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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-204921(P2018-204921A)
(43)【公開日】2018年12月27日
(54)【発明の名称】人検知装置および方法
(51)【国際特許分類】
   F24F 11/62 20180101AFI20181130BHJP
   G01J 1/42 20060101ALI20181130BHJP
   G01V 8/12 20060101ALI20181130BHJP
   G01V 8/10 20060101ALI20181130BHJP
   F24F 120/00 20180101ALN20181130BHJP
【FI】
   F24F11/02 S
   G01J1/42 N
   G01V9/04 J
   G01V9/04 S
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2017-114166(P2017-114166)
(22)【出願日】2017年6月9日
(71)【出願人】
【識別番号】000006666
【氏名又は名称】アズビル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(74)【代理人】
【識別番号】100064621
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 政樹
(72)【発明者】
【氏名】野口 貴史
【テーマコード(参考)】
2G065
2G105
3L260
【Fターム(参考)】
2G065AA04
2G065AB02
2G065BA11
2G065BC33
2G065DA15
2G105AA01
2G105BB16
2G105CC04
2G105EE06
2G105HH01
2G105KK06
3L260BA80
3L260CA02
3L260CA23
3L260CA29
3L260CB85
3L260FC32
3L260FC33
3L260HA01
3L260JA01
3L260JA11
3L260JA18
(57)【要約】
【課題】居室者の在席状況や共用設備の利用状況を容易に確認できるようにする。
【解決手段】人追跡部15が、取得した熱画像を時系列で画像処理して高温部分を追跡することにより人位置を検知し、人検知判定部16が、検知された人位置と人検知情報に登録されている座席のそれぞれの座席位置とを比較して座席位置における人の検知有無を判定し、状況データ生成部17が、各座席に関する人検知有無に基づいて区画の居室者に関する在席状況または共用設備の利用状況を生成し、配信処理部18が、在席状況または利用状況を利用者端末20へ配信する。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
区画に設置された熱画像センサで検出した熱画像から、前記区画に存在する人の人位置を検知する人検知装置であって、
前記熱画像センサで検出した熱画像を周期的に取得する熱画像取得部と、
取得した前記熱画像を時系列で画像処理して、前記区画の床面温度より高い高温部分を追跡することにより、前記区画に存在する人の人位置を検知する人追跡部と、
前記区画に設置されている座席ごとに、前記座席の座席位置と前記座席位置における人検知有無とが登録されている人検知情報を記憶する記憶部と、
前記人追跡部で検知された人位置と前記人検知情報に登録されている前記座席のそれぞれの座席位置とを比較することにより、前記座席位置における人の検知有無を判定し、前記人検知情報の人検知有無を更新する人検知判定部と、
前記人検知情報に登録されている前記区画の各座席に関する人検知有無に基づいて、前記区画内に存在する人の検知状況を示す状況データを生成する状況データ生成部と、
通信回線を介して接続された利用者端末からの状況要求に応じて、前記区画の状況データを前記利用者端末へ配信する配信処理部と
を備えることを特徴とする人検知装置。
【請求項2】
請求項1に記載の人検知装置において、
前記状況データ生成部は、前記人検知情報に登録されている前記区画の居室者に関する座席の人検知有無に基づいて、前記居室者の在席状況として在席または離席を示す状況データを生成することを特徴とする人検知装置。
【請求項3】
請求項2に記載の人検知装置において、
前記配信処理部は、前記利用者端末から、前記区画の任意の座席を対象座席とし、前記対象座席に関する在席または離席を通知内容とする通知条件を受け付けて前記記憶部に保存し、前記状況データが新たに生成された場合、前記記憶部の通知条件で指定された前記対象座席に関する在席状況を確認し、前記在席状況が変化して前記通知内容で指定された在席または離席と一致した場合、前記通知条件で指定された利用者端末へ前記通知内容を示す通知データを配信することを特徴とする人検知装置。
