特開2018-205669(P2018-205669A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 富士ゼロックス株式会社の特許一覧
<>
  • 特開2018205669-定着装置および画像形成装置 図000003
  • 特開2018205669-定着装置および画像形成装置 図000004
  • 特開2018205669-定着装置および画像形成装置 図000005
  • 特開2018205669-定着装置および画像形成装置 図000006
  • 特開2018205669-定着装置および画像形成装置 図000007
  • 特開2018205669-定着装置および画像形成装置 図000008
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-205669(P2018-205669A)
(43)【公開日】2018年12月27日
(54)【発明の名称】定着装置および画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 15/20 20060101AFI20181130BHJP
【FI】
   G03G15/20 515
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2017-114408(P2017-114408)
(22)【出願日】2017年6月9日
(71)【出願人】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士ゼロックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【弁理士】
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100107216
【弁理士】
【氏名又は名称】伊與田 幸穂
(72)【発明者】
【氏名】小林 丈太
(72)【発明者】
【氏名】後藤 康孝
(72)【発明者】
【氏名】森崎 想
(72)【発明者】
【氏名】高橋 正和
(72)【発明者】
【氏名】永田 靖
(72)【発明者】
【氏名】中尾 元春
【テーマコード(参考)】
2H033
【Fターム(参考)】
2H033AA15
2H033BA11
2H033BB15
2H033BB18
2H033BB28
2H033BB33
2H033BB34
2H033BB39
2H033BE00
2H033BE03
(57)【要約】
【課題】定着による記録材の変形を抑制可能な定着装置および画像形成装置を提供する。
【解決手段】ニップ部Nからはみ出た上流側突起414および下流側突起415が支持部材412に形成され、これにより、A領域の曲率およびB領域の曲率が用紙Pに生じる。また、加熱源413の基材413aの断面形状における略中央位置に頂部413aaを形成しており、これにより、A領域およびB領域とは反対の方向のC領域の曲率が用紙Pに生じる(A+B=C)。このため、上流側突起414および下流側突起415による用紙Pの曲げ量は、ニップ部Nを通過することで最少になり、カールと搬送経路差も最少になる。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転可能に保持されて一方向に加圧する加圧部材と、
前記加圧部材に対峙して回転可能に保持され当該加圧部材との間で用紙が通過するニップ部を形成し、記録材に接触する接触部材と、
前記接触部材の回転方向において、前記ニップ部よりも上流側および下流側で前記接触部材側から前記加圧部材側に向けて突出し、当該接触部材の形状を規制する第1規制部と、
前記ニップ部で前記接触部材側から前記加圧部材側に向けて突出し、当該接触部材の形状を規制する第2規制部と、
を備える定着装置。
【請求項2】
前記第2規制部は、発熱領域を持つ発熱部材に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
【請求項3】
前記発熱部材の前記発熱領域は平たんに形成されていることを特徴とする請求項2に記載の定着装置。
【請求項4】
前記加圧部材および前記接触部材を含む断面において、前記第1規制部の突出端と前記第2規制部の突出端とが互いに異なる位置であることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
【請求項5】
前記第1規制部の突出端は、前記第2規制部の突出端よりも前記加圧部材側に位置することを特徴とする請求項4に記載の定着装置。
【請求項6】
回転可能に保持されて一方向に加圧する加圧部材と、
前記加圧部材に対峙して回転可能に保持され当該加圧部材との間で用紙が通過するニップ部を形成し、記録材に接触する接触部材と、
