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特開2018-205909処理装置、車両、処理方法およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-205909(P2018-205909A)
(43)【公開日】2018年12月27日
(54)【発明の名称】処理装置、車両、処理方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/16 20060101AFI20181130BHJP
   G06T 7/00 20170101ALI20181130BHJP
   B60R 21/00 20060101ALN20181130BHJP
【FI】
   G08G1/16 C
   G06T7/00 650B
   B60R21/00 624G
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2017-108292(P2017-108292)
(22)【出願日】2017年5月31日
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100076428
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康徳
(74)【代理人】
【識別番号】100115071
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康弘
(74)【代理人】
【識別番号】100112508
【弁理士】
【氏名又は名称】高柳 司郎
(74)【代理人】
【識別番号】100116894
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 秀二
(74)【代理人】
【識別番号】100134175
【弁理士】
【氏名又は名称】永川 行光
(74)【代理人】
【識別番号】100166648
【弁理士】
【氏名又は名称】鎗田 伸宜
(74)【代理人】
【識別番号】100168284
【弁理士】
【氏名又は名称】菅原 英夫
(72)【発明者】
【氏名】土屋 成光
(72)【発明者】
【氏名】坂本 洋介
(72)【発明者】
【氏名】小原 和馬
【テーマコード(参考)】
5H181
5L096
【Fターム(参考)】
5H181AA01
5H181AA14
5H181CC03
5H181CC04
5H181CC05
5H181CC14
5H181DD10
5H181EE07
5H181FF27
5H181LL01
5H181LL09
5L096AA02
5L096AA06
5L096BA04
5L096CA05
5L096FA52
5L096FA69
5L096GA38
5L096HA02
5L096JA09
5L096JA16
(57)【要約】
【課題】人の乗り降りが発生する車両の乗員状況を考慮した、より安全な自動運転を実現するための技術を提供する。
【解決手段】処理装置は、自車両の周辺情報を取得する取得手段と、前記周辺情報に基づいて他車両を検出する検出手段と、前記他車両の乗員状況を示す情報を取得する取得手段と、前記乗員状況に基づいて前記他車両に対して警戒領域を設定する設定手段とを備える。
【選択図】 図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自車両の周辺情報を取得する取得手段と、
前記周辺情報に基づいて他車両を検出する検出手段と、
前記他車両の乗員状況を示す情報を取得する取得手段と、
前記乗員状況に基づいて前記他車両に対して警戒領域を設定する設定手段と、
を備えることを特徴とする処理装置。
【請求項2】
前記周辺情報に基づいて前記他車両が停止しているか否かを判定する判定手段をさらに備え、
前記設定手段は、前記他車両の運転手以外に乗員が存在し且つ前記他車両が停止した場合、前記他車両に対して、停止前の第1の警戒領域よりも広い第2の警戒領域を設定することを特徴とする請求項1に記載の処理装置。
【請求項3】
前記設定手段は、前記他車両の運転手以外に複数の乗員が存在し且つ前記他車両が停止した場合、前記他車両に対して、前記第2の警戒領域よりも少なくとも前記他車両の運転席側の側方にさらに広い第3の警戒領域を設定することを特徴とする請求項2に記載の処理装置。
【請求項4】
前記周辺情報に基づいて前記他車両が停止しているか否かを判定する判定手段をさらに備え、
前記検出手段は、前記周辺情報に基づいて前記他車両に荷物が積まれたことをさらに検出し、
前記設定手段は、前記他車両の運転手以外に乗員が存在し、前記他車両に荷物が積まれており、且つ、前記他車両が停止した場合、前記他車両に対して、停止前の第1の警戒領域よりも広い第2の警戒領域を設定することを特徴とする請求項1に記載の処理装置。
【請求項5】
前記取得手段は、前記周辺情報に基づいて検出された前記他車両の画像を解析することにより前記他車両の乗員状況を示す情報を取得することを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の処理装置。
【請求項6】
前記検出手段は、前記周辺情報に基づいて前記他車両の運転手以外の乗員が前記他車両に乗車したことをさらに検出し、
前記取得手段は、前記検出手段の検出結果に基づいて前記他車両の乗員状況を示す情報を取得することを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の処理装置。
【請求項7】
前記周辺情報に基づいて前記他車両が路肩側へ移動しているか否かを判定する判定手段をさらに備え、
前記設定手段は、前記他車両の運転手以外に乗員が存在し且つ前記他車両が路肩側へ移動している場合、前記他車両に対して、路肩側へ移動を開始する前の第1の警戒領域よりも広い第2の警戒領域を設定することを特徴とする請求項1に記載の処理装置。
【請求項8】
前記検出手段は、前記周辺情報に基づいて前記他車両のハザードランプの点滅をさらに検出し、
前記設定手段は、前記他車両の運転手以外に乗員が存在し且つ前記ハザードランプの点滅が検出された場合、前記他車両に対して、前記ハザードランプの点滅が開始する前の第1の警戒領域よりも広い第2の警戒領域を設定することを特徴とする請求項1に記載の処理装置。
【請求項9】
前記周辺情報に基づいて前記他車両が走行しているか否かを判定する判定手段をさらに備え、
前記設定手段は、前記他車両の運転手以外に乗員が存在しておらず且つ前記他車両が走行している場合、前記他車両に対して、前記他車両の運転手以外に乗員が存在し且つ前記他車両が走行している場合における第1の警戒領域よりも広い第2の警戒領域を設定することを特徴とする請求項1に記載の処理装置。
【請求項10】
請求項1乃至9の何れか1項に記載の処理装置を備えることを特徴とする車両。
【請求項11】
自車両の周辺情報を取得する取得工程と、
前記周辺情報に基づいて他車両を検出する検出工程と、
前記他車両の乗員状況を示す情報を取得する取得工程と、
前記乗員状況に基づいて前記他車両に対して警戒領域を設定する設定工程と、
を有することを特徴とする処理方法。
