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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-204927(P2018-204927A)
(43)【公開日】2018年12月27日
(54)【発明の名称】冷蔵庫
(51)【国際特許分類】
   F25D 25/00 20060101AFI20181130BHJP
   F25D 23/00 20060101ALI20181130BHJP
【FI】
   F25D25/00 G
   F25D23/00 302D
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2017-114305(P2017-114305)
(22)【出願日】2017年6月9日
(71)【出願人】
【識別番号】503376518
【氏名又は名称】東芝ライフスタイル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】磯野 啓博
(72)【発明者】
【氏名】阪上 亮輔
【テーマコード(参考)】
3L345
【Fターム(参考)】
3L345AA02
3L345AA13
3L345AA14
3L345AA17
3L345BB05
3L345DD52
3L345DD55
3L345GG12
3L345KK04
(57)【要約】
【課題】貯蔵室内の容器の上に配置した可動体が冷蔵庫奥側に移動したときに、容器の冷蔵庫奥側の上部に配置してある機能部品に可動体が接触するのを抑制する。
【解決手段】冷蔵庫本体3の野菜室7と、野菜室7に配置され、上方開口部59を備える容器43と、冷蔵庫奥側における上方開口部59を閉塞するようにして容器43に取り付けられる透湿カセット61と、容器43の左右側壁の上に、透湿カセット61の上を含めて前後方向に移動自在に載置される小容器57とを有する。容器43の左右側壁の上部に凹部50bが形成され、容器43の左右側壁に対向する小容器57の下部に、小容器57が容器43に対して基準の位置にあるときに凹部50bに入り込む凸部60aが形成されている。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷蔵庫本体に設けられる貯蔵室と、
前記貯蔵室に配置され、上方が開口する上方開口部を備える容器と、
冷蔵庫奥側における前記上方開口部を閉塞するようにして前記容器に取り付けられる機能部品と、
前記容器の左右側壁の上に、前記機能部品の上を含めて前後方向に移動自在に載置される可動体と、を有し、
前記容器の左右側壁の上部に凹部が形成され、
前記容器の左右側壁に対向する前記可動体の下部に、前記可動体が前記容器に対して基準位置にあるときに前記凹部に入り込む凸部が形成されていることを特徴とする冷蔵庫。
【請求項2】
前記容器は、前記凹部よりも冷蔵庫奥側の左右側壁の上部に、前記凹部の深さと同等の高さの突出部が上方に向けて突出して形成され、前記可動体は、前記容器に対して基準位置にあるときに、前記突出部の冷蔵庫前側に近接していることを特徴とする請求項1に記載の冷蔵庫。
【請求項3】
前記凹部が前記容器の左右側壁の前後方向に沿って複数設けられ、前記可動体が前記容器に対して基準位置にあるときに前記複数の凹部にそれぞれ入り込む凸部が前記可動体に複数形成されていることを特徴とする請求項1に記載の冷蔵庫。
【請求項4】
前記凹部は、冷蔵庫奥側に上部が下部よりも冷蔵庫奥側となるよう傾斜する凹部傾斜面を備え、
前記突出部は、冷蔵庫前側に上部が下部よりも冷蔵庫奥側となるよう傾斜する突出部傾斜面を備え、
前記突出部傾斜面は前記凹部傾斜面よりも水平面に対する傾斜角度が緩やかであることを特徴とする請求項2に記載の冷蔵庫。
【請求項5】