前記接触部材の回転方向において、前記ニップ部よりも上流側又は下流側の少なくとも一方で前記接触部材側から前記加圧部材側に向けて突出し、当該接触部材の形状を規制する第1規制部と、
前記ニップ部で前記接触部材側から前記加圧部材側に向けて突出し、当該接触部材の形状を規制する第2規制部と、
を備える定着装置。
【請求項7】
回転可能に保持されて一方向に加圧する加圧部材と、
前記加圧部材に対峙して回転可能に保持され当該加圧部材との間で用紙が通過するニップ部を形成し、記録材に接触する接触部材と、
前記接触部材を支持する支持部材と、
前記支持部材に設けられ、前記接触部材の回転方向において、前記ニップ部よりも上流側又は下流側の少なくとも一方で前記接触部材側から前記加圧部材側に向けて突出し、当該接触部材の形状を規制する規制部と、
前記規制部を除く前記支持部材の表面よりも前記加圧部材側に突出し、前記ニップ部に熱を供給する熱供給部と、
を備える定着装置。
【請求項8】
前記支持部材と前記熱供給部との間に設けられ、当該熱供給部を当該支持部材よりも前記加圧部材側に突出させる部材をさらに備えることを特徴とする請求項7に記載の定着装置。
【請求項9】
記録材への画像形成を行う画像形成手段と、当該画像形成手段により当該記録材に形成された画像を当該記録材に定着する定着装置と、を備え、当該定着装置が請求項1ないし8のいずれか1項に記載のものである画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、定着装置および画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1は、可撓性を有する無端状の定着部材と、前記定着部材に対向するよう設置される加圧部材と、前記定着部材の内周側に設置され前記定着部材を介して前記加圧部材に圧接し前記定着部材と前記加圧部材により未定着画像を記録媒体に定着する定着ニップ部を形成するニップ形成部材と、を備えた定着装置において、前記ニップ形成部材は、前記定着ニップ部より記録媒体搬送方向の下流側に、前記加圧部材の方向に前記加圧部材と非接触となるよう突出した突起部と、前記定着ニップ部より記録媒体搬送方向の上流側に、前記加圧部材と少なくとも一部が離れている平面部と、を有し、前記ニップ形成部材は、金属部材からなる保持部材により当接されることを特徴とする定着装置を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014−240989号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、定着による記録材の変形を抑制可能な定着装置および画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、回転可能に保持されて一方向に加圧する加圧部材と、前記加圧部材に対峙して回転可能に保持され当該加圧部材との間で用紙が通過するニップ部を形成し、記録材に接触する接触部材と、前記接触部材の回転方向において、前記ニップ部よりも上流側および下流側で前記接触部材側から前記加圧部材側に向けて突出し、当該接触部材の形状を規制する第1規制部と、前記ニップ部で前記接触部材側から前記加圧部材側に向けて突出し、当該接触部材の形状を規制する第2規制部と、を備える定着装置である。
請求項2に記載の発明は、前記第2規制部は、発熱領域を持つ発熱部材に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の定着装置である。
請求項3に記載の発明は、前記発熱部材の前記発熱領域は平たんに形成されていることを特徴とする請求項2に記載の定着装置である。
請求項4に記載の発明は、前記加圧部材および前記接触部材を含む断面において、前記第1規制部の突出端と前記第2規制部の突出端とが互いに異なる位置であることを特徴とする請求項1に記載の定着装置である。
請求項5に記載の発明は、前記第1規制部の突出端は、前記第2規制部の突出端よりも前記加圧部材側に位置することを特徴とする請求項4に記載の定着装置である。
請求項6に記載の発明は、回転可能に保持されて一方向に加圧する加圧部材と、前記加圧部材に対峙して回転可能に保持され当該加圧部材との間で用紙が通過するニップ部を形成し、記録材に接触する接触部材と、前記接触部材の回転方向において、前記ニップ部よりも上流側又は下流側の少なくとも一方で前記接触部材側から前記加圧部材側に向けて突出し、当該接触部材の形状を規制する第1規制部と、前記ニップ部で前記接触部材側から前記加圧部材側に向けて突出し、当該接触部材の形状を規制する第2規制部と、を備える定着装置である。
請求項7に記載の発明は、回転可能に保持されて一方向に加圧する加圧部材と、前記加圧部材に対峙して回転可能に保持され当該加圧部材との間で用紙が通過するニップ部を形成し、記録材に接触する接触部材と、前記接触部材を支持する支持部材と、前記支持部材に設けられ、前記接触部材の回転方向において、前記ニップ部よりも上流側又は下流側の少なくとも一方で前記接触部材側から前記加圧部材側に向けて突出し、当該接触部材の形状を規制する規制部と、前記規制部を除く前記支持部材の表面よりも前記加圧部材側に突出し、前記ニップ部に熱を供給する熱供給部と、を備える定着装置である。