【請求項4】
請求項1〜請求項3のいずれかに記載の人検知装置において、
前記状況データ生成部は、前記人検知情報に登録されている前記区画の共用設備に関する座席の人検知有無に基づいて、前記共用設備の利用状況として利用可または利用可否を示す状況データを生成することを特徴とする人検知装置。
【請求項5】
請求項4に記載の人検知装置において、
前記配信処理部は、前記利用者端末から、前記区画の任意の共用設備を対象共用設備とし、前記対象共用設備に関する利用可または利用不可を通知内容とする通知条件を受け付けて前記記憶部に保存し、前記状況データが新たに生成された場合、前記記憶部の通知条件で指定された前記対象共用設備に関する利用状況を確認し、前記利用状況が変化して前記通知内容で指定された利用可または利用不可と一致した場合、前記通知条件で指定された利用者端末へ前記通知内容を示す通知データを配信することを特徴とする人検知装置。
【請求項6】
区画に設置された熱画像センサで検出した熱画像から、前記区画に存在する人の人位置を検知する人検知装置で用いられる人検知方法であって、
熱画像取得部が、前記熱画像センサで検出した熱画像を周期的に取得する熱画像取得ステップと、
人追跡部が、取得した前記熱画像を時系列で画像処理して、前記区画の床面温度より高い高温部分を追跡することにより、前記区画に存在する人の人位置を検知する人追跡ステップと、
記憶部が、前記区画に設置されている座席ごとに、前記座席の座席位置と前記座席位置における人検知有無とが登録されている人検知情報を記憶する記憶ステップと、
人検知判定部が、前記人追跡部で検知された人位置と前記人検知情報に登録されている前記座席のそれぞれの座席位置とを比較することにより、前記座席位置における人の検知有無を判定し、前記人検知情報の人検知有無を更新する人検知判定ステップと、
状況データ生成部が、前記人検知情報に登録されている前記区画の各座席に関する人検知有無に基づいて、前記区画内に存在する人の検知状況を示す状況データを生成する状況データ生成ステップと、
配信処理部が、通信回線を介して接続された利用者端末からの状況要求に応じて、前記区画の状況データを前記利用者端末へ配信する配信処理ステップと
を備えることを特徴とする人検知方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、区画から検出した熱画像に基づいて区画に存在する人の人位置を検知する人検知技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、空調制御システムとして、人が存在する区画を特定して快適な空調環境に制御し、人のいない区画については、空調や照明を停止させる技術が提案されている(例えば、特許文献1−2など参照)。このようなシステムでは、区画に存在する人を検知する技術として、壁や天井に取り付けた複数の赤外線センサで区画の熱画像(サーモグラフィ)を検出し、得られた区画床面の温度分布から人の表面温度を示す人領域を抽出することにより、人を検知している。
【0003】
熱画像を検出する赤外線センサの1つとして、サーモパイルアレイセンサがある。サーモパイルアレイセンサを天井に設置して熱画像を検出し、区画床面の温度分布を計測すると、発熱体である人間は床面よりも高い温度で検出される。この際、解像度の高いサーモパイルアレイセンサを用いることで、約10cm単位で人の位置情報の取得も可能となる。一定のフレームレートで熱画像を検出して区画床面の温度分布を計測し続けることにより、人の移動を追跡することができ、区画内における人の位置情報をリアルタイムに検出することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012−057840号公報
【特許文献2】特開2016−070756号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
オフィスのように人が複数の区画を利用するような施設では、区画の居室者に関する在席状況や、区画に設けられている打合せ卓や会議卓などの共用設備の利用状況など、区画に存在する人の検知状況が、利用者にとって有用となる。例えば、フロアや区画が異なる任意の区画の相手の在席状況が得られれば、相手が不在である場合には、利用者が相手席へ電話をしたり相手席まで出向いたりというような、無駄な試みを予め回避でき、相手へのコンタクトに要する利用者負担を軽減できる。また、フロアや区画が異なる任意の区画共用設備の利用状況が得られれば、共用設備が利用されているか否かを確認するために共用設備まで出向く必要がないため、利用状況の確認に要する利用者負担を軽減できる。
【0006】
