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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-206603(P2018-206603A)
(43)【公開日】2018年12月27日
(54)【発明の名称】接続器具
(51)【国際特許分類】
   H01R 9/00 20060101AFI20181130BHJP
   H01R 4/60 20060101ALI20181130BHJP
   H01R 4/48 20060101ALI20181130BHJP
   H01R 4/58 20060101ALI20181130BHJP
【FI】
   H01R9/00 Z
   H01R9/00 B
   H01R4/60
   H01R4/48 C
   H01R4/58 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2017-110802(P2017-110802)
(22)【出願日】2017年6月5日
(71)【出願人】
【識別番号】000211307
【氏名又は名称】中国電力株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085660
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 均
(74)【代理人】
【識別番号】100149892
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 弥生
(72)【発明者】
【氏名】堀野 允嗣
(72)【発明者】
【氏名】野々上 満洋
【テーマコード(参考)】
5E086
【Fターム(参考)】
5E086CC12
5E086DD05
5E086JJ13
5E086JJ15
5E086LL04
5E086LL16
(57)【要約】
【課題】カバー部材から受ける反力を利用して、端子台の各端子に導体を接続した状態に維持する。
【解決手段】接続器具100は、軸方向一端部に配置されて端子と一対一で電気的に接続される導体からなる導通子113と、軸方向他端側に配置されて導通子と電気的に接続されると共に外部端子が接続される導体からなる外部接続部117と、を有する内側部材110と、内側部材の外面に対して相対移動可能に組み付けられた外側部材130と、を備え、外側部材が初期姿勢にあるときに外側部材は貫通部に対して相対移動可能であり、且つ内側部材は外側部材に対して相対移動可能であり、外側部材が初期姿勢から操作姿勢に変位したときに、外側部材は貫通部と内側部材により係止され、導通子が端子と接続した状態に維持される。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベース面に複数の端子を備えた端子台本体と、前記ベース面を覆った状態で前記各端子と一対一で対応する貫通部を有したカバー部材と、を備えた端子台に対して、外部から前記貫通部に挿入されることにより前記各端子と電気的に接続される接続器具であって、
軸方向一端部に配置されて前記端子と一対一で電気的に接続される導体からなる導通子と、軸方向他端側に配置されて前記導通子と電気的に接続されると共に外部端子が接続される導体からなる外部接続部と、を有する内側部材と、
前記内側部材の外面に対して相対移動可能に組み付けられた外側部材と、を備え、
前記外側部材が初期姿勢にあるときに前記外側部材は前記貫通部に対して相対移動可能であり、且つ前記内側部材は前記外側部材に対して相対移動可能であり、
前記外側部材が前記初期姿勢から操作姿勢に変位したときに、前記外側部材は前記貫通部と前記内側部材により係止され、前記導通子が前記端子と接続した状態に維持されることを特徴とする接続器具。
【請求項2】
前記内側部材は、軸方向一端部に配置されて軸方向他端側に向けて外径が漸増又は漸減するテーパー部を備え、且つ前記外側部材に対して軸方向に進退可能に保持されており、
前記外側部材は、軸方向一端部内面に、前記テーパー部によって押圧される被押圧部を備えており、
前記外側部材は、前記内側部材が前記外側部材に対して初期位置にあるときに外径が縮径した前記初期姿勢をとり、前記内側部材が前記外側部材に対して前記初期位置から操作位置に移動すると前記テーパー部が前記被押圧部を押圧して、前記外側部材は前記外径が拡径した操作姿勢をとることを特徴とする請求項1に記載の接続器具。
【請求項3】
ベース面に複数の端子を備えた端子台本体と、前記ベース面を覆った状態で前記各端子と一対一で対応する貫通部を有したカバー部材と、を備えた端子台に対して、外部から前記貫通部に挿入されることにより前記各端子と電気的に接続される接続器具であって、
軸方向一端部に配置されて前記端子と一対一で電気的に接続される導体からなる導通子と、軸方向他端側に配置されて前記導通子と電気的に接続されると共に外部端子が接続される導体からなる外部接続部と、を有する内側部材と、
前記内側部材の外周側に配置された弾性変形可能な外側部材と、を備え、
前記外側部材の横断面形状は、軸心から外周面までの長さが周方向において変化する形状であり、
前記貫通部は前記外側部材の横断面形状に整合する形状であり、
前記外側部材が前記貫通部に対して初期姿勢にあるときに前記外側部材は前記貫通部内を軸方向に相対移動可能であり、
前記導通子が前記端子と電気的に接続した状態で、前記外側部材が前記貫通部に対して前記初期姿勢から軸心を中心として回転して操作姿勢に変位したときに、前記外側部材は前記貫通部により係止されることを特徴とする接続器具。
【請求項4】
ベース面に複数の端子を備えた端子台本体と、前記ベース面を覆った状態で前記各端子と一対一で対応する貫通部を有したカバー部材と、を備えた端子台に対して、外部から前記貫通部に挿入されることにより前記各端子と電気的に接続される接続器具であって、
軸方向一端部に配置されて前記端子と一対一で電気的に接続される導体からなる導通子と、軸方向他端側に配置されて前記導通子と電気的に接続されると共に外部端子が接続される導体からなる外部接続部と、導通子を軸方向に進退可能に支持すると共に導通子を突出させる方向に弾性付勢する弾性付勢部材と、を有する内側部材と、
前記内側部材を収容する中空部を有した筒状の外側部材と、を備え、
前記外側部材は、軸心から外周面までの長さが周方向において変化する大径部と、前記大径部よりも軸方向他端側に配置されて前記大径部よりも小径の小径部と、を備え、