請求項8に記載の発明は、前記支持部材と前記熱供給部との間に設けられ、当該熱供給部を当該支持部材よりも前記加圧部材側に突出させる部材をさらに備えることを特徴とする請求項7に記載の定着装置である。
請求項9に記載の発明は、記録材への画像形成を行う画像形成手段と、当該画像形成手段により当該記録材に形成された画像を当該記録材に定着する定着装置と、を備え、当該定着装置が請求項1ないし8のいずれか1項に記載のものである画像形成装置である。
【発明の効果】
【0006】
請求項1によれば、第1規制部を備えた構成において、第2規制部を備えない場合に比べ、定着による記録材の変形を抑制することが可能になる。
請求項2によれば、第2規制部を発熱部材以外の部材に設ける場合に比べ、定着による記録材の変形をより確実に抑制することが可能になる。
請求項3によれば、発熱領域が平たんに形成されていない場合に比べ、ニップ部でより確実に加熱することが可能になる。
請求項4によれば、第1規制部の突出端と第2規制部の突出端とが互いに異なる位置でない場合に比べ、定着による記録材の変形を抑制することが可能になる。
請求項5によれば、第1規制部の突出端が第2規制部の突出端よりも加圧部材側に位置しない場合に比べ、定着による記録材の変形を抑制することが可能になる。
請求項6によれば、第1規制部を備えた構成において、第2規制部を備えない場合に比べ、定着による記録材の変形を抑制することが可能になる。
請求項7によれば、規制部を備えた構成において、熱供給部を備えない場合に比べ、定着による記録材の変形を抑制することが可能になる。
請求項8によれば、部材を設けない場合に比べ、コストの上昇を抑制することが可能になる。
請求項9によれば、第1規制部または規制部を備えた構成において、第2規制部または熱供給部を備えない場合に比べ、定着による記録材の変形を抑制することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】画像形成装置の全体構成図である。
図2】定着装置の構成を説明する図であり、(a)は、定着装置の概略図であり、(b)は、(a)に破線で示す矩形領域の部分拡大図である。
図3】第1の実施の形態に係る定着装置を説明する図であり、(a)は、定着装置の概略図、(b)は、加熱源の凸形状を示す断面図、(c)は、用紙の曲率を説明するグラフである。
図4】第2の実施の形態に係る定着装置を説明する図であり、(a)は、定着装置の概略図、(b)は、加熱源の凸形状を示す断面図、(c)は、用紙の曲率を説明するグラフである。
図5】第3の実施の形態に係る定着装置を説明する図であり、(a)は、定着装置の概略図、(b)は、支持部材の凸形状を示す断面図、(c)は、用紙の曲率を説明するグラフである。
図6】第4の実施の形態に係る定着装置の要部を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、画像形成装置1の全体構成図である。
画像形成装置1は、所謂タンデム型のカラープリンタである。画像形成装置1は、画像形成手段の一例としての画像形成部10を備える。画像形成部10は、各色の画像データに基づき、記録材の一例である用紙Pへの画像形成を行う。
【0009】
また、画像形成装置1には、制御部30および画像処理部35が設けられている。制御部30は、画像形成装置1に設けられた各機能部を制御する。画像処理部35は、パーソナルコンピュータ(PC)3や画像読取装置4等からの画像データに対して画像処理を施す。
【0010】
画像形成部10には、一定の間隔を置いて並列的に配置された4つの画像形成ユニット11Y,11M,11C,11K(以下、総称して単に「画像形成ユニット11」とも称する)が設けられている。
各画像形成ユニット11は、現像器15(後述)に収納されるトナーを除いて、同様に構成されている。各画像形成ユニット11は、それぞれがイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)のトナー像(画像)を形成する。
【0011】
画像形成ユニット11の各々には、感光体ドラム12と、感光体ドラム12の帯電を行う帯電器200と、感光体ドラム12への露光を行うLEDプリントヘッド(LPH)300と、が設けられている。
感光体ドラム12は、帯電器200による帯電が行われる。さらに、感光体ドラム12は、LPH300により露光され、感光体ドラム12には、静電潜像が形成される。
さらに、各画像形成ユニット11には、感光体ドラム12に形成された静電潜像を現像する現像器15と、感光体ドラム12の表面を清掃するクリーナ(不図示)と、が設けられている。
