特開2018-205288(P2018-205288A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特開2018-205288距離計測装置、距離計測方法、およびプログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-205288(P2018-205288A)
(43)【公開日】2018年12月27日
(54)【発明の名称】距離計測装置、距離計測方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G01C 3/06 20060101AFI20181130BHJP
   B60R 1/12 20060101ALI20181130BHJP
   B60R 11/02 20060101ALI20181130BHJP
【FI】
   G01C3/06 120Q
   B60R1/12 Z
   B60R11/02 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】26
【出願形態】OL
【全頁数】32
(21)【出願番号】特願2017-127729(P2017-127729)
(22)【出願日】2017年6月29日
(31)【優先権主張番号】特願2017-108541(P2017-108541)
(32)【優先日】2017年5月31日
(33)【優先権主張国】JP
(71)【出願人】
【識別番号】316005926
【氏名又は名称】ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社
【住所又は居所】神奈川県厚木市旭町四丁目14番1号
(74)【代理人】
【識別番号】100121131
【弁理士】
【氏名又は名称】西川 孝
(74)【代理人】
【識別番号】100082131
【弁理士】
【氏名又は名称】稲本 義雄
(72)【発明者】
【氏名】黒田 圭一
【住所又は居所】神奈川県厚木市旭町四丁目14番1号 ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社内
(72)【発明者】
【氏名】難波 和秀
【住所又は居所】神奈川県厚木市旭町四丁目14番1号 ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社内
【テーマコード(参考)】
2F112
3D020
【Fターム(参考)】
2F112AD01
2F112BA04
2F112CA05
2F112CA12
2F112DA02
2F112DA26
2F112EA05
2F112EA09
2F112FA09
2F112FA45
3D020BA01
3D020BA09
3D020BB01
3D020BC01
3D020BD05
3D020BE03
(57)【要約】
【課題】より最適化を図る。
【解決手段】光源は、距離を計測する対象となる対象物体に向かって、変調された光を照射し、センサは、光源から照射された光が対象物体で反射した反射光を受光し、信号処理部は、センサから出力される信号を用いて、少なくとも対象物体までの距離を求める信号処理を施す。そして、対象物体までの距離を計測した計測結果に含まれる測距誤差が算出され、その誤差に基づいたフィードバック制御を行って、バッテリの出力電圧が所定の電圧に変換して供給される。本技術は、例えば、TOF方式を利用した距離計測装置に適用できる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
距離を計測する対象となる対象物体に向かって、変調された光を照射する光源と、
前記光源から照射された光が前記対象物体で反射した反射光を受光するセンサと、
前記センサから出力される信号を用いて、少なくとも前記対象物体までの距離を求める信号処理を施す信号処理部と、
前記対象物体までの距離を計測した計測結果に含まれる測距誤差を算出する誤差算出部と、
前記誤差に基づいたフィードバック制御を行って、バッテリの出力電圧を所定の電圧に変換して供給する電源と
を備える距離計測装置。
【請求項2】
前記信号処理部は、前記対象物体までの距離を利用したアプリケーションを実行することにより得られるアプリケーション処理信号を後段のブロックに出力するとともに、前記誤差算出部に供給し、
前記誤差算出部は、前記アプリケーション処理信号に基づいて前記誤差を算出する
請求項1に記載の距離計測装置。
【請求項3】
前記信号処理部は、前記センサの画素ごとに前記対象物体までの距離が求められたデプス信号を前記誤差算出部に供給し、
前記誤差算出部は、前記デプス信号に基づいて前記誤差を算出する
請求項1に記載の距離計測装置。
【請求項4】
前記センサは、それぞれの画素が受光した光の光量を画素値としたRAW信号を前記信号処理部に供給するとともに、前記誤差算出部に供給し、
前記誤差算出部は、前記RAW信号に基づいて前記誤差を算出する
請求項1に記載の距離計測装置。
【請求項5】
前記電源は、前記光源に電力を供給する光源用電源、前記センサに電力を供給するセンサ用電源、または、前記信号処理部に電力を供給する信号処理用電源のいずれかである
請求項1に記載の距離計測装置。
【請求項6】
距離を計測する対象となる対象物体に向かって、変調された光を照射する光源と、
前記光源から照射された光が前記対象物体で反射した反射光を受光するセンサと、
前記センサから出力される信号を用いて、少なくとも前記対象物体までの距離を求め
る信号処理を施す信号処理部と
を備える距離計測装置の距離計測方法において、
前記対象物体までの距離を計測した計測結果に含まれる測距誤差を算出し、
前記誤差に基づいたフィードバック制御を行って、バッテリの出力電圧を所定の電圧に変換して供給する
ステップを含む距離計測方法。
【請求項7】
距離を計測する対象となる対象物体に向かって、変調された光を照射する光源と、
前記光源から照射された光が前記対象物体で反射した反射光を受光するセンサと、
前記センサから出力される信号を用いて、少なくとも前記対象物体までの距離を求める信号処理を施す信号処理部と
を備える距離計測装置のプログラムにおいて、
前記対象物体までの距離を計測した計測結果に含まれる測距誤差を算出し、
前記誤差に基づいたフィードバック制御を行って、バッテリの出力電圧を所定の電圧に変換して供給する
ステップを含む処理をコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項8】
距離を計測する対象となる対象物体に向かって、変調された光を照射する光源と、
前記光源から照射された光が前記対象物体で反射した反射光を受光するセンサと、
前記光源のピーク電圧を制御する制御部と
を備える距離計測装置。
【請求項9】
前記光源のピーク電圧を低減するのに伴って、前記センサのフレームレートを低下する
請求項8に記載の距離計測装置。
【請求項10】
前記制御部は、前記光源のピーク電圧を低減するのに伴って、前記センサに供給される電力の電圧を増加するように制御する
請求項8に記載の距離計測装置。
【請求項11】
前記制御部は、前記光源のピーク電圧を低減するのに伴って、前記センサにおいて画素加算を行うように制御する
請求項8に記載の距離計測装置。
【請求項12】
複数の前記光源を備え、
前記制御部は、複数の前記光源のピーク電圧を低減する
請求項8に記載の距離計測装置。
【請求項13】
複数の前記光源により照明光が重なる部分において光量が増加するような照射パターンを形成する
請求項12に記載の距離計測装置。
【請求項14】
距離を計測する対象となる対象物体に向かって、変調された光を照射する光源と、
前記光源から照射された光が前記対象物体で反射した反射光を受光するセンサと
を備える距離計測装置の距離計測方法において、
前記光源のピーク電圧を制御する
ステップを含む距離計測方法。
【請求項15】
距離を計測する対象となる対象物体に向かって、変調された光を照射する光源と、
前記光源から照射された光が前記対象物体で反射した反射光を受光するセンサと
を備える距離計測装置のプログラムにおいて、
前記光源のピーク電圧を制御する
ステップを含む処理をコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項16】
距離を計測する対象となる対象物体に向かって、変調された光を照射する光源と、
前記光源から照射された光が前記対象物体で反射した反射光を受光するセンサと
を備え、
複数の前記光源、および、少なくとも1つ以上の前記センサが、閉鎖された空間内部に配置され、所定のセンシング範囲のセンシングを行う
距離計測装置。
【請求項17】
前記光源および前記センサが一組ごとに近傍に配置され、複数の前記光源および前記センサにより前記空間内部におけるセンシング範囲を分割するように、
前記光源および前記センサが配置される
請求項16に記載の距離計測装置。
【請求項18】
複数の前記光源が前記センサの近傍に配置されて、前記空間内部において前記光の照射範囲を分割し、
1つの前記センサにより、それらの照射範囲からの反射光を受光するように、
前記光源および前記センサが配置される
請求項16に記載の距離計測装置。
【請求項19】
複数の前記光源がそれぞれ測定対象とする前記対象物体の近傍に配置されて、前記空間内部において前記光の照射範囲を分割し、
1つの前記センサにより、それらの照射範囲からの反射光を受光するように、
前記光源および前記センサが配置される
請求項16に記載の距離計測装置。
【請求項20】
複数の前記光源のうちの、少なくとも1つの前記光源は、前記センサよりも前記対象物体の近傍に配置される
請求項19に記載の距離計測装置。
【請求項21】
1つの前記センサに対して、複数の前記光源を、それぞれ測定対象とする前記対象物体の近傍に配置し、
複数の前記光源は、それぞれ対応する前記対象物体の位置に向かって前記光を照射する
請求項19に記載の距離計測装置。
【請求項22】