前記凹部は、冷蔵庫奥側に上部が下部よりも冷蔵庫奥側となるよう傾斜する凹部傾斜面を備え、
前記突出部は、冷蔵庫前側に上部が下部よりも冷蔵庫奥側となるよう傾斜する突出部傾斜面を備え、
前記凹部傾斜面と前記突出部傾斜面とは、水平面に対する傾斜角度が同等であることを特徴とする請求項2に記載の冷蔵庫。
【請求項6】
前記複数の凹部は、冷蔵庫奥側に上部が下部よりも冷蔵庫奥側となるよう傾斜する凹部傾斜面を備え、
前記複数の凹部のうち最も冷蔵庫前側に位置する凹部の前記凹部傾斜面に対し、冷蔵庫奥側に位置する凹部の前記凹部傾斜面のほうが、水平面に対する傾斜角度が緩やかであることを特徴とする請求項3に記載の冷蔵庫。
【請求項7】
前記複数の凹部は、冷蔵庫奥側に上部が下部よりも冷蔵庫奥側となるよう傾斜する凹部傾斜面を備え、前記複数の凹部の前記凹部傾斜面は、水平面に対する傾斜角度が同等であることを特徴とする請求項3に記載の冷蔵庫。
【請求項8】
前記貯蔵室は野菜室であり、前記機能部品は透湿膜ユニットであることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載の冷蔵庫。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、貯蔵室に配置した容器の上に、前後方向に移動する可動体を備えた冷蔵庫に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、野菜室に下段容器を配置し、下段容器の上に前後方向に移動可能な上段容器を配置した冷蔵庫が開示されている。下段容器には、野菜室内の水分を吸収して外部に放出させる蒸散カセットを取り付けている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017−15376号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記した蒸散カセットのような機能部品を、下段容器の冷蔵庫奥側の上部に取り付けた場合に、上段容器を下段容器に載せた状態で冷蔵庫奥側に移動させる際には、上段容器が蒸散カセットの表面に接触して破損する恐れがある。
【0005】
そこで本発明は、貯蔵室内の容器の上に配置した可動体が冷蔵庫奥側に移動したときに、容器の冷蔵庫奥側の上部に配置してある機能部品に可動体が接触するのを抑制することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施の形態の冷蔵庫は、冷蔵庫本体に設けられる貯蔵室と、前記貯蔵室に配置され、上方が開口する上方開口部を備える容器と、冷蔵庫奥側における前記上方開口部を閉塞するようにして前記容器に取り付けられる機能部品と、前記容器の左右側壁の上に、前記機能部品の上を含めて前後方向に移動自在に載置される可動体と、を有する。前記容器の左右側壁の上部に凹部が形成され、前記容器の左右側壁に対向する前記可動体の下部に、前記可動体が前記容器に対して基準位置にあるときに前記凹部に入り込む凸部が形成されている。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の実施形態に係わる冷蔵庫の正面図である。
図2図1の冷蔵庫の右側方から見た断面図である。
図3図1の冷蔵庫の野菜室に配置する容器及び容器の上に載せた小容器を示す第1の実施形態に係わる平面図である。
図4図3のA−A断面図である。
図5図3の容器の冷蔵庫前側から見た正面図である。
図6図4のB部の拡大図である。
図7図3の容器及び容器の上に載せる小容器を示す側面図である。
図8図7の容器の凹部及び突出部周辺を示す側面図である。
図9図7の小容器の凸部及び後端傾斜面周辺を示す側面図である。
図10図7の小容器を容器の上に載せた状態を示す側面図である。
図11】小容器を図10の基準位置から冷蔵庫奥側に移動させた状態を示す側面図である。
