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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-204536(P2018-204536A)
(43)【公開日】2018年12月27日
(54)【発明の名称】圧縮機
(51)【国際特許分類】
   F04C 29/00 20060101AFI20181130BHJP
   F04B 39/00 20060101ALI20181130BHJP
   F04C 18/32 20060101ALI20181130BHJP
【FI】
   F04C29/00 H
   F04B39/00 103R
   F04C29/00 F
   F04C29/00 G
   F04C18/32
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2017-110533(P2017-110533)
(22)【出願日】2017年6月5日
(71)【出願人】
【識別番号】000002853
【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】特許業務法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】東 洋文
(72)【発明者】
【氏名】外島 隆造
(72)【発明者】
【氏名】西村 公佑
【テーマコード(参考)】
3H003
3H129
【Fターム(参考)】
3H003AA05
3H003AB04
3H003AC03
3H003CA02
3H129AA01
3H129AA09
3H129AA13
3H129AA32
3H129AB03
3H129BB42
3H129BB50
3H129CC04
3H129CC18
(57)【要約】
【課題】圧縮機の軸受部材(49)に設けられる環状薄肉部(82)がスラスト荷重により弾性変形できなくなるのを抑制し、摩擦損失の増大による圧縮機の効率低下も抑える。
【解決手段】軸受部材(49)に、主にラジアル荷重を受ける第1軸受部(80)と、主にスラスト荷重を受ける第2軸受部(90)とを設け、第1軸受部(80)の軸穴(80a)の端部に環状薄肉部(82)を形成する。また、第2軸受部(90)に、環状薄肉部(82)の端面(84)に隙間を隔てて配置されるとともに駆動軸(33)のスラスト摺動面(33d)を支持するスラスト軸受部(91)を設ける。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作動流体を圧縮する圧縮機構(40)と、該圧縮機構(40)を駆動する電動機(30)と、該圧縮機構(40)と電動機(30)に連結された駆動軸(33)と、該駆動軸(33)を回転自在に支持する軸受部材(49)とを備えた圧縮機であって、
上記軸受部材(49)は、主としてラジアル荷重を受ける第1軸受部(80)と、主としてスラスト荷重を受ける第2軸受部(90)とを有し、
上記第1軸受部(80)は、上記軸受部材(49)の軸穴(80a)の端部に、上記軸受部材(49)の本体部(81)よりも薄肉に形成された環状薄肉部(82)を有し、
上記第2軸受部(90)は、上記環状薄肉部(82)の端面(84)に隙間を隔てて配置されるとともに上記駆動軸(33)のスラスト摺動面(33d)を支持するスラスト軸受部(91)を有していることを特徴とする圧縮機。
【請求項2】
請求項1において、
上記スラスト軸受部(91)は、上記軸受部材(49)に保持されたプレート部材(92)により構成されていることを特徴とする圧縮機。
【請求項3】
請求項1または2において、
上記圧縮機構(40)は、上記駆動軸(33)に形成された偏心部(33c)に嵌合するピストン(54)と、該ピストン(54)が内部で偏心回転動作をするように形成されたシリンダ室(52)を有するシリンダ(44)と、を備えたピストン偏心回転式の圧縮機構(40)であり、
上記軸受部材(49)は、上下方向に延びる上記駆動軸(33)の下部を上記圧縮機構(40)の下方で支持する下部軸受部材(49)であることを特徴とする圧縮機。
【請求項4】
請求項3において、
上記下部軸受部材(49)の上端部に凹陥部(93)が形成され、且つ上記第1軸受部(80)は該凹陥部(93)の下方に形成され、
上記スラスト軸受部(91)の外周面が上記凹陥部(93)の内周面に嵌合するように形成されていることを特徴とする圧縮機。
【請求項5】
請求項4において、
上記スラスト軸受部(91)の上面(92a)が上記下部軸受部材(49)の上端面(49a)より下方に位置し、
