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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-206838(P2018-206838A)
(43)【公開日】2018年12月27日
(54)【発明の名称】熱処理装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/26 20060101AFI20181130BHJP
   H01L 21/265 20060101ALI20181130BHJP
   H01L 21/683 20060101ALI20181130BHJP
   C23C 16/46 20060101ALI20181130BHJP
【FI】
   H01L21/26 J
   H01L21/265 602B
   H01L21/68 N
   C23C16/46
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2017-107833(P2017-107833)
(22)【出願日】2017年5月31日
(71)【出願人】
【識別番号】000207551
【氏名又は名称】株式会社SCREENホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】100088672
【弁理士】
【氏名又は名称】吉竹 英俊
(74)【代理人】
【識別番号】100088845
【弁理士】
【氏名又は名称】有田 貴弘
(72)【発明者】
【氏名】小野 行雄
(72)【発明者】
【氏名】竹原 弘耕
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 禎朗
【テーマコード(参考)】
4K030
5F131
【Fターム(参考)】
4K030CA04
4K030CA12
4K030FA10
4K030KA23
4K030KA45
4K030LA15
5F131AA02
5F131AA03
5F131AA34
5F131BA24
5F131CA03
5F131DA02
5F131DA33
5F131DA42
5F131DB06
5F131DB62
5F131DB72
5F131EA04
5F131EB32
5F131EB55
5F131EB72
5F131EB78
5F131EB81
(57)【要約】
【課題】基板の面内温度分布を均一にすることができる熱処理装置を提供する。
【解決手段】チャンバー内にて保持部に保持された半導体ウェハーに対して複数のハロゲンランプからハロゲン光が照射されて加熱される。複数のハロゲンランプと半導体ウェハーとの間には、円筒形状のルーバー91が設けられる。ルーバー91は、その中心軸が半導体ウェハーの中心を通るように設置される。ルーバー91の壁面には、高透過率領域92と低透過率領域93とが設けられる。高透過率領域92と低透過率領域93とはルーバー91の周方向に沿って90°毎に上下が入れ替わるように設けられる。ルーバー91の壁面に設けられた低透過率領域93は、ハロゲンランプによる加熱時に相対的に高温となりやすい半導体ウェハーの周縁部よりも若干内側に向かう光を遮光する。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
円板形状の基板に対して光を照射することによって該基板を加熱する熱処理装置であって、
基板を収容するチャンバーと、
前記チャンバー内にて基板を保持する保持部と、
前記保持部に保持された前記基板の主面よりも広く当該主面に対向する光源領域に複数の棒状ランプを配置した光照射部と、
前記光照射部と前記保持部との間にて中心軸が前記基板の中心を通るように設けられた円筒形状のルーバーと、
を備え、
前記ルーバーの壁面には、前記光照射部から出射された光に対する透過率が異なる複数の領域が設けられることを特徴とする熱処理装置。
【請求項2】
請求項1記載の熱処理装置において、
前記ルーバーの前記壁面には、前記光照射部から出射された光に対する透過率が相対的に高い高透過率領域と、当該透過率が前記高透過率領域よりも低い低透過率領域と、が設けられることを特徴とする熱処理装置。
【請求項3】
請求項2記載の熱処理装置において、
前記ルーバーの前記壁面には、前記ルーバーの周方向に沿って90°毎に、前記光照射部から近い順に前記低透過率領域と前記高透過率領域とが形成された第1区画と、前記光照射部から近い順に前記高透過率領域と前記低透過率領域とが形成された第2区画と、が交互に設けられることを特徴とする熱処理装置。
【請求項4】
請求項3記載の熱処理装置において、
前記光照射部には、前記保持部から近い順に第1段と第2段とのそれぞれに複数の棒状ランプが配置され、