前記センサから出力される信号を用いて、前記対象物体である人物までの距離を求める信号処理を施す信号処理部をさらに備え、
前記信号処理部は、前記距離に基づいたデプス画像を利用して前記人物が行う特定のジェスチャを検出し、そのジェスチャに対応付けられている指示信号を出力する
請求項21に記載の距離計測装置。
【請求項23】
複数の前記光源に対して、時分割で順番に電力を供給し、
前記センサは、複数の前記光源それぞれの前記照射範囲から順番に反射光を検出し、
前記信号処理部が、いずれかの前記照射範囲において前記人物が行うジェスチャの動きの始まりを検出した場合、その照射範囲に光を照射する前記光源に優先的に電力を供給する
請求項22に記載の距離計測装置。
【請求項24】
前記センサは、車両内部において前方の略中央に配置されるルームミラーの近傍に配置され、
複数の前記光源は、前記車両に装備される複数の座席の近傍で、それぞれの座席に向かって前記光を照射するように配置される
請求項21に記載の距離計測装置。
【請求項25】
前記センサと、前記センサから離れて配置される複数の前記光源とは、それぞれ配線を利用して接続されており、前記配線を介して供給される共通の同期信号を利用して同期する
請求項21に記載の距離計測装置。
【請求項26】
前記センサと、前記車両の前方に装備される座席に対して配置される複数の前記光源とは、それぞれ前記配線を利用して接続される一方、
前記車両の前方以外に装備される座席に対して配置される複数の前記光源は、前記センサとは接続されずに、それらの前記光源どうしが前記配線を利用して接続される
請求項25に記載の距離計測装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、距離計測装置、距離計測方法、およびプログラムに関し、特に、より最適化を図ることができるようにした距離計測装置、距離計測方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサなどの撮像素子を利用して撮像される撮像範囲内において、撮像素子からの距離(デプス)を計測するのに、TOF(Time Of Flight)方式が採用されている。TOF方式では、計測の対象となる対象物体に向かって光源から変調光を照射し、その変調光が対象物体で反射した反射光を撮像素子が受光するまでの時間に基づいて、撮像素子から対象物体までの距離を計測することができる。
【0003】
例えば、特許文献1には、所望の乗車位置に変調光を照射し、その照射領域を含む撮像領域における変調光に対応する反射光成分のみを画素値とする画像を用いて、乗員を監視する乗員監視装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−111367号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、従来、TOF方式を利用した距離計測装置により長距離または広視野の計測を行う場合には、変調光の発光強度を高めることが必要となり、光源に供給する電力を増加させるのに伴って発熱が増大したり、ピーク電力が増加したりすることになる。また、例えば、数10cmといった近距離で使用する距離計測装置の構成を、そのまま長距離の計測に適用した場合には、撮像素子から離れた位置における計測誤差が増加してしまう。このため、距離計測装置として十分な性能を発揮することができず、発熱やピーク電力、計測誤差などの点で、従来よりも最適化を図ることが求められている。
【0006】
本開示は、このような状況に鑑みてなされたものであり、より最適化を図ることができるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の第1の側面の距離計測装置は、距離を計測する対象となる対象物体に向かって、変調された光を照射する光源と、前記光源から照射された光が前記対象物体で反射した反射光を受光するセンサと、前記センサから出力される信号を用いて、少なくとも前記対象物体までの距離を求める信号処理を施す信号処理部と、前記対象物体までの距離を計測した計測結果に含まれる測距誤差を算出する誤差算出部と、前記誤差に基づいたフィードバック制御を行って、バッテリの出力電圧を所定の電圧に変換して供給する電源とを備える。
【0008】
本開示の第1の側面の距離計測方法またはプログラムは、距離を計測する対象となる対象物体に向かって、変調された光を照射する光源と、前記光源から照射された光が前記対象物体で反射した反射光を受光するセンサと、前記センサから出力される信号を用いて、少なくとも前記対象物体までの距離を求める信号処理を施す信号処理部とを備える距離計測装置の距離計測方法またはプログラムにおいて、前記対象物体までの距離を計測した計測結果に含まれる測距誤差を算出し、前記誤差に基づいたフィードバック制御を行って、バッテリの出力電圧を所定の電圧に変換して供給するステップを含む。
【0009】
本開示の第1の側面においては、光源により、距離を計測する対象となる対象物体に向かって、変調された光が照射され、センサにより、光源から照射された光が対象物体で反射した反射光が受光され、信号処理部により、センサから出力される信号を用いて、少なくとも対象物体までの距離を求める信号処理が施される。そして、対象物体までの距離を計測した計測結果に含まれる測距誤差が算出され、その誤差に基づいたフィードバック制御を行って、バッテリの出力電圧が所定の電圧に変換されて供給される。
【0010】
本開示の第2の側面の距離計測装置は、距離を計測する対象となる対象物体に向かって、変調された光を照射する光源と、前記光源から照射された光が前記対象物体で反射した反射光を受光するセンサと、前記光源のピーク電圧を制御する制御部とを備える。
【0011】
本開示の第2の側面の距離計測方法またはプログラムは、距離を計測する対象となる対象物体に向かって、変調された光を照射する光源と、前記光源から照射された光が前記対象物体で反射した反射光を受光するセンサとを備える距離計測装置の距離計測方法またはプログラムにおいて、光源のピーク電圧を制御する。
【0012】
本開示の第2の側面においては、光源により、距離を計測する対象となる対象物体に向かって、変調された光が照射され、センサにより、光源から照射された光が対象物体で反射した反射光が受光される。そして、光源のピーク電圧が制御される。
【0013】
本開示の第3の側面の距離計測装置は、距離を計測する対象となる対象物体に向かって、変調された光を照射する光源と、前記光源から照射された光が前記対象物体で反射した反射光を受光するセンサとを備え、複数の前記光源、および、少なくとも1つ以上の前記センサが、閉鎖された空間内部に配置され、所定のセンシング範囲のセンシングを行う。
【0014】
本開示の第3の側面においては、距離を計測する対象となる対象物体に向かって、変調された光を照射する光源と、光源から照射された光が対象物体で反射した反射光を受光するセンサとについて、複数の光源、および、少なくとも1つ以上のセンサが、閉鎖された空間内部に配置され、所定のセンシング範囲のセンシングが行われる。
【発明の効果】
【0015】
本開示の第1乃至第3の側面によれば、より最適化を図ることができる。
【0016】
なお、ここに記載された効果は必ずしも限定されるものではなく、本開示中に記載されたいずれかの効果であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本技術を適用した距離計測装置の第1の実施の形態の構成例を示すブロック図である。
図2】発光電力および測距誤差の関係を示す図である。
図3】フィードバック制御の処理を説明するフローチャートである。
図4】距離計測装置の第2の実施の形態の構成例を示すブロック図である。
図5】距離計測装置の第3の実施の形態の構成例を示すブロック図である。
図6】距離を計測する原理について説明する図である。
図7】第1のピーク電力低減方法について説明する図である。
図8】第2のピーク電力低減方法について説明する図である。
図9】距離計測装置の第4の実施の形態の構成例を示すブロック図である。
図10】FPGAが実行する処理を説明するフローチャートである。
図11図9の距離計測装置の変形例を示すブロック図である。
図12】第3のピーク電力低減方法について説明する図である。
図13】距離計測装置の第5の実施の形態の構成例を示すブロック図である。
図14図13の距離計測装置の変形例を示すブロック図である。
図15】第4のピーク電力低減方法について説明する図である。
図16】距離計測装置の第6の実施の形態の構成例を示すブロック図である。
図17図16の距離計測装置の変形例を示すブロック図である。
図18】照射パターンについて説明する図である。
図19】発光ダイオードおよびTOFセンサの第1の配置例を示す図である。
図20】発光ダイオードおよびTOFセンサの第2の配置例を示す図である。
図21】発光ダイオードおよびTOFセンサの第3の配置例を示す図である。
図22】対象物体までの距離と測距誤差との関係を示す図である。
図23】発光ダイオードおよびTOFセンサの第4の配置例を示す図である。
図24】第4の配置例の変形例を示す図である。
図25】本技術を適用したコンピュータの一実施の形態の構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本技術を適用した具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0019】
<距離計測装置の第1の構成例>
図1は、本技術を適用した距離計測装置の第1の実施の形態の構成例を示すブロック図である。
【0020】
