特開2018-204809(P2018-204809A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-204809(P2018-204809A)
(43)【公開日】2018年12月27日
(54)【発明の名称】空調制御装置および方法
(51)【国際特許分類】
   F24F 11/46 20180101AFI20181130BHJP
   F24F 11/62 20180101ALI20181130BHJP
   F24F 11/85 20180101ALI20181130BHJP
   F24F 11/70 20180101ALI20181130BHJP
【FI】
   F24F11/02 H
   F24F11/02 102L
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2017-107462(P2017-107462)
(22)【出願日】2017年5月31日
(71)【出願人】
【識別番号】000006666
【氏名又は名称】アズビル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(74)【代理人】
【識別番号】100064621
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 政樹
(72)【発明者】
【氏名】名古田 知志
【テーマコード(参考)】
3L260
【Fターム(参考)】
3L260AB06
3L260BA41
3L260CB04
3L260CB37
3L260CB40
3L260CB42
3L260CB78
3L260CB86
3L260FA16
3L260FB32
(57)【要約】
【課題】外気の条件などにかかわらず、より正確に空調制御ができるようにする。
【解決手段】製造熱量算出部101が、熱源機A111a、熱源機B111b、熱源機C111cが製造している熱量を各々求め、負荷算出部102が、製造熱量算出部101が熱量を求めた時点の熱源機A111a、熱源機B111b、熱源機C111cの負荷率を各々算出し、最大能力算出部103が、求められた熱量を負荷率で除した値を、熱源機A111a、熱源機B111b、熱源機C111cの最大能力として算出する。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱源機が製造している熱量を求めるように構成された製造熱量算出部と、
前記製造熱量算出部が前記熱量を求めた時点の前記熱源機の負荷率を算出するように構成された負荷算出部と、
前記熱量を前記負荷率で除した値を前記熱源機の最大能力として算出するように構成された最大能力算出部と、
前記最大能力に基づいて前記熱源機の運転台数を決定するように構成された運転台数決定部と
を備えることを特徴とする空調制御装置。
【請求項2】
請求項1記載の空調制御装置において、
前記負荷算出部は、前記熱源機の圧縮機を駆動するモータの運転周波数に基づいて前記負荷率を算出することを特徴とする空調制御装置。
【請求項3】
請求項1記載の空調制御装置において、
前記負荷算出部は、前記熱源機の圧縮機を駆動するモータの消費電力に基づいて前記負荷率を算出することを特徴とする空調制御装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の空調制御装置において、
前記製造熱量算出部は、前記熱源機の冷温水の入口温度と、前記熱源機の冷温水の出口温度との差に、前記冷温水の流量を乗じた値を前記熱量として算出することを特徴とする空調制御装置。
【請求項5】
熱源機が製造している熱量を求める第1ステップと、
前記熱量を求めた時点の前記熱源機の負荷率を算出する第2ステップと、
前記熱量を前記負荷率で除した値を前記熱源機の最大能力として算出する第3ステップと、
前記最大能力に基づいて前記熱源機の運転台数を決定する第4ステップと
を備えることを特徴とする空調制御方法。
【請求項6】
請求項5記載の空調制御方法において、
前記第2ステップでは、前記熱源機の圧縮機を駆動するモータの運転周波数に基づいて前記負荷率を算出することを特徴とする空調制御方法。
【請求項7】
請求項5記載の空調制御方法において、
前記第2ステップでは、前記熱源機の圧縮機を駆動するモータの消費電力に基づいて前記負荷率を算出することを特徴とする空調制御方法。
【請求項8】
請求項5〜7のいずれか1項に記載の空調制御方法において、
前記第1ステップでは、前記熱源機の冷温水の入口温度と、前記熱源機の冷温水の出口温度との差に、前記冷温水の流量を乗じた値を前記熱量として算出することを特徴とする空調制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空調制御装置および方法に関し、特に、熱源機の台数を制御して空調を制御する空調制御装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
