特開2018-204926(P2018-204926A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-204926(P2018-204926A)
(43)【公開日】2018年12月27日
(54)【発明の名称】冷蔵庫
(51)【国際特許分類】
   F25D 23/02 20060101AFI20181130BHJP
【FI】
   F25D23/02 305Z
   F25D23/02 304E
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2017-114284(P2017-114284)
(22)【出願日】2017年6月9日
(71)【出願人】
【識別番号】503376518
【氏名又は名称】東芝ライフスタイル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000567
【氏名又は名称】特許業務法人 サトー国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】元井 啓順
【テーマコード(参考)】
3L102
【Fターム(参考)】
3L102JA01
3L102KC06
3L102KC07
3L102KC08
3L102KC11
(57)【要約】
【課題】扉が貯蔵室を閉じた状態において冷蔵庫本体の前端面と扉の裏面との間に形成される隙間を小さくすることができ、密閉性および断熱性の向上を図ることができる冷蔵庫を提供する。
【解決手段】本実施形態に係る冷蔵庫は、貯蔵室を有する冷蔵庫本体と、前記貯蔵室を開閉する扉と、前記扉の裏面であって前記冷蔵庫本体の前端面に対向する位置に設けられ、樹脂およびオイルを含む複合体と、を備え、前記複合体は、空洞を有しない非空洞状である。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
貯蔵室を有する冷蔵庫本体と、
前記貯蔵室を開閉する扉と、
前記扉の裏面であって前記冷蔵庫本体の前端面に対向する位置に設けられ、樹脂およびオイルを含む複合体と、を備え、
前記複合体は、空洞を有しない非空洞状である冷蔵庫。
【請求項2】
前記複合体は、粘着性を有する請求項1に記載の冷蔵庫。
【請求項3】
前記複合体は、磁石を備える請求項1に記載の冷蔵庫。
【請求項4】
前記複合体は、前記冷蔵庫本体の前端面にも設けられている請求項1から3の何れか1項に記載の冷蔵庫。
【請求項5】
前記扉が前記貯蔵室を閉じた状態において、前記複合体が外側に変形することを規制する規制部を備える請求項1から4の何れか1項に記載の冷蔵庫。
【請求項6】
前記複合体は、耐久性を有する請求項1から5の何れか1項に記載の冷蔵庫。
【請求項7】
前記複合体は、緩衝性を有する請求項1から6の何れか1項に記載の冷蔵庫。
【請求項8】
前記複合体は、その全体が非空洞状である請求項1から7の何れか1項に記載の冷蔵庫。
【請求項9】
前記複合体は、少なくとも一部が非空洞状である請求項1から7の何れか1項に記載の冷蔵庫。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本実施形態は、冷蔵庫に関する。
【背景技術】
【0002】
冷蔵庫は、貯蔵室を有する冷蔵庫本体と、貯蔵室を開閉する扉と、を備え、扉が貯蔵室を閉じた状態において冷蔵庫本体の前端面と扉の裏面との間をガスケットによりシールする構成となっている。この種のガスケットは、例えば特許文献1に開示されているように、内部に空洞を有しており、これにより、断熱性や緩衝性を高めている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−326114号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のガスケットでは、その内部に空洞を有する分、扉が貯蔵室を閉じた状態において冷蔵庫本体の前端面と扉の裏面との間に形成される隙間が大きくなってしまい、密閉性および断熱性を十分に向上できないおそれがある。
【0005】
