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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-206111(P2018-206111A)
(43)【公開日】2018年12月27日
(54)【発明の名称】情報通知装置
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/16 20060101AFI20181130BHJP
   G08G 1/09 20060101ALI20181130BHJP
   G01C 21/26 20060101ALI20181130BHJP
   B60R 21/00 20060101ALI20181130BHJP
【FI】
   G08G1/16 A
   G08G1/09 H
   G01C21/26 C
   B60R21/00 628B
   B60R21/00 626C
   B60R21/00 626D
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2017-111477(P2017-111477)
(22)【出願日】2017年6月6日
(71)【出願人】
【識別番号】000001487
【氏名又は名称】クラリオン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001081
【氏名又は名称】特許業務法人クシブチ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】安友 健太
【テーマコード(参考)】
2F129
5H181
【Fターム(参考)】
2F129AA03
2F129BB03
2F129BB22
2F129BB33
2F129BB66
2F129CC35
2F129EE02
2F129EE52
2F129EE95
2F129FF02
2F129FF19
2F129FF72
2F129HH12
5H181AA01
5H181BB04
5H181BB15
5H181FF04
5H181FF22
5H181FF27
5H181FF32
5H181LL01
5H181LL07
5H181LL08
5H181LL09
(57)【要約】      (修正有)
【課題】状況に応じて適切な通知が行われる情報通知装置を提供する。
【解決手段】車載情報通知装置4は、車両の進行経路において発生した事象、及び発生地点を含む事象情報を受信する事象情報受信部8と、事象情報を通知する情報通知部9と、車両が発生地点に到達するまでの所要時間に基づいて、情報通知部9での事象情報の通知態様を制御する通知制御部18と、を備える。通知制御部は、所要時間が第1閾値以上の場合、前記事象情報を通知しない。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の進行経路において発生した事象、及び発生地点を含む事象情報を取得する情報取得部と、
前記事象の発生を通知する情報通知部と、
前記車両が前記発生地点に到達するまでの所要時間に基づいて、前記情報通知部での前記通知の態様を制御する通知制御部と、
を備えることを特徴とする情報通知装置。
【請求項2】
前記通知制御部は、
前記所要時間が第1閾値以上の場合、前記事象情報を通知しない
ことを特徴とする請求項1に記載の情報通知装置。
【請求項3】
前記車両の走行を制御する車両制御部を備え、
前記通知制御部は、
前記所要時間が第2閾値以下の場合、前記車両制御部の制御によって前記車両を停車させる
ことを特徴とする請求項1または2に記載の情報通知装置。
【請求項4】
前記事象情報は、前記事象の発生時刻を含み、
前記通知制御部は、前記発生地点が所定距離内であり、かつ、前記発生時刻が所定時間内である複数の前記事象情報を取得した場合、これらの前記事象情報のうち、前記発生時刻が最も早い前記事象情報を前記情報通知部で通知する
ことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の情報通知装置。
【請求項5】
前記事象情報は、前記事象の解消を示す解消情報を含み、
前記通知制御部は、
前記情報通知部での前記通知を、前記事象の解消を示す解消情報を含んだ前記事象情報が取得されるまで継続する
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の情報通知装置。
【請求項6】
前記事象情報は、前記事象の解消を示す解消情報を含み、
前記通知制御部は、前記発生地点が所定距離内であり、かつ、前記発生時刻が所定時間内である複数の前記事象情報を取得した後、これらの前記事象情報のいずれか1つの解消を示す解消情報58を含む前記事象情報が取得されるまで、前記発生時刻が最も早い前記事象情報の前記情報通知部での通知を継続する
ことを特徴とする請求項4のいずれかに記載の情報通知装置。
【請求項7】
前記情報通知部で行われている前記通知に対し、当該通知の停止を指示入力する操作部を備える
ことを特徴とする請求項5または6に記載の情報通知装置。
【請求項8】
前記情報通知部は、表示装置を備え、
前記通知制御部は、前記所要時間が短くなるほど、前記表示装置の表示領域に占める前記通知の領域を大きくする
ことを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の情報通知装置。
【請求項9】
前記車両の進行経路は、前記車両が走行中の経路と、前記車両の走行が予定されている経路とを含む、ことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の情報通知装置。
【請求項10】
前記事象情報を発信する情報発信部と、
前記事象の発生原因をユーザ入力するユーザ入力部と、を備え、
前記情報発信部は、
前記ユーザ入力部によって発生原因が入力された場合、事象の発生を示す前記事象情報に当該発生原因を含めて発信する