図12図4に対し、小容器を冷蔵庫奥側に移動させた状態を示す断面図である。
図13図12のC部の拡大図である。
図14】第2の実施形態に係わる容器の図8に対応する側面図である。
図15】第2の実施形態に係わる小容器の図9に対応する側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
【0009】
図1図2に示すように、本発明の実施形態に係わる冷蔵庫1は、冷蔵庫本体3の内部に貯蔵室として、上段から下段に向けて冷蔵室5及び野菜室7を順次設け、野菜室7の下部には製氷室9と上冷凍室11とを左右に並べて設けてある。さらに、貯蔵室として、製氷室9及び上冷凍室11の下部には、下冷凍室13を設けてある。各貯蔵室は隔壁により仕切ってある。なお、以下の説明での「前後方向」は、図2中で左側の冷蔵庫前面側を前、右側の冷蔵庫裏面(奥)側を後とした前後方向であり、「左右方向」は図1中の冷蔵庫前面側から見て左右方向である。
【0010】
冷蔵室5の前面には、冷蔵室5の前面開口部を開閉する左右の開閉扉15,17を設けている。左の開閉扉15は、図1中で左側端部の図示しないヒンジを介して左右に開閉し、右の開閉扉17は、図1中で右側端部の図示しないヒンジを介して左右に開閉する。
【0011】
野菜室7、製氷室9、上冷凍室11及び下冷凍室13の各前面には、それぞれの前面開口部を開閉する引き出し式の引出扉19,21,23及び25を設けている。引出扉19,21,23及び25は、いずれも冷蔵庫本体3の図示しない各ガイドレールにガイドされて前後にスライド移動する。
【0012】
冷蔵庫本体3の下冷凍室13の後方下部には機械室27を形成し、機械室27に圧縮機29を収容している。冷蔵庫本体3の後方の野菜室7の後側に、送風ダクト31を形成し、送風ダクト31の上部に冷蔵用冷気循環ファン33を、下部に冷蔵室・野菜室用冷却器35をそれぞれ配置している。さらに、冷蔵庫本体3の後方の製氷室9、上冷凍室11及び下冷凍室13の後側に、送風ダクト37を形成し、送風ダクト37の上部に冷凍用冷気循環ファン39を、下部に冷凍室用冷却器41をそれぞれ配置している。
【0013】
冷蔵室・野菜室用冷却器35及び冷凍室用冷却器41は、圧縮機29から供給される冷媒によって冷却される。冷蔵室5及び野菜室7は、冷蔵用冷気循環ファン33と冷蔵室・野菜室用冷却器35の動作により、それぞれ所定の設定温度に冷却して保持される。製氷室9、上冷凍室11及び下冷凍室13は、冷凍用冷気循環ファン39と冷凍室用冷却器41の動作により、それぞれ所定の設定温度に冷却して保持される。冷凍用冷気循環ファン39付近の冷気流路内には、貯蔵室用ダンパ39Aを設けており、図示しない制御部は貯蔵室用ダンパ39Aの角度調整を行う。
【0014】
野菜室7の引出扉19は、野菜等の貯蔵物を収納する容器43を保持して収容している。具体的には、引出扉19は、野菜室7側の後面の上部に、前後方向に延在する図示しない容器保持アームを、左右一対備えている。一方、図3図5に示す容器43の上端の左右両側には、左右両側方に向けて突出する被保持突部43aを、容器43の前後方向の略全長に設けている。引出扉19の容器保持アームの上に被保持突部43aを載せることで、容器43が引出扉19に保持される。この状態で、容器43は引出扉19(容器保持アーム)から上方に持ち上げることで取り外すことができる。
【0015】
容器43は、図3図5に示すように、底壁45、前壁47、後壁49及び左右の側壁51,53を備えている。容器43は、これらの壁45,47,49,51,53に囲まれた内側に収納空間55が形成され、収納空間55は、上方開口部59が形成されて上方が開口している。上記した被保持突部43aは、左右の側壁51,53の上部に形成されている。容器43の上には、容器43に比較して容積が小さい可動体としての小容器57を載せている。小容器57は、図4図7に示すように、小容器底壁57a、小容器前壁57b、小容器後壁57c、小容器左右側壁57dを備えて上部が開口している。