【0012】
また、画像形成部10には、感光体ドラム12にて形成された各色トナー像が転写される中間転写ベルト20と、感光体ドラム12にて形成された各色トナー像を中間転写ベルト20に順次転写(一次転写)させる一次転写ロール21と、が設けられている。
また、画像形成部10には、中間転写ベルト20上に転写されたトナー像を用紙Pに一括転写(二次転写)させる二次転写ロール22と、用紙Pに転写されたトナー像をこの用紙Pに定着させる定着装置40と、が設けられている。
【0013】
定着装置40には、加熱源を備えた定着ベルトモジュール41、および、加圧ロール46が設けられている。
定着ベルトモジュール41は、用紙搬送経路R1の図中左側に配置されている。加圧ロール46は、用紙搬送経路R1の図中右側に配置されている。さらに、定着ベルトモジュール41に対して、加圧ロール46が押し当てられている。
【0014】
定着ベルトモジュール41は、用紙Pに接触するフィルム状の定着ベルト411を備える。
接触部材の一例としての定着ベルト411は、例えば、最外層に位置し用紙Pに接触する離型層と、離型層の一つ内側に位置する弾性層と、この弾性層を支持する基層とにより構成される。
さらに、定着ベルト411は、無端状に形成され、図中反時計周り方向に循環移動する。また、定着ベルト411の内周面411Aには、潤滑のためのオイルが塗布されており、後述する加熱源等と定着ベルト411との摺動抵抗が減じられている。
【0015】
定着ベルト411は、図中下方から搬送されてくる用紙Pに接触する。そして、定着ベルト411のうちの用紙Pに接触した部分が、用紙Pとともに移動する。さらに、定着ベルト411は、加圧ロール46とともに用紙Pを挟み、この用紙Pを加圧および加熱する。
さらに、定着ベルトモジュール41には、定着ベルト411の内側に、定着ベルト411を加熱する加熱源(後述)が設けられている。
【0016】
加圧部材の一例としての加圧ロール46は、用紙搬送経路R1の図中右側に配置されている。加圧ロール46は、定着ベルト411の外周面411Bに押し当てられ、定着ベルト411と加圧ロール46との間を通る用紙P(用紙搬送経路R1を通る用紙P)を加圧する。
また、加圧ロール46は、モータ(不図示)により、図中時計回り方向に回転する。加圧ロール46が、時計回り方向に回転すると、定着ベルト411が、加圧ロール46から駆動力を受けて反時計回り方向に回転する。
【0017】
画像形成装置1では、画像処理部35が、PC3や画像読取装置4からの画像データに対して画像処理を施し、画像処理が施された画像データが、各画像形成ユニット11に供給される。
そして、例えば、黒(K)色の画像形成ユニット11Kでは、感光体ドラム12が矢印A方向に回転しながら、帯電器200により帯電され、画像処理部35から送信された画像データに基づいて発光するLPH300により露光される。
【0018】
これにより、感光体ドラム12上には、黒(K)色の画像に関する静電潜像が形成される。そして、感光体ドラム12上に形成された静電潜像は、現像器15により現像され、感光体ドラム12上には、黒(K)色のトナー像が形成される。
同様に、画像形成ユニット11Y,11M,11Cでは、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の各色トナー像が形成される。
【0019】
各画像形成ユニット11で形成された各色トナー像は、矢印B方向に移動する中間転写ベルト20上に、一次転写ロール21により順次静電吸引されて、中間転写ベルト20上には、各色トナーが重畳されたトナー像が形成される。
中間転写ベルト20上に形成されたトナー像は、中間転写ベルト20の移動に伴って二次転写ロール22が位置する箇所(二次転写部T)に搬送される。そして、このトナー像が二次転写部Tに搬送されるタイミングに合わせて、用紙収容部1Bから二次転写部Tへ用紙Pが供給される。
【0020】
二次転写部Tでは、二次転写ロール22により形成される転写電界により、中間転写ベルト20上のトナー像が、搬送されてきた用紙Pに一括して静電転写される。
その後、トナー像が静電転写された用紙Pは、中間転写ベルト20から剥離され、定着装置40まで搬送される。
【0021】
定着装置40では、定着ベルトモジュール41と加圧ロール46とで用紙Pを挟む。具体的には、用紙Pを、反時計回り方向へ循環移動している定着ベルト411と時計回り方向へ回転している加圧ロール46とで挟む。
これにより、用紙Pの加圧および加熱が行われて、用紙P上のトナー像が、この用紙Pに定着される。そして、定着が終了した後の用紙Pは、排出ロール500によって、用紙積載部1Eへ搬送される。
【0022】
次に、定着装置40について説明する。
図2は、定着装置40の構成を説明する図であり、(a)は、定着装置40の概略図であり、(b)は、(a)に破線で示す矩形領域の部分拡大図である。
