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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-205116(P2018-205116A)
(43)【公開日】2018年12月27日
(54)【発明の名称】絶縁抵抗測定システム
(51)【国際特許分類】
   G01R 31/12 20060101AFI20181130BHJP
【FI】
   G01R31/12 Z
   G01R31/12 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2017-110801(P2017-110801)
(22)【出願日】2017年6月5日
(71)【出願人】
【識別番号】000211307
【氏名又は名称】中国電力株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085660
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 均
(74)【代理人】
【識別番号】100149892
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 弥生
(72)【発明者】
【氏名】堀野 允嗣
(72)【発明者】
【氏名】野々上 満洋
(72)【発明者】
【氏名】松永 圭司
【テーマコード(参考)】
2G015
【Fターム(参考)】
2G015AA07
2G015AA16
2G015AA21
2G015AA27
2G015BA03
2G015CA04
(57)【要約】
【課題】周囲環境による影響を受けることなく正確に被測定機器に係る絶縁抵抗を測定することにある。
【解決手段】絶縁抵抗測定システム100は、真空遮断器VCBなど(被測定機器)のブッシング33に係る主回路端子37(第1箇所)と取付ブラケット35(接地箇所)との間に測定用電圧viを印加して、真空遮断器VCBなどに係る絶縁抵抗を測定する絶縁抵抗測定装置20と、主回路端子37と取付ブラケット35との間にある真空遮断器VCBなどに係るガード電極43(第2箇所)に測定補助用電圧vsを印加する絶縁抵抗測定補助装置50と、を備え、絶縁抵抗測定補助装置50がガード電極43に測定用電圧viと略同一値の測定補助用電圧vsを印加した場合に、絶縁抵抗測定装置20による絶縁抵抗の測定が行われる。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被測定機器に係る第1箇所と接地箇所との間に測定用電圧を印加して、前記被測定機器に係る絶縁抵抗を測定する絶縁抵抗測定装置と、
前記第1箇所と前記接地箇所との間にある前記被測定機器に係る第2箇所に測定補助用電圧を印加する絶縁抵抗測定補助装置と、を備え、
前記絶縁抵抗測定補助装置が前記第2箇所に前記測定用電圧と略同一値の前記測定補助用電圧を印加した場合に、前記絶縁抵抗測定装置による絶縁抵抗の測定が行われることを特徴とする絶縁抵抗測定システム。
【請求項2】
前記絶縁抵抗測定補助装置は、
前記被測定機器に係る前記第1箇所と前記接地箇所との間に印加される前記測定用電圧を測定する測定用電圧測定手段と、
可変自在な測定補助用電圧を発生して、前記被測定機器に係る前記第2箇所に印加する直流電圧発生手段と、
前記直流電圧発生手段により発生された前記測定補助用電圧を測定する測定補助用電圧測定手段と、
前記測定用電圧測定手段により測定された前記測定用電圧と、前記測定補助用電圧測定手段により測定された前記測定補助用電圧との差分電圧値を算出する差分電圧値算出手段と、
前記差分電圧値算出手段により算出された差分電圧値が所定の基準値以内になるように前記直流電圧発生手段を制御する制御手段と、を備えることを特徴とする請求項1記載の絶縁抵抗測定システム。
【請求項3】
前記被測定機器に設けられたブッシングが複数ある場合には、前記各ブッシングに係る前記各第1箇所同士を電線により並列接続し、且つ前記各ブッシングに係る前記各第2箇所同士を電線により並列接続することを特徴とする請求項1記載の絶縁抵抗測定システム。
【請求項4】
前記被測定機器である第1被測定機器と前記第2被測定機器とが離れた位置に配置され、且つ前記第1被測定機器と前記第2被測定機器とが電力ケーブルにより接続されている場合に、
前記第1被測定機器に係る前記第2箇所に前記測定用電圧と略同一の前記測定補助用電圧を印加する第1絶縁抵抗測定補助装置と、
前記第2被測定機器に係る前記第2箇所に前記測定用電圧と略同一の前記測定補助用電圧を印加する第2絶縁抵抗測定補助装置と、を備えることを特徴とする請求項2記載の絶縁抵抗測定システム。
【請求項5】
前記第1絶縁抵抗測定補助装置は、
前記測定補助用電圧測定手段により測定された前記測定補助用電圧に係る測定補助用電圧データを送信する送信手段を備え、
前記第2絶縁抵抗測定補助装置は、
前記第1絶縁抵抗測定補助装置から受信した測定補助用電圧データに基づいて前記測定補助用電圧を発生して、前記第2被測定機器に係る前記第2箇所に印加する直流電圧発生手段を備えることを特徴とする請求項4記載の絶縁抵抗測定システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、周囲環境を考慮して高圧機器の絶縁抵抗を測定するのに好適な絶縁抵抗測定システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、高圧機器の絶縁抵抗を測定する際に、降雨や霧などの水分が絶縁物表面に付着している場合、通常の絶縁抵抗測定器(メガー測定器)では、絶縁物表面の漏れ抵抗の影響があるため、正しく高圧機器の絶縁抵抗を測定することができなかった。このため、改めて天候が良く湿度の低い時期に停電して絶縁抵抗を測定している。
