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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-205606(P2018-205606A)
(43)【公開日】2018年12月27日
(54)【発明の名称】カメラ装置
(51)【国際特許分類】
   G03B 17/02 20060101AFI20181130BHJP
   G03B 15/00 20060101ALI20181130BHJP
   G03B 17/56 20060101ALI20181130BHJP
   H04N 5/225 20060101ALI20181130BHJP
【FI】
   G03B17/02
   G03B15/00 V
   G03B17/56 H
   H04N5/225 430
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2017-112816(P2017-112816)
(22)【出願日】2017年6月7日
(71)【出願人】
【識別番号】000001487
【氏名又は名称】クラリオン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001081
【氏名又は名称】特許業務法人クシブチ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】藤原 亮
【テーマコード(参考)】
2H100
2H105
5C122
【Fターム(参考)】
2H100CC01
2H100EE00
2H100EE06
2H105DD07
2H105DD08
2H105EE06
5C122EA02
5C122FB08
5C122GE01
5C122GE06
5C122GE11
(57)【要約】
【課題】レンズに付着した水滴及び氷を容易に除去するとともに、コストを抑えることが可能なカメラ装置を提供する。
【解決手段】表面13bに親水コーティングが施されたレンズ13と、レンズ13を支持する鏡筒12と、発熱体25が取付けられた基板22とを備え、鏡筒12は、金属又は熱伝導性を有する樹脂からなり、鏡筒12に、発熱体25が接着剤26を介して接続される。発熱体25で生じる熱は、鏡筒12を介してレンズ13に伝わり、レンズ13自体が温められる。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外表面に親水コーティングが施されたレンズと、前記レンズを支持する鏡筒と、発熱体が取付けられた基板とを備え、
前記鏡筒は、金属又は熱伝導性を有する樹脂からなり、前記鏡筒に、前記発熱体又は前記基板が接続されることを特徴とするカメラ装置。
【請求項2】
前記発熱体は、前記レンズを通過した光を電気信号に変換する撮像素子であることを特徴とする請求項1に記載のカメラ装置。
【請求項3】
前記基板は、前記発熱体の他に前記レンズを通過した光を電気信号に変換する撮像素子が取付けられていることを特徴とする請求項1に記載のカメラ装置。
【請求項4】
前記基板は、前記発熱体と前記撮像素子との間にスリット又は凹部が設けられていることを特徴とする請求項3に記載のカメラ装置。
【請求項5】
前記基板は、前記スリット又は凹部の前記撮像素子側に、前記撮像素子の出力を外部に取り出すためのコネクタが設けられることを特徴とする請求項4に記載のカメラ装置。
【請求項6】
前記鏡筒の周囲に筐体を備え、少なくとも前記鏡筒及び前記筐体の一方に、前記レンズの正面視にて、前記レンズの中央の下方から側方にずれた位置に、前記レンズに付着した水滴を除去する水滴除去部材が設けられ、前記水滴除去部材は、親水性を有し、前記水滴除去部材の少なくとも一部が、前記レンズの正面視にて前記レンズに重なるとともに前記レンズの表面に接触又は近接することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のカメラ装置。
【請求項7】
前記水滴除去部材の少なくとも一部は、突起状に形成されていることを特徴とする請求項6に記載のカメラ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カメラ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、カメラ装置として、レンズの前側に配置された排水部材でレンズに付着した水滴を除去するもの(例えば、特許文献1参照)が知られている。
また、カメラ部を収納するカメラケースの前面にガラス部材を設け、ガラス部材を加熱することでガラス部材に付着した氷を除去するもの(例えば、特許文献2参照)が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015−152883号公報