図2(a)に示す定着装置40は、上述したように、定着ベルトモジュール41および加圧ロール46を備えている。そして、定着ベルトモジュール41には、用紙Pへのトナー像の定着に用いられる定着ベルト411が設けられ、この定着ベルト411が、用紙Pのうちのトナー像が形成された面に押し当てられる。
【0023】
加圧部材の一例としての加圧ロール46は、定着ベルト411の外周面411Bに押し当てられ、定着ベルト411と加圧ロール46との間を通る用紙Pを加圧する。
具体的には、加圧ロール46は、定着ベルト411の外周面411Bに接触配置され、用紙Pが加圧されながら通過する領域であるニップ部ないし加圧領域N(以下、ニップ部Nという)を、定着ベルト411との間に形成する。
本実施形態では、このニップ部Nを用紙Pが通過する過程で、用紙Pに対して加熱源(後述)と加圧ロール46とによる加圧が行われると共に加熱源(後述)による加熱が行われ、用紙Pへのトナー像の定着が行われる。
【0024】
定着ベルトモジュール41は、図2(a)に示すように、定着ベルト411の内周面411A側に位置し、定着ベルト411を支持する支持部材412を備える。
かかる支持部材412は、加圧ロール46に対向する位置に凹部を持ち、かかる凹部にて定着ベルト411を加熱する既出の加熱源413を支持する。熱供給部の一例としての加熱源413は、板状に形成された面状ヒータを含んで構成され、定着ベルト411の移動方向および幅方向に沿うように設けられている。
加圧ロール46に対峙して用紙Pを加圧する部材が加熱源413であり、加熱効果を兼ねる構成を採用する。また、加熱源413の面状ヒータは、平面の発熱領域を持つものであり、これにより、ニップ部Nでより確実に加熱することが可能になる。また、所定幅の平面の発熱領域を持つヒータを採用することで、所定幅よりも狭い場合に比べて軸方向(図2における紙面垂直方向)でたわみ易くなり、また、製造が容易になり、コストダウンを図ることが可能である。
【0025】
なお、加熱源413を、発熱領域を持つヒータランプとヒータランプを固定する固定パッドという複数の部材で構成する場合(別体式)を採用することが考えられ、かかる場合は、加熱源413のヒータ固定パッドに対して加圧ロール46が押圧される。しかしながら、本実施の形態では、これらの機能を一つの部品で構成する場合(一体式)を採用している。
また、本実施の形態では、加熱源413を支持部材412と別の部材で構成しているが、両者を一体とする構成例も考えられる。
【0026】
本実施形態では、図2(b)に示すように、加熱源413から定着ベルト411へ熱が供給されて、定着ベルト411の加熱が行われる。また、本実施形態では、定着ベルト411を介し、加熱源413の対向面413Aに対して、加圧ロール46が押し当てられている。
【0027】
さらに説明すると、支持部材412は、図2(b)に示すように、ニップ部Nの上流側に形成された上流側突起414と、ニップ部Nの下流側に形成された下流側突起415と、を備える。
より詳細には、支持部材412の上流側突起414および下流側突起415は、ニップ部Nの外側に位置し、ニップ部Nからはみ出ている。言い換えると、上流側突起414は、ニップ部Nよりも用紙搬送方向上流側に形成され、また、下流側突起415は、ニップ部Nよりも用紙搬送方向下流側に形成されている。なお、本実施の形態における上流側突起414および下流側突起415は、その形状が互いに異なるが、同じ形状にすることも考えられる。
【0028】
ここで、上述した上流側突起414および下流側突起415は、加圧ロール46側に凸となる突起である。これら上流側突起414および下流側突起415は、軸方向紙しわを防止するために設けられ、また、定着性や剥離性向上のためにも設けられている。
すなわち、上流側突起414により、用紙Pを加熱源413に長く沿わせられるようになることから、より早いタイミングで加熱することが可能になり、加熱時間を長く確保することが可能になる(定着性の向上)。また、下流側突起415により、定着ベルト411から用紙Pをより確実に剥離させることが可能になる(剥離性の向上)。
【0029】
ところで、上流側突起414および下流側突起415により、ニップ部Nの入り口と出口で用紙Pに曲げの力が作用し、定着後の用紙Pがカールしてしまうことが懸念される。とりわけ、加熱源413により加熱される状態で用紙Pに曲げの力が作用することから、カール形状になり易い。
そこで、本実施の形態に係る画像形成装置1ないし定着装置40では、定着後の用紙Pの変形を抑制するための構成を備えている。
【0030】
なお、上流側突起414および下流側突起415により用紙Pの表裏面で搬送経路差ができ、いわゆる封筒シワが発生し易くなるが、用紙Pの変形抑制のための構成によって、封筒シワの発生を抑制することができる。
【0031】