また、絶縁抵抗測定器がガード端子を備えている場合は、ガード端子を接続することで正しい絶縁抵抗が測定できる。ところが、近年、市場から調達可能な絶縁抵抗測定器には、ガード端子を装備していないものが主流となっている。
【0003】
特許文献1には、CVケーブルの絶縁体の劣化を測定するため、直流漏れ電流の測定法を用いて絶縁体層の抵抗を測定する場合、漏れ電流が絶縁体層ととう管との界面を流れて測定誤差を生じるのを防止する目的において、電力ケーブルの終端接続部ととう管1の表面に導体側より順にある間隔をあけて、第1、2、3の電極4、5、6を設け、電極4、6をガード電極とし、中間接続点を有し、且つ接地した直流高圧電源(P1+P2)の一方の端子からケーブル導体に電圧を印加し、それぞれのとう管1上の電極4、6を中間接続点に接続し、電極5に直流高圧電源の他方の端子より逆極性の電圧を印加し、電力ケーブルの絶縁体層の直流漏れ電流を測定するという電力ケーブル直流漏れ電流の測定法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平7−260870号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
(1)環境(天候・湿度など)要因で高圧機器の絶縁抵抗測定値が不良となった場合、絶縁物の表面を流れる漏れ電流による影響と推定されても、確実に絶縁物の表面による影響であることと断定できないため、改めて周囲環境の良好な日に再測定している。
しかし、高圧機器を停電困難な場合や、再測定できても点検費用が余分に必要となっていた。
(2)ガード端子が付いた絶縁抵抗計を準備できれば、絶縁物の表面による影響を排除して絶縁抵抗を測定可能である。
しかし、最近の絶縁抵抗計にはガード端子を備えていないものが多く、ガード端子が付いた絶縁抵抗計を調達できない場合がある。
(3)ガード端子が付いた絶縁抵抗計を準備できた場合でも、電力ケーブルのように両端に気中絶縁物(ブッシング等)が存在して気中絶縁物間の距離がある場合は、被測定機器の絶縁物ガードと絶縁抵抗計のガード端子を接続できないため、ガード端子付の絶縁抵抗計があっても絶縁抵抗を測定ができないといった問題があった。
【0006】
特許文献1にあっては、上述したように、とう管1の表面にガード電極4、6を設け、且つ接地した直流高圧電源(P1+P2)の一方の端子からケーブル導体に電圧を印加し、それぞれのとう管1上のガード電極4、6を中間接続点Nに接続し、電極5に直流高圧電源の他方の端子より逆極性の電圧を印加し、電力ケーブルの絶縁体層の直流漏れ電流を測定するという複雑な構成を必要としていた。
本発明は、上記に鑑みてなされたもので、その目的は、周囲環境による影響を受けることなく正確に被測定機器に係る絶縁抵抗を測定することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するたに、請求項1記載の発明は、被測定機器に係る第1箇所と接地箇所との間に測定用電圧を印加して、前記被測定機器に係る絶縁抵抗を測定する絶縁抵抗測定装置と、前記第1箇所と前記接地箇所との間にある前記被測定機器に係る第2箇所に測定補助用電圧を印加する絶縁抵抗測定補助装置と、を備え、前記絶縁抵抗測定補助装置が前記第2箇所に前記測定用電圧と略同一値の前記測定補助用電圧を印加した場合に、前記絶縁抵抗測定装置による絶縁抵抗の測定が行われることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、周囲環境による影響を受けることなく正確に被測定機器に係る絶縁抵抗を測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】変電所に配置されている高圧機器を示す図である。
図2】変電所に配置された真空遮断器VCBの絶縁抵抗を測定する際の状態を示す図である。
図3図2に不図示である電力ケーブル、ブッシングの断面図である。
図4】本発明の第1実施形態に係る絶縁抵抗測定システムを示す図である。
図5図4に示す直流電圧発生部の内部構成を示す回路図である。
図6】本発明の第1実施形態に係る絶縁抵抗測定補助装置の概略的な動作を示すフローチャートである。
図7】従来の方法及び本発明の方法によりケーブルの絶縁抵抗を測定した場合の検証結果を示す表で示す図ある。
図8】本発明の第2実施形態に係る絶縁抵抗測定システムを示す図である。
図9】本発明の第3実施形態に係る絶縁抵抗測定システムを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を図面に示した実施の形態により詳細に説明する。
本発明は、周囲環境による影響を受けることなく正確に被測定機器に係る絶縁抵抗を測定するために、以下の構成を有する。
すなわち、本発明の絶縁抵抗測定システムは、被測定機器に係る第1箇所と接地箇所との間に測定用電圧を印加して、被測定機器に係る絶縁抵抗を測定する絶縁抵抗測定装置と、第1箇所と接地箇所との間にある被測定機器に係る第2箇所に測定補助用電圧を印加する絶縁抵抗測定補助装置と、を備え、絶縁抵抗測定補助装置が第2箇所に測定用電圧と略同一値の測定補助用電圧を印加した場合に、絶縁抵抗測定装置による絶縁抵抗の測定が行われることを特徴とする。
以上の構成を備えることにより、周囲環境による影響を受けることなく正確に被測定機器に係る絶縁抵抗を測定することができる。
上記記載の本発明の特徴について、以下の図面を用いて詳細に解説する。但し、この実施形態に記載される構成要素、種類、組み合わせ、形状、その相対配置などは特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する主旨ではなく単なる説明例に過ぎない。
上記の本発明の特徴に関して、以下、図面を用いて詳細に説明する。
【0011】
<変電所>
図1は、変電所に配置されている高圧機器を示す図である。