図1において、距離計測装置11は、距離計測処理ユニット12および電源ユニット13を備えて構成され、距離計測処理ユニット12は、電源ユニット13から供給される電力で駆動する。例えば、距離計測装置11は、図19乃至図24を参照して後述するような車両に搭載され、車両の乗員を対象とした距離の計測を行って、その距離に基づいたデプス画像を取得する。そして、距離計測装置11は、デプス画像を利用したアプリケーションによる処理が施された結果得られるアプリケーション処理信号を、アプリケーション処理信号に従った処理を行う後段のブロックに出力する。例えば、デプス画像を利用して乗員のジェスチャを認識するアプリケーションが実行される場合、乗員のジェスチャに対応付けられている指示信号がアプリケーション処理信号として出力され、乗員のジェスチャによる指示に従って車両内の各種の操作が制御される。
【0021】
距離計測処理ユニット12は、光変調部21、発光ダイオード22、投光レンズ23、受光レンズ24、TOFセンサ25、画像記憶部26、および信号処理部27を備えて構成される。
【0022】
光変調部21は、発光ダイオード22から出力される光を、例えば、10MHz程度の高周波で変調させるための変調信号を、発光ダイオード22に供給する。また、光変調部21は、発光ダイオード22の光が変調するタイミングを示すタイミング信号を、TOFセンサ25および信号処理部27に供給する。
【0023】
発光ダイオード22は、光変調部21から供給される変調信号に従って、例えば、赤外光などのような不可視域の光を高速で変調させながら発光し、その光を、距離計測装置11により距離の計測が行われる対象となる対象物体に向かって照射する。なお、本実施の形態では、対象物体に向かって光を照射する光源を、発光ダイオード22として説明するが、レーザダイオードなど他の光源を用いてもよい。
【0024】
投光レンズ23は、発光ダイオード22から照射される光が所望の照射角度(例えば、後述する図20に示すような50degや100degなど)となるように、光の配光を調節する狭角のレンズにより構成される。
【0025】
受光レンズ24は、距離計測装置11により距離の計測を行うために撮像される撮像範囲を視野に収める広角のレンズにより構成される。そして、受光レンズ24は、撮像範囲の画角(例えば、後述する図19に示すような50degや、図21に示すような100degなど)で集光した光を、TOFセンサ25のセンサ面に結像させる。
【0026】
TOFセンサ25は、発光ダイオード22から照射される光の波長域に感度を有する撮像素子により構成され、受光レンズ24によって結像される光を、センサ面にアレイ状に配置される複数の画素により受光する。図示するように、TOFセンサ25は、発光ダイオード22の近傍に配置され、発光ダイオード22により光が照射される照射範囲を含む撮像範囲からの光を受光する。そして、TOFセンサ25は、それぞれの画素が受光した光の光量を画素値としたRAW信号を出力する。
【0027】
画像記憶部26は、TOFセンサ25から出力されるRAW信号により構築される画像を記憶する。例えば、画像記憶部26は、撮像範囲内で変化があったときの最新の画像を記憶したり、撮像範囲内に対象物体が存在していない状態の画像を背景画像として記憶したりすることができる。
【0028】
信号処理部27は、TOFセンサ25から供給されるRAW信号に対して各種の信号処理を施し、上述したようなアプリケーション処理信号を出力する。また、信号処理部27は、図示するように、無影画像生成部31、演算処理部32、出力部33、および車両制御用コンピュータ34を備えて構成される。
【0029】
無影画像生成部31は、光変調部21から供給されるタイミング信号に従って、TOFセンサ25から供給されるRAW信号から環境光の影響を排除する。これにより、無影画像生成部31は、発光ダイオード22から照射された光(変調光)に対応する反射光成分のみを画素値とする画像(以下、無影画像と称する)を生成して、演算処理部32に供給する。また、無影画像生成部31は、画像記憶部26に記憶されている背景画像を読み出して、TOFセンサ25から供給されるRAW信号により構築される画像との差分を求めることで、撮像範囲における対象物体だけの無影画像を生成することができる。
【0030】
演算処理部32は、無影画像生成部31から無影画像が供給されるたびに、無影画像の画素ごとに対象物体までの距離を求める演算を行い、その演算により求められる距離を示すデプス信号を出力部33に供給する。また、演算処理部32は、必要に応じて、画像記憶部26に記憶されている最新の画像を読み出し、その画像を用いて対象物体までの距離を求めてもよい。
【0031】
出力部33は、演算処理部32から供給されるデプス信号に基づいて、被写体までの距離が画素の配置に応じて並べられたデプス画像を生成し、そのデプス画像を車両制御用コンピュータ34に出力する。
【0032】
車両制御用コンピュータ34は、例えば、距離計測装置11が搭載される車両の各部を電子的に制御するECU(Electronic Control Unit)により構成され、出力部33から出力されるデプス画像を利用した各種のアプリケーションを実行する。例えば、車両制御用コンピュータ34は、乗員の手の動きに基づいたジェスチャを検出するアプリケーションを実行し、検出したジェスチャに対応付けられている指示信号を、アプリケーション処理信号として出力することができる。また、車両制御用コンピュータ34は、例えば、乗員の頭の動きに基づいた居眠りを検出するアプリケーションを実行し、乗員が居眠りしているか否かを示す信号を、アプリケーション処理信号として出力することができる。
【0033】
また、車両制御用コンピュータ34から出力されるアプリケーション処理信号は、そのアプリケーション処理信号に基づいた処理を行う後段のブロックに供給される他、電源ユニット13に供給される。
【0034】
なお、距離計測装置11は、車両以外の各種の装置に搭載することができ、それぞれの装置に応じたアプリケーションを実行するアプリケーション実行部を、車両制御用コンピュータ34に替えて備えることができる。
【0035】
電源ユニット13は、メインバッテリ41、光源用電源42、TOFセンサ用電源43、信号処理用電源44、および誤差算出部45を備えて構成される。
【0036】
メインバッテリ41は、距離計測処理ユニット12を駆動させるために主に用いられる電力を蓄積しており、光源用電源42、TOFセンサ用電源43、および信号処理用電源44に電力を供給する。図1に示す例では、メインバッテリ41の出力電圧は12Vに設定されている。
【0037】
光源用電源42は、メインバッテリ41の出力電圧を発光ダイオード22の定格電圧に変換するDC/DC(Direct Current / Direct Current)コンバータであり、発光ダイオード22を発光させるのに必要な電力(以下適宜、発光電力と称する)を供給する。図1に示す例では、光源用電源42は、電圧を12Vから3.3Vに変換して、発光ダイオード22に発光電力を供給する。また、後述するように、光源用電源42は、誤差算出部45から出力される誤差信号に従ったフィードバック制御を行うことができる。
【0038】
TOFセンサ用電源43は、メインバッテリ41の出力電圧をTOFセンサ25の定格電圧に変換するDC/DCコンバータであり、TOFセンサ25の駆動に必要な電力を供給する。図1に示す例では、TOFセンサ用電源43は、電圧を12Vから1.8Vに変換して、TOFセンサ25に電力を供給する。
【0039】
信号処理用電源44は、メインバッテリ41の出力電圧を信号処理部27の定格電圧に変換するDC/DCコンバータであり、信号処理部27の駆動に必要な電力を供給する。図1に示す例では、信号処理用電源44は、電圧を12Vから1.2Vに変換して、信号処理部27に電力を供給する。
【0040】
誤差算出部45は、車両制御用コンピュータ34から供給されるアプリケーション処理信号に基づいて、対象物体までの距離を計測した計測結果に含まれる測距誤差を算出し、測距誤差を示す誤差信号を光源用電源42に供給する。ここで、計測誤差は、計測結果の時間的な変動(バラツキ)や、単一の測定値に生じる誤差(実際の距離との差)などのことである。
【0041】
従って、距離計測装置11では、光源用電源42は、アプリケーション処理信号に基づいた測距誤差が、後段の処理において許容される所定の許容レベルを維持するように、発光ダイオード22の発光電力を調整するフィードバック制御を行うことができる。
【0042】
図2を参照して、発光電力および測距誤差の関係について説明する。
【0043】
図2において、縦軸は、誤差算出部45により算出される測距誤差を表しており、横軸は、発光ダイオード22に供給される発光電力を表している。図2に示す曲線で表されるように、発光電力が増大するのに伴って、測距誤差が減少するような関係となっている。
【0044】
また、図2には、距離計測装置11の個体差に応じて、標準的な測距誤差を有する場合の曲線(typ)、最も良好な測距誤差を有する場合の曲線(best)、および最も悪い測距誤差を有する場合の曲線(worst)が示されている。図示するように、測距誤差が許容レベルを維持するためには、最も良好な測距誤差を有する距離計測装置11における発光電力Pbが最も低くなっている。また、標準的な測距誤差を有する距離計測装置11における発光電力Ptが次に低く、最も悪い測距誤差を有する距離計測装置11における発光電力Pwが最も高くなっている。
【0045】
例えば、距離計測装置11が有する測距誤差は、それぞれの個体ごとに異なるため、一般的に、最も悪い測距誤差を有する距離計測装置11でも、測距誤差が許容レベルを維持することができるように、発光電力Pwが発光ダイオード22に供給される。つまり、どのような距離計測装置11であっても、発光電力Pwを発光ダイオード22に供給することで、許容レベル以下の測距誤差を実現することができる。
【0046】
しかしながら、標準的な測距誤差を有する距離計測装置11、または、最も良好な測距誤差を有する距離計測装置11において、発光電力Pwを発光ダイオード22に供給することは、無駄に電力を消費することになってしまう。そこで、距離計測装置11が有する測距誤差に応じて、適切な発光電力が発光ダイオード22に供給されるようなフィードバック制御を行うことで、消費電力の抑制を図ることができる。
