特開2018-204679(P2018-204679A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-204679(P2018-204679A)
(43)【公開日】2018年12月27日
(54)【発明の名称】変速制御装置
(51)【国際特許分類】
   F16H 61/02 20060101AFI20181130BHJP
【FI】
   F16H61/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2017-109990(P2017-109990)
(22)【出願日】2017年6月2日
(71)【出願人】
【識別番号】000006208
【氏名又は名称】三菱重工業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000006286
【氏名又は名称】三菱自動車工業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000176811
【氏名又は名称】三菱自動車エンジニアリング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】井川 芳克
(72)【発明者】
【氏名】高柳 恒
(72)【発明者】
【氏名】村田 直史
(72)【発明者】
【氏名】山本 圭介
(72)【発明者】
【氏名】▲徳▼山 享大
(72)【発明者】
【氏名】高木 一茂
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 貴規
(72)【発明者】
【氏名】竹尾 翼
(72)【発明者】
【氏名】小島 昇
【テーマコード(参考)】
3J552
【Fターム(参考)】
3J552MA01
3J552MA11
3J552NA01
3J552NB01
3J552PA56
3J552RB11
3J552SB02
3J552SB09
3J552SB10
3J552VB01W
3J552VC01W
3J552VC01Z
3J552VC02W
3J552VC02Z
(57)【要約】
【課題】簡易な構成を有する変速制御装置を提供する。
【解決手段】エンジンと、該エンジンの回転速度を変速可能な変速機構と、車両を目標車速で定速走行させるクルーズコントロールシステムと、を備えた車両の変速機構の動作を制御する変速制御装置であって、目標車速での走行に必要なエンジンの出力である目標出力を算出する目標出力算出部と、エンジンの回転数と最大出力との関係に基づいて得られるシフトダウン閾値及びシフトアップ閾値と、目標出力と、エンジン回転数と、に基づいて変速要否の判定を行う判定部と、判定部で判定した結果を変速機構に出力する出力部と、を有する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジンと、該エンジンの回転速度を変速可能な変速機構と、車両を目標車速で定速走行させるクルーズコントロールシステムと、を備えた車両の前記変速機構の動作を制御する変速制御装置であって、
前記目標車速での走行に必要なエンジンの出力である目標出力を算出する目標出力算出部と、
前記エンジンの回転数と最大出力との関係に基づいて得られるシフトダウン閾値及びシフトアップ閾値と、前記目標出力と、エンジン回転数と、に基づいて変速要否の判定を行う判定部と、
前記判定部で判定した結果を前記変速機構に出力する出力部と、
を有する変速制御装置。
【請求項2】
前記判定部は、
前記目標出力が前記シフトダウン閾値より大きい場合、シフトダウンを行うと判定し、
前記目標出力が前記シフトアップ閾値より小さい場合、シフトアップを行うと判定する請求項1に記載の変速制御装置。
【請求項3】
前記判定部は、
シフトダウンした場合の前記目標出力が前記シフトダウン閾値以上の場合、シフトダウンを行うと判定し、
シフトアップした場合の前記目標出力が前記シフトアップ閾値以下の場合、シフトアップを行うと判定する請求項1に記載の変速制御装置。
【請求項4】
前記目標出力におけるエンジン回転数である推定エンジン回転数を前記エンジン回転数として算出する回転数推定部を有し、
前記判定部は、前記シフトダウン閾値、及び前記シフトアップ閾値と、前記推定エンジン回転数とに基づいて変速要否の判定を行う請求項1から3のいずれか一項に記載の変速制御装置。
【請求項5】
前記回転数推定部は、以下の(1)式により、前記推定エンジン回転数を算出する請求項4に記載の変速制御装置。
(推定エンジン回転数)=車速/(車両のタイヤ半径×2π)×変速比×デフギヤ比 …(1)
なお、(1)式において、車速は前記車両の目標車速、又は実車速である。
【請求項6】