空調制御などに利用される熱源装置では、熱源機の設計能力(最大能力)や設計流量(最大能力発揮時におけるポンプ熱媒流量の設計値)、熱媒ポンプの搬送容量(定格流量)などが、必要とされる最大熱負荷量を考慮して定められる。
【0003】
一般的には、熱源機の能力は、熱源機の冷温水の出口温度により大きく変動する。また、熱源機の中でも、空冷式熱源機では外気温度によっても能力が変動し、水冷式熱源機では冷却水温度によっても能力が変動する。例えば、第1の熱源機の発揮能力を最大能力の60%とした場合、40%の冷却能力の余裕がまだあるにも拘わらず、第2の熱源機への増段が図られてしまうことがある。余力を残したままで熱源機の増段を図ることは、冷却水ポンプ、冷却塔ファンを含めて、熱源機や熱媒ポンプを早めに起動することになり、エネルギーの過剰消費となる。(特許文献1参照)また、第2の熱源機は、第1の熱源機よりも低い効率とされていることが多く、これもエネルギー過剰消費の要因の1つとなる。
【0004】
熱源機の能力設定の方法としては、例えば、定格能力を設定値として通年固定で使用する技術や、外気温度あるいは冷却水温度および熱源機の冷温水の出口温度別の能力表から、各熱源機の能力を決定する技術などがある。能力表から能力を決定する方法によれば、比較的細やかな運転制御が可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004-184052号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、定格能力を設定値として通年固定で使用する技術では、外気の条件などにより熱源機の最大能力が変動するため、定格能力の値との間に乖離が生じ、正確な能力設定が行えない。このため、中間期などの外気条件が厳しくない時期・時間帯では、熱源機の能力に余裕があっても、熱源機の台数が増段される場合が発生する。このような技術によると、本来不要な熱源機の増段が行われてしまい、省エネルギーの観点で問題があった。また、能力表を用いる技術においても、能力表の精度や熱源機の経年変化などの問題により、正確に熱源機の能力を把握できないという問題がある。
【0007】
本発明は、以上のような問題点を解消するためになされたものであり、外気の条件などにかかわらず、熱源機の最大能力を発揮させることが可能な熱源機の台数制御方法を提供することを目的の1つとする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る空調制御装置は、熱源機が製造している熱量を求めるように構成された製造熱量算出部と、製造熱量算出部が熱量を求めた時点の熱源機の負荷率を算出するように構成された負荷算出部と、熱量を負荷率で除した値を熱源機の最大能力として算出するように構成された最大能力算出部と、最大能力に基づいて熱源機の運転台数を決定するように構成された運転台数決定部とを備える。
【0009】
上記空調制御装置において、負荷算出部は、熱源機の圧縮機を駆動するモータの運転周波数に基づいて負荷率を算出すればよい。なお、負荷算出部は、熱源機の圧縮機を駆動するモータの消費電力に基づいて負荷率を算出してもよい。
【0010】
上記空調制御装置において、製造熱量算出部は、熱源機の冷温水の入口温度と、熱源機の冷温水の出口温度との差に、冷温水の流量を乗じた値を熱量として算出すればよい。
【0011】
本発明に係る空調制御方法は、熱源機が製造している熱量を求める第1ステップと、熱量を求めた時点の熱源機の負荷率を算出する第2ステップと、熱量を負荷率で除した値を熱源機の最大能力として算出する第3ステップと、最大能力に基づいて熱源機の運転台数を決定する第4ステップとを備える。
【0012】
上記空調制御方法において、第2ステップでは、熱源機の圧縮機を駆動するモータの運転周波数に基づいて負荷率を算出すればよい。なお、熱源機の圧縮機を駆動するモータの消費電力に基づいて負荷率を算出してもよい。
【0013】
上記空調制御方法において、第1ステップでは、熱源機の冷温水の入口温度と、熱源機の冷温水の出口温度との差に、冷温水の流量を乗じた値を熱量として算出すればよい。
【発明の効果】
【0014】
以上説明したことにより、本発明によれば、外気の条件などにかかわらず、熱源機の最大能力を発揮させて最小台数の運転を長くすることができるという優れた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は、本発明の実施の形態における空調制御装置の構成を示す構成図である。
図2図2は、本発明の実施の形態における空調制御方法を説明するフローチャートである。