前記貫通部は、前記大径部の横断面形状に整合する形状を有しており、
前記外側部材が前記貫通部に対して初期姿勢にあるときに、前記外側部材は前記貫通部内を軸方向に相対移動可能であり、
前記小径部が前記貫通部と対向する位置にあるときに、前記外側部材が前記貫通部に対して前記初期姿勢から軸心を中心として回転して操作姿勢に変位すると前記大径部は前記貫通部により軸方向移動を規制され、前記弾性付勢部材は前記導通子を前記端子に対して押圧することを特徴とする接続器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベース面に複数の端子を備えた端子台の各端子と、試験装置のリード端子等とを中継する接続器具に関し、特に、端子台のカバー部材を利用して端子台から離脱不能にすると共に、端子ネジと導通した状態に維持可能な接続器具に関する。
【背景技術】
【0002】
変電所に配置された配電盤等には、絶縁体からなるベース面に複数の端子ネジが配列された端子台が設けられており、各端子ネジには制御ケーブル等が接続されている。制御装置や電源装置の取り替え工事の際には、電気回路の健全性を確認する試験が実施される。試験においては、ミノムシクリップやワニ口クリップ等の汎用クリップにより端子ネジを挟持し、汎用クリップを介して電気的に接続された試験装置から所定の電気信号を印加して、制御装置が正常に作動するか否かを確認する。
しかし、端子台の設置箇所によっては作業性が非常に悪く、汎用クリップの接続の際に隣接する端子との誤接触による短絡事故や地絡事故が発生する虞があった。また、汎用クリップは、端子に対する機械的な固定が不安定となりやすく、接続状態によっては必要な通電容量が確保されなかったり、作業員が誤って接触することで端子ネジから脱落する虞があった。
特許文献1には、シーケンス回路の健全性を確認する際に端子台の端子同士を一時的に短絡させる接点パス用クリップが記載されている。接点パス用クリップは、端子ネジに磁着して導通する磁石部と、常時は磁石部を収納する方向に弾性付勢するバネとを備えている。磁石部は、磁性体からなる端子ネジに接近したときにバネの弾性付勢力に抗して進出して端子ネジに吸着し、端子ネジと導通した状態を維持する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4535843号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
端子台には、試験時以外において端子を保護するカバー部材が設けられている。特許文献1には、カバー部材に開口を貫通形成することで接点パス用クリップの離脱を阻止することが記載されているが、カバー部材から受ける反力を活用することまでは記載されていない。
本発明は上述の事情に鑑みてなされたものであり、カバー部材から受ける反力を利用して、端子台の各端子に導体を接続した状態に維持することができる接続器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、ベース面に複数の端子を備えた端子台本体と、前記ベース面を覆った状態で前記各端子と一対一で対応する貫通部を有したカバー部材と、を備えた端子台に対して、外部から前記貫通部に挿入されることにより前記各端子と電気的に接続される接続器具であって、軸方向一端部に配置されて前記端子と一対一で電気的に接続される導体からなる導通子と、軸方向他端側に配置されて前記導通子と電気的に接続されると共に外部端子が接続される導体からなる外部接続部と、を有する内側部材と、前記内側部材の外面に対して相対移動可能に組み付けられた外側部材と、を備え、前記外側部材が初期姿勢にあるときに前記外側部材は前記貫通部に対して相対移動可能であり、且つ前記内側部材は前記外側部材に対して相対移動可能であり、前記外側部材が前記初期姿勢から操作姿勢に変位したときに、前記外側部材は前記貫通部と前記内側部材により係止され、前記導通子が前記端子と接続した状態に維持されることを特徴とする。
【0006】
請求項2に記載の発明は、前記内側部材は、軸方向一端部に配置されて軸方向他端側に向けて外径が漸増又は漸減するテーパー部を備え、且つ前記外側部材に対して軸方向に進退可能に保持されており、前記外側部材は、軸方向一端部内面に、前記テーパー部によって押圧される被押圧部を備えており、前記外側部材は、前記内側部材が前記外側部材に対して初期位置にあるときに外径が縮径した前記初期姿勢をとり、前記内側部材が前記外側部材に対して前記初期位置から操作位置に移動すると前記テーパー部が前記被押圧部を押圧して、前記外側部材は前記外径が拡径した操作姿勢をとることを特徴とする。
【0007】
請求項3に記載の発明は、ベース面に複数の端子を備えた端子台本体と、前記ベース面を覆った状態で前記各端子と一対一で対応する貫通部を有したカバー部材と、を備えた端子台に対して、外部から前記貫通部に挿入されることにより前記各端子と電気的に接続される接続器具であって、軸方向一端部に配置されて前記端子と一対一で電気的に接続される導体からなる導通子と、軸方向他端側に配置されて前記導通子と電気的に接続されると共に外部端子が接続される導体からなる外部接続部と、を有する内側部材と、前記内側部材の外周側に配置された弾性変形可能な外側部材と、を備え、前記外側部材の横断面形状は、軸心から外周面までの長さが周方向において変化する形状であり、前記貫通部は前記外側部材の横断面形状に整合する形状であり、前記外側部材が前記貫通部に対して初期姿勢にあるときに前記外側部材は前記貫通部内を軸方向に相対移動可能であり、前記導通子が前記端子と電気的に接続した状態で、前記外側部材が前記貫通部に対して前記初期姿勢から軸心を中心として回転して操作姿勢に変位したときに、前記外側部材は前記貫通部により係止されることを特徴とする。
【0008】