しかしながら、前述したような従来技術にかかる人検知技術は、区画に設けられている空調設備や照明設備などの設備の制御に用いることを目的としており、得られる人検知結果は、区画に設定したX−Y座標系における座標値からなる人位置である。このような人位置を利用者端末に配信しても、利用者が所望の区画における在席状況や利用状況を容易に確認することは難しいという問題点があった。
【0007】
本発明はこのような課題を解決するためのものであり、居室者の在席状況や共用設備の利用状況を容易に確認できる人検知技術を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
このような目的を達成するために、本発明にかかる人検知装置は、区画に設置された熱画像センサで検出した熱画像から、前記区画に存在する人の人位置を検知する人検知装置であって、前記熱画像センサで検出した熱画像を周期的に取得する熱画像取得部と、取得した前記熱画像を時系列で画像処理して、前記区画の床面温度より高い高温部分を追跡することにより、前記区画に存在する人の人位置を検知する人追跡部と、前記区画に設置されている座席ごとに、前記座席の座席位置と前記座席位置における人検知有無とが登録されている人検知情報を記憶する記憶部と、前記人追跡部で検知された人位置と前記人検知情報に登録されている前記座席のそれぞれの座席位置とを比較することにより、前記座席位置における人の検知有無を判定し、前記人検知情報の人検知有無を更新する人検知判定部と、前記人検知情報に登録されている前記区画の各座席に関する人検知有無に基づいて、前記区画内に存在する人の検知状況を示す状況データを生成する状況データ生成部と、通信回線を介して接続された利用者端末からの状況要求に応じて、前記区画の状況データを前記利用者端末へ配信する配信処理部とを備えている。
【0009】
また、本発明にかかる上記人検知装置の一構成例は、前記状況データ生成部が、前記人検知情報に登録されている前記区画の居室者に関する座席の人検知有無に基づいて、前記居室者の在席状況として在席または離席を示す状況データを生成するようにしたものである。
【0010】
また、本発明にかかる上記人検知装置の一構成例は、前記配信処理部が、前記利用者端末から、前記区画の任意の座席を対象座席とし、前記対象座席に関する在席または離席を通知内容とする通知条件を受け付けて前記記憶部に保存し、前記状況データが新たに生成された場合、前記記憶部の通知条件で指定された前記対象座席に関する在席状況を確認し、前記在席状況が変化して前記通知内容で指定された在席または離席と一致した場合、前記通知条件で指定された利用者端末へ前記通知内容を配信するようにしたものである。
【0011】
また、本発明にかかる上記人検知装置の一構成例は、前記状況データ生成部が、前記人検知情報に登録されている前記区画の共用設備に関する座席の人検知有無に基づいて、前記共用設備の利用状況として利用可または利用可否を示す状況データを生成するようにしたものである。
【0012】
また、本発明にかかる上記人検知装置の一構成例は、前記配信処理部が、前記利用者端末から、前記区画の任意の共用設備を対象共用設備とし、前記対象共用設備に関する利用可または利用不可を通知内容とする通知条件を受け付けて前記記憶部に保存し、前記状況データが新たに生成された場合、前記記憶部の通知条件で指定された前記対象共用設備に関する利用状況を確認し、前記利用状況が変化して前記通知内容で指定された利用可または利用不可と一致した場合、前記通知条件で指定された利用者端末へ前記通知内容を配信するようにしたものである。
【0013】
また、本発明にかかる人検知方法は、区画に設置された熱画像センサで検出した熱画像から、前記区画に存在する人の人位置を検知する人検知装置で用いられる人検知方法であって、熱画像取得部が、前記熱画像センサで検出した熱画像を周期的に取得する熱画像取得ステップと、人追跡部が、取得した前記熱画像を時系列で画像処理して、前記区画の床面温度より高い高温部分を追跡することにより、前記区画に存在する人の人位置を検知する人追跡ステップと、記憶部が、前記区画に設置されている座席ごとに、前記座席の座席位置と前記座席位置における人検知有無とが登録されている人検知情報を記憶する記憶ステップと、人検知判定部が、前記人追跡部で検知された人位置と前記人検知情報に登録されている前記座席のそれぞれの座席位置とを比較することにより、前記座席位置における人の検知有無を判定し、前記人検知情報の人検知有無を更新する人検知判定ステップと、状況データ生成部が、前記人検知情報に登録されている前記区画の各座席に関する人検知有無に基づいて、前記区画内に存在する人の検知状況を示す状況データを生成する状況データ生成ステップと、配信処理部が、通信回線を介して接続された利用者端末からの状況要求に応じて、前記区画の状況データを前記利用者端末へ配信する配信処理ステップとを備えている。