上記駆動軸(33)は、上記軸穴(80a)の直径よりも大径の部分を有する大径部(33e)を備え、該大径部(33e)の下面により上記スラスト摺動面(33d)が構成されていることを特徴とする圧縮機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧縮機に関し、特に、圧縮機構と電動機に接続された駆動軸を支持してラジアル荷重とスラスト荷重を受ける軸受部材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、シリンダが有するシリンダ室内でピストンが偏心回転するピストン偏心回転式の圧縮機構を有する圧縮機が知られている。この圧縮機においては、運転中の圧縮ガスの荷重等により駆動軸が撓んで軸受部材に片当たりすることによる偏摩耗や焼き付きを抑えるため、駆動軸を支持する軸受部材のラジアル軸受部(第1軸受部)を弾性軸受構造にすることが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
弾性軸受構造は、第1軸受部の端部に環状薄肉部を設けることにより、駆動軸に傾きが生じた場合に環状薄肉部が駆動軸の傾きに追随して弾性変形する構造であり、こうすることにより、焼き付き等を抑えるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013−068194号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一方、環状薄肉部が、スラスト軸受部(第2軸受部)を兼ねる構造が採用されることがある。しかし、この場合は、駆動軸のスラスト摺動面と環状薄肉部の先端が接触してしまう。そして、この部分で接触が生じると、環状薄肉部が変形できなくなり、弾性軸受が機能しなくなる。これに対して、スラスト摺動面の直径を大きくし、上記第2軸受部が、上記環状薄肉部の径方向外方の位置で(該環状薄肉部を避けて)スラスト荷重を受ける構造にすることが考えられる。ところが、そのように構成すると、スラスト摺動面の回転半径が大きくなり、摩擦損失が増大して圧縮機の効率が低下する。
【0006】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、圧縮機の軸受部材に設けられるラジアル軸受部(第1軸受部)の環状薄肉部がスラスト軸受部(第2軸受部)により弾性変形できなくなるのを抑制するとともに、摩擦損失の増大による圧縮機の効率低下も抑えることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の発明は、作動流体を圧縮する圧縮機構(40)と、該圧縮機構(40)を駆動する電動機(30)と、該圧縮機構(40)と電動機(30)に連結された駆動軸(33)と、該駆動軸(33)を回転自在に支持する軸受部材(49)とを備えた圧縮機を前提とする。
【0008】
そして、この圧縮機は、上記軸受部材(49)が、主としてラジアル荷重を受ける第1軸受部(80)と、主としてスラスト荷重を受ける第2軸受部(90)とを有し、上記第1軸受部(80)は、上記軸受部材(49)の軸穴(80a)の端部に、上記軸受部材(49)の本体部(81)よりも薄肉に形成された環状薄肉部(82)を有し、上記第2軸受部(90)は、上記環状薄肉部(82)の端面(84)に隙間を隔てて配置されるとともに上記駆動軸(33)のスラスト摺動面(33d)を支持するスラスト軸受部(91)を有していることを特徴とする。なお、上記軸受部材(49)の本体部(81)は、上記軸受部材(49)において環状薄肉部(82)を除いた肉厚の部分である。
【0009】
この第1の発明では、駆動軸(33)の回転中に、第1軸受部(80)が主としてラジアル荷重を受け、第2軸受部(90)が主としてスラスト荷重を受ける。第1軸受部(80)には環状薄肉部(82)が形成されているので、圧縮機の運転中の圧縮ガスの荷重等により駆動軸(33)が撓むと、環状薄肉部(82)が弾性変形することにより、第1軸受部(80)が駆動軸(33)の傾きに追随する。また、第2軸受部(90)はスラスト軸受部(91)により駆動軸(33)のスラスト摺動面(33d)を支持する。本発明では、第2軸受部(90)が環状薄肉部(82)の端面(84)との間に隙間を隔てて配置されているので、スラスト軸受部(91)が環状薄肉部(82)の変形を阻止するのが抑えられる。
【0010】
第2の発明は、第1の発明において、上記スラスト軸受部(91)が、上記軸受部材(49)に保持されたプレート部材(92)により構成されていることを特徴とする。
【0011】
この第2の発明では、上記軸受部材(49)に保持された、環状薄肉部(82)とは別部材のプレート部材(92)により形成されたスラスト軸受部(91)により、駆動軸(33)のスラスト摺動面(33d)が支持される。