【特許文献2】特開平6−258713号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、レンズの表面に氷が付着した場合、レンズの前側下方に配置された排水部材が、氷の落下を妨げていた。
また、特許文献2では、カメラケースのガラス部材にヒーターが取付けられているが、ガラス部材に雪や氷が付着する状況では、カメラ本体のレンズ自体に結露等で水滴が付着することがある。また、カメラ本体に対して、ガラス部材、ヒーター、パッキン、カバー等、部品数が多くなるとともに、ヒーターが、撮影された映像に映り込まない特別なものにする必要があるため、コストアップを招く。
本発明の目的は、レンズに付着した水滴及び氷を容易に除去するとともに、コストを抑えることが可能なカメラ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、外表面に親水コーティングが施されたレンズと、前記レンズを支持する鏡筒と、発熱体が取付けられた基板とを備え、前記鏡筒は、金属又は熱伝導性を有する樹脂からなり、前記鏡筒に、前記発熱体又は前記基板が接続されることを特徴とする。
【0006】
上記発明において、前記発熱体は、前記レンズを通過した光を電気信号に変換する撮像素子であっても良い。
また、上記発明において、前記基板は、前記発熱体の他に前記レンズを通過した光を電気信号に変換する撮像素子が取付けられていても良い。
【0007】
また、上記発明において、前記基板は、前記発熱体と前記撮像素子との間にスリット又は凹部が設けられていても良い。
また、上記発明において、前記基板は、前記スリット又は凹部の前記撮像素子側に、前記撮像素子の出力を外部に取り出すためのコネクタが設けられるようにしても良い。
【0008】
また、上記発明において、前記鏡筒の周囲に筐体を備え、少なくとも前記鏡筒及び前記筐体の一方に、前記レンズの正面視にて、前記レンズの中央の下方から側方にずれた位置に、前記レンズに付着した水滴を除去する水滴除去部材が設けられ、前記水滴除去部材は、親水性を有し、前記水滴除去部材の少なくとも一部が、前記レンズの正面視にて前記レンズに重なるとともに前記レンズの表面に接触又は近接するようにしても良い。
また、上記発明において、前記水滴除去部材の少なくとも一部は、突起状に形成されていても良い。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、外表面に親水コーティングが施されたレンズと、レンズを支持する鏡筒と、発熱体が取付けられた基板とを備え、鏡筒は、金属又は熱伝導性を有する樹脂からなり、鏡筒に、発熱体又は基板が接続されるので、発熱体で生じる熱を、鏡筒を介してレンズに伝えて、レンズ自体を温めることができ、レンズに雪や氷が付着した際に、雪や氷のレンズと接触する部分を溶かして雪や氷をレンズから容易に除去することができる。また、氷が解けて出来た水も親水コーティングによってレンズ表面から容易に除去することができる。更に、カメラ構造に備える基板に発熱体を取付けるという従来構造を利用するものであり、コストアップを抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の第1実施形態のカメラ装置を示す斜視図である。
図2】カメラ装置を示す正面図である。
図3図2のIII−III線断面図である。
図4】カメラ装置のレンズに氷が付着したときの作用を示す第1作用図である。
図5】カメラ装置のレンズに氷が付着したときの作用を示す第2作用図である。
図6】カメラ装置のレンズに水滴が付着したときの作用を示す第1作用図である。
図7】カメラ装置のレンズに水滴が付着したときの作用を示す第2作用図である。
図8】比較例のカメラ装置のレンズに水滴が付着したときの作用を示す作用図である。
図9】本発明の第2実施形態のカメラ装置を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態について説明する。なお、各図に示す符号FRはカメラ装置10の前方を示し、符号UPはカメラ装置10の上方を示し、符号LHはカメラ装置10に向かって左方を示している。
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態のカメラ装置10を示す斜視図である。
カメラ装置10は、箱形で樹脂製の筐体11と、筐体11の前部に設けられた鏡筒12と、鏡筒12に支持されたレンズ13と、筐体11の外部に着脱可能に設けられた水滴除去部材14とを備える。
レンズ13は、外表面(表面13b)に親水コーティングが施され、親水性を有している。
