特開2018-206741(P2018-206741A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 三菱電機株式会社の特許一覧
特開2018-206741点灯制御装置、照明器具、照明システム
<>
  • 特開2018206741-点灯制御装置、照明器具、照明システム 図000003
  • 特開2018206741-点灯制御装置、照明器具、照明システム 図000004
  • 特開2018206741-点灯制御装置、照明器具、照明システム 図000005
  • 特開2018206741-点灯制御装置、照明器具、照明システム 図000006
  • 特開2018206741-点灯制御装置、照明器具、照明システム 図000007
  • 特開2018206741-点灯制御装置、照明器具、照明システム 図000008
  • 特開2018206741-点灯制御装置、照明器具、照明システム 図000009
  • 特開2018206741-点灯制御装置、照明器具、照明システム 図000010
  • 特開2018206741-点灯制御装置、照明器具、照明システム 図000011
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-206741(P2018-206741A)
(43)【公開日】2018年12月27日
(54)【発明の名称】点灯制御装置、照明器具、照明システム
(51)【国際特許分類】
   H05B 37/02 20060101AFI20181130BHJP
【FI】
   H05B37/02 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2017-114608(P2017-114608)
(22)【出願日】2017年6月9日
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】390014546
【氏名又は名称】三菱電機照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100082175
【弁理士】
【氏名又は名称】高田 守
(74)【代理人】
【識別番号】100106150
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100148057
【弁理士】
【氏名又は名称】久野 淑己
(72)【発明者】
【氏名】河副 隼
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼橋 弥生
【テーマコード(参考)】
3K273
【Fターム(参考)】
3K273PA01
3K273QA24
3K273QA28
3K273QA37
3K273RA16
3K273SA08
3K273SA09
3K273SA10
3K273SA35
3K273SA60
3K273TA09
3K273TA17
3K273TA22
3K273TA28
3K273TA52
3K273TA54
3K273TA62
3K273TA63
3K273TA66
3K273TA77
3K273UA12
3K273UA14
3K273UA15
3K273UA17
3K273UA27
3K273VA06
3K273VA07
(57)【要約】
【課題】本発明は、照明器具の消費電力を算出することができ、しかも低価格化に好適な点灯制御装置、照明器具および照明システムを提供することを目的とする。
【解決手段】光源を点灯させる負荷回路と、該負荷回路を制御する制御回路と、該光源に流れる電流を検出する電流検出回路と、該光源に印加される電圧を検出する電圧検出回路と、外部と通信する通信端子部と、を備え、該制御回路は、該電流検出回路で検出した電流と該電圧検出回路で検出した電圧とから演算した負荷電力と、該制御回路が記憶している機種情報と、を外部からの信号に応じて該通信端子部から出力することを特徴とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源を点灯させる負荷回路と、
前記負荷回路を制御する制御回路と、
前記光源に流れる電流を検出する電流検出回路と、
前記光源に印加される電圧を検出する電圧検出回路と、
外部と通信する通信端子部と、を備え、
