【解決手段】プロジェクタ1は、光変調装置130と、光変調装置130からの光を投射する投射レンズ20と、光変調装置130を密閉収容する密閉筐体110と、密閉筐体110が内部に配置されるプロジェクタ筐体10と、密閉筐体110の上部に設けられ、密閉筐体110内から吸熱し、密閉筐体外に放熱する熱交換器170と、密閉筐体110内に設けられ、密閉筐体110の下面に沿って設けられた導風路S2を光変調装置130が配置された主要空間S1から区画し、主要空間S1導風路S2とを連通する入口115aおよび熱交換器170に向けられている出口115bを有する導風壁115と、入口115aに設けられ、主要空間S1内の空気を導風路S2内に導入し、導風路S2内の空気を出口115bまで誘導し、出口115bから熱交換器170に送風するシロッコファン150,151とを備える。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、適宜図面を参照しながら、実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。なお、発明者は、当業者が本開示を十分に理解するために添付図面および以下の説明を提供するのであって、これらによって特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図するものではない。
【0010】
(第1実施形態)
[1.構成]
図1は、本開示の実施形態に係るプロジェクタ1の外観を示す斜視図である。プロジェクタ1は、内部に備える光源から射出された光束を画像情報に応じて変調して光学像を形成し、形成した光学像をスクリーン上に拡大投射するものである。プロジェクタ1は、概ね直方体状のプロジェクタ筐体10と、プロジェクタ筐体10から露出する投射レンズ20とを備える。プロジェクタ筐体10の下面の四隅には概ね円柱状の脚部材11が取り付けられており、プロジェクタ1は脚部材11を介して設置される。説明の便宜上、投射レンズ20の光軸Lが延びる方向のうち、投射方向(矢印A方向)を前方とし、その反対方向(矢印B方向)を後方とする。
【0011】
投射レンズ20は、鏡筒内に複数のレンズが収納された組レンズとして構成され、プロジェクタ1の装置本体によって画像情報に応じて変調された光学像を拡大投射する。本実施形態では、投射レンズ20は、取り外し可能である。投射レンズ20を取り換えることで、用途に応じて拡大倍率を変更できる。
【0012】
プロジェクタ筐体10は、投射レンズ20が貫通する孔部12aを有する前面パネル12と、前面パネル12と対向する後面パネル13とを備える。また、プロジェクタ筐体10は、4個(内2個が図示されている)の脚部材11が取り付けられた下面パネル14と、下面パネル14と対向する上面パネル15と、下面パネル14および上面パネル15を接続する2つの側面パネル16,17とを備える。各パネル12〜17は、合成樹脂製であり、これらが図示のように組み合わされ、ねじ止めにより固定されることで、直方体状のプロジェクタ筐体10が構成される。特に、プロジェクタ筐体10には放熱用の複数の放熱孔18が設けられており、放熱孔18を介してプロジェクタ筐体10の内部の熱を外部に放出できる構成となっている。
【0013】
図2は、
図1のプロジェクタ1の状態から、上面パネル15と、投射レンズ20とを取り外した状態を示す斜視図である。プロジェクタ筐体10の内部には、投射レンズ20に機械的に接続される光学ユニット100と、光学ユニット100に光を供給する光源装置(図示せず)と、光学ユニット100および光源装置に電力を供給する電源装置(図示せず)と、これらを制御する制御装置30(
図10参照)とが配置される。
【0014】
図3は、
図2の光学ユニット100を示す斜視図である。光学ユニット100は、密閉筐体110によって覆われた密閉構造を有している。密閉筐体110は、概ね直方体状であり、下側マウントケース111と、下側マウントケース111の上方に組み合わされる上側マウントケース112と、下側マウントケース111の側方に組み合わされるファンケース113と、ファンケース113の上方かつ上側マウントケース112の側方に組み合わされる熱交換器ケース114とを備える。
【0015】
下側マウントケース111は、光学ユニット100において主要な光学部品が配置されるケースであり、光学ユニット100の前面も構成している。この前面には投射レンズ20(
図1参照)を取り付けるための円形のレンズ取付穴111aが形成されている。レンズ取付穴111aに投射レンズ20が取り付けられた状態では、レンズ取付穴111aが投射レンズ20によって完全に閉じられるため、密閉筐体110の内部は密閉空間となる。また、この前面においてレンズ取付穴111aの近傍には、投射レンズ20を取り外すためのボタン111bが設けられている。ユーザは、ボタン111bを押下することで、投射レンズ20を容易に取り外すことができる構成となっている。上側マウントケース112は、下側マウントケース111の蓋体となるケースである。ファンケース113および熱交換器ケース114は、後述するようにシロッコファン160,161(