請求項4に記載の発明は、ベース面に複数の端子を備えた端子台本体と、前記ベース面を覆った状態で前記各端子と一対一で対応する貫通部を有したカバー部材と、を備えた端子台に対して、外部から前記貫通部に挿入されることにより前記各端子と電気的に接続される接続器具であって、軸方向一端部に配置されて前記端子と一対一で電気的に接続される導体からなる導通子と、軸方向他端側に配置されて前記導通子と電気的に接続されると共に外部端子が接続される導体からなる外部接続部と、導通子を軸方向に進退可能に支持すると共に導通子を突出させる方向に弾性付勢する弾性付勢部材と、を有する内側部材と、前記内側部材を収容する中空部を有した筒状の外側部材と、を備え、前記外側部材は、軸心から外周面までの長さが周方向において変化する大径部と、前記大径部よりも軸方向他端側に配置されて前記大径部よりも小径の小径部と、を備え、前記貫通部は、前記大径部の横断面形状に整合する形状を有しており、前記外側部材が前記貫通部に対して初期姿勢にあるときに、前記外側部材は前記貫通部内を軸方向に相対移動可能であり、前記小径部が前記貫通部と対向する位置にあるときに、前記外側部材が前記貫通部に対して前記初期姿勢から軸心を中心として回転して操作姿勢に変位すると前記大径部は前記貫通部により軸方向移動を規制され、前記弾性付勢部材は前記導通子を前記端子に対して押圧することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、カバー部材から受ける反力を利用して、端子台の各端子に導体を接続した状態に維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】端子台の一例を示す斜視図である。
図2】一対の端子区画を図1中矢印A方向から観察した様子を示す図である。
図3】本発明の第一の実施形態に係る接続器具の初期姿勢を示す図であり、(a)は斜視図であり、(b)は一部断面図である。
図4】本発明の第一の実施形態に係る接続器具の操作姿勢を示す図であり、(a)は正面図であり、(b)は断面図である。
図5】内側部材の斜視図である。
図6】(a)、(b)は、本発明の第一の実施形態に係る接続器具の使用状態を説明する一部断面正面図である。
図7】(a)〜(c)は、接続器具に対する外部端子の接続方法を説明するための一部断面正面図である。
図8】第二の実施形態に係る接続器具を示す図であり、(a)は正面図であり、(b)は縦断面図であり、(c)は(b)のF−F断面図である。
図9】接続器具の使用状態を示す横断面図であり、(a)は接続器具が貫通孔に対して初期姿勢にある状態を示し、(b)は接続器具が貫通孔に対して操作姿勢にある状態を示す図である。
図10】第三の実施形態に係る接続器具を示す図であり、(a)は斜視図であり、(b)は縦断面図であり、(c)は(b)のG−G断面図である。
図11】接続器具の使用状態を示す横断面図であり、(a)は接続器具が貫通孔に対して初期姿勢にある状態を示し、(b)は接続器具が貫通孔に対して操作姿勢にある状態を示す図である。
図12】(a)〜(c)は、本発明の第三の実施形態に係る接続器具の使用状態を説明する一部断面正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を図に示した実施形態を用いて詳細に説明する。但し、この実施形態に記載される構成要素、種類、組み合わせ、形状、その相対配置などは特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する主旨ではなく単なる説明例に過ぎない。
【0012】
〔端子台〕
本発明の各実施形態に係る接続器具の取り付け対象となる端子台の一例について説明する。図1は、端子台の一例を示す斜視図である。図2は、一対の端子区画を図1中矢印A方向から観察した様子を示す図である。
端子台10は、絶縁材料からなるベース21の平坦な上面(ベース面21a)に複数の端子ネジ(端子)23を備えた端子台本体20と、ベース面21aを覆った状態で各端子ネジ23、23…と一対一で対応(対向)する貫通孔(貫通部)41を有したカバー部材40と、を備えている。
なお、以下の説明においては、仕切板25の配列方向を長手方向、仕切板25(又は導通板29)の延在方向を幅方向、長手方向と幅方向の双方に直交する方向を高さ方向として説明する。
【0013】
<端子台本体>
ベース面21aは、所定の間隔を隔てて並行に対向配置された複数の仕切板25によって複数の端子区画27、27…に仕切られている。夫々の端子区画27内の底面(ベース面21a上)には、2つのネジ穴を有した導通板29が添設固定されており、各ネジ穴には一対の端子ネジ23(23a、23b:図2)が螺着されている。
導通板29は、一対の端子ネジ23aと端子ネジ23bとを導通、接続しており、端子ネジ23aに接続・導通したケーブル60aと端子ネジ23bに接続・導通したケーブル60bとを中継する。図示の例においてケーブル60(60、60b)の先端部には、端子ネジ23と導通する丸穴の圧着端子61(61a、61b)が圧着されている。なお、対となる端子ネジ23aと端子ネジ23bを収容した端子区画27は隔離壁31によって端子ネジ23a、23b毎の区画に分割されている(図1)。
各仕切板25、25…の幅方向両端部適所には、カバー部材40を係止する係止凹所33、33…が形成されている。
【0014】
<カバー部材>
カバー部材40は、試験装置のリード端子、塵埃その他の異物が端子ネジ23に接触、堆積、付着することによる短絡等の事故発生を未然に防ぐために、複数の端子区画27に跨ってこれらを覆うように、端子台本体20に装着される。
カバー部材40は、ABS樹脂やポリカーボネート樹脂等、弾性と所定の強度を有する透明な樹脂材料から形成されており、端子台本体20に対して着脱自在に構成されている。カバー部材40は、端子台10に取り付けられたときに各端子ネジ23aと一対一で対応する位置に貫通形成された複数の貫通孔41と、幅方向両端部に一面側から他面側に向けて、J字状(或いはU字状)に湾曲形成された爪部43、43とを備えている。
貫通孔41は、外部から本発明の各実施形態に係る接続器具の挿入を許容することにより、カバー部材40を端子台本体20に装着した状態での、接続器具と各端子ネジ23との接続を実現する。貫通孔41は(真)円形、楕円形、多角形、角丸多角形、星形等、種々の形状とすることができる。なお、カバー部材40の面内に設けた貫通孔41の代わりに、幅方向端部を切り欠いた切り欠き(カバー部材を厚さ方向に貫通した貫通部の他の具体例)としてもよい。
爪部43、43は、端子台本体20への装着時に係止凹所33、33に夫々係止される。爪部43、43が係止凹所33、33に係止されることで、カバー部材40は端子台本体20からの離脱を阻止される。カバー部材40を端子台本体20に対して着脱するときは、爪部43、43の先端間が開くようにカバー部材40を弾性変形させることにより、両爪部43、43を各係止凹所33、33内に挿入し、又は両爪部43、43を各係止凹所33、33から離脱させる。