ことを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の情報通知装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報通知装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両に搭載される車載装置として、当該車両の周辺を走行する他車両の挙動に関する他車両情報を車車間通信によって取得する装置が知られている。
この種の車載装置として、特許文献1には、次の装置が開示されている。
すなわち、他車両が走行する道路に関する道路環境情報を取得し、他車両情報及び道路環境情報に基づいて、他車両が危険走行をおこなっているか否かを判断し、他車両が危険走行をおこなっていると判断された場合、当該判断結果を運転者に通知する情報通知装置である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013−33324号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、運転者への通知が状況によらずに画一的に行われると、運転者が他車両の危険を正しく認識し難い。
また、一度に多数の他車両が危険と判断される状況が発生した場合、これらの危険が次々と運転者に通知されると、運転者は、個々の危険を認識し危険回避行動を判断しなければならず、運転者の負担が非常に大きい、という問題がある。
【0005】
本発明は、状況に応じて適切な通知が行われる情報通知装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、車両の進行経路において発生した事象、及び発生地点を含む事象情報を取得する情報取得部と、前記事象の発生を通知する情報通知部と、前記車両が前記発生地点に到達するまでの所要時間に基づいて、前記情報通知部での前記通知の態様を制御する通知制御部と、を備えることを特徴とする情報通知装置を提供する。
【0007】
本発明は、上記情報通知装置において、前記通知制御部は、前記所要時間が第1閾値以上の場合、前記事象情報を通知しないことを特徴とする。
【0008】
本発明は、上記情報通知装置において、前記車両の走行を制御する車両制御部を備え、前記通知制御部は、前記所要時間が第2閾値以下の場合、前記車両制御部の制御によって前記車両を停車させることを特徴とする。
【0009】
本発明は、上記情報通知装置において、前記事象情報は、前記事象の発生時刻を含み、前記通知制御部は、前記発生地点が所定距離内であり、かつ、前記発生時刻が所定時間内である複数の前記事象情報を取得した場合、これらの前記事象情報のうち、前記発生時刻が最も早い前記事象情報を前記情報通知部で通知することを特徴とする。
【0010】
本発明は、上記情報通知装置において、前記事象情報は、前記事象の解消を示す解消情報を含み、前記通知制御部は、前記情報通知部での前記通知を、前記事象の解消を示す解消情報を含んだ前記事象情報が取得されるまで継続することを特徴とする。
【0011】
本発明は、上記情報通知装置において、前記事象情報は、前記事象の解消を示す解消情報を含み、前記通知制御部は、前記発生地点が所定距離内であり、かつ、前記発生時刻が所定時間内である複数の前記事象情報を取得した後、これらの前記事象情報のいずれか1つの解消を示す解消情報58を含む前記事象情報が取得されるまで、前記発生時刻が最も早い前記事象情報の前記情報通知部での通知を継続することを特徴とする。
【0012】
本発明は、上記情報通知装置において、前記情報通知部で行われている前記通知に対し、当該通知の停止を指示入力する操作部を備えることを特徴とする。
【0013】
本発明は、上記情報通知装置において、前記情報通知部は、表示装置を備え、前記通知制御部は、前記所要時間が短くなるほど、前記表示装置の表示領域に占める前記通知の領域を大きくすることを特徴とする。
【0014】
本発明は、上記情報通知装置において、前記車両の進行経路は、前記車両が走行中の経路と、前記車両の走行が予定されている経路とを含む、ことを特徴とする。
【0015】
本発明は、上記情報通知装置において、前記事象情報を発信する情報発信部と、前記事象の発生原因をユーザ入力するユーザ入力部と、を備え、前記情報発信部は、前記ユーザ入力部によって発生原因が入力された場合、事象の発生を示す前記事象情報に当該発生原因を含めて発信することを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、状況に応じて適切な通知が行われる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の実施形態に係る情報通知システムを示す図。
図2】車載情報通知装置の機能的構成を示す図。
図3】事象情報発信部が発信する事象情報の構成を示す図。
図4】車載情報通知装置の事象情報発信処理を示すフローチャート。
図5】局所的、かつ同時期に複数の事象情報が発信される場合の説明図。
図6】事象の発生地点と、自身の車両との位置的関係を示す図。
図7】車載情報通知装置の事象情報受信通知処理を示すフローチャート。
図8図7に示すAに続く処理を示すフローチャート。
図9図7に示すBに続く処理を示すフローチャート。
図10図9に示すCに続く処理を示すフローチャート。
図11】通知画面の全画面表示の一例を示す図。
図12】通知画面の部分表示の一例を示す図。
図13】継続表示する通知画面の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
【0019】
図1は、本発明の実施形態に係る情報通知システム1を示す図である。
情報通知システム1は、車両2が進行する経路R(以下、「進行経路」と言う)の進行方向Kの前方において、該車両2の走行に影響を及ぼし得る事象が発生した場合に、この事象の発生を、ユーザである車両2の運転者に通知するシステムである。