変電所1には、線路側(電源側)から変圧器側(負荷側)に向かって計器用変圧器VT(Voltage Transformer)、断路器L−LS(Line Switch)、真空遮断器VCB(Vacuum insulated Circuit Breaker)、断路器B−LS、避雷器LA(Lightning Arrester)、遮断器CB(Circuit Breaker)、変圧器Tr(Transformer)を備えている。
図1では、変圧器Trが運転状態となっている。
【0012】
<絶縁抵抗測定の測定実態>
図2は、変電所に配置された真空遮断器VCBの絶縁抵抗を測定する際の状態を示す図である。
真空遮断器VCBの絶縁抵抗を測定する際には、線路側(電源側)の断路器L−LSと母線側(負荷側)の断路器B−LSを切断しておき、断路器L−LSから断路器B−LSの間を停電状態(図2に示すハッチ部11)にしておく。
その後、真空遮断器VCBの主回路と遮断器架台(接地されている鉄鋼製の架台)と間に、絶縁抵抗測定装置20を接続して絶縁抵抗の測定を実施する。
なお、真空遮断器VCBのリード線として、遮断器VCBから断路器L−LSまでの間の電線L1と、真空遮断器VCBから断路器B−LSまでの間の電線L2については、これらのリード線を切り離さず、断路器の一部の碍子を含めて一括して絶縁抵抗を測定する。なお、測定結果が要注意や不良の場合にのみリード線を切り離して絶縁抵抗が低下している部位が絶縁抵抗測定対象の機器が原因か他の接続されている機器や碍子が不良なのかを確認することが一般的である。
また、真空遮断器VCBの主回路は、各相(3相)が絶縁されているため、各相単位の絶縁抵抗を測定する場合や、3回に分けて測定する場合や、各相を仮設線を用いて接続して測定する場合もある。さらに真空遮断器VCBを投入して断路器L−LS側と断路器B−LS側の絶縁抵抗を一括して測定する場合もある。
【0013】
<電力ケーブルの構造>
図3は、主回路を電力ケーブルで接続する場合の主回路端子、ブッシング、電力ケーブルを示す断面図である。
図3に示すように、電力ケーブル21は、中心部に電気を通電する内部導体23があり、その周囲に絶縁を保つための絶縁物25があり、絶縁物25で内部導体の絶縁を保持する構造となっている。さらに、電力ケーブル21は、絶縁物25の周囲に銅テープや銅線の編素線で構成されている外部シールド27が配置され、この外部シールド27は大地に接地線29を通じて接続されている。さらに、外部シールド27の周囲に外装被覆31が配置されている。
また、電力ケーブル21の両端には、ブッシング33と呼ばれる絶縁物で大地から絶縁状態を保持しており、このブッシング33の素材として気中に暴露されている形態であれば一般的に絶縁劣化がほとんどない碍子で構成されている。
ブッシング33は、金属で構成された取付ブラケット35を介在して電力ケーブル架台(図示しない)に保持されている。さらに、取付ブラケット35は電力ケーブル架台(図示しない)を介して大地に接地されている。
ブッシング33の先端には、電力ケーブル21の内部導体23に接続されている主回路端子37を保持する構造になっている。
なお、図3の右側に示すブッシング33の表面は、雨天時における湿潤状態39を示している。
【0014】
<絶縁抵抗測定システム>
図4は、本発明の第1実施形態に係る絶縁抵抗測定システム100を示す図である。
第1実施形態に係る絶縁抵抗測定システム100は、絶縁抵抗測定装置20、絶縁抵抗測定補助装置50を備えている。
絶縁抵抗測定装置20は、真空遮断器VCB(被測定機器)のブッシング33に係る主回路端子37(第1箇所)と取付ブラケット35(接地箇所)との間に電線L11を介して測定用電圧viを印加して、真空遮断器VCBに係る絶縁抵抗を測定する。
なお、本実施形態においては、被測定機器として真空遮断器VCBを一例にして説明するが、本発明は被測定機器として真空遮断器VCBに限定するものではなく、被測定機器として、例えば、図1に示す計器用変圧器VT、避雷器LA、電力ケーブル端CHなどに適用することができる。
絶縁抵抗測定補助装置50は、主回路端子37と取付ブラケット35との間にある真空遮断器VCBに係るガード電極43(第2箇所)に電線L13を介して測定補助用電圧vsを印加する。
なお、ブッシング33の位置P1には、主回路端子37と取付ブラケット35との間にガード電極43が取付られているが、ガード電極43の取付位置は位置P1と取付ブラケット35(GND)との間に位置する位置P2、P3でもよい。
絶縁抵抗測定補助装置50がガード電極43に測定用電圧viと略同一値の測定補助用電圧vsを印加した場合に、絶縁抵抗測定装置20による絶縁抵抗の測定が行われる。
これにより、絶縁抵抗測定補助装置50がガード電極43に測定用電圧viと略同一値の測定補助用電圧vsを印加した場合に、主回路端子37とガード電極43とが略同一の電圧となり、絶縁抵抗測定装置20による絶縁抵抗の測定が行われるので、周囲環境による影響を受けることなく正確に真空遮断器VCBに係る絶縁抵抗を測定することができる。
【0015】
分圧抵抗部51及びA/D変換部55は、測定用電圧測定手段を構成し、真空遮断器VCBに係る主回路端子37と取付ブラケット35との間に印加される測定用電圧viを分圧抵抗部51を介して分圧して分圧電圧をA/D変換部55で測定する。
直流電圧発生部61は、可変自在な測定補助用電圧vsを発生して、真空遮断器VCBに係るガード電極43に印加する。
分圧抵抗部53及びA/D変換部57は、測定補助用電圧測定手段を構成し、直流電圧発生部61により発生された測定補助用電圧vsを分圧抵抗部53を介して分圧して分圧電圧をA/D変換部57で測定する。
【0016】
MPU(Micro-processing unit)59は、ROM、RAMを内蔵し、ROMからオペレーティングシステムOSを読み出してRAM上に展開してOSを起動し、OS管理下において、ROMからアプリケーションソフトウエアのプログラム(処理モジュール)を読み出し、各種処理を実行する。