水滴除去部材14は、筐体11に係止するための係止部14aと、係止部14aからレンズ13の表面13bまで突出する突起状の突起部14bとから構成されている。係止部14aは、複数の係止凸部14c,14dを備え、係止凸部14c,14dが筐体11に設けられた被係止部(不図示)に係合される。
このように、水滴除去部材14をはめ込み式として筐体11に着脱可能に設けることで、水滴除去部材14を備えていないカメラ装置に水滴除去部材14を後付けすることができ、汎用性を高めることができる。なお、筐体11と水滴除去部材14と結合構造を、上記した係止部14aと係止凸部14c,14dとから構成されるスナップフィット構造としたが、これに限らず、ビス、ナット等の締結部材を使用した構造としても良い。
【0012】
図2は、カメラ装置10を示す正面図である。
カメラ装置10は、レンズ13の後方に、レンズ13を通過した光を電気信号に変換する撮像素子16を備える。
水滴除去部材14の突起部14bは、レンズ13の中心13a(中心13aを黒丸で示す。)の下方から側方(向かって右側方)にずれた位置に設けられている。突起部14b(詳しくは、突起部14bの中心線14g)は、中心13aを通る鉛直線20に対して角度θだけずれた位置に設けられる。例えば、角度θ=30〜50°である。
カメラ装置10において、例えば、筐体11の形状が2.5cm角の立方体である場合、レンズ13の画角は180°、レンズ13の直径は1.5cm、突起部14bの中心線14gに沿った長さLは1cm、突起部14bの中心線14gに直交する方向の幅Wは1cm、直線部14fの長さは2mmである。
なお、突起部14bの中心線14gは、レンズ13の中心13aを通るが、中心13aよりも上方又は下方を通るように突起部14bを配置しても良い。
【0013】
また、突起部14bは、正面視で、先端部14eが、レンズ13に重なるとともに撮像素子16よりも半径方向外側に配置されている。従って、突起部14bは、撮像素子16による撮像に影響を与えない。また、水滴除去部材14を上記の位置に設けることで、水滴をレンズ13上から効果的に除去することができる。
突起部14bの先端部14eは、レンズ13の中心13aに面する直線部14fを有するが、直線部14fの長さ(0〜5mm)は小さい。なお、先端部14eには直線部14fを設けなくても良く、先端部14eを尖った形状としても良い。
なお、突起部14bを、鉛直線20よりも向かって右側方に設けたが、これに限らず、突起部14bを、鉛直線20を基準として実線で示した位置に対して線対称となるように想像線で示した位置(鉛直線20よりも向かって左側方)に設けても良い。この場合、水滴除去部材14を、実線で示した突起部14bを含むものに対して、想像線で示した突起部14bを含むように、左右逆の形状としても良い。
【0014】
図3は、図2のIII−III線断面図である。
図3では、カメラ装置10において、レンズ13の光軸13cは、横向き、詳しくは、水平線21に対して角度αだけ前下がりとなるように延びている。例えば、角度α=5〜45°である。
筐体11は、前壁11aを備え、前壁11aに形成された貫通穴11bに鏡筒12が嵌合されている。
筐体11内で鏡筒12の後方には、基板22が配置されている。基板22は、筐体11に図示せぬ締結部材で取付けられている。基板22には、前面22aの中央部に撮像素子16が取付けられ、前面22aの撮像素子16から隔てた周縁部にヒーター等からなる複数の発熱体25が取付けられている。発熱体25は、外部からの電力供給によって発熱する。
【0015】
鏡筒12の後端部は、接着剤26により複数の発熱体25に取付けられている。鏡筒12は、熱伝導性の良い金属製又は樹脂製であり、更に、接着剤26も熱伝導性が良いため、複数の発熱体25で生じた熱は、接着剤26及び鏡筒12を介してレンズ13に伝わりやすい。
基板22の前面22aには、撮像素子16と複数の発熱体25との間に、熱伝導を抑制するための凹部(又はスリット)22bが形成されている。ここでは、凹部22bは、溝状であっても良い。
上記した、凹部(又はスリット)22bによって、複数の発熱体25で発生した熱が撮像素子16に伝わるのを制限することができる。これにより、撮像素子16が過度に温度上昇するのを防止して撮像素子16を保護することができる。
【0016】
また、凹部(又はスリット)22bによって、撮像素子16で発生した熱が、基板22、複数の発熱体25、接着剤26及び鏡筒12を介してレンズ13に伝わる熱の伝わり具合を調整することができる。
以上より、レンズ13には、複数の発熱体25及び撮像素子16の両方から熱を伝えることができる。
具体的に、基板22における熱伝導を調整するには、例えば、凹部(又はスリット)22bの深さや幅、隣り合う凹部(又はスリット)22b,22bの間隔を変更する。
【0017】
