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特開2018-204813空気調和装置の制御装置、空気調和装置、空気調和装置の制御方法、及び空気調和装置の制御プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-204813(P2018-204813A)
(43)【公開日】2018年12月27日
(54)【発明の名称】空気調和装置の制御装置、空気調和装置、空気調和装置の制御方法、及び空気調和装置の制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   F24F 11/46 20180101AFI20181130BHJP
   F24F 11/62 20180101ALI20181130BHJP
   F24F 11/85 20180101ALI20181130BHJP
   F24F 1/68 20110101ALI20181130BHJP
   F24F 11/41 20180101ALI20181130BHJP
【FI】
   F24F11/02 H
   F24F1/68
   F24F11/02 101Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2017-107630(P2017-107630)
(22)【出願日】2017年5月31日
(71)【出願人】
【識別番号】516299338
【氏名又は名称】三菱重工サーマルシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112737
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 考晴
(74)【代理人】
【識別番号】100140914
【弁理士】
【氏名又は名称】三苫 貴織
(74)【代理人】
【識別番号】100136168
【弁理士】
【氏名又は名称】川上 美紀
(74)【代理人】
【識別番号】100172524
【弁理士】
【氏名又は名称】長田 大輔
(72)【発明者】
【氏名】赤塚 啓
【テーマコード(参考)】
3L054
3L260
【Fターム(参考)】
3L054BA06
3L260AB06
3L260BA03
3L260BA36
3L260BA41
3L260CA32
3L260CB08
3L260CB18
3L260CB19
3L260CB24
3L260CB31
3L260CB79
3L260DA01
3L260DA09
3L260FA01
3L260FA15
3L260FB28
(57)【要約】
【課題】各室外ユニットの運転状況などを勘案した台数制御を行う空気調和装置の制御装置、空気調和装置、空気調和装置の制御方法、及び空気調和装置の制御プログラムを提供することを目的とする。
【解決手段】圧縮機で圧縮された冷媒を空気により冷却して凝縮液化させる空気熱交換器と、冷媒と水とで熱交換を行う水熱交換器と、を有する複数の室外ユニットと、該室外ユニットに対応して設けられ、水を各室外ユニットへそれぞれの目標流量にて送出する複数のポンプと、を備えた空気調和装置の制御装置50であって、室外ユニットがデフロスト運転となったか否かを検知するデフロスト検知手段51と、各室外ユニットのデフロスト運転頻度を計測するデフロスト頻度計測手段52と、加熱運転において、各室外ユニットのデフロスト運転頻度に基づき各室外ユニットに対しそれぞれの目標流量を分配する加熱時目標流量分配手段53と、を備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮機で圧縮された冷媒を空気により冷却して凝縮液化させる空気熱交換器と、前記冷媒と水とで熱交換を行う水熱交換器と、を有する複数の室外ユニットと、該室外ユニットに対応して設けられ前記水を各前記室外ユニットへそれぞれの目標流量にて送出する複数のポンプと、を備えた空気調和装置の制御装置であって、
前記室外ユニットがデフロスト運転となったか否かを検知するデフロスト検知手段と、
各前記室外ユニットのデフロスト運転頻度を計測するデフロスト頻度計測手段と、
加熱運転において、各前記室外ユニットの前記デフロスト運転頻度に基づき各前記室外ユニットに対しそれぞれの前記目標流量を分配する加熱時目標流量分配手段と、
を備える空気調和装置の制御装置。
【請求項2】
前記加熱時目標流量分配手段は、前記デフロスト運転頻度が高い前記室外ユニットの前記目標流量を低減する請求項1に記載の空気調和装置の制御装置。
【請求項3】
前記加熱時目標流量分配手段は、前記デフロスト運転頻度が高い前記室外ユニットの前記目標流量の低減分だけ、前記デフロスト運転頻度が低い他の前記室外ユニットの前記目標流量を増加させる請求項2に記載の空気調和装置の制御装置。
【請求項4】
前記室外ユニットにおける第1パラメータを検知する第1パラメータ検知手段を備え、
前記加熱時目標流量分配手段は、前記空気調和装置の運転開始後、一の前記室外ユニットにおいて最初にデフロスト運転が開始された時に前記第1パラメータ検知手段が検知した各前記室外ユニットの前記第1パラメータの値に基づき、各前記室外ユニットに対し前記目標流量を分配する請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の空気調和装置の制御装置。
【請求項5】
前記第1パラメータは、運転電流、ファン入力電流、蒸発温度、または圧縮機入口圧力のいずれかである請求項4に記載の空気調和装置の制御装置。
【請求項6】
前記加熱時目標流量分配手段は、前記第1パラメータが前記運転電流または前記ファン入力電流の場合、値が大きいほど前記目標流量の分配を低減し、前記第1パラメータが前記蒸発温度または前記圧縮機入口圧力の場合、値が小さいほど前記目標流量の分配を低減する請求項5に記載の空気調和装置の制御装置。
【請求項7】
前記室外ユニットにおける第2パラメータを検知する第2パラメータ検知手段と、
冷却運転において、前記第2パラメータ検知手段が検知した各前記室外ユニットの前記第2パラメータの値に基づき、各前記室外ユニットに対しそれぞれの前記目標流量を分配する冷却時目標流量分配手段と、
を備える請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の空気調和装置の制御装置。
【請求項8】
前記冷却時目標流量分配手段は、前記第2パラメータの値が大きい前記室外ユニットの前記目標流量を低減する請求項7に記載の空気調和装置の制御装置。
【請求項9】
前記冷却時目標流量分配手段は、前記第2パラメータの値が大きい前記室外ユニットの前記目標流量の低減分だけ、前記第2パラメータの値が小さい他の前記室外ユニットの前記目標流量を増加させる請求項8に記載の空気調和装置の制御装置。
【請求項10】
冷却運転において、前記第2パラメータ検知手段が検知した各前記室外ユニットの前記第2パラメータの値に基づき、各前記室外ユニットに備えられた各散水器の散水流量を分配する散水流量分配手段を備える請求項7から請求項9のいずれか1項に記載の空気調和装置の制御装置。