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、利用者は、フロアや区画が異なる任意の区画の居室者の在席状況や共用設備の利用状況を容易に確認することが可能となる。このため、居室者の在席状況が得られれば、相手が不在である場合には、利用者が相手席へ電話をしたり相手席まで出向いたりというような、無駄な試みを予め回避することが可能となる。また、共用設備の利用状況が得られれば、共用設備が利用されているか否かを確認するために共用設備まで出向く必要がないため、利用状況の確認に要する利用者負担を軽減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】第1の実施の形態にかかる人検知システムの構成を示すブロック図である。
図2】第1の実施の形態にかかる座席の配置例である。
図3】第1の実施の形態にかかる人検知情報の構成例である。
図4】第1の実施の形態にかかる状況データ生成動作および状況データ配信動作を示すシーケンス図である。
図5】状況データ(在席状況)の画面表示例である。
図6】第2の実施の形態にかかる座席の配置例である。
図7】第2の実施の形態にかかる人検知情報の構成例である。
図8】状況データ(利用状況)の画面表示例である。
図9】通知条件の構成例である。
図10】第3の実施の形態にかかる通知データ配信動作を示すシーケンス図である。
図11】通知データの画面表示例である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
[第1の実施の形態]
まず、図1を参照して、本発明の第1の実施の形態にかかる人検知システム1について説明する。図1は、第1の実施の形態にかかる人検知システムの構成を示すブロック図である。
この人検知システム1は、オフィスなどのように人が複数の区画を利用するような施設に設けられて、各区画で得られた熱画像に基づいた人検知結果を、利用者へ提供するシステムである。本実施の形態では、人検知結果から区画の居室者に関する在席状況を生成して利用者に配する場合について説明する。
【0017】
人検知システム1は、複数の熱画像センサTと人検知装置10とを備えている。
熱画像センサTは、サーモパイルセンサなどの一般的な熱画像センサからなり、区画Dの天井Sや壁(図示せず)に配置されて、区画Dの床面の熱画像を検出するセンサ端末である。この際、これら熱画像センサTは、例えば区画Dの天井に、それぞれの撮像エリアが交差するような間隔でマトリクス状に配置されている。
なお、このようにして熱画像センサTが設置されている区画Dが複数あれば、これら複数の区画Dを人検知システム1の検知対象とすることができる。
【0018】
人検知装置10は、全体としてサーバ装置などの情報処理装置からなり、通信回線L1を介して各熱画像センサTから取得した熱画像を画像処理し、得られた人の検知結果から在席状況を生成し、通信回線L2を介して利用者端末20へ配信する装置である。
利用者端末20は、通信回線L2を介して人検知装置10と接続されたPC、タブレット、スマートホンなどの情報処理端末からなり、例えばブラウザでの利用者操作に応じて人検知装置10にアクセスすることにより、任意の区画Dの在席状況を取得して画面表示する機能を有している。
【0019】
[人検知装置]
人検知装置10は、主な機能部として、センサI/F部11、通信I/F部12、記憶部13、熱画像取得部14、人追跡部15、人検知判定部16、状況データ生成部17、および配信処理部18が設けられている。これら機能部のうち、熱画像取得部14、人追跡部15、人検知判定部16、状況データ生成部17、および配信処理部18は、中央処理装置(CPU)とプログラムとが協働することにより実現されている。
【0020】
センサI/F部11は、通信回線L1を介して区画Dに配置された各熱画像センサTとデータ通信を行う機能を有している。
通信I/F部12は、通信回線L2を介して利用者端末20とデータ通信を行う機能を有している。
【0021】
記憶部13は、ハードディスクや半導体メモリなどの記憶装置からなり、人検知装置10での人検知処理に用いる各種の処理情報やプログラムを記憶する機能を有している。
主な処理情報として、各熱画像センサTから取得した熱画像のほか、区画Dに配置されている座席ごとの人検知結果を示す人検知情報がある。
【0022】
図2は、第1の実施の形態にかかる座席の配置例である。図3は、第1の実施の形態にかかる人検知情報の構成例である。人検知情報では、座席を識別する座席IDごとに、名前、座席位置(X座標値、Y座標値)、および人検知有無が登録されている。座席位置を表すX,Y座標値は、区画Dに予め設定した原点Oを基準とするX−Y座標系における座標値である。
【0023】