そこで、本実施形態は、扉が貯蔵室を閉じた状態において冷蔵庫本体の前端面と扉の裏面との間に形成される隙間を小さくすることができ、密閉性および断熱性の向上を図ることができる冷蔵庫を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本実施形態に係る冷蔵庫は、冷蔵庫本体、扉、複合体を備える。冷蔵庫本体は、貯蔵室を有する。扉は、前記貯蔵室を開閉する。複合体は、前記扉の裏面であって前記冷蔵庫本体の前端面に対向する位置に設けられ、樹脂およびオイルを含む。前記複合体は、空洞を有しない非空洞状である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本実施形態に係る冷蔵庫の構成例を概略的に示す側面図
図2】シール部材およびその周辺部分の構成例を概略的に示す拡大図
図3】変形例に係るシール部材およびその周辺部分の構成例を概略的に示す拡大図(その1)
図4】変形例に係るシール部材およびその周辺部分の構成例を概略的に示す拡大図(その2)
図5】変形例に係るシール部材およびその周辺部分の構成例を概略的に示す拡大図(その3)
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、冷蔵庫に係る一実施形態について図面を参照しながら説明する。図1に例示する冷蔵庫10は、その外郭を構成する冷蔵庫本体11の内部に、複数の貯蔵室12を備えている。冷蔵庫本体11は、例えば樹脂材料からなる内箱11aと例えば金属材料からなる外箱11bとの間に図示しない断熱材などを備えた周知の断熱箱体により構成されている。貯蔵室12は、例えば、冷蔵温度帯に維持される冷蔵室、野菜室、冷凍温度帯に維持される冷凍室、製氷室などである。冷蔵庫10は、図示しない周知の冷凍サイクルを備えており、この冷凍サイクルにより生成される冷気が、図示しないファンによる送風作用により各貯蔵室内に供給されるようになっている。また、冷蔵庫10は、貯蔵室12を開閉する扉13を備えている。扉13は、貯蔵室12の前面開口部を開閉する回動式の扉、貯蔵室12の前面開口部を開閉する引き出し式の扉などにより構成される。
【0009】
扉13の裏面には、それぞれシール部材14が設けられている。シール部材14は、扉13が貯蔵室12を閉じた状態において、冷蔵庫本体11の前端面つまり貯蔵室12の前面開口部の周囲部と、扉13の裏面つまり貯蔵室12の前面開口部の周囲部に対向する部分と、の間をシールする。本実施形態では、このシール部材14に創意工夫を施している。次に、このシール部材14について詳細に説明する。なお、冷蔵庫本体11の前端面つまり貯蔵室12の前面開口部の周囲部は、冷蔵庫本体11を構成する外箱11bつまり金属材料により構成されている。
【0010】
シール部材14は、樹脂およびオイルを含む複合体により構成されており、本実施形態では、その全体が非空洞状となっている。即ち、シール部材14は、冷蔵庫に備えられる一般的なガスケットつまり内部に空洞を有する部材とは異なり、内部に空洞を有していない構成となっている。換言すれば、シール部材14は、内部に空洞を有しない複合体の塊により構成されている。なお、空洞とは、従来のガスケットに設けられているような、人が拡大鏡や顕微鏡などを用いなくても通常の状態で目視できるような十分な大きさを有する空洞であり、例えば拡大鏡や顕微鏡などを用いることにより目視できるような微細な空洞は含まない。
【0011】
シール部材14を構成する樹脂としては、例えば、スチレン系の可塑性エラストマーなどが考えられる。スチレン系の可塑性エラストマーは、例えば、食品保存容器の材料、人工透析用のチューブなどの医療用品の材料としても使用される。一方、シール部材14を構成するオイルとしては、例えば、パラフィン系の鉱物油などが考えられる。パラフィン系の鉱物油は、例えば、口紅などの化粧品の材料としても使用される。以上に例示した通り、シール部材14を構成する樹脂およびオイルは、例えば、食品、医療用品、化粧品などに使用されるような毒性の無い安全な材料を使用する。また、シール部材14における樹脂とオイルの混合比は、適宜変更して実施することができる。
【0012】