【0047】
従って、距離計測装置11は、上述したように、光源用電源42は、アプリケーション処理信号に基づいた測距誤差が許容レベルを維持する程度に、発光ダイオード22の発光電力を低くするように、発光ダイオード22に供給する電圧を調整する。これにより、距離計測装置11の個体差に応じて、発光ダイオード22に供給する電力の最適化を図ることができ、従来よりも消費電力を抑制することができる。
【0048】
その結果、距離計測装置11は、発熱を抑制することができ、例えば、冷却機構を小型にすることができるのに伴って装置全体の小型化を図ることができる。また、距離計測装置11は、メインバッテリ41に蓄積されている電力の消費が抑制されるので、メインバッテリ41による駆動時間の長時間化を図ることができる。
【0049】
なお、距離計測装置11は、上述したように、車両制御用コンピュータ34から誤差算出部45にアプリケーション処理信号を供給して、アプリケーション処理信号に基づいたフィードバックが行われる構成に限定されることはない。
【0050】
例えば、距離計測装置11は、図1の破線の矢印で示すように、TOFセンサ25から出力されるRAW信号が誤差算出部45に供給されるように構成することができる。このように構成される距離計測装置11では、誤差算出部45が、RAW信号に基づいた測距誤差を算出し、その測距誤差を示す誤差信号を光源用電源42に供給することで、上述したようなフィードバック制御が行われる。即ち、光源用電源42は、RAW信号に基づいた測距誤差が許容レベルを維持するように、発光ダイオード22に供給する発光電力の電圧を調整することができる。
【0051】
同様に、距離計測装置11は、図1の二点鎖線の矢印で示すように、演算処理部32から出力されるデプス信号が誤差算出部45に供給されるように構成することができる。このように構成される距離計測装置11では、誤差算出部45が、デプス信号に基づいた測距誤差を算出し、その測距誤差を示す誤差信号を光源用電源42に供給することで、上述したようなフィードバック制御が行われる。即ち、光源用電源42は、デプス信号に基づいた測距誤差が許容レベルを維持するように、発光ダイオード22に供給する発光電力の電圧を調整することができる。
【0052】
次に、図3は、距離計測装置11において実行されるフィードバック制御の処理を説明するフローチャートである。
【0053】
例えば、距離計測装置11が起動して、距離計測処理ユニット12からアプリケーション処理信号が出力されると処理が開始され、ステップS11において、誤差算出部45は、距離計測処理ユニット12から出力されるアプリケーション処理信号を取得する。
【0054】
ステップS12において、誤差算出部45は、ステップS11で取得したアプリケーション処理信号に基づいて、対象物体までの距離を計測した計測結果に含まれる測距誤差を算出し、光源用電源42に供給する。
【0055】
ステップS13において、光源用電源42は、ステップS12で供給された測距誤差が許容レベルを維持する程度に、発光ダイオード22の発光電力を低くするように、発光ダイオード22に供給する発光電力の電圧を調整するフィードバック制御を行う。
【0056】
その後、処理はステップS11に戻り、以下、同様の処理が繰り返して行われる。
【0057】
以上のように、距離計測装置11は、発光ダイオード22に供給する発光電力の電圧を調整するフィードバック制御を行うことにより、消費電力を抑制することができる。
【0058】
<距離計測装置の第2の構成例>
図4は、本技術を適用した距離計測装置の第2の実施の形態の構成例を示すブロック図である。なお、図4に示す距離計測装置11Aにおいて、図1の距離計測装置11と共通する構成については同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0059】
図4に示すように、距離計測装置11Aは、距離計測処理ユニット12および電源ユニット13Aを備えて構成されている。そして、距離計測装置11Aは、電源ユニット13Aにおいて、誤差算出部45が誤差信号をTOFセンサ用電源43に出力するように構成されている点で、図1の距離計測装置11と異なる構成となっている。
【0060】
即ち、距離計測装置11Aでは、TOFセンサ用電源43が、誤差算出部45から出力される誤差信号に従ったフィードバック制御を行うように構成されている。例えば、TOFセンサ用電源43は、測距誤差が許容レベルを維持するように、TOFセンサ25に供給する電力の電圧を調整することができる。
【0061】
これにより、距離計測装置11Aは、図1の距離計測装置11と同様に、消費電力を抑制することができ、全体として最適化を図ることができる。
【0062】
なお、距離計測装置11Aでは、図4の破線の矢印で示すように、TOFセンサ25から出力されるRAW信号が誤差算出部45に供給されるように構成することができ、RAW信号に基づいた誤差信号に従ったフィードバック制御を行うことができる。同様に、距離計測装置11Aでは、図4の二点鎖線の矢印で示すように、演算処理部32から出力されるデプス信号が誤差算出部45に供給されるように構成することができ、デプス信号に基づいた誤差信号に従ったフィードバック制御を行うことができる。
【0063】
<距離計測装置の第3の構成例>
図5は、本技術を適用した距離計測装置の第3の実施の形態の構成例を示すブロック図である。なお、図5に示す距離計測装置11Bにおいて、図1の距離計測装置11と共通する構成については同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0064】
図5に示すように、距離計測装置11Bは、距離計測処理ユニット12および電源ユニット13Bを備えて構成されている。そして、距離計測装置11Bは、電源ユニット13Bにおいて、誤差算出部45が誤差信号を信号処理用電源44に出力するように構成されている点で、図1の距離計測装置11と異なる構成となっている。
【0065】
即ち、距離計測装置11Bでは、信号処理用電源44が、誤差算出部45から出力される誤差信号に従ったフィードバック制御を行うように構成されている。例えば、信号処理用電源44は、測距誤差が許容レベルを維持するように、信号処理部27に供給する電力の電圧を調整することができる。
【0066】
これにより、距離計測装置11Bは、図1の距離計測装置11と同様に、消費電力を抑制することができ、全体として最適化を図ることができる。
【0067】
なお、距離計測装置11Bでは、図5の破線の矢印で示すように、TOFセンサ25から出力されるRAW信号が誤差算出部45に供給されるように構成することができ、RAW信号に基づいた誤差信号に従ったフィードバック制御を行うことができる。同様に、距離計測装置11Bでは、図5の二点鎖線の矢印で示すように、演算処理部32から出力されるデプス信号が誤差算出部45に供給されるように構成することができ、デプス信号に基づいた誤差信号に従ったフィードバック制御を行うことができる。
【0068】
以上のように、距離計測装置11乃至11Bは、消費される平均電力を低下させることができる結果、発熱を抑制することができ、例えば、装置全体として小型化を図ることができる。
【0069】
<ピーク電力の低減>
図6乃至図19を参照して、距離計測装置11におけるピーク電力の低減について説明する。
【0070】
まず、図6を参照して、距離計測装置11において距離を計測する原理について説明する。
【0071】
例えば、発光ダイオード22から対象物体に向かって照射光が照射され、その照射光が対象物体で反射した反射光は、対象物体までの距離に応じて照射光が照射されたタイミングから時間φだけ遅れてTOFセンサ25により受光される。このとき、TOFセンサ25では、発光ダイオード22が照射光を照射している間隔で受光を行う受光部Aと、受光部Aの受光が終了したときから同じ間隔で受光を行う受光部Bとにより反射光が受光され、それぞれ電荷が蓄積される。
【0072】
従って、受光部Aが蓄積した電荷と、受光部Bが蓄積した電荷との比率に基づいて、反射光が受光されるまでの時間φを求めることができ、光の速度に従って、対象物体までの距離を算出することができる。
【0073】
このように、距離計測装置11では、発光ダイオード22が照射光を照射している間だけ、発光ダイオード22により消費される電力がピークとなる。そして、距離計測装置11の消費電力を抑制するためにピーク電力を低減すると、TOFセンサ25において受光される反射光が弱くなるため、TOFセンサ25のセンサ感度が低下してしまう。そのため、TOFセンサ25のセンサ感度が低下することを回避して、ピーク電力を抑制することが必要となる。
【0074】
<第1のピーク電力低減方法>
図7を参照して、第1のピーク電力低減方法について説明する。
【0075】
図7には、発光ダイオード22が照射光を照射するのに消費される電力LEDと、TOFセンサ25の受光部Aを駆動するために消費される電力GDA、およびTOFセンサ25の受光部Bを駆動するために消費される電力GDBが示されている。
【0076】
例えば、第1のピーク電力低減方法では、電力LEDのピーク電力を低減するのに伴って、デプス画像の1フレームを生成するのに必要な時間を延長させる結果、フレームレートが低下する。これにより、1フレームの時間あたりに、TOFセンサ25の受光部Aおよび受光部Bに蓄積される電荷は、従来と同様となり、TOFセンサ25のセンサ感度の低下を回避することができる。
【0077】
このように、距離計測装置11は、TOFセンサ25のセンサ感度が低下することなく、ピーク電力の低減を図ることができ、例えば、装置全体として小型化を図ることができる。
【0078】
<距離計測装置の第4の構成例>
まず、図8を参照して、第2のピーク電力低減方法について説明する。