前記判定部は、
エンジン回転数の実測値が、予め定められた前記エンジンの最小回転数よりも小さい場合、シフトダウンを行うと判定し、
前記エンジン回転数の実測値が、予め定められた前記エンジンの最大回転数よりも大きい場合、シフトアップすると判定する請求項1から5のいずれか一項に記載の変速制御装置。
【請求項7】
前記判定部は、
前記推定エンジン回転数が、予め定められた前記エンジンの最小回転数よりも小さい場合、シフトダウンを行うと判定し、
前記推定エンジン回転数が、予め定められた前記エンジンの最大回転数よりも大きい場合、シフトアップを行うと判定する請求項4又は5に記載の変速制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、変速制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
四輪自動車等では、クルーズコントロール機能を備えるものが普及している。クルーズコントロール機能とは、エンジン等の駆動源や変速機構を制御することで、ドライバーが指定した車速で車両を定速走行させるものである。クルーズコントロール機能によれば、例えば登坂路を走行する際であっても、車速が減ずることなく、車両を走行させることができる。同様に、下り坂を走行する際であっても、車速が増すことなく、車両を走行させることができる。
【0003】
クルーズコントロール装置は、一般に、エンジンの出力を制御するエンジン制御装置とエンジンの出力軸に接続された変速機構の動作を制御する変速制御装置とで、エンジンと変速機構とを制御することで、上記のような機能を実現している。特許文献1には、目標変速比算出手段と、目標駆動力算出手段と、変速機構出力軸トルク算出手段と、最大駆動源トルク算出手段と、クルーズコントロール時目標変速比算出手段と、を有する変速制御装置が記載されている。この装置では、目標変速比は、変速機構出力軸のトルクを、エンジンの最大トルクで除算することによって求められる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第5854153号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載された装置では、目標変速比を求めるに当たり、目標変速比の上昇変化と下降変化に対してヒス幅を持たせるヒステリシス処理を含む必要がある。シフトハンチングを回避するためにはギヤ段毎に緻密にヒス幅を設定する必要があり、車両適合が煩雑になるという問題があった。
【0006】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであって、簡易な構成を有する変速制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、エンジンと、該エンジンの回転速度を変速可能な変速機構と、車両を目標車速で定速走行させるクルーズコントロールシステムと、を備えた車両の前記変速機構の動作を制御する変速制御装置であって、前記目標車速での走行に必要なエンジンの出力である目標出力を算出する目標出力算出部と、前記エンジンの回転数と最大出力との関係に基づいて得られるシフトダウン閾値及びシフトアップ閾値と、前記目標出力と、エンジン回転数と、に基づいて変速要否の判定を行う判定部と、前記判定部で判定した結果を前記変速機構に出力する出力部と、を有する。
【0008】
この構成によれば、目標出力算出部によって算出された目標出力と、エンジンの回転数と最大出力との関係に基づいて得られるシフトダウン閾値、及びシフトアップ閾値との関係のみに基づいて、容易に変速要否の判定を行うことができる。
【0009】
また、本発明の変速制御装置では、前記判定部は、前記目標出力が前記シフトダウン閾値より大きい場合、シフトダウンを行うと判定し、前記目標出力が前記シフトアップ閾値より小さい場合、シフトアップを行うと判定してもよい。
【0010】
この構成によれば、容易な構成で変速要否の判定を行うことができる。
【0011】
前記判定部は、シフトダウンした場合の前記目標出力が前記シフトダウン閾値以上の場合、シフトダウンを行うと判定し、シフトアップした場合の前記目標出力が前記シフトアップ閾値以下の場合、シフトアップを行うと判定することが好ましい。
【0012】
これにより、変速機構の減速比を変更した後に調整可能な出力をより大きくすることができる。
【0013】
また、本発明の変速制御装置では、前記目標出力におけるエンジン回転数である推定エンジン回転数を前記エンジン回転数として算出する回転数推定部を有し、前記判定部は、前記シフトダウン閾値、及び前記シフトアップ閾値と、前記推定エンジン回転数とに基づいて変速要否の判定を行ってもよい。