情報通知システム1は、図1に示すように、複数台の車両2の各々に搭載される車載装置である車載情報通知装置4を備え、車載情報通知装置4の各々は、所定の無線通信を用いた車車間通信Wにより、事象の発生を示す事象情報5を送信、及び受信する。また車載情報通知装置4は、事象情報5を取得した場合、事象情報5の事象の発生を自身の車両2の運転者に通知する。さらに車載情報通知装置4は、いわゆるナビゲーション装置の機能も有している。
【0020】
図2は、車載情報通知装置4の機能的構成を示す図である。
車載情報通知装置4は、制御部10と、事象情報発信ユニット6と、事象情報受信部8と、情報通知部9と、記憶部12と、を備えている。
【0021】
制御部10は、車載情報通知装置4の各部を制御するものであり、CPU、ROM、及びRAM等を備えたマクロコンピュータによって構成され、所定の制御プログラムをCPUによって実行することにより、車載情報通知装置4の各部を制御する。
本実施形態の制御部10は、上記所定の制御プログラムを実行することで、ナビゲーション機能部14、車両制御部16、及び通知制御部18の機能を実現する。
【0022】
ナビゲーション機能部14は、地図の表示、地図への自車位置の表示、案内経路の設定、及び経路案内等のナビゲーション装置が有する一般的な機能を備える。
車両制御部16は、車両2の走行を制御する。本実施形態では、車両制御部16は、車両2の走行中にブレーキを操作し、車両2を停車させる制御機能を備える。
通知制御部18は、上述した事象情報5に基づく運転者への通知を制御する。この制御については後述する。
【0023】
事象情報発信ユニット6は、自身の車両2において事象が発生したときに、当該事象を車車間通信Wにより周囲に発信するユニットであり、状態検出部20と、位置検出部22と、ユーザ入力部24と、事象情報発信部26と、を備えている。
【0024】
状態検出部20は、自身の車両2における事象の発生を検出する。
本実施形態では、状態検出部20は、この事象の発生としては、車両2における急制動の発生、及び車両2の故障の発生を検出する。急制動は、運転者が車両2を運転中に事故などを回避する目的で緊急時に行う運転操作のことであり、この運転操作には、例えば急ブレーキが該当する。車両2の故障としては、例えばタイヤのパンクや、エンジン等の動力機構のトラブルが挙げられる。
【0025】
状態検出部20は、自身の車両2の急制動、及び故障を検出するために、車両2の走行状態や、車両状態、運転状態を検出するための各種のセンサを備える。この種のセンサには、車速センサや、加速度センサ、ステアリングの操舵角を検出する操舵角センサ、アクセル及びブレーキペダルへの操作を検出するセンサ、タイヤの空気圧を検出するセンサ、エンジン等の動力機構の状態を検出するセンサなどが挙げられる。
【0026】
位置検出部22は、自身の車両2における事象の発生地点Aを検出する。本実施形態では、位置検出部22は、複数のGPS衛星の各々からGPS信号を受信して現在位置を特定するGPS受信部28を備える。さらに位置検出部22は、GPS信号に基づいて現在時刻を特定する機能を備え、また、一般的なナビゲーション装置が自律走行のための例えばジャイロセンサなどの各種センサも備える。なお、現在時刻を計時する計時デバイスを別途に備えてもよい。
【0027】
ユーザ入力部24は、運転者が事象の発生原因を入力可能にするための操作デバイスである。
【0028】
事象情報発信部26は、事象情報5を生成し、車車間通信Wにより事象情報5を発信する。
【0029】
図3は、事象情報5の構成を示す図である。
事象情報5には、同図に示すように、事象タイトル情報50と、発生地点情報52と、時刻情報54と、発生原因情報56と、解消情報58と、が含まれる。
事象タイトル情報50は、自身の車両2に発生した事象を少ない文字数で示す、いわゆる見出しとなる情報である。例えば、急ブレーキ操作が検出された場合、事象タイトル情報50には「急制動」が格納され、タイヤのパンクやエンジントラブルが検出された場合、事象タイトル情報50には「故障」が格納される。
発生地点情報52には、状態検出部20によって事象の発生が検出された時点で位置検出部22に検出された現在位置が格納される。
時刻情報54には、送信時刻、発生時刻、及び解消時刻が格納される。送信時刻は事象情報5を発信した時刻(事象情報5を生成した時刻)であり、発生時刻は事象が発生した時刻である。また解消時刻は、事象が解消した時刻である。事象の解消については後述する。
発生原因情報56には、事象が発生した原因として、状態検出部20が事象の発生を検出した要因となった各種センサの検出情報が格納される。例えば事象タイトル情報50が「急制動」である場合、その原因として、「急ブレーキ」や「急なハンドル操作」といった運転操作の検出情報が格納される。また例えば事象タイトル情報50が「故障」である場合、「タイヤパンク」や「エンジントラブル」といった車両状態の検出情報が格納される。
解消情報58には、事象が解消した場合に、当該解消の旨を示す情報が格納される。この解消情報58によって、自身の車両2に生じた事象が解消したことが他の車両2に通知される。本実施形態では、状態検出部20が事象の発生後における車両2の走行再開を事象の解消として検出する。
【0030】
本実施形態の事象情報発信部26は、次の3つのタイミングで事象情報5を発信する。
第1のタイミングは、状態検出部20によって事象の発生が検出されたときであり、第2のタイミングは、状態検出部20によって事象の解消が検出されたときである。第3のタイミングは、ユーザ入力部24から発生原因の情報が入力されたときである。
事象情報発信部26は、第1、及び第2のタイミングで事象情報5を発信する場合、事象の発生、及び解消を速やかに周囲に通知するために、ユーザ入力部24からの入力を待たずに事象情報5を生成し、当該事象情報5を発信する。
