【解決手段】照明カバー及び照明器具は、照明器具本体から光源の出射側へ向かって延び、光源が出射する光を透過するカバー側面部と、カバー側面部の縁部から光軸へ向かって延びるようにカバー側面部と一体成形され、光源が出射する光を前方に透過する光と後方に反射する光とに配光するカバー正面部と、を備える。
前記カバー正面部は、前記光源側の内面と、照射側の外面とを有し、前記内面又は前記外面は、前記光源の光軸から傾斜した傾斜面を有する請求項1に記載の照明カバー。
前記カバー正面部は、前記光源側の内面と、照射側の外面とを有し、前記内面又は前記外面には、前記光源の光軸から傾斜した第1傾斜面及び第2傾斜面が形成されており、
前記第1傾斜面は、前記カバー正面部の外縁部から前記光軸に向かって前記カバー正面部の厚さが薄くなることにより形成され、
前記第2傾斜面は、前記外縁部から前記光軸に向かって前記カバー正面部の厚さが厚くなることにより形成され、
前記第1傾斜面と前記第2傾斜面とは、前記カバー正面部に前記外縁部から前記光軸に向かって交互に設けられている請求項1に記載の照明カバー。
前記カバー正面部は、前記光源の光軸の周方向に傾斜した第3傾斜面及び第4傾斜面を有し、前記第3傾斜面と前記第4傾斜面とは、前記光軸に対しそれぞれ異なる傾斜角度で形成され、周方向に交互に配置されている請求項1に記載の照明カバー。
前記カバー側面部は、両端が開口した筒形状を有し、後方の開口端が前記照明器具本体に保持され、前方の開口端に前記カバー正面部が設けられている請求項1〜7のいずれか1項に記載の照明カバー。
【発明を実施するための形態】
【0010】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る照明器具の構成を示す切り欠き断面図である。
図2は、本発明の実施の形態1に係る照明器具の構成を示す平面図である。
図1及び
図2に基づき、照明器具100の構成を説明する。照明器具100は、以下、天井に設置されているものとして説明するが、側壁面等のどのような場所に設置されてもよい。
【0011】
図1に示されるように、照明器具100は、照明器具本体2と照明カバー4等とを有する。照明器具本体2は、一方に開口を有する筐体2aと、筐体2aの開口に設置された光源5と、筐体2aの開口の外周に設けられた枠3とを備える。照明器具本体2は、天井材1に設けられた設置穴に取り付けられる。筐体2aは、光源5の出射側が開口した略円筒形状に形成されている。
【0012】
光源5は、例えばLED(Light Emitting Diode)等で構成されている。光源5は、図示しない電源装置から電力を供給され、光を出射するものである。
図1及び
図2において、矢印Z方向は光源5の光軸方向を表し、矢印X方向及び矢印Y方向は光軸CLに垂直な方向を表す。以下、矢印Z方向のZ1が示す方向を前方とし、矢印X方向と矢印Y方向とは直交するものとする。
図1の左側には、照明器具100の外観が示され、右側には、照明器具100の光軸CLを通る断面が示されている。
【0013】
枠3は、照明器具本体2において光源5の出射側に設けられている。枠3は、環形状を有し、筐体2aの外周に沿って天井材1の開口の縁を塞ぐものである。枠3には、バネ3aが取り付けられており、バネ3aにより照明器具本体2が設置穴に着脱可能に取り付けられる。
【0014】
照明カバー4は、枠3の前方(Z1方向)に配置され、光源5が出射する光の配光を制御するものである。照明カバー4は、例えばアクリル樹脂等の透明樹脂材料で作製され、光透過性を有している。照明カバー4は、光源5の出射側に延び、側面を構成するカバー側面部43と、光源5の出射側に配置され、下面を構成するカバー正面部42とを有している。照明カバー4のカバー正面部42とカバー側面部43とは、同一材料から一体成形されている。
【0015】
カバー側面部43は、両端が開口した円錐形状を有し、前方ほど光軸CLに近くなる形状を有する。カバー側面部43の後方側の開口が照明器具本体2に固定され保持される。カバー側面部43は、ほぼ均一な板厚を有し、光源5が出射する光を透過する。
【0016】
カバー正面部42は、中央に開口部41が設けられた環形状を有し、外縁部42aがカバー側面部43の前方の開口端43aにつながっている。