MPU59は、分圧抵抗部51及びA/D変換部55により測定された測定用電圧viと、分圧抵抗部53及びA/D変換部57により測定された測定補助用電圧vsとの差分電圧値を算出し、算出された差分電圧値が所定の基準値以内になるように直流電圧発生部61を制御する。
MPU59は、測定開始ボタンSW1の操作状態を検出する。また、MPU59は、測定終了ボタンSW2の操作状態を検出する。MPU59は、内蔵されているレジスタに「1」を設定してトランジスタQ11をON制御することで、測定準備完了メッセージとして報知LED1を点灯させる。
【0017】
これにより、絶縁抵抗測定補助装置50は、真空遮断器VCBに係る主回路端子37と取付ブラケット35との間に印加される測定用電圧viを測定し、可変自在な測定補助用電圧vsを発生して真空遮断器VCBに係るガード電極43に印加し、測定補助用電圧vsを測定した測定用電圧viと測定補助用電圧vsとの差分電圧値を算出し、算出された差分電圧値が所定の基準値以内になるように制御するので、主回路端子37とガード電極43とが略同一の電圧とすることができる。このような電圧状態において、絶縁抵抗測定装置20による絶縁抵抗の測定が行われるので、周囲環境による影響を受けることなく正確に真空遮断器VCBに係る絶縁抵抗を測定することができる。
【0018】
<絶縁抵抗測定補助装置>
図4に示すように、絶縁抵抗測定補助装置50は、分圧抵抗部51、分圧抵抗部53、A/D変換部55、A/D変換部57、MPU59、直流電圧発生部61を備えている。
分圧抵抗部51は、IN端子とGND端子との間に直列接続された2つの抵抗を有し、抵抗の分圧比を239:1とし、IN端子から1200Vが分圧抵抗部51に入力された場合に5VをA/D変換部55に出力する。
分圧抵抗部53は、OUT端子とGND端子との間に直列接続された2つの抵抗を有し、抵抗の分圧比を239:1とし、OUT端子から1200Vが分圧抵抗部51に入力された場合に5VをA/D変換部57に出力する。
【0019】
A/D変換部55は、入力された電圧を所定のサンプリング周波数を有するクロックでサンプリングするとともに、その電圧を量子化してデジタルデータに変換してMPU59に出力する。
A/D変換部57は、入力された電圧を所定のサンプリング周波数を有するクロックでサンプリングするとともに、その電圧を量子化してデジタルデータに変換してMPU59に出力する。
MPU59は、測定用電圧データviと、測定補助用電圧データvsとの差分電圧値Δvを算出し、算出された差分電圧値Δvが所定の基準値以内になるように電圧データを直流電圧発生部61に出力して直流電圧発生部61を制御する。
直流電圧発生部61は、測定補助用電圧vsを発生して、真空遮断器VCBに係るガード電極43に印加する。
【0020】
<直流電圧発生部>
図5は、図4に示す直流電圧発生部の内部構成例を示す回路図である。
図5に示すように、直流電圧発生部61は、D/A変換部63、三角波発生部65、パルス制御部67、バッテリBt、スイッチング回路69、トランスTr、コッククロフト・ウォルトン回路71を備えている。
D/A変換部63は、MPU59から出力された電圧voに相当する電圧データをアナログ信号である比較電圧Vr(例えば、0〜5Vの直流電圧)に変換する。
三角波発生部65は、一定周期で繰り返す矩形波(方形波)の波形を積分することで三角波信号Vtを生成する。
パルス制御部67は、D/A変換部63から出力された比較電圧Vrを基準にして、三角波発生部65から出力された三角波信号Vtと比較し、Vr<Vt時にON(Vr>Vt時にOFF)となり、且つON期間に互いに重なることなく交互にONとなる2相のパルス信号P1、P2を生成し、それぞれスイッチング素子Q1、Q2のベース端子に出力する。
バッテリBtは、例えば12Vや24Vのバッテリを用いればよい。
【0021】
スイッチング回路69は、交互にONとなる2相のパルス信号P1、P2を入力したスイッチング素子Q1、Q2がエミッタ端子を共通接続してバッテリBtのGND側に接続し、トランスTrの一次側タップtaにスイッチング素子Q1のコレクタ端子を接続し、トランスTrの一次側タップtcにスイッチング素子Q2のコレクタ端子を接続し、トランスTrの一次側タップtbにバッテリBtの+側に接続する。
トランスTrは、タップta〜tcを有する一次側巻線、一次側巻線に対してN倍(例えば、30倍)の巻線数を有する二次側巻線を有する。
ここで、スイッチング回路69では、まずパルス信号P1に応じてスイッチング素子Q1がONすると、バッテリBtの+側からトランスTrの一次側タップtb、一次巻線、一次側タップta、スイッチング素子Q1のコレクタ、エミッタ、バッテリBtのGND側に電流が流れる。一方、パルス信号P2に応じてスイッチング素子Q2がONすると、バッテリBtの+側からトランスTrの一次側タップtb、一次巻線、一次側タップtc、スイッチング素子Q2のコレクタ、エミッタ、バッテリBtのGND側に電流が流れる。
この動作により、スイッチング素子Q1がONしたときにトランスTrの一次巻線にエネルギが蓄積され、OFFしたときにこのエネルギが二次側に誘起し、二次巻線に交流電圧が発生し、一方、スイッチング素子Q2のON/OFFでも同様の動作が生じる。
【0022】
コッククロフト・ウォルトン回路71は、電源となるトランスTrの二次巻線に発生する交流電圧をVi、そのピーク値をVpとし、出力に負荷をつながずに、どのコンデンサC1〜C4も充電されていない状態でスイッチング素子Q1、Q2をスイッチング動作させると、以下のような動作を行う。
まず、入力電圧Viが負の値を取るとき、コンデンサC1が負電位になるためダイオードD1を通して電流が流れる。その結果、コンデンサC1は最大電圧Vpにまで充電される。