前記第1段に配置された複数の棒状ランプと前記第2段に配置された複数の棒状ランプとは互いに直交するように設けられ、
相対向する前記第1区画を結ぶ前記ルーバーの径方向と前記第1段に配置された複数の棒状ランプの長手方向とが一致するとともに、相対向する前記第2区画を結ぶ前記ルーバーの径方向と前記第2段に配置された複数の棒状ランプの長手方向とが一致するように、前記ルーバーが設置されることを特徴とする熱処理装置。
【請求項5】
請求項4記載の熱処理装置において、
前記光照射部に配置された複数の棒状ランプのうち、前記ルーバーの内側と対向する部位を有する複数の棒状ランプには当該部位のみにフィラメントが設けられ、前記ルーバーの内側と対向する部位を有さない複数の棒状ランプには全長にわたってフィラメントが設けられることを特徴とする熱処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、円板形状の半導体ウェハー等の薄板状精密電子基板(以下、単に「基板」と称する)に対して光を照射することによって該基板を加熱する熱処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイスの製造プロセスにおいて、不純物導入は半導体ウェハー内にpn接合を形成するための必須の工程である。現在、不純物導入は、イオン打ち込み法とその後のアニール法によってなされるのが一般的である。イオン打ち込み法は、ボロン(B)、ヒ素(As)、リン(P)といった不純物の元素をイオン化させて高加速電圧で半導体ウェハーに衝突させて物理的に不純物注入を行う技術である。注入された不純物はアニール処理によって活性化される。この際に、アニール時間が数秒程度以上であると、打ち込まれた不純物が熱によって深く拡散し、その結果接合深さが要求よりも深くなり過ぎて良好なデバイス形成に支障が生じるおそれがある。
【0003】
そこで、極めて短時間で半導体ウェハーを加熱するアニール技術として、近年フラッシュランプアニール(FLA)が注目されている。フラッシュランプアニールは、キセノンフラッシュランプ(以下、単に「フラッシュランプ」とするときにはキセノンフラッシュランプを意味する)を使用して半導体ウェハーの表面にフラッシュ光を照射することにより、不純物が注入された半導体ウェハーの表面のみを極めて短時間(数ミリ秒以下)に昇温させる熱処理技術である。
【0004】
キセノンフラッシュランプの放射分光分布は紫外域から近赤外域であり、従来のハロゲンランプよりも波長が短く、シリコンの半導体ウェハーの基礎吸収帯とほぼ一致している。よって、キセノンフラッシュランプから半導体ウェハーにフラッシュ光を照射したときには、透過光が少なく半導体ウェハーを急速に昇温することが可能である。また、数ミリ秒以下の極めて短時間のフラッシュ光照射であれば、半導体ウェハーの表面近傍のみを選択的に昇温できることも判明している。このため、キセノンフラッシュランプによる極短時間の昇温であれば、不純物を深く拡散させることなく、不純物活性化のみを実行することができるのである。
【0005】
このようなキセノンフラッシュランプを使用した熱処理装置として、特許文献1,2には、半導体ウェハーの表面側にフラッシュランプ等のパルス発光ランプを配置し、裏面側にハロゲンランプ等の連続点灯ランプを配置し、それらの組み合わせによって所望の熱処理を行うものが開示されている。特許文献1,2に開示の熱処理装置においては、ハロゲンランプ等によって半導体ウェハーをある程度の温度まで予備加熱し、その後フラッシュランプからのパルス加熱によって所望の処理温度にまで昇温している。
【0006】
特許文献1,2に開示されるようなハロゲンランプにて予備加熱を行う場合には、比較的高い予備加熱温度にまで半導体ウェハーを短時間で昇温することができるというプロセス上のメリットが得られるものの、ウェハー周縁部の温度が中心部よりも低くなる問題が生じやすい。このような温度分布の不均一が生じる原因としては、半導体ウェハーの周縁部からの熱放射、或いは半導体ウェハーの周縁部から比較的低温の石英サセプタへの熱伝導などが考えられる。そこで、このような問題を解決するために、特許文献3には、半透明な素材にて形成された円筒形状のルーバーをハロゲンランプと半導体ウェハーとの間に設置して予備加熱時の面内温度分布を均一にすることが提案されている。かかるルーバーを設けることにより、半導体ウェハーの周縁部よりも内側の温度を低下させ、その結果として当該周縁部の温度を相対的に高めて面内温度分布を均一にすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開昭60−258928号公報