図1では、カバー正面部42は、光軸CLにほぼ直交するように配置されている。カバー正面部42は、光源5が出射する光を、前方に透過する光と後方に反射する光とに配光する。
【0017】
したがって、照明器具本体2の光源5から出射した光は、開口部41に入射してそのまま前方(Z1方向)に照射される経路61と、カバー正面部42に入射する経路62と、カバー側面部43に入射され透過して前方に照射される経路63とに分けられる。
【0018】
図3は、本発明の実施の形態1に係る照明カバーの断面図及び平面図である。
図3に基づき、実施の形態1におけるカバー正面部42の構成を詳細に説明する。カバー正面部42は、外縁部42aから、光軸CL側(開口部41側)に向かって板厚が薄くなるように形成されており、光源側に設けられた内面10と、内面10と対向した外面20とを有する。内面10は光軸CLと垂直なXY平面に沿って形成された平面であり、外面20は、光軸CL側に向かって傾斜した傾斜面となる。なお、傾斜角度、厚さ、カバー正面部42の長さは、適宜設定することができる。
【0019】
図4は、
図3の照明カバーの領域S1の部分拡大図である。
図4に基づき、カバー正面部42を通過するときの反射光の経路64と透過光の経路65について詳細に説明する。光源5から出射した光は、カバー正面部42に内面10上の点64aに入射し、内面10上の点64aで屈折する。屈折した光は、照明カバー4内を通り、空気層との界面となる外面20上の点64bに到達する。外面20が傾斜していることにより、外面20に到達した光のうち、点64bでの入射角が臨界角より大きい光は、全反射して後方に進路を変える。その後、進路を変えた光は、カバー側面部43の外側面30に到達し、外側面30上の点64cで照明カバー4から出射して天井材1へ向かう。なお、臨界角よりも小さい角度で入射した光は、経路65で示されるように、外面20を透過し前方を照射する。このように、カバー正面部42は、光軸CLと垂直なXY面に対して傾斜した傾斜面を有することで、入射した光の一部を反射し、後方へ光束を導光することができる。
【0020】
なお、照明カバー4は透過材で構成されるが、透過材の透過率及び拡散性は、用途に応じて種々の選択をしても良い。例えば、カバー側面部43の内側面、外側面30、カバー正面部42の内面10又は外面20の表面に凹凸を形成する(フロスト加工)ことにより、照明カバー4に拡散性を持たせることができる。表面にスリットを設ける他、透過材を塗布する等して照明カバー4に拡散性を持たせてもよい。あるいは、照明カバー4全体を、光拡散材料を含有するカバー部材で構成してもよい。表面加工を採用する場合には、表面の粗さを規定して加工することにより、透過光の損失が抑えられる。また、照明カバー4の透過材は、着色されたものでもよい。照明カバー4は、着色透明であることにより、照明器具100を設置する空間の用途に合わせた空間演出が実現できる。
【0021】
以上のように、実施の形態1によれば、照明カバー4は、照明器具本体2に保持され光を透過するカバー側面部43と、光源5の出射側に配置され、光源5からの光を前方に透過する光と後方に反射する光とに配光するカバー正面部42とを有する。これにより、照明カバー4は後方への光の利用効率を高めることができる。すなわち、照明器具100は、従来の照明器具のように、照射面から突出した吊り下げ金具等の保持部材を使用しないので、保持部材の存在感を軽減するとともに光の損失を抑えることができる。このように、照明カバー4によって、光の利用効率を向上させ、明るさ感を増す空間演出ができる。
【0022】
また、
図4のようにカバー正面部42の内面10又は外面20が、光源5の光軸CLから傾斜した傾斜面を有するとき、簡便な構造で前方を照射しつつ後方を照射する配光を行うことができる。
【0023】
また、カバー正面部42及びカバー側面部43を構成するカバー部材は、光拡散材料を含有する、あるいは、カバー正面部42及びカバー側面部43は、表面に光拡散部が形成されていてもよい。これにより、照明カバー4は、光源5から照明カバー4に出射される光の入射角が臨界角を超えない光であっても、光を後方へ反射させることができる。
【0024】
また、カバー正面部42及びカバー側面部43を構成するカバー部材の少なくとも一部を着色したとき、照明器具100を設置する空間の用途に応じた空間演出を実現できる。
【0025】
実施の形態2.