次いで、入力電圧Viの向きが反転して正の値を取ると、コンデンサC1の右側極板には電源とコンデンサC1の電圧が加算されただけの電位が生じる。この状態では逆バイアスとなるダイオードD1には電流が流れず、順バイアスとなるダイオードD2を通ってコンデンサC2に向けて電流が流れ、コンデンサC2はある電圧にまで充電される。
再度、入力電圧Viが反転すると、コンデンサC2からダイオードD3を通って電流が流れ、コンデンサC3を充電する。さらに、入力電圧Viが反転すると、コンデンサC3からダイオードD4を通って電流が流れ、コンデンサC4を充電する。これ以後、入力が反転するごとに、偶数番もしくは奇数番のダイオードD1〜D4がいっせいに順バイアスとなって電流が流れ、コンデンサ列は順々に充電されていく。
【0023】
やがて、全てのコンデンサが最大まで充電され、電流は流れなくなる。このときコンデンサC1の電圧は前述のとおり最大電圧Vpである。コンデンサC2はサイクルの途中で電源およびコンデンサC1に対して並列となるので、コンデンサC2が持つ電圧は、電源のピーク値およびコンデンサC1の電圧値の和である2Vpに等しい。さらに、コンデンサC3はコンデンサC2と、コンデンサC4はコンデンサC3と並列になるため、それぞれ2Vpの電圧を持つ。出力から接地点までの間にはコンデンサC2とコンデンサC4が直列に接続されていることから、無負荷条件での出力電圧はVo=4Vpとなる。
この出力電圧Voが可変自在な測定補助用電圧vsとしてOUT端子を介して電線L13からガイド電極43に与えられる。
なお、コッククロフト・ウォルトン回路71の段数は必要に応じて変更可能とする。
【0024】
<フローチャート>
図6は、本発明の第1実施形態に係る絶縁抵抗測定補助装置50の概略的な動作を示すフローチャートである。
まず、ステップS5では、MPU59は、測定開始ボタンSW1の操作状態を検出する。
ステップS10では、MPU59は、測定開始ボタンSW1の操作状態がON状態か否かを判定することで、測定を開始するかいなかを判定する。ここで、測定開始ボタンSW1の操作状態がOFF態であれば、ステップS5に戻る。一方、測定開始ボタンSW1の操作状態がON態に切り替わった場合には、ステップS15に進む。
ステップS15では、MPU59は、基本データを読み取り、電圧voに相当する電圧データを中央値である「128」に設定する(D/A変換部63の分解能力が8ビットであった場合)。ここで、1、000Vを印加して測定する絶縁抵抗測定装置20を用いることを前提としたが、この電圧条件以外(例えば5、000Vを印加する絶縁抵抗測定装置)では基本データの読み込みを実施する。この際、分圧抵抗部51、53の分圧レンジを例えば1/1200に切り替ることが好ましい。
【0025】
ここで、直流電圧発生部61の動作について説明する。
MPU59が電圧データ(vo=128)を直流電圧発生部61に出力すると、D/A変換部63が電圧データ(vo=128)を電圧に変換して、比較電圧Vrとして出力する。
パルス制御部67が、比較電圧Vrを基準にして、三角波発生部65から出力された三角波信号Vtと比較し、Vr<Vt時にON(Vr>Vt時にOFF)となり、且つON期間に互いに重なることなく交互にONとなる2相のパルス信号P1、P2を生成し、それぞれスイッチング素子Q1、Q2のベース端子に出力する。
スイッチング素子Q1がONしたときにトランスTrの一次巻線にエネルギが蓄積され、OFFしたときにこのエネルギが二次側に誘起し、二次巻線に交流電圧が発生し、一方、スイッチング素子Q2のON/OFFでも同様の動作が生じる。
コッククロフト・ウォルトン回路71では、トランスTrの二次巻線に発生する交流電圧によりダイオードD1を通して電流が流れ、コンデンサC1が充電され、順次にコンデンサC2、C3、C4が充電され、出力電圧Voが測定補助用電圧vsとしてOUT端子を介して電線L13からガイド電極43に与えられる。
【0026】
次に、ステップS20では、MPU59は、入力電圧(vi、vs)を読み込む。詳しくは、viは絶縁抵抗測定装置20により印加されている電圧、vsは直流電圧発生部61から出力されている電圧を示す。電線L12、L13での検出電圧が1200Vである場合でも、分圧抵抗部51、53により1/240の電圧レベルである5Vレンジに分圧でき、A/D変換部55、57により量子化された電圧データをMPU59が取得する。
次に、ステップS25では、MPU59は、測定用電圧viから測定補助用電圧vsを減算した電圧差Δv=vi−vsを算出する。
【0027】
次に、ステップS30では、MPU59は、どの電圧条件の範囲にあるかを判定する。すなわち、MPU59は、電圧差Δvが±10V以内であれば成立状態にあると判定してステップS45に進み、電圧差Δvが10V以上低い場合には低下状態にあると判定してステップS35に進み、電圧差Δvが10V以上高い場合には上昇状態にあると判定してステップS40に進む。
次に、ステップS35では、MPU59は、電圧差Δvが低下状態にあるので、電圧voを1ステップ(5V)上昇するように制御し、ステップS20に戻る。
ステップS40では、MPU59は、電圧条件Δvが上昇状態にあるので、電圧voを1ステップ(5V)降下するように制御し、ステップS20に戻る。
【0028】
ここで、ステップS35では、上昇制御により、MPU59が上昇した電圧データ(vo)を直流電圧発生部61に出力する。これに応じて、直流電圧発生部61が上昇した測定補助用電圧vsをOUT端子を介して電線L13からガイド電極43に与える。
一方、ステップS40では、下降制御により、MPU59が下降した電圧データ(vo)を直流電圧発生部61に出力する。これに応じて、直流電圧発生部61が下降した測定補助用電圧vsをOUT端子を介して電線L13からガイド電極43に与える。
【0029】