【請求項11】
前記散水流量分配手段は、前記第2パラメータの値が大きい前記室外ユニットの前記散水器の前記散水流量を増加させる請求項10に記載の空気調和装置の制御装置。
【請求項12】
前記散水流量分配手段は、前記第2パラメータの値が大きい前記室外ユニットの前記散水器の前記散水流量の増加分だけ、前記第2パラメータの値が小さい他の前記室外ユニットの前記散水器の前記散水流量を低減させる請求項11に記載の空気調和装置の制御装置。
【請求項13】
前記第2パラメータは、前記室外ユニットに備えられた散水器の散水流量を制御する開閉弁の開頻度、圧縮機吐出圧力、外気温度、運転電流、または凝縮温度のいずれかである請求項7から請求項12のいずれか1項に記載の空気調和装置の制御装置。
【請求項14】
請求項1から請求項13のいずれかに記載の空気調和装置の制御装置を備える空気調和装置。
【請求項15】
圧縮機で圧縮された冷媒を空気により冷却して凝縮液化させる空気熱交換器と、前記冷媒と水とで熱交換を行う水熱交換器と、を有する複数の室外ユニットと、該室外ユニットに対応して設けられ前記水を各前記室外ユニットへそれぞれの目標流量にて送出する複数のポンプと、を備えた空気調和装置の制御方法であって、
前記室外ユニットがデフロスト運転となったか否かを検知するデフロスト検知工程と、
各前記室外ユニットのデフロスト運転頻度を計測するデフロスト頻度計測工程と、
加熱運転において、各前記室外ユニットの前記デフロスト運転頻度に基づき各前記室外ユニットに対しそれぞれの前記目標流量を分配する加熱時目標流量分配工程と、
を備える空気調和装置の制御方法。
【請求項16】
圧縮機で圧縮された冷媒を空気により冷却して凝縮液化させる空気熱交換器と、前記冷媒と水とで熱交換を行う水熱交換器と、を有する複数の室外ユニットと、該室外ユニットに対応して設けられ前記水を各前記室外ユニットへそれぞれの目標流量にて送出する複数のポンプと、を備えた空気調和装置の制御プログラムであって、
前記室外ユニットがデフロスト運転となったか否かを検知するデフロスト検知ステップと、
各前記室外ユニットのデフロスト運転頻度を計測するデフロスト頻度計測ステップと、
加熱運転において、各前記室外ユニットの前記デフロスト運転頻度に基づき各前記室外ユニットに対しそれぞれの前記目標流量を分配する加熱時目標流量分配ステップと、
を備える空気調和装置の制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気調和装置の制御装置、空気調和装置、空気調和装置の制御方法、及び空気調和装置の制御プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
空気調和装置において複数台の室外ユニットを備える場合は、一般的に運転状況に応じて室外ユニットの台数制御が行われている。室外ユニットの台数制御は、例えば外部負荷の設定水温と室外ユニットへの還水の水温との差及び流量から必要能力を算出し、室外ユニットの能力との比により制御される。
このような台数制御の場合は、各室外ユニットが同一能力かつ同一効率で運転できることを前提としており、部分負荷となる場合は、各室外ユニットに指令される流量(能力)は均等に分配され、また室外ユニットを停止する場合は設置位置等によらず任意の室外ユニットが選択される。
そこで、設置位置等の設置環境を考慮した運転の実施や、各室外ユニットの効率を考慮した運転の実施が検討されている。例えば、特許文献1には、風向き及び風速等の風情報や室外ユニットの据付情報等に基づき室外ユニットの運転順序を決定することが開示されている。また、特許文献2には、デマンド指令を受けた時に各冷凍サイクルのサイクル状態を比較し、消費電力が一番大きくサイクル状態の悪い冷凍サイクルを停止させることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5972018号公報
【特許文献2】特開2003−185218号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に開示された発明では、風情報を得るため、新たに風向風速計を設置しなければならないという問題があった。風向風速計はその分コストがかかるとともに制御装置とやり取りを行うデータ量が増えることとなる。
また、室外ユニットの据え付け環境は、新たな建築物が立つ等により据え付け当初から変更になる可能性があるが、これに対応できないという問題があった。これにより、例えば風向き、風速、降雪量、日照条件等が変更になり、当初の据付情報は利用不可となる。さらに、試運転時に各室外ユニットの位置等を設定する必要があり、作業員による作業負担が必要とされる。
【0005】
また、上記特許文献2に開示された発明では、最もサイクル状態の悪い冷凍サイクルを停止させるため、インバータにより圧縮機の周波数を増減させることができる冷凍サイクルに対し運転状況に即したきめ細かい制御となっていないという問題があった。また、発明者らは、インバータにより圧縮機の周波数を増減させることができる冷凍サイクルは、停止させるよりも、圧縮機の周波数を低下させ継続して運転した方が効率が良い、という知見を得た。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、新たな機器の設置を必要とせず各室外ユニットの運転状況などを勘案した台数制御を行う空気調和装置の制御装置、空気調和装置、空気調和装置の制御方法、及び空気調和装置の制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の空気調和装置の制御装置、空気調和装置、空気調和装置の制御方法、及び空気調和装置の制御プログラムは以下の手段を採用する。
本発明の第一態様に係る制御装置は、圧縮機で圧縮された冷媒を空気により冷却して凝縮液化させる空気熱交換器と、前記冷媒と水とで熱交換を行う水熱交換器と、を有する複数の室外ユニットと、該室外ユニットに対応して設けられ前記水を各前記室外ユニットへそれぞれの目標流量にて送出する複数のポンプと、を備えた空気調和装置の制御装置であって、前記室外ユニットがデフロスト運転となったか否かを検知するデフロスト検知手段と、各前記室外ユニットのデフロスト運転頻度を計測するデフロスト頻度計測手段と、加熱運転において、各前記室外ユニットの前記デフロスト運転頻度に基づき各前記室外ユニットに対しそれぞれの前記目標流量を分配する加熱時目標流量分配手段と、を備える。
【0008】
本態様によれば、加熱運転において、室外ユニットがデフロスト運転となったか否かを検知し、デフロスト運転の頻度を計測して、各室外ユニットのデフロスト運転頻度に基づき各室外ユニットの水の目標流量を分配し、これに基づき室外ユニットに対応する各ポンプを制御することから、例えば設置環境を起因としてデフロスト運転に入りやすい室外ユニットの負荷を減らすため、室外ユニットにおける着霜の進行を遅らせデフロスト運転頻度のばらつきを抑制することができる。これにより、デフロスト運転の頻度を平準化でき、全体のデフロスト回数が低減して効率の良い運転が可能となり、COP(成績係数)が上がり省エネルギー性を高めることができる。