【0012】
第3の発明は、第1または第2の発明において、上記圧縮機構(40)が、上記駆動軸(33)に形成された偏心部(33c)に嵌合するピストン(54)と、該ピストン(54)が内部で偏心回転動作をするように形成されたシリンダ室(52)を有するシリンダ(44)と、を備えたピストン偏心回転式の圧縮機構(40)であり、上記軸受部材(49)は、上下方向に延びる上記駆動軸(33)の下部を上記圧縮機構(40)の下方で支持する下部軸受部材(49)であることを特徴とする。
【0013】
この第3の発明では、ピストン偏心回転式の圧縮機機構の下部軸受部材(49)に第1軸受部(80)と第2軸受部(90)が設けられて、第1軸受部(80)の環状薄肉部(82)が駆動軸(33)の傾きに追随し、第2軸受部(90)のスラスト軸受部(91)が駆動軸(33)の撓みなどに起因するスラスト荷重を受ける。そして、スラスト軸受部(91)が環状薄肉部(82)の端面(84)と離れているので、環状薄肉部(82)の弾性変形が許容される。
【0014】
第4の発明は、第3の発明において、上記下部軸受部材(49)の上端部に凹陥部(93)が形成され、且つ上記第1軸受部(80)は該凹陥部(93)の下方に形成され、上記スラスト軸受部(91)の外周面が上記凹陥部(93)の内周面に嵌合するように形成されていることを特徴とする。
【0015】
この第4の発明では、下部軸受部材(49)に形成された凹陥部(93)にスラスト軸受部(91)が嵌合し、このスラスト軸受部(91)が駆動軸(33)のスラスト荷重を受ける。上記第1軸受部(80)は凹陥部(93)の下方に形成されているので、環状薄肉部(82)はスラスト軸受部(91)の下方に該スラスト軸受部(91)から離れて位置している。そして、この発明においても、駆動軸(33)の傾きに追随する動作がスラスト軸受で阻止されるのは抑制される。
【0016】
第5の発明は、第4の発明において、上記スラスト軸受部(91)の上面(92a)が上記下部軸受部材(49)の上端面(49a)より下方に位置し、上記駆動軸(33)は、上記軸穴(80a)の直径よりも大径の部分を有する大径部(33e)を備え、該大径部(33e)の下面により上記スラスト摺動面(33d)が構成されていることを特徴とする。
【0017】
この第5の発明では、上記駆動軸(33)に形成された大径部(33e)の下面のスラスト摺動面(33d)が、軸受部材(49)の凹陥部(93)に設けられているスラスト軸受部(91)の上面(92a)と摺動し、スラスト荷重が支持される。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、第1軸受部(80)に環状薄肉部(82)が形成されているので、圧縮機の運転中の圧縮ガスの荷重等により駆動軸(33)が撓むと、環状薄肉部(82)が弾性変形することにより、第1軸受部(80)が駆動軸(33)の傾きに追随し、第2軸受部(90)はスラスト軸受部(91)により駆動軸(33)のスラスト摺動面(33d)を支持する。そして、本発明では、第2軸受部(90)が環状薄肉部(82)の端面(84)に隙間を隔てて配置されているので、環状薄肉部(82)がスラスト軸受部(91)により弾性変形できなくなるのが抑制される。しかも、第2軸受部(90)が環状薄肉部(82)とほぼ同じ直径になり、スラスト摺動面(33d)の直径を大きくしなくてもよいから、摩擦損失の増大による圧縮機の効率低下も抑えられる。
【0019】
上記第2の発明によれば、上記軸受部材(49)に保持された、環状薄肉部(82)とは別部材のプレート部材(92)により形成されたスラスト軸受部(91)により、駆動軸(33)のスラスト摺動面(33d)が支持される。この構成では、プレート部材(92)は軸受部材(49)とは別部材となり、このプレート部材(92)に摩擦係数の小さい表面処理(例えばDLC(ダイヤモンドライクカーボン)処理)を施すことで、スラスト軸受部(91)の摩擦損失を低減できる。また、プレート部材(92)は別部材であって軸受部材(49)よりも小さいため、表面処理を施しても大幅なコストアップにはならない。
【0020】
上記第3の発明によれば、第1軸受部(80)と第2軸受部(90)が設けられるピストン偏心回転式の圧縮機機構の下部軸受部材(49)において、第1軸受部(80)の環状薄肉部(82)が駆動軸(33)の傾きに追随し、第2軸受部(90)のスラスト軸受部(91)が駆動軸(33)の撓みなどに起因するスラスト荷重を受ける。そして、スラスト軸受部(91)が環状薄肉部(82)の端面(84)と離れているので、環状薄肉部(82)の弾性変形が許容され、摩擦損失の増大による圧縮機の効率低下も抑えられる。
