドが細くなる原因が前述の(1)に由来する場合、ペレダイザーによる樹脂ストランドの巻き取り速度を遅くすることにより、上記問題は解決できる。しかしながら、樹脂ストランドが細くなる原因が前述の(2)に由来する場合、ペレダイザーによる樹脂ストランドの巻き取り速度を調整しても、上記の問題は解決できず、溶融混練の条件も調整する必要がある。そこで、本実施の形態では、溶融混練機の条件およびペレダイザーの条件を調整することにより、樹脂ストランドが切断することを防止している。本実施の形態のように、樹脂ストランドが細く、前述の(2)が原因の場合には、溶融混練の温度を下げ、かつペレダイザーによる巻き取り速度を遅くすることにより、樹脂ストランドの太さが規定値に収まるように調整できる。
【0050】
このように、溶融粘度、溶融張力および樹脂ストランドの形状の少なくとも一つが規定値に含まれていなかった場合、樹脂ストランドの形状が変動して、樹脂ストランドが切断してしまうことがある。また、樹脂ストランド切れを防止する適切な調整方法を判断するためには、溶融粘度や溶融張力、または樹脂ストランドの形状のいずれか一方を測定して調整するだけでは不十分な場合がある。そこで、本実施の形態のように、溶融粘度の測定結果と、溶融張力の測定結果と、樹脂ストランドの形状の測定結果との少なくとも1つが規定値でなかったときに、溶融粘度の測定結果と、溶融張力の測定結果と、樹脂ストランドの形状の測定結果とを規定値に収めるように、シリンダーの温度またはダイの温度と、巻き取り速度とを調整する。
【0051】
第6工程は、溶融粘度の測定結果と、溶融張力の測定結果と、樹脂ストランドの形状の測定結果との少なくとも1つが規定値でなかったときに、溶融粘度の測定結果と、溶融張力の測定結果と、樹脂ストランドの形状の測定結果とを規定値に収まるように、前記溶融混練機の調整内容と前記ペレダイザーの調整内容とを示す調整テーブルに基づいて、シリンダーの温度またはダイの温度と、巻き取り速度とを調整してもよい。
【0052】
調整テーブルは、調整が必要な溶融粘度範囲と、調整が必要な溶融張力範囲と、調整が必要な樹脂ストランドの太さ範囲と、調整が必要な樹脂ストランドの軌道と、これらの組み合わせ毎に準備する。調整テーブルは、シミュレーションによって求められてもよいし、実測によって求められてもよい。
【0053】
ここで、調整テーブルの具体例について説明する。例えば、まず、溶融粘度、溶融張力および樹脂ストランドの形状のいずれを調整するかについて優先順位を決める。次に、優先順位を基準に、溶融粘度、溶融張力および樹脂ストランドの形状が既定値にない場合、どの調整項目をどのように調整するかについて決定する。
【0054】
表1は、調整テーブルの一例を示す表である。表1における「そのまま」とは、調整内容を変更しないことを意味している。
【0055】
【表1】
【0056】
そして、溶融粘度の測定結果と、溶融張力の測定結果と、樹脂ストランドの形状の測定結果とを規定値に収まるように、予め求められた調整テーブルに基づいて、シリンダーの温度またはダイの温度と、巻き取り速度とを調整する。
【0057】
以下、添付した図面を参照して、熱可塑性樹脂組成物の製造方法についてより具体的に説明する。図1は、熱可塑性樹脂組成物の製造方法を模式的に示す図である。
【0058】
図1に示されるように、回収材料は、熱可塑性樹脂の種類毎に湿式比重選別などによって選別される。次いで、選別された回収材料は、洗浄された後、乾燥される。
【0059】
乾燥された回収材料は、溶融混練機100に送られる。また、乾燥された回収材料の一部は、溶融粘度測定装置200および溶融張力測定装置300に送られる。
【0060】
溶融粘度測定装置200では、回収材料の溶融粘度を測定する。溶融粘度測定装置200は、測定された溶融粘度に基づく溶融混練温度および/またはダイの温度に対応した電気信号を溶融混練機100に送信すると共に、測定された溶融粘度に基づく巻き取り速度に対応した電気信号をペレダイザー400に送信する。