基板22の背面22cには、凹部(又はスリット)22bよりも撮像素子16側にコネクタ27が設けられている。
コネクタ27は、基板22の背面22cに取付けられた雄コネクタ27aと、雄コネクタ27aに接続された雌コネクタ27bとからなる。
雄コネクタ27aは、内部に複数の接続端子を備え、各接続端子が導線(不図示)を介して撮像素子16に接続されている。雌コネクタ27bは、内部に複数の接続端子であって雄コネクタ27aの各接続端子に接触する接続端子を備え、雌コネクタ27bの各接続端子には導線28が接続されている。導線28は、カメラ装置10の映像処理部(不図示)に接続され、撮像素子16の出力信号をコネクタ27から導線28を介してカメラ装置10の映像処理部に伝える。
【0018】
撮像素子16で発生する熱は、撮像素子16から延びる導線と、雄コネクタ27a及び雌コネクタ27bの各接続端子と、導線28とを介して外部に逃げる。また、撮像素子16の熱は、撮像素子16から直接に基板22に伝わって、基板22から空気中に放熱される。このようにして、撮像素子16の温度上昇が抑えられる。
水滴除去部材14の突起部14bの先端部14eは、レンズ13の表面13bに接触又は近接している。これによって、レンズ13の表面13bに付着した水滴を、親水性を有する突起部14bに移動させやすくできる。
また、突起部14bの先端部14eは、撮像素子16に入射する光の経路A,Aを邪魔しない範囲(光の経路A,Aの外側の範囲であり、撮像に影響を与えない範囲)に設けられる。このように、突起部14bを撮像範囲を避けて設けているため、映像に突起部14bは映らないようにすることができる。
【0019】
以上に示したように、基板22は、発熱体25と撮像素子16との間に凹部(又はスリット)22bが設けられている。
この構成によれば、凹部(又はスリット)22bによって、発熱体25から撮像素子16に伝わる熱や、撮像素子16からレンズ13に伝わる熱の伝わり具合を調整することができる。具体的には、発熱体25から撮像素子16に熱を伝わりにくくして、撮像素子16の温度上昇を抑えたり、撮像素子16によるレンズ13の加熱度合いを調整したりすることができる。
また、基板22は、凹部(又はスリット)22bの撮像素子16側に、撮像素子16の出力を外部に取り出すためのコネクタ27が設けられる。
この構成によれば、撮像素子16で発生する熱をコネクタ27を通じて外部に逃がすことができ、撮像素子16の冷却性を高めることができる。
【0020】
以上に述べたカメラ装置10の作用を次に説明する。
図4は、カメラ装置10のレンズ13に氷31が付着したときの作用を示す第1作用図、図5は、カメラ装置10のレンズ13に氷31が付着したときの作用を示す第2作用図である。なお、水滴除去部材14については、突起部14bのみ描いている(図6図8についても同じ。)。
図4に示すように、レンズ13の表面13bに付着した水滴や、レンズ13の表面13bに広がった水膜が凍って、レンズ13の表面13bに氷51が付着している状態では、レンズ13を通して撮像素子16への光の導入が困難となる。そこで、図3において、複数の発熱体25に電力を供給して発熱体25を発熱させる。これにより、熱が複数の発熱体25から接着剤26及び鏡筒12を介してレンズ13に伝わるため、図4において、氷51のレンズ13に接する部分が解ける。
【0021】
この結果、氷51が解けて出来た水が、親水性を有するレンズ13の表面13bと残った氷51との間に膜状に広がる。これによって、図5に示すように、残った氷51は、レンズ13上を滑って下降し、レンズ13上から落下する。このとき、氷51の一部が、水滴除去部材14の突起部14bの先端部14eに接触している場合には、氷51には、先端部14eを中心とするモーメントが作用するため、氷51は、先端部14eを中心にして回動しながら下降して落下する。
このように、突起部14bは、レンズ13の中央の下方に対して側方にずれた位置に設けられるため、氷51の下降及び落下の邪魔になりにくい。また、突起部14bの先端部14eを、幅の狭い、あるいは尖った形状にすることで、氷51が先端部14eに接触した後の回動がスムーズになり、氷51を落下しやすくすることができる。
例えば、水滴除去部材14に突起部を備えておらず、氷51を突起状でない部分で受けると、氷51が回動しにくくなり、氷51の下降及び落下を妨げることになる。
【0022】
車載用のカメラ装置10では、突起部14bをレンズ13に対して進行方向の位置に設けることで、走行風の流れによって氷51を落としやすくすることができる。
レンズに付着して固まった雪の場合も、上記氷51と同じように除去することができる。