【請求項12】
請求項11に記載の処理方法の各工程を、コンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、処理装置、車両、処理方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1では、車両運転時に現れる危険および一般的な知識により危険を予測することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016−091039号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1では、乗員がいる他車両が停止した場合に自車両がどのような制御を行うかに関する記載はない。従って、人の乗り降りが発生する車両の乗員状況を考慮した自動運転が実現できないという課題がある。
【0005】
本発明の目的は、人の乗り降りが発生する車両の乗員状況を考慮した、より安全な自動運転を実現するための技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決し、目的を達成するために、本発明の処理装置は、
自車両の周辺情報を取得する取得手段と、
前記周辺情報に基づいて他車両を検出する検出手段と、
前記他車両の乗員状況を示す情報を取得する取得手段と、
前記乗員状況に基づいて前記他車両に対して警戒領域を設定する設定手段と、
を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、人の乗り降りが発生する車両の乗員状況を考慮した警戒領域の設定が可能になるため、より安全な自動運転を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】車両の構成の例を説明するための図である。
図2】検出部の配置位置の例を説明するための上面図である。
図3A】道路上の各オブジェクトについての警戒領域の設定方法の例を説明するための図である。
図3B】自動運転処理の一例を示すフローチャートである。
図3C】自車両の前方を走行する他車両(タクシー)の外観図の一例を示す図である。
図4】第1実施形態に係る警戒領域の説明図である。
図5】第1実施形態に係る警戒領域の設定処理の全体の流れを示すフローチャートである。
図6】第1実施形態に係る警戒領域の設定処理の手順を示すフローチャートである。
図7】第2実施形態に係る警戒領域の説明図である。
図8】第2実施形態に係る警戒領域の設定処理の手順を示すフローチャートである。
図9】第3実施形態に係る警戒領域の設定処理の手順を示すフローチャートである。
図10】第4実施形態に係る警戒領域の設定処理の手順を示すフローチャートである。
図11】第5実施形態に係る警戒領域の設定処理の手順を示すフローチャートである。
図12】第6実施形態に係る警戒領域の説明図である。
図13】第6実施形態に係る警戒領域の設定処理の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。なお、各図は、実施形態の構造ないし構成を示す模式図であり、図示された各部材の寸法は必ずしも現実のものを反映するものではない。
【0010】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る車両1の構成を説明するためのブロック図である。車両1は、操作部11、運転操作用ECU(電子制御ユニット)12、駆動機構13、制動機構14、操舵機構15、検出部16、および、予測用ECU17を備える。なお、本実施形態では車両1は四輪車とするが、車輪の数は4に限られるものではない。
【0011】
操作部11は、加速用操作子111、制動用操作子112、および、操舵用操作子113を含む。典型的には、加速用操作子111はアクセルペダルであり、制動用操作子112はブレーキペダルであり、また、操舵用操作子113はステアリングホイールであるが、これらの操作子111〜113には、レバー式、ボタン式等のものが用いられてもよい。
【0012】
運転操作用ECU12は、CPU121、メモリ122、および、通信インタフェース123を含む。CPU121は、通信インタフェース123を介して操作部11から受け取った電気信号に基づいて所定の処理を行う。そして、CPU121は、その処理結果を、メモリ122に格納し、或いは、通信インタフェース123を介して各機構13〜15に出力する。このような構成により、運転操作用ECU12は、各機構13〜15を制御する。
【0013】
運転操作用ECU12は、本構成に限られるものではなく、他の実施形態として、ASIC(特定用途向け集積回路)等の半導体装置が用いられてもよい。即ち、運転操作用ECU12の機能は、ハードウェアおよびソフトウェアの何れによっても実現可能である。また、ここでは説明の容易化のため運転操作用ECU12を単一の要素として示したが、これらは複数に分けられていてもよく、運転操作用ECU12は、例えば加速用、制動用および操舵用の3つのECUに分けられていてもよい。
【0014】
駆動機構13は、例えば、内燃機関および変速機を含む。制動機構14は、例えば、各車輪に設けられたディスクブレーキである。操舵機構15は、例えば、パワーステアリングを含む。運転操作用ECU12は、運転者による加速用操作子111の操作量に基づいて駆動機構13を制御する。また、運転操作用ECU12は、運転者による制動用操作子112の操作量に基づいて制動機構14を制御する。また、運転操作用ECU12は、運転者による操舵用操作子113の操作量に基づいて操舵機構15を制御する。
【0015】
検出部16は、カメラ161、レーダ162、及び、ライダ(Light Detection and Ranging(LiDAR))163を含む。カメラ161は、例えばCCD/CMOSイメージセンサを用いた撮像装置である。レーダ162は、例えばミリ波レーダ等の測距装置である。また、ライダ163は、例えばレーザレーダ等の測距装置である。これらは、図2に例示されるように、車両1の周辺情報を検出可能な位置、例えば、車体の前方側、後方側、上方側および側方側にそれぞれ配される。
【0016】
ここで、本明細書において、前、後、上、側方(左/右)などの表現を用いる場合があるが、これらは、車体を基準に示される相対的な方向を示す表現として用いられる。例えば、「前」は車体の前後方向における前方を示し、「上」は車体の高さ方向を示す。
【0017】
車両1は、検出部16による検出結果(車両1の周辺情報)に基づいて自動運転を行うことが可能である。本明細書において、自動運転は、運転操作(加速、制動および操舵)の一部または全部を、運転者側ではなく、運転操作用ECU12側で行うことをいう。即ち、自動運転の概念には、運転操作の全部を運転操作用ECU12側で行う態様(いわゆる完全自動運転)、および、運転操作の一部を運転操作用ECU12側で行う態様(いわゆる運転支援)、が含まれる。運転支援の例としては、車速制御(オートクルーズコントロール)機能、車間距離制御(アダプティブクルーズコントロール)機能、車線逸脱防止支援(レーンキープアシスト)機能、衝突回避支援機能等が挙げられる。
【0018】