一方、事象情報発信部26は、第3のタイミングで事象情報5を発信する場合、状態検出部20によって事象の発生が検出されていなくとも、ユーザによって入力された情報を発生原因情報56に格納した事象情報5を生成し、当該事象情報5を発信する。このとき、事象情報発信部26は、事象タイトル情報50に、「その他」、或いはユーザが指定した情報を格納する。これにより、例えば、自身の車両2の積荷の落下や、落石発生などを理由に、運転者が急制動せずに車両2を停車させ、状態検出部20によって事象の発生が検出されなかった場合でも、運転者が、この理由をユーザ入力部24から入力することで、自身の車両2の前方の経路Rにおいて発生している事象を他の車両2に通知できる。
【0031】
前掲図2に戻り、事象情報受信部8は、車車間通信Wにより、他の車載情報通知装置4から発信された事象情報5を受信により取得する。
【0032】
情報通知部9は、事象情報5に基づき事象の発生を運転者に通知し、さらに本実施形態においては、車両2の経路案内のための表示、及び音声を出力する。
具体的には、情報通知部9は、表示装置30と、音声出力部32と、を備える。
表示装置30は、各種情報を表示する所定の大きさの表示領域40(図11参照)を有した装置であり、例えば液晶表示パネル、又は有機EL表示パネルである。また本実施形態の表示装置30は、ユーザのタッチ操作を受け付けるタッチ操作部34を備える。
音声出力部32は、各種音声を出力する例えばスピーカー装置である。
【0033】
上記ナビゲーション機能部14による経路案内時には、表示装置30の表示領域40には、周辺地図とともに進行経路、及び自車位置が表示され、また、音声出力部32からは、誘導のためのガイダンス音声が出力される。
また事象情報5の受信時には、上記通知制御部18の制御によって、当該事象情報5の事象の発生が表示や音声によって通知される。
【0034】
記憶部12は、各種情報を記憶するものであり、記憶部12には、地図データ36と、通知制御用データ38が記憶されている。
地図データ36は、ナビゲーション機能部14による経路案内に用いられる地図のデータである。
通知制御用データ38は、通知制御部18による通知制御に用いられる各種のデータを含む。このデータには、事象の発生を音声によって通知するための音声データや、事象の発生地点Aに車両2が到達するまでの時間的余裕を判断するためのデータ(後述する至近距離d1、近距離d2、中距離d3のデータ)などがある。
【0035】
次いで、情報通知システム1の動作を説明する。
先ず、車両2に事象が発生したときの動作について説明する。
図4は、車載情報通知装置4の事象情報5の発信処理のフローチャートである。
車両2の走行中に、運転者が急ブレーキなどの運転操作をすると、当該運転操作による急制動が事象の発生として状態検出部20によって検出される(ステップS1)。なお、ステップS1では、状態検出部20によって事象の発生が検出されていない場合でも、運転者がユーザ入力部24から事象の発生原因を入力したときには、当該発生原因の入力が事象の発生として事象情報発信ユニット6によって検出される。
そして、事象情報発信部26が、ステップS1で検出された事象の事象情報5を生成し、車車間通信Wにより周囲に事象情報5を発信する(ステップS2)。
【0036】
その後、状態検出部20は、事象が解消したか否かを検出するために、一定時間おきに自身の車両2が走行を再開したか否かを検出する(ステップS3)。
車両2が走行を再開していない場合(ステップS3:NO)、事象の発生を継続的に通知すべく、処理手順がステップS2に戻り、事象情報発信部26が事象情報5を発信する。
一方、車両2が走行を再開した場合(ステップS3:YES)、事象の解消を通知するために、事象情報発信部26は、解消した旨を示す情報を解消情報58に格納した事象情報5を生成し、周囲に当該事象情報5を発信する(ステップS4)。
【0037】
次いで、他の車両2の車載情報通知装置4から事象情報5が発信されたときの動作について説明する。
図5、及び図6は、車載情報通知装置4の事象情報受信動作を説明するための図であり、図5は事象の発生地点Aと自身の車両2との位置的関係を示す図である。図6は局所的、かつ同時期に複数の事象情報が発信される場合の説明図である。
【0038】
事象情報受信動作について概説すると、情報通知システム1では、車載情報通知装置4が事象情報5を受信すると、その事象情報5に基づいて、事象の発生の通知、及び通知の解除を行う。
事象の発生の通知においては、自身の車両2の走行に影響を及ぼし得る事象の発生に限定して、当該事象の発生が運転者に通知される。これにより運転者は、多数の通知に煩わされることなく、車両2の走行において重要な通知のみを把握し易くしている。
これに加え、事象の発生の通知においては、事象の発生地点Aに車両2が到達するまでの所定時間、すなわち運転者が事象の発生に対して対応する時間的余裕に応じて、事象の発生の通知態様が変えられる。これにより、時間的余裕に見合った通知態様で事象の発生が通知されるので、運転者が、その事象の発生の緊急性を理解し、その緊急性に応じて適切に対処できる。
【0039】
事象の発生の通知の限定動作について概説する。
一般に、ある車両2の周囲で発生した事象の全てが必ず、その車両2の走行に影響を及ぼすとは限らない。車両2の走行に影響を及ぼさない事象には、例えば「車両2の進行経路上で発生していない事象」が挙げられる。すなわち、この事象の発生地点Aを車両2が走行する可能性は低いため、この事象は車両2の走行に影響を及ぼさない事象と見做すことができるのである。
【0040】
ここで、「進行経路」は、車両2が現時点以後に走行する可能性がある経路Rを指し、具体的には、車両2が現在走行中の経路R、及び、車両2が走行予定の経路Rの両方の経路を含む。
【0041】
走行予定の経路Rとしては、次の3つが挙げられる。
1つ目は、ナビゲーション機能部14によって案内されている案内経路に含まれている経路Rである。
2つ目は、案内経路がナビゲーション機能部14によって設定されていない場合において、図5に示すように車両2が走行している経路R1の進行方向前方の合流点P1で合流している他の経路Rである。