室外ユニットの能力は、循環する水の(密度)×(流量)×(比熱)×(温度差)から求められることから、流量を変更することで能力を変更することができる。
【0009】
上記第一態様では、前記加熱時目標流量分配手段は、前記デフロスト運転頻度が高い前記室外ユニットの前記目標流量を低減するとしてもよい。
【0010】
本態様によれば、デフロスト運転頻度が高い室外ユニットの目標流量を低減することから、デフロスト運転に入りやすい室外ユニットの負荷を減らすことができる。これにより、デフロスト運転頻度が高い室外ユニットの着霜の進行を遅らせることが可能となる。
【0011】
上記第一態様では、前記加熱時目標流量分配手段は、前記デフロスト運転頻度が高い前記室外ユニットの前記目標流量の低減分だけ、前記デフロスト運転頻度が低い他の前記室外ユニットの前記目標流量を増加させるとしてもよい。
【0012】
本態様によれば、デフロスト運転頻度が高い室外ユニットの目標流量の低減分だけ、デフロスト運転頻度が低い他の室外ユニットの目標流量を増加させることから、室外ユニット全体の目標流量を変更することなく、デフロスト運転頻度のばらつきを抑制することができ、冷温水系統の水温変動を抑制することができる。全体のデフロスト回数が低減するとともに、デフロスト運転頻度が低い、すなわちCOPの高い室外ユニットの流量を多くするため、効率の良い運転が可能となり、省エネルギー性を高めることができる。
【0013】
上記第一態様では、前記室外ユニットにおける第1パラメータを検知する第1パラメータ検知手段を備え、前記加熱時目標流量分配手段は、前記空気調和装置の運転開始後、一の前記室外ユニットにおいて最初にデフロスト運転が開始された時に前記第1パラメータ検知手段が検知した各前記室外ユニットの前記第1パラメータの値に基づき、各前記室外ユニットに対し前記目標流量を分配するとしてもよい。
【0014】
本態様によれば、空気調和装置の運転開始後、一の室外ユニットにおいて最初にデフロスト運転が開始された時に第1パラメータ検知手段が検知した各室外ユニットの第1パラメータの値に基づき、各室外ユニットに対し目標流量を分配することから、全ての室外ユニットがデフロスト運転となるのを待たずに、各室外ユニットのうち最初の室外ユニットがデフロスト運転を開始した時点で第1パラメータを用いて目標流量を分配することができる。これにより、実際の運転状況への対応をより早く行うことができ、デフロスト運転の頻度を減らし、デフロスト運転の頻度を平準化して効率の良い運転が可能となり、COP(成績係数)が上がり省エネルギー性を高めることができる。
【0015】
上記第一態様では、前記第1パラメータは、運転電流、ファン入力電流、蒸発温度、または圧縮機入口圧力のいずれかであるとしてもよい。
【0016】
本態様によれば、第1パラメータとして、運転電流、ファン入力電流、蒸発温度、または圧縮機入口圧力のいずれかを用いることから、いずれも既設のセンサにより取得可能な値であるため、新たな設備を必要とすることなくデフロスト運転の頻度の平準化を行うことができる。
【0017】
上記第一態様では、前記加熱時目標流量分配手段は、前記第1パラメータが前記運転電流または前記ファン入力電流の場合、値が大きいほど前記目標流量の分配を低減し、前記第1パラメータが前記蒸発温度または前記圧縮機入口圧力の場合、値が小さいほど前記目標流量の分配を低減するとしてもよい。
【0018】
上記第一態様では、前記室外ユニットにおける第2パラメータを検知する第2パラメータ検知手段と、冷却運転において、前記第2パラメータ検知手段が検知した各前記室外ユニットの前記第2パラメータの値に基づき、各前記室外ユニットに対しそれぞれの前記目標流量を分配する冷却時目標流量分配手段と、を備えるとしてもよい。
【0019】
本態様によれば、冷却運転において、各室外ユニットの第2パラメータの値に基づき、各室外ユニットに対しそれぞれの目標流量を分配し、これに基づき室外ユニットに対応するポンプを制御することから、例えば設置環境を起因として第2パラメータの値にばらつきが生じている場合に効率の悪い室外ユニットの負荷を減らすため、室外ユニット全体の省エネルギー性を高めることができる。
【0020】
上記第一態様では、前記冷却時目標流量分配手段は、前記第2パラメータの値が大きい前記室外ユニットの前記目標流量を低減するとしてもよい。
【0021】
本態様によれば、第2パラメータの値が大きい室外ユニットの目標流量を低減することから、効率の悪い室外ユニットの負荷を減らすことができる。これにより、効率の悪い室外ユニットの稼働率を低減し、省エネルギー性を高めることが可能となる。
【0022】
上記第一態様では、前記冷却時目標流量分配手段は、前記第2パラメータの値が大きい前記室外ユニットの前記目標流量の低減分だけ、前記第2パラメータの値が小さい他の前記室外ユニットの前記目標流量を増加させるとしてもよい。
【0023】
本態様によれば、第2パラメータの値が大きい室外ユニットの目標流量の低減分だけ、第2パラメータの値が小さい他の室外ユニットの目標流量を増加させることから、室外ユニット全体の目標流量を変更することなく、効率のばらつきを抑制することができる。これにより、COPの高い室外ユニットの流量を多くするため、効率の良い運転が可能となり、省エネルギー性を高めることができる。
【0024】
上記第一態様では、冷却運転において、前記第2パラメータ検知手段が検知した各前記室外ユニットの前記第2パラメータの値に基づき、各前記室外ユニットに備えられた各散水器の散水流量を分配する散水流量分配手段を備えるとしてもよい。
【0025】
本態様によれば、冷却運転において、各室外ユニットの第2パラメータの値に基づき、各室外ユニットに備えられた散水器の散水流量を分配することから、例えば設置環境を起因として第2パラメータの値にばらつきが生じている場合に効率の悪い室外ユニットの散水流量を増やすため、室外ユニット全体の省エネルギー性を高めることができる。
【0026】
上記第一態様では、前記散水流量分配手段は、前記第2パラメータの値が大きい前記室外ユニットの前記散水器の前記散水流量を増加させるとしてもよい。
【0027】
本態様によれば、第2パラメータの値が大きい室外ユニットの散水流量を増加させることから、効率の悪い室外ユニットの散水流量を増加することができる。これにより、効率の悪い室外ユニットの冷却を進行させ、省エネルギー性を高めることが可能となる。
【0028】
上記第一態様では、前記散水流量分配手段は、前記第2パラメータの値が大きい前記室外ユニットの前記散水器の前記散水流量の増加分だけ、前記第2パラメータの値が小さい他の前記室外ユニットの前記散水器の前記散水流量を低減させるとしてもよい。
【0029】
本態様によれば、第2パラメータの値が大きい室外ユニットの散水流量の増加分だけ、第2パラメータの値が小さい他の室外ユニットの散水流量を低減させることから、室外ユニット全体の散水流量を変更することなく、各室外ユニットの冷却度合のばらつきを抑制することができる。これにより、効率の良い運転が可能となり、省エネルギー性を高めることができる。