端子台10に対して接続器具を接続しない通常時において、貫通孔41には貫通孔41を閉止する絶縁キャップ50が取り付けられる。絶縁キャップ50は、貫通孔41に挿入される軸部51と、軸部51の一端に配置されて貫通孔41よりも大径の頭部53とを備える。絶縁キャップ50は、シリコンゴムや塩化ビニール樹脂等、弾性変形可能な材料から構成されており、軸部51は貫通孔41に嵌合する形状及び大きさを有する。絶縁キャップ50が貫通孔41に取り付けられたときに、頭部53は貫通孔41の外部に露出する。
【0015】
〔第一の実施形態〕
本発明の第一の実施形態に係る接続器具について説明する。図3は、本発明の第一の実施形態に係る接続器具の初期姿勢を示す図であり、(a)は斜視図であり、(b)は一部断面図である。図4は、本発明の第一の実施形態に係る接続器具の操作姿勢を示す図であり、(a)は正面図であり、(b)は断面図である。図5は、内側部材の斜視図である。
接続器具100は、試験装置のリード端子と端子台10の各端子ネジ23とを導通させる手段であり、外部から端子台10の貫通孔41内に挿入されることにより各端子ネジ23と電気的に接続する。接続器具100は、内側部材110と外側部材130とを備えている。内側部材110は、軸方向一端部に配置されて端子ネジ23と一対一で電気的に接続される導体からなる導通子113と、軸方向他端側に配置されて導通子113と電気的に接続されると共に外部端子が接続される導体からなる外部接続部117とを有する。外側部材130は、内側部材110の外面に対して相対移動可能に組み付けられている。
【0016】
<内側部材>
内側部材110は、真鍮、アルミニウム合金、銅といった導電性を有する金属等(導体)により構成された導体部111と、導体部111の軸方向他端部の外周側に配置されて絶縁体により構成される操作部121とを有する。
【0017】
導体部111は、軸方向一端部に配置された導通子113と、導通子113の軸方向他端面113bに連接されて軸方向他端側に向けて外径が漸増するテーパー部115と、テーパー部115の軸方向他端に連接された外部接続部117とを備える。
導通子113は概略円柱状(又は円盤状)であり、軸方向一端面には端子ネジ23と接触・導通する接触面113aが形成されている。接触面113aは、各種のサイズや形状の端子ネジ23の頭部と係合するように、軸方向他端側に凹陥した湾曲面となっている。接触面113aには、各サイズ及び形状の端子ネジ23に対応して変形可能な繊維状の導体を取り付けてもよい。また、接触面113aには端子ネジ23の頭部に形成された十字穴やすり割り等の取付穴に係合する凸部を形成してもよい。
テーパー部115は概略円錐台形状であり、その外面は、軸方向他端側に向けて外径が漸増する傾斜面となっている。テーパー部115の軸方向一端外径は導通子113の外径よりも小さく、導通子113とテーパー部115との間(連接部)には段差が形成されている。
外部接続部117は、導体部111の軸方向他端面に形成された端子挿入口117aから軸方向一端側に向けて形成された有底の中空部内に外部端子(図7参照)を受け容れて導通させる。外部接続部117の内面には外部端子を螺着するネジ山117bが形成されている。
操作部121は、接続器具を操作する際に作業員が接触する部位である。操作部121を構成する絶縁体は、導体部111の軸方向他端部を収容する中空部が貫通形成された概略円筒状であり、軸方向他端部に外径方向に突出した鍔部123を備えている。操作部121は、軸方向他端部において導体部111を包囲することにより、作業員の感電を防止する保護部材として機能する。
【0018】
<外側部材>
外側部材130は軸方向に貫通した概略円筒状であり、中空部内において内側部材110の軸方向中間部を軸方向に進退可能に保持する。外側部材130は、軸方向一端部内面に、軸方向一端から他端に向けて内径が漸減すると共にテーパー部115によって押圧される被押圧部131と、軸方向一端縁から軸方向に沿って形成されて内外空間を連通させる少なくとも1つのスリット133(或いは切り込み線)と、軸方向他端部に配置されて外径方向に突出する鍔部135と、を備えている。
外側部材130は、ゴム、シリコンゴム、合成樹脂等の弾性変形可能な絶縁体から構成されている。被押圧部131の肉厚は、軸方向一端から他端に向けて漸減する構成である。また、スリット133は少なくとも被押圧部131に対応する軸方向位置に形成されている。スリット133の形成位置における外側部材130の外径は、常時においては軸方向に略一定であるが、スリット133幅の拡縮に応じて弾性的に拡縮する。また、外側部材130は表面が押圧された場合に押圧部位が凹陥する。
【0019】
<内側部材と外側部材の関係>
内側部材と外側部材との関係について図3及び図4に基づいて説明する。図4は、内側部材が操作位置にあるときの接続器具を示した図であり、(a)は正面図であり、(b)は縦断面図である。
内側部材110は、テーパー部115が外側部材130の被押圧部131と対向するように外側部材130の中空部内に挿通されている。内側部材110は、外側部材130に対して、導通子113の軸方向他端面113bが外側部材130の軸方向一端縁に最も接近した初期位置(図3(a)、(b))と、導通子113が初期位置から軸方向一端側に進出して軸方向他端面113bが外側部材130の軸方向一端縁から離間した操作位置(図4)との間で、軸方向に相対的に進退する。内側部材110が外側部材130に対して軸方向に相対移動する過程で、テーパー部115と被押圧部131は摺動する。

内側部材110が外側部材130に対して初期位置にあるとき、スリット133の幅は縮小しており、外側部材130は外径が軸方向に略一定となるように縮径(小径化)した初期姿勢をとる(図3(a)、(b))。
内側部材110が外側部材130に対して初期位置から操作位置に移動すると、テーパー部115が被押圧部131を押圧することによりスリット133の幅が拡大する。外側部材130は、軸方向一端部側の外径が末広がり状に拡径(大径化)した操作姿勢をとる(図4(a)、(b))。
このように、外側部材130は内側部材110の軸方向位置に応じて、初期姿勢と操作姿勢との間で連続的、且つ弾性的に変位する。
内側部材110の軸方向他端部は、初期位置にあるときに外側部材130の軸方向他端からの突出長が最大となるが、導体部111の軸方向他端部は操作部121によって包囲されているため、絶縁体である操作部121のみが外部に露出して、感電事故等を防止する。