3つ目は、案内経路がナビゲーション機能部14によって設定されていない場合において、図5に示すように、車両2が走行している経路R2の進行方向前方の交差点P2で交差している他の経路Rである。
【0042】
また、車両2の走行に影響を及ぼす事象であっても、通知を制限することが望ましい場合がある。具体的には、局所的に、かつ同時期(短時間間)に複数の事象が発生している場合である。
【0043】
詳述すると、図6に示すように、複数の車両2が同一の進行方向Kに向かって経路Rを走行している場合に先頭の車両2で急制動が発生したとき、この急制動に起因して、後続の車両2でも急制動が発生する。このときには、先頭、及び後続の車両2の各々から事象情報5が発信されるため、発生地点Aが局所的に集中した複数の事象情報5が同時期に発信される。
しかしながら、他の車両2の走行への影響の観点においては、これらの事象の起源である先頭の車両2で発生した事象が他の車両2に通知されれば、他の事象の通知は不要である。寧ろ、これらの事象の全てを他の車両2の運転者に通知すると、多数の通知が一斉に出力されることとなり、個々の通知を運転者が把握することが非常に困難となる。
このため、局所的に、かつ同時期(短時間間)に複数の事象が発生している場合には、最先に発生した事象以外の他の事象は、通知対象から除外されて通知が制限される。
【0044】
本実施形態では、各事象の発生時刻が所定時間内であり、かつ、図6に示すように、発生地点Aが所定距離fの範囲Cに入っている場合に、これらの事象は、局所的に、かつ同時期(短時間間)に発生したものと見做される。なお、範囲Cの中心は、最先に発生した事象の発生地点Aである。
【0045】
次に、時間的余裕に見合った通知態様について概説する。
前掲図5に示すように、事象の発生地点Aから車両2までの経路Rに沿った距離dに応じて、発生地点Aに到達するまでの所要時間、すなわち時間的余裕は異なる。本実施形態では、運転者が事象に対処する時間的余裕の観点に基づいて、距離dが至近距離d1、近距離d2、及び中距離d3の3つに分類されている。
なお、事象の発生地点Aを含む経路が車両2の走行予定の経路Rであり、現在走行中の経路Rではない場合も、距離dには、発生地点Aと車両2の現在位置を結ぶ直線距離ではなく、発生地点Aに至るまでの経路Rに沿った距離が用いられる。
【0046】
至近距離d1は、事象の発生を運転者に通知しても、運転者が事象に対応する時間的余裕が無い距離である。
近距離d2は、運転者が速やかに対応すれば、事象に対応できる程度の時間的余裕がある距離である。
中距離d3は、運転者が事象に対応する時間的余裕があり、なおかつ、その時間的余裕があり過ぎない距離である。時間的余裕があり過ぎる状態は、その時点で運転者が事象の発生を認識していなくとも、車両2の走行に影響が生じる可能性が低い状態を言う。
【0047】
そして、車両2の距離dが、至近距離d1、近距離d2、及び中距離d3のどれに該当するかによって、事象の発生の通知態様が制御されることで、運転者の時間的余裕に見合った適切な通知が行われる。
【0048】
なお、至近距離d1、近距離d2、及び中距離d3の設定データは、上記通知制御用データ38に予め格納されている。なお、本実施形態では、各経路Rの法定速度が同じであると仮定されており、このため、発生地点Aに車両2が到達する所要時間は、距離dによって見積もられる。車両2の速度が異なる場合には、発生地点Aに車両2が到達する所要時間は、当該車両2の速度にも依存するので、至近距離d1、近距離d2、及び中距離d3には、車両2の速度で可変するデータが用いられる。
【0049】
次いで、これらの概説した動作について詳述する。
図7図10は、車載情報通知装置4の事象情報受信通知処理を示すフローチャートである。なお、図8図7に示すAに続く処理を示すフローチャートであり、図9図7に示すBに続く処理を示すフローチャートである。また図10図9に示すCに続く処理を示すフローチャートである。
【0050】
図7に示すように、事象情報5が受信されると(ステップS10)、通知制御部18は、事象の発生の通知を限定する必要性を判定するために、次の2つの判定処理を実行する。
【0051】
すなわち、第1に、通知制御部18は、事象情報5に含まれる発生時刻、及び発生地点Aに基づき、所定時間内、かつ所定距離内で複数の事象が発生しているか否かを判定する(ステップS11)。
この判定結果が肯定的である場合(ステップS11:YES)、局所的、かつ短時間に複数の事象が発生しているので、通知制御部18は、発生時刻が最も早い事象情報5を選択し、他の事象情報5を通知対象から除外する(ステップS12)。
ステップS11の判定結果が否定的である場合(ステップS11:NO)、除外対象となる事象情報5は無いので、受信されている事象情報5が全て通知対象として選択される。
【0052】
次いで、第2に、通知制御部18は、通知対象の事象情報5が、車両2の進行経路上で発生した事象に関する情報であるか否かを判定する。
具体的には、通知制御部18は、自身の車両2が、事象の発生地点Aを含む経路Rを、当該発生地点Aに向かって走行中か否か(すなわち、発生地点Aを含む道路に自身の車両2が居るか否か)を判定する(ステップS13)。
また、発生地点Aを含む経路に自身の車両2が居ない場合(ステップS13:NO)、発生地点Aを含む経路Rが、自身の車両2の上述した走行予定の経路Rであるか否かを判定する(ステップS14)。
【0053】
ステップS13、及びS14の判断結果が否定的である場合(ステップS13:NO、かつステップS14:NO)、通知対象の事象は、自身の車両2の進行経路上で発生した事象ではないため、通知制御部18は、その事象の発生の通知を非通知にする(ステップS15)。
【0054】
ここで、ステップS14において、車両2が走行している経路Rの進行方向前方の交差点で交差する他の経路Rに、発生地点Aを含む経路Rが該当する場合には、車両2が交差点から経路Rに沿って一定距離以内に位置することが判定の条件に付加されている。すなわち、発生地点Aを含む経路Rに交差点に車両2が入るまで一定時間以上の余裕がある場合(車両2が交差点から一定距離以上離れている場合)には、発生地点Aを含む経路Rは、車両2の進行経路とは見做されないようになっている。