図2に例示するように、扉13の裏面であって、扉13が貯蔵室12を閉じた状態において冷蔵庫本体11の前端面に対向する部分には、保持部材15が取り付けられている。保持部材15は、扉13の裏面に固定されるベース部15aと、このベース部15aの両端部から冷蔵庫本体11側に延びる延出部15bと、延出部15bの先端部から冷蔵庫本体11の前端面に沿って折り曲げられた折曲部15cと、を備えている。
【0013】
保持部材15が扉13の裏面から突出する突出長さL1は、扉13が貯蔵室12を閉じた状態において冷蔵庫本体11の前端面と扉13の裏面との間に形成される隙間の長さL2よりも短くなっており、本実施形態では、保持部材15の突出長さL1は、隙間の長さL2の1/2程の長さで設定されている。なお、保持部材15の突出長さL1は、隙間の長さL2を超えない範囲で適宜変更して実施することができる。
【0014】
また、保持部材15は、2つの折曲部15cの先端部15dの間が離間した構成となっている。この離間した部分の幅寸法は、ベース部15aの幅寸法よりも小さくなっている。保持部材15を構成する材料は、適宜変更して実施することができ、ある程度の強度を確保できる材料であれば、例えば、金属材料であっても、樹脂材料であってもよい。
【0015】
そして、樹脂とオイルの複合体からなるシール部材14は、この保持部材15に保持されている。本実施形態では、シール部材14は、その側面に溝部14aを有しており、この溝部14aに保持部材15の折曲部15cが嵌め込まれることにより、保持部材15に強固に固定されている。また、シール部材14は、平坦面部14bを有している。この平坦面部14bは、扉13が貯蔵室12を閉じた状態において冷蔵庫本体11の前端面に接触する。
【0016】
本実施形態に係る冷蔵庫10によれば、その全体が非空洞状である複合体からなるシール部材14がいわゆるガスケットとして機能する。そして、このシール部材14は、内部に空洞を設けないことから、従来の内部に空洞を有するガスケットに比べ、空洞を不要とする分、薄く構成することができる。そのため、従来のガスケットに比べ薄い部材により貯蔵室12内からの冷気のリークを防止することができる。また、いわゆるガスケットとして機能するシール部材14の薄型化を図ることができるから、扉13が貯蔵室12の前面開口部を閉じた状態において冷蔵庫本体11の前端面と扉13の裏面との間に形成される隙間を小さくすることができ、密閉性および断熱性の向上を図ることができる。
【0017】
また、冷蔵庫10によれば、樹脂とオイルの複合体からなるシール部材14は、その構成成分の性質から、冷蔵庫本体11の前端部に密着するのに十分な粘着性を備えている。そのため、扉13を冷蔵庫本体11に引き付けるための磁石を備えなくとも、シール部材14により扉13を冷蔵庫本体11の前端部に密着させることができ、貯蔵室12内からの冷気のリークを十分に防止することができる。
【0018】
また、冷蔵庫10によれば、シール部材14は、その構成成分の性質により、また、内部に空洞を有していない構造、換言すれば材料が密に詰まった塊状の構造により、内部に空洞を有する従来のガスケットに比べ、耐久性が高くなっている。そのため、扉13が閉じられる際にシール部材14に与えられる圧縮力、および、扉13が開かれる際にシール部材14に与えられる引っ張り力に十分に耐えることができる。よって、シール部材14の劣化や破損を防止することができ、シール部材14によるシール機能つまり貯蔵室12内からの冷気のリークを防止する機能を長期にわたって維持することができる。
【0019】
また、冷蔵庫10によれば、シール部材14は、その構成成分の性質により、また、非空洞状の構造により、内部に空洞を有する従来のガスケットに比べ、緩衝性が高くなっている。そのため、扉13が閉じられる際にシール部材14に与えられる衝撃を十分に吸収することができ、シール部材14の劣化や破損を防止して、そのシール機能を長期にわたって維持することができる。
【0020】
なお、本実施形態は、上述した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のように拡張または変形することができる。例えば、図3に例示するように、シール部材14は、磁石16を備える構成としてもよい。この場合、磁石16は、保持部材15内において、シール部材14よりも扉13側つまり冷蔵庫本体11とは反対側に設けられている。この構成例によれば、磁石16による磁力によって扉13を冷蔵庫本体11側に引き付けることができ、これに伴い、シール部材14を冷蔵庫本体11の前端面にさらに密着させることができる。よって、冷蔵庫本体11の前端部と扉13の裏面との密閉性を一層向上することができ、貯蔵室12内からの冷気のリークを一層防止することができる。