図8参照)および熱交換器170をそれぞれ収容し、さらに空気の循環経路を規定するケースである。そのため、ファンケース113および熱交換器ケース114の内部空間は、下側マウントケース111および上側マウントケース112によって形成される空間と流体的に連通している。なお、下側マウントケース111およびファンケース113の下面は開口しており、
図2に示すように光学ユニット100が下面パネル14上に配置されることで、下面パネル14によってこれらの開口が閉じられる。即ち、プロジェクタ筐体10と、密閉筐体110とは、下面を共有している。
【0016】
図4は上側マウントケース112を取り外して密閉筐体110の内部を示す前方から見た斜視図であり、
図5はそれを後方から見た斜視図である。
図4および
図5を併せて参照すると、下側マウントケース111内には、照明光入射部120と、DLP(Digital Light Processing:登録商標)方式の光変調素子であるDMD(デジタル・ミラー・デバイス)を含む光変調装置130と、シロッコファン(第3のシロッコファン)140〜142とが設けられている。本実施形態では、光変調の方式としてDLP方式が採用されている。DLP方式のプロジェクタの光学機構は既知であるため、詳細な説明および図示は、以下において省略されることがある。
【0017】
照明光入射部120は、光源装置(図示せず)からの照明光を光変調装置130に誘導する部分である。照明光入射部120は、光源装置(図示せず)からの光を採り入れるレンズ付きの開口である採光部121と、採光部121から採り入れた光を光変調装置130に誘導するための鏡筒およびミラー等からなる光誘導部122とを備える。
【0018】
光変調装置130は、画像情報に応じて照明光入射部120からの光を変調し、所望の光学像を形成する部分である。光変調装置130は、変調色としての赤色、緑色、青色にそれぞれ対応するDMD131〜133と、照明光入射部120からの光を各DMD131〜133に対応した所定の波長に分けて各DMD131〜133に誘導するプリズム134とを備える。また、プリズム134は、各DMD131〜133にて変調された光を投射レンズ20にも誘導する。
【0019】
このようにDMD131〜133によって光変調され、形成された所望の光学像は、投射レンズ20(
図1参照)を介してスクリーンなどに拡大投射される。また、DMD131〜133は、機能上、発熱する特性を有し、即ち発熱体となっている。従って、本実施形態では、DMD131〜133を冷却するために、DMD131〜133に向けてシロッコファン140〜142が配置されている。シロッコファン140〜142は、固定用プレート143を介して密閉筐体110にそれぞれねじ止めによって固定されている。
【0020】
図6は、光学ユニット100の密閉筐体110内の密閉空間の詳細を示す部分分解図である。
図6には、密閉筐体110およびプロジェクタ筐体10が分解された状態で示されている。下側マウントケース111は、上げ底となっている導風壁115を有している。そのため、導風壁115によって、密閉筐体110内の密閉空間は、完全ではないが2つの空間に区画されている。具体的には、上記の発熱体としての光変調装置130などの主要な光学部品が配置された主要空間S1と、その下方に設けられている放熱用の空気の流路となる導風路S2とに区画されている(
図9、
図11参照)。主要空間S1は、下側マウントケース111と上側マウントケース112とによって画定される。導風路S2は、後述するように下側マウントケース111と下面パネル14とファンケース113と熱交換器ケース114とによって画定される。導風路S2を形成するために、下面パネル14は下側マウントケース111の形状に対応した凹部14aを有し、さらに空気の流動方向を上方に変換するための湾曲面14bを有している。そのため、本実施形態の導風路S2はL字型に湾曲している。導風壁115には、2つの円形の開口115aが形成されており、主要空間S1および導風路S2は開口115aを介して流体的に連通している。開口115aは、空気の流れの観点から、導風路S2の入口115aとして構成されている。この入口115aは、前方から見て熱交換器ケース114に隣接した下側マウントケース111の側部とは反対側の側部の付近に設けられている。この入口(開口)115aには、2個のシロッコファン(第1のシロッコファン)150,151の吸込口が配置される。従って、シロッコファン150,151によって、主要空間S1内の空気を導風路S2内に導入し、導風路S2内の空気を後述する出口まで誘導できる。なお、
図6は、開口115aの説明上、シロッコファン150,151が下面パネル14に載置された状態で示されている。しかし、実際は、シロッコファン150,151は導風壁115に対してねじ止めによって固定されている。
【0021】
図7は光学ユニット100の正面図であり、
図8は光学ユニット100を下方から見た斜視図であり、
図9は光学ユニット100を前方から見た断面図である。なお、