図5は、本発明の実施の形態2に係る照明カバーの断面図及び平面図である。
図6は、
図5の照明カバーの領域S2の部分拡大図である。
図5及び
図6に基づき、実施の形態2の照明カバー104について説明する。実施の形態2において、照明カバー104は、カバー正面部142の形状が実施の形態1の場合とは異なる。以下、照明カバー104において、実施の形態1と同様の構成については同一符号を付して説明を省略し、異なる構成について説明する。
【0026】
図5及び
図6のカバー正面部142の照射側の外面120は平らであり、光軸CLと垂直なXY平面に沿って形成されている。一方、カバー正面部142の内面110は、光軸CLに向かって傾斜している。具体的には、カバー正面部142の内面110は、光軸CL側(開口部41側)から外縁部142aに近づくにつれ厚さが厚くなるように傾斜した傾斜面となっている。
【0027】
カバー正面部142を通過するときの反射光の経路162について詳細に説明する。光源5から出射した光は、カバー正面部142に内面110上の点162aから入射した光は、内面110が光軸CLから傾斜していることにより、内面110の点162aにおいて、屈折する。このとき、屈折角度は、実施の形態1で示した場合に比べて小さい。屈折した光は、樹脂と空気層との界面となる外面120の点162bに到達する。外面120に到達した光のうち、点162bでの入射角が臨界角より大きくなる光は、全反射して後方に進路を変える。その後、進路を変えた光は外側面30に到達し、外側面30の点162cで屈折して照明カバー4から出射し、天井材1へ向かう。一方、臨界角よりも入射角が小さい光は、前方へ透過する。このように、実施の形態2のカバー正面部142は、光軸CLと垂直なXY面に対して傾斜した傾斜面を有していても、入射した光の一部を反射して後方を照らすことができる。
【0028】
以上のように、実施の形態2では、カバー正面部142は、照射側の内面110に、光源5の光軸CLから傾斜した傾斜面が形成されている。実施の形態1において、カバー側面部43とカバー正面部42の傾斜面(外面20)とが鋭角であるのに対し、実施の形態2では、カバー側面部43とカバー正面部142の傾斜面(内面110)とが鈍角となる。そのため、実施の形態2の照明カバー104を用いた照明器具100は、実施の形態1の場合とは異なる配光特性によって異なる視覚的印象を与えることができる。したがって、照明カバー4と照明カバー104とのいずれかを選択することで、空間演出の幅を広げることができる。
【0029】
実施の形態3.
図7は、本発明の実施の形態3に係る照明カバーの断面図及び平面図である。
図7に基づき、実施の形態3の照明カバー204について説明する。実施の形態1では、外面20が一つの傾斜面を構成するが、実施の形態3では、外面220に複数の傾斜面が設けられる。以下、照明カバー204において、実施の形態1と同様の構成については同一符号を付して説明を省略し、異なる構成について説明する。
【0030】
実施の形態3によれば、カバー正面部242の光源5側の内面210は平らであり、光軸CLと垂直なXY平面に配置されている。一方、カバー正面部242の照射側の外面220は、内面210に対して傾斜した複数の傾斜面により構成されている。具体的には、カバー正面部242の外面220は、第1傾斜面21と第2傾斜面22とから構成され、第1傾斜面21と第2傾斜面22とが、光軸CLを中心として交互に同心円状に配置される。
【0031】
第1傾斜面21は、外縁部242aから開口部41に近づくにつれ後方に位置するように傾斜した傾斜面である。つまり、第1傾斜面21の位置では、第1傾斜面21と平らな内面210とにより、カバー正面部242の板厚は、光軸CLに向かって次第に薄くなる。
【0032】
第2傾斜面22は、外縁部242aから開口部41に近づくにつれ前方に位置するように傾斜した傾斜面である。つまり、第2傾斜面22の位置では、第2傾斜面22と平らな内面210とにより、カバー正面部242の板厚は、光軸CLに向かって次第に厚くなる。このように、カバー正面部242は、径方向に板厚が厚くなる領域と薄くなる領域とが交互に組み合わされたノコギリ刃状の断面を有している。
【0033】
以上のように、実施の形態3において、カバー正面部242は、光軸CLに向かってカバー正面部242の厚さが薄くなることにより形成される第1傾斜面21と、カバー正面部242の厚さが厚くなることにより形成される第2傾斜面22とを有している。そして、第1傾斜面21と第2傾斜面22とは、カバー正面部242に外縁部242aから光軸CLに向かって交互に設けられ、同心円状に形成になっている。
【0034】
実施の形態3において、実施の形態1の場合と同様に、後方に向かう反射光(例えば、経路64で示される)を作ることができる。さらに、内面210又は外面220には、光源5の光軸CLから傾斜した第1傾斜面21及び第2傾斜面22が形成されている。第1傾斜面21は、カバー正面部242の外縁部242aから光軸CLに向かってカバー正面部242の厚さが薄くなることにより形成され、第2傾斜面22は、厚くなることにより形成される。そして、第1傾斜面21と第2傾斜面22とは、カバー正面部242に外縁部242aから光軸CLに向かって交互に設けられている。これにより、照明カバー204は角度の異なる第1傾斜面21と第2傾斜面22とを複数構成しているので、傾斜面の面積が増えて全反射する、天井材1に向かう反射光の量が増える。したがって、照明カバー204では、実施の形態1及び実施の形態2の場合よりも天井を明るくすることができる。
【0035】
実施の形態4.