したがって、発生地点Aを含む経路Rに車両2が交差点で進入される可能性が高く、かつ通知の必要性が生じるまでは、事象の発生が通知されることがない。これにより、車両2が交差点から一定距離に近く付くまでに事象が解消し得る状況において、当該事象が運転者に通知されることが防止される。
【0055】
さて、上記ステップS13、及びS14のいずれかの判断結果が肯定的である場合(ステップS13:YES、または、ステップS14:YES)、事象情報5の事象が車両2の進行経路上で発生していることになる。
この場合、通知制御部18は、事象の発生を運転者に、時間的余裕に見合った通知態様で通知するために、次の処理を実行する。
すなわち、通知制御部18は、先ず、車両2から事象の発生地点Aまでの距離d(道に沿った距離)が至近距離d1以下であるか否かを判定する(ステップS16)。この判定結果が肯定的である場合(ステップS16:YES)、事象の発生を運転者に通知しても、運転者が事象に対応する時間的余裕が無い。したがって、通知制御部18は、車両制御部16によるブレーキ制御を用いて、車両2が発生地点Aに至るまでに停止させる(ステップS17)。これにより、事象の発生に対して運転者が運転操作をする時間的余裕が無い場合でも、運転が適切にアシストされる。
なお、ステップS17においては、車両制御が自動実行される旨や、事象についての通知を表示や音声などで、車両制御と併せて行ってもよい。
【0056】
一方、車両2が事象の発生地点Aから至近距離d1以上離れている場合(ステップS16:NO)、通知制御部18は、図8に示すように、ステップS20、及びS21において、車両2と事象の発生地点Aとの距離dが近距離d2以下、近距離d2以上かつ中距離d3以下、及び、中距離d3以上のどれに該当するかを判定する。
車両2と事象の発生地点Aとの距離dが中距離d3以上である場合(ステップS21:NO)、その事象の発生を通知する必要性、及び緊急性はないので、通知制御部18は、事象の発生を通知せずに非通知とする(ステップS22)。
【0057】
一方、車両2と事象の発生地点Aとの距離dが近距離d2以下、或いは近距離d2以上かつ中距離d3以下である場合(ステップS20:YES、或いは、ステップS21:YES)、通知制御部18は、距離dが短いほど、事象の発生が、運転者に認識され易い態様で通知する。
具体的には、車両2と事象の発生地点Aとの距離dが近距離d2以下である場合、通知制御部18は、事象の発生を通知する通知画面60を、表示装置30の表示領域40に全画面表示する。さらに、この表示に併せて、通知制御部18は、事象の発生を通知する音声データを音声出力部32から出力する(ステップS23)。
一方、車両2と事象の発生地点Aとの距離dが近距離d2以上であって中距離d3以下である場合、通知制御部18は、表示装置30の表示領域40に通知画面60を部分的に表示し、音声データの出力は行わない(ステップS24)。
【0058】
図11は通知画面60の全画面表示の一例を示す図であり、図12は通知画面60の部分表示の一例を示す図である。
図11に示すように、通知画面60の全画面表示においては、表示装置30の表示領域42の全体に通知画面60が表示される。この通知画面60では、事象の発生による注意や警告を促すメッセージ61、及び、アイコン62と、車両2から発生地点Aまでの距離情報63と、が表示される。さらに、全画面表示時の通知画面60には、自身の車両が走行している道路64が表示される。この道路64の表示においては、事象が発生している(すなわち、運転者が注意すべき)車線64Aが識別可能に表示される(図示例では黒色に着色)。
【0059】
一方、通知画面60の部分表示においては、表示領域40に通常時に表示されている通常画面59(例えば、経路案内中においては地図画面)の一部の領域に、通知画面60が重ねて表示される(いわゆる、スーパーインポーズ)。部分表示時の通知画面60では、上記メッセージ61、アイコン62、及び距離情報63と、が表示され、道路64の表示は省略される。なお、部分表示においては、通知画面60に地図が表示されている場合、通知制御部18は、アイコン62を事象の発生地点Aに表示し、運転者が発生地点Aを把握し易くする。
【0060】
このように、車両2と事象の発生地点Aとの距離dが短くなり、車両2が発生地点Aに到達するまでの所要時間が短くなるほど、すなわち、運転者が事象に対する時間的余裕が少なくなるほど、表示領域40に占める通知画面60の割合が大きくなるので、運転者が、通知画面60を速やかに気付きくことができ、早期に対応することができる。
【0061】
さらに、車両2と事象の発生地点Aとの距離dが短い場合には、事象発生の注意を促す音声メッセージが通知画面60と併せて出力されるため、確実かつ速やかに、運転者に事象の発生を認識させることができる。
この音声メッセージの例としては、例えば、「〇〇〇m先で、危険な事象が発生した可能性があります。速度を落として、十分に注意しながら走行してください」や、「落下物注意!」等のメッセージが挙げられる。
なお、この場合において、車両2と事象の発生地点Aとの距離dが短いほど、音声メッセージの出力音量を大きくするなどしてもよい。
また、表示や音声の出力に加え、或いは代えて、運転座席を振動させ、その振動を距離dが短いほど強くするといった通知の態様もあり得る。
【0062】
本実施形態では、図11、及び図12に示すように、通知画面60の表示時には、当該通知画面60の画面表示の消去を指示入力する操作子としての解除ボタン66が表示される。
運転者は、通知画面60によって事象の発生を把握した後に、この解除ボタン66を操作して通知画面60を消去することで、表示領域40の通常画面59の全体を通知画面60に害されずに視認できる。
【0063】
事象の発生を通知した後、通知制御部18は、事象の解消に伴って通知を停止するために、次の処理を実行する。