図9は、断面図であるが、図示を明瞭にするため、断面が表示されている全部品にハッチングを施しておらず、導風壁115にのみハッチングを施している。
図7から
図9を併せて参照して、導風壁115の下方には、2個のシロッコファン(第1のシロッコファン)150,151が配置されている。導風壁115は、密閉筐体110の下面に沿って延び、さらに熱交換器ケース114に収容された熱交換器(吸熱部)170までL字型に延びている。これにより、導風路S2も同様にL字型に形成され、その出口115bは熱交換器170に向けられている。出口115bには、ファンケース113に収容された2個のシロッコファン(第2のシロッコファン)160,161が熱交換器170に向かって配置されている。従って、導風路S2内の空気は、シロッコファン150,151,160,161によって出口115bを介して熱交換器170に送られる。
【0022】
図5に示すように、熱交換器170は、平行に配置された金属製の複数の矩形の板状のフィン171と、これらのフィン171の中央部を貫通している複数の液冷パイプ172とからなる。熱交換器170では、液冷パイプ172内に冷媒となる液体が流動しており、空気がフィン171の間を通過する際に液冷パイプ172によって冷却される。熱交換器170は、一部が密閉筐体110の内部に配置され、一部が密閉筐体110の外部に露出している。従って、密閉筐体110の内部の熱は密閉筐体110の内部に配置された熱交換器170の一部によって吸熱され、吸熱された熱は、熱交換器内170で伝導され、密閉筐体110の外部に露出した熱交換器170の一部から放熱されることができる。
【0023】
図9に示すように、投射レンズ20(
図1参照)の光軸L方向から、シロッコファン150,151と、熱交換器170との位置関係を見ると、シロッコファン150,151は、発熱体となる光変調装置130に対して熱交換器170と反対側に配置されている。この配置によって、後述するように、
図9の矢印によって示される空気の循環構造が達成される。即ち、シロッコファン150,151によって誘導される密閉筐体110内の空気は、光軸L周りを循環するようにされている。
【0024】
また、本実施形態では、制御装置30によってシロッコファン140〜142,150,151,160,161が制御されている。制御装置30は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)のような記憶装置を含むハードウェアと、それに実装されたソフトウェアにより構築されている。
【0025】
図10は、制御装置30による制御を示すブロック図である。
図10に概念的に示すように、プロジェクタ1は、投射レンズ20の取り付け状態を検知する検知部31を備えている。検知部31は、投射レンズ20の取り付け状態を機械的または電気的に検知するセンサである。制御装置30は、検知部31にて検知された取り付け状態が投射レンズ20を取り外した状態であるか否かを判定する判定部32と、判定部32によって投射レンズ20を取り外した状態であると判定された際にシロッコファン140〜142,150,151,160,161を停止するファン停止部33とを有している。この構成よって、後述するように、適時にシロッコファン140〜142,150,151,160,161を停止し、防塵性能を確保している。
【0026】
[2.動作]
以上のように構成されたプロジェクタ1について、その動作を以下説明する。ただし、プロジェクタ1の投射動作自体は一般のDLP方式のプロジェクタ1と同様であるため、説明を省略する。以下では、プロジェクタ1の放熱に関する動作と、制御に関する動作とについて説明する。
【0027】
[2−1.放熱に関する動作]
図11は、
図9の空気の流れ(矢印参照)をより明瞭に示す模式図である。
図9および
図11を併せて参照して、シロッコファン150,151によって、空気は、入口(開口)115aを通じて主要空間S1から導風路S2内に導入される。導風路S2内に導入された空気は、シロッコファン150,151,160,161によって入口115aから出口115bに向かって誘導される。出口115bに誘導された空気は、シロッコファン150,151,160,161によって、熱交換器170に送られ、熱交換器170を通過し、さらに発熱体としての光変調装置130の近傍を通過し、入口115aまで流動する。このように、本実施形態のプロジェクタ1の密閉筐体110内では、光軸L周りに空気が循環している。
【0028】
本実施形態で、シロッコファンを使用しているのは、密閉筐体110内の密閉空間内で空気を流動させるために十分な静圧を持つファンを使用する必要があるためである。そのため、静圧の観点から、DMD131〜133の直接冷却用に設けられているシロッコファン140〜142は、空気を循環させるために設けられているシロッコファン150,151,160,161よりも小型で小静圧であり得る。また、同じ空気の循環用に設けられているシロッコファン150,151,160,161は、静圧の差を設ける必要もなく、同じものであってもよい。
【0029】