【0021】
上記第4の発明によれば、圧縮機構(40)の下方に位置する下部軸受部材(49)に、スラスト軸受部(91)が嵌合する凹陥部(93)と、その下方に位置し且つ環状薄肉部(82)を有する第1軸受部(80)を設けることにより、環状薄肉部(82)とスラスト軸受部(91)の摺動による摩擦損失を抑えられる構造を容易に実現できる。
【0022】
上記第5の発明によれば、上記駆動軸(33)に形成された大径部(33e)の下面のスラスト摺動面(33d)が、軸受部材(49)の凹陥部(93)に設けられているスラスト軸受部(91)の上面(92a)と摺動し、凹陥部(93)の中でスラスト荷重が支持される。したがって、環状薄肉部(82)とスラスト軸受部(91)の摺動による摩擦損失を抑えられる構造を容易に実現できるうえに、軸受部材(49)の上下方向の寸法が大きくなるのを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1図1は、本発明の実施形態に係る圧縮機の縦断面図である。
図2図2は、図1の圧縮機の部分拡大図である。
図3図3は、圧縮機構の横断面図である。
図4図4は、下部軸受部材の要部の構造を示す拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0025】
図1に示す本実施形態に係る圧縮機(10)は、空気調和装置、冷却装置、給湯装置等の冷凍装置に適用される。圧縮機(10)は、放熱器、膨張弁、蒸発器とともに冷媒回路に接続される。冷媒回路では、冷媒が循環して冷凍サイクルが行われる。つまり、冷媒回路では、圧縮機(10)で圧縮された冷媒が、放熱器で放熱し、膨張弁で減圧された後、蒸発器で蒸発する。
【0026】
圧縮機(10)は、縦長の円筒形の密閉容器であるケーシング(11)を備えている。ケーシング(11)には、円筒形状の胴部(12)と、胴部(12)の上端及び下端にそれぞれ固定された上部鏡板(13)及び下部鏡板(14)が設けられている。上部鏡板(13)は、下側に開口する椀状に形成され、下端の外周縁部が胴部(12)の上端内周面に溶接される。下部鏡板(14)は、上側に開口する椀状に形成され、上端の外周縁部が胴部(12)の下端内周面に溶接される。
【0027】
上部鏡板(13)の中央部には、吐出管(20)が上下に延びて貫通している。また、上部鏡板(13)には、斜め上方に膨出する膨出部(15)が形成されている。膨出部(15)には、外部電源の電力を電動機(30)へ供給するためのターミナル(25)が取り付けられている。
【0028】
ケーシング(11)の内部には、電動機(30)と圧縮機構(40)とが設けられている。圧縮機構(40)は、作動流体である冷媒を圧縮する機構である。電動機(30)は該圧縮機構(40)を駆動する駆動源である。また、この圧縮機(10)は、ケーシング(11)の内部に、圧縮機構(40)と電動機(30)に連結された駆動軸(33)と、該駆動軸(33)を回転自在に支持する軸受部材(48,49)とを備えている。
【0029】
電動機(30)は、圧縮機構(40)の上側に配置されている。電動機(30)は、ステータ(31)とロータ(32)とを備えている。ステータ(31)は、ケーシング(11)の胴部(12)の内周面に固定されている。また、ロータ(32)は、ステータ(31)の内側に配置されている。ロータ(32)には、ケーシング(11)の内部を上下に延びる駆動軸(33)が連結されている。ケーシング(11)の内部空間(S)は、電動機(30)の下側の一次空間(S1)と、電動機(30)の上側の二次空間(S2)(油分離空間)とに区画される。これらの空間(S1,S2)は、いずれも圧縮機構(40)の吐出流体(高圧冷媒)で満たされる。つまり、圧縮機(10)は、いわゆる高圧ドーム式(ケーシング(11)の内部が高圧圧力になる形式)で構成されている。
【0030】
駆動軸(33)は、主軸部(33a)と、第1偏心部(33b)と、第2偏心部(33c)とを備えている。主軸部(33a)は、圧縮機構(40)一体に組み立てられた上記軸受部材(48,49)である、上部軸受部材(48)及び下部軸受部材(49)によって回転自在に支持されている。第1偏心部(33b)は、第2偏心部(33c)の上側に形成されている。これらの偏心部(33b,33c)は、主軸部(33a)に対して偏心する方向が、互いに180°ずれている。
【0031】
駆動軸(33)の下部には、遠心式の油ポンプ(34)が取り付けられている。油ポンプ(34)は、ケーシング(11)の底部の油溜まり(16)に溜まる油に浸漬する。駆動軸(33)の内部には、油ポンプ(34)で汲み上げた油が流れる油流路(35)が形成されている。油流路(35)は、駆動軸(33)の中を軸方向に延び、その下流側が圧縮機構(40)において部材同士が摺動する摺動部に連通している。