【0079】
図8には、発光ダイオード22が照射光を照射するのに消費される電力LEDと、TOFセンサ25の受光部Aを駆動するために消費される電力GDA、およびTOFセンサ25の受光部Bを駆動するために消費される電力GDBが示されている。
【0080】
例えば、第2のピーク電力低減方法では、電力LEDのピーク電力を低減するのに伴って、TOFセンサ25に供給される供給電圧が増加される。このように、TOFセンサ25の供給電圧を増加することで、TOFセンサ25の受光部Aおよび受光部Bが反射光を受光するのに応じて蓄積する電荷を増加させることができ、TOFセンサ25のセンサ感度の低下を回避することができる。
【0081】
図9は、本技術を適用した距離計測装置の第4の実施の形態の構成例を示すブロック図である。なお、図9に示す距離計測装置11Cにおいて、図1の距離計測装置11と共通する構成については同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0082】
図9に示すように、距離計測装置11Cは、距離計測処理ユニット12C、電源ユニット13C、およびFPGA(Field Programmable Gate Array)14を備えて構成される。距離計測処理ユニット12Cは、アプリケーション処理信号、RAW信号、またはデプス信号が電源ユニット13Cに供給されないように構成され、電源ユニット13Cは、誤差算出部45を備えない構成となっている点で、図1の距離計測装置11と異なる構成となっている。
【0083】
FPGA14は、設計者が構成を設定することができる集積回路であり、例えば、発光ダイオード22およびTOFセンサ用電源43に対する制御を行うようにプログラムすることができる。即ち、距離計測処理ユニット12Cでは、FPGA14が、照射光を照射するのに消費するピーク電力を抑制するように発光ダイオード22に対する制御を行うのとともに、TOFセンサ25の供給電圧を増加するようにTOFセンサ用電源43に対する制御を行うことができる。
【0084】
従って、距離計測処理ユニット12Cは、図8を参照して説明したように、TOFセンサ25のセンサ感度が低下することなく、ピーク電力の低減を図ることができる。
【0085】
次に、図10は、図9のFPGA14が実行する処理を説明するフローチャートである。
【0086】
例えば、距離計測装置11Cが起動すると処理が開始され、ステップS21において、FPGA14は、発光ダイオード22に対して、ピーク電力を抑制するように制御を行う。
【0087】
ステップS22において、FPGA14は、TOFセンサ用電源43に対して、TOFセンサ25の供給電圧を増加するように制御を行い、処理は終了される。
【0088】
図11を参照して、図9の距離計測装置11Cの変形例について説明する。なお、図11に示す距離計測装置11C’において、図9の距離計測装置11Cおよび図1の距離計測装置11と共通する構成については同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0089】
図11に示すように、距離計測装置11C’は、図9の距離計測装置11Cに、図1の距離計測装置11が組み合わされた構成となっている。即ち、距離計測装置11C’は、図1の距離計測装置11と同様に構成された距離計測処理ユニット12および電源ユニット13を備えるのに加えて、図9の距離計測装置11Cと同様のFPGA14を備えて構成されている。
【0090】
従って、距離計測装置11C’は、図9の距離計測装置11Cと同様に、ピーク電力の低減を図ることができるとともに、図1の距離計測装置11と同様に、誤差信号に従って消費電力を抑制するようなフィードバック制御を行うことができる。これにより、距離計測装置11C’は、従来よりも電力に対する最適化を図ることができる。従って、距離計測装置11C’は、メインバッテリ41による駆動時間の長時間化を図るとともに、装置全体の小型化を図ることができる結果、全体として、より最適な構成を実現することができる。
【0091】
<距離計測装置の第5の構成例>
まず、図12を参照して、第3のピーク電力低減方法について説明する。
【0092】
図12には、発光ダイオード22が照射光を照射するのに消費される電力LEDと、TOFセンサ25の受光部Aを駆動するために消費される電力GDA、およびTOFセンサ25の受光部Bを駆動するために消費される電力GDBが示されている。
【0093】
例えば、第3のピーク電力低減方法では、電力LEDのピーク電力を低減するのに伴って、TOFセンサ25において複数の画素で画素値を加算する画素加算(binning)が行われる。このように、複数の画素で画素値を加算することによって、画素加算後の電荷を、従来と同様とすることができ、TOFセンサ25のセンサ感度の低下を回避することができる。
【0094】
図13は、本技術を適用した距離計測装置の第5の実施の形態の構成例を示すブロック図である。なお、図13に示す距離計測装置11Dにおいて、図1の距離計測装置11および図9の距離計測装置11Cと共通する構成については同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0095】
図13に示すように、距離計測装置11Dは、距離計測処理ユニット12D、電源ユニット13D、およびFPGA14を備えて構成される。距離計測処理ユニット12Dは、アプリケーション処理信号、RAW信号、またはデプス信号が電源ユニット13Dに供給されないように構成され、電源ユニット13Dは、誤差算出部45を備えない構成となっている点で、図1の距離計測装置11と異なる構成となっている。
【0096】
また、距離計測装置11Dでは、FPGA14は、発光ダイオード22およびTOFセンサ25に対する制御を行うようにプログラムされている。即ち、距離計測処理ユニット12Dでは、FPGA14が、照射光を照射するのに消費するピーク電力を抑制するように発光ダイオード22に対する制御を行うのとともに、画素加算を行うようにTOFセンサ25に対する制御を行うことができる。
【0097】
従って、距離計測処理ユニット12Dは、TOFセンサ25のセンサ感度が低下することなく、ピーク電力の低減を図ることができる。
【0098】
図14を参照して、図13の距離計測装置11Dの変形例について説明する。なお、図11に示す距離計測装置11D’において、図13の距離計測装置11Dおよび図1の距離計測装置11と共通する構成については同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0099】
図14に示すように、距離計測装置11D’は、図13の距離計測装置11Dに、図1の距離計測装置11が組み合わされた構成となっている。即ち、距離計測装置11D’は、図1の距離計測装置11と同様に構成された距離計測処理ユニット12および電源ユニット13を備えるのに加えて、図13の距離計測装置11Dと同様のFPGA14を備えて構成されている。
【0100】
従って、距離計測装置11D’は、図13の距離計測装置11Dと同様に、ピーク電力の低減を図ることができるとともに、図1の距離計測装置11と同様に、誤差信号に従って消費電力を抑制するようなフィードバック制御を行うことができる。これにより、距離計測装置11D’は、従来よりも電力に対する最適化を図ることができる。従って、距離計測装置11D’は、メインバッテリ41による駆動時間の長時間化を図るとともに、装置全体の小型化を図ることができる結果、全体として、より最適な構成を実現することができる。
【0101】
<距離計測装置の第6の構成例>
まず、図15を参照して、第4のピーク電力低減方法について説明する。
【0102】
図15には、発光ダイオード22が照射光を照射するのに消費される電力LEDと、TOFセンサ25の受光部Aを駆動するために消費される電力GDA、およびTOFセンサ25の受光部Bを駆動するために消費される電力GDBが示されている。
【0103】
例えば、第4のピーク電力低減方法では、複数の発光ダイオード22を使用して、それぞれの発光ダイオード22のピーク電力を低減する。具体的には、発光ダイオード22のピーク電力を半減して、2個の発光ダイオード22を使用することで、それらの発光ダイオード22から照射される照射光の強度を、従来と同様とすることができ、TOFセンサ25のセンサ感度の低下を回避することができる。
【0104】
図16は、本技術を適用した距離計測装置の第6の実施の形態の構成例を示すブロック図である。なお、図16に示す距離計測装置11Eにおいて、図1の距離計測装置11と共通する構成については同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0105】
図16に示すように、距離計測装置11Eは、距離計測処理ユニット12E、電源ユニット13E、およびFPGA14を備えて構成される。距離計測処理ユニット12Eは、アプリケーション処理信号、RAW信号、またはデプス信号が電源ユニット13Eに供給されないように構成され、電源ユニット13Eは、誤差算出部45を備えない構成となっている点で、図1の距離計測装置11と異なる構成となっている。
【0106】
そして、距離計測装置11Eは、距離計測処理ユニット12Eが、2個の発光ダイオード22−1および22−2、並びに、2個の投光レンズ23−1および23−2を備えて構成される。また、距離計測装置11Eでは、FPGA14は、発光ダイオード22−1および22−2に対する制御を行うようにプログラムされている。即ち、距離計測処理ユニット12Eでは、FPGA14が、照射光を照射するのに消費するピーク電力を抑制するように発光ダイオード22−1および22−2に対する制御を行うことができる。これにより、発光ダイオード22−1および22−2の照射光が重なった箇所における光量は、従来と同様とすることができ、TOFセンサ25のセンサ感度の低下を回避することができる。