【0016】
小容器57は、図7に示すように、小容器左右側壁57dの小容器底壁57a近傍に前後方向に延在する被支持部58を設けてある。被支持部58は、小容器左右側壁57dから左右方向の外側に向けて突出していて、小容器前壁57b近傍から小容器後壁57c近傍にわたり設けてある。小容器57は、被支持部58を容器43の左右の側壁51,53の上に載せることで、容器43に保持される。このため、小容器57は、被支持部58を側壁51,53の上に載せた状態で、小容器底壁57aを含む下部が容器43の内部に入り込む。
【0017】
小容器57が図2図4に示す基準位置(ホームポジション)にある状態で、前壁47側に上方開口部59の一部が露出している。小容器57は、基準位置(ホームポジション)から、容器43に対して後方にスライド移動させることで、上方開口部59が後方に徐々に拡がる。なお、図2に示す容器43及び小容器57は、簡略化して示したもので、図3図5に示す容器43及び小容器57とは形状が異なっている。
【0018】
容器43の後端側の上部には、機能部品としての透湿膜ユニットを構成する透湿カセット61を取り付けている。透湿カセット61は、基準位置にある小容器57の後側の上方開口部59を閉塞するようにして配置している。透湿カセット61は、カセット本体及びカセット本体の上部開口を開閉するカバーを有するケース63を備え、ケース63内に図示しない透湿シートを格納している。ケース63(カセット本体及びカバー)には、図3に示すように、ケース63の内部と外部とを連通する通気孔63aを複数形成している。透湿カセット61は、図4に示すように、扁平な板状であり、図3に示すように容器43の左右の側壁51,53に跨るように取付具67を介して側壁51,53に取り付けてある。これにより、透湿カセット61は容器43の後端側の上方開口部59を覆う状態となる。
【0019】
透湿シートは、例えばポリエステル長繊維不織布とポリエチレン多孔質フィルムをラミネート加工した透湿防水シートであり、安定した防水性の機能と、透湿性の機能と、風(冷気)の通過を抑制する機能を有する。ポリエステル長繊維不織布は、ポリエチレン多孔質フィルムを配置するための基材である。透湿シートは、例えば直径0.5μm〜3μmの複数の孔を有しており、例えば0.0004μm以下の水蒸気粒子を通過させるが、0.5μm〜3μmよりも大きい水の分子の通過を抑制する。このため、透湿シート65は、相反する透湿性の機能と、防水性の機能の両方を兼ね備えている。
【0020】
図2に示す冷蔵室・野菜室用冷却器35で冷却された冷気は、冷蔵用冷気循環ファン33の作動により送風ダクト31を通じて冷蔵室5内に送られる。冷蔵室5と野菜室7とを隔てる隔壁69に連通孔69aを設けてあり、冷蔵室5の冷気は連通孔69aを通して野菜室7に流入する。連通孔69aを通る冷気の一部は、連通孔69aの下方に位置する透湿カセット61に向かって流れる。冷気の他の一部は、野菜室7の前側に向かって流れる。
【0021】
このとき、透湿カセット61は、透湿シートが、容器43内への冷気の流入を抑えかつ水蒸気の流入を許容する。これにより、容器43に貯蔵してある野菜に、冷気が直接当たるのを抑制しながら水蒸気を容器43内に導入でき、野菜の乾燥を抑制できる。特に、冷気が当たると劣化が激しい葉物野菜を、鮮度よく保存することができる。
【0022】