【0014】
この構成によれば、推定エンジン回転数に基づいて変速要否の判定を行うことから、目標出力に基づいて変速要否の判定を行う場合に比べて、シフトダウンとシフトアップの閾値の幅を広く確保することができる。つまり、ヒステリシスを適正に保ち、シフトハンチングの発生を抑制することができる。
【0015】
また、本発明の変速制御装置では、前記回転数推定部は、以下の(1)式により、前記推定エンジン回転数を算出してもよい。
(推定エンジン回転数)=車速/(車両のタイヤ半径×2π)×変速比×デフギヤ比 …(1)
なお、(1)式において、車速は前記車両の目標車速、又は実車速である。
【0016】
この構成によれば、容易に推定エンジン回転数を得ることができる。
【0017】
また、本発明の変速制御装置では、前記判定部は、エンジン回転数の実測値または推定エンジン回転数が、予め定められた前記エンジンの最大回転数よりも大きい場合、シフトアップすると判定してもよい。最大回転数は、例えば、騒音計測などから設定する。
【0018】
この構成によれば、エンジン回転数に上限値が設けられることにより、過度な回転数上昇が抑えられる。これにより、運転時にドライバーに与えるフィーリングを向上させることができる。
【0019】
また、本発明の変速制御装置では、前記判定部は、エンジン回転数の実測値または前記推定エンジン回転数が、予め定められた前記エンジンの最小回転数よりも小さい場合、シフトダウンを行うと判定してもよい。最小回転数は、例えば、エンジンのアイドル回転数と設定する。
【0020】
この構成によれば、エンジン回転数に下限値が設けられることにより、過度な回転数低下が抑えられる。これにより、運転時にドライバーに与えるフィーリングを向上させることができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、簡易な構成を有する変速制御装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1図1は、本発明の第一実施形態に係る変速制御装置を有する車両の概略構成を示すブロック図である。
図2図2は、本発明の第一実施形態に係る変速制御装置の構成を示すブロック図である。
図3図3は、本発明の第一実施形態に係る変速制御装置の動作の一例を示す説明図である。
図4図4は、本発明の第一実施形態に係る変速制御装置の動作の他の一例を示す説明図である。
図5図5は、本発明の第二実施形態に係る変速制御装置の構成を示すブロック図である。
図6図6は、本発明の第二実施形態に係る変速制御装置の動作の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
[第一実施形態]
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明するが、本発明は以下実施形態の構成に限定されない。以下で説明する一部の構成要素を用いない構成を採ることも可能である。
【0024】
図1は、本発明の第一実施形態に係る変速制御装置を有する車両の概略構成を示すブロック図である。図2は、本発明の第一実施形態に係る変速制御装置1の構成を示す。車両100は、車体102と、エンジン104と、変速機構106と、伝達機構108と、車速センサ110と、操作部112と、エンジン制御装置114と、変速制御装置1と、を有する。車両100は、車速センサ110と、操作部112と、エンジン制御装置114と、変速制御装置1と、の機能を組み合わせることで、クルーズコントロールシステム120を実現できる。
【0025】
車体102は、エンジン104と、変速機構106と、伝達機構108と、車速センサ110と、操作部112と、エンジン制御装置114と、変速制御装置1と、の各部が内蔵されている。また、車体102は、運転者が乗車する運転席は、同乗者が乗車する席、荷物を積載する積載領域等も備えている。エンジン104は、燃料を燃焼して回転軸を回転させる駆動機構である。なお、本実施形態では、駆動源としてエンジンを用いたが、電力で駆動するモータを用いてもよく、エンジンとモータの両方を備えていてもよい。
【0026】
変速機構106は、エンジン104の回転軸と連結され、回転軸の回転を減速し、伝達機構108に伝達する。変速機構106は、減速比を多段に変化させることができる多段変速機構である。本実施形態の変速機構106は、5段に変速、つまり、1速から5速に変速できる機構である。なお、本実施形態では、変速機構106を5段変速の場合として説明するが、変速する段数は特に限定されず、4段以下でも、6段以上でもよい。伝達機構108は、変速機構106を介して伝達されるエンジン104の回転をタイヤに伝達し、タイヤを回転させる機構である。