【特許文献2】特表2005−527972号公報
【特許文献3】特開2012−174879号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、単に特許文献3に提案されるようなルーバーを設けた場合、半導体ウェハーの周縁部の温度も低下し、その結果当該周縁部よりも若干内側の領域が相対的に高温になるという新たな問題が生じることが判明した。
【0009】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、基板の面内温度分布を均一にすることができる熱処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、円板形状の基板に対して光を照射することによって該基板を加熱する熱処理装置において、基板を収容するチャンバーと、前記チャンバー内にて基板を保持する保持部と、前記保持部に保持された前記基板の主面よりも広く当該主面に対向する光源領域に複数の棒状ランプを配置した光照射部と、前記光照射部と前記保持部との間にて中心軸が前記基板の中心を通るように設けられた円筒形状のルーバーと、を備え、前記ルーバーの壁面には、前記光照射部から出射された光に対する透過率が異なる複数の領域が設けられることを特徴とする。
【0011】
また、請求項2の発明は、請求項1の発明に係る熱処理装置において、前記ルーバーの前記壁面には、前記光照射部から出射された光に対する透過率が相対的に高い高透過率領域と、当該透過率が前記高透過率領域よりも低い低透過率領域と、が設けられることを特徴とする。
【0012】
また、請求項3の発明は、請求項2の発明に係る熱処理装置において、前記ルーバーの前記壁面には、前記ルーバーの周方向に沿って90°毎に、前記光照射部から近い順に前記低透過率領域と前記高透過率領域とが形成された第1区画と、前記光照射部から近い順に前記高透過率領域と前記低透過率領域とが形成された第2区画と、が交互に設けられることを特徴とする。
【0013】
また、請求項4の発明は、請求項3の発明に係る熱処理装置において、前記光照射部には、前記保持部から近い順に第1段と第2段とのそれぞれに複数の棒状ランプが配置され、前記第1段に配置された複数の棒状ランプと前記第2段に配置された複数の棒状ランプとは互いに直交するように設けられ、相対向する前記第1区画を結ぶ前記ルーバーの径方向と前記第1段に配置された複数の棒状ランプの長手方向とが一致するとともに、相対向する前記第2区画を結ぶ前記ルーバーの径方向と前記第2段に配置された複数の棒状ランプの長手方向とが一致するように、前記ルーバーが設置されることを特徴とする。
【0014】
また、請求項5の発明は、請求項4の発明に係る熱処理装置において、前記光照射部に配置された複数の棒状ランプのうち、前記ルーバーの内側と対向する部位を有する複数の棒状ランプには当該部位のみにフィラメントが設けられ、前記ルーバーの内側と対向する部位を有さない複数の棒状ランプには全長にわたってフィラメントが設けられることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
請求項1から請求項5の発明によれば、ルーバーの壁面には、光照射部から出射された光に対する透過率が異なる複数の領域が設けられるため、基板の面内に現出する相対的な高温領域に光照射部から向かう光が適宜に遮光され、基板の面内温度分布を均一にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明に係る熱処理装置の構成を示す縦断面図である。
図2】保持部の全体外観を示す斜視図である。
図3】サセプタの平面図である。
図4】サセプタの断面図である。
図5】移載機構の平面図である。
図6】移載機構の側面図である。
図7】複数のハロゲンランプの配置を示す平面図である。
図8】ルーバーの斜視図である。
図9】複数のハロゲンランプへのフィラメントの設置形態を示す図である。
図10】ルーバーと複数のハロゲンランプとの配置関係を示す図である。
図11】ルーバーの第1区画による光路調整を示す図である。
図12】ルーバーの第2区画による光路調整を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0018】
図1は、本発明に係る熱処理装置1の構成を示す縦断面図である。図1の熱処理装置1は、基板として円板形状の半導体ウェハーWに対してフラッシュ光照射を行うことによってその半導体ウェハーWを加熱するフラッシュランプアニール装置である。処理対象となる半導体ウェハーWのサイズは特に限定されるものではないが、例えばφ300mmやφ450mmである(本実施形態ではφ300mm)。熱処理装置1に搬入される前の半導体ウェハーWには不純物が注入されており、熱処理装置1による加熱処理によって注入された不純物の活性化処理が実行される。なお、図1および以降の各図においては、理解容易のため、必要に応じて各部の寸法や数を誇張または簡略化して描いている。