【0021】
また、図4に例示するように、冷蔵庫10は、さらに、冷蔵庫本体11側にもシール部材14を備える構成としてもよい。この構成例によれば、扉13が閉じられた状態では、同じ複合体からなるシール部材14同士が密着することとなり、その密着の相性が良い。そのため、扉13側のシール部材14を、これとは材質が異なる冷蔵庫本体11の前端面に接触させる構成に比べ、冷蔵庫本体11の前端部と扉13の裏面との密閉性を一層向上することができ、貯蔵室12内からの冷気のリークを一層防止することができる。
【0022】
また、図5に例示するように、冷蔵庫10は、リブ17を備える構成としてもよい。リブ17は、規制部の一例であり、扉13の裏面においてシール部材14よりも外側の部分に設けられている。リブ17は、扉13が貯蔵室12を閉じた状態において、冷蔵庫本体11側に突出している。扉13が閉じられた状態において、リブ17の先端部は、冷蔵庫本体11の前端面には当接せず、リブ17の先端部と冷蔵庫本体11の前端面との間に若干の隙間が形成された状態となる。この隙間は、扉13が閉じられる際にシール部材14が圧縮されたとしても、リブ17が冷蔵庫本体11の前端面に当接することを回避するための隙間である。
【0023】
リブ17は、扉13が貯蔵室12を閉じる際に、その閉じる際の衝撃によりシール部材14が外側に向かって変形したとしても、その変形を規制する機能を有する。また、リブ17は、扉13が貯蔵室12を閉じた状態において、例えば扉13に前面側から外力が加わることによりシール部材14が外側に変形したとしても、その変形を規制する機能を有する。この構成例によれば、扉13の裏面と冷蔵庫本体11の前端面との間の隙間からシール部材14が外側にはみ出してしまうこと、換言すれば、シール部材14が外気に接触する面積が増加してしまうことを回避することができ、貯蔵室12内からの冷気のリークを一層防止することができる。また、シール部材14が外側にはみ出してしまうことを回避することにより、冷蔵庫10の外観が損なわれてしまうことを防止することができる。なお、リブ17は、シール部材14よりも外側の部分において、連続的に設けてもよいし、断続的あるいは部分的に設けてもよい。また、リブ17の突出量は、適宜変更して設定することができる。
【0024】
また、シール部材14は、その全体を非空洞状とするのではなく、少なくとも一部が非空洞状である構成としてもよい。即ち、シール部材14は、その一部に空洞、つまり、通常の状態で人が目視できるような大きさを有する空洞を設ける構成としてもよい。但し、シール部材14の一部を空洞とする場合には、その空洞の大きさは、少なくとも、一般的な従来のガスケットに設けられる空洞の大きさよりも小さくすることが好ましい。
【0025】
本実施形態に係る冷蔵庫は、樹脂およびオイルを含む複合体が、扉の裏面であって冷蔵庫本体の前端面に対向する位置に設けられており、この複合体は、空洞を有しない非空洞状となっている。この構成によれば、非空洞状の複合体がガスケットとして機能するため、従来の空洞を有するガスケットに比べ薄い複合体により冷気のリークを防止することができる。また、ガスケットとして機能する複合体の薄型化を図ることができるから、扉が貯蔵室を閉じた状態において扉の裏面と冷蔵庫本体の前端面との間に形成される隙間を小さくすることができ、密閉性および断熱性の向上を図ることができる。
【0026】
以上、本発明の一実施形態を説明したが、本実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。本実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0027】
図面中、10は冷蔵庫、11は冷蔵庫本体、12は貯蔵室、13は扉、14はシール部材(複合体)、16は磁石、17はリブ(規制部)を示す。
図1
図2
図3
図4
図5