なお、ステップS35、S40では、説明を簡略化するためにステップ電圧を5Vとしたが、ステップ電圧を更に小さくすると細かい電圧変化に応じた制御ができる。ここで、直流電圧発生部61が発生する最高電圧を1、200Vとした場合、D/A変換部63の分解能力が8ビットであってもステップ電圧が約5V程度(1200V/256=4.7V)である。なお、A/D変換部55、57を含め、分解能力が10ビット〜12ビットが精度面や実用面で適当である。ただし、ステップS45での測定準備が完了するまでの経過時間が長くなる。
なお、MPU59への入力電圧(vi、vs)、及びD/A変換部63への出力電圧は、例えば、vi、vsが5Vの場合は、検出電圧1、200Vであるが、表現をvi=5V、vs=5Vと表現する。また、直流高電圧制御電圧voが5Vの場合は、出力1、200Vであるが、vo=1、200Vと表現する。
【0030】
ステップS45では、MPU59は、電圧差Δvが±10V以内の成立状態にあるので、測定準備完了メッセージをユーザに報知するために、報知LED1を点灯させればよい。なお、測定準備完了メッセージとして報知LED1を点灯させる代わりに、報知音を発生させてもよい。
ユーザは、報知LED1の点灯、又は報知音を確認した後に、絶縁抵抗測定装置20による絶縁抵抗の測定を行う。
ステップS50では、MPU59は、測定終了ボタンSW2の操作状態を検出する。
ステップS55では、MPU59は、測定終了ボタンSW2の操作状態がON状態か否かを判定することで、測定を終了するかいなかを判定する。ここで、測定終了ボタンSW2の操作状態がOFF態であれば、測定中であるのでステップS20に戻る。一方、測定終了ボタンSW2の操作状態がON態に切り替わった場合には、測定が終了したので処理を終了する。
【0031】
<検証結果>
図7は、従来の方法及び本発明の方法によりケーブルの絶縁抵抗を測定した場合の検証結果を示す図表である。
測定方法として、従来の方法及び本発明の方法によりブッシング状態として、両端乾燥状態、片端湿潤状態、両端湿潤状態でのケーブルの絶縁抵抗を測定した場合での値を示す。
なお、従来の方法では、1,000V用の絶縁抵抗測定器で測定した場合の絶縁抵抗を示す。一方、本発明の方法では、絶縁抵抗測定補助装置が1,000Vを出力し、且つ1,000V用の絶縁抵抗測定器で測定した場合の絶縁抵抗を示す。
従来の方法を用いた場合、ブッシング状態が両端乾燥状態であれば2,000MΩの測定結果となり、一方、ブッシング状態が片端湿潤状態、ブッシング状態が両端湿潤状態であればそれぞれ40MΩ、20MΩの測定結果となる。
【0032】
これに対して、本発明の方法を用いた場合、ブッシング状態が両端乾燥状態であれば2,000MΩの測定結果となる事は変わりないが、一方、ブッシング状態が片端湿潤状態、ブッシング状態が両端湿潤状態であってもそれぞれ2000MΩ、2、000MΩの測定結果となる。
このように従来の方法よりも本発明の方法を用いた場合の方が、ブッシング状態が片端湿潤状態、ブッシング状態が両端湿潤状態においても正しく絶縁抵抗測定が実施できる事となる。
【0033】
電力ケーブル21については、主に外部から目視では確認できず、電力ケーブル21の絶縁性能を維持するため、内部の絶縁物の絶縁抵抗を測定する必要がある。
しかし、内部の絶縁物のみの絶縁抵抗を測定することは、その構造上、不可能であり、内部絶縁物およびブッシング33の絶縁抵抗およびブッシング33の表面の漏れ抵抗の合成値を測定することとなる。
このため、図3に示すように、片端のブッシング33の表面が湿潤していた場合、電力ケーブル21の内部の絶縁物が正常で2,000MΩ以上の絶縁抵抗値であっても、湿潤したブッシング33の表面抵抗が40MΩとなっておれば絶縁抵抗測定結果は、40MΩ程度となり、要注意の診断結果となる。なお、要注意の判定基準は、一律的に決まっているものでは無く、一般的にユーザや製造者が決めているのが実情である。
【0034】
上記の検証のため、電力ケーブル21およびブッシング33の耐圧仕様が66kVである場合に、電力ケーブルの絶縁抵抗が正常な条件(2,000MΩ以上)でブッシング33の片端が湿潤(図3右側)している場合、両端が湿潤している場合、及び両端ともに乾燥している状態における、従来の方法、本発明の方法である絶縁抵抗測定補助装置50を用いた場合の検証試験の測定結果を図7に示す。
なお、絶縁抵抗測定値の良否判断は、低圧回路については、電気設備の技術基準等で定められている。しかし、高圧以上の機器では、一部の機器を除いて具体的に定められたものは無いが、電気設備の技術基準で定められている耐電圧性能を実際の点検で実施することは通常できないため、絶縁抵抗測定値で絶縁性能を判断することが多い状況である。
高圧機器の一部の例として、1,000MΩ以上を良判定、500〜1,000MΩを要注意、500MΩ以下を不良として判定している例もある。なお、高圧機器では、一般的な値として30MΩ以下となれば設備不良として設備更新を行う場合がある。
【0035】
<第2実施形態>
図8は、本発明の第2実施形態に係る絶縁抵抗測定システム200を示す図である。
第2実施形態では、各相に係る真空遮断器VCBに設けられたブッシング33が複数ある場合には、各ブッシング33に係る各主回路端子37(第1箇所)同士を電線L12により並列接続し、且つ各ブッシング33に係る各ガード電極43(第2箇所)同士を電線L13により並列接続することを特徴とする。
第2実施形態によれば、絶縁抵抗測定システム200は、各相に係る真空遮断器VCBに設けられたブッシング33が複数ある場合には、各ブッシング33に係る各主回路端子37(第1箇所)同士を電線L12により並列接続し、且つ各ブッシング33に係る各ガード電極43(第2箇所)同士を電線L13により並列接続することで、各主回路端子37(第1箇所)同士と各ガード電極43(第2箇所)同士とが略同一の電圧とすることができる。このような電圧状態において、絶縁抵抗測定装置20による絶縁抵抗の測定が行われるので、周囲環境による影響を受けることなく正確に真空遮断器VCBに係る絶縁抵抗を測定することができる。