【0032】
駆動軸(33)とともに油ポンプ(34)が回転すると、油溜まり(16)の油が油ポンプ(34)に吸い込まれる。この油は、油流路(35)から各摺動部へ供給され、各摺動部の潤滑に利用される。
【0033】
図1図2に示すように、圧縮機構(40)は、2つの圧縮室でそれぞれ冷媒を圧縮する2気筒(2シリンダ)式の圧縮機構である。また、この実施形態では、圧縮機構(40)は、環状のシリンダ(42,44)の内部をピストン(53,54)が偏心回転するピストン偏心回転式の圧縮機構で構成されている。より詳細には、図3に示すように、圧縮機構(40)は、ブッシュ(57)に保持されるブレード(55)とピストン(53,54)とが一体に形成され、シリンダ(42,44)の内部をピストン(53,54)が揺動しながら回転する、揺動ピストン式の圧縮機構で構成されている。
【0034】
図2に示すように、圧縮機構(40)は、ケーシング(11)の胴部(12)の下部寄りに固定されている。圧縮機構(40)は、上側から下側へ向かって順に、フロントヘッド(41)、第1シリンダ(42)、ミドルプレート(43)、第2シリンダ(44)、及びリアヘッド(45)が積層されて構成されている。フロントヘッド(41)は、ケーシング(11)の胴部(12)に焼き嵌めによって固定されている。フロントヘッド(41)は、上述した上部軸受部材(48)を構成している。第1シリンダ(42)及び第2シリンダ(44)は上下に円形の開口面を有する環状に形成されている。ミドルプレート(43)は、駆動軸(33)が貫通する円板状に形成されている。リアヘッド(45)は、上述した下部軸受部材(49)を構成している。
【0035】
圧縮機構(40)では、第1シリンダ(42)の上側の開口面(軸方向の上側の端面)がフロントヘッド(41)で閉塞され、第1シリンダ(42)の下側の開口面がミドルプレート(43)で閉塞され、第1シリンダ(42)の内部に第1シリンダ室(51)が区画された第1圧縮機構(40A)が構成されている。また、圧縮機構(40)では、第2シリンダ(44)の上側の開口面がミドルプレート(43)で閉塞され、第2シリンダ(44)の下側の開口面(軸方向の下側の端面)がリアヘッド(45)に閉塞され、第2シリンダ(44)の内部に第2シリンダ室(52)が区画された第2圧縮機構(40B)が構成されている。以上のように、第1圧縮機構(40A)は第1シリンダ(42)とフロントヘッド(41)とを有し、第2圧縮機構(40B)は第2シリンダ(44)とリアヘッド(45)とを有していて、第1シリンダ(42)と第2シリンダ(44)の間に、第1圧縮機構(40A)と第2圧縮機構(40B)で共有される上記ミドルプレート(43)が装着されている。
【0036】
第1シリンダ室(51)には、第1偏心部(33b)が挿通される環状の上記第1ピストン(53)が収容されている。第2シリンダ室(52)には、第2偏心部(33c)が挿通される環状の上記第2ピストン(54)が収容されている。第1シリンダ(42)には、第1吸入管(21)が径方向に延びて接続されている。第1吸入管(21)は、第1シリンダ室(51)の吸入室に連通している。第2シリンダ(44)には、第2吸入管(22)が径方向に延びて接続されている。第2吸入管(22)は、第2シリンダ室(52)の吸入室に連通している。
【0037】
また、フロントヘッド(41)には、図3に示す第1吐出ポート(63)が設けられている(図1図2では省略)。第1吐出ポートは、流入端が第1シリンダ室(51)の吐出室(高圧室)に連通している。なお、第1吐出ポートの流出端は、図示していないが、例えば上側マフラー(図示せず)を介して一次空間(S1)と連通している。
【0038】
リアヘッド(45)には、第2吐出ポート(64)が設けられている(図1図2では省略)。第2吐出ポートは、流入端が第2シリンダ室(52)の吐出室(高圧室)に連通している。なお、第2吐出ポートの流出端は、図示していないが、例えば下側マフラー(図示せず)の内部に開口している。下側マフラーの内部空間は、図示しない連通路を介して上側マフラーの内部空間と連通している。
【0039】
次いで、各シリンダ(42,44)の内部構造について図3を参照しながら説明する。なお、第1シリンダ(42)と第2シリンダ(44)の基本的な構造は同じである。そこで、図3では、第1シリンダ(42)を代表して示している。
【0040】