図4のB部を拡大している図6に示すように、小容器57の後端側の小容器底壁57aから後方に向けて突出する板状の突起部57eを設けている。突起部57eは、小容器57の左右方向(図6中で紙面に直交する方向)の略全長にわたり形成してある。図4図6に示す小容器57の基準位置では、突起部57eが、透湿カセット61の前端側の一部の上方に位置している。このときの突起部57eと透湿カセット61との間の上下方向の間隔をtとする。なお、突起部57eの下面は、小容器底壁57aの下面と略同一面である。このため、小容器底壁57aの下面と透湿カセット61との間の上下方向の間隔もtと略同等である。間隔tは極めて小さいものであり、冷気が通りにくくなっている。
【0023】
図7に示すように、容器43の左右の側壁51,53の上面50は、最も前側の前側上面50aが底壁45からの上下方向の高さが最も高くなっている。前側上面50aより後側の上面50は、前側上面50aと略平行な受面50cとなっている。受面50cの底壁45からの上下方向の高さは、前側上面50aの同高さよりも低い。受面50cに小容器57が載せられる。受面50cの前側上面50a側の端部には、凹部50bを形成している。
【0024】
凹部50bは、図8に拡大して示すように、底面50b1と、底面50b1の前側の端部から略垂直に上方に向けて立ち上がる縦面50b2と、底面50b1の後側の端部から後方斜め上方に向けて傾斜して立ち上がる凹部傾斜面50b3とを備えている。受面50cの後端部には、上方に向けて突出する突出部50dを形成している。突出部50dの上下方向の高さdは、凹部50bの深さbと同等である(b=d)。
【0025】
突出部50dは、突出部上面50d1と、突出部上面50d1の前端から前側下方に向けて傾斜する突出部傾斜面50d2と、突出部上面50d1の後端から後側下方に向けて傾斜する突出部後傾斜面50d3とを備えている。突出部傾斜面50d2は、受面50cから後側上方に向けて傾斜しており、水平面(受面50c)に対する傾斜角度α(例えば30度前後)が、凹部傾斜面50b3の水平面(底面50b1)に対する傾斜角度β(例えば45度前後)よりも小さい。すなわち、突出部傾斜面50d2の傾斜角度は、凹部傾斜面50b3の傾斜角度よりも緩やかである。
【0026】
図7に示す小容器57の被支持部58の下面60は、容器43の側壁51,53の上面50に対向している。下面60は、前側の端部に下方に向けて突出する凸部60aを備えている。凸部60aは、図9に拡大して示すように、下面60a1と、下面60a1の前側の端部から略垂直に上方に向けて立ち上がる縦面60a2と、下面60a1の後側の端部から後方斜め上方に向けて傾斜する凸部傾斜面60a3とを備えている。図8に示す凹部50bの形状と、図9に示す凸部60aの形状とは略同等であり、凹部傾斜面50b3の傾斜角度と凸部傾斜面60a3の傾斜角度とは略同等である。図10のように、小容器57を容器43の上に載せた状態で、凹部50bに凸部60aが入り込む。
【0027】
凸部60aの後方側の下面60は、被受面60bとなっていて、被受面60bの後端部から後側上方に向けて傾斜する後端傾斜面60cを形成している。後端傾斜面60cは、図10のように、小容器57を容器43の上に載せた状態で、容器43の突出部傾斜面50d2に略当接する。突出部傾斜面50d2と後端傾斜面60cとの傾斜角度は略同等である。
【0028】
図4図10のように、小容器57を容器43の上に載せた状態では、小容器57の凸部60aが容器43の凹部50bに入り込み、小容器57の後端傾斜面60cが容器43の突出部傾斜面50d2に略当接する。このとき、小容器57の被受面60bが、容器43の受面50cに載置される。この状態が、小容器57の容器43に対する前述した基準位置(ホームポジション)である。
【0029】
小容器57を基準位置から後方に向けて押し付けると、凸部傾斜面60a3が凹部傾斜面50b3に、後端傾斜面60cが突出部傾斜面50d2にそれぞれ押し付けられる。これにより、凸部傾斜面60a3及び後端傾斜面60cが、凹部傾斜面50b3及び突出部傾斜面50d2にそれぞれガイドされるようにして摺動し、小容器57はその全体が容器43に対し後側斜め上方に向けて移動する。