【0061】
溶融張力測定装置300では、回収材料の溶融張力を測定する。溶融張力測定装置300は、測定された溶融張力に基づく溶融混練温度および/またはダイの温度に対応した電気信号を溶融混練機100に送信するとともに、測定された溶融張力に基づく巻き取り速度に対応した電気信号をペレダイザー400に送信する。
【0062】
投入口110に投入された回収材料は、シリンダー120内で溶融混練され、ダイ130から樹脂ストランドとして、吐出される。
【0063】
ダイ130から吐出された樹脂ストランドは、冷却される。本実施の形態では、ダイ130から吐出された樹脂ストランドは、水で満たされた水槽500内に配置されたローラー510の下側を進行することで冷却される。
【0064】
また、樹脂ストランドは、第1測定装置600および第2測定装置700によって、吐出された直後の太さと、軌道(張り具合)とが測定される。
【0065】
図2は、樹脂ストランドの形状を測定する工程を説明するための模式図である。図2に示されるように、本実施の形態では、溶融混練機100のダイ130から吐出された樹脂ストランドは、下流に配置されたローラー510の下部を通って、下流側に送られる。なお、樹脂ストランドの太さを測定するための第1測定装置600および樹脂ストランドの太さを測定するための第2測定装置700は、溶融混練機100側から順番に並んで配置されている。
【0066】
図2に示されるように、樹脂ストランドの太さは、ダイ130から吐出された直後の樹脂ストランドの直径である。第1測定装置600は、測定された樹脂ストランドの太さに基づく溶融混練温度および/またはダイの温度に対応した電気信号を溶融混練機100に送信するとともに、測定された溶融張力に基づく巻き取り速度に対応した電気信号をペレダイザー400に送信する。
【0067】
図2に示されるように、例えば、樹脂ストランドの軌道は、溶融混練機100のダイ130からローラー510の下側に接線Lを引き、接線Lと第2測定装置700からの垂線との交点を基準点Pとしたときに、垂線の延在する方向において、基準点Pと樹脂ストランドとの距離Dとして求められる。例えば、基準点Pと樹脂ストランドとの距離は、0mm以上20mm以下である。すなわち、当該距離が20mm超の場合には、調整工程で溶融混練機の条件およびペレダイザーの条件が調整される。
【0068】
第1測定装置600より樹脂ストランドが送られる下流側に配置された第2測定装置700は、樹脂ストランドの軌道を測定する。第2測定装置700は、測定された樹脂ストランドの軌道に基づく溶融混練温度および/またはダイの温度に対応した電気信号を溶融混練機100に送信するとともに、測定された樹脂ストランドの軌道に基づく巻き取り速度に対応した電気信号をペレダイザー400に送信する。
【0069】
冷却された樹脂ストランドは、ペレダイザー400によって巻き取られるとともに、必要に応じて切断されて熱可塑性樹脂組成物となる。
【0070】
以上の説明から明らかなように、熱可塑性樹脂製の回収材料を溶融混練機で溶融混練した後に、溶融混練機から吐出された樹脂ストランドをペレダイザーで巻き取ることで、再生された熱可塑性樹脂製の組成物を製造する方法であって、回収材料の溶融粘度を測定する工程と、回収材料の溶融張力を測定する工程と、回収材料を溶融混練機で溶融混練する工程と、溶融混練機から吐出された樹脂ストランドの形状を測定する工程と、樹脂ストランドを冷却しつつ、ペレダイザーで巻き取ることで熱可塑性樹脂組成物を得る工程と、溶融粘度の測定結果と、溶融張力の測定結果と、樹脂ストランドの形状の測定結果とに基づいて、回収材料の物性のばらつきによる樹脂ストランドの形状の変動を打ち消すように、溶融混練機の条件およびペレダイザーの条件を調整する工程とを含む。よって、上記製造方法によれば、溶融混練機から吐出された樹脂ストランドが切断されることがないため、熱可塑性樹脂組成物の生産性を高めることができる。