ここで、本実施の形態では、上流側突起414および下流側突起415を備えているが、いずれか一方のみを備える構成も考えられる。すなわち、上流側突起414および下流側突起415を備える構成のほか、上流側突起414を備える一方で下流側突起415を備えない構成や、下流側突起415を備える一方で上流側突起414を備えない構成を採用することも考えられる。
以下、定着後における用紙Pの変形を抑制するための構成について、具体的に説明する。
【0032】
定着後の用紙Pの変形を抑制するための構成について説明する。
図2(b)に示すように、加熱源413は、ニップ部Nで定着ベルトモジュール41の定着ベルト411側から加圧ロール46側に向けて突出する。すなわち、加熱源413を加圧ロール46側に凸となる形状にしている。このような凸形状により、上流側突起414により曲げられた用紙Pは、ニップ部Nで逆方向(逆側)に曲げられることで矯正され、また、下流側突起415により曲げられることになる用紙Pをニップ部Nで事前に逆方向に曲げることで、矯正される。
さらに説明すると、加熱源413の凸の量を、ニップ部Nを通過している用紙Pの曲率の総和が最小値(例えば0)になるようにする。これにより、用紙Pの曲げ量がニップ通過内で0になり、カールと搬送経路差が最少(例えば0)になる。
なお、ここにいう加熱源413における面状ヒータの基材413a(図3(b)参照)を、セラミックやステンレス(SUS)で製造することが考えられるが、本実施の形態では、後者を用いている。これにより、所望の凸形状に形成された加熱源413についての耐久性を確保することが可能になる。
【0033】
次に、本実施の形態について、第1の実施の形態、第2の実施の形態、第3の実施の形態、および第4の実施の形態を以下具体的に説明する。
図3は、第1の実施の形態に係る定着装置40を説明する図であり、同図(a)は、定着装置40の概略図であり、(b)は、加熱源413の凸形状を示す断面図である。また、図3(c)は、用紙Pの曲率を説明するグラフであり、横軸が用紙搬送方向の位置Xであり、縦軸が用紙Pの曲率(曲げ量)である。
なお、図3(a)および(c)に示す破線は、用紙Pの曲がり具合を強調して表したものである。また、同図(c)では、上流側突起414による用紙Pの曲率をA領域として示し、下流側突起415による用紙Pの曲率をB領域として示す。また、加熱源413の凸形状による用紙Pの曲率をC領域として示す。
【0034】
図3(a)に示すように、ニップ部Nからはみ出た上流側突起414および下流側突起415が支持部材412に形成されている。そのため、同図(c)に示すように、上流側突起414によりA領域の曲率が用紙Pに生じ、また、下流側突起415により、A領域と同じ方向のB領域の曲率が用紙Pに生じる。
また、図3(a)および(b)に示すように、第1の実施の形態に係る定着装置40では、加熱源413の基材413aを凸形状すなわち円弧状に形成している。より具体的には、円弧状の基材413aは、断面形状における略中央位置に頂部413aaを備えている。そのため、基材413aの頂部413aaにより、同図(c)に示すように、A領域およびB領域とは反対の方向のC領域の曲率が用紙Pに生じる。
加熱源413の凸形状は、C領域の曲率がA領域の曲率にB領域の曲率を足したものと等しくなるように、形成されている(A+B=C)。このため、上流側突起414および下流側突起415による用紙Pの曲げ量は、ニップ部Nを通過することで最少になり、カールと搬送経路差も最少になる。但し、少なくともA領域およびB領域とは反対の方向にC領域の曲率が形成されていれば、カールが抑制される。
こうして、ニップ部N外の上流側突起414および下流側突起415による用紙Pの曲げを、ニップ部N内の加熱源413の凸形状(頂部413aa)により、矯正することが可能になる。
【0035】
加熱源413の頂部413aaの突出量は、上流側突起414の突出量よりも小さく、かつ、下流側突起415の突出量よりも小さい。すなわち、加圧ロール46および定着ベルト411を含む断面において、上流側突起414および下流側突起415の突出端と頂部413aaの突出端とが互いに異なる位置であり、より具体的には、上流側突起414および下流側突起415の突出端は、頂部413aaの突出端よりも加圧ロール46寄りである。
その理由を説明する。頂部413aaはニップ部N内である一方で、上流側突起414および下流側突起415はニップ部N外であることから、頂部413aaによるカール効果は、上流側突起414および下流側突起415によるカール効果よりも大きいことによる。
なお、上流側突起414と下流側突起415のいずれか一方のみを備える構成を採用する場合には、図3(c)に示すC領域の曲率がA領域の曲率またはB領域の曲率と等しくなるように形成される。
【0036】
図4は、第2の実施の形態に係る定着装置40を説明する図であり、同図(a)は、定着装置40の概略図、(b)は、加熱源413の凸形状を示す断面図、(c)は、用紙Pの曲率を説明するグラフであり、横軸が用紙搬送方向の位置Xであり、縦軸が用紙Pの曲率(曲げ量)である。図4(a)〜(c)はそれぞれ、図3(a)〜(c)に対応するものである。