【0030】
小容器57は、後側斜め上方に向けて移動した後、図11に示すように、凸部60aが受面50c上に位置し、被受面60bが突出部50dの突出部上面50d1上に位置する。これにより小容器57は、容器43に対し、凹部50bの深さb(=突出部50dの高さd)の分、上方に移動したことになる。図11に示す小容器57は、図10に示す小容器57に対し、凹部50bの深さb(=突出部50dの高さd)の分、上方に位置している。
【0031】
図12に示す小容器57は、図4に示す小容器57に対し、凹部50bの深さb(=突出部50dの高さd)の分、上方に位置していることを示す。図13は、図12のC部を拡大して示しており、小容器57の底壁57aの下面と透湿カセット61との間の上下方向の間隔がTとなっている。間隔Tは、図6に示した間隔tに対し、凹部50bの深さb(=突出部50dの高さd)の分だけ大きい。この状態は、小容器57の凸部60aが受面50c上に乗り上げ、小容器57の被受面60bが突出部上面50d1上に乗り上げた時点で確保される。
【0032】
このため、凸部60aが受面50c上に乗り上げかつ、被受面60bが突出部上面50d1上に乗り上げてから、さらに小容器57を後方に移動させるときには、小容器57の下面(底壁57a)は、透湿カセット61に対して間隔Tの分だけ上方に充分離れることになる。これにより、小容器57と透湿カセット61との接触を回避できる。
【0033】
以上、本実施形態によれば、冷蔵庫本体3に設けられる野菜室7と、野菜室7に配置され、上方が開口する上方開口部59を備える容器43と、冷蔵庫奥側における上方開口部59を閉塞するようにして容器43に取り付けられる透湿カセット61と、容器43の左右側壁51,53の上に、透湿カセット61の上を含めて前後方向に移動自在に載置される小容器57と、を有する。容器43の左右側壁51,53の上部に凹部50bが形成され、容器43の左右側壁51,53に対向する小容器57の下部に、小容器57が容器43に対して基準位置にあるときに凹部50bに入り込む凸部60aが形成されている。
【0034】
このため、小容器57は、基準位置から後方に移動させると、凸部60aが凹部50bから抜け出た後、容器43の左右側壁51,53の受面50c上に乗り上げ、容器43に対して上方に移動して透湿カセット61との間隔を広げる。これにより、小容器57と透湿カセット61との接触を抑え、透湿カセット61の破損を抑制できる。
【0035】
小容器57を図11図12の位置から基準位置に戻すには、小容器57を前側に引き戻す。これにより、凸部60aが凹部50bに入り込み、後端傾斜面60cが突出部傾斜面50d2に略当接した状態となる。このとき、凹部50bの縦面50b2がストッパとなって小容器57の基準位置が確保される。
【0036】
本実施形態は、容器43が、凹部50bよりも冷蔵庫奥側の左右側壁51,53の上部に、凹部50bの深さと同等の高さの突出部50dが上方に向けて突出して形成され、小容器57の後端傾斜面60cは、容器43に対して基準位置にあるときに、突出部50dの冷蔵庫前側に近接している。
【0037】
この場合、小容器57を後側に向けて移動させる際に、突出部50dが凹部50bから抜け出すと略同時に、先端の後端傾斜面60cが突出部傾斜面50d2に沿って上昇する。このとき、小容器57は、略平行移動しながら後側の斜め上方に向けて移動し、凸部60aが受面50cに乗り上げ、被受面60bが突出部上面50d1に乗り上げた後も、略平行移動しながら後側に向けて移動する。これにより、小容器57は、移動時の前後方向の傾斜を抑制でき、収容物の予期しない移動を抑制できる。
【0038】