すなわち、図9に示すように、通知制御部18は、事象情報5を発信した車両2が事象情報5の発信時刻から所定時間後において走行を再開しているか否かを判定する(ステップS30)。
また、局所的かつ同時期に複数の車両2で事象が発生している場合、ステップS30では、いずれか1つでも車両2が走行を再開したか否かが判定される。これにより、最先に発生した事象の事象情報5を発信した車両2が、その後、解消した旨を示す事象情報5を、何らかの理由で発信できない状況下でも、他のいずれかの車両2の事象情報5に基づいて、事象の解消を取得し、通知を速やかに停止できる。
なお、ステップS30において、走行再開の判定は、事象情報5を発信した車両2が、その後、解消した旨の解消情報58を含んだ事象情報5を発信したか否か基づいて判定される。
【0064】
ステップS30の判定結果が肯定的である場合(ステップS30:YES)、進行経路上で発生した事象が解消し、当該進行経路を車両2が走行可能であることを示す。この場合、通知制御部18は、事象の発生の通知を停止すべく、通知画面60の表示を停止する(ステップS31)。
【0065】
一方、ステップS30の判定結果が否定的である場合(ステップS30:NO)、通知制御部18は、事象の発生の通知を継続する。ただし、この時点において、自身の車両2のその後の走行に伴い、先に通知した事象の発生地点Aが車両2の進行経路上から外れている可能性がある。そこで、通知制御部18は、ステップS32、及びステップS33において、上述のステップS13、及びステップS14と同じ処理を実行する。
そして、ステップS32、及びS33の判断結果が否定的である場合(ステップS32:NO、かつステップS33:NO)、先に通知した事象の発生地点Aが、自身の車両2の進行経路上から外れたため、通知制御部18は、その事象の発生を通知する通知画面60の表示を停止する(ステップS34)。
【0066】
ステップS32、及びS33のいずれかの判断結果が肯定的である場合(ステップS32:YES、または、ステップS33:YES)、先に通知した事象が車両2の進行経路上で継続して発生していることになる。
この場合、通知制御部18は、図10に示すステップS40〜S44の処理により、事象が継続して発生していることを、運転者に、その時点での時間的余裕に見合った通知態様で通知する。これらステップS40、S41、及びS43、S44のそれぞれは、図8に示したステップS20、S21、及びS23、S24と同様である。
【0067】
これに対して、ステップS42では、先に通知した事象が解消していないため、車両2が事象の発生地点Aから中距離d3以上離れていても通知画面60の表示を停止せずに、その表示を継続する。この場合、本実施形態では、通知画面60に含める情報量を減らすようにしている。具体的には、図13に示すように、表示装置30の表示領域40には、通常画面59の中に、アイコン62のみ示す通知画面60が重ねて表示される。
【0068】
なお、先に通知した事象が車両2の進行経路上で継続して発生している場合(ステップS32:YES、または、ステップS33:YES)、事象の発生地点Aが継続して通過不可の状態になっている。そこで、通知制御部18は、通知画面60を表示する場合には、事象の発生時刻からの経過時間に応じて、発生地点Aが通過不可である旨を通知画面60に表示し、運転者に、発生地点Aの迂回を促すようにしてもよい。
【0069】
上述した実施形態では、次の効果を奏する。
【0070】
本実施形態の車載情報通知装置4は、車両2の進行経路において発生した事象、及び発生地点Aを含む事象情報5を受信する事象情報受信部8と、事象の発生を通知する情報通知部9と、車両2が発生地点Aに到達するまでの所要時間に基づいて、情報通知部9での前記通知の態様を制御する通知制御部18と、を備える。
この構成によれば、通知対象となる事象は、車両2の周囲で発生した全ての事象ではなく、車両2の進行経路において発生した事象に制限されている。これにより、運転者は、車両2の進行に影響を及ぼす事象の発生のみを認識し、その他の事象の発生に意識が削がれ、煩わされることがない。
加えて、事象の通知態様が画一的ではなく、車両2が事象の発生地点Aに到達するまでの所要時間に基づいて通知態様が制御される。これにより、発生地点Aに到達するまでに運転者が対応する時間的余裕に適した態様で運転者に事象の発生を通知できる。
【0071】
本実施形態の通知制御部18は、車両2から発生地点Aまでの経路Rに沿った距離dが中距離d3以上である場合、すなわち、上記所要時間が中距離d3に対応した第1閾値以上になることが見込まれる場合、事象の発生を通知しない。
これにより、車両2が発生地点Aに至るまでに運転者が対応する時間的余裕があり過ぎる場合、その事象を通知しないようにできる。したがって、運転者は、車両2の進行において緊急性が比較的低い事象の発生に意識を削がれ、煩わされることがない。
【0072】
本実施形態の車載情報通知装置4は、車両2の走行を制御する車両制御部16を備え、通知制御部18は、車両2から発生地点Aまでの経路Rに沿った距離dが至近距離d1以下である場合、すなわち、上記所要時間が至近距離d1に対応した第2閾値以下になることが見込まれる場合、車両制御部16の制御によって車両を停車させる。
これにより、事象の発生地点Aに至るまでに運転者が対応する時間的余裕が無い場合に、運転者の運転が適切にアシストされる。
【0073】
本実施形態では、事象情報5は、事象の発生時刻を含み、通知制御部18は、発生地点Aが所定距離内であり、かつ、発生時刻が所定時間内である複数の事象情報5を受信した場合、これらの事象情報5のうち、発生時刻が最も早い事象情報5を情報通知部9で通知する。
これにより、1つの事象の発生に起因して複数の事象が局所的かつ同時期に発生した場合に、原因となった最先の事象の発生のみを通知し、その他の事象の発生の通知を制限できる。したがって、運転者は、主要因となる事象の発生の通知を、他の事象の発生の通知に煩わされることがなく、主要因となる事象の発生を正しく把握し易くなる。