予測用ECU17は、詳細については後述とするが、道路上の各オブジェクトの挙動を予測する。予測用ECU17は、予測装置、挙動予測装置等と称されてもよいし、処理装置(プロセッサ)、情報処理装置等と称されてもよい(更に、装置の代わりに、デバイス、モジュール、ユニット等と称されてもよい。)。自動運転を行う際には、運転操作用ECU12は、予測用ECU17による予測結果に基づいて操作子111〜113の一部または全部を制御する。
【0019】
予測用ECU17は、運転操作用ECU12同様の構成を有し、CPU171、メモリ172、および、通信インタフェース173を含む。CPU171は、通信インタフェース173を介して、検出部16から車両1の周辺情報を取得する。CPU171は、この周辺情報に基づいて道路上の各オブジェクトの挙動を予測し、その予測結果を、メモリ172に格納し、或いは、通信インタフェース173を介して運転操作用ECU12に出力する。
【0020】
図3Aは、道路2上に車両1および複数のオブジェクト3が存在している様子を示す上面図であり、車両1(以下、区別のため「自車両1」)が車道21を自動運転により走行している様子が示される。自車両1は、検出部16により車道21および歩道22上のオブジェクト3を検出し、これらを避けるように走行経路を設定することで自動運転を行う。ここではオブジェクト3の例として、他車両31、人32(例えば歩行者)、および、障害物33が挙げられる。なお、矢印が付されたオブジェクト3について、矢印は、そのオブジェクト3の進行方向を示している。
【0021】
なお、ここでは障害物33としてロードコーンを図示したが、障害物は、走行の物理的な妨げとなる物体であればよく、この例に限られない。障害物は、例えば、ごみ等の落下物であってもよいし、信号機や防護柵等の設置物であってもよく、動産/不動産を問わない。
【0022】
図3Aに示されるように、検出部16による検出結果(車両1の周辺情報)から複数のオブジェクト3が確認された場合、予測用ECU17は、各オブジェクト3について警戒領域Rを設定する。警戒領域Rは、自車両1の接触を回避するための領域、即ち自車両1が重ならないことが推奨される領域である。あるオブジェクト3についての警戒領域Rは、そのオブジェクト3が所定期間内に移動する可能性のある領域として、そのオブジェクト3の輪郭の外側に所定の幅を有するように設定される。警戒領域Rは、周期的に、例えば10[msec]ごとに設定(変更、更新、再設定。以下、単に「設定」と表現する。)される。
【0023】
なお、ここでは説明の容易化のため、警戒領域Rを平面(2次元)で示すが、警戒領域Rは、実際には、車載の検出部16により検出された空間に従って設定される。そのため、警戒領域Rは、3次元空間座標において表現され、或いは、時間軸を加えた4次元空間座標において表現されうる。
【0024】
予測用ECU17は、例えば、自車両1の前方を走行中の他車両31についての警戒領域Rを、他車両31の輪郭の外側に設定する。警戒領域Rの幅(輪郭からの距離)は、他車両31の情報(例えば、自車両1に対する相対位置や自車両1からの距離などの位置情報、及び、他車両31の進行方向や車速などの状態情報)に基づいて、前方、側方および後方において、互いに異なるように設定されうる。他車両31が直進中の場合、予測用ECU17は、警戒領域Rを、車体の側方について所定の幅(例えば50cm程度)となり、車体の前方および後方については比較的広めの幅(他車両31の車速に応じた幅)、となるように設定する。他車両31が左旋回(又は右旋回)した場合には、予測用ECU17は、警戒領域Rの左側方(又は右側方)の幅を広げる。他車両31が停止した場合には、警戒領域Rは、前方、側方および後方について同一の幅で設定されてもよい。
【0025】
また、予測用ECU17は、例えば、歩道22上の人32についての警戒領域Rを、人32の情報(例えば、自車両1に対する相対位置や自車両1からの距離などの位置情報、及び、人32の移動方向、移動速度、姿勢、視線などの状態情報)に基づいて、人32の輪郭の外側に設定する。警戒領域Rの幅は、人32の情報に基づいて、前方、側方および後方において、互いに異なるように設定されうる。例えば、警戒領域Rの幅は、人32の移動速度に基づいて設定され、及び/又は、人32の視線に基づいて設定される。人32が立ち止まっている場合には、警戒領域Rは、前方、側方および後方について同一の幅で設定されてもよい。
【0026】
付随的に、予測用ECU17は、人32の年齢層を更に予測し、その予測結果に基づいて、警戒領域Rの幅を設定することも可能である。この予測は、検出部16からの検出結果に基づく人32の外観情報(体格情報、服装情報等、その人の外見の情報)を用いて行われればよい。
【0027】
更に、予測用ECU17は、例えば、車道21上の障害物33についての警戒領域Rを、障害物33の情報(例えば、自車両1に対する相対位置や自車両1からの距離などの位置情報、及び、種類、形状、寸法などの状態情報)に基づいて、障害物33の輪郭の外側に設定する。障害物33は移動しないと考えられるため、警戒領域Rの幅は所定値に設定されてもよい。検出部16が、例えば風速センサを更に含み、風速を検出可能な場合には、警戒領域Rの幅は、風速に基づいて設定されてもよい。
【0028】
各オブジェクト3についての警戒領域Rの幅は、更に自車両1の車速に基づいて設定されてもよい。自車両1が比較的高速に走行中の場合、例えば、他車両31についての警戒領域R1の幅を広めに設定することで、他車両31との車間距離を十分に取ることが可能となり、他車両31との接触を回避することが可能となる。
【0029】
運転操作用ECU12は、予測用ECU17からの予測結果に基づいて、各オブジェクト3についての警戒領域Rを通らないように走行経路を設定することで、自車両1の各オブジェクト3との接触を防ぐことを可能にする。
【0030】
<自動運転処理>
続いて、図3Bは、本実施形態に係る自動運転を行うための処理の手順を示すフローチャートである。このフローチャートの内容は、主に予測用ECU17においてCPU171により行われる。予測用ECU17は、自車両1が自動運転を開始した場合、自車両1の周辺情報に基づいて自車両1の周辺の各オブジェクト3を認識し、各オブジェクト3に警戒領域Rを設定し、その結果を運転操作用ECU12に出力する。
【0031】
S101では、自車両1が自動運転状態か否かを判定する。このステップは、例えば、予測用ECU17が、自車両1が自動運転状態か否かを示す信号を運転操作用ECU12から受け取ることで行われる。自動運転状態の場合にはS102に進み、自動運転状態でない場合には本フローチャートを終了する。
【0032】
S102では、自車両1の周辺情報を取得する。このステップは、検出部16により検出された自車両1の周辺情報を予測用ECU17が受け取ることで行われる。
【0033】
S103では、S102で得られた周辺情報から、自車両1の周辺に存在する各オブジェクト3を抽出し、各オブジェクト3について警戒領域Rを設定する。このステップは、周辺情報を示すデータに対して所定のデータ処理(例えば、輪郭抽出を行うデータ処理)をすることで行われる。各オブジェクト3について警戒領域Rは、抽出された各オブジェクト3の情報に基づいて設定される。