図3図3は、本発明における空調制御装置のハードウエア構成を示す構成図である。
図4図4は、本発明の実施の形態における空調制御装置の他の構成を示す構成図である。
図5図5は、本発明の実施の形態における空調制御装置の他の構成を示す構成図である。
図6図6は、熱源機における消費電力と負荷率との関係を示す特性図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態における空調制御装置について図1を参照して説明する。この空調制御装置は、製造熱量算出部101、負荷算出部102、最大能力算出部103、運転台数決定部104を備える。この空調制御装置は、よく知られているように、複数の熱源機A111a、熱源機B111b、熱源機C111cの動作台数を増減することで、外部負荷113に供給する冷温水を制御している。熱源機A111a、熱源機B111b、熱源機C111cより生成される冷温水は、往ヘッダ112を介して外部負荷113に供給される。また、外部負荷113で空調に用いられた冷温水は、還ヘッダ114を介して、熱源機A111a、熱源機B111b、熱源機C111cに戻る。
【0017】
製造熱量算出部101は、熱源機A111a、熱源機B111b、熱源機C111cが製造している熱量を各々求める。例えば、製造熱量算出部101は、熱源機A111a、熱源機B111b、熱源機C111cの冷温水の入口温度と、熱源機A111a、熱源機B111b、熱源機C111cの冷温水の出口温度との差に、冷温水の流量を乗じた値を熱量Q0として算出する。
【0018】
熱源機A111aの冷温水の入口温度は、温度計115aに測定される。また、熱源機B111bの冷温水の入口温度は、温度計115bに測定される。熱源機C111cの冷温水の入口温度は、温度計115cに測定される。
【0019】
熱源機A111aより出て行く(生成される)冷温水の温度は、温度計116aに測定される。また、熱源機B111bの冷温水の出口温度は、温度計116bに測定される。また、熱源機C111cの冷温水の出口温度は、温度計116cに測定される。
【0020】
熱源機A111aにおける冷温水の流量は、冷温水が出て行く箇所に設けられた流量計117aにより測定される。また、熱源機B111bにおける冷温水の流量は、冷温水が出て行く箇所に設けられた流量計117bにより測定される。また、熱源機C111cにおける冷温水の流量は、冷温水が出て行く箇所に設けられた流量計117cにより測定される。なお、冷温水の流量は、各熱源機の内部の流路に設けられているオリフィスにおける流量計の測定値を用いてもよい。また、冷温水が戻ってくる箇所に設けられた流量計により、冷温水の流量を測定してもよい。
【0021】
負荷算出部102は、製造熱量算出部101が熱量を求めた時点の熱源機A111a、熱源機B111b、熱源機C111cの負荷率を各々算出する。例えば、負荷算出部102は、熱源機A111a、熱源機B111b、熱源機C111cの圧縮機を駆動するモータの運転周波数に基づいて、負荷率を算出する。各熱源機における圧縮機を駆動するモータにおける最大周波数fmaxで、熱量を求めた時点における運転周波数f0を除すること「負荷率L=f0/fmax」で、負荷率Lを算出することができる。
【0022】
最大能力算出部103は、求められた熱量Q0を負荷率Lで除した値「Qmax=Q0/L」を、熱源機A111a、熱源機B111b、熱源機C111cの最大能力として算出する。このように、本発明では、制御しようとしている時点での熱源機の最大能力を求めているところに特徴がある。このようにして得られた各熱源機の最大能力に基づいて、運転台数決定部104は、熱源機A111a、熱源機B111b、熱源機C111cの運転台数を決定する。
【0023】
次に、実施の形態における空調制御装置の動作(空調制御方法)について、図2を用いて説明する。まず、ステップS101で、製造熱量算出部101が、熱源機A111a、熱源機B111b、熱源機C111cが製造している熱量を各々求める。前述したように、熱源機A111a、熱源機B111b、熱源機C111cの冷温水の入口温度と、熱源機A111a、熱源機B111b、熱源機C111cの冷温水の出口温度との差に、冷温水の流量を乗じた値を熱量として算出する。
【0024】
次に、ステップS102で、負荷算出部102が、熱量を求めた時点の熱源機A111a、熱源機B111b、熱源機C111cの負荷率を各々算出する。前述したように、熱源機A111a、熱源機B111b、熱源機C111cの圧縮機を駆動するモータの運転周波数に基づいて負荷率を算出する。なお、各熱源機の圧縮機を駆動するモータの消費電力に基づいて負荷率を算出してもよい。
【0025】