各シリンダ室(51,52)には、それぞれ環状のピストン(53,54)が収容されている。各ピストン(53,54)の内部には、偏心部(クランク軸(33b,33c))がそれぞれ嵌挿されている。これにより、ピストン(53,54)の旋回中心は、駆動軸(33)の主軸部(33a)の軸心O1に対して偏心することになる。ピストン(53,54)の外周面には、それぞれブレード(55)が連結している。ブレード(55)は、ピストン(53,54)の外周面から径方向外方へ延びた縦長の直方体状に形成される。
【0041】
一方、各シリンダ(42,44)には、略円形状のブッシュ孔(56)が形成されている。ブッシュ孔(56)は、シリンダ室(51,52)に連通するように該シリンダ室(51,52)の外周面の内側に形成されている。各ブッシュ孔(56)には、それぞれ一対のブッシュ(57,57)が嵌合している。ブッシュ(57)は、軸直角断面が、略弓形状に形成される。ブッシュ(57)は、ブッシュ孔(56)の内周面に摺接する円弧部(57a)と、平坦な面を形成する平坦部(57b)とを有している。そして、ブッシュ孔(56)では、一対のブッシュ(57,57)の平坦部(57b,57b)同士が対向するように配置され、平坦部(57b,57b)の間にブレード溝(58)が形成される。上述したブレード(55)は、このブレード溝(58)に挿通される。これにより、ブレード(55)は、ブッシュ(57,57)によって径方向に摺動自在に保持され、且つブッシュ孔(56)では、ブッシュ(57,57)が、円弧部(57a)の円弧中心O2を支点に揺動自在となる。この結果、ピストン(53,54)は、シリンダ室(51,52)の内周面と摺接しながら、該内周面に沿って偏心回転運動を行う。
【0042】
各シリンダ室(51,52)は、ブレード(55)によって低圧室(L-P)と高圧室(H-P)とにそれぞれ区画されている。具体的に、シリンダ室(51,52)では、ブレード(55)の一方の側面(図3の右下側面)側に低圧室(L-P)が区画され、ブレード(55)の他方の側面(図3の左上側面)側に高圧室(H-P)が区画される。
【0043】
各シリンダ(42,44)には、上述した吸入管(21,22)がそれぞれ接続される吸入ポート(61,62)が形成される。各吸入ポート(61,62)は、一対のブッシュ(57)のうち低圧室(L-P)寄りのブッシュの近傍に形成される。各吸入ポート(61,62)は、一端がシリンダ室(51,52)に開口し、他端がシリンダ(42,44)の外部に開口するように径方向に延びている。第1吸入ポート(61)は、流入端が第1吸入管(21)に連通し、流出端が第1シリンダ室(51)の低圧室(L-p)に連通する。第2吸入ポート(62)は、流入端が第2吸入管(22)に連通し、流出端が第2シリンダ室(52)に連通する。
【0044】
第1シリンダ室(51)の高圧室(H-p)の上側には、上述した第1吐出ポート(63)が形成されている。即ち、第1吐出ポート(63)は、流入端が第1シリンダ室(51)の高圧室(H-p)と連通し、流出端が上記上側マフラーの内部に連通するように、フロントヘッド(41)を軸方向に貫通している。また、第2シリンダ室(52)の高圧室(H-P)の下側には、上述した第2吐出ポート(64)が形成されている。即ち、第2吐出ポート(64)は、流出端が第2シリンダ室(52)の高圧室(H-P)と連通し、流出端が上記下側マフラーの内部に連通するように、リアヘッド(45)を軸方向に貫通している。
【0045】
上部軸受部材(48)であるフロントヘッド(41)の下端面には、軸穴の周囲に、第1環状溝(71)が形成されている。この第1環状溝(71)を形成することにより、上部軸受部材(48)の下端の内周側に第1環状薄肉部(72)が形成されている。第1環状薄肉部(72)は、駆動軸(33)の傾きに追随する弾性軸受を構成している。
【0046】
下部軸受部材(49)であるリアヘッド(45)は、主としてラジアル荷重を受ける第1軸受部(80)と、主として上記圧縮機構(40)からのスラスト荷重を受ける第2軸受部(90)とを有している。
【0047】
上記第1軸受部(80)は、上記下部軸受部材(49)の軸穴(80a)の圧縮機構(40)側の端部(図2図4では上端部)に上記下部軸受部材(49)の本体部(81)よりも薄肉に形成された第2環状薄肉部(82)を有している。上記本体部(81)は、下部軸受部材(49)の第1軸受部(80)において第2環状薄肉部(82)を除いた肉厚の部分である。また、第1軸受部(80)には、軸穴(80a)の周囲に第2環状溝(83)が形成され、この環状溝(83)の内側が、第1環状薄肉部(72)と同様に弾性軸受を構成する第2環状薄肉部(82)になっている。
【0048】
上記第2軸受部(90)は、上記第2環状薄肉部(82)の上記圧縮機構(40)側の端面(84)に対して隙間を隔てるように上記下部軸受部材(49)に配置されたスラスト軸受部(91)を有している。このスラスト軸受部(91)は、上記下部軸受部材(49)に保持されたプレート部材(92)により構成され、上記駆動軸(33)のスラスト摺動面(33d)を支持する支持面(92a)を有している。