前記制御回路は、前記電流検出回路で検出した電流と、前記電圧検出回路で検出した電圧とから演算した負荷電力と、前記制御回路が記憶している機種情報と、を外部からの信号に応じて前記通信端子部から出力することを特徴とする点灯制御装置。
【請求項2】
前記機種情報は、前記点灯制御装置の電気特性仕様を特定できる形名又は型番であることを特徴とする請求項1に記載の点灯制御装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の点灯制御装置と、
前記点灯制御装置に接続された光源と、を備えたことを特徴とする照明器具。
【請求項4】
点灯制御装置と、前記点灯制御装置に接続された光源と、を有する照明器具と、
前記点灯制御装置を制御する指令装置と、
ユーザからの指令により前記指令装置と通信する指令部と、を備え、
前記点灯制御装置は、前記指令装置の要求に応じて、前記光源の負荷電力と、前記点灯制御装置の機種情報を前記指令装置に通知し、
前記指令装置又は前記指令部は、前記光源の負荷電力と、前記機種情報に応じた補正値とから前記点灯制御装置の消費電力を算出することを特徴とする照明システム。
【請求項5】
前記指令装置又は前記指令部は、前記点灯制御装置の機種情報、前記点灯制御装置に接続される電源の電圧、および調光率から、効率を導出する効率テーブルを記憶した記憶部を備え、
前記指令装置又は前記指令部は、前記効率テーブルにより効率を特定し、前記効率を前記補正値として用いることを特徴とする請求項4に記載の照明システム。
【請求項6】
前記指令装置又は前記指令部は、前記点灯制御装置の機種情報、前記点灯制御装置に接続される電源の電圧、および調光率から、損失電力を導出する損失電力テーブルを記憶した記憶部を備え、
前記指令装置又は前記指令部は、前記損失電力テーブルにより損失電力を特定し、前記損失電力を前記補正値として用いることを特徴とする請求項4に記載の照明システム。
【請求項7】
前記機種情報は前記点灯制御装置に記憶されており、前記指令装置は初期通信時に前記点灯制御装置から前記機種情報を取得することを特徴とする請求項4〜6のいずれか1項に記載の照明システム。
【請求項8】
前記指令部はユーザからの指令により前記指令装置に消費電力を要求し、
前記指令装置は、前記指令部から消費電力の要求を受けると、前記点灯制御装置に前記光源の負荷電力を要求し、
前記点灯制御装置は、前記指令装置から前記光源の負荷電力の要求を受けると、前記指令装置に負荷電力を通知し、
前記指令装置は、前記光源の負荷電力と、前記補正値とから前記点灯制御装置の消費電力を算出し、ユーザに通知することを特徴とする請求項4〜7のいずれか1項に記載の照明システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、点灯制御装置、照明器具および照明システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、光源負荷の特性にバラつきがあり、且つ光源負荷の周囲温度に変化があっても十分な精度で入力電力を求めることのできる点灯装置及びそれを用いた照明器具、並びに照明システムが開示されている。具体的には、制御部は、光源負荷に供給する電力の大きさを決定する電力設定値、及び電流検出抵抗で検出した電流検出値を用いて光源負荷に流れる負荷電流が一定値となるように電力変換部の動作を制御し、負荷電力演算部は、電力設定値と電圧検出部で検出した電圧検出値とを用いて光源負荷の負荷電力を求め、入力電力推定部は、求めた負荷電力に対して回路損失を補正して入力電力を推定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014−026737号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示の技術は、光源を点灯させる点灯装置に消費電力を推定する入力電力推定部を設けるものである。特許文献1に開示の技術では、入力電力推定部を点灯装置に設け、入力電力推定部で消費電力を推定するので、点灯装置での処理が複雑になる。また、点灯装置で消費電力を推定する場合、CPU等の記憶媒体の容量を増大させる必要があるため、点灯装置として汎用部品を使用できない。そのため、点灯装置のコストが増大してしまう。
【0005】