【0107】
従って、距離計測処理ユニット12Eは、TOFセンサ25のセンサ感度が低下することなく、ピーク電力の低減を図ることができる。
【0108】
図17を参照して、図16の距離計測装置11Eの変形例について説明する。なお、図17に示す距離計測装置11E’において、図16の距離計測装置11Eおよび図1の距離計測装置11と共通する構成については同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0109】
図17に示すように、距離計測装置11E’は、図16の距離計測装置11Eに、図1の距離計測装置11が組み合わされた構成となっている。即ち、距離計測装置11E’は、図1の距離計測装置11と同様に構成された距離計測処理ユニット12および電源ユニット13を備えるのに加えて、図16の距離計測装置11Eと同様のFPGA14を備えて構成されている。
【0110】
従って、距離計測装置11E’は、図16の距離計測装置11Eと同様に、ピーク電力の低減を図ることができるとともに、図1の距離計測装置11と同様に、平均電力を低減させることができ、従来よりも電力に対する最適化を図ることができる。従って、距離計測装置11E’は、メインバッテリ41による駆動時間の長時間化を図るとともに、装置全体の小型化を図ることができる結果、全体として、より最適な構成を実現することができる。
【0111】
なお、距離計測装置11が備える発光ダイオード22の個数は、図16の距離計測装置11Eのように2個に限定されることなく、2個以上の発光ダイオード22を備える構成としてもよい。この場合、例えば、図18に示すように、2個の発光ダイオード22から照射される照射光が重なる部分において光量が増加するような照射パターンの不均一性を利用し、ストラクチャライトにより測距精度の向上を図ることができる。
【0112】
<発光ダイオードおよびTOFセンサの配置例>
図19乃至図24を参照して、車両内のような閉所における発光ダイオードおよびTOFセンサの配置例について説明する。
【0113】
例えば、従来、乗り物のキャビンや居室など、閉鎖された空間内部で人物や荷物などを対象として距離を計測する場合、比較的に広い視野角を一括してセンシングする必要がある。しかしながら、TOF方式などのようにアクティブな光源を用いた測距センサを使用する場合、例えば、100度以上と広い視野角に対してアクティブな光源を拡散させることになる。その結果、対象物体に照射される光源のパワーが不十分となってしまい、相対的にノイズが増大することで、所望の測距性能を得ることが困難であった。
【0114】
そこで、このような閉鎖された空間内部で、より所望の測距性能を得ることができるように発光ダイオードおよびTOFセンサを配置し、より最適化が図られた距離計測装置が求められている。
【0115】
図19には、発光ダイオードおよびTOFセンサの第1の配置例が示されている。
【0116】
発光ダイオードおよびTOFセンサの第1の配置例では、複数の発光ダイオード103と複数のTOFセンサ102とで、それぞれセンシング範囲を分割するように配置が行われる。
【0117】
即ち、図19に示すように、車両100に搭載される距離計測装置101は、車両100のフロントガラスの内側に配置される2個のTOFセンサ102−1および102−2、並びに、2個の発光ダイオード103−1および103−2を備えて構成される。なお、距離計測装置101は、TOFセンサ102−1および102−2、並びに、発光ダイオード103−1および103−2の他、例えば、図1の距離計測装置11が備える各ブロックを備えて構成されており、それらのブロックの図示は省略されている。
【0118】
TOFセンサ102−1および102−2は、図1のTOFセンサ25と同様に、車両100の閉鎖された空間内部を撮像範囲として、それぞれ撮像範囲からの光を受光する。このとき、TOFセンサ102−1および102−2のセンサ面に結像される撮像範囲の画角は、図1の受光レンズ24によって50degに設定される。
【0119】
発光ダイオード103−1および103−2は、図1の発光ダイオード22と同様に、車両100の閉鎖された空間内部に、それぞれ変調された赤外光を照射する。このとき、発光ダイオード103−1および103−2から照射される赤外光の照射角度は、図1の投光レンズ23によって50degに設定される。
【0120】
また、TOFセンサ102−1の撮像範囲および発光ダイオード103−1の照射範囲が略同一に重なり合うとともに、TOFセンサ102−2の撮像範囲および発光ダイオード103−2の照射範囲が略同一に重なり合うように配置されている。
【0121】
そして、第1の配置例では、TOFセンサ102−1および発光ダイオード103−1によるセンシング範囲と、TOFセンサ102−2および発光ダイオード103−2によるセンシング範囲とが左右で分割されている。例えば、図示するように、TOFセンサ102−1および発光ダイオード103−1は、車両100内の左側半分をセンシング範囲とし、TOFセンサ102−2および発光ダイオード103−2は、車両100内の右側半分をセンシング範囲とするように配置される。
【0122】
このようにセンシング範囲を分割することで、距離計測装置101は、例えば、発光ダイオード103およびTOFセンサ102の一組で車両100の右側および左側の広範囲をセンシングとする構成と比較して、測距精度の低下を抑制することができる。
【0123】
図20には、発光ダイオードおよびTOFセンサの第2の配置例が示されている。
【0124】
発光ダイオードおよびTOFセンサの第2の配置例では、複数の発光ダイオード103で照射範囲を分割し、それらの照射範囲からの反射光を単一のTOFセンサ102により受光するように配置が行われる。
【0125】
即ち、図20に示すように、車両100に搭載される距離計測装置101は、車両100のフロントガラスの内側に配置されるTOFセンサ102、並びに、2個の発光ダイオード103−1および103−2を備えて構成され、発光ダイオード103−1および103−2はTOFセンサ102の近傍に配置される。なお、距離計測装置101は、TOFセンサ102、並びに、発光ダイオード103−1および103−2の他、例えば、図1の距離計測装置11が備える各ブロックを備えて構成されており、それらのブロックの図示は省略されている。
【0126】
図示するように、発光ダイオード103−1は、例えば、赤外光の照射角度が100degに設定され、発光ダイオード103−2は、例えば、赤外光の照射角度が50degに設定されている。このように、広範囲で近距離に赤外光を照射する発光ダイオード103−1と、狭範囲で遠距離まで赤外光を照射する発光ダイオード103−2とで、それぞれ照射範囲が分割されている。そして、これらの両方の照射範囲からの反射光を受光することができるように、TOFセンサ102が配置されている。
【0127】
このように赤外光の照射範囲を分割することで、距離計測装置101は、例えば、発光ダイオード103およびTOFセンサ102の一組で車両100の近距離から遠距離までをセンシングとする構成と比較して、測距精度の低下を抑制することができる。
【0128】
図21には、発光ダイオードおよびTOFセンサの第3の配置例が示されている。
【0129】
発光ダイオードおよびTOFセンサの第3の配置例では、複数の発光ダイオード103で照射範囲を分割し、それぞれ測定の対象とする対象物体の近傍で、それらの照射範囲からの反射光を単一のTOFセンサ102により受光するように配置が行われる。
【0130】
例えば、車両のように対象物体となる乗員の位置が、運転席および助手席と、後部座席とで予め特定される場合には、運転席および助手席の乗員の近傍に発光ダイオード103−1を配置し、後部座席の近傍に発光ダイオード103−2を配置することができる。従って、この場合、発光ダイオード103−2は、フロントガラスの内側に配置されるTOFセンサ102よりも、後部座席の乗員(対象物体)の近傍に配置される。そして、これらの両方の照射範囲からの反射光を受光することができるように、TOFセンサ102が配置されている。
【0131】
このように赤外光の照射範囲を分割し、かつ、それぞれ対象物体の近傍に配置することで、距離計測装置101は、例えば、発光ダイオード103およびTOFセンサ102の一組で車両100の近距離から遠距離までをセンシングとする構成と比較して、測距精度の低下を抑制することができる。
【0132】
図19乃至図21を参照して説明したように、発光ダイオードおよびTOFセンサの配置を最適化することで、図22に示すように、従来と比較して、TOFセンサ102から被写体までの距離が離れていても、測距誤差を抑制することができる。
【0133】
<発光ダイオードを対象物体の近傍に配置する配置例>
図23および図24を参照して、1つのTOFセンサ102に対して、複数の発光ダイオード103を、それぞれ対象物体の近傍に配置する第4の配置例について説明する。
【0134】
例えば、車両100のような狭く閉ざされた空間の中において、車両に装備される座席によって乗員が座る位置が特定される場合、乗員が座る位置に向かって赤外光を照射するように、それぞれのシートの近傍に発光ダイオード103を設置することが好ましい。
【0135】
図23に示す第4の配置例では、TOFセンサ102は、車両100の内部においてフロントガラスの略中央に配置されるルームミラー105の近傍であって、車両100の内部を見渡せる箇所(例えば、ルームミラー105の直下)に配置される。そして、4つの発光ダイオード103−1乃至103−4が、それぞれ乗員が座るシートの近傍であって、それぞれ対応するシートの前方からシートに向かって赤外光を照射するように配置される。
【0136】