【0019】
熱処理装置1は、半導体ウェハーWを収容するチャンバー6と、複数のフラッシュランプFLを内蔵するフラッシュ加熱部5と、複数のハロゲンランプHLを内蔵するハロゲン加熱部4と、を備える。チャンバー6の上側にフラッシュ加熱部5が設けられるとともに、下側にハロゲン加熱部4が設けられている。ハロゲン加熱部4とチャンバー6との間にはルーバー91が設けられている。また、熱処理装置1は、チャンバー6の内部に、半導体ウェハーWを水平姿勢に保持する保持部7と、保持部7と装置外部との間で半導体ウェハーWの受け渡しを行う移載機構10と、を備える。さらに、熱処理装置1は、ハロゲン加熱部4、フラッシュ加熱部5およびチャンバー6に設けられた各動作機構を制御して半導体ウェハーWの熱処理を実行させる制御部3を備える。
【0020】
チャンバー6は、筒状のチャンバー側部61の上下に石英製のチャンバー窓を装着して構成されている。チャンバー側部61は上下が開口された概略筒形状を有しており、上側開口には上側チャンバー窓63が装着されて閉塞され、下側開口には下側チャンバー窓64が装着されて閉塞されている。チャンバー6の天井部を構成する上側チャンバー窓63は、石英により形成された円板形状部材であり、フラッシュ加熱部5から出射されたフラッシュ光をチャンバー6内に透過する石英窓として機能する。また、チャンバー6の床部を構成する下側チャンバー窓64も、石英により形成された円板形状部材であり、ハロゲン加熱部4からの光をチャンバー6内に透過する石英窓として機能する。
【0021】
また、チャンバー側部61の内側の壁面の上部には反射リング68が装着され、下部には反射リング69が装着されている。反射リング68,69は、ともに円環状に形成されている。上側の反射リング68は、チャンバー側部61の上側から嵌め込むことによって装着される。一方、下側の反射リング69は、チャンバー側部61の下側から嵌め込んで図示省略のビスで留めることによって装着される。すなわち、反射リング68,69は、ともに着脱自在にチャンバー側部61に装着されるものである。チャンバー6の内側空間、すなわち上側チャンバー窓63、下側チャンバー窓64、チャンバー側部61および反射リング68,69によって囲まれる空間が熱処理空間65として規定される。
【0022】
チャンバー側部61に反射リング68,69が装着されることによって、チャンバー6の内壁面に凹部62が形成される。すなわち、チャンバー側部61の内壁面のうち反射リング68,69が装着されていない中央部分と、反射リング68の下端面と、反射リング69の上端面とで囲まれた凹部62が形成される。凹部62は、チャンバー6の内壁面に水平方向に沿って円環状に形成され、半導体ウェハーWを保持する保持部7を囲繞する。チャンバー側部61および反射リング68,69は、強度と耐熱性に優れた金属材料(例えば、ステンレススチール)にて形成されている。
【0023】
また、チャンバー側部61には、チャンバー6に対して半導体ウェハーWの搬入および搬出を行うための搬送開口部(炉口)66が形設されている。搬送開口部66は、ゲートバルブ185によって開閉可能とされている。搬送開口部66は凹部62の外周面に連通接続されている。このため、ゲートバルブ185が搬送開口部66を開放しているときには、搬送開口部66から凹部62を通過して熱処理空間65への半導体ウェハーWの搬入および熱処理空間65からの半導体ウェハーWの搬出を行うことができる。また、ゲートバルブ185が搬送開口部66を閉鎖するとチャンバー6内の熱処理空間65が密閉空間とされる。
【0024】
さらに、チャンバー側部61には、貫通孔61aが穿設されている。チャンバー側部61の外壁面の貫通孔61aが設けられている部位には放射温度計20が取り付けられている。貫通孔61aは、後述するサセプタ74に保持された半導体ウェハーWの下面から放射された赤外光を放射温度計20に導くための円筒状の孔である。貫通孔61aは、その貫通方向の軸がサセプタ74に保持された半導体ウェハーWの主面と交わるように、水平方向に対して傾斜して設けられている。貫通孔61aの熱処理空間65に臨む側の端部には、放射温度計20が測定可能な波長領域の赤外光を透過させるフッ化バリウム材料からなる透明窓21が装着されている。放射温度計20は、半導体ウェハーWの下面から放射された赤外光を透明窓21を介して受光し、その赤外光の強度から半導体ウェハーWの温度を測定する。
【0025】
また、チャンバー6の内壁上部には熱処理空間65に処理