一般に、照明システムは複数台の照明器具を備える。つまり、照明システムには複数の点灯装置がある。そのような照明システムにおいて、特許文献1に開示の高価な点灯装置を用いると、照明システムの導入コストが増大してしまう。
【0006】
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、照明器具の消費電力を算出することができ、しかも低価格化に好適な点灯制御装置、照明器具および照明システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願の発明に係る点灯制御装置は、光源を点灯させる負荷回路と、該負荷回路を制御する制御回路と、該光源に流れる電流を検出する電流検出回路と、該光源に印加される電圧を検出する電圧検出回路と、外部と通信する通信端子部と、を備え、該制御回路は、該電流検出回路で検出した電流と、該電圧検出回路で検出した電圧とから演算した負荷電力と、該制御回路が記憶している機種情報と、を外部からの信号に応じて該通信端子部から出力することを特徴とする。
【0008】
本願の発明に係る照明器具は、点灯制御装置と、該点灯制御装置に接続された光源と、を備える。該点灯制御装置は、該光源を点灯させる負荷回路と、該負荷回路を制御する制御回路と、該光源に流れる電流を検出する電流検出回路と、該光源に印加される電圧を検出する電圧検出回路と、外部と通信する通信端子部と、を備え、該制御回路は、該電流検出回路で検出した電流と、該電圧検出回路で検出した電圧とから演算した負荷電力と、該制御回路が記憶している機種情報と、を外部からの信号に応じて該通信端子部から出力することを特徴とする。
【0009】
本願の発明に係る照明システムは、点灯制御装置と、該点灯制御装置に接続された光源と、を有する照明器具と、該点灯制御装置を制御する指令装置と、ユーザからの指令により該指令装置と通信する指令部と、を備え、該点灯制御装置は、該指令装置の要求に応じて、該光源の負荷電力と、該点灯制御装置の機種情報を該指令装置に通知し、該指令装置又は該指令部は、該光源の負荷電力と、該機種情報に応じた補正値とから該点灯制御装置の消費電力を算出する。
【0010】
本発明のその他の特徴は以下に明らかにする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、負荷電力と、機種情報に応じた補正値とを利用して照明器具の消費電力を正確に算出できる。また、指令装置または指令部で消費電力を算出するので、点灯制御装置で消費電力を算出する場合と比べて低価格化に適した点灯制御装置、照明器具および照明システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】実施の形態1に係る点灯制御装置のブロック図である。
図2】照明器具の斜視図である。
図3】光源ユニットの斜視図である。
図4】照明システムの構成図である。
図5】照明システムの通信シーケンスを示す図である。
図6】効率テーブルを示す図である。
図7】ハードウェアで実現された制御回路の構成図である。
図8】ソフトウェアで実現された制御回路の構成図である。
図9】損失電力テーブルを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の実施の形態に係る点灯制御装置、照明器具および照明システムについて図面を参照して説明する。同じ又は対応する構成要素には同じ符号を付し、説明の繰り返しを省略する場合がある。
【0014】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る点灯制御装置10等のブロック図である。点灯制御装置10には光源3が接続されている。点灯制御装置10は、負荷回路1、電圧検出回路2、電流検出回路4、制御回路5および通信端子部6を備えている。負荷回路1は、光源3を点灯させる回路である。負荷回路1は、たとえば周知の力率改善回路とDCDCコンバータ(直流(Direct current)−直流コンバータ)回路とを有する。交流電力を直流電力に変換する周知の回路を負荷回路1とすることができる。
【0015】
電圧検出回路2は光源3に印加される電圧を検出する回路である。電圧検出回路2は、たとえば直列接続された2つの抵抗素子で光源3に印加される電圧を分圧する分圧回路である。電流検出回路4は光源3に流れる電流を検出する回路である。電流検出回路4は、たとえば光源3の低電圧側に接続された抵抗素子である。