図3において、カメラ装置10では、複数の発熱体25と撮像素子16とを発熱させることができ、レンズ13に付着した雪や氷を迅速に除去することができる。また、外気温やレンズ13の表面13bの凍結状態に応じて、複数の発熱体を発熱させないで、撮像素子16からの発熱だけで氷を除去しても良い。また、撮像素子16による撮像を行っていない場合に、複数の発熱体のみ発熱させて氷を除去しても良い。この場合、複数の発熱体の全部又は一部を発熱させる。要は、発熱させる発熱源の個数によって発熱量を調整しても良い。
【0023】
以上の図3及び図5に示したように、基板22は、発熱体25の他にレンズ13を通過した光を電気信号に変換する撮像素子16が取付けられている。
この構成によれば、発熱体25と撮像素子16とからそれぞれ生じる熱により、レンズ13自体を温めることができ、レンズ13に付着した雪や氷51を迅速に除去することができる。
また、図5に示したように、水滴除去部材14の少なくとも一部(詳しくは、突起部14b)は、突起状に形成されている。
この構成によれば、レンズ13の表面13bに付着した氷51がレンズ13上を滑り落ちる際に、突起部14b(詳しくは、突起部14bの先端部14e)に接触した氷51を突起部14b(詳しくは、先端部14e)を中心にしてスムーズに回動させることができ、氷51をレンズ13から容易に除去することができる。
【0024】
図6は、カメラ装置10のレンズ13に水滴52が付着したときの作用を示す第1作用図、図7は、カメラ装置10のレンズ13に水滴52が付着したときの作用を示す第2作用図である。
図6及び図7に示すように、レンズ13の表面13bに水滴52が付着した場合、水滴52は、表面13bの親水コーティングによってレンズ13の表面13bに膜状に広がった後にレンズ13の下部に流れ落ちる。更に、水滴52は、親水性を有する水滴除去部材14の突起部14bを伝ってレンズ13のより下方に移動し、撮像範囲外に至る。そして、水滴52の大部分は、レンズ13よりも下方まで延びる突起部14bによって、レンズ13上から除去され、落下する。また、レンズ13上の水滴52は、突起部14bから離れていても車両の振動に伴ってレンズ13上を側方に移動して突起部14bに接触し、下方へ排出される。
図3において、レンズ13が、表面13bよりも突出した想像線で示す表面13dを有する広角とされた広角レンズである場合には、レンズ13の表面13dから水滴52(図6図7参照)が落下しにくくなる。しかし、このような広角レンズにおいても、本実施形態の水滴除去部材14を設けることで、水滴52をレンズ13の表面13dから除去しやすくすることができる。
【0025】
以上の図3図4及び図6に示したように、表面13bに親水コーティングが施されたレンズ13と、レンズ13を支持する鏡筒12と、発熱体25が取付けられた基板22とを備え、鏡筒12は、金属又は熱伝導性を有する樹脂からなり、鏡筒12に、発熱体25が接着剤26を介して接続される。
この構成によれば、発熱体25で生じる熱を、鏡筒12を介してレンズ13に伝えて、レンズ13自体を温めることができ、レンズ13に雪や氷51が付着した際に、雪や氷51のレンズ13と接触する部分を溶かして雪や氷51をレンズ13から容易に除去することができる。また、氷51が解けて出来た水を、レンズ13の親水コーティングによってレンズ13の表面13bに広がるように水膜を形成することができ、雪や氷51を滑りやすくして、レンズ13の表面13bから容易に除去することができる。更に、カメラ構造に備える基板22に発熱体25を取付ける従来構造を利用するものであり、コストアップを抑えることができる。
【0026】
図8は、比較例のカメラ装置100のレンズ103に水滴105が付着したときの作用を示す作用図である。
カメラ装置100は、箱形の筐体101と、筐体101の前部に設けられた鏡筒102と、鏡筒102に支持されたレンズ103とを備える。レンズ103は、表面103aに親水性を有する。但し、図3に示した第1実施形態のカメラ装置10の水滴除去部材14を備えていない。
図8に示すように、レンズ103に水滴105が付着すると、レンズ103の表面103aの親水性によって、表面103aに付着したほとんどの水滴105は、レンズ103の下部に流れる。レンズ103下部の水滴105の一部は、レンズ103の表面103aから落下し、水滴105の残りは、レンズ103の下部にとどまって大きな水滴105となる。この水滴105によって、撮像素子16に入射する光の経路A,Aの一部が邪魔されて、撮影された映像に影響を及ぼす(例えば、映像品質を劣化させる)ことになる。
【0027】
以上の図2図3図4図5及び図6に示したように、鏡筒12の周囲に筐体11を備え、少なくとも鏡筒12及び筐体11の一方に、レンズ13の正面視にて、レンズ13の中央の下方から側方にずれた位置に、レンズ13に付着した水滴52を除去する水滴除去部材14(詳しくは、水滴除去部材14の突起部14b)が設けられる。水滴除去部材14は、親水性を有し、水滴除去部材14の少なくとも一部が、レンズ13の正面視にてレンズ13に重なるとともにレンズ13の表面13bに接触又は近接する。