次に、ステップS103で、最大能力算出部103が、各々求めた熱量を各々求めた負荷率で除した値を、熱源機A111a、熱源機B111b、熱源機C111cの最大能力として算出する。次に、ステップS104で、運転台数決定部104が、各々求めた 最大能力に基づいて、熱源機A111a、熱源機B111b、熱源機C111cの運転台数を決定する。
【0026】
なお、上述した実施の形態における空調制御装置は、図3に示すように、CPU(Central Processing Unit;中央演算処理装置)201と主記憶装置202と外部記憶装置203とネットワーク接続装置204となどを備えたコンピュータ機器であり、主記憶装置に展開されたプログラムによりCPUが動作することで、上述した各機能が実現される。ネットワーク接続装置204は、ネットワーク205に接続する。また、各機能は、複数のコンピュータ機器に分散させるようにしてもよい。
【0027】
ところで、上記モータの消費電力から負荷率を求めるようにしてもよい。
【0028】
例えば、熱源機が空冷式熱源機の場合、図4に示すように、複数の外気温度および複数の冷水の出口温度および複数の冷水の出入り口温度差の各々における、モータの最大消費電力を予め求めて記憶部105に記憶しておく。
【0029】
この場合、負荷算出部102は、まず、外気温度計測部106が計測している外気温度と、温度計116a,温度計116b、温度計116cで測定されている出口温度と、温度計115a,温度計115b、温度計115c、温度計116a,温度計116b、温度計116cで測定されている出入り口温度差とにより、熱量を求めた時点における熱源機A111a、熱源機B111b、熱源機C111cにおけるモータの最大消費電力を求める。負荷算出部102は、上述したように求めた最大消費電力を、熱源機A111a、熱源機B111b、熱源機C111cにおける、熱量を求めた時点におけるモータの実際の消費電力で除することで、各々の負荷率を算出する。このようにして求めた負荷率を用い、最大能力算出部103は、熱源機A111a、熱源機B111b、熱源機C111cの最大能力として算出する。
【0030】
また、熱源機が水冷式熱源機の場合、図5に示すように、複数の冷却水温度および複数の冷水の出口温度および複数の冷水の出入り口温度差の各々における、モータの最大消費電力を予め求めて記憶部105に記憶しておく。
【0031】
この場合、負荷算出部102は、まず、冷却水温度計測部107が計測している冷却水温度と、温度計116a,温度計116b、温度計116cで測定されている出口温度と、温度計115a,温度計115b、温度計115c、温度計116a,温度計116b、温度計116cで測定されている出入り口温度差とにより、熱量を求めた時点における熱源機A111a、熱源機B111b、熱源機C111cにおけるモータの最大消費電力を求める。負荷算出部102は、上述したように求めた最大消費電力を、熱源機A111a、熱源機B111b、熱源機C111cにおける、熱量を求めた時点におけるモータの実際の消費電力で除することで、各々の負荷率を算出する。このようにして求めた負荷率を用い、最大能力算出部103は、熱源機A111a、熱源機B111b、熱源機C111cの最大能力として算出する。
【0032】
ところで、実際には、熱源機における消費電力と負荷率との関係は、図6に実線で示すように、特に低中負荷の領域において線形な関係とならない場合がある。このため、上述したように電力消費から負荷率を推定する場合、図6に示すような状態を補正することでより正確な関係が得られるようになる。
【0033】
以上に説明したように、熱源機の熱量を求めた時点の熱源機の負荷率を求め、熱量を負荷率で除した値を熱源機の最大能力とし、熱源機の運転台数を決定するようにしたので、外気の条件などにかかわらず、より正確に空調制御ができるようになる。本発明では、制御しようとしている時点での熱源機の最大能力を算出しているので、外気の条件や、熱源機の劣化などにより、熱源機の性能が変化していても、実態に沿った熱源機の台数制御を行う事が可能となる。
【0034】
なお、本発明は以上に説明した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想内で、当分野において通常の知識を有する者により、多くの変形および組み合わせが実施可能であることは明白である。例えば、上述では、3台の熱源機の台数制御を例に説明したが、これに限るものではなく、2台の場合、または、4台以上の場合であっても同様である。
【符号の説明】
【0035】
101…製造熱量算出部、102…負荷算出部、103…最大能力算出部、104…運転台数決定部、111a…熱源機A、111b…熱源機B、111c…熱源機C、113…外部負荷、114…還ヘッダ、115a,115b,115c…温度計、116a,116b,116c…温度計、117a,117b,117c…流量計。
図1
図2
図3
図4
図5
図6