【0034】
例えば、他車両31について、その情報(前述の位置情報や状態情報など)に基づいて警戒領域Rが設定される。例えば、人32について、その情報(前述の位置情報や状態情報など)に基づいて警戒領域Rが設定される。警戒領域の設定処理の詳細は後述する。
【0035】
S104では、以上のようにして設定された警戒領域Rの情報を、運転操作用ECU12に出力する。運転操作用ECU12は、これに基づいて、自車両1の走行経路を決定し、自車両1の運転操作の内容を決定する。
【0036】
S105では、自車両1の自動運転状態を終了するか否かを判定する。このステップは、例えば、予測用ECU17が、自動運転状態の終了を示す信号を運転操作用ECU12から受け取ることで行われる。自動運転状態が終了されない場合にはS102に戻り、自動運転状態が終了される場合には本フローチャートを終了する。
【0037】
S101〜S105の一連のステップは、例えば10[msec]程度、又は、それより短い期間で繰り返し行われる。即ち、自車両1の周辺情報の取得、自車両1の周辺の各オブジェクト3の検出およびそれに伴う警戒領域Rの設定、並びに、それらの結果の運転操作用ECU12への出力は、周期的に行われる。
【0038】
なお、本フローチャートの各ステップは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更されてもよく、例えば、それらの順序が変更されてもよいし、一部のステップが省略されてもよいし、或いは、他のステップが追加されてもよい。
【0039】
<サービス車両の乗員状況等の説明>
本実施形態では、例えば自車両1の前方を走行する他車両31(例えば、タクシー等の乗客の乗り降りが発生しうるサービス車両)を抽出して、抽出された他車両31に対して警戒領域を設定する。ここで、図3Cは、自車両1の前方を走行する他車両31(タクシー)の外観図の一例を示す図である。図3Cにおいて、310は例えばタクシーの社名表示灯であり、いわゆる行灯である。311は乗員、312は後部座席の背もたれ、313は荷物を積み込むためのトランク、314はハザードランプ、315はブレーキランプ、316はナンバープレートである。なお、本実施形態を含む各実施形態は主にタクシーを対象として説明を行うが、タクシーに限らず乗用車一般に対しても本発明の処理を適用可能である。
【0040】
予測用ECU17は、検出部16から取得した自車両1の周辺情報に基づいて他車両31を検出し、当該他車両31の乗員状況(乗員311の有無、人数など)を取得する。例えば、周辺情報に基づいて検出された他車両31の画像を解析することにより他車両31の乗員状況を示す情報を取得する。例えば、運転手以外の乗員311が1人存在する、複数人存在する、あるいは存在しない等の情報である。なお、画像の解析以外にも、周辺情報に基づいて他車両31の運転手以外の乗員311が他車両31に乗車したことを検出し、その検出結果に基づいて他車両31の乗員状況を取得してもよい。あるいは、自車両1と他車両31との間の車車間通信により、他車両31から乗員状況を示す情報を取得してもよい。
【0041】
予測用ECU17は、検出部16から取得した自車両1の周辺情報に基づいて他車両31の行灯311の有無や、ナンバープレート316の解析などにより、他車両31がサービス車両(タクシー)であるか否かを判定できる。
【0042】
行灯311が抽出された場合、他車両31はサービス車両(タクシー)であると判定できる。また、タクシーのナンバープレートは例えば緑地に白の数字などであり、一般車両とは異なっているため、ナンバープレート316の色を解析することで、緑と白が検出された場合、他車両31がサービス車両(タクシー)であると判定できる。さらに、他車両31の外観や色の構成などを解析し、テンプレートマッチングを行うことによって他車両31がサービス車両(タクシー)であるか否かを判定してもよい。
【0043】
予測用ECU17は、他車両31のトランク313の開閉、ハザードランプ314の点滅、ブレーキランプ315の点灯なども画像解析により検出可能である。
【0044】
<警戒領域の説明>
次に、図4図6を参照しながら、本実施形態に係る予測用ECU17が実施する警戒領域の設定手順を説明する。まず、図4は、自車両1が車道に沿って走行中の様子を示す上面図である。自車両1は自動運転により走行中であり、また、他車両31は自車両1の走行車線の前方を走行している。
【0045】
401において、自車両1の前方で走行している他車両31について警戒領域R1が設定されている。警戒領域R1は、走行中の他車両31に運転手以外の乗員311が存在する場合における他車両31に対する警戒領域であり、例えば他車両31の外縁から距離L1の範囲内の領域である。
【0046】
402において、自車両1の前方を走行している他車両31が停止し、停止した当該他車両31について警戒領域R1よりも広い警戒領域R2が設定されている。警戒領域R2は、走行中の他車両31に運転手以外の乗員311が存在している状態で他車両31が停止した場合に他車両31について設定される警戒領域であり、例えば他車両31の外縁から距離L2(>距離L1)の範囲内の領域である。
【0047】
なお、警戒領域R1、警戒領域R2は、他車両31の前方、側方および後方のすべてで外縁から等距離(L1、L2)の範囲内である必要はない。
【0048】
本実施形態では、自車両1の前方を走行している他車両31の中に運転手以外の乗員311が存在する状態で、他車両31が停止した場合(あるいは路肩側に移動を開始した場合)には、他車両31から乗員311が降車すると予測できることから、警戒領域をR1よりも広いR2に設定している。
【0049】
<警戒領域設定処理>
続いて、図5は、本実施形態に係る他車両31に対する警戒領域の設定を行うための処理の手順を示すフローチャートである。このフローチャートの内容は、S103の処理の詳細であり、主に予測用ECU17においてCPU171により行われる。
【0050】
S201では、S102で取得された周辺情報に基づいて抽出されたオブジェクト3の中から他車両31を検出する。このステップは、判定対象のオブジェクト3の外観情報等に基づいて、例えばパターンマッチングにより行われる。
【0051】
S202では、S102で取得された周辺情報に基づいて、乗員状況の情報を取得する。図3Cを参照して説明した通り、自車両1の前方を走行する他車両31に運転手以外に乗員311が存在するか否か、ゼロ、1人、複数人といった情報が取得される。
【0052】
S203では、他車両31に対して警戒領域を設定する。S203の処理の詳細については図6を参照して後述する。以上で図5の一連の処理が終了する。
【0053】
続いて、図6は、本実施形態に係るS203の警戒領域の設定処理の手順を示すフローチャートである。このフローチャートの内容は、S203の処理の詳細であり、主に予測用ECU17においてCPU171により行われる。
【0054】
S301では、S202で取得された乗員状況を示す情報に基づいて、他車両31に運転手以外の乗員311が存在するか否かを判定する。運転手以外の乗員311が存在する場合、S302へ進む。一方、運転手以外の乗員311が存在しない場合、S304へ進む。