【0074】
本実施形態では、事象情報5は、事象の解消を示す解消情報58を含み、通知制御部18は、情報通知部9での通知を、事象の解消を示す解消情報58を含んだ事象情報5が受信されるまで継続する。
事象が解消するまで、その事象の発生の通知が継続されるので、運転者は、事象の発生をより確実に認識できるようになる。また、運転者は、通知が停止されたことをもって、事象が解消されたことを把握できる。
これに加えて、事象の発生の通知が継続されている間も、上記所要時間に応じて通知態様が変化する。これにより、通知の当初は、運転者にとって、その通知を認識し難くかったとしても、時間的余裕がなくなるにつれて、その通知を運転者が確実に認識できるようになる。
【0075】
本実施形態では、事象情報5は、事象の解消を示す解消情報58を含み、通知制御部18は、発生地点Aが所定距離内であり、かつ、発生時刻が所定時間内である複数の事象情報5を受信した後、これらの事象情報5のいずれか1つの解消を示す解消情報58を含む事象情報5が受信されるまで、情報通知部9での通知を継続する。
これにより、1つの事象の発生に起因して複数の事象が局所的かつ同時期に発生した場合に、いずれの事象も解消されない場合は通知が継続される。
また、主要因の事象に限らずに、いずれかの事象が解消された場合には、通知が停止されるので、最先の事象を発信した車両2が、何らかの理由で、その後に事象情報5を発信できなかった場合でも、他の車両の発信に基づいて事象の解消を取得し、通知を速やかに停止できる。
【0076】
本実施形態では、情報通知部9の表示装置30で表示されている通知画面60に対し、当該通知画面60の表示の停止を指示入力するための解除ボタン66を備える。
これにより、運転者は、事象の発生を十分に把握した場合などに、通知画面60の表示を停止でき、把握済みの通知に注意を削がれ、また煩わされることもない。
【0077】
本実施形態では、情報通知部9は、表示装置30を備え、通知制御部18は、所要時間が短くなるほど、表示装置30の表示領域40に占める通知画面60の割合を大きくする。
これにより、所要時間が短くなるほど、すなわち運転者が対応する時間的余裕がなくなり対応の緊急性が高まるほど、運転者が気付き易くなるように通知画面60が表示される。したがって、対応の緊急性が高い通知の見落としを防止できる。
また、上述のように、通知画面60には、解除ボタン66が設けられているので、通知画面60によって表示領域40の大部分が占められ、通常画面59の表示を把握し難くなった場合でも、運転者は、通知画面60を把握した後に、その通知画面60の表示を解除ボタン66の操作で停止することで、通常画面59の全体を通知画面60に覆われることなく確認できる。
【0078】
本実施形態では、車両2の進行経路には、車両2が走行中の経路Rと、車両2が走行予定の経路Rとを含む。
これにより、車両2が走行中の経路Rで発生した事象のみならず、車両2が走行予定で発生した事象、すなわち、車両2の進行に影響を及ぼす蓋然性が高い事象の発生についても運転者に通知できる。
【0079】
本実施形態では、事象情報発信部26は、ユーザ入力部24によって発生原因が入力された場合、事象の発生を示す事象情報5に当該発生原因を含めて発信する。
これにより、事象情報発信ユニット6で検出されなかった事象であっても、ユーザ操作により、発生原因とともに事象の発生を周囲に発信できる。
【0080】
なお、上述した実施形態は、あくまでも本発明の一態様を例示したものであって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で任意に変形、及び応用が可能である。
【0081】
上述した実施形態において、車載情報通知装置4が事象情報発信ユニット6を含む構成を例示したが、これに限らず、事象情報発信ユニット6が車載情報通知装置4とは別体に車両2に設けられてもよい。
また、情報通知システム1において、各車両2が事象の発生を検出し発信する構成に限らず、道路や交通網が備える装置が、事象の発生の検出、及び事象情報5の発信を行ってもよい。
【0082】
また、図2は、本願発明を理解容易にするために、車載情報通知装置4の機能的構成を主な処理内容に応じて分類して示した概略図であり、車載情報通知装置4の構成は、処理内容に応じて、さらに多くの構成要素に分類することもできる。また、1つの構成要素がさらに多くの処理を実行するように分類することもできる。また、各構成要素の処理は、1つのハードウェアで実行されてもよいし、複数のハードウェアで実行されてもよい。また、各構成要素の処理は、1つのプログラムで実現されてもよいし、複数のプログラムで実現されてもよい。
【0083】
図7図10のフローチャートの処理単位は、処理の理解を容易にするために、主な処理内容に応じて分割したものである。処理単位の分割の仕方や名称によって、本願発明が制限されることはない。すなわち、各処理は、処理内容に応じて、さらに多くの処理ステップに分割することもできる。また、1つの処理ステップがさらに多くの処理を含むように分割することもできる。
【符号の説明】
【0084】
1 情報通知システム
2 車両
4 車載情報通知装置(情報通知装置)
5 事象情報
6 事象情報発信ユニット
8 事象情報受信部(情報取得部)
9 情報通知部
10 制御部
16 車両制御部
18 通知制御部
24 ユーザ入力部
26 事象情報発信部(情報発信部)
32 音声出力部
34 タッチ操作部(操作部)
38 通知制御用データ
50 事象タイトル情報
52 発生地点情報
54 時刻情報
56 発生原因情報
58 解消情報
60 通知画面
61 メッセージ
62 アイコン
63 距離情報
64 道路
64A 車線
66 解除ボタン
A 発生地点
K 進行方向
R 経路
W 車間通信
d 距離
d1 至近距離(第2閾値に対応する距離)
d2 近距離
d3 中距離(第1閾値に対応する距離)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13