本実施形態は、凹部50bが、冷蔵庫奥側に上部が下部よりも冷蔵庫奥側となるよう傾斜する凹部傾斜面50b3を備え、突出部50dが、冷蔵庫前側に上部が下部よりも冷蔵庫奥側となるよう傾斜する突出部傾斜面50d2を備えている。突出部傾斜面50d2は、凹部傾斜面50b3よりも水平面に対する傾斜角度が緩やかである。
【0039】
小容器57を後側に向けて移動させる際には、小容器57の前側の端縁を掴み上方に多少持ち上げて行う場合がある。小容器57を持ち上げることによって、凸部60aが凹部50bから抜け出て、この状態で小容器57を後側に向けて押し付ける。このとき、小容器57の先端の後端傾斜面60cが突出部傾斜面50d2に沿って移動する。突出部傾斜面50d2は、凹部傾斜面50b3よりも水平面に対する傾斜角度が緩やかであるため、後端傾斜面60cが突出部傾斜面50d2に沿って移動する動作がより円滑になり、小容器57の後側への移動が容易となる。
【0040】
図8では、突出部傾斜面50d2の傾斜角度αを、凹部傾斜面50b3の傾斜角度βよりも小さくしているが、α=βとして同等としてもよい。これに対応して、小容器57の凸部傾斜面60a3及び後端傾斜面60cの傾斜角度も同等とする。α=βとする際には、緩やかな傾斜角度αをより急峻な傾斜角度βに合わせることで、基準位置にある小容器57の後側への移動が抑えられ、基準位置での小容器57が安定する。
【0041】
図14図15は、第2の実施形態を示しており、図8図9に対応している。第2の実施形態は、容器43Aが、図8に示してある突出部50dに代えて後方凹部50eを備えている。但し、後方凹部50eは、突出部50dのように小容器57の後端付近に位置するのではなく、小容器57の後端と凹部50bとの間の中間付近に位置する。凹部50bは、図8の凹部50bと同様の形状である。
【0042】
後方凹部50eは、凹部50bと同様に、底面50e1と、底面50e1の前側の端部から略垂直に上方に向けて立ち上がる縦面50e2と、底面50e1の後側の端部から後方斜め上方に向けて傾斜して立ち上がる凹部傾斜面50e3とを備えている。後方凹部50eの前側の受面50c1及び後側の受面50c2は、図8の受面50cと上下方向の高さ位置が同等である。後側の受面50c2は、容器43Aの後端まで形成してある。
【0043】
図15に示すように、小容器57Aは、図9の後端傾斜面60cに代えて、後方凸部60dを備えている。凸部60aは図9の凸部60aと同様の形状であり、後方凸部60dは凸部60aと同様の形状である。すなわち、後方凸部60dは、下面60d1と、下面60d1の前側の端部から略垂直に上方に向けて立ち上がる縦面60d2と、下面60d1の後側の端部から後方斜め上方に向けて傾斜する凸部傾斜面60d3とを備えている。
【0044】
後方凸部60dの前側の被受面60b1及び後側の被受面60b2は、図9の被受面60bと上下方向の高さ位置が同等である。後側の被受面60b2は、小容器57Aの後端まで形成してある。容器43Aの凹部50bと後方凹部50eとの前後方向の間隔は、小容器57Aの凸部60aと後方凸部60dとの前後方向の間隔と同等である。したがって、小容器57Aを基準位置で容器43Aの上に載せたときには、凸部60aが凹部50bに入り込み、後方凸部60dが後方凹部50eに入り込む。
【0045】
小容器57Aを容器43Aに対して基準位置にある状態から後方に移動させると、凸部60aが凹部50bから抜け出し、後方凸部60dが後方凹部50eから抜け出す。その後、凸部60aが前側の受面50c1に乗り上げ、後方凸部60dが後側の受面50c2に乗り上げる。これにより、小容器57Aは、第1の実施形態と同様に、容器43Aに対して上方に移動して透湿カセット61との上下方向の間隔が広がる。但し、この場合、凹部50bと後方凹部50eとの前後方向の間隔は、小容器57Aを図11図12のように最も後方に移動させたときに、凸部60aが後方凹部50eに入り込まず、かつ、後方凸部60dが後側の受面50c2に載っている状態となることが必要である。