【0071】
また、前記溶融混練機の条件は、前記溶融混練機のシリンダーの温度と、前記溶融混練機のダイの温度とであり、前記ペレダイザーの条件は、前記ペレダイザーによる前記樹脂ストランドの巻き取り速度であり、前記溶融混練機の条件および前記ペレダイザーの条件を調整する工程では、前記溶融粘度の測定結果と、前記溶融張力の測定結果と、前記樹脂ストランドの形状の測定結果との少なくとも1つが規定値でなかったときに、前記溶融粘度の測定結果と、前記溶融張力の測定結果と、前記樹脂ストランドの形状の測定結果とを規定値に収めるように、前記シリンダーの温度または前記ダイの温度と、前記巻き取り速度とを調整することは、熱可塑性樹脂組成物の生産性を高める観点からより一層効果的である。
【0072】
また、前記溶融混練機の条件は、前記溶融混練機のシリンダーの温度と、前記溶融混練機のダイの温度とであり、前記ペレダイザーの条件は、前記ペレダイザーによる前記樹脂ストランドの巻き取り速度であり、前記溶融混練機の条件および前記ペレダイザーの条件を調整する工程では、前記溶融粘度の測定結果と、前記溶融張力の測定結果と、前記樹脂ストランドの形状の測定結果との少なくとも1つが規定値でなかったときに、前記溶融粘度の測定結果と、前記溶融張力の測定結果と、前記樹脂ストランドの形状の測定結果とを規定値に収まるように、予め求められた調整テーブルに基づいて、前記シリンダーの温度または前記ダイの温度と、前記巻き取り速度とを調整することは、熱可塑性樹脂組成物の生産性を効率よく高める観点からより一層効果的である。
【0073】
また、上記製造方法は、具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリエチレンテレフタラートおよびポリブチレンテレフタラートからなる群から選ばれる少なくとも一つの樹脂に好ましく適用することが可能であり、また、回収材料に好ましく適用することが可能である。
【0074】
また、着色剤、難燃剤、滑剤、相溶化剤、酸化防止剤および紫外線吸収剤からなる群から選ばれる一つ以上の添加剤をさらに含有する上記原料樹脂組成物を上記溶融混練機に投入することは、製品の機能性または汎用性を高める観点からより一層効果的である。
【実施例】
【0075】
[材料の準備]
材料1として、回収されたPCの破砕物を湿式比重選別により選別し、選別した粉砕物を洗浄および乾燥させた粉砕物を準備した。材料2として、回収されたABS樹脂の破砕物を湿式比重選別により選別し、選別した粉砕物を洗浄および乾燥させた粉砕物を準備した。
【0076】
[二軸溶融混練機の準備]
溶融混練機として、二軸溶融混練機(HYPERKTX 30;株式会社神戸製鋼所)を準備した。
【0077】
[実施例1]
真空乾燥機を用いて材料1を80℃、4時間乾燥させた。次いで、二軸溶融混練機の投入口から連続して10時間、10kg/時の量で投入して溶融混練した。溶融混練時のシリンダーの温度は、220℃とした。
【0078】
一方、5分間隔で投入口に供給すべき材料1をサンプリングして、材料1の溶融粘度および溶融張力を測定した。
【0079】
溶融粘度および溶融張力は、キャピラリーレオメーター(キャピログラフ1D;株式会社東洋精機製作所)を用いて測定した。
【0080】
二軸溶融混練機から吐出される樹脂ストランド1の形状をセンサーで測定した。樹脂ストランド1の形状として、樹脂ストランド1の太さと、樹脂ストランド1の軌道を測定した。樹脂ストランド1の太さは、レーザスキャンマイクロメータ(LSM−503S;株式会社ミツトヨ)を用いて、二軸溶融混練機の吐出口から10mm離れた位置で測定した。また、樹脂ストランド1の軌道は、レーザー式変位センサー(IA−100;株式会社キーエンス)を用いて、二軸溶融混練機の吐出口から100mm離れた位置で測定した。