【0020】
<使用方法>
本発明の実施形態に係る接続器具の使用方法について、図2、及び図6に基づいて説明する。図6(a)、(b)は、本発明の第一の実施形態に係る接続器具の使用状態を説明する一部断面正面図である。図6は、図2と同様に一対の端子区画を図1中矢印A方向から観察した様子を示している。
【0021】
図2は、端子台10の通常の使用状態を示している。
端子台10の端子ネジ23a、23bには、夫々ケーブル60a、60bが電気的、機械的に接続されており、ケーブル60a、60bは導通板29を介して導通している。カバー部材40は、爪部43が仕切板25の係止凹所33に係止されており、端子台本体20に装着されている。絶縁キャップ50は、軸部51が貫通孔41内に挿入されており、貫通孔41を閉止している。接続器具100を端子ネジ23aと導通させるには、まず絶縁キャップ50をカバー部材40から取り外して、貫通孔41を開放した状態とする。
【0022】
図6(a)は、カバー部材40から絶縁キャップ50を取り外して、貫通孔41内に初期姿勢(図3)にある接続器具100を挿入した様子を示している。
初期姿勢にある接続器具100は、カバー部材40の貫通孔41の形状に対応した(又は整合する)外形状(横断面形状)を有しており、貫通孔41に対して自在に、軸方向及び周方向に相対移動可能である。接続器具100を貫通孔41内に挿入し、導通子113を端子ネジ23aの頭部に密着させた状態で、外側部材130の鍔部135を内側部材110の鍔部123に近接させる方向(図中矢印B1方向)に操作する。この操作により、接続器具100は図6(b)に示すように操作姿勢に変位する。
【0023】
図6(b)は、接続器具100の外側部材130が貫通孔41に係止されることにより、導通子113が端子ネジ23aと導通した状態に維持されている様子を示している。
外側部材130を矢印B1方向に移動させたことで、カバー部材40には外側部材130から矢印C1方向の力が作用する。
ここで、貫通孔41の端縁と対向する外側部材130の部位は、貫通孔41の内径よりも大径化しようとして貫通孔41の端縁を外径方向(矢印D1方向)に押圧するが、貫通孔41により阻止される。外側部材130は貫通孔41の端縁から受ける反力(矢印D2)により、厚さ方向(内径方向)に弾性的に変形して、貫通孔41の端縁部が外側部材130の表面に噛み込む(食い込む)。また、貫通孔41の端縁から受ける反力により、内側部材110は外側部材130から加圧され、内側部材110と外側部材130は密着する。両部材間には摩擦係数に応じた摩擦力が作用し、両部材は互いに相対移動を阻止される。
矢印C1方向に押圧されたカバー部材40は、図中上方に向けて撓み変形する。カバー部材40は、素材の持つ弾性力により接続器具100に対して矢印C2方向の反力を発生させて、導通子113を端子ネジ23aに圧接させる。また、カバー部材40が図中上方に撓み変形することによって、爪部43は仕切板25の係止凹所33に深く噛み込むように矢印E方向に変形する。これにより、カバー部材40の端子台10からの離脱が効果的に阻止される。
接続器具100を端子台10から取り外す際には、外側部材130の鍔部135を矢印B2方向に押圧すれば、接続器具100は図6(a)に示す初期姿勢に戻り、貫通孔41から離脱させることが可能となる。
【0024】
<外部端子の接続方法>
図7(a)〜(c)は、接続器具に対する外部端子の接続方法を説明するための一部断面正面図である。外部端子は、例えば試験装置のリード端子である。
図7(a)に示すように、外部接続部117に外部端子としてバナナプラグ71を挿入することによって、接続器具100及びバナナプラグ71を介して端子ネジ23aと試験装置とを導通させることが可能である。
また、接続器具100に対しては、図7(b)に示すように、ミノムシクリップやワニ口クリップ等のように洗濯ばさみ状に開閉する一対の導通片73a、73bを有し、両導通片73a、73bによって対象物を挟持する汎用の接続クリップ72を外部端子として使用することもできる。この場合、一方の導通片73bを外部接続部117内に挿入し、両導通片73a、73bによって内側部材110と外側部材130を径方向に挟むことにより、接続器具100及び接続クリップ72を介して端子ネジ23aと試験装置とを導通させることが可能である。
更に、図7(c)には、リード線74の先端部に固着された丸孔の圧着端子75(外部端子)を導通させる例を示している。本例の場合、外部接続部117のネジ山117bに導体からなる寸切ボルト76の一端部76aを螺着し、端子挿入口117aから露出した他端部76bに螺着した2つのナットN、Nによって圧着端子75を挟圧保持することにより、接続器具100及び圧着端子75を介して端子ネジ23aと試験装置とを導通させることが可能である。
【0025】
<まとめ>
以上、本実施形態によれば、カバー部材40の面に沿って働く反力(図6(b)中矢印D2方向)を利用して貫通孔41からの接続器具100の離脱を阻止し、カバー部材40の面に略垂直な方向に働く反力(図6(b)中矢印C2方向)を利用して接続器具100を端子ネジ23aに押圧するので、導通子113を端子ネジ23aに接続した状態に維持することができる。
【0026】
本例において、接続器具100の横断面形状は円形であるが、カバー部材40の貫通孔41に挿通可能、且つ変形により係止可能であれば、接続器具100の横断面形状を楕円形、多角形、或いはその他の形状としてもよい。
なお、本実施形態において、外側部材130を内側部材110に対して軸方向に相対移動させることにより外側部材130の外径を拡縮させるように構成したが、外側部材130を内側部材110に対して周方向に相対移動させることにより外側部材130の外径を拡縮させるように構成してもよい。
本実施形態において内側部材110は、軸方向一端から他端に向かって外径が漸増するテーパー部115を備える構成としたが、テーパー部は、外径を軸方向他端に向けて漸減させた形状としてもよい。この場合、外側部材130の被押圧部131の形状は、テーパー部115に対応させて、内径が軸方向一端から他端に向かって漸増する形状とする。
また、本実施形態においては、外側部材にスリット133を設けることにより、外側部材130の外径が拡縮するように構成したが、スリットの代わりに径方向に伸縮する弾性部又はヒダ部を設けることにより、外側部材130の外径を拡縮できるように構成してもよい。