即ち、発光ダイオード103−1は、運転席に座る乗員の動きを検出するのに必要な範囲にだけ赤外光を照射するように、運転席の近傍に設置される。また、発光ダイオード103−2は、助手席に座る乗員の動きを検出するのに必要な範囲にだけ赤外光を照射するように、助手席の近傍に設置される。同様に、発光ダイオード103−3および103−4は、それぞれ後部座席の左右に座る乗員の動きを検出するのに必要な範囲にだけ赤外光を照射するように、それぞれ後部座席の左右の近傍に設置される。
【0137】
このように、対象物体である乗員の位置ごとに赤外光の照射範囲を分割し、かつ、それぞれ対象物体の近傍に発光ダイオード103−1乃至103−4を配置することで、発光ダイオード103−1乃至103−4が照射する赤外光の光量を抑制することが可能となる。つまり、第4の配置例では、発光ダイオード103−1乃至103−4それぞれが乗員の近傍から、乗員が座る狭い範囲に向かってのみ赤外光を照射するため、赤外光の光量を低減させても、その反射光成分をTOFセンサ102において十分に検出することができる。
【0138】
従って、距離計測装置101は、第4の配置例を採用することで、1つの発光ダイオード103をTOFセンサ102の近傍に配置する構成よりも、全体として、発光ダイオード103−1乃至103−4による電力消費を低減することができる。具体的には、TOFセンサ102の近傍に配置された発光ダイオード103から赤外光を往復させるのに対して、乗員の近傍に配置された発光ダイオード103からの反射光を利用することで、消費電力を1/4に抑制することができる。これに伴って、距離計測装置101は、例えば、発光ダイオード103−1乃至103−4の発熱を低減させることができる。
【0139】
また、第4の配置例では、距離計測装置101は、発光ダイオード103−1乃至103−4それぞれに対して、時分割で順番に電力を供給し、TOFセンサ102は、発光ダイオード103−1乃至103−4それぞれにより赤外光が照射されるセンシング範囲ごとに順番に、反射光を検出するように構成することができる。従って、車両制御用コンピュータ34は、それぞれのセンシング範囲ごとに順番に、乗員のジェスチャを検出することができる。
【0140】
そして、距離計測装置101は、いずれかのセンシング範囲においてイベントの発生(例えば、乗員が行うジェスチャの動きの始まり)が検出されるまで、省電力で間欠的に動作を行い、あるセンシング範囲でイベントの発生が検出されると、そのセンシング範囲に赤外光を照射する発光ダイオード103に優先的に電力を供給する。そして、距離計測装置101は、そのセンシング範囲におけるイベント(ジェスチャ)を集中的に検出するような適応的な動作を行うことができる。
【0141】
ところで、TOFセンサ102が出力するRAW信号からデプス画像を生成するためには、TOFセンサ102と発光ダイオード103−1乃至103−4とを同期させる必要がある。そのため、TOFセンサ102から離れた位置に発光ダイオード103−1乃至103−4を配置する構成では、配線104−1乃至104−4を利用して、TOFセンサ102と発光ダイオード103−1乃至103−4とを接続する必要がある。
【0142】
即ち、図23に示す例では、配線104−1を介してTOFセンサ102および発光ダイオード103−1が接続されており、配線104−2を介してTOFセンサ102および発光ダイオード103−2が接続されている。同様に、配線104−3を介してTOFセンサ102および発光ダイオード103−3が接続されており、配線104−4を介してTOFセンサ102および発光ダイオード103−4が接続されている。
【0143】
このように、車両100の内部に配線104−1乃至104−4を配設し、TOFセンサ102と発光ダイオード103−1乃至103−4とを接続して、共通の同期信号を利用することで、それらを同期させることができる。これにより、TOFセンサ102が出力するRAW信号から、発光ダイオード103−1乃至103−4により変調されて照射された赤外光に対応する反射光成分のみを抽出してデプス画像を生成することができる。
【0144】
ところで、車両100の前方側に設置されるTOFセンサ102と発光ダイオード103−1および103−2とを接続する配線104−1および104−2については、容易に取り回しすることができる。これに対し、車両100の前方側に設置されるTOFセンサ102と、車両100の後方側に設置される発光ダイオード103−3および103−4とを接続する配線104−3および104−4については、取り回しが容易でない状況があることが想定される。
【0145】
そこで、例えば、車両100の前方側に設置されるTOFセンサ102と、車両100の後方側に設置される発光ダイオード103−3および103−4とを接続させることなく、距離計測装置101の実装を簡易化することができる。
【0146】
例えば、図24に示す第4の配置例の変形例では、車両100の前方側に設置されるTOFセンサ102と発光ダイオード103−1および103−2とは、配線104−1および104−2を利用して、それぞれ接続されている。これに対し、車両100の後方側に設置される発光ダイオード103−3および103−4どうしは、配線104−5を介して接続されているが、それらとTOFセンサ102とは有線で接続されない構成となっている。
【0147】
このように、TOFセンサ102と、発光ダイオード103−3および103−4とが接続されずに離れて配置される構成であっても、TOFセンサ102と、発光ダイオード103−3および103−4のいずれか一方との距離が既知であれば、発光ダイオード103−3および103−4から同期して照射される赤外光それぞれの反射光の位相差を検出することで、TOFセンサ102から出力されるRAW信号に基づいたデプス画像を生成することができる。なお、このような構成においてデプス画像を生成する処理の詳細については、本願出願人により出願済みの特願2016−162320に開示されている。
【0148】
なお、TOFセンサ102および発光ダイオード103が離れた箇所に配置されていて、それらが配線104によって接続されていない構成においてデプス画像を取得する方法としては、その他、様々な手法を採用することができる。
【0149】
このように、TOFセンサ102に対して、発光ダイオード103の配置自由度を向上させることで、より対象物体の近傍に発光ダイオード103を配置することができ、発光ダイオード103の消費電力の抑制を図ることができる。
【0150】
ここで、距離計測装置101が備える信号処理部27(図1)では、車両制御用コンピュータ34が、上述したように、デプス画像を利用して乗員の手の動きに基づいたジェスチャを検出するアプリケーションを実行し、例えば、検出したジェスチャに対応付けられている指示信号が、アプリケーション処理信号として出力される。具体的には、車両制御用コンピュータ34は、車両100が実装しているオーディオやエアーコンディショナ、電灯などの車載機器に対する各種の操作(再生や停止、オン/オフなど)を行うためのジェスチャを認識することができる。また、車両制御用コンピュータ34は、例えば、AI(Artificial Intelligence)を利用してユーザの用件に応じた応答を行うエージェント機能に対して、乗員どうしの会話を妨げることなく、様々な用件の入力を行うためのジェスチャを認識することができる。
【0151】
このように、車両制御用コンピュータ34が、乗員のジェスチャを認識することで、例えば、操作スイッチを利用して各種の操作を行う場合と比較して、運転中に前方に向けるべき視線を妨げることなく、車載機器に対する操作を指示することができる。即ち、操作スイッチを利用する場合には、操作スイッチを目視するために前方から視線を逸らす必要があったのに対し、ジェスチャを利用する場合には、そのように視線を逸らすことなく操作を行うことができる。
【0152】
ところで、上述した発光ダイオードおよびTOFセンサの配置例では、車両100のような閉所について説明したが、距離計測装置11は、車両100以外に適用することができる。即ち、ユーザの位置が狭い範囲に限定されるような特定の閉所におけるジェスチャ認識を行うのに、距離計測装置11を利用することができる。
【0153】
例えば、距離計測装置11を利用することで、ユーザは、リビングのソファなどの特定の場所においてテレビ放送でスポーツを観戦しているときに、画面から視線を逸らすことなく、即ち、画面に対する集中が妨げられることなく、ジェスチャにより様々な操作を行うことができる。また、距離計測装置11を利用することで、例えば、ユーザが、キッチンにおいて料理を行っていて、手が汚れるような作業中などのように手が塞がっている状況で、機器に対して手を触れることなく、ジェスチャにより様々な操作を行うことができる。同様に、距離計測装置11を利用することで、例えば、ユーザが、所定の作業場所において組み立て作業などのような細かい作業を行っていて手が塞がっている状況で、機器に対して手を触れることなく、ジェスチャにより様々な操作を行うことができる。
【0154】
ところで、距離計測装置11は、TOFセンサ25を利用してデプス画像を取得するように構成されており、例えば、複数のカメラを利用して距離を求めるステレオカメラを利用する構成よりも優位である。即ち、ステレオカメラは、色または反射率が類似していて距離が異なるような被写体の弁別が困難である点や、演算量が多いために演算リソースおよび消費電力が増大する点などで、TOFセンサ25より不利である。また、TOFセンサ25を利用する構成は、物体の表面に特殊な設計の光パターンを投射し、その被投射パターンの変形を分析するストラクチャードライトを利用する構成よりも、演算量を削減することができる点で優位である。
【0155】
図25は、上述した一連の処理をプログラムにより実行するコンピュータのハードウエアの構成例を示すブロック図である。
【0156】