【0016】
制御回路5は負荷回路1を制御する回路である。制御回路5は、情報を書き込み、記憶させることが可能な回路であり、その情報を抽出することで予め定められた処理を実行する。制御回路5は例えばマイコンで構成することができる。点灯制御装置10の生産工程において、その点灯制御装置10の機種情報を制御回路5の記憶装置に記憶させる。機種情報とは、点灯制御装置10の電気特性仕様を特定できる形名又は型番である。機種情報は点灯制御装置10のなかに記憶されていればよく、必ずしも制御回路5に記憶させる必要はない。
【0017】
制御回路5は電流検出回路4と電圧検出回路2に接続されている。制御回路5は電流検出回路4で検出した電流と、電圧検出回路2で検出した電圧とから、点灯制御装置10が点灯させている光源3の負荷電力を算出することが可能である。
【0018】
通信端子部6は、制御回路5と直接接続されており外部と通信する部分である。通信端子部6は、双方向の通信を行う部分であり、例えばUART(Universal Asynchronous Receiver/Transmitter)方式で制御信号を送受信する端子を含む。前述の制御回路5は、算出した負荷電力と、制御回路5が記憶している機種情報と、を外部からの信号に応じて通信端子部6から出力する。
【0019】
図2は、照明器具9の斜視図である。照明器具9は、光源ユニット13と、光源ユニット13を天井に保持するために天井に固定された器具本体12と、を備えている。光源ユニット13が器具本体12に固定されることで、光源ユニット13が天井に保持される。
【0020】
図3は、光源ユニット13の斜視図である。光源ユニット13は、点灯制御装置10と、光源3と、制御ユニット14を備えている。制御ユニット14は、調光コントローラ等からの信号を点灯制御装置10を制御する信号に変換する。制御ユニット14は、点灯制御装置10の通信端子部6と接続され、点灯制御装置10に対して例えばUART方式の制御信号のように双方向の通信を行う。制御ユニット14は、調光コントローラ等の信号が点灯制御装置10を直接制御出来ない場合に使用される。例えば、制御ユニット14は無線モジュールである。制御ユニット14は調光コントローラ等と無線通信を行い、調光コントローラ等からの指令を制御ユニット14が点灯制御装置10を制御する信号に変換することで、光源3を制御する。
【0021】
図4は、実施の形態1に係る照明システム20の構成図である。照明システム20は、指令部7、指令装置8および複数の照明器具9を備えている。指令部7は、ユーザからの指令により指令装置8と通信する部分である。より詳しく言えば、指令部7は、ユーザが指令装置8に直接指令を送受信するためのPC又はリモコン等からなる指令手段である。
【0022】
指令装置8は、複数の照明器具9の点灯制御装置10を制御する装置である。より詳しく言えば、指令装置8は照明器具9の調光等を制御する調光コントローラである。複数の照明器具9はすべて図2の照明器具9と同じものである。照明システム20は、指令部7と指令装置8の間で無線通信を行い、指令装置8と複数の照明器具9の間で無線通信を行うものである。すべての無線通信を有線通信におきかえてもよい。
【0023】
照明システム20が、照明器具9の正確な消費電力をユーザに通知するシーケンスの概要を説明する。まず、指令部7が指令装置8を介して複数の照明器具9に対し機種情報を要求する。すなわち、複数の照明器具9は機種情報の応答指令を受ける。複数の照明器具9は、この応答指令を受けると、点灯制御装置10から制御ユニット14を介して指令装置8へ機種情報を送信する。機種情報の送信は応答指令を受けたすべての照明器具9が個別に行う。つまり、すべての照明器具9が指令装置8に機種情報を送信する。
【0024】
その後、消費電力をユーザに知らせる処理が行われる。まず、ユーザが指令部7を操作することで、指令装置8に対し照明器具9の消費電力を要求する。この要求は、指令部7から指令装置8に送信され、指令装置8が複数の照明器具9に送信する。複数の照明器具9がこの指令を受けると、点灯制御装置10が制御ユニット14を介して指令装置8へ負荷電力を送信する。負荷電力とは、光源3で消費されている電力である。指令装置8又は指令部7は、光源3の負荷電力と、その光源3を制御する点灯制御装置10の機種情報に応じた補正値とから点灯制御装置10の消費電力を算出する。算出された消費電力がユーザに通知される。点灯制御装置10の消費電力とは、光源3を発光させるために消費する電力のことである。点灯制御装置10の消費電力と照明器具9の消費電力とは同じ意味である。