【0055】
S302では、周辺情報に基づいて他車両31が停止しているか否かを判定する。このステップは、検出部16により検出された自車両1の周辺情報を予測用ECU17が逐次受け取った結果に基づいて、他車両31が移動しているか、あるいは停止しているかを判定することで行う。他車両31が停止している場合、S303へ進む。一方、他車両31が停止していない場合、S304へ進む。
【0056】
S303では、他車両31についての警戒領域を図4の402に示した警戒領域R2に設定する。即ち、他車両31についての警戒領域が広く設定される。これは、前述したように、自車両1の前方を走行している他車両31の中に運転手以外の乗員311が存在する状態で、他車両31が停止した場合には、他車両31から乗員311が降車すると予測できるためである。
【0057】
S304では、他車両31についての警戒領域を図4の401に示した警戒領域R1に設定する。即ち、運転手以外に乗員311が存在しない場合、あるいは、運転手以外に乗員311が存在しても他車両が停止していない(走行中である)場合には、降車の可能性が無いか、低いと考えられるため、狭い警戒領域を設定する。以上で図6の一連の処理が終了する。
【0058】
なお、本フローチャートの各ステップは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更されてもよく、例えば、それらの順序が変更されてもよいし、一部のステップが省略されてもよいし、或いは、他のステップが追加されてもよい。
【0059】
以上説明したように、本実施形態では、予測用ECU17は、検出部16による自車両1の周辺情報に基づき、自車両1の走行車線の前方の他車両31に運転手以外の乗員311が存在しており且つ他車両31が停止した場合に、他車両31の警戒領域を広く設定する。
【0060】
本実施形態によれば、人の乗り降りが発生する車両の乗員状況を考慮した、より安全な自動運転を実現することができる。
【0061】
(第2実施形態)
第1実施形態では、自車両1の走行車線の前方の他車両31に運転手以外の乗員311が存在しており且つ他車両31が停止した場合に、他車両31の警戒領域を、そうでない場合の警戒領域R1よりも広い警戒領域R2に設定する例を説明した。これに対して、第2実施形態では、運転手以外の乗員311が複数存在している場合には両側のドアから乗員が降車する可能性があるため、そうした他車両31が停止した場合には、警戒領域R2よりもさらに広い警戒領域R3を設定する例を説明する。
【0062】
<警戒領域の説明>
図7及び図8を参照しながら、本実施形態に係る予測用ECU17が実施する処理を説明する。まず、図7は、自車両1が車道に沿って走行中の様子を示す上面図である。自車両1は自動運転により走行中であり、また、他車両31は自車両1の走行車線の前方を走行している。
【0063】
701において、自車両1の前方を走行している他車両31が停止し、停止した当該他車両31について警戒領域R2よりも広い警戒領域R3が設定されている。警戒領域R3は、走行中の他車両31に運転手以外の乗員311が複数存在している状態で他車両31が停止した場合に他車両31について設定される警戒領域であり、例えば他車両31の外縁から距離L3(>距離L2)の範囲内の領域である。
【0064】
なお、警戒領域R3は、他車両31の前方、側方および後方のすべてで外縁から等距離(L3)の範囲内である必要はない。例えば、複数人が乗車している場合には降車時に他車両31の左側方のドアだけではなく右側方のドアからも人が出てくる可能性があることから、少なくなくとも右側方の外縁からの距離をL3とし、その他を外縁からの距離をL2としてもよい。
【0065】
<警戒領域設定処理>
続いて、図8は、本実施形態に係るS203の警戒領域の設定処理の手順を示すフローチャートである。このフローチャートの内容は、S203の処理の詳細であり、主に予測用ECU17においてCPU171により行われる。
【0066】
S401では、S202で取得された乗員状況を示す情報に基づいて、他車両31に運転手以外の乗員311が複数存在するか否かを判定する。運転手以外の乗員311が複数存在する場合、S402へ進む。一方、運転手以外の乗員311が複数存在しない場合、S404へ進む。
【0067】
S402では、周辺情報に基づいて他車両31が停止しているか否かを判定する。このステップはS302の処理と同様である。他車両31が停止している場合、S403へ進む。一方、他車両31が停止していない場合、S407へ進む。
【0068】
S403では、他車両31についての警戒領域を図7の701に示した警戒領域R3に設定する。即ち、他車両31についての警戒領域が広く設定される。これは、前述したように、自車両1の前方を走行している他車両31の中に運転手以外の乗員311が複数存在する状態で、他車両31が停止した場合には、他車両31の両側のドアから乗員311が降車する可能性があると予測できるためである。
【0069】
S404では、S202で取得された乗員状況を示す情報に基づいて、他車両31に運転手以外の乗員311が1人存在するか否かを判定する。運転手以外の乗員311が1人存在する場合、S405へ進む。一方、運転手以外の乗員311が存在しない場合、S407へ進む。
【0070】
S405〜S407の各処理はS302〜S304の各処理と同様であるため、説明を省略する。以上で図8の一連の処理が終了する。
【0071】
なお、本フローチャートの各ステップは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更されてもよく、例えば、それらの順序が変更されてもよいし、一部のステップが省略されてもよいし、或いは、他のステップが追加されてもよい。
【0072】
以上説明したように、本実施形態では、予測用ECU17は、検出部16による自車両1の周辺情報に基づき、自車両1の走行車線の前方の他車両31に運転手以外の乗員311が複数存在しており且つ他車両31が停止した場合に、両側のドアからの降車の可能性があるため、他車両31の警戒領域を第1実施形態で説明した警戒領域R2よりもさらに広い警戒領域R3に設定する。そして、運転手以外の乗員311が1人存在している場合は警戒領域R2に設定する。これにより、乗員が複数なのか1人なのかに応じてより、適切な警戒領域を設定することができる。
【0073】
本実施形態によれば、人の乗り降りが発生する車両の乗員状況を考慮した、より安全な自動運転を実現することができる。
【0074】
(第3実施形態)
第1実施形態では、自車両1の走行車線の前方の他車両31に運転手以外の乗員311が存在しており且つ他車両31が停止した場合に、他車両31の警戒領域を、そうでない場合の警戒領域R1よりも広い警戒領域R2に設定する例を説明した。これに対して、第3実施形態では、自車両1の走行車線の前方の他車両31に運転手以外の乗員311が存在しており、他車両31が停止し、さらに他車両31に荷物が積まれている場合に、荷物がない場合の警戒領域R2よりもさらに広い警戒領域R3を設定する例を説明する。これは、トランク313から乗員311の荷物を取り出すために運転席側のドアから運転手が降車する可能性があるためである。