例えば、座席「P11」には、名前としてこの座席を自席とする居室者「アズビル太郎」の名前が登録されており、この座席の座席位置が「X11」,「Y11」であり、この座席位置で人が検知されていることを示す「あり」が人検知有無に登録されている。これにより、座席「P11」に居室者「アズビル太郎」が在席していることが分かる。
また、座席「P21」は、名前としてこの座席を自席とする居室者「アズビル次郎」の名前が登録されており、この座席の座席位置が「X21」,「Y21」であり、この座席位置で人が検知されていないことを示す「なし」が人検知有無に登録されている。これにより、座席「P21」に居室者「アズビル次郎」が在席していない、すなわち離席していることが分かる。
【0024】
熱画像取得部14は、センサI/F部11および通信回線L1を介して熱画像センサTで検出された熱画像を周期的に取得して記憶部13に保存する機能を有している。
人追跡部15は、記憶部13に保存されている熱画像を時系列で画像処理して、熱画像に含まれている床面の床面温度よりも高い高温部分を人として追跡することにより区画Dに存在する人の人位置を検知する機能を有している。ここでの追跡手法については、例えば特許文献2などの公知の手法を用いればよい。
【0025】
人検知判定部16は、人追跡部15で得られた人位置と、記憶部13の人検知情報に登録されている各座席の座席位置とを比較することにより、これら座席位置で人が検知されたか否かを示す人検知有無を判定し、得られた検知結果に基づいて記憶部13に保存されている人検知情報の人検知有無を更新する機能を有している。
各座席位置での人検知有無については、例えば、人追跡部15で得られた人位置と、人検知情報に登録されているそれぞれの座席の座席位置とを比較し、人位置と座席位置との差が許容範囲内である場合、座席位置における人の検知ありと判定すればよい。
【0026】
この際、人位置と座席位置との差が許容範囲内である時間にしきい値を設け、しきい値以上の時間にわたり継続して許容範囲内である場合にのみ、人検知ありと判定するようにしてもよい。これにより、人の移動などで僅かな時間だけ許容範囲内となる場合には、人検知ありと判定されないことになり、結果として人検知有無を正確に判定できる。
【0027】
状況データ生成部17は、記憶部13の人検知情報に登録されている、区画Dの各座席に関する人検知有無に基づいて、区画D内に存在する人の検知状況、具体的には区画Dの居室者に関する在席状況を示す状況データを生成し、記憶部13に保存する機能を有している。任意の座席の人検出有無が検出ありを示す場合、この座席の居室者の在席状況は在席となり、人検出有無が検出なしを示す場合、在席状況は離席となる。
【0028】
配信処理部18は、通信回線L2および通信I/F部12を介して受信した利用者端末20からの状況要求に応じて、記憶部13から区画Dの状況データを取得し、通信I/F部12および通信回線L2を介して利用者端末20へ配信する機能とを有している。利用者端末20に対して配信する状況データについては、HTMLなどの記述言語を用いて作成したWeb画面で配信してもよく、メールやメッセージで配信してもよい。
【0029】
[第1の実施の形態の動作]
次に、図4を参照して、本実施の形態にかかる人検知装置10の動作について説明する。図4は、第1の実施の形態にかかる状況データ生成動作および状況データ配信動作を示すシーケンス図である。ここでは、状況データが居室者の在席状況からなる場合を例として説明する。
【0030】
[状況データ生成動作]
まず、在席状況の生成動作について説明する。
熱画像センサTは、熱画像の送信タイミングが到来した場合(ステップ100)、区画Dの熱画像を検出し(ステップ101)、検出した熱画像を人検知装置10へ送信する(ステップ102)。
この際、熱画像センサTは、人検知装置10からの取得要求に応じて、検出した熱画像を人検知装置10へ返送するようにしてもよい。
【0031】
熱画像取得部14は、熱画像センサTから自律的に送信される熱画像を受信することにより区画Dの熱画像を取得し、記憶部13に保存する(ステップ103)。
人追跡部15は、記憶部13に保存されている時系列の熱画像を画像処理し、床面温度よりも高い温度部分を人として追跡することにより、区画Dにおける人の位置を検知する人追跡処理を実行する(ステップ104)。
【0032】
次に、人検知判定部16は、人追跡部15で得られた人位置と、記憶部13の人検知情報に登録されている各座席の座席位置とを比較することにより、これら座席位置で人が検知されたか否かを示す人検知有無を判定し、得られた検知結果に基づいて記憶部13に保存されている人検知情報の人検知有無を更新する(ステップ105)。
【0033】
この後、状況データ生成部17は、記憶部13の人検知情報に登録されている、区画Dの各座席に関する人検知有無に基づいて、区画Dの居室者に関する在席状況を示す状況データを生成して、記憶部13に保存し(ステップ106)、一連の状況データ生成動作を終了する。