【0030】
上記第一態様では、前記第2パラメータは、前記室外ユニットに備えられた散水器の散水流量を制御する開閉弁の開頻度、圧縮機吐出圧力、外気温度、運転電流、または凝縮温度のいずれかであるとしてもよい。
【0031】
本態様によれば、第2パラメータとして、室外ユニットに備えられた散水器の散水流量を制御する開閉弁の開頻度、圧縮機吐出圧力、外気温度、運転電流、または凝縮温度のいずれかを用いることから、いずれも既設のセンサ等により取得可能な値であるため、新たな設備を必要とすることなく省エネルギー性を高めることができる。
【0032】
本発明の第二態様に係る空気調和装置は、前述のいずれかに記載の空気調和装置の制御装置を備える。
【0033】
本発明の第三態様に係る制御方法は、圧縮機で圧縮された冷媒を空気により冷却して凝縮液化させる空気熱交換器と、前記冷媒と水とで熱交換を行う水熱交換器と、を有する複数の室外ユニットと、該室外ユニットに対応して設けられ、前記水を各前記室外ユニットへそれぞれの目標流量にて送出する複数のポンプと、を備えた空気調和装置の制御方法であって、前記室外ユニットがデフロスト運転となったか否かを検知するデフロスト検知工程と、各前記室外ユニットのデフロスト運転頻度を計測するデフロスト頻度計測工程と、加熱運転において、各前記室外ユニットの前記デフロスト運転頻度に基づき各前記室外ユニットに対しそれぞれの前記目標流量を分配する加熱時目標流量分配工程と、を備える。
【0034】
本発明の第四態様に係る制御プログラムは、圧縮機で圧縮された冷媒を空気により冷却して凝縮液化させる空気熱交換器と、前記冷媒と水とで熱交換を行う水熱交換器と、を有する複数の室外ユニットと、該室外ユニットに対応して設けられ、前記水を各前記室外ユニットへそれぞれの目標流量にて送出する複数のポンプと、を備えた空気調和装置の制御プログラムであって、前記室外ユニットがデフロスト運転となったか否かを検知するデフロスト検知ステップと、各前記室外ユニットのデフロスト運転頻度を計測するデフロスト頻度計測ステップと、加熱運転において、各前記室外ユニットの前記デフロスト運転頻度に基づき各前記室外ユニットに対しそれぞれの前記目標流量を分配する加熱時目標流量分配ステップと、を備える。
【発明の効果】
【0035】
本発明によれば、各室内ユニットの運転状況に応じてそれぞれの目標流量を分配するので、効率の良い運転が可能となり、COPが上がり省エネルギー性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1】本発明の一実施形態に係る空気調和装置の冷媒系統を示した概略構成図である。
図2】本発明の一実施形態に係る空気調和装置の冷却水系統を示した概略構成図である。
図3】本発明の一実施形態に係る空気調和装置の制御装置を示したブロック図である。
図4】本発明の一実施形態に係る空気調和装置の制御装置の加熱運転時の目標流量制御を示したフローチャートである。
図5】本発明の一実施形態に係る空気調和装置の制御装置の加熱運転時の第1パラメータを用いた目標流量制御を示したフローチャートである。
図6】本発明の一実施形態に係る空気調和装置の制御装置の冷却運転時の目標流量制御を示したフローチャートである。
図7】本発明の一実施形態に係る空気調和装置の制御装置の冷却運転時の散水流量制御を示したフローチャートである。
図8】本発明の一実施形態の変形例に係る空気調和装置の制御装置の目標流量制御を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下に、本発明に係る空気調和装置の制御装置、空気調和装置、空気調和装置の制御方法、及び空気調和装置の制御プログラムの一実施形態について、図面を参照して説明する。
以下、本発明の一実施形態について、図1乃至8を用いて説明する。
図1には、本実施形態に係る空気調和装置の冷媒系統の概略構成が示されている。
本実施形態に係る空気調和装置1は、複数台の室外ユニット10と、室外ユニット10に接続される水配管90などからなる。室外ユニット10は、例えば空冷チリングユニットであり、水配管90を流れる水と熱交換することによって、冷水又は温水を生成できる。生成された冷水又は温水は、例えば外部負荷によって利用される。外部負荷にて水の設定温度が設定されると、空気調和装置1は、外部負荷から戻った還水を熱交換し、設定温度にて外部負荷へ送出する。
本実施形態に係る空気調和装置1は、並列に4台の室外ユニット10が設置されている例を挙げているが、システムとして実現可能であれば室外ユニット10の台数、また各室外ユニット10の接続方法については問わない。
【0038】
室外ユニット10は、圧縮機30と、四方弁5と、水熱交換器35と、低圧膨張弁37と、レシーバ38と、高圧膨張弁39と、空気熱交換器20などとからなる。圧縮機30と、四方弁5と、水熱交換器35と、低圧膨張弁37と、レシーバ38と、高圧膨張弁39と、空気熱交換器20とは、冷媒配管によって結ばれ、冷媒回路を構成する。
室外ユニット10には、外気温度を計測する外気温センサ(図示せず)が設けられている。
【0039】
圧縮機30は、インバータ制御された電動機31によって回転駆動されている。
圧縮機30には、圧縮機30の運転電流を計測する電流センサ33、圧縮機30に吸入される冷媒の圧力である圧縮機入口圧力を計測する圧縮機入口圧力センサ32、及び圧縮機30から吐出される冷媒の圧力である圧縮機吐出圧力を計測する圧縮機吐出圧力センサ34が設けられている。
【0040】
水熱交換器35には、水配管90が挿入されており、これにより水熱交換器35において得られる冷熱によって水配管90内を流れる水が冷却されることにより、冷水が得られ、また水熱交換器35において得られる熱によって水配管90内を流れる水が加熱されることにより、温水が得られるようになっている。
水配管90上の、水熱交換器35の上流側には、水を室外ユニット10へ送出するためのポンプ80が設置されている。ポンプ80は、各室内ユニット毎に設定された目標流量にて水を送出するように後述する制御装置50により制御される。
本実施形態では、ポンプ80は室外ユニット10外部に設置されているが、室外ユニット10の内部に設置されていてもよい。
【0041】
空気熱交換器20は、室外ユニット10の上部空間に配置されている。空気熱交換器20は、冷却運転時において外気との間で高温高圧冷媒を冷却して凝縮させ、加熱運転時において外気から吸熱することで液冷媒を蒸発させる。本実施形態では、空気熱交換器20は、空気熱交換器20a及び20bを備えた構成としているが、1つでもよく、また3以上設けられていてもよい。
空気熱交換器20の近傍には、空気熱交換器20の温度を計測する温度センサ25が設けられている。
【0042】
一対の空気熱交換器20a及び20bの上方には、室外ファン27が設けられている。室外ファン27は、空気を上方へ送出することによって下方に設置された空気熱交換器20a及び20bへと空気を外部から誘引するものである。室外ファン27は、電動モータ28によって回転させられる。電動モータ28は、制御装置50によって駆動・停止が行なわれる。なお、電動モータ28をインバータ制御とし、回転数を可変制御できるようにしても良い。あるいは、直流モータを採用して回転数制御を行うようにしても良い。