[2−2.制御に関する動作]
図10に示すように、検知部31によって投射レンズ20の取り外し状態を検知できる。そして、検知部31からの情報を受けて制御装置30の判定部32によって取り外し判定を行う。このとき、投射レンズ20を取り外したと判定された際には制御装置30のファン停止部33によってシロッコファン140〜142,150,151,160,161を停止する。これにより、投射レンズ20を取り外した際に、シロッコファン140〜142,150,151,160,161を駆動して密閉筐体110内への塵芥を吸い込むことを防止できる。このとき、本実施形態のように、全てのシロッコファン140〜142,150,151,160,161を停止することが好ましいが、一部のシロッコファンのみを停止してもよい。
【0030】
[3.効果等]
以上のように、本実施の形態において、プロジェクタ1は、光変調装置130と、光変調装置130からの光を投射する投射レンズ20と、光変調装置130を密閉収容する密閉筐体110と、密閉筐体110が内部に配置されるプロジェクタ筐体10と、密閉筐体110の上部に設けられ、密閉筐体110内から吸熱し、密閉筐体110外に放熱する熱交換器170(吸熱部の一例)と、密閉筐体110内に設けられ、密閉筐体110の下面に沿って設けられた導風路S2を光変調装置130が配置された主要空間S1から区画し、主要空間S1と導風路S2を連通する入口115aおよび熱交換器170に向けられている出口115bを有する導風壁115と、入口115aに設けられ、主要空間S1内の空気を導風路S2内に導入し、導風路S2内の空気を出口115bまで誘導し、出口115bから熱交換器170に送風するシロッコファン150,151(第1のシロッコファン)とを備える。
【0031】
これにより、防塵が必要な光変調装置130を密閉筐体110によって覆うことで、光変調装置130に塵芥が付着することを防止し、防塵性能を確保できる。また、密閉筐体110内の構成要素を好適に配置することで放熱性能を向上させているため、プロジェクタ1を小型化できる。詳細には、導風壁115によって導風路S2が区画されており、導風路S2は密閉筐体110の下面に沿って配置されている。これにより、密閉筐体110内の下部において整流された空気の流れを形成できるため、密閉筐体110の下面から密閉筐体110外への放熱性能を向上できる。また、発熱体としての光変調装置130が配置されているために高温となり得る主要空間S1内の空気は、シロッコファン150,151によって、導風路S2内に導入され、導風路S2を通って熱交換器170に送られ、熱交換器170にて吸熱され、密閉筐体110外に放熱される。このようにして、効果的に密閉筐体110内を冷却することができ、放熱性能を改善している。
【0032】
一つの局面において、プロジェクタ1では、投射レンズ20の光軸L方向から見て、シロッコファン150,151は、光変調装置130に対して熱交換器170と反対側に配置されている。
【0033】
これにより、密閉筐体110内において、シロッコファン150,151と熱交換器170との間での空気の流動距離を長くすることができ、結果として密閉筐体110内の全体で空気を流動させることができ、放熱性能を一層向上できる。
【0034】
一つの局面において、プロジェクタ1では、シロッコファン150,151は、密閉筐体110の第1側部に配置され、熱交換器170は、第1側部と対向する第2側部に配置され、投射レンズ20は、光軸Lが第1側部と第2側部との間で延びるように配置され、シロッコファン150,151によって誘導される密閉筐体110内の空気は、光軸L周りを循環するようにされている。
【0035】
これにより、熱交換器170が密閉筐体110の側部の熱交換器ケース114内に配置されていることで、熱交換器170は密閉筐体110の側面から密閉筐体110外へ放熱できる。また、シロッコファン150,151が熱交換器ケース114と対向する側部に配置されていることで、前述のようにシロッコファン150,151と熱交換器170との間での空気の流動距離を長くすることができ、結果として密閉筐体110内を全体的に冷却できる。また、投射レンズ20が両側部の間で光軸Lが延びるように配置され、密閉筐体110内において光軸L周りを空気が循環するようにされている。ここで、プロジェクタ1では、投射レンズ20に対して光軸L方向には光学系の部品が多く配置され得る。そのため、熱交換器170およびシロッコファン150,151等の冷却機構をそれらの光学系の部品が配置されるべき領域を避けて各側部に配置することで、光学系の部品に与える影響を低減することができる。
【0036】
一つの局面において、プロジェクタ1では、プロジェクタ筐体10と、密閉筐体110とは、下面を共有している。
【0037】
これにより、プロジェクタ筐体10と密閉筐体110とが下面を共有していることで、密閉筐体110の下面(即ちプロジェクタ筐体10の下面)からの放熱がプロジェクタ1の外部への放熱となるため、プロジェクタ1の放熱性能を向上させることができる。
【0038】