この構成によれば、親水性を有する水滴除去部材14によって、レンズ13の表面13bの水滴52を集めて、レンズ13の表面13bから排除しやすくすることができる。また、レンズ13の中央の下方から側方にずれた位置に水滴除去部材14を設けたので、レンズ13に付着した氷51の落下を妨げにくくすることができる。
【0028】
<第2実施形態>
図9は、本発明の第2実施形態のカメラ装置30を示す斜視図である。
第2実施形態において、第1実施形態と同一構成については同一符号を付け、詳細説明は省略する。
カメラ装置30は、図3に示したカメラ装置10に対して、鏡筒32及び基板34の形状が異なるとともに発熱体を備えていない。
即ち、カメラ装置30は、筐体11、鏡筒32、レンズ13、水滴除去部材14、基板34、撮像素子16、コネクタ27を備える。
【0029】
筐体11の前壁11aに形成された貫通穴11bに鏡筒32が嵌合されている。鏡筒32は、鏡筒12(図3参照)に対して全長のみが異なり、鏡筒32によってレンズ13が支持される。鏡筒32は、熱伝導性の良い金属製又は樹脂製である。
筐体11の内側には基板34が取付けられている。基板34は、基板22(図3参照)に対して凹部(又はスリット)22b(図3参照)を備えていない。基板34の前面34aには、接着剤26により鏡筒32の後端部が取付けられている。また、基板34の前面34aの中央部には、撮像素子16が取付けられ、基板34の背面34cには、コネクタ27が設けられている。
【0030】
カメラ装置30において、基板34に接着剤26により鏡筒32を取付けることで、撮像素子16で発生した熱は、基板34、接着剤26及び鏡筒12を介してレンズ13に伝わりやすくなる。従って、レンズ13の表面13bに雪や氷が付着したときに、撮像素子16の熱で、雪や氷のレンズ13に接する部分を解かすことができ、雪や氷をレンズ13上で滑らせてレンズ13上から落下させることができる。
また、撮像素子16の熱を、基板34、コネクタ27、接着剤26、鏡筒12及びレンズ13の各部から放射させることができ、撮像素子16の温度上昇を抑制することができる。
また、カメラ装置30の基本構造(レンズ13、撮像素子16、鏡筒32、基板34)によって、レンズ13に付着した雪や氷を除去することができ、コストを抑えることができる。
【0031】
以上に示したように、表面13aに親水コーティングが施されたレンズ13と、レンズ13を支持する鏡筒32と、発熱体としての撮像素子16が取付けられた基板34とを備え、鏡筒32は、金属又は熱伝導性を有する樹脂からなり、鏡筒32に、基板34が接着剤26を介して接続される。
この構成によれば、撮像素子16で生じる熱を、基板34、鏡筒32を介してレンズ13に伝えて、レンズ13自体を温めることができ、レンズ13に雪や氷51が付着した際に、雪や氷51のレンズ13と接触する部分を溶かして雪や氷51をレンズ13から容易に除去することができる。また、氷51が解けて出来た水を、レンズ13の親水コーティングによってレンズ13の表面13bに広がるように水膜を形成することができ、雪や氷51を滑りやすくして、レンズ13の表面13bから容易に除去することができる。更に、カメラ構造に備える基板34に撮像素子16を取付ける従来構造を利用するものであり、コストアップを抑えることができる。
また、発熱体は、レンズ13を通過した光を電気信号に変換する撮像素子16であるので、特別な発熱体を設ける必要がなく、コストを抑えることができる。
【0032】
上述した実施形態は、あくまでも本発明の一態様を示すものであり、本発明の主旨を逸脱しない範囲で任意に変形及び応用が可能である。
例えば、上記実施形態において、図1に示したように、水滴除去部材14に突起部14bを設け、水滴除去部材14を筐体11に着脱自在に取付けたが、これに限らず、水滴除去部材14の突起部14bのみを、少なくとも筐体11の前面又は鏡筒12に接着等により取付けても良い。
本発明のカメラ装置は、車両に搭載するものに限らず、建物内や建物外の道路等に設置するものにも適用可能である。
【符号の説明】
【0033】
10,30 カメラ装置
11 筐体
12,32 鏡筒
13 レンズ
14 水滴除去部材
14b 突起部(水滴除去部材の一部)
16 撮像素子
22,34 基板
22b 凹部(又はスリット)
25 発熱体
27 コネクタ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
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図9