【0025】
このように、指令装置8又は指令部7において、負荷電力と補正値から消費電力を算出する。このシーケンスについて図5を参照しつつより詳しく説明する。図5は、実施の形態1に係る照明システム20の通信シーケンスを示す図である。
【0026】
一般的な照明システムでは、初期設定時に、指令装置8とその制御対象となる照明器具9を紐付しグループ設定を行う。つまり、指令装置8によって、指令装置8の制御対象となる個々の照明器具9を認識できるようにする。その手段については様々な方法がある。一般的な方法としては、指令装置8が複数の照明器具9の固有アドレスを吸い上げ、ユーザが指令部7を操作して指令装置8によって制御する照明器具9を選定する。これにより、指令装置8と、その指令装置8によって制御される複数の照明器具9が確定する。この作業はグループ設定と呼ばれる。
【0027】
実施の形態1に係る照明システム20では、このグループ設定の初期通信時に、指令部7が指令装置8に対して照明器具9の固有アドレスと機種情報を要求する。この要求は図5における信号TAで表される。信号TAを受けた指令装置8は、複数の照明器具9に対し固有アドレスと機種情報を要求する。この要求は信号TBで表されている。信号TBは複数の照明器具9に送信される。
【0028】
信号TBを受けた複数の照明器具9は、固有アドレスと機種情報とを応答する。信号TCは、照明器具9が指令装置8に固有アドレスと機種情報を送信することを示す。信号TBを受けたすべての照明器具9が個別に信号TCを出す。固有アドレスと機種情報を予め点灯制御装置10に記憶させておき、それを読み出すことで信号TCを生成することができる。たとえば点灯制御装置10の制御回路5に予め固有アドレスと機種情報を記憶させておき、制御回路5からその固有アドレスと機種情報を送信する。
【0029】
信号TCを受けた指令装置8は、複数の照明器具9の固有アドレスと機種情報を信号TDとして指令部7に対して送信する。以上の通信により、指令装置8と指令部7は、初期通信時に、指令装置8が制御する複数の照明器具9の機種情報を把握することができる。この初期通信により、ユーザからの消費電力の求めに応じる準備が整う。
【0030】
ユーザが照明器具9の消費電力をモニタする場合、ユーザからの指令により指令部7は指令装置8に消費電力を要求する。この要求は図5の信号TEで表されている。指令装置8は、指令部7から消費電力の要求を受けると、照明器具9の点灯制御装置10に光源3の負荷電力を要求する。この要求は図5の信号TFで表されている。
【0031】
照明器具9は、信号TFを受信した直後の負荷電力を算出する。具体的には、制御回路5が指令装置8から光源3の負荷電力の要求を受けると、制御回路5は、電流検出回路4で検出した電流と、電圧検出回路2で検出した電圧とから、点灯制御装置10が点灯させている光源3の負荷電力を算出する。その後、制御回路5は、算出した負荷電力の値を通信端子部6を介して指令装置8に通知する。この通知は図5の信号TGで表されている。
【0032】
信号TGを受けた指令装置8は、光源3の負荷電力と、補正値とから点灯制御装置10の消費電力を算出する。補正値とは、消費電力の算出に必要であり、しかも機種情報によって変化する値である。実施の形態1における補正値は、照明器具9の効率である。効率とは、負荷電力と消費された電力との比率である。指令装置8は、既に得られた機種情報により、対象となる照明器具9の効率を求める。効率を求める際には、効率を導出する効率テーブルを用いる。効率テーブルは指令装置8の記憶部に予め記憶しておくことが好ましい。
【0033】
図6は、効率テーブルを示す図である。効率テーブルは効率を導出するためのテーブルである。効率テーブルは、点灯制御装置10の機種情報、点灯制御装置10に接続される電源の電圧、および調光率から、効率を導出することができるテーブルである。指令装置8は照明器具9の制御主体なので、電源電圧と調光率の情報を予め有している。指令装置8は、初期通信時に取得した機種情報、並びに、予め有している電源電圧の情報と調光率の情報から、効率テーブルを参照して、照明器具9の機種に応じた効率を導出する。そして、指令装置8は、負荷電力と、導出した効率とから消費電力を算出する。