【0034】
[状況データ配信動作]
次に、状況データ配信動作について説明する。
利用者端末20は、例えばブラウザにより、区画Dの状況データを要求する状況要求操作が行われた場合(ステップ110)、利用者端末20から通信回線L2を介して人検知装置10へ状況要求が送信される(ステップ111)。
【0035】
人検知装置10の配信処理部18は、通信I/F部12を介して利用者端末20から状況要求を受信した場合、指定された区画Dに関する状況データを記憶部13から取得し(ステップ112)、得られた状況データを要求元の利用者端末20へ配信する(ステップ113)。
利用者端末20は、人検知装置10から配信された在席データを受信した場合、受信した状況データをブラウザにより画面表示し(ステップ114)、一連の状況データ配信動作を終了する。
【0036】
図5は、状況データ(在席状況)の画面表示例である。ここでは、区画Dの座席配置が、椅子、机、卓を示す図形シンボルで表示されており、図形シンボルの色柄で、在席/離席(着席/空席)が識別表示されている。これにより、利用者は、区画Dの各居室者に関する在席状況、すなわち在席/離席の状況を、極めて容易に確認することができる。
【0037】
なお、状況データについては、図5に示したような図形シンボルを用いたWeb画面形式に限定されるものではない。例えば、人検知情報に含まれる居室者の名前ごとに、対応する人検知有無に基づく在席/離席を示す在席リストを、Web画面形式で表したものであってもよい。また、在席リストをテキスト形式で生成し、メールやメッセージで配信してもよい。
【0038】
[第1の実施の形態の効果]
このように、本実施の形態は、人追跡部15が、取得した熱画像を時系列で画像処理して高温部分を追跡することにより人位置を検知し、人検知判定部16が、検知された人位置と人検知情報に登録されている座席のそれぞれの座席位置とを比較して座席位置における人の検知有無を判定し、状況データ生成部17が、各座席に関する人検知有無に基づいて区画D内に存在する人の検知状況を示す状況データを生成し、配信処理部18が、状況データを利用者端末20へ配信するようにしたものである。
【0039】
より具体的には、状況データ生成部17が、人検知情報に登録されている区画Dの居室者に関する座席の人検知有無に基づいて、居室者の在席状況として在席または離席を示す状況データを生成するようにしたものである。
【0040】
これにより、区画Dの熱画像から検知した人位置に基づいて座席位置における人の検知有無が判定され、この人検知有無から生成された区画D内に存在する人の検知状況を示す状況データが、利用者端末20に配信されて画面表示されることになる。したがって、利用者は、フロアや区画が異なるなど目視で確認できない場合でも、区画D内に存在する人の検知状況、具体的には、居室者の在席状況を、利用者の手元にある利用者端末20から遠隔で容易に確認することが可能となる。このため、相手が不在である場合には、利用者が相手席へ電話をしたり相手席まで出向いたりというような、無駄な試みを予め回避することが可能となる。
【0041】
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態にかかる人検知装置10について説明する。
第1の実施の形態では、人検知装置10において、区画Dの検知状況として居室者の在席状況を、状況データで配信する場合を例として説明した。本実施の形態では、区画Dの検知状況として、在席状況に代えて、区画Dに設けられている打合せ卓や会議卓などの共用設備の利用状況を、状況データで配信する場合について説明する。
【0042】
状況データ生成部17は、記憶部13の人検知情報に登録されている、区画Dの各座席に関する人検知有無に基づいて、区画Dの共用設備に関する利用状況を示す状況データを生成し、記憶部13に保存する機能を有している。本実施の形態にかかる人検知装置10の構成については、図1と同様であり、ここでの詳細な説明は省略する。
【0043】
図6は、第2の実施の形態にかかる座席の配置例である。図7は、第2の実施の形態にかかる人検知情報の構成例である。人検知情報では、座席を識別する座席IDごとに、名前、X座標、Y座標、および人検知有無が登録されている。X,Y座標は、区画Dに予め設定した原点Oを基準とするX−Y座標系における座標値である。
【0044】
例えば、座席「P41」には、名前としてこの座席の共用設備「打合せ卓A」が登録されており、この座席の座席位置が「X41」,「Y41」であり、この座席位置で人が検知されていないことを示す「なし」が人検知有無に登録されている。この際、共用設備「打合せ卓A」の他の座席「P42」の人検知有無も「なし」を示していることから、共用設備「打合せ卓A」は利用されておらず、利用可であることが分かる。