図4(a)および(b)に示すように、第2の実施の形態に係る定着装置40の加熱源413は、凸部分に略直線部分を含む断面形状となる基材413aを備えている。より具体的には、基材413aは、略直線部分とアール形状部分との境界付近に形成される角部413abおよび角部413acを備えている。角部413ab,413acは、断面形状における略中央位置とは異なる位置にある。
付言すると、第2の実施の形態の基材413aは、かかる断面形状の点で、円弧状である第1の実施の形態とは異なる。さらに説明すると、第2の実施の形態では、基材413aに2つの凸部(角部413ab,413ac)を形成する構成であり、2回に分けて逆カールを付けていく。また、第2の実施の形態の場合には、1つの凸部(頂部413aa)を基材413aに形成する第1の実施の形態の場合よりも、凸部の突出量を少なくすることができる。このため、追加する構成による逆方向の曲げが用紙Pに与える影響を低減することが可能である。
【0037】
第2の実施の形態では、基材413aの角部413abにより、図4(c)に示すように、A領域およびB領域とは反対の方向のD領域の曲率が用紙Pに生じる。また、基材413aの角部413acにより、D領域と同じ方向のE領域の曲率が用紙Pに生じる。そして、加熱源413の凸形状は、D領域の曲率とE領域の曲率を足したものがA領域の曲率とB領域の曲率を足したものと等しくなるように、形成されている(A+B=D+E)。このため、上流側突起414および下流側突起415による用紙Pの曲げ量は、ニップ部Nを通過することで最少になり、カールと搬送経路差も最少になり、定着後の用紙Pの変形を抑制することが可能になる。
なお、第2の実施の形態の場合も、第1の実施の形態の場合と同じく、加圧ロール46および定着ベルト411を含む断面において、上流側突起414および下流側突起415の突出端は、角部413ab,413acの突出端よりも加圧ロール46寄りである。
【0038】
ここで、図4(c)に示すように、加熱源413の発熱領域(発熱層がある領域)は、D領域とE領域との間に位置する。すなわち、曲げられる領域とは別の領域に発熱領域を形成している。なお、曲げられる領域と発熱領域とが部分的に重なるようにする例も考えられる。
【0039】
図5は、第3の実施の形態に係る定着装置40を説明する図であり、同図(a)は、定着装置40の概略図、(b)は、支持部材412の凸形状を示す断面図、(c)は、用紙Pの曲率を説明するグラフであり、横軸が用紙搬送方向の位置Xであり、縦軸が用紙Pの曲率(曲げ量)である。図5(a)〜(c)はそれぞれ、図3(a)〜(c)や図4(a)〜(c)に対応するものである。
図5(a)および(b)に示すように、第3の実施の形態に係る定着装置40では、支持部材412の一部を、加圧ロール46側に向けて突出させている。すなわち、支持部材412は、同図(b)に示すように、加圧ロール46側に凸となる形状部である凸部416,417を備えている。これら凸部416,417は、ニップ部Nに位置する。
なお、第3の実施の形態の場合も、第1ないし第2の実施の形態の場合と同じく、加圧ロール46および定着ベルト411を含む断面において、図5(b)の図示では凸部416,417が上流側突起414および下流側突起415よりも突出しているが、実際は、その逆で、上流側突起414および下流側突起415の突出端は、凸部416,417の突出端よりも加圧ロール46寄りである。
【0040】
さらに説明すると、支持部材412の凸部416,417は、加熱源413寄りの位置に形成されている。すなわち、凸部416は、加熱源413に対して用紙搬送方向上流側に位置し、また、凸部417は、用紙搬送方向下流側に位置する。
【0041】
付言すると、第3の実施の形態では、支持部材412に凸部416,417を設ける点で、加熱源413の基材413aに頂部413aaを設ける第1の実施の形態や、角部413abおよび角部413acを設ける第2の実施の形態と異なる。
さらに説明すると、第3の実施の形態は、凸形状部を2つ設ける点で、2つの角部413ab,413acを設ける第2の実施の形態と同じであるが、凸部416,417の形状は、角部413ab,413acとは異なる。すなわち、第3の実施の形態における凸部416,417は、図5(b)に示すように、一方が他方に対向する対向面416a,417aを備える点で、そのような対向面を備えていない角部413ab,413ac(図4(b)参照)と相違する。このため、対向面416a,417aにより、用紙Pに対してより確実に曲げ作用を与えることができる。
また、第3の実施の形態の場合は、加熱源413として従来のものを用いることができ、また、樹脂製の支持部材412の構造変更で済むことから、コストアップを抑制することが可能である。