一つの局面において、プロジェクタ1は、導風路S2の出口115bにて熱交換器170に向かって配置されたシロッコファン160,161(第2のシロッコファン)を備える。
【0039】
これにより、シロッコファン160,161を設けているため、導風路S2の出口115bから熱交換器170の空気の送風を一層確実に行うことができる。従って、プロジェクタ1の放熱性能を一層向上させることができる。
【0040】
一つの局面において、プロジェクタ1は、光変調装置130に向かって配置されたシロッコファン140〜142(第3のシロッコファン)をさらに備える。
【0041】
これにより、シロッコファンを設けているため、発熱体としての光変調装置130を直接冷却できるため、プロジェクタ1の放熱性能を一層向上させることができる。
【0042】
一つの局面において、プロジェクタ1は、投射レンズ20は取り外し可能であって、投射レンズ20の取り付け状態を検知する検知部31と、検知部31にて検知された取り付け状態が投射レンズ20を取り外した状態であるか否かを判定する判定部32と、判定部32によって投射レンズ20を取り外した状態であると判定された際にシロッコファン150,151を停止するファン停止部33とを有する制御装置とをさらに備える。
【0043】
これにより、検知部31によって投射レンズ20の取り外し状態を検知し、制御装置30の判定部32によって取り外し判定を行い、投射レンズ20を取り外した際には制御装置30のファン停止部33によってシロッコファン140〜142,150,151,160,161を停止する。これにより、投射レンズ20を取り外した際に、シロッコファン140〜142,150,151,160,161を駆動して密閉筐体110内への塵芥を吸い込むことを防止できる。このとき、本実施形態のように、全てのシロッコファン140〜142,150,151,160,161を停止することが好ましいが、一部のシロッコファンのみを停止してもよい。
【0044】
(他の実施形態)
以上のように、本開示における技術の例示として、第1実施形態を説明した。しかし、本開示における技術は、これに限定されず、適宜、変更、付加、置換、省略などをおこなった実施形態にも適用可能である。また、第1実施形態で説明した各構成要素を組み合わせて新たな実施形態とすることも可能である。その例として以下では他の実施形態についても説明する。
【0045】
図12に示す他の実施形態では、第1実施形態のプロジェクタ1の放熱性能が不足している場合、第1実施形態の構成に加え、追加冷却機構180がさらに設置され得る。追加冷却機構180は、DMD131〜133をより一層冷却するためのものである。追加冷却機構180は、DMD131〜133を冷却するための冷却パッド181と、冷却パッド181に冷媒を供給するための冷媒配管182と、冷媒を溜めるための冷媒タンク183と、熱交換器170および冷媒を冷却するためのシロッコファン184とを備える。冷却パッド181は、それぞれDMD131〜133に取り付けられている。冷媒タンク183は、円筒状であり、ファンケース113および熱交換器ケース114の側方に2個上下に並べて配置されている。シロッコファン184は、ファンケース113の外部に2個取り付けられており、一方は熱交換器170に向けられ、他方は後方に向けられている。即ち、冷媒タンク183およびシロッコファン184は、密閉筐体110外に配置されている。
【0046】
シロッコファン184によって冷却された冷媒は、冷媒配管182を通じて冷却パッド181に供給され、DMD131〜133を冷却した後、冷媒配管182を通じて冷媒タンク183に供給され、蓄えられ、再びシロッコファン184によって冷却される。このように冷媒は循環しており、冷媒によって各DMD131〜133は冷却されてもよい。
【0047】
また、他の実施形態では、第1実施形態のプロジェクタ1の放熱性能が過分である場合、第1実施形態の構成においてシロッコファン140〜142、または、シロッコファン160,161は設置されなくてもよい。これにより、プロジェクタ1を一層小型化できる。
【0048】
また、他の実施形態では、本開示の技術は、DLP方式以外のLCD(Liquid Crystal Display)方式またはLCoS(Liquid Crystal on Silicon)方式などの方式のプロジェクタにも適用され得る。
【0049】
以上のように、本開示における技術の例示として、各実施形態を説明した。そのために、添付図面および詳細な説明を提供した。
【0050】
従って、添付図面および詳細な説明に記載された構成要素の中には、課題解決のために必須な構成要素だけでなく、上記技術を例示するために、課題解決のためには必須でない構成要素も含まれ得る。そのため、それらの必須ではない構成要素が添付図面や詳細な説明に記載されていることをもって、直ちに、それらの必須ではない構成要素が必須であるとの認定をするべきではない。
【0051】
また、上述の各実施形態は、本開示における技術を例示するためのものであるから、特許請求の範囲またはその均等の範囲において種々の変更、置き換え、付加、省略などを行うことができる。