【0075】
<警戒領域設定処理>
図9は、本実施形態に係る他車両31に対する警戒領域の設定を行うための処理の手順を示すフローチャートである。このフローチャートの内容は、S203の処理の詳細であり、主に予測用ECU17においてCPU171により行われる。なお、図9におけるS501、S502、S505〜S506の各処理は、図6で説明したS301〜S304の各処理と同様であるため詳細な説明を省略する。
【0076】
S503では、他車両31に荷物が積まれているか否かを判定する。このステップは、検出部16により検出された自車両1の周辺情報を予測用ECU17が逐次受け取った結果に基づいて、他車両31に乗員が乗り込む際にトランク313に荷物を積み込んだことを事前に検出していたか否かにより行う。例えば、自車両1の前を走行する他車両31が乗員31を乗せ、荷物をトランク313に積み込み、その後自車両1の前方を走行し続けて、後に降車するような場合が想定される。なお、荷物のトランク313の積み込み動作の検出に加えて、トランク313の開閉の動作が検出された場合に、荷物が積み込まれたと判定してもよい。あるいは、車車間通信により直接荷物の積載状況の情報を取得し、その情報に基づいて判定を行ってもよい。他車両31に荷物が積まれている場合、S504へ進む。一方、他車両31に荷物が積まれていない場合、S505へ進む。
【0077】
S504では、他車両31についての警戒領域Rを図7の701に示した警戒領域R3に設定する。即ち、他車両31についての警戒領域がR2よりも広く設定される。これは、前述したように、車両1の前方を走行している他車両31の中に運転手以外の乗員311が存在し、荷物がトランク313に積まれている状態で、他車両31が停止した場合には、トランク313から乗員311の荷物を取り出すために運転席側のドアから運転手が降車する可能性があるためである。以上で図9の一連の処理が終了する。
【0078】
なお、本フローチャートの各ステップは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更されてもよく、例えば、それらの順序が変更されてもよいし、一部のステップが省略されてもよいし、或いは、他のステップが追加されてもよい。
【0079】
以上説明したように、本実施形態では、予測用ECU17は、検出部16による自車両1の周辺情報に基づき、自車両1の走行車線の前方の他車両31に運転手以外の乗員311が存在しており、他車両31が停止し、且つ他車両31に荷物が積まれている場合に、両側のドアからの降車の可能性があるため、他車両31の警戒領域を第1実施形態で説明した警戒領域R2よりもさらに広い警戒領域R3に設定する。これにより、運転手の降車の可能性を考慮した、適切な警戒領域を設定することができる。
【0080】
本実施形態によれば、人の乗り降りが発生する車両の乗員状況を考慮した、より安全な自動運転を実現することができる。
【0081】
(第4実施形態)
第1実施形態では、自車両1の走行車線の前方の他車両31に運転手以外の乗員311が存在しており且つ他車両31が停止した場合に、他車両31の警戒領域を、そうでない場合の警戒領域R1よりも広い警戒領域R2に設定する例を説明した。これに対して、第4実施形態では、自車両1の走行車線の前方の他車両31に運転手以外の乗員311が存在しており、他車両31が路肩側へ移動している場合に、警戒領域R2を設定する例を説明する。これは、他車両31が路肩側へ移動している場合には、他車両31が停止して乗員が降車する可能性があるためである。
【0082】
<警戒領域設定処理>
図10は、本実施形態に係る他車両31に対する警戒領域の設定を行うための処理の手順を示すフローチャートである。このフローチャートの内容は、S203の処理の詳細であり、主に予測用ECU17においてCPU171により行われる。なお、図10におけるS601、S602〜S604の各処理は、図6で説明したS301、S302〜S304の各処理と同様であるため詳細な説明を省略する。
【0083】
S602では、周辺情報に基づいて他車両31が路肩側へ移動しているか否かを判定する。このステップは、検出部16により検出された自車両1の周辺情報を予測用ECU17が逐次受け取った結果に基づいて、他車両31の挙動を解析することで行う。他車両31が路肩側へ移動している場合、S603へ進む。一方、他車両31が路肩側へ移動していない場合、S604へ進む。以上で図10の一連の処理が終了する。
【0084】
なお、本フローチャートの各ステップは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更されてもよく、例えば、それらの順序が変更されてもよいし、一部のステップが省略されてもよいし、或いは、他のステップが追加されてもよい。
【0085】
例えば、図10の処理と図3の処理とを組み合わせて、運転手以外の乗員が存在する他車両31が路肩側へ移動しており、さらに停止した場合に、他車両31に対して警戒領域R2を設定するように構成してもよい。
【0086】
以上説明したように、本実施形態では、予測用ECU17は、検出部16による自車両1の周辺情報に基づき、自車両1の走行車線の前方の他車両31に運転手以外の乗員311が存在しており、他車両31が路肩側に移動している場合に、乗員311の降車の可能性があるため、他車両31の警戒領域を第1実施形態で説明した警戒領域R2に設定する。これにより、他車両31が実際に停止し降車の可能性が高くなる前段階で降車の可能性を考慮し、適切な警戒領域を設定することができる。
【0087】
本実施形態によれば、人の乗り降りが発生する車両の乗員状況を考慮した、より安全な自動運転を実現することができる。
【0088】
(第5実施形態)
第1実施形態では、自車両1の走行車線の前方の他車両31に運転手以外の乗員311が存在しており且つ他車両31が停止した場合に、他車両31の警戒領域を、そうでない場合の警戒領域R1よりも広い警戒領域R2に設定する例を説明した。これに対して、第5実施形態では、自車両1の走行車線の前方の他車両31に運転手以外の乗員311が存在しており且つ他車両31のハザードランプ314が点滅している場合に、警戒領域R2を設定する例を説明する。これは、車両31のハザードランプ314が点滅している場合には、他車両31が停止して乗員が降車する可能性があるためである。
【0089】
<警戒領域設定処理>
図11は、本実施形態に係る他車両31に対する警戒領域の設定を行うための処理の手順を示すフローチャートである。このフローチャートの内容は、S203の処理の詳細であり、主に予測用ECU17においてCPU171により行われる。なお、図11におけるS701、S703〜S704の各処理は、図6で説明したS301、S303〜S304の各処理と同様であるため詳細な説明を省略する。
【0090】
S702では、周辺情報に基づいて他車両31のハザードランプ314が点滅しているか否かを判定する。このステップは、検出部16により検出された自車両1の周辺情報を予測用ECU17が逐次受け取った結果に基づいて、他車両31の挙動を解析することで行う。他車両31のハザードランプ314が点滅している場合、S703へ進む。一方、他車両31のハザードランプ314が点滅していない場合、S704へ進む。以上で図11の一連の処理が終了する。