室外ファン27には、室外ファン27に入力されるファン入力電流(電流値)を計測するファン入力電流センサ29が設けられている。
【0043】
制御装置50は、上述した電流センサ33、圧縮機入口圧力センサ32、圧縮機吐出圧力センサ34、温度センサ25及びファン入力電流センサ29が計測した各計測値を取得する。また、各ポンプ80が目標流量にて水を送出する制御等を行う。
制御装置50は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、及びコンピュータ読み取り可能な記憶媒体等から構成されている。そして、各種機能を実現するための一連の処理は、一例として、プログラムの形式で記憶媒体等に記憶されており、このプログラムをCPUがRAM等に読み出して、情報の加工・演算処理を実行することにより、各種機能が実現される。なお、プログラムは、ROMやその他の記憶媒体に予めインストールしておく形態や、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶された状態で提供される形態、有線又は無線による通信手段を介して配信される形態等が適用されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記憶媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等である。
【0044】
図2には、本実施形態に係る空気調和装置の冷却水系統の概略構成が示されている。
図2に示されるように、空気熱交換器20の側面には散水器73が設けられている。散水器73は、空気調和装置1の冷却運転時において凝縮器として用いられる空気熱交換器20に、冷却水を散布することによって冷媒の凝縮圧力を低下させて性能を向上させる。
【0045】
各散水器73には多数の孔部が形成されており、各孔部から冷却水が側方に流出するようになっている。各孔部は、空気熱交換器20のフィンのそれぞれに均等に冷却水が行き渡るように配列されている。
【0046】
空気熱交換器20に対して設けられた各散水器73は、給水配管71によって接続されている。給水配管71は、例えば水道と接続されている。各室外ユニット10内において、各散水器73の上流側の給水配管71上には電磁弁である開閉弁70が設けられており、開閉弁70は制御装置50によって制御される。例えば、外気温度が上昇すると開閉弁70は開とされ、空気熱交換器20の表面に冷却水が散布される。
【0047】
空気熱交換器20の下方には、空気熱交換器20に散布された冷却水を回収するための回収トレイ75が設けられている。各回収トレイ75によって回収された水は、返送配管77を介して外部へ排出される。各回収トレイ75によって回収された冷却水は、例えば貯水槽に貯めて散水用ポンプで送出することで室外ユニット10内で循環させるとしてもよい。
【0048】
ここで、室外ユニット10において、加熱運転と冷却(又は除霜)運転とは、図1に示される四方弁5が切り替えられて、冷媒の流れ方向が変化することによって切り替わる。加熱運転時では、圧縮機30から吐出された冷媒は、水熱交換器35、低圧膨張弁37、レシーバ38、高圧膨張弁39、空気熱交換器20の順に流れる。水熱交換器35が凝縮器として作用し、空気熱交換器20が蒸発器として作用する。そして、水熱交換器35で加熱された温水が水配管90を介して次の室外ユニット10又は外部へ供給される。
【0049】
冷却(除霜)運転時では、圧縮機30から吐出された冷媒は、空気熱交換器20、高圧膨張弁39、レシーバ38、低圧膨張弁37、水熱交換器35の順に流れる。空気熱交換器20が凝縮器として作用し、水熱交換器35が蒸発器として作用する。そして、水熱交換器35で冷却された冷水が水配管90を介して次の室外ユニット10又は外部へ供給される。
【0050】
空気調和装置1全体として加熱運転している際、室外ユニット10が加熱運転すると、空気熱交換器20の表面に着霜が生じる場合がある。着想が生じると、空気熱交換器20を凝縮器として作用させ、霜を溶かす除霜運転(デフロスト運転)を行う。しかし、水配管90を流れる温水は、除霜運転をしている室外ユニット10の水熱交換器35によって冷却されるため、水配管90を流れる水の温度が低下するおそれがある。
【0051】
本実施形態では、複数の室外ユニット10のデフロスト運転の頻度を計測し、デフロスト運転頻度に応じて、各室外ユニット10のそれぞれの目標流量を分配する制御を行う。
【0052】
本実施形態の空気調和装置1は、複数の室外ユニット10などの制御を行う制御装置50を有する。制御装置50と各室外ユニット10とは、例えば制御ケーブル(図示せず)によって接続され、制御信号が送受信される。
【0053】
図3には、本実施形態に係る空気調和装置の制御装置がブロック図に示されている。
制御装置50は、デフロスト検知部(デフロスト検知手段)51と、デフロスト頻度計測部(デフロスト頻度計測手段)52と、加熱時目標流量分配部(加熱時目標流量分配手段)53と、冷却時目標流量分配部(冷却時目標流量分配手段)54と、散水流量分配部(散水流量分配手段)55と、第1パラメータ検知部(第1パラメータ検知手段)56と、第2パラメータ検知部(第2パラメータ検知手段)57とを備えている。制御装置50は、各室外ユニット10とは別に設けられてもよいし、いずれか1台の室外ユニット10に設けられていてもよい。
【0054】
デフロスト検知部51は、各室外ユニット10においてデフロスト運転が開始されたか否かを検知する。デフロスト運転は、四方弁5が切り替えられて、冷媒の流れ方向が変化することによって開始されることから、四方弁5の切り替えを検知することでデフロスト運転の開始が検知できる。
また、加熱運転を継続すると、空気熱交換器20に着霜が生じるため、空気熱交換器20の温度が低下する。したがって、室外ユニット10がデフロスト運転開始直前の状態であるかどうかは、各室外ユニット10の空気熱交換器20の温度に基づいて判断可能である。
【0055】
デフロスト頻度計測部52は、各室外ユニット10毎の所定の時間におけるデフロスト運転が行われた回数を計測し、デフロスト運転が行われた頻度を算出する。
例えば、冬期における風上側の室外ユニット10は、降雪によって空気熱交換器20に雪が付着して目詰まりが発生し着霜しやすく、また風上にあることで雪を内部に吸い込みやすい。これに対し、風下側の室外ユニット10は風上側の室外ユニット10が風雪を受けるため着霜が少ない。よって、風上側の室外ユニット10のデフロスト運転頻度が高く、風下側の室外ユニット10のデフロスト運転頻度は低いと考えられる。
【0056】
加熱時目標流量分配部53は、加熱運転において、デフロスト頻度計測部52にて計測された各室外ユニット10のデフロスト運転頻度に基づき、各室外ユニット10に対しそれぞれの目標流量を分配する。