【0027】
車速センサ110は、車体102の走行速度を検出する。車速センサ110は、タイヤの回転数を検出して走行速度を検出しても、車体102の移動速度を検出して走行速度を検出してもよい。操作部112は、運転者が操作を入力する機器である。操作部112は、アクセルペダル、ブレーキペダル、ハンドル、自動運転の操作をON/OFFするスイッチ、目標車速を入力する入力デバイス等を含む。エンジン制御部114は、車速センサ110及び操作部112等の入力に基づいて、エンジン104への燃料投入量や、弁の開閉タイミングを制御し、回転数、出力等を制御する。変速制御装置1は、車速センサ110及び操作部112の入力に基づいて、変速機構106の減速比(変速比、ギヤ段)を制御する。
【0028】
次に、図1図2を用いて、変速制御装置1について説明する。変速制御装置1は、図2に示すように、目標出力算出部2と、判定部3と、出力部(判定結果出力部)4と、を備えている。なお、以下では、変速制御装置1のクルーズコントロール時(車速を自動で制御している状態)の際の制御について説明するが、変速制御装置1は、クルーズコントロール時以外の変速機構106の動作も制御する。
【0029】
目標出力算出部2は、実車速と目標車速とに基づいて、目標の出力を算出する。目標出力算出部2は、目標車速生成部10と、目標駆動力演算部12と、積算部14と、を有する。目標車速生成部10は、操作部112と、車速センサ110から情報が入力される。具体的には、目標車速生成部10は、操作部112から操作情報として、ドライバーの操作によってクルーズコントロールがON状態とされたときに、指示された車速を取得する。目標車速生成部10は、指示された車速に基づいて、目標車速の値を生成する。
【0030】
目標駆動力演算部12は、車速センサ110から実車速の情報が入力され、目標車速生成部10から目標車速の情報が入力される。目標駆動力演算部12は、実車速と、目標車速とに基づいて、目標駆動力を演算する。目標駆動力は、実車速を目標車速とするために必要と算出された駆動力である。
【0031】
積算部14は、目標車速と、目標駆動力とを積算することによって、目標出力を算出する。
【0032】
判定部3は、目標出力算出部2から目標出力を取得し、エンジン制御装置114からエンジン回転数を取得する。判定部3は、目標出力算出部2で算出した目標出力と、現時点のエンジン回転数とで算出される運転状態と、予め定められたシフトアップ閾値、及びシフトダウン閾値とを比較することで、変速の要否を判定する。ここで、図3に示すように、シフトアップ閾値とは、エンジン回転数ごとに定められたエンジン出力の下限値を示している。反対に、シフトダウン閾値とは、エンジン回転数ごとに定められたエンジン出力の上限値を示している。シフトアップ閾値、及びシフトダウン閾値は、採用されるエンジンの型式や種別によって予め設定されている。例えば、シフトダウン閾値は、エンジンの最大トルク(Nm)とエンジン回転数(rad/sec)の積算によって求められる。より具体的には、シフトダウン閾値、及びシフトアップ閾値は、エンジン出力に対して単調増加する線形変化を示す。
【0033】
次に、本実施形態に係る変速制御装置の動作の一例について説明する。図3に示すように、変速制御装置1の判定部3は、目標出力と回転数との関係がシフトダウン閾値とシフトアップ閾値との間の領域に収まるようにして変速要否を判定する。より具体的には、例えば、図3の矢印で示すように、加速操作時や登坂時等に目標出力が増加した場合、目標出力と回転数との関係がシフトダウン閾値よりも大きくなることがある。この場合、判定部3は、目標出力を得られる他のギヤ段に変速する判定を行う。つまり、この場合、判定部3は、シフトダウンを行う判定を行う。判定部3によって得られた判定結果は、出力部4に送信される。
【0034】
反対に、図4に示すように、減速操作時や降坂時等に目標出力が減少した場合、目標出力と回転数との関係がシフトアップ閾値よりも小さくなることがある。この場合、判定部3は、目標出力を得られる他のギヤ段に変速する判定を行う。つまり、この場合、判定部3は、シフトアップを行う判定を行う。判定部3によって得られた判定結果は、出力部4に送信される。
【0035】
出力部4は、判定部3で判定した結果を変速機構106に出力する。具体的には、出力部4は、ギヤ段を減少する(シフトダウン)、またはギヤ段を増加する(シフトアップ)の指示を出力する。また、出力部4は、現状のギヤ段を維持する情報を出力してもよい。
【0036】