【0042】
第3の実施の形態では、図5(c)に示すように、支持部材412の凸部416により、A領域およびB領域とは反対の方向のF領域の曲率が用紙Pに生じ、また、凸部417により、F領域と同じ方向のG領域の曲率が用紙Pに生じる。そして、支持部材412の凸形状は、F領域の曲率にG領域の曲率を足したものがA領域の曲率にB領域の曲率を足したものと等しくなるように、形成されている(A+B=F+G)。
このため、上流側突起414および下流側突起415による用紙Pの曲げ量は、ニップ部Nを通過することで最少になり、カールと搬送経路差も最少になり、定着後の用紙Pの変形を抑制することが可能になる。但し、少なくともA領域およびB領域とは反対の方向にD領域およびE領域の曲率が形成されていれば、カールが抑制される。
【0043】
図6は、第4の実施の形態に係る定着装置40の要部を説明する図であり、例えば図5(b)に相当する。
図6に示すように、第4の実施の形態に係る定着装置40は、支持部材412と加熱源413との間に設けられるスペーサ418を備えている。かかるスペーサ418は、加熱源413を支持部材412の表面よりも加圧ロール46側に突出させるためのものである。この場合の突出量はSであり、加熱源413は、上流側突起414および下流側突起415よりも突出している。
スペーサ418により加圧ロール46側に突出した加熱源413の用紙搬送方向上流側の角および下流側の角により、A領域およびB領域とは反対の方向の曲率が用紙Pに生じ、定着後の用紙Pの変形を抑制することが可能になる。
【0044】
ここで、第4の実施の形態では、スペーサ418がないと、加熱源413により用紙Pを逆側に曲げるほどの作用を奏しない。言い換えると、第4の実施の形態で用いる加熱源413は、従来から用いられているものを利用することができ、他の実施の形態の場合に比べて、定着後の用紙Pの変形抑制のための構成変更を容易に行うことが可能になる。なお、スペーサ418は加熱源413のうち、支持部材412と接する面の全域に設けられる必要は無い。加熱源413のうち、支持部材412と接する面の一部に設けられていれば良く、例えば用紙搬送方向の中央部にスペーサ418を設けるような構成でも良い。このような構成を採用することで、加熱源413と支持部材412との間に空気層が生じ、加熱源413の熱が支持部材412へ拡散してしまうのを抑制することができる。
【0045】
なお、第4の実施の形態の場合も、第1ないし第3の実施の形態の場合と同じく、加圧ロール46および定着ベルト411を含む断面において、上流側突起414および下流側突起415の突出端と加熱源413の表面とが互いに異なる位置である。さらに説明すると、図6に示すように、加熱源413の表面は、上流側突起414および下流側突起415の突出端よりも加圧ロール46側に位置するが、この逆、すなわち、上流側突起414および下流側突起415の突出端が、加熱源413の表面よりも加圧ロール46側に位置する例も考えられる。
【0046】
付言すると、スペーサ418を用いる第4の実施の形態の変形例として、第4の実施の形態の場合の加熱源413よりも厚さがある他の加熱源を用いることで、スペーサ418を省略する構成を採用することが考えられる。より具体的には、他の加熱源は、他の加熱源と支持部材412との間にスペーサ418を用いずに自身を上流側突起414および下流側突起415よりも加圧ロール46側に突出するものである。スペーサ418の厚さ分だけ厚い従来の加熱源(上述の第1ないし第3の実施の形態の加熱源413以外のもの)を利用することで、定着後の用紙Pの変形抑制のための構成とすることができる。
【0047】
このように、第1の実施の形態における基材413aの頂部413aa、第2の実施の形態における基材413aの角部413ab,413ac、第3の実施の形態における支持部材412の凸部416,417、および第4の実施の形態における加熱源413は、加圧ロール46と定着ベルト411との押圧により形成されるニップ部Nで定着ベルト411の形状を規制するものであり、第2規制部の一例である。また、第4の実施の形態における加熱源413は、熱供給部の一例である。
【0048】
なお、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態には限定されない。本発明の精神及び範囲から逸脱することなく様々に変更したり代替態様を採用したりすることが可能なことは、当業者に明らかである。
【符号の説明】
【0049】
1…画像形成装置、10…画像形成部、40…定着装置、46…加圧ロール、411…定着ベルト、412…支持部材、413…加熱源、413a…基材、413aa…頂部、413ab,413ac…角部、414…上流側突起、415…下流側突起、416,417…凸部、418…スペーサ、N…ニップ部、P…用紙
図1
図2
図3
図4
図5
図6