【0027】
〔第二の実施形態〕
本発明の第二の実施形態に係る接続器具について説明する。図8は、第二の実施形態に係る接続器具を示す図であり、(a)は正面図であり、(b)は縦断面図であり、(c)は(b)のF−F断面図である。図9は、接続器具の使用状態を示す横断面図であり、(a)は接続器具が貫通孔に対して初期姿勢にある状態を示し、(b)は接続器具が貫通孔に対して操作姿勢にある状態を示す図である。
本実施形態に係る接続器具200は、貫通孔41内で軸心を中心として回転させることにより、貫通孔41内を軸方向に相対移動可能な状態と相対移動不能な状態とを切り替える点に特徴がある。なお、第一の実施形態と同様の部材には同一の符号を付して適宜その説明を省略する。
【0028】
<接続器具>
接続器具200は、内側部材210と内側部材210の外周側に配置された弾性変形可能な外側部材220とを備える。
外側部材220の横断面形状(軸線と直交する断面の形状)は、軸心から外周面までの長さが周方向において変化する形状(真円以外の形状)である。図示する外側部材220は概略正六角筒状である。外側部材220の横断面にて示される外面の形状は、六角形以外の多角形状、楕円形状、或いは星形等であってもよい。外側部材220は内部に内側部材210を収容する中空部を有する。本例に示す外側部材220には六角柱状の中空部が形成されている。中空部は円柱状やその他の形状であってもよい。外側部材220は、ゴムやシリコンゴム等の弾性変形可能な材料から構成されており、外面を押圧されたときに押圧部位が凹状に変形すると共に押圧方向と反対の方向に反力を発生させる。
【0029】
内側部材210は、導通子113部分を除いて外側部材220の中空部内に収容されている。内側部材210の外形状は外側部材220の中空部に嵌合する形状であればよく、横断面にて示される内側部材210の外面形状は円形やその他の形状であってもよい。本例において内側部材210は外側部材220の中空部内に固定されているが、内側部材210は第一の実施形態と同様に外側部材220に対して軸方向に相対移動可能に構成されていてもよい。
【0030】
<端子台(カバー部材)>
カバー部材40は、外側部材220の横断面にて示される外形状に整合する形状の貫通孔41を備える。本例に示す貫通孔41は正六角形状である。
【0031】
<使用方法>
本実施形態に係る接続器具200の使用方法について図9に基づいて説明する。図9には、図8(b)のF−F断面に相当する横断面を示している。
接続器具200は貫通孔41に対して、外側部材220の外周面の各角部が貫通孔41の各角部と対応する位置にある初期姿勢(図9(a))と、外側部材220の外周面の各角部が貫通孔41の各辺部と対応する位置にある操作姿勢(図9(b))をとる。
【0032】
図9(a)に示すように、接続器具200は、貫通孔41に対して初期姿勢にあるとき、貫通孔41内を軸方向に(図中紙面に垂直な方向に)相対移動可能である。
一方、図9(b)に示すように、初期姿勢にある接続器具200を、その軸心を中心として回転させて、外側部材220の各角部と貫通孔41の各辺とが対向した操作姿勢に変位させると、外側部材220は初期姿勢に戻ろうとする矢印D1方向(外径方向)への力を発生させる。しかし、外側部材220の各角部は貫通孔41の各辺によって矢印D2方向(内径方向)に押圧されることにより、外側部材220は内径方向に弾性的に圧縮変形する。また、外側部材220は貫通孔41から径方向に圧縮力を受けることによって、貫通孔41に対する軸方向への相対移動が禁止される。
従って、導通子113を端子ネジ23(図1図2)に電気的に接続させた状態にて、接続器具200を初期姿勢から操作姿勢に変位させることで、接続器具200が貫通孔41に係止されるので、導通子113と端子ネジ23とを電気的に接続した状態に維持できる。仮に、内側部材210が外側部材220に対して軸線方向に相対移動可能に構成されている場合、内側部材210は外側部材220から内径方向に押圧されるので、内側部材210の外側部材220に対する軸方向への相対移動を阻止することができる。
接続器具200を図9(b)に示す操作姿勢から、軸心を中心として図9(a)に示す初期姿勢に再度回転変位させれば、接続器具200は貫通孔41から取り出せるようになる。
【0033】
以上のように、貫通孔41に対する接続器具200の姿勢を初期姿勢と操作姿勢との間で変位させることによって、接続器具200が貫通孔41に対して相対移動できる状態と、接続器具200が貫通孔41によって係止されて相対移動が禁止される状態とを切り替えることができる。また、接続器具200を操作姿勢に変位させて貫通孔41に係止させたときには、導通子113が端子ネジ23に導通した状態を維持することができる。
【0034】
〔第三の実施形態〕
本発明の第三の実施形態に係る接続器具について説明する。図10は、第三の実施形態に係る接続器具を示す図であり、(a)は斜視図であり、(b)は縦断面図であり、(c)は(b)のG−G断面図である。図11は、接続器具の使用状態を示す横断面図であり、(a)は接続器具が貫通孔に対して初期姿勢にある状態を示し、(b)は接続器具が貫通孔に対して操作姿勢にある状態を示す図である。なお、図11には図10(b)のG−G断面に相当する横断面を示しているが、接続器具内部の描画を省略している。
本実施形態に係る接続器具300は軸方向の中間部に小径部323を有しており、小径部323が貫通孔41に対応する軸方向位置となったとき、即ち小径部323の外周面と貫通孔41の内周面とが対向したときに接続器具300を初期姿勢から操作姿勢に変位させることができ、操作姿勢においては貫通孔41からの離脱が阻止される点に特徴がある。なお、第一の実施形態と同様の部材には同一の符号を付して適宜その説明を省略する。
【0035】
<接続器具>
接続器具300は、導体からなる内側部材310と、絶縁体から構成されると共に内側部材310を収容する中空部を有した概略筒状の外側部材320とを備える。
