【実施例1】
【0009】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。
【0010】
<1>床材剥離装置
本発明の床材剥離装置は、本体1と、本体1から後方に延設する操作桿2と、操作桿2に取り付けるフレーム3と、からなる。フレーム3には、下部にキャスター41を取り付けたキャスター部4を取り付ける(
図1)。
本発明において、後方とは床材剥離装置を基準として本体1に対する操作桿2の位置する方向を示し、前方は後方とは180°反対の方向を示す。
【0011】
<2>本体
本体1は下部に刃保持体11を設ける。刃保持体11の前方には剥離刃111を交換可能に取り付ける。
刃保持体11は同じく本体1に設けたモーター12に接続し、モーター12を駆動することにより本体1に対して略水平に揺動する(
図2)。
【0012】
<3>操作桿
操作桿2は、本体1から後方斜め上方向に延びる長尺の部材である(
図3)。
操作桿2の後端には、作業員が片手で把持できるグリップ21を取り付ける。
また、操作桿2にはグリップ21の他に、操作桿2と直交する棒状の補助ハンドル22を取り付けてもよい。補助ハンドル22はグリップ21と位置、形状が異なるため、作業員が作業時に適宜好きな姿勢で操作桿2を持って床材剥離装置を操作することができる。
補助ハンドル22は取り外し式や折り畳み式とすることで、壁際などの狭い空間でも床材剥離装置を使用することができる。
【0013】
<4>フレーム
フレーム3は、操作桿2から後方斜め下方に延びる部材である。
フレーム3の後端には、キャスター部4を取り付ける。
【0014】
<5>キャスター部
キャスター部4は、フレーム3に取り付けるキャスターフレーム42と、キャスターフレーム42の下端に取り付けるキャスター41と、からなる。
キャスター41は、ゴムやエラストマ樹脂等の軟質な材料とすることにより、本発明の床材剥離装置のモーター12駆動時や剥離作業時の振動の床下地Fへの伝達を少なくし、静音性を高める。
【0015】
<5.1>キャスター部の位置調整
キャスター部4は、フレーム3に対して摺動可能に取り付けることにより、キャスター41のフレーム3に対する位置を調整可能とする。
例えば、フレーム3に対してキャスター部4を下方に摺動させると、キャスター41がフレーム3に対して離れる方向に移動し、操作桿2の位置が高くなる(
図4)。
操作桿2の位置が高くなると、本体1とその前方に取り付けた剥離刃111の床下地に対する角度(鋭角側)が大きくなる。
床下地Fに対する剥離刃111の角度が小さくなると剥離性能が落ち、逆に剥離刃111の角度が大きくなると床下地Fに剥離刃111が押し付けられるため剥離作業時に発生する騒音が大きくなる。予め床材の貼り付けの状態に合わせて、キャスター部4を摺動してキャスター41の位置を調整することにより、剥離刃111の角度を調整し、小さな騒音で、誰でも最適な角度で剥離作業を行うことができる。
キャスター部4は、フレーム3に対して摺動可能に取り付けたが、たとえばフレーム3に回転可能に取り付ける等、キャスター41のフレーム3に対する位置を調整できればよい。
【0016】
<6>剥離作業
剥離作業は、本体1のモーター12を起動し、グリップ21や補助ハンドル22を把持して床材5の端部に剥離刃111を押し当てて前方に進めて行う。本体1のモーター12とキャスター41は操作桿2とフレーム3およびキャスターフレーム42を介して繋がっているが、それぞれが離れた位置となるため、モーター12の振動がキャスター41から床下地Fに響きづらい。このため、リニューアル工事においても作業時間が限られず、短工期にて施工することができる。
床材剥離装置は、前方の剥離刃111と後方のキャスター41の2箇所で床下地Fと接している。このため、作業員は容易に床材剥離装置に前方向の力をかけることができる。剥離刃111は最適な角度で床下地Fに床材剥離装置の自重で押し付けられており、作業員は床材剥離装置を前方に進めるだけで、最適な角度を保持したままで容易に床材5を剥離することができる。このとき、作業員は床材剥離装置を傾けたりすることが不要であり、作業員の負担が小さく、誰でも剥離作業を行うことができる。