【0045】
また、座席「P51」には、名前としてこの座席の共用設備「会議卓C」が登録されており、この座席の座席位置が「X51」,「Y51」であり、この座席位置で人が検知されていることを示す「あり」が人検知有無に登録されている。これにより、共用設備「会議卓C」が利用されており、利用不可であることが分かる。
【0046】
一般的には、共用設備に設けられている座席のすべてについて人検知なしであれば、その共用設備は誰も利用していないことになる。このため、状況データ生成部17は、この共用設備を利用可と判定する。また、共用設備に設けられている座席のいずれか1つでも人検知ありであれば、その共用設備は誰かが利用していることになる。このため、状況データ生成部17は、この共用設備を利用不可と判定する。
【0047】
図8は、状況データ(利用状況)の画面表示例である。ここでは、区画Dの座席配置が、椅子、机、卓を示す図形シンボルで表示されており、図形シンボルの色柄で、在席/離席(着席/空席)が識別表示されている。これにより、利用者は、区画Dの共用設備に関する利用状況、すなわち利用可否の状況を、極めて容易に確認することができる。
【0048】
なお、利用状況については、図8に示したような図形シンボルを用いたWeb画面形式に限定されるものではない。例えば、人検知情報に含まれる共用設備の名前ごとに、対応する利用可否を示す利用可否リストを、Web画面形式で表したものであってもよい。また、利用可否リストをテキスト形式で生成し、メールやメッセージで配信してもよい。
【0049】
[第2の実施の形態の効果]
このように、本実施の形態は、人追跡部15が、取得した熱画像を時系列で画像処理して高温部分を追跡することにより人位置を検知し、人検知判定部16が、検知された人位置と人検知情報に登録されている座席のそれぞれの座席位置とを比較して座席位置における人の検知有無を判定し、状況データ生成部17が、各座席に関する人検知有無に基づいて区画Dの共用設備に関する利用状況を示す状況データ生成し、配信処理部18が、状況データを利用者端末20へ配信するようにしたものである。
【0050】
これにより、区画Dの熱画像から検知した人位置に基づいて座席位置における人の検知有無が判定され、この人検知有無から生成された区画Dの共用設備に関する利用状況を示す状況データが利用者端末20に配信されて画面表示されることになる。したがって、利用者が、フロアや区画が異なるなど目視で確認できない場合でも、共用設備の利用状況を容易に確認することが可能となる。このため、共用設備の利用状況が得られれば、共用設備が利用されているか否かを確認するために共用設備まで出向く必要がないため、利用状況の確認に要する利用者負担を軽減することが可能となる。
【0051】
[第3の実施の形態]
次に、本発明の第3の実施の形態にかかる人検知装置10について説明する。
前述した第1および第2の実施の形態では、利用者端末20からの状況要求に応じて人検知装置10から、区画Dの在席状況や利用状況を示す状況データを配信する場合を例として説明した。本実施の形態では、予め設定された在席状況や利用状況に関する通知条件が成立した場合に、指定された在席状況や利用状況を示す通知データを、人検知装置10から利用者端末20に配信する場合について説明する。
【0052】
図9は、通知条件の構成例である。ここでは、通知条件を識別する条件IDごとに、検知対象を示す座席ID、共用設備ID、通知内容、および通知先が登録されている。
例えば、条件「J01」については、検知対象として座席「P11」すなわち「アズビル太郎」が登録されており、通知内容として「在席」すなわち「アズビル太郎」が自席に戻ったことを通知するよう登録されている。通知先として利用者の識別情報、例えばメールアドレスや利用者端末20のIPアドレスが登録されている。
【0053】
また、条件「J02」については、検知対象として会議卓「C」が登録されており、通知内容として「利用可」となったことを通知するよう登録されている。また、通知先として利用者の識別情報、例えば利用者のメールアドレスや利用者端末20のIPアドレスが登録されている。
【0054】
配信処理部18は、利用者端末20から通知条件を受け付けて記憶部13に保存する機能と、記憶部13の在席状況や利用状況が更新された時点で、記憶部13の通知条件が成立するか確認し、成立した場合には、指定された在席状況や利用状況である通知内容を示す通知データを、その通知条件で指定された利用者端末20へ配信する機能を有している。通知データについては、メールやメッセージで配信すればよい。
【0055】