【0034】
点灯制御装置10が消費する消費電力は次式で求められる。
Win=Wout/α
ここで、Winは消費電力であり、Woutは負荷電力であり、αは効率である。
例えば、機種がAであり、電源電圧が200Vであり、消費電力モニタ時の調光率が50%の場合、図6の効率テーブルから効率は87%であることが分かる。つまりαは87%である。この場合、負荷電力が17Wであれば、消費電力は、17W/87%=19.5Wとなる。この演算は、効率テーブルを記憶している機器である指令装置8で実施することが好ましい。指令装置8で算出した消費電力の情報が信号THとして指令部7に伝送される。指令部7の画面等に消費電力を表示してユーザに対して消費電力を通知する。消費電力を音声でユーザに通知してもよい。
【0035】
ユーザが消費電力の通知を求めた照明器具9について上述のシーケンスを進めることで、その照明器具の消費電力をユーザに通知する。したがって、ユーザが特定の1つの照明器具9の消費電力を求めた場合はその照明器具9について上述のシーケンスを進め、ユーザが複数の照明器具9の消費電力を求めた場合は当該複数の照明器具9について上述のシーケンスを進める。
【0036】
このように、指令装置8は、効率テーブルにより照明器具9の効率を特定し、その効率を補正値とする。そして、指令装置8において、受信した負荷電力と、補正値とから、消費電力を演算する。補正値として効率を用いたが、別のパラメータを用いてもよい。前述したとおり、補正値とは、消費電力の算出に必要であり、しかも機種情報によって変化する値である。機種情報を消費電力の算出に反映させることで消費電力を正確に求めることができる。
【0037】
指令装置8と照明器具9の初期通信時に指令装置8が点灯制御装置10から機種情報を取得することで、初期通信後の任意のタイミングでユーザの求めに応じた消費電力の算出が可能となる。
【0038】
ところで、指令装置8と指令部7は、製品の仕様上、CPUの記憶媒体の容量が多いものを使用することが一般的である。そのため、指令装置8と指令部7の記憶容量は照明器具9の記憶容量よりも大きいことが多い。したがって、効率テーブルを照明器具9に記憶させたり、消費電力の算出を照明器具9で実行させたりする構成とした場合、照明器具9の記憶容量を高めたり処理速度を向上させたりする必要が生じるので、照明器具9のコストアップになる。これに対し、指令装置8と指令部7は記憶容量が大きく、処理速度も高いことが多いので、指令装置8又は指令部7に効率テーブルを保存したり、指令装置8又は指令部7で消費電力を算出したりしてもコストアップとならないことが多い。よって、効率テーブルは指令装置8か指令部7に保存し、消費電力の算出は指令装置8か指令部7で行うことが好ましい。
【0039】
上記の効果を得るためには、点灯制御装置10は、指令装置8の要求に応じて、光源3の負荷電力と、点灯制御装置10の機種情報を指令装置8に通知する必要がある。実施の形態1では点灯制御装置10の制御回路5がこの役割を担う。したがって制御回路5は、指令装置8の要求に応じて光源3の負荷電力と点灯制御装置10の機種情報を指令装置8に通知するための処理回路を備える。処理回路は、専用のハードウェアであっても、メモリに格納されるプログラムを実行するCPU(Central Processing Unit、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、プロセッサ、DSPともいう)であってもよい。
【0040】
処理回路が専用のハードウェアである場合、処理回路は例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC、FPGA、またはこれらを組み合わせたものが該当する。負荷電力の通知と機種情報の通知を別々の処理回路で実現してもよいし、これらの機能をまとめて処理回路で実現してもよい。
【0041】