内側部材310は、軸方向一端部に配置されて導通子113を備える端子導通部材311と、軸方向他端部に配置されて外部接続部117を備える外部導通部材313と、端子導通部材311を外部導通部材313に対して軸方向に進退可能、且つ外部導通部材313から離間させる方向(端子導通部材311を突出させる方向)に弾性付勢する弾性付勢部材315とを備える。端子導通部材311は、外部導通部材313から離間した初期位置と、弾性付勢部材315の弾性付勢力に抗して外部導通部材313に近接した操作位置との間で進退する。本例に示す端子導通部材311は軸方向一端部にフランジ状の導通子113を有する概略円柱状であるが、端子導通部材311は外径が軸方向に一定の円柱状としてもよい。外部導通部材313は概略有底円筒状である。
【0036】
外側部材320は、軸方向に貫通した筒状であり、内部に内側部材310を収容する中空部を有する。外側部材320の中空部は、軸方向他端部において内側部材310の外部導通部材313を固定的に保持し、軸方向一端部において内側部材310の端子導通部材311を軸方向に進退可能に保持する。
外側部材320の外形状について説明する。外側部材320は、軸方向一端部に配置された大径部321と、大径部321の軸方向他端側に段差を有して連接されて大径部321よりも小径の小径部323と、軸方向他端部に配置されて外径方向に突出した鍔部123と、を備える。大径部321の横断面形状は、軸心から外周面までの長さが周方向において変化する(一定ではない)形状、本例においては楕円形状であり、小径部323の横断面形状は円形状である。本例においては、小径部323が外側部材320の軸方向の中間部に溝状に形成されており、小径部323の軸方向他端側には大径部321と同形状の第二大径部325が段差を有して形成されている。なお、大径部321の横断面形状は、多角形状や星形等であってもよい。
【0037】
<カバー部材>
カバー部材40の貫通孔41は、外側部材320の大径部321の外形状(横断面形状)と整合する内形状を有している。本例には楕円形状の貫通孔を示しているが、貫通孔41は大径部321の形状に応じて多角形状や星形等、その他の形状であってもよい。また、カバー部材40には貫通孔41の代わりに切り欠きを形成してもよい。
【0038】
<接続器具とカバー部材との関係>
図11(a)に示すように、接続器具300が貫通孔41に対して初期姿勢にあるとき、即ち、接続器具300の大径部321がカバー部材40の貫通孔41と整合する姿勢にあるとき、大径部321と小径部323は貫通孔41内を軸方向(図中紙面に垂直な方向)に相対的に進退可能である。
図11(b)に示すように、小径部323が貫通孔41と対向する軸方向位置にあるとき、初期姿勢にある接続器具300を、その軸心を中心として貫通孔41に対して自在に相対回転させることができる。大径部321が貫通孔41と整合しない姿勢(操作姿勢)に変位したとき、大径部321の軸方向他端面がカバー部材40の表面に当接し、大径部321は貫通孔41により軸方向移動を規制される。
【0039】
<使用手順>
接続器具の使用手順について説明する。図12(a)〜(c)は、本発明の第三の実施形態に係る接続器具の使用状態を説明する一部断面正面図である。図12の各図は、図2と同様に一対の端子区画を図1中矢印A方向から観察した様子を示している。
図12(a)は、接続器具300を貫通孔41に対して初期姿勢とした状態で、貫通孔41内に挿入した様子を示している。大径部321は貫通孔41と整合する形状を有しており、外側部材320は貫通孔41に対して軸方向に相対移動可能である。このとき、端子導通部材311は初期位置にある。
図12(b)は、小径部323と貫通孔41とが対向する軸方向位置まで接続器具300を貫通孔41内に挿入した様子を示している。導通子113が端子ネジ23aに接触することで、端子導通部材311は初期位置から、弾性付勢部材315(図10(b))の弾性付勢力に抗して操作位置に変位する。
図12(c)は、図12(b)に示す軸方向位置にある接続器具300を軸心回りに回転させて操作姿勢とした様子を示している。このとき、大径部321は貫通孔41によって軸方向移動を規制される。また、接続器具300は、弾性付勢部材315(図10(b))の弾性付勢力により、カバー部材40を端子ネジ23aから離間させる矢印C1方向の力を発生させるが、カバー部材40からその弾性による矢印C2方向の反力を受ける。その結果、弾性付勢部材315は導通子113を端子ネジ23aに対して押圧し、導通子113が端子ネジ23aに電気的、機械的に固定された状態に維持される。また、本実施形態においても矢印C1方向の力が発生することから、第一の実施形態と同様に、爪部43は係止凹所33に深く噛み込んで(矢印E方向)、カバー部材40の端子台10からの離脱が効果的に阻止される。
接続器具300を取り外すには、接続器具300を軸線回りに回転させて操作姿勢から初期姿勢に変位させて軸方向に移動させればよい。
【0040】
<まとめ>
以上のように、貫通孔41に対する接続器具300の姿勢を初期姿勢と操作姿勢との間で変位させることによって、貫通孔41内で軸方向移動が可能な状態と軸方向移動が規制される状態とを切り替えることができる。また、接続器具300を操作姿勢に変位させて貫通孔41に係止させた場合には、弾性付勢部材315の弾性付勢力によって導通子113が端子ネジ23に導通した状態を維持することができる。
なお、本実施形態においては、小径部323を外側部材320の外周面に環状の溝として形成したが、小径部は外側部材の外周面に螺旋状に形成したネジ溝であってもよい。この場合、接続器具を軸線回りに回転させることによって、貫通孔41に対して螺着することが可能となり、また任意の軸方向位置において固定することが可能となる。
本実施形態においては、導通子113を突出させる方向に弾性付勢する弾性付勢部材315を設けたが、第一及び第二の実施形態に係る接続器具にこのような弾性付勢部材315を設けてもよい。
【0041】
〔本発明の実施態様例と作用、効果のまとめ〕
<第一の実施態様>
本態様は、ベース面21aに複数の端子(端子ネジ23)を備えた端子台本体20と、ベース面を覆った状態で各端子と一対一で対応する貫通部(貫通孔41)を有したカバー部材40と、を備えた端子台10に対して、外部から貫通部に挿入されることにより各端子と電気的に接続される接続器具100である。
接続器具100は、軸方向一端部に配置されて端子と一対一で電気的に接続される導体からなる導通子113と、軸方向他端側に配置されて導通子と電気的に接続されると共に外部端子(バナナプラグ71、導通片73a、寸切ボルト76)が接続される導体からなる外部接続部117と、を有する内側部材110と、内側部材の外面に対して相対移動可能に組み付けられた外側部材130と、を備え、外側部材が初期姿勢にあるときに外側部材は貫通部に対して相対移動可能であり、且つ内側部材は外側部材に対して相対移動可能であり(図3図6(a))、外側部材が初期姿勢から操作姿勢に変位したときに、外側部材は貫通部と内側部材により係止され、導通子が端子と接続した状態に維持される(図4図6(b))ことを特徴とする。