図8は、本発明の実施の形態4に係る照明カバーの断面図及び平面図である。
図8に基づき、実施の形態4の照明カバー304について説明する。実施の形態2では、内面110が一つの傾斜面を構成するが、実施の形態4では、内面310に複数の傾斜面が設けられる。以下、照明カバー304において、実施の形態3と同様の構成については同一符号を付して説明を省略し、異なる構成について説明する。
【0036】
実施の形態4では、実施の形態3とは内面310と外面320とが入れ替えられている。つまり、カバー正面部342の照射側の外面320は光軸CLと垂直なXY平面に形成され、一方、内面310は、第1傾斜面11と第2傾斜面12とが形成されている。
【0037】
以上のように、実施の形態4によれば、カバー正面部342は、光軸CLに対して傾斜した第1傾斜面11及び第2傾斜面12が、外縁部342aから光軸CLに向かって交互に設けられている。これにより、実施の形態3の場合と同様に、後方へ向かう光の量を増やすことができる。さらに、実施の形態4の照明カバー304は、実施の形態3の場合とは異なり、前面であるカバー正面部342の外面320が平面となっている。このため、実施の形態4では、照明カバー304の輸送時の梱包が、実施の形態3の場合よりも簡略化できる。
【0038】
実施の形態5.
図9は、本発明の実施の形態5に係る照明カバーの断面図及び平面図である。また
図9の右側には、カバー正面部442のA−A断面が示されている。
図9に基づき、実施の形態5の照明カバー404について説明する。実施の形態5では、カバー正面部442は、外面420に複数の傾斜面を放射状に備え、厚さが周方向に変化する形状となっている。以下、照明カバー404において、実施の形態1と同様の構成については同一符号を付して説明を省略し、異なる構成について説明する。
【0039】
実施の形態5において、カバー正面部442の光源5側の内面410は平らであり、光軸CLと垂直なXY平面に配置されている。一方、カバー正面部442の照射側の外面420は、内面410に対して傾斜した第3傾斜面23と第4傾斜面24とが組み合わされて構成される。
【0040】
第3傾斜面23は、周方向(矢印R方向)に進むにつれ後方に位置するように傾斜した傾斜面である。つまり、第3傾斜面23と平らな内面410とにより、カバー正面部442の板厚は、周方向(矢印R方向)に次第に薄くなる。
【0041】
第4傾斜面24は、周方向(矢印R方向)に進むにつれ前方(Z1方向)に位置するように傾斜した傾斜面である。つまり、第4傾斜面24と平らな内面410と板厚は、周方向(矢印R方向)に次第に厚くなる。
【0042】
第3傾斜面23と第4傾斜面24とは、光軸CLを中心として放射状に、周方向(矢印R方向)に交互に隣接して設けられている。A−A断面に示されるように、外面420において、第3傾斜面23と第4傾斜面24との境界には、板厚が最も薄くなる谷25と、板厚が最も厚くなる山26が形成されている。
図9の平面図では、谷25は二点鎖線で示され、山26は実線で示されている。
【0043】
図10〜
図12に基づき、カバー正面部442を通過する複数の光線の経路71、72、73について説明する。
図10は、
図9の照明カバーのB−B断面を示す部分断面図である。
図11は、
図10のカバー正面部のC−C断面を示す部分断面図であり、経路71を通る面での断面が示される。
図12は、
図10のカバー正面部のD−D断面を示す部分断面図であり、経路73を通る面での断面が示される。経路71は、カバー正面部442へ垂直に入射する光線の経路を表し、経路72及び経路73は、カバー正面部442の内面410に対して入射角を持つ光線の経路を表している。
【0044】