【0046】
第2の実施形態は、容器43Aの左右側壁に前後方向に沿って凹部50b及び後方凹部50eが設けられ、小容器57Aが容器43Aに対して基準位置にあるときに、凹部50b及び後方凹部50eにそれぞれ入り込む凸部60a及び後方凸部60dが小容器57Aに形成されている。
【0047】
この場合、小容器57Aを容器43Aに対して基準位置にある状態から後方に移動させる際に、凸部60aが凹部50bから抜け出して受面50c1に乗り上げ、後方凸部60dが後方凹部50eから抜け出して受面50c2に乗り上げる。これにより、小容器57Aは、容器43Aに対して上方に移動して透湿カセット61との上下方向の間隔が広がり、小容器57Aと透湿カセット61との接触を抑え、透湿カセット61の破損を抑制できる。
【0048】
第2の実施形態は、二つの凹部50b及び後方凹部50eが、冷蔵庫奥側に上部が下部よりも冷蔵庫奥側となるよう傾斜する凹部傾斜面50b3,50e3をそれぞれ備え、凹部傾斜面50b3,50e3は、水平面に対する傾斜角度が同等である。この場合、特に、凹部傾斜面50e3の傾斜角度を、図8の凹部傾斜面50b3と同等の角度とすることで、基準位置にある小容器57Aの後側への移動が抑えられ、基準位置での小容器57Aが安定する。
【0049】
なお、第2の実施形態は、凹部50b及び後方凹部50eが、冷蔵庫奥側に上部が下部よりも冷蔵庫奥側となるよう傾斜する凹部傾斜面50b3,50e3をそれぞれ備え、凹部50b及び後方凹部50eのうち最も冷蔵庫前側に位置する凹部50bの凹部傾斜面50b3に対し、冷蔵庫奥側に位置する後方凹部50eの凹部傾斜面50e3が、水平面に対する傾斜角度が緩やかとなっていてもよい。
【0050】
すなわち、後方凹部50eの凹部傾斜面50e3を、図8の突出部傾斜面50d2と同等の緩やかな傾斜面としてもよい。これにより、小容器57Aの前側の端縁を掴み上方に多少持ち上げて後側に向けて移動させる際に、後方凸部60dが緩やかな凹部傾斜面50e3に沿って移動する動作がより円滑になり、小容器57Aの後側への移動が容易となる。
【0051】
上記した各実施形態は、貯蔵室が野菜室7であり、機能部品は透湿カセット61である。この場合、小容器57,57Aを容器43,43Aに対して後側に向けて移動させたときに、透湿カセット61の破損を抑制できる。透湿カセット61の破損を抑制することで、透湿カセット61の機能を維持でき、容器43,43A内に貯蔵してある野菜の乾燥を継続して確保することができる。
【0052】
以上、本発明の実施形態について説明したが、これらの実施形態は本発明の理解を容易にするために記載された単なる例示に過ぎず、本発明は当該実施形態に限定されるものではない。本発明の技術的範囲は、上記実施形態で開示した具体的な技術事項に限らず、そこから容易に導きうる様々な変形、変更、代替技術なども含む。
【0053】
例えば、機能部品として透湿カセット61に限ることはなく、透湿カセット61に代えて、臭気物質や植物老化ホルモンであるエチレン等の気体を浄化する空気浄化カセットを使用してもよい。また、可動体として小容器57,57A等の容器に限ることはなく、皿形状のものや容器43,43Aの上方開口部59を塞ぐ蓋であってもよい。
【符号の説明】
【0054】
1 冷蔵庫
3 冷蔵庫本体
7 野菜室(貯蔵室)
43 容器
50b 容器の凹部
50b3,50e3 凹部傾斜面
50d 容器の突出部
50d2 突出部傾斜面
50e 容器の後方凹部
51,53 容器の左右側壁
57 小容器(可動体)
59 容器の上方開口部
60a 小容器の凸部
60d 小容器の後方凸部
61 透湿カセット(透湿膜ユニット、機能部品)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15