【0036】
<第3実施形態>
図9は、本発明の第3実施形態に係る絶縁抵抗測定システム300を示す図である。
第3実施形態に係る絶縁抵抗測定システム300は、電力ケーブル21の第1ブッシングCH−Aと第2ブッシングCH−Bとが離れた位置に配置され、且つ第1ブッシングCH−Aと第2ブッシングCH−Bとが電力ケーブル21により接続されている場合に、第1ブッシングCH−Aに係るガード電極43に測定用電圧viと略同一の測定補助用電圧vsを印加する第1絶縁抵抗測定補助装置350Aと、第2ブッシングCH−Bに係るガード電極43に測定用電圧viと略同一の測定補助用電圧vsを印加する第2絶縁抵抗測定補助装置350Bと、を備えている。
ここで、第1絶縁抵抗測定補助装置350Aは、分圧抵抗部53及びA/D変換部57(測定補助用電圧測定手段)により測定された測定補助用電圧vsに係る測定補助用電圧データ(vo)を送信する信号送信部301を備え、第2絶縁抵抗測定補助装置350Bは、第1絶縁抵抗測定補助装置350Aから受信した測定補助用電圧データ(vo)に基づいて測定補助用電圧vsを発生して、第2ブッシングCH−Bに係るガード電極43に印加する直流電圧発生部61を備えている。
【0037】
第1絶縁抵抗測定補助装置350A(親機)のMPU59から測定補助用電圧データ(vo)を直流電圧発生部61及び信号送信部301に出力し、直流電圧発生部61において測定補助用電圧vsを発生させる。同時に、信号送信部301において搬送波に対して測定補助用電圧データ(vo)をデジタル変調(例えば、PSK変調)して電波信号を発生させ、この電波信号をアンテナ303から子機に送信する。
一方、第2絶縁抵抗測定補助装置350B(子機)は、親機から送信される電波信号をアンテナ305で受信して信号受信部307が信号をデジタル復調し、測定補助用電圧データ(vo)を生成してMPU59に出力する。そして、第2絶縁抵抗測定補助装置350B(子機)は、MPU59から測定補助用電圧データ(vo)を直流電圧発生部61に出力することで、親機から第1ブッシングCH−Aのガード電極43に印加される測定補助用電圧vsと略同一の電圧が、電力ケーブル21の反対側の第2ブッシングCH−Bのガード電極43に印加される。
【0038】
第1絶縁抵抗測定補助装置350A(親機)のMPU59から直流電圧発生部61に出力される測定補助用電圧データ(vo)と同じデータが、第2絶縁抵抗測定補助装置350B(子機)のMPU59から直流電圧発生部61に出力されることで、親機と子機とが略同一電圧を印加できるようになるため、子機における電圧検出手段の構成を省略することができる。このため、図9に示すように電力ケーブル21の端部に設けられたブッシング33が2組でなく、電力ケーブル21とブッシング33の組が複数組存在している場合でも、親機が1台あれば複数の子機に測定補助用電圧データ(vo)を送信することで絶縁抵抗測定時の複数の子機の対応が可能になる。
また、図9に示す例示では、親機と子機との間の通信に電波信号を利用したが、低圧電力線搬送方式(PLC)や、特別高圧回路の電磁誘導や静電誘導による影響を受けない光ケーブル通信方式や、赤外線通信方式なども使用できる。
【0039】
<本実施形態の効果>
本発明の第1実施形態によれば、真空遮断器VCBなど(被測定機器)のブッシング33(気中絶縁物)の主回路端子37とGNDとの間にガード電極43を設け、主回路端子37に印加された測定用電圧viを検出し、検出された電圧viと略同一の測定補助用電圧vsをガード電極43に印加する。
このため、主回路端子37とガード電極43とが略同一電圧になり、主回路端子37とガード電極43との間に比較的に高い抵抗(ブッシングによる)を有していることから、オームの法則によりブッシング33(気中絶縁物)の表面には漏えい電流が流れないため、通常の絶縁抵抗測定装置20で測定が可能となる。
また、第2実施形態によれば、電力ケーブルのブッシング33(気中絶縁物)が各相に対してある場合でも、各ガード電極43に絶縁抵抗測定補助装置50を接続することで、絶縁抵抗の測定が可能となる。
この結果、(1)環境条件に左右されること無く、正しく真空遮断器VCBなど(被測定機器)の絶縁抵抗を測定することが可能となり、再測定の労力とその費用を削減することができる。
(2)従来のようにガード端子が付いた絶縁抵抗測定器でなくても、一般の絶縁抵抗測定装置20とともに絶縁抵抗測定補助装置50を用いて正しく絶縁抵抗を測定することが可能になる。
(3)複数のブッシング33(気中絶縁物)がある場合でも、絶縁抵抗を測定することが可能となる。
(4)ブッシング33(気中絶縁物)の個別の漏れ絶縁抵抗を測定することも可能になる。
【0040】
<本発明の実施態様例の構成、作用、効果>
<第1態様>
本態様の絶縁抵抗測定システム100は、真空遮断器VCBなど(被測定機器)のブッシング33に係る主回路端子37(第1箇所)と取付ブラケット35(接地箇所)との間に測定用電圧viを印加して、真空遮断器VCBに係る絶縁抵抗を測定する絶縁抵抗測定装置20と、主回路端子37と取付ブラケット35との間にある真空遮断器VCBに係るガード電極43(第2箇所)に測定補助用電圧vsを印加する絶縁抵抗測定補助装置50と、を備え、絶縁抵抗測定補助装置50がガード電極43に測定用電圧viと略同一値の測定補助用電圧vsを印加した場合に、絶縁抵抗測定装置20による絶縁抵抗の測定が行われることを特徴とする。
本態様によれば、絶縁抵抗測定補助装置50がガード電極43に測定用電圧viと略同一値の測定補助用電圧vsを印加した場合に、主回路端子37とガード電極43とが略同一の電圧となり、絶縁抵抗測定装置20による絶縁抵抗の測定が行われるので、周囲環境による影響を受けることなく正確に真空遮断器VCBに係る絶縁抵抗を測定することができる。
【0041】
<第2態様>