以上、説明したように、本実施形態に係る変速制御装置1によれば、目標出力算出部2によって算出された目標出力と、エンジンの回転数と最大出力との関係に基づいて得られるシフトダウン閾値、及びシフトアップ閾値との関係のみに基づいて、容易に変速要否の判定を行うことができる。また、複数の車種に対して変速制御装置を共用する場合であっても、複雑なシフトマップ調整等を行う必要なく、これを実現することができる。
【0037】
なお、上記の構成では、判定部3は、エンジン回転数の実測値が、予め定められたエンジンの最小回転数よりも小さい場合、シフトダウンを行うと判定し、エンジン回転数の実測値が、予め定められたエンジンの最大回転数よりも大きい場合、シフトアップすると判定してもよい。
【0038】
この構成によれば、エンジン回転数に上下限値が設けられることにより、過度な回転数上昇および低下が抑えられる。これにより、運転時にドライバーに与えるフィーリングを向上させることができる。
【0039】
また、上記実施形態の目標出力算出部2は、車速を算出して、目標出力を算出したが、車速に加え、加速度を算出してもよい。この場合、目標車速生成部10は、車速センサ110から実車速を取得し、目標車速と実車速とに基づいて、目標加速度を取得する。目標駆動力演算部12は、目標加速度と目標車速と実車速に基づいて、目標の駆動力を算出する。
【0040】
[第二実施形態]
次に、本発明の第二実施形態について、図5を参照して説明する。なお、上記第一実施形態と同様の構成については同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。本実施形態では、目標出力算出部2は、回転数推定部16を有している。回転数推定部16は、目標出力算出部2によって算出された目標出力におけるエンジン回転数である推定エンジン回転数を算出する。すなわち、推定エンジン回転数は、目標出力に対応したエンジンの回転数である。
【0041】
より具体的には、回転数推定部16は、以下の(1)式により、前記推定エンジン回転数を算出する。
推定エンジン回転数=車速/(車両のタイヤ半径×2π)×変速比×デフギヤ比 …(1)
なお、(1)式において、車速は車両の目標車速、又は実車速である。また、変速比は、変速機構の各ギヤ位置に応じて決まる定数である。
【0042】
判定部3は、シフトダウン閾値、及びシフトアップ閾値と、推定エンジン回転数とに基づいて変速要否の判定を行う。すなわち、例えば図6に示すように、目標出力における推定エンジン回転数がシフトアップ閾値よりも小さい場合に、変速が必要と判定し、シフトアップを行うと判定する。判定部3によって得られた判定結果は、出力部4に送られる。
【0043】
この構成によれば、判定部3は、推定エンジン回転数に基づいて変速要否の判定を行うことから、エンジン制御装置等からエンジンの回転数の情報を取得せずに、制御を実行することができる。
【0044】
また、図6に示すように、シフトアップ、シフトダウンした後に、閾値の条件となるようにギヤ段を制御することで、閾値の条件となった場合にシフトアップ、シフトダウンする場合に比べて、シフトダウンとシフトアップの閾値の幅を広く確保することができる。つまり、ヒステリシスを適正に保ち、シフトハンチングの発生を抑制することができる。また、変速後のエンジン回転数に出力を上昇させる範囲を大きくすることができ、必要な加速、減速を好適に行うことができる。なお、図6の運転は、エンジン回転数を検出する場合に実行することができる。また、推定エンジン回転数を用いる場合も、図3及び図4の制御を実行してもよい。
【0045】
なお、上記の変速制御装置1では、判定部3は、エンジン回転数の実測値または推定エンジン回転数が、予め定められたエンジンの最大回転数よりも大きい場合、シフトアップすると判定してもよい。最大回転数は、例えば、騒音計測などに基づいて設定される回転数である。
【0046】
この構成によれば、エンジン回転数に上限値が設けられることにより、過度な回転数上昇が抑えられる。これにより、運転時にドライバーに与えるフィーリングを向上させることができる。
【0047】
さらに、上記の変速制御装置1では、判定部3は、エンジン回転数の実測値または推定エンジン回転数が、予め定められたエンジンの最小回転数よりも小さい場合、シフトダウンを行うと判定してもよい。最小回転数は、例えば、エンジンのアイドル回転数である。
【0048】
この構成によれば、エンジン回転数に下限値が設けられることにより、過度な回転数低下が抑えられる。これにより、運転時にドライバーに与えるフィーリングを向上させることができる。
【符号の説明】
【0049】
1 変速制御装置
2 目標出力算出部
3 判定部
4 出力部
10 目標車速生成部
12 目標駆動力演算部
14 積算部
16 回転数推定部
図1
図2
図3
図4
図5
図6