【0091】
なお、本フローチャートの各ステップは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更されてもよく、例えば、それらの順序が変更されてもよいし、一部のステップが省略されてもよいし、或いは、他のステップが追加されてもよい。
【0092】
例えば、図11の処理と図3の処理とを組み合わせて、運転手以外の乗員が存在する他車両31のハザードランプ314が点滅しており、さらに他車両31が停止した場合に、他車両31に対して警戒領域R2を設定するように構成してもよい。
【0093】
以上説明したように、本実施形態では、予測用ECU17は、検出部16による自車両1の周辺情報に基づき、自車両1の走行車線の前方の他車両31に運転手以外の乗員311が存在しており且つ他車両31のハザードランプ314が点滅している場合に、乗員311の降車の可能性があるため、他車両31の警戒領域を第1実施形態で説明した警戒領域R2に設定する。これにより、他車両31が実際に停止し降車の可能性が高くなる前段階で降車の可能性を考慮し、適切な警戒領域を設定することができる。
【0094】
本実施形態によれば、人の乗り降りが発生する車両の乗員状況を考慮した、より安全な自動運転を実現することができる。
【0095】
(第6実施形態)
第1実施形態では、自車両1の走行車線の前方の他車両31に運転手以外の乗員311が存在しており且つ他車両31が停止した場合に、他車両31の警戒領域を、そうでない場合の警戒領域R1よりも広い警戒領域R2に設定する例を説明した。これに対して、第6実施形態では、自車両1の走行車線の前方の他車両31に運転手以外の乗員311が存在しない状態で他車両31が走行中である場合には、人を乗せるために急な車線変更などがありえることから、警戒領域R1よりも広い警戒領域R4を設定する例を説明する。本実施形態では特にサービス車両(タクシー)で発生しうる事例である。
【0096】
<警戒領域の説明>
図12及び図13を参照しながら、本実施形態に係る予測用ECU17が実施する処理を説明する。まず、図12は、自車両1が車道に沿って走行中の様子を示す上面図である。自車両1は自動運転により走行中であり、また、他車両31は自車両1の走行車線の前方を走行している。図示の例では片側2車線の道路である。
【0097】
1201において、自車両1の前方を走行している他車両31について警戒領域R1よりも広い警戒領域R4が設定されている。警戒領域R4は、走行中の他車両31に運転手以外の乗員311が存在していない状態で他車両31が走行中である場合に他車両31について設定される警戒領域であり、例えば他車両31の外縁から距離L4(>距離L1)の範囲内の領域である。さらに、片側複数車線において、路肩から数えて2車線目以降に他車両31が存在する場合に警戒領域R4を設定し、1車線目に他車両31が存在する場合には警戒領域R4よりも狭い警戒領域を設定するように構成してもよい。これは、既に1車線目を走行している場合には他車両31の急な車線変更は起こりにくいと考えられるためである。
【0098】
なお、警戒領域R4は、他車両31の前方、側方および後方のすべてで外縁から等距離(L4)の範囲内である必要はない。例えば、人を乗せるために路肩側へ急な車線変更を行う例を想定し、少なくとも左側方の外縁からの距離をL4とし、その他を外縁からの距離をL1としてもよい。
【0099】
<警戒領域設定処理>
続いて、図13は、本実施形態に係るS203の警戒領域の設定処理の手順を示すフローチャートである。このフローチャートの内容は、S203の処理の詳細であり、主に予測用ECU17においてCPU171により行われる。なお、図13におけるS801〜S803、S806の各処理は、図6で説明したS301〜S304の各処理と同様であるため詳細な説明を省略する。
【0100】
S804では、周辺情報に基づいて他車両31が走行しているか否かを判定する。このステップは、S302と同様に、検出部16により検出された自車両1の周辺情報を予測用ECU17が逐次受け取った結果に基づいて、他車両31が移動しているか、あるいは停止しているかを判定することで行う。他車両31が走行している場合、S805へ進む。一方、他車両31が走行していない場合、S806へ進む。
【0101】
S805では、他車両31についての警戒領域を図12の1201に示した警戒領域R4に設定する。即ち、他車両31についての警戒領域が広く設定される。これは、前述したように、自車両1の前方を走行している他車両31の中に運転手以外の乗員311が存在しない状態で他車両31が走行している場合には、人を乗せるために路肩側へ向かって急な車線変更を行う可能性があるためである。以上で図13の一連の処理が終了する。
【0102】
なお、本フローチャートの各ステップは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更されてもよく、例えば、それらの順序が変更されてもよいし、一部のステップが省略されてもよいし、或いは、他のステップが追加されてもよい。
【0103】
以上説明したように、本実施形態では、予測用ECU17は、検出部16による自車両1の周辺情報に基づき、自車両1の走行車線の前方の他車両31に運転手以外の乗員311が存在しておらず且つ他車両31が走行中である場合には、人を乗せるために路肩側へ向かって急な車線変更を行う可能性があるため、他車両31の警戒領域をR1よりも広い警戒領域R4に設定する。これにより、他車両31の急な車線変更や路肩側への急な移動を考慮した、適切な警戒領域を設定することができる。
【0104】
本実施形態によれば、人の乗り降りが発生する車両の乗員状況を考慮した、より安全な自動運転を実現することができる。
【0105】
なお、上述の各実施形態では、自車両の前方に他車両が存在する場合を例に説明したが、必ずしも同じ車線の前方である必要はない。他車線であっても他車両の乗員の有無を認識できる限り適用可能である。
【0106】
(その他)
以上、いくつかの好適な態様を例示したが、本発明はこれらの例に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、その一部が変更されてもよい。例えば、各実施形態の内容に、目的、用途等に応じて他の要素を組み合わせることも可能であるし、或る実施形態の内容に他の実施形態の内容の一部を組み合わせることも可能である。また、本明細書に記載された個々の用語は、本発明を説明する目的で用いられたものに過ぎず、本発明は、その用語の厳密な意味に限定されるものでないことは言うまでもなく、その均等物をも含みうる。
【0107】
また、各実施形態で説明された1以上の機能を実現するプログラムは、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給され、該システム又は装置のコンピュータにおける1以上のプロセッサは、このプログラムを読み出して実行することができる。このような態様によっても本発明は実現可能である。