目標流量は、各室外ユニット10が同一能力、同一効率で運転する場合はすべて同じ流量でよいが、上述したように設置環境等により各室外ユニット10毎に運転効率が異なる場合は同じ目標流量とするとデフロスト運転頻度にばらつきが生じる。
そこで、本実施形態では、各室外ユニット10のデフロスト運転頻度に基づき、デフロスト運転頻度が高い室外ユニット10の目標流量を低減し、デフロスト運転頻度が低い他の室外ユニット10の目標流量を増加させるものとする。この時、目標流量の低減分だけ他の室外ユニット10の目標流量を増加させ、室外ユニット10全体の目標流量を達成するように制御する。このように、実際のデフロスト運転頻度に基づき、フィードバック制御を行う。実際のデフロスト運転頻度に基づく制御であることから、誤った制御を行う確率を低くすることができる。
【0057】
デフロスト運転頻度が高い室外ユニット10の目標流量を低減するとは、該当室外ユニット10の負荷を低負荷にするということである。低負荷にすることにより、空気熱交換器20の蒸発温度を高め、空気から吸い込む熱の量を減らすことで着霜の進行を遅らせて着霜量を減少させる。
また、デフロスト運転頻度が高い室外ユニット10において低減した水の流量の分だけデフロスト運転頻度が低い室外ユニット10の目標流量を増加させるとは、該当室外ユニット10の負荷を大きくすることである。デフロスト運転頻度が低いとはすなわち効率の良い運転が行われていることであるから、効率の良い室外ユニット10に負荷をかけることでデフロスト運転頻度を平準化し、安定した運転が可能となる。また、全体の効率が上がり、省エネルギー性が高まる。
【0058】
冷却時目標流量分配部54は、冷却運転において、各室外ユニット10における第2パラメータの値に基づき、各室外ユニット10に対しそれぞれの目標流量を分配する。ここで、第2パラメータとは、各室外ユニット10における散水器73の散水流量を制御する開閉弁70の開頻度、圧縮機吐出圧力センサ34によって計測された圧縮機吐出圧力、外気温センサ(図示せず)によって計測された外気温度、電流センサ33によって計測された圧縮機30の運転電流、または温度センサ25によって計測された空気熱交換器20の凝縮温度のいずれかの値である。
本実施形態では、各室外ユニット10の第2パラメータの値に基づき、第2パラメータの値が大きい室外ユニット10の目標流量を低減し、第2パラメータの値が小さい他の室外ユニット10の目標流量を増加させるものとする。この時、目標流量の低減分だけ他の室外ユニット10の目標流量を増加させ、室外ユニット10全体の目標流量を達成するように制御する。
【0059】
例えば、複数の室外ユニット10が集合設置されている場合、中央部に設置されている室外ユニット10は、外部の新しい空気ではなく自ユニットまたは他のユニットから排出された空気を吸い込みやすいため内部に熱がこもりやすい。そのため、温度が上昇して効率が悪くなる。
これに対して、端に設置されている室外ユニット10は、外部の新しい空気を吸い込むことができるとともに、放熱しやすい。よって、効率の良い運転が可能であり、能力を出すことができる。
そこで、第2パラメータとして設定された開閉弁70の開頻度、圧縮機吐出圧力、外気温度、運転電流、または凝縮温度のいずれかの値に基づき、効率の悪い第2パラメータの値が大きい室外ユニット10を低負荷にし、効率の良い第2パラメータの値が小さい室外ユニット10に負荷をかける。
このような制御により、効率の悪い室外ユニット10の稼働率を下げ、温度上昇を抑制する。
【0060】
散水流量分配部55は、冷却運転において、各室外ユニット10における第2パラメータの値に基づき、各室外ユニット10に対し各散水流量を分配する。
本実施形態では、各室外ユニット10の第2パラメータの値に基づき、第2パラメータの値が大きい室外ユニット10の散水流量を増加させ、第2パラメータの値が小さい他の室外ユニット10の散水流量を低減させるものとする。この時、散水流量の増加分だけ他の室外ユニット10の散水流量を低減させ、室外ユニット10全体の散水流量を達成するように制御する。
このような制御により、効率の悪い室外ユニット10の温度上昇を抑制する。
【0061】
第1パラメータ検知部56は、各室外ユニット10の第1パラメータを検知する。ここで、第1パラメータとは、電流センサ33によって計測された圧縮機30の運転電流、ファン入力電流センサ29によって計測されたファン入力電流、温度センサ25によって計測された空気熱交換器20の蒸発温度、または圧縮機入口圧力センサ32によって計測された圧縮機入口圧力のいずれかの値である。
第2パラメータ検知部57は、上述した各室外ユニット10の第2パラメータを検知する。
【0062】
〔加熱運転にてデフロスト運転頻度を用いる〕
次に、図4を参照して、本実施形態に係る空気調和装置1の制御装置50の加熱運転時の目標流量制御について説明する。
加熱運転が開始されると、デフロスト検知部51は、室外ユニット10においてデフロスト運転が開始されたか否かを判定する(S401)。
デフロスト運転が開始されたと判定された場合は、ステップS402へ遷移する。一方、デフロスト運転が開始されていないと判定された場合は、再度デフロスト運転が開始されたか否かの判定を行うため、ステップS401へ戻る。
ステップS402において、デフロスト頻度計測部52は、各室外ユニット10のデフロスト運転頻度を取得し、ステップS403へ遷移する。
ステップS403において、デフロスト頻度計測部52は、全ての室外ユニット10がデフロスト運転を開始したか否かを判定する。全ての室外ユニット10がデフロスト運転を開始したと判定された場合はステップS404へ遷移する。一方、1以上の室外ユニット10がデフロスト運転を開始していないと判定された場合は、ステップS402へ戻り、全ての室外ユニット10がデフロスト運転を開始するまで上記処理を繰り返す。
ステップS404において、加熱時目標流量分配部53は、各室外ユニット10のデフロスト運転頻度に基づきそれぞれの目標流量を分配する。
このような処理にてデフロスト運転頻度に基づき各室外ユニット10のそれぞれの目標流量が分配され、デフロスト運転頻度が平準化される。
【0063】
〔加熱運転にて第1パラメータを用いる〕
ここで、ステップS403にて判定されたように、全ての室外ユニット10がデフロスト運転を開始するまでそれぞれの目標流量は分配されない。
そこで、いずれかの室外ユニット10がデフロスト運転を開始した時点の各室外ユニット10の各第1パラメータの値に基づきそれぞれの目標流量を分配する方法について検討する。上述したように、第1パラメータは、運転電流、ファン入力電流、蒸発温度、または圧縮機入口圧力のいずれかの値である。
加熱運転において、効率が悪くなると圧縮機30の回転数が上がり、室外ファン27の回転数が上がる。また、効率が悪いため空気熱交換器20の蒸発温度は下がり、圧縮機入口圧力が下がる。
よって、運転電流またはファン入力電流は、その値が大きいほど効率が悪くなっているといえ、蒸発温度または圧縮機入口圧力は、その値が小さいほど効率が悪くなっているといえ、これらの値を用いてデフロスト運転頻度を補完し、これらの値に基づきそれぞれの目標流量を予測して分配することが可能である。