処理回路がCPUの場合、負荷電力の通知機能と機種情報の通知機能は、ソフトウェア、ファームウェア、またはソフトウェアとファームウェアとの組み合わせにより実現される。ソフトウェアまたはファームウェアはプログラムとして記述され、メモリに格納される。処理回路はメモリに記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、各機能を実現する。すなわち、処理回路は、負荷電力の通知と機種情報の通知が結果的に実行されることになるプログラムを格納するためのメモリを備える。またこれらのプログラムは、負荷電力の通知と機種情報の通知をコンピュータに実行させるものであるともいえる。ここで、メモリとは、たとえばRAM、ROM、フラッシュメモリー、EPROM、EEPROM等の、不揮発性又は揮発性の半導体メモリ、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、DVD等が該当する。
【0042】
制御回路5の各機能について、一部を専用のハードウェアで実現し、一部をソフトウェアまたはファームウェアで実現するようにしてもよい。図7は、制御回路5をハードウェアで実現する場合の制御回路5の構成図である。図8は、制御回路5をソフトウェアで実現する場合の制御回路5の構成図である。なお、指令部7および指令装置8についても上述の処理回路の構成を採用することができる。
【0043】
実施の形態1における照明システム20は、指令装置8又は指令部7が予め記憶している効率テーブルから点灯制御装置10の機種情報に応じた補正値を取得し、照明器具9の外で、その補正値と負荷電力から消費電力を算出する。これにより、照明システム20は消費電力を正確に算出でき、しかも低価格化に好適なものとなっている。実施の形態1に係る点灯制御装置10、照明器具9および照明システム20はこの特徴を逸脱しない範囲において様々な変形が可能である。例えば、実施の形態1では、ユーザの求めに応じてユーザに消費電力を通知したが、ユーザの求めがなくても定期的に消費電力を通知したり、定期的に取得した消費電力を記憶装置に記憶させたりしてもよい。
【0044】
指令装置8において消費電力を算出せずに、指令部7において消費電力を算出してもよい。指令部7において消費電力を算出する場合、指令部7に効率テーブルを記憶した記憶部を設けることが好ましい。この場合、指令装置8は照明器具9が応答した負荷電力を信号THとしてそのまま指令部7に送信する。そして、指令部7は、機種情報を基に効率テーブルから補正値を求め、その補正値と負荷電力から消費電力を演算し、消費電力を画面等に表示する。
【0045】
実施の形態1に記載した変形例は以下の実施の形態に係る点灯制御装置、照明器具および照明システムにも応用することができる。なお、以下の実施の形態に係る点灯制御装置、照明器具および照明システムは実施の形態1との共通点が多いので実施の形態1との相違点を中心に説明する。
【0046】
実施の形態2.
実施の形態2に係る点灯制御装置、照明器具および照明システムは、補正値として損失を用いる点が実施の形態1と異なる。実施の形態2に係る指令装置8又は指令部7は、損失電力テーブルを記憶する記憶部を有している。損失電力テーブルは、点灯制御装置10の機種情報、点灯制御装置10に接続される電源の電圧、および調光率から、損失電力を導出するテーブルである。
【0047】
図9は、損失電力テーブルを示す図である。指令装置8は、点灯制御装置10の機種情報に合わせて、補正値として損失電力テーブルから損失電力を選定して、消費電力を算出する。具体的には、点灯制御装置10の消費電力は次式で求められる。
Win=Wout+β
ここで、Winは消費電力であり、Woutは負荷電力であり、βは損失電力である。例えば、機種A、電源電圧200V、消費電力モニタ時の調光率50%であれば、損失電力βは2.6Wであることが分かる。負荷電力が17Wの場合、消費電力は17W+2.6W=19.6Wになる。この演算は、損失電力テーブルを記憶している機器、すなわち指令装置8または指令部7で実施する。演算された消費電力はユーザに対して任意の方法で通知する。
【0048】
このように、実施の形態2に係る照明システムでは、損失電力テーブルにより機種情報に固有の損失電力を特定し、その損失電力を補正値として用いることで、消費電力を算出する。よって機種情報が反映された正確な消費電力を算出することができる。
【符号の説明】
【0049】
5 制御回路、 7 指令部、 8 指令装置、 9 照明器具、 10 点灯制御装置、 20 照明システム

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9