特開2018-206529(P2018-206529A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特開2018206529-リベット型電気複合接点 図000003
  • 特開2018206529-リベット型電気複合接点 図000004
  • 特開2018206529-リベット型電気複合接点 図000005
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-206529(P2018-206529A)
(43)【公開日】2018年12月27日
(54)【発明の名称】リベット型電気複合接点
(51)【国際特許分類】
   H01H 1/06 20060101AFI20181130BHJP
【FI】
   H01H1/06 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【全頁数】4
(21)【出願番号】特願2017-107848(P2017-107848)
(22)【出願日】2017年5月31日
(71)【出願人】
【識別番号】000211112
【氏名又は名称】中外電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100078709
【弁理士】
【氏名又は名称】浅賀 一樹
(72)【発明者】
【氏名】田中 靖文
(72)【発明者】
【氏名】平田 安秀
【テーマコード(参考)】
5G051
【Fターム(参考)】
5G051AA12
5G051AA14
5G051AA23
5G051AB03
(57)【要約】
【課題】 台座部分と接点層部分の接合を、冷間圧接やろう付け(溶接)による方法を用いることなく、従来のように接点開閉時の通電により接点が加熱にさらされても、台座部分と接点層部分の境界が溶融して接合強度が低下し、接点層が台座部分上面から剥離脱落するような心配もない構造簡単で製作の容易なリベット型電気複合接点を提案する。
【解決手段】 下方が末広がりのテーパ形状に形成された接点層中央下部を台座部分の上部が周囲からくわえ込むように直接密着嵌合し、互いに離脱できないような機械的接合構造に構成されてなる。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下方が末広がりのテーパ形状に形成された接点層中央下部を台座部分の上部が周囲からくわえ込むように直接密着嵌合し、互いに離脱できないように機械的接合構造となって構成されていることを特徴とするリベット型電気複合接点。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リベット型電気複合接点に関し、特に頭部の接点層下部が台座の上部に離脱不能に密着嵌合してなり、接点層と台座の機械的な接合強度や、通電による加熱によって接合強度が低下するようなこともない耐溶着性や耐摩耗性等に優れた電気複合接点に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、リベット形状の電気複合接点は、銅又は銅合金等の脚付き台座部分の頭部に銀、銀合金又は銀・酸化錫系合金等の銀系合金の接点層部分が接合されて形成されている。
【0003】
この台座部分と接点層部分との接合は、冷間圧接による方法や、ろう付け(溶接)による方法などがあるが、接点開閉時の通電により接点が加熱されると、冷間圧着による方法は両部分の接合強度が低下し、あるいはろう付け(溶接)による方法でも同様の現象で台座と接点層の境界が溶融し、やはり両部分の接合強度が低下して、最終的に接点層が台座部分上面から剥離脱落する可能性があり、重大な事故を招く恐れもあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−173385号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本発明は、銅又は銅合金等の脚付き台座部分とその頭部に接合される銀、銀合金又は銀・酸化錫系合金等の接点層部分とからなるリベット型の電気複合接点であって、従来のように接点開閉時の通電により接点が加熱にさらされても、台座部分と接点層部分の境界が溶融して境界の接合強度が低下し、最悪、接点層が台座部分上面から剥離脱落するような心配もない構造簡単で製作の容易な接合信頼性の高い電気複合接点を提案するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そのため、本発明のリベット型電気複合接点では、銀又は銀合金等の接点層の下部が末広がりのテーパ形状に形成され、一方、銅又は銅合金の台座部分の上部が上記接点層下部を取り囲むように食い込んで密着嵌合して互いに離脱できないような構成としたものである。
【0007】
このような接合構成とするためには、前記した冷間圧着やろう付け(溶接)によることなく、例えば銅又は銅合金の台座部分をプレス機を用いた機械的加工により行うことができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明のリベット型電気複合接点によれば、台座部分と接点層部分とを冷間圧接やろう付け(溶接)による方法を用いるものではなく、機械的加工を加えて、台座部分の上部は下方がテーパ形状に形成された接点層の下部を周囲からくわえ込むように直接密着嵌合させて、互いに離脱できないような機械的な接合構造となっているので、接点層と台座部分との接合強度が低下したり、接点開閉時の通電によって接点が加熱にさらされても、台座部分と接点層部分の境界が溶融して接合強度が低下して、最悪、接点層が台座部分から剥離脱落するような恐れもない。
【0009】
しかも、上記の構造は、接点の内部構造に関わるものであり、外観上は従来のものと全く変わりがない。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明のリベット型電気複合接点全体の縦断説明図である。
図2】本発明のリベット型電気複合接点全体の他の例の縦断説明図である。
図3図1〜2のリベット型電気複合接点の全体正面図である
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1は、本発明のリベット型電気複合接点の一例を示す断面説明図で、1は銅又は銅合金になる脚1a付き台座部分、2は台座部分1頭部に接合する銀又は銀合金、銀酸化錫系等の銀系合金になる接点層部分であり、該接点層部分2の中央下部2aは末広がりのテーパ形状に形成され、その下面全体は下向き円弧形に形成されて、該中央下部2aは全体が略「大福餅」のような形状をしている。
【0012】
上記のような形状の接点層中央下部2aは、台座部分1上部によって周囲からくわえ込むように直接密着嵌合させ、互いに離脱できないような構造となっている。
【0013】
上記接点層部分2のテーパ形状の中央下部2a以外の下面2bは水平な平坦面に形成され、またこれと接する台座部分1の上面外周部1bも水平な平坦面に形成されていて、互いに同幅で密着可能となっている。
【0014】
かかる台座部分1上部と接点層中央下部2aとの接合構造は、成形加工性のある銅又は銅合金の台座部分1の上部を例えばプレス機等の機械的加工によって形成される。
【0015】
図2は、接点層2のテーパ形状の中央下部2a以外の下面2bの形状に多少凹凸を加えた形状としたもので、これと接する台座部分1の外周部上面1bもこの形状に相応して形成され、互いに密着可能となっている。
【0016】
本発明のリベット型電気複合接点は上記のように構成され、下方が末広がりのテーパ形状に形成された接点層下部を台座部分の上部が周囲からくわえ込むように直接密着嵌合し、互いに離脱できないような機械的接合構造となっているので、接点の開閉によって、台座部分と接点層との接合部分の接合強度が低下することはなく、該接合部分の境界が溶融して、接点層が台座部分から剥離脱落するような心配もない。
【0017】
しかも、本発明のリベット型電気複合接点は、その接合の仕方の特徴が内部構造にあるから、外からは分からず、外観は従来のものと全く同様である。
【0018】
また、接点層2に使用される材質は、電気接点に適応する全てに有効であり、内部酸化法、粉末冶金法、溶解法等のいずれのものであってもよい。
【符号の説明】
【0019】
1−接点台座部分
2−接点層部分
図1
図2
図3