コンピュータにおいて、CPU(Central Processing Unit)201,ROM(Read Only Memory)202,RAM(Random Access Memory)203、およびEEPROM(Electronically Erasable and Programmable Read Only Memory)204は、バス205により相互に接続されている。バス205には、さらに、入出力インタフェース206が接続されており、入出力インタフェース206が外部に接続される。
【0157】
以上のように構成されるコンピュータでは、CPU201が、例えば、ROM202およびEEPROM204に記憶されているプログラムを、バス205を介してRAM203にロードして実行することにより、上述した一連の処理が行われる。また、コンピュータ(CPU201)が実行するプログラムは、ROM202に予め書き込んでおく他、入出力インタフェース205を介して外部からEEPROM204にインストールしたり、更新したりすることができる。
【0158】
<構成の組み合わせ例>
なお、本技術は以下のような構成も取ることができる。
(1)
距離を計測する対象となる対象物体に向かって、変調された光を照射する光源と、
前記光源から照射された光が前記対象物体で反射した反射光を受光するセンサと、
前記センサから出力される信号を用いて、少なくとも前記対象物体までの距離を求める信号処理を施す信号処理部と、
前記対象物体までの距離を計測した計測結果に含まれる測距誤差を算出する誤差算出部と、
前記誤差に基づいたフィードバック制御を行って、バッテリの出力電圧を所定の電圧に変換して供給する電源と
を備える距離計測装置。
(2)
前記信号処理部は、前記対象物体までの距離を利用したアプリケーションを実行することにより得られるアプリケーション処理信号を後段のブロックに出力するとともに、前記誤差算出部に供給し、
前記誤差算出部は、前記アプリケーション処理信号に基づいて前記誤差を算出する
上記(1)に記載の距離計測装置。
(3)
前記信号処理部は、前記センサの画素ごとに前記対象物体までの距離が求められたデプス信号を前記誤差算出部に供給し、
前記誤差算出部は、前記デプス信号に基づいて前記誤差を算出する
上記(1)または(2)に記載の距離計測装置。
(4)
前記センサは、それぞれの画素が受光した光の光量を画素値としたRAW信号を前記信号処理部に供給するとともに、前記誤差算出部に供給し、
前記誤差算出部は、前記RAW信号に基づいて前記誤差を算出する
上記(1)から(3)までのいずれかに記載の距離計測装置。
(5)
前記電源は、前記光源に電力を供給する光源用電源、前記センサに電力を供給するセンサ用電源、または、前記信号処理部に電力を供給する信号処理用電源のいずれかである
上記(1)から(4)までのいずれかに記載の距離計測装置。
(6)
距離を計測する対象となる対象物体に向かって、変調された光を照射する光源と、
前記光源から照射された光が前記対象物体で反射した反射光を受光するセンサと、
前記センサから出力される信号を用いて、少なくとも前記対象物体までの距離を求める信号処理を施す信号処理部と
を備える距離計測装置の距離計測方法において、
前記対象物体までの距離を計測した計測結果に含まれる測距誤差を算出し、
前記誤差に基づいたフィードバック制御を行って、バッテリの出力電圧を所定の電圧に変換して供給する
ステップを含む距離計測方法。
(7)
距離を計測する対象となる対象物体に向かって、変調された光を照射する光源と、
前記光源から照射された光が前記対象物体で反射した反射光を受光するセンサと、
前記センサから出力される信号を用いて、少なくとも前記対象物体までの距離を求める信号処理を施す信号処理部と
を備える距離計測装置のプログラムにおいて、
前記対象物体までの距離を計測した計測結果に含まれる測距誤差を算出し、
前記誤差に基づいたフィードバック制御を行って、バッテリの出力電圧を所定の電圧に変換して供給する
ステップを含む処理をコンピュータに実行させるプログラム。
(8)
距離を計測する対象となる対象物体に向かって、変調された光を照射する光源と、
前記光源から照射された光が前記対象物体で反射した反射光を受光するセンサと、
前記光源のピーク電圧を制御する制御部と
を備える距離計測装置。
(9)
前記光源のピーク電圧を低減するのに伴って、前記センサのフレームレートを低下する
上記(1)から(8)までのいずれかに記載の距離計測装置。
(10)
前記制御部は、前記光源のピーク電圧を低減するのに伴って、前記センサに供給される電力の電圧を増加するように制御する
上記(1)から(8)までのいずれかに記載の距離計測装置。
(11)
前記制御部は、前記光源のピーク電圧を低減するのに伴って、前記センサにおいて画素加算を行うように制御する
上記(1)から(8)までのいずれかに記載の距離計測装置。
(12)
複数の前記光源を備え、
前記制御部は、複数の前記光源のピーク電圧を低減する
上記(1)から(8)までのいずれかに記載の距離計測装置。
(13)
複数の前記光源により照明光が重なる部分において光量が増加するような照射パターンを形成する
上記(12)に記載の距離計測装置。
(14)
距離を計測する対象となる対象物体に向かって、変調された光を照射する光源と、
前記光源から照射された光が前記対象物体で反射した反射光を受光するセンサと
を備える距離計測装置の距離計測方法において、
前記光源のピーク電圧を制御する
ステップを含む距離計測方法。
(15)
距離を計測する対象となる対象物体に向かって、変調された光を照射する光源と、
前記光源から照射された光が前記対象物体で反射した反射光を受光するセンサと
を備える距離計測装置のプログラムにおいて、
前記光源のピーク電圧を制御する
ステップを含む処理をコンピュータに実行させるプログラム。
(16)
距離を計測する対象となる対象物体に向かって、変調された光を照射する光源と、
前記光源から照射された光が前記対象物体で反射した反射光を受光するセンサと
を備え、
複数の前記光源、および、少なくとも1つ以上の前記センサが、閉鎖された空間内部に配置され、所定のセンシング範囲のセンシングを行う
距離計測装置。
(17)
前記光源および前記センサが一組ごとに近傍に配置され、複数の前記光源および前記センサにより前記空間内部におけるセンシング範囲を分割するように、
前記光源および前記センサが配置される
上記(16)に記載の距離計測装置。
(18)
複数の前記光源が前記センサの近傍に配置されて、前記空間内部において前記光の照射範囲を分割し、
1つの前記センサにより、それらの照射範囲からの反射光を受光するように、
前記光源および前記センサが配置される
上記(16)に記載の距離計測装置。
(19)
複数の前記光源がそれぞれ測定の対象とする前記対象物体の近傍に配置されて、前記空間内部において前記光の照射範囲を分割し、
1つの前記センサにより、それらの照射範囲からの反射光を受光するように、
前記光源および前記センサが配置される
上記(16)に記載の距離計測装置。
(20)
複数の前記光源のうちの、少なくとも1つの前記光源は、前記センサよりも前記対象物体の近傍に配置される
上記(19)に記載の距離計測装置。
(21)
1つの前記センサに対して、複数の前記光源を、それぞれ測定対象とする前記対象物体の近傍に配置し、
複数の前記光源は、それぞれ対応する前記対象物体の位置に向かって前記光を照射する
上記(19)に記載の距離計測装置。
(22)
前記センサから出力される信号を用いて、前記対象物体である人物までの距離を求める信号処理を施す信号処理部をさらに備え、
前記信号処理部は、前記距離に基づいたデプス画像を利用して前記人物が行う特定のジェスチャを検出し、そのジェスチャに対応付けられている指示信号を出力する
上記(21)に記載の距離計測装置。
(23)
複数の前記光源に対して、時分割で順番に電力を供給し、
前記センサは、複数の前記光源それぞれの前記照射範囲から順番に反射光を検出し、
前記信号処理部が、いずれかの前記照射範囲において前記人物が行うジェスチャの動きの始まりを検出した場合、その照射範囲に光を照射する前記光源に優先的に電力を供給する
上記(22)に記載の距離計測装置。
(24)
前記センサは、車両内部において前方の略中央に配置されるルームミラーの近傍に配置され、
複数の前記光源は、前記車両に装備される複数の座席の近傍で、それぞれの座席に向かって前記光を照射するように配置される
上記(21)から(23)までのいずれかに記載の距離計測装置。
(25)
前記センサと、前記センサから離れて配置される複数の前記光源とは、それぞれ配線を利用して接続されており、前記配線を介して供給される共通の同期信号を利用して同期する
上記(21)から(24)までのいずれかに記載の距離計測装置。
(26)
前記センサと、前記車両の前方に装備される座席に対して配置される複数の前記光源とは、それぞれ前記配線を利用して接続される一方、
前記車両の前方以外に装備される座席に対して配置される複数の前記光源は、前記センサとは接続されずに、それらの前記光源どうしが前記配線を利用して接続される
上記(25)に記載の距離計測装置。
【0159】
なお、本実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。また、本明細書に記載された効果はあくまで例示であって限定されるものではなく、他の効果があってもよい。
【符号の説明】
【0160】
11 距離計測装置, 12 距離計測処理ユニット, 13 電源ユニット, 14 FPGA, 21 光変調部, 22 発光ダイオード, 23 投光レンズ, 24 受光レンズ, 25 TOFセンサ, 26 画像記憶部, 27 信号処理部, 31 無影画像生成部, 32 演算処理部, 33 出力部, 34 車両制御用コンピュータ, 41 メインバッテリ, 42 光源用電源, 43 TOFセンサ用電源, 44 信号処理用電源, 45 誤差算出部, 100 車両, 101 距離計測装置, 102 TOFセンサ, 103 発光ダイオード
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25