【0081】
また、前述の表1に基づいて、溶融粘度の測定結果および溶融張力の測定結果に基づく調整(以下、「第1調整」ともいう)と、ストランドの形状の測定結果に基づく調整(以下、「第2調整」とも言う)とを行った。
【0082】
形状が測定された樹脂ストランド1は、30℃の水に浸漬されて急冷された。そして、急冷された樹脂ストランド1は、ペレタイザーによりペレット状に粉砕された。こうして、ペレット状の樹脂組成物1を得た。
【0083】
[実施例2]
二軸溶融混練機への投入時に、顔料(NUBIANBLACK PC-5857;オリヱント化学工業株式会社)を3質量%となる量で添加したこと以外は、実施例1と同様にして樹脂組成物2を得た。
【0084】
[実施例3]
二軸溶融混練機への投入時に、難燃剤(SPS−100;大塚化学株式会社)を10質量%となる量で添加したこと以外は、実施例1と同様にして樹脂組成物3を得た。
【0085】
[実施例4]
材料1を材料2に変更した以外は、実施例1と同様にして樹脂組成物4を得た。
【0086】
[比較例1]
第1調整と、第2調整とを行わなかったこと以外は、実施例1と同様にして樹脂組成物5を得た。
【0087】
[比較例2]
第1調整を行わなかったこと以外は、実施例1と同様にして樹脂組成物6を得た。
【0088】
[比較例3]
第2調整を行わなかったこと以外は、実施例1と同様にして樹脂組成物7を得た。
【0089】
[比較例4]
100kgの材料1を予め混合し、第1調整と、第2調整とを行わなかったこと以外は、実施例1と同様にして樹脂組成物8を得た。
【0090】
樹脂組成物の材料と、溶融混練の条件を表2に示す。
【0091】
【表2】
【0092】
[評価]
10時間連続で総量100kgの樹脂組成物を生産し、樹脂ストランドが切れた回数および切れた本数を調べた。そして、下記評価基準により評価した。
◎:生産中に樹脂ストランドが切れなかった。
○:生産中に樹脂ストランドが1本でも切れた回数が1〜2回であり、そのうち、一度も2本以上切れなかった。
△:生産中に樹脂ストランドが1本でも切れた回数が3〜4回であり、そのうち、2本以上切れた回数が0〜1回だった。
×:生産中に樹脂ストランドが1本でも切れた回数が5回以上であるか、そのうち、2本以上切れた回数が2回以上だった。
【0093】
樹脂組成物No.と、評価結果とを表3に示す。
【0094】
【表3】
【0095】
表3に示されるように、調整工程を行った樹脂組成物1〜4では、樹脂ストランドが切断されることなく、連続して熱可塑性樹脂組成物を製造できた。一方、溶融粘度の測定結果および溶融張力の測定結果に基づく調整、または、ストランドの吐出状態の観察に基づく調整のいずれか一方しか行わなかった樹脂組成物5〜8では、製造途中において、樹脂ストランドが切断してしまった。これは、上記のうちいずれかの調整しか行わなかったため、樹脂ストランドが切断してしまったためと考えられる。
【産業上の利用可能性】
【0096】
前述の製造方法によれば、回収材料の再利用や、所期の物性から外れた物性を有する新規樹脂材料の有効活用など、樹脂材料の有効活用の拡充が期待される。よって、当該製造方法によれば、樹脂組成物およびそれを材料とする製品における生産性のさらなる向上と、当該樹脂組成物および製品の製造に伴う環境への負荷のさらなる低減との両立が期待される。
【符号の説明】
【0097】
100 溶融混練機
110 投入口
120 シリンダー
130 ダイ
200 溶融粘度測定装置
300 溶融張力測定装置
400 ペレダイザー
500 水槽
510 ローラー
600 第1測定装置
700 第2測定装置
図1
図2