本態様の絶縁抵抗測定補助装置50は、真空遮断器VCBなどに係る主回路端子37と取付ブラケット35との間に印加される測定用電圧viを分圧抵抗部51を介して分圧して分圧電圧をA/D変換部55で測定する測定用電圧測定手段と、
可変自在な測定補助用電圧vsを発生して、真空遮断器VCBに係るガード電極43に印加する直流電圧発生部61と、
直流電圧発生部61により発生された測定補助用電圧vsを分圧抵抗部53を介して分圧して分圧電圧をA/D変換部57で測定する測定補助用電圧測定手段と、
測定用電圧測定手段により測定された測定用電圧viと、測定補助用電圧測定手段により測定された測定補助用電圧vsとの差分電圧値を算出するMPU59と、
MPU59により算出された差分電圧値が所定の基準値以内になるように直流電圧発生部61を制御するMPU59と、を備えることを特徴とする。
本態様によれば、絶縁抵抗測定補助装置50は、真空遮断器VCBに係る主回路端子37と取付ブラケット35との間に印加される測定用電圧viを測定し、可変自在な測定補助用電圧vsを発生して真空遮断器VCBに係るガード電極43に印加し、測定補助用電圧vsを測定した測定用電圧viと測定補助用電圧vsとの差分電圧値を算出し、算出された差分電圧値が所定の基準値以内になるように制御するので、主回路端子37とガード電極43とが略同一の電圧とすることができる。このような電圧状態において、絶縁抵抗測定装置20による絶縁抵抗の測定が行われるので、周囲環境による影響を受けることなく正確に真空遮断器VCBに係る絶縁抵抗を測定することができる。
【0042】
<第3態様>
本態様の絶縁抵抗測定システムは、真空遮断器VCBなどに設けられたブッシングが複数ある場合には、各ブッシングに係る各主回路端子37同士をケーブルにより並列接続し、且つ各ブッシングに係る各ガード電極43同士をケーブルにより並列接続することを特徴とする。
本態様によれば、絶縁抵抗測定システムは、真空遮断器VCBに設けられたブッシングが複数ある場合には、各ブッシングに係る各主回路端子37同士を電線により並列接続し、且つ各ブッシングに係る各ガード電極43同士を電線により並列接続することで、各主回路端子37同士と各ガード電極43同士とが略同一の電圧とすることができる。このような電圧状態において、絶縁抵抗測定装置20による絶縁抵抗の測定が行われるので、周囲環境による影響を受けることなく正確に真空遮断器VCBに係る絶縁抵抗を測定することができる。
【0043】
<第4態様>
本態様の絶縁抵抗測定システム300は、電力ケーブルである第1ブッシングCH−Aと第2ブッシングCH−Bとが離れた位置に配置され、且つ第1ブッシングCH−Aと第2ブッシングCH−Bとが電力ケーブル21により接続されている場合に、第1ブッシングCH−Aに係るガード電極43に測定用電圧viと略同一の測定補助用電圧vsを印加する第1絶縁抵抗測定補助装置350Aと、第2ブッシングCH−Bに係るガード電極43に測定用電圧viと略同一の測定補助用電圧vsを印加する第2絶縁抵抗測定補助装置350Bと、を備えることを特徴とする。
本態様によれば、絶縁抵抗測定システム300は、電力ケーブルである第1ブッシングCH−Aと第2ブッシングCH−Bとが離れた位置に配置され、且つ第1ブッシングCH−Aと第2ブッシングCH−Bとが電力ケーブル21により接続されている場合に、第1ブッシングCH−Aに係るガード電極43に測定用電圧viと略同一の測定補助用電圧vsを印加し、第2ブッシングCH−Bに係るガード電極43に測定用電圧viと略同一の測定補助用電圧vsを印加するので、離れた位置に配置された第1ブッシングCH−Aに係るガード電極43と第2ブッシングCH−Bに係るガード電極43とが略同一の電圧とすることができる。このような電圧状態において、絶縁抵抗測定装置20による絶縁抵抗の測定が行われるので、周囲環境による影響を受けることなく正確に電力ケーブルに係る絶縁抵抗を測定することができる。
【0044】
<第5態様>
本態様の第1絶縁抵抗測定補助装置350Aは、分圧抵抗部53及びA/D変換部57(測定補助用電圧測定手段)により測定された測定補助用電圧vsに係る測定補助用電圧データ(vo)を送信する信号送信部301を備え、第2絶縁抵抗測定補助装置350Bは、第1絶縁抵抗測定補助装置350Aから受信した測定補助用電圧データ(vo)に基づいて測定補助用電圧vsを発生して、第2ブッシングCH−Bに係るガード電極43に印加する直流電圧発生部61を備えることを特徴とする。
本態様によれば、第1絶縁抵抗測定補助装置350Aが測定補助用電圧vsに係る測定補助用電圧データ(vo)を送信し、第2絶縁抵抗測定補助装置350Bが受信した測定補助用電圧データ(vo)に基づいて測定補助用電圧vsを発生して、第2ブッシングCH−Bに係るガード電極43に印加するので、離れた位置に配置された第1ブッシングCH−Aに係るガード電極43と第2ブッシングCH-Bに係るガード電極43とが略同一の電圧とすることができる。このような電圧状態において、絶縁抵抗測定装置20による絶縁抵抗の測定が行われるので、周囲環境による影響を受けることなく正確に電力ケーブルに係る絶縁抵抗を測定することができる。
【符号の説明】
【0045】
20…絶縁抵抗測定装置、21…電力ケーブル、33…ブッシング、35…取付ブラケット、37…主回路端子、50…絶縁抵抗測定補助装置、51、53…分圧抵抗部、55、57…A/D変換部、59…MPU、61…直流電圧発生部、63…D/A変換部、65…三角波発生部、67…パルス制御部、69…スイッチング回路、71…コッククロフト・ウォルトン回路、100…絶縁抵抗測定システム、200…絶縁抵抗測定システム、300…絶縁抵抗測定システム、301…信号送信部、307…信号受信部、350A…絶縁抵抗測定補助装置、350B…絶縁抵抗測定補助装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9