【0049】
上記第1軸受部(80)と第2軸受部(90)を有する下部軸受部材(49)は、上下方向に延びる上記駆動軸(33)の下部を上記圧縮機構(40)の下方で支持している。上記スラスト軸受部(91)の外周面の直径は、該スラスト軸受部(91)の上方に位置する上記第2偏心部(33c)の最大の径方向寸法(R)を半径とする円の直径よりも小さい。
【0050】
上記下部軸受部材(49)の上端部には、凹陥部(93)が形成されている。また、上記第1軸受部(80)は、この凹陥部(93)の下端よりも下方に形成されている。上記スラスト軸受部(91)は、その外周面が上記凹陥部(93)の内周面に嵌合するように形成されている。
【0051】
上記スラスト軸受部(91)であるプレート部材(92)は、その上面が、上記下部軸受部材(49)の上端面(49a)より下方に位置するように配置されている。上記駆動軸(33)は、上記下部軸受部材(49)の第1軸受部(80)の軸穴(80a)の直径よりも大径の部分を有する大径部(33e)を有している。この大径部(33e)は、上記第2偏心部(33c)のすぐ下側に形成され、その外径が、上記第2偏心部(33c)の外径よりも小径で上記第1軸受部(80)の軸穴(80a)の内径よりも大径である。そして、この大径部(33e)の下面により上記スラスト摺動面(33d)が構成されている。
【0052】
上記プレート部材(92)には、例えばDLC(ダイヤモンドライクカーボン)などの表面処理が施されている。このことにより、プレート部材(92)の耐焼き付き性などの軸受としての特性が高められている。
【0053】
−運転動作−
本実施形態に係る圧縮機(10)の運転動作について図1図3を参照しながら説明する。ケーシング(11)の外部の電源をONにすると、外部電力がターミナル(25)に供給される。その結果、ターミナル(25)からリード線を経由して、電動機(30)へ電流が供給され、電動機(30)が運転される。
【0054】
電動機(30)が運転状態になると、ステータ(31)の内部でロータ(32)が回転する。これにより、駆動軸(33)が回転駆動され、各ピストン(53,54)が各シリンダ室(51,52)の内部で偏心回転運動を行う。この結果、第1シリンダ室(51)と第2シリンダ室(52)との双方において、冷媒がそれぞれ圧縮される。
【0055】
具体的に、各シリンダ室(51,52)では、図3に示すピストン(53)の回転に伴い低圧室(L-P)の容積が徐々に大きくなる。これにより、吸入管(21,22)及び吸入ポート(61,62)から低圧室(L-P)へ低圧低温の冷媒が吸入される。ピストン(53)が更に回転し、低圧室(L-P)が吸入ポート(61,62)と遮断されると、この低圧室(L-P)が高圧室(H-P)となる。そして、ピストン(53)が更に回転すると、高圧室(H-P)の容積が徐々に小さくなる。これにより、高圧室(H-P)で冷媒が圧縮される。この高圧室(H-P)が吐出ポート(63,64)と連通し且つ高圧室(H-P)の圧力が所定値を越えると、吐出ポート(63,64)の吐出弁が押し上げられ、吐出ポート(63,64)が開放される。
【0056】
第1吐出ポート(63)から上方に吐出された冷媒は、上側マフラー部材の内部へ流出し、一次空間(S1)へ送られる。第2吐出ポート(64)から下方へ吐出された冷媒は、下側マフラー部材の内部へ流出する。この冷媒は、下側マフラー部材の内部から、図示しない連通路を通って上側マフラー部材の内部へ流出する。
【0057】
上側マフラー部材の内部で合流した冷媒は、一次空間(S1)へ流出し、電動機(30)のステータ(31)のスロットやコアカット内の隙間を通じて上方へ流れ、電動機(30)の上側の二次空間(S2)へ流出する。その際に、冷媒中に含まれる油が分離される。油が分離された冷媒は、吐出管(20)に流入し、吐出管(20)の外部へ送られる。
【0058】
本実施形態では、圧縮機構(40)の動作時の駆動軸(33)の回転中に、第1軸受部(80)が主としてラジアル荷重を受け、第2軸受部(90)が主としてスラスト荷重を受ける。第1軸受部(80)には第2環状薄肉部(82)が形成されているので、圧縮機(10)の運転中の圧縮ガスの荷重等により駆動軸(33)が撓むと、第2環状薄肉部(82)が弾性変形することにより、第2環状薄肉部(82)が駆動軸(33)の傾きに追随する。また、第2軸受部(90)は、スラスト軸受部(91)のプレート部材(92)により、駆動軸(33)のスラスト摺動面(33d)を支持する。本実施形態では、第2軸受部(90)のスラスト軸受部(91)が第2環状薄肉部(82)の端面(84)に隙間を隔てて配置されているので、スラスト軸受部(91)が環状薄肉部(82)に接触せず、したがって、環状薄肉部(82)の変形が阻止されるのを抑えられる。