例えば、対象座席に関する在席または離席を通知内容とする通知条件が設定された場合、配信処理部18は、検知状況を示す状況データが更新された時点で、その通知条件で指定された対象座席に関する在席状況が変化して、通知内容で指定された在席または離席と一致し、通知条件が成立した場合、通知条件で指定された利用者端末20へ通知内容を示す通知データを配信する。
【0056】
また、対象共用設備に関する利用可または利用不可を通知内容とする通知条件が設定された場合、配信処理部18は、利用状況を示す状況データが更新された時点で、その通知条件で指定された対象共用設備に関する利用状況が、通知内容で指定された利用可または利用不可となって通知条件が成立した場合、通知条件で指定された利用者端末20へ通知内容を示す通知データを配信する。
【0057】
この際、通知条件に登録されている検知対象が共用設備である場合、第2の実施の形態で説明した利用状況の利用不可判定と同様にして、通知条件の成立有無を判定すればよい。すなわち、配信処理部18は、共用設備に設けられている座席のすべてについて人検知なしであれば利用可と判定し、共用設備に設けられている座席のいずれか1つでも人検知ありであれば利用不可と判定する。
【0058】
[第3の実施の形態の動作]
次に、図10を参照して、本実施の形態にかかる人検知装置10の動作について説明する。図10は、第3の実施の形態にかかる通知データ配信動作を示すシーケンス図である。
ここでは、通知データ配信動作について説明する。なお、状況データ生成動作や利用状況生成動作については、前述した図4と同様であり、ここでの詳細な説明は省略する。
【0059】
[通知データ配信動作]
人検知装置10の配信処理部18は、状況データが状況データ生成部17により新たに生成された場合、その状況データを記憶部13から取得するとともに(ステップ300)、記憶部13から通知条件を取得する(ステップ301)。
【0060】
次に、配信処理部18は、状況データに基づいて通知条件に登録されている個々の条件が成立するか確認し(ステップ302)、成立した条件に登録されている通知内容を示す通知データを、その条件で通知先として登録されている利用者端末20へ配信する(ステップ303)。
利用者端末20は、人検知装置10から配信された通知内容を受信した場合、受信した通知内容を画面表示し(ステップ304)、一連の通知データ配信動作を終了する。
【0061】
図11は、通知データの画面表示例である。図11(a)では、図9の条件「J01」が成立した場合の通知例が示されており、検知対象である座席「P11」の居室者「アズビル太郎」が、在席、すなわち自席に戻ったことが通知データで通知されている。また、図11(b)では、図9の条件「J02」が成立した場合の通知例が示されており、検知対象である共用設備「会議卓C」が、利用可となったことが通知データで通知されている。
【0062】
[第3の実施の形態の効果]
このように、本実施の形態は、配信処理部18が、利用者端末20から、区画の任意の座席や共用設備を検知対象とし、検知対象に関する在席/離席や利用可否を通知内容とする通知条件を受け付けて記憶部13に保存し、状況データが更新された場合、記憶部13の通知条件で指定された、検知対象である対象座席に関する検知状況や、対象共用設備に関する利用状況が、通知内容で指定された在席/離席や利用可否となった場合、通知条件で指定された利用者端末20へ通知内容を示す通知データを配信するようにしたものである。
【0063】
これにより、利用者端末20から検知状況や利用状況に関する状況要求を送信することなく、任意の検知対象に関する在席/離席や利用可否が、利用者端末20に自動的に配信されることになる。したがって、検知状況や利用状況の確認に関する利用者の操作負担を大幅に軽減できる。
【0064】
また、共用設備を予約システムでの予約管理している場合には、人検知装置10が予約システムと連携し、共用設備の利用開始の検出に応じて予約システムに共用設備の利用を自動予約し、共用設備の利用終了の検出に応じて予約システムに共用設備の予約を自動解除するようにしてもよい。これにより、予約システムに対する利用者の予約操作負担を大幅に削減できる。
【0065】
[実施の形態の拡張]
以上、実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解しうる様々な変更をすることができる。また、各実施形態については、矛盾しない範囲で任意に組み合わせて実施することができる。
【符号の説明】
【0066】
1…人検知システム、10…人検知装置、11…センサI/F部、12…通信I/F部、13…記憶部、14…熱画像取得部、15…人追跡部、16…人検知判定部、17…状況データ生成部、18…配信処理部、20…利用者端末、T…熱画像センサ、D…区画、L1,L2…通信回線。
図1
図2
図3
図4
図5
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