【0108】
(実施形態のまとめ)
第1の態様による処理装置(例えば17)は、
自車両(例えば1)の周辺情報を取得する取得手段(例えば171、S102)と、
前記周辺情報に基づいて他車両(例えば31)を検出する検出手段(例えば171、S201)と、
前記他車両の乗員状況を示す情報を取得する取得手段(例えば171、S202)と、
前記乗員状況に基づいて前記他車両に対して警戒領域(例えばR1、R2)を設定する設定手段(例えば171、S203)と、
を備える。
【0109】
第1の態様によれば、人の乗り降りが発生する車両の乗員状況を考慮した、より安全な自動運転を実現することができる。
【0110】
第2の態様による処理装置(例えば17)は、
前記周辺情報に基づいて前記他車両(例えば31)が停止しているか否かを判定する判定手段(例えば171、S302)をさらに備え、
前記設定手段は、前記他車両の運転手以外に乗員(例えば311)が存在し且つ前記他車両が停止した場合、前記他車両に対して、停止前の第1の警戒領域(例えばR1)よりも広い第2の警戒領域(例えばR2)を設定する(例えば171、S303)。
【0111】
第2の態様によれば、他車両から人が降車してくる可能性を考慮した、より安全な自動運転を実現することができる。
【0112】
第3の態様では、前記設定手段は、前記他車両(例えば31)の運転手以外に複数の乗員(例えば311)が存在し且つ前記他車両が停止した場合、前記他車両に対して、前記第2の警戒領域(例えばR2)よりも少なくとも前記他車両の運転席側の側方にさらに広い第3の警戒領域(例えばR3)を設定する(例えば171、S401〜S403)。
【0113】
第3の態様によれば、自車両の前方を走行している他車両の中に運転手以外の乗員が複数存在する状態で他車両が停止した場合には、他車両の両側のドアから乗員が降車する可能性を考慮した、より安全な自動運転を実現することができる。
【0114】
第4の態様による処理装置(例えば17)は、
前記周辺情報に基づいて前記他車両(例えば31)が停止しているか否かを判定する判定手段(例えば171、S502)をさらに備え、
前記検出手段は、前記周辺情報に基づいて前記他車両に荷物が積まれたことをさらに検出し(例えば171、S503)、
前記設定手段は、前記他車両の運転手以外に乗員(例えば311)が存在し、前記他車両に荷物が積まれており、且つ、前記他車両が停止した場合、前記他車両に対して、停止前の第1の警戒領域(例えばR2)よりも広い第2の警戒領域(例えばR3)を設定する(例えば171、S504)。
【0115】
第4の態様によれば、トランクなどから乗員の荷物を取り出すために運転席側のドアから運転手が降車することにより両側のドアが開く可能性があることを考慮した、より安全な自動運転を実現することができる。
【0116】
第5の態様では、前記取得手段は、前記周辺情報に基づいて検出された前記他車両の画像(例えば図3Cに示すような他車両31の画像)を解析することにより前記他車両の乗員状況を示す情報を取得する。
【0117】
第5の態様によれば、他車両の乗員状況を示す情報を画像解析により取得することができる。
【0118】
第6の態様では、前記検出手段は、前記周辺情報に基づいて前記他車両(例えば31)の運転手以外の乗員(例えば311)が前記他車両に乗車したことをさらに検出し、
前記取得手段は、前記検出手段の検出結果に基づいて前記他車両の乗員状況を示す情報を取得する。
【0119】
第6の態様によれば、乗員が乗り込む挙動を直接検出することで、より精度の高い情報を取得することができる。
【0120】
第7の態様による処理装置(例えば17)は、
前記周辺情報に基づいて前記他車両(例えば31)が路肩側へ移動しているか否かを判定する判定手段(例えば171、S602)をさらに備え、
前記設定手段は、前記他車両の運転手以外に乗員(例えば311)が存在し且つ前記他車両が路肩側へ移動している場合、前記他車両に対して、路肩側へ移動を開始する前の第1の警戒領域(例えばR1)よりも広い第2の警戒領域(例えばR2)を設定する(例えば171、S603)。
【0121】
第7の態様によれば、他車両が実際に停止し降車の可能性が高くなる前段階で降車の可能性を考慮し、適切な警戒領域を設定することができる。
【0122】
第8の態様では、前記検出手段は、前記周辺情報に基づいて前記他車両(例えば31)のハザードランプ(例えば314)の点滅をさらに検出し(例えば171、S702)、
前記設定手段は、前記他車両の運転手以外に乗員(例えば311)が存在し且つ前記ハザードランプの点滅が検出された場合、前記他車両に対して、前記ハザードランプの点滅が開始する前の第1の警戒領域(例えばR1)よりも広い第2の警戒領域(例えばR2)を設定する(例えば171、S703)。
【0123】
第8の態様によれば、他車両が実際に停止し降車の可能性が高くなる前段階で降車の可能性を考慮し、適切な警戒領域を設定することができる。
【0124】
第9の態様による処理装置(例えば17)は、
前記周辺情報に基づいて前記他車両(例えば31)が走行しているか否かを判定する判定手段(例えば171、S804)をさらに備え、
前記設定手段は、前記他車両の運転手以外に乗員(例えば311)が存在しておらず且つ前記他車両が走行している場合、前記他車両に対して、前記他車両の運転手以外に乗員が存在し且つ前記他車両が走行している場合における第1の警戒領域(例えばR1)よりも広い第2の警戒領域(例えばR4)を設定する(例えば171、S805)。
【0125】
第9の態様によれば、人を乗せるための他車両の急な車線変更や路肩側への急な移動を考慮した、適切な警戒領域を設定することができる。
【0126】
第10の態様による車両(例えば1)は、第1の態様〜第9の態様の何れかの処理装置(例えば17)を備える。
【0127】
第10の態様によれば、人の乗り降りが発生する車両の乗員状況を考慮した、より安全な自動運転を車両で実現することができる。
【0128】
第11の態様による処理方法は、
自車両(例えば1)の周辺情報を取得する取得工程(例えば171、S102)と、
前記周辺情報に基づいて他車両(例えば31)を検出する検出工程(例えば171、S201)と、
前記他車両の乗員状況を示す情報を取得する取得工程(例えば171、S202)と、
前記乗員状況に基づいて前記他車両に対して警戒領域(例えばR1、R2)を設定する設定工程(例えば171、S203)と、
を有する。
【0129】
第11の態様によれば、第1の態様と同様に、人の乗り降りが発生する車両の乗員状況を考慮した、より安全な自動運転を実現することができる。
【0130】
第12の態様は、コンピュータに第11の態様の処理方法の各工程を実行させるためのプログラムである。
【0131】
第12の態様によれば、第11の態様の処理方法をコンピュータにより実現可能となる。
【符号の説明】
【0132】
1:自車両、3:オブジェクト、31:他車両、32:人、17:予測用ECU(処理装置)
図1
図2
図3A
図3B
図3C
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