【0059】
−実施形態の効果−
本実施形態によれば、第1軸受部(80)と第2軸受部(90)が設けられるピストン偏心回転式の圧縮機機構の下部軸受部材(49)において、第1軸受部(80)に第2環状薄肉部(82)が形成されているので、圧縮機(10)の運転中の圧縮ガスの荷重等により駆動軸(33)が撓むと、第1軸受部(80)の第2環状薄肉部(82)が弾性変形することにより駆動軸(33)の傾きに追随し、第2軸受部(90)はスラスト軸受部(91)により駆動軸(33)のスラスト摺動面(33d)を支持する。そして、本実施形態では、第2軸受部(90)のスラスト軸受部(91)が第2環状薄肉部(82)の端面(84)に対して隙間を隔てて配置されているから、スラスト軸受部(91)が環状薄肉部(82)に接触しない。したがって、環状薄肉部(82)がスラスト軸受部(91)により弾性変形できなくなるのが抑制されるとともに、スラスト摺動面(33d)が第2環状薄肉部(82)の端面(84)と対峙しているので、スラスト摺動面(33d)の直径を大きくしなくてもよい。その結果、摩擦損失の増大による圧縮機の効率低下も抑えられる。
【0060】
また、本実施形態によれば、上記下部軸受部材(49)に保持された、第2環状薄肉部(82)とは別部材のプレート部材(92)により、駆動軸(33)のスラスト摺動面(33d)が支持される。この構成では、プレート部材(92)は軸受部材(49)とは別部材となり、このプレート部材(92)に摩擦係数の小さい表面処理(例えばDLC(ダイヤモンドライクカーボン)処理)を施すことで、スラスト軸受部(91)の摩擦損失を低減できる。また、プレート部材(92)は下部軸受部材(49)とは別の部材であって下部軸受部材(49)よりも小さいため、表面処理を施しても大幅なコストアップにはならない。
【0061】
また、本実施形態によれば、下部軸受部材(49)に、スラスト軸受部(91)が嵌合する凹陥部(93)と、その下方に位置し且つ環状薄肉部(82)を有する第1軸受部(80)を設けることにより、環状薄肉部(82)とスラスト軸受部(91)の摺動による摩擦損失を抑える構造を容易に実現できる効果もある。
【0062】
また、本実施形態によれば、上記駆動軸(33)に形成された大径部(33e)の下面のスラスト摺動面(33d)が、軸受部材(49)の凹陥部(93)に設けられているスラスト軸受部(91)の上面(92a)と摺動し、凹陥部(93)の中でスラスト荷重が支持される。したがって、環状薄肉部(82)とスラスト軸受部(91)の摺動による摩擦損失を抑えられる構造を容易に実現できるうえに、軸受部材(49)の上下方向の寸法が大きくなるのも抑制できる。
【0063】
《その他の実施形態》
上記実施形態については、以下のような構成としてもよい。
【0064】
例えば、上記実施形態では、揺動ピストン式圧縮機(10)の下部軸受部材(49)として構成したリアヘッド(45)に本発明を適用しているが、本発明は、例えばスクロール圧縮機の上部軸受に適用してもよく、適用する圧縮機は、回転式圧縮機であれば、その具体的な形式は限定しないでよい。また、上記実施形態では、ケーシング(11)が縦向きに配置された縦型の圧縮機に本発明を適用しているが、本発明は、横型の圧縮機に適用してもよい。
【0065】
また、上記実施形態では、スラスト軸受部(91)を下部軸受部材(49)に保持した別体のプレート部材(92)で構成しているが、スラスト部材(91)は、プレート以外の形状の部材で構成してもよいし、必ずしも下部軸受部材と別体の部材にしなくてもよい。
【0066】
なお、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0067】
以上説明したように、本発明は、圧縮機において、圧縮機構と電動機に接続された駆動軸を支持してラジアル荷重とスラスト荷重を受ける軸受部材の構造について有用である。
【符号の説明】
【0068】
10 圧縮機
30 電動機
33 駆動軸
33c 第2偏心部(偏心部)
33d スラスト摺動面
33e 大径部
40 圧縮機構
44 第2シリンダ(シリンダ)
49 下部軸受部材(軸受部材)
49a 上端面
52 第2シリンダ室(シリンダ室)
54 第2ピストン(ピストン)
80 第1軸受部
80a 軸穴
81 本体部
82 第2環状薄肉部
84 端面
90 第2軸受部
91 スラスト軸受部
92 プレート部材
92a 上面
93 凹陥部
図1
図2
図3
図4