本態様によれば、カバー部材から受ける反力を利用して、端子台の各端子に導体を接続した状態に維持することができる。
【0042】
<第二の実施態様>
接続器具100において、内側部材110は、軸方向一端部に配置されて軸方向他端側に向けて外径が漸増又は漸減するテーパー部115を備え、且つ外側部材130に対して軸方向に進退可能に保持されており、外側部材は、軸方向一端部内面に、テーパー部によって押圧される被押圧部131を備えており、外側部材は、内側部材が外側部材に対して初期位置にあるときに外径が縮径した初期姿勢をとり(図3)、内側部材が外側部材に対して初期位置から操作位置に移動するとテーパー部が被押圧部を押圧して、外側部材は外径が拡径した操作姿勢をとる(図4)ことを特徴とする。
外側部材が貫通部内で外径が拡径した操作姿勢となったとき、接続器具は貫通部を外径方向に押圧し、貫通部は接続器具を内径方向に圧縮させる反力を発生させる。その結果、外側部材は貫通部との間に働く摩擦力により貫通部内での移動を禁止され、内側部材は外側部材との間に働く摩擦力により操作位置に維持される。
従って本態様によれば、カバー部材から受ける反力を利用して、端子台の各端子に導体を接続した状態に維持することができる。
【0043】
<第三の実施態様>
本態様は、ベース面21aに複数の端子(端子ネジ23)を備えた端子台本体20と、ベース面を覆った状態で各端子と一対一で対応する貫通部(貫通孔41)を有したカバー部材40と、を備えた端子台10に対して、外部から貫通部に挿入されることにより各端子と電気的に接続される接続器具200である。
接続器具200は、軸方向一端部に配置されて端子と一対一で電気的に接続される導体からなる導通子113と、軸方向他端側に配置されて導通子と電気的に接続されると共に外部端子(バナナプラグ71、導通片73a、寸切ボルト76)が接続される導体からなる外部接続部117と、を有する内側部材210と、内側部材の外周側に配置された弾性変形可能な外側部材220と、を備え、外側部材の横断面形状は、軸心から外周面までの長さが周方向において変化する形状であり、貫通部は外側部材の横断面形状に整合する形状であり、外側部材が貫通部に対して初期姿勢にあるときに外側部材は貫通部内を軸方向に相対移動可能であり(図9(a))、導通子が端子と電気的に接続した状態で、外側部材が貫通部に対して初期姿勢から軸心を中心として回転して操作姿勢に変位したときに、外側部材は貫通部により係止される(図9(b))ことを特徴とする。
【0044】
外側部材と貫通部は、楕円形状や多角形状などの真円ではない形状である。外側部材が貫通部に対して、横断面形状が貫通部の形状に整合しない操作姿勢となったとき、外側部材は貫通部の端縁から内径方向に圧縮する力を受けて弾性変形する。
従って本態様によれば、カバー部材から受ける反力を利用して、端子台の各端子に導体を接続した状態に維持することができる。
【0045】
<第四の実施態様>
本態様は、ベース面21aに複数の端子(端子ネジ23)を備えた端子台本体20と、ベース面を覆った状態で各端子と一対一で対応する貫通部(貫通孔41)を有したカバー部材40と、を備えた端子台10に対して、外部から貫通部に挿入されることにより各端子と電気的に接続される接続器具300である。
接続器具300は、軸方向一端部に配置されて端子と一対一で電気的に接続される導体からなる導通子113と、軸方向他端側に配置されて導通子と電気的に接続されると共に外部端子(バナナプラグ71、導通片73a、寸切ボルト76)が接続される導体からなる外部接続部117と、導通子を軸方向に進退可能に支持すると共に導通子を突出させる方向に弾性付勢する弾性付勢部材315と、を有する内側部材310と、内側部材を収容する中空部を有した筒状の外側部材320と、を備え、外側部材は、軸心から外周面までの長さが周方向において変化する大径部321と、大径部よりも軸方向他端側に配置されて大径部よりも小径の小径部323と、を備え、貫通部は、大径部の横断面形状に整合する形状を有しており、外側部材が貫通部に対して初期姿勢にあるときに、外側部材は貫通部内を軸方向に相対移動可能であり(図12(a))、小径部が貫通部と対向する位置にあるときに、外側部材が貫通部に対して初期姿勢から軸心を中心として回転して操作姿勢に変位すると大径部は貫通部により軸方向移動を規制され、弾性付勢部材は導通子を端子に対して押圧する(図12(c))ことを特徴とする。
【0046】
外側部材が貫通部内で操作姿勢に変位すると、外側部材は貫通部により軸方向移動を規制されるため、カバー部材は弾性付勢部材により端子から離間する方向の弾性付勢力を受ける。一方で、カバー部材は弾性付勢力に対する反力を発生させる。その結果、導通子は、端子に対して押圧される。
従って本態様によれば、カバー部材から受ける反力を利用して、端子台の各端子に導体を接続した状態に維持することができる。
【符号の説明】
【0047】
10…端子台、20…端子台本体、21…ベース、21a…ベース面、23、23a、23b…端子ネジ、25…仕切板、27…端子区画、29…導通板、31…隔離壁、33…係止凹所、40…カバー部材、41…貫通孔、43…爪部、50…絶縁キャップ、51…軸部、53…頭部、60a、60b…ケーブル、71…バナナプラグ、72…接続クリップ、73a、73b…導通片、74…リード線、75…圧着端子、76…寸切ボルト、76a…一端部、76b…他端部、100…接続器具、110…内側部材、111…導体部、113…導通子、113a…接触面、113b…軸方向他端面、115…テーパー部、117…外部接続部、117a…端子挿入口、117b…ネジ山、121…操作部、123…鍔部、130…外側部材、131…被押圧部、133…スリット、135…鍔部、200…接続器具、210…内側部材、220…外側部材、300…接続器具、310…内側部材、311…端子導通部材、313…外部導通部材、315…弾性付勢部材、320…外側部材、321…大径部、323…小径部、325…第二大径部
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図12