カバー正面部442へ垂直に入射する光線は、内面410上の入光点71aで屈折することなく直進し、照明カバー404を構成する樹脂と空気層との界面となる外面420上の点71bに到達する。
図10の断面内に屈折を生じる入射角は図示されていないが、
図11に示されるC−C断面内では、点71bは第3傾斜面23上に位置している。このため、点71bにおいて光線は屈折により進路が曲がる。
【0045】
カバー正面部442の内面410に対して入射角を持つ光線は、入射角の大きさに応じて光路が決まる。
図12に示されるように、経路72で表される光線よりも入射角が大きい経路73の光線は、内面410の点73aからカバー正面部442に入射し、樹脂と空気層との界面になる外面420上の点73bに到達する。点73bは第3傾斜面23上に位置しており、光線は、点73bにおいて外面420への入射角が臨界角を超えるため、全反射して後方に進路を変える。
【0046】
以上のように、実施の形態5によれば、光源5の光軸CLの周方向(矢印R方向)に傾斜した第3傾斜面23と第4傾斜面24とは、光軸CLに対しそれぞれ異なる傾斜角度で形成され、周方向に交互に配置されている。これにより、傾斜面により光を反射し、後方(例えば、天井面)を明るくすることができる。さらに、実施の形態5では、カバー正面部442に入射する光線(B−B断面)と、出射する光線が異なる断面内にあり、円周方向(D―D断面)に進路を変える。したがって、実施の形態5の照明カバー404は、実施の形態1〜4の場合よりも複雑な透過光及び反射光を得て、特殊な配光特性を得ることができる。
【0047】
実施の形態6.
図13は、本発明の実施の形態6に係る照明カバーの断面図及び平面図である。
図13に基づき、実施の形態6の照明カバー504について説明する。実施の形態5では、カバー正面部542は、内面510に複数の傾斜面を放射状に備え、厚さが周方向に変化する形状となっている。以下、照明カバー504において、実施の形態1と同様の構成については同一符号を付して説明を省略し、異なる構成について説明する。
【0048】
図13においても、実施の形態5の場合と同様に、カバー正面部542は、周方向(矢印R方向)に板厚が厚くなる領域と薄くなる領域とが交互に組み合わされて構成されている。実施の形態5では、外面420に第3傾斜面23及び第4傾斜面24が形成されていたが、実施の形態6では、カバー正面部542の光源5側の内面510に、外面520に対して傾斜した第3傾斜面13と第4傾斜面14とが組み合わされて形成されている。
【0049】
第3傾斜面13と第4傾斜面14とは、光軸CLを中心として放射状に、周方向(矢印R方向)に交互に隣接して設けられている。A−A断面に示されるように、外面520において、第3傾斜面13と第4傾斜面14との境界には、板厚が最も薄くなる谷15と、板厚が最も厚くなる山16が形成されている。
図13の平面図では、谷15は二点鎖線で示され、山16は破線で示されている。
【0050】
実施の形態6においても、
図10−12で説明したのと同様に、カバー正面部42に入射する光線と出射する光線が異なる断面内にあり、周方向(矢印R方向)に進路を変えながら、全反射により、後方に向かう反射光を作ることができる。そのため、実施の形態6では、照明カバー504の光源5側に放射状に斜面が複数形成されていることにより、照明カバー504を前方から見た時に実施の形態5の場合よりも立体的に見えるという効果を有する。
【0051】
なお、本発明の実施の形態は上記実施の形態に限定されず、種々の変更を行うことができる。例えば、開口部41を透明部材で塞ぐ構成としてもよい。また、実施の形態では照明器具100が天井に埋め込まれたダウンライトである場合を例に説明したが、照明器具100は、側壁に設置されるスポットライト若しくは吊り下げ型照明器具でもよい。また照明器具100は、直線形の照明器具であってもよい。