【0064】
図5には、本実施形態に係る空気調和装置の制御装置の加熱運転時の第1パラメータを用いた目標流量制御がフローチャートに示されている。
加熱運転が開始されると、デフロスト検知部51は、室外ユニット10においてデフロスト運転が開始されたか否かを判定する(S501)。
デフロスト運転が開始されたと判定された場合は、ステップS502へ遷移する。一方、デフロスト運転が開始されていないと判定された場合は、再度いずれかの室外ユニット10にてデフロスト運転が開始されたか否かの判定を行うため、ステップS501へ戻る。
ステップS502において、第1パラメータ検知部56は、各室外ユニット10の第1パラメータを取得し、ステップS503へ遷移する。
ステップS503において、加熱時目標流量分配部53は、各室外ユニット10の第1パラメータの値に基づきそれぞれの目標流量を分配する。上述したように、運転電流またはファン入力電流は、その値が大きいほど効率が悪くなっているといえ、蒸発温度または圧縮機入口圧力は、その値が小さいほど効率が悪くなっているといえることから、第1パラメータが運転電流またはファン入力電流の場合、値が大きいほど目標流量の分配を低減し、第1パラメータが蒸発温度または圧縮機入口圧力の場合、値が小さいほど目標流量の分配を低減する。
このような処理にていずれか1台の室外ユニット10がデフロスト運転に入ることで第1パラメータの値に基づき各室外ユニット10のそれぞれの目標流量が分配され、デフロスト運転頻度が平準化される。
【0065】
〔冷却運転にて目標流量を分配する〕
次に、図6を参照して、本実施形態に係る空気調和装置1の制御装置50の冷却運転時の目標流量制御について説明する。
まず、ステップS601において、空気調和装置1において冷却運転が行われているか否かの判定が行われる。空気調和装置1において冷却運転が行われていると判定された場合は、ステップS602へ遷移し、冷却運転が行われていないと判定された場合は、加熱運転であるとして図4のステップS401へ遷移する。
ステップS602において、第2パラメータ検知部57は、各室外ユニット10の第2パラメータを取得し、ステップS603へ遷移する。第2パラメータは、前述したように開閉弁70の開頻度、圧縮機吐出圧力、外気温度、運転電流、または凝縮温度のいずれかの値である。
ステップS603において、冷却時目標流量分配部54は、各室外ユニット10の第2パラメータの値に基づきそれぞれの目標流量を分配する。前述したように、第2パラメータの値が大きい室外ユニット10の目標流量を低減し、第2パラメータの値が小さい他の室外ユニット10の目標流量を増加させるものとする。
このような処理にて第2パラメータの値に基づき各室外ユニット10のそれぞれの目標流量が分配され、効率の悪い室外ユニット10の稼働率が低減される。
【0066】
〔冷却運転にて散水流量を分配する〕
次に、図7を参照して、本実施形態に係る空気調和装置1の制御装置50の冷却運転時の散水流量制御について説明する。
まず、ステップS701において、空気調和装置1において冷却運転が行われているか否かの判定が行われる。空気調和装置1において冷却運転が行われていると判定された場合は、ステップS702へ遷移し、冷却運転が行われていないと判定された場合は、加熱運転であるとして図4のステップS401へ遷移する。
ステップS702において、第2パラメータ検知部57は、各室外ユニット10の第2パラメータを取得し、ステップS703へ遷移する。
ステップS703において、散水流量分配部55は、各室外ユニット10の第2パラメータの値に基づき各散水流量を分配する。上述したように、第2パラメータの値が大きい室外ユニット10の散水流量を増加させ、第2パラメータの値が小さい他の室外ユニット10の散水流量を低減させるものとする。
このような処理にて第2パラメータの値に基づき各室外ユニット10の各散水流量が分配され、効率の悪い室外ユニット10の温度上昇を抑制する。
【0067】
〔変形例〕
上述した目標流量制御または散水流量制御においては、第1パラメータまたは第2パラメータの値に基づきそれぞれの目標流量または散水流量を制御するものとした。
本変形例では、各室外ユニットの第1パラメータまたは第2パラメータが、その平均値を上回るか、または下回るかによって目標流量または散水流量を所定量変更するものとする。本変形例においては、所定量は目標流量の2%を設定したが、この値については変更可能である。
図8には、本実施形態の変形例に係る空気調和装置の制御装置の目標流量制御がフローチャートに示されている。以下においては、第2パラメータを用いた目標流量制御を行う例について説明する。
まず、各室外ユニット10の第2パラメータを取得する(S801)。
次に、各第2パラメータの平均値を算出する(S802)。
次に、当該室外ユニット10の第2パラメータの値からその平均値を減じた値が0より大きいか否かを判定する(S803)。値が0より大きいと判定された場合はステップS804へ遷移し、値が0以下であると判定された場合はステップS805へ遷移する。
ステップS803において値が0より大きいと判定された場合は、当該室外ユニット10は効率の悪い運転が行われていると判断できることから、当該室外ユニット10の目標流量を2%低減する(S804)。
次に、次の室外ユニット10、すなわちステップS803の判定が行われていない室外ユニット10があるか否かの判定が行われる(S806)。次の室外ユニット10があると判定された場合は、ステップS803へ遷移する。一方、次の室外ユニット10が存在しない場合は、処理を終了する。
ステップS803において、値が0以下であると判定された場合は、当該室外ユニット10は効率の良い運転が行われていると判断できることから、当該室外ユニット10の目標流量を2%増加させる(S805)。
【0068】
ここで、第1パラメータを用いる場合で蒸発温度または圧縮機入口圧力を用いる場合は、ステップS803における判定の不等号が逆となる。
また、散水流量を制御する場合は、図8の目標流量を散水流量とする。
【0069】
以上、説明してきたように、本実施形態に係る空気調和装置の制御装置、空気調和装置、空気調和装置の制御方法、及び空気調和装置の制御プログラムによれば、以下の作用効果を奏する。
本実施形態によれば、加熱運転において、室外ユニット10がデフロスト運転となったか否かを検知し、デフロスト運転の頻度を計測して、各室外ユニット10のデフロスト運転頻度に基づき各室外ユニット10の水の目標流量を分配し、これに基づき室外ユニット10に対応する各ポンプ80を制御することから、例えば設置環境を起因としてデフロスト運転に入りやすい室外ユニット10の負荷を減らすため、室外ユニット10における着霜の進行を遅らせデフロスト運転頻度のばらつきを抑制することができる。これにより、デフロスト運転の頻度を平準化でき、全体のデフロスト回数が低減して効率の良い運転が可能となり、COP(成績係数)が上がり省エネルギー性を高めることができる。
室外ユニット10の能力は、循環する水の(密度)×(流量)×(比熱)×(温度差)から求められることから、流量を変更することで能力を変更することができる。
【0070】
また本実施形態によれば、デフロスト運転頻度が高い室外ユニット10の目標流量を低減することから、デフロスト運転に入りやすい室外ユニット10の負荷を減らすことができる。これにより、デフロスト運転頻度が高い室外ユニット10の着霜の進行を遅らせることが可能となる。
【0071】
また本実施形態によれば、デフロスト運転頻度が高い室外ユニット10の目標流量の低減分だけ、デフロスト運転頻度が低い他の室外ユニット10の目標流量を増加させることから、室外ユニット10全体の目標流量を変更することなく、デフロスト運転頻度のばらつきを抑制することができ、冷温水系統の水温変動を抑制することができる。全体のデフロスト回数が低減するとともに、デフロスト運転頻度が低い、すなわちCOPの高い室外ユニット10の流量を多くするため、効率の良い運転が可能となり、省エネルギー性を高めることができる。
【0072】
また本実施形態によれば、空気調和装置1の運転開始後、一の室外ユニット10において最初にデフロスト運転が開始された時に第1パラメータ検知部56が検知した各室外ユニット10の第1パラメータの値に基づき、各室外ユニット10に対し目標流量を分配することから、全ての室外ユニット10がデフロスト運転となるのを待たずに、各室外ユニット10のうち最初の室外ユニット10がデフロスト運転を開始した時点で第1パラメータを用いて目標流量を分配することができる。これにより、実際の運転状況への対応をより早く行うことができ、デフロスト運転の頻度を減らし、デフロスト運転の頻度を平準化して効率の良い運転が可能となり、COP(成績係数)が上がり省エネルギー性を高めることができる。
【0073】
また本実施形態によれば、第1パラメータとして、運転電流、ファン入力電流、蒸発温度、または圧縮機入口圧力のいずれかを用いることから、いずれも既設のセンサにより取得可能な値であるため、新たな設備を必要とすることなくデフロスト運転の頻度の平準化を行うことができる。
【0074】
また本実施形態によれば、冷却運転において、各室外ユニット10の第2パラメータの値に基づき、各室外ユニット10に対しそれぞれの目標流量を分配し、これに基づき室外ユニット10に対応するポンプ80を制御することから、例えば設置環境を起因として第2パラメータの値にばらつきが生じている場合に効率の悪い室外ユニット10の負荷を減らすため、室外ユニット10全体の省エネルギー性を高めることができる。
【0075】
また本実施形態によれば、第2パラメータの値が大きい室外ユニット10の目標流量を低減することから、効率の悪い室外ユニット10の負荷を減らすことができる。これにより、効率の悪い室外ユニット10の稼働率を低減し、省エネルギー性を高めることが可能となる。
【0076】
また本実施形態によれば、第2パラメータの値が大きい室外ユニット10の目標流量の低減分だけ、第2パラメータの値が小さい他の室外ユニット10の目標流量を増加させることから、室外ユニット10全体の目標流量を変更することなく、効率のばらつきを抑制することができる。これにより、COPの高い室外ユニットの流量を多くするため、効率の良い運転が可能となり、省エネルギー性を高めることができる。
例えば、冷却運転において、複数の室外ユニット10が集合設置されている場合、中央部に設置されている室外ユニット10は、外部の新しい空気ではなく自ユニットまたは他のユニットから排出された空気を吸い込みやすいため内部に熱がこもりやすい。そのため、温度が上昇して効率が悪くなる。
これに対して、端に設置されている室外ユニット10は、外部の新しい空気を吸い込むことができるとともに、放熱しやすい。よって、効率の良い運転が可能であり、能力を出すことができる。
室外ユニット10の温度上昇は機器寿命に影響を及ぼす可能性があり、中央部に設置されている室外ユニット10の温度が上昇すると他の室外ユニット10よりも劣化が進行することが考えられるが、効率のばらつきが抑制されて温度上昇量が抑えられるため、高温による機器寿命への影響についても抑制することができる。
【0077】
また本実施形態によれば、冷却運転において、各室外ユニット10の第2パラメータの値に基づき、各室外ユニット10に備えられた散水器73の散水流量を分配することから、例えば設置環境を起因として第2パラメータの値にばらつきが生じている場合に効率の悪い室外ユニット10の散水流量を増やすため、室外ユニット10全体の省エネルギー性を高めることができる。
【0078】
また本実施形態によれば、第2パラメータの値が大きい室外ユニット10の散水流量を増加させることから、効率の悪い室外ユニット10の散水流量を増加することができる。これにより、効率の悪い室外ユニット10の冷却を進行させ、省エネルギー性を高めることが可能となる。
【0079】
また本実施形態によれば、第2パラメータの値が大きい室外ユニット10の散水流量の増加分だけ、第2パラメータの値が小さい他の室外ユニット10の散水流量を低減させることから、室外ユニット10全体の散水流量を変更することなく、各室外ユニット10の冷却度合のばらつきを抑制することができる。これにより、効率の良い運転が可能となり、省エネルギー性を高めることができる。
【0080】
また本実施形態によれば、第2パラメータとして、室外ユニット10に備えられた散水器73の散水流量を制御する開閉弁70の開頻度、圧縮機吐出圧力、外気温度、運転電流、または凝縮温度のいずれかを用いることから、いずれも既設のセンサ等により取得可能な値であるため、新たな設備を必要とすることなく省エネルギー性を高めることができる。
【0081】
以上、本発明の一実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更なども含まれる。
【0082】
たとえば、上述した実施形態においては毎回目標流量制御または散水流量制御を行うとしたが、制御を行ったうえで各室外ユニット10毎の目標流量または散水流量を記憶してその値を用いるとしてもよい。
加熱運転の場合は、日によって気象条件(降雪量、風向、風速、天候等)が異なり、それにより室外ユニット10のデフロスト運転頻度も異なる。よって、気象条件が前日と大きく異ならない場合には、前日のデフロスト運転頻度に基づく目標流量を用いてもよい。
冷却運転の場合は、主に夏季であり、日によって大きな差が発生しない。よって、前日と同じ目標流量を用いてもよいし、夏季の間(期間はユーザが設定可能)は同じ流量を用いてもよい。
【0083】
また、上述した実施形態においては、目標流量または散水流量の制御を行うとしたが、圧縮機30の回転数、圧縮機30の運転電流、室外ファン27の回転数、または外部負荷の設定温度の制御を行うとしてもよい。制御対象は、上記に限らず、相関する指標であればよい。
【符号の説明】
【0084】
1 空気調和装置
10 室外ユニット
20 空気熱交換器
30 圧縮機
35 水熱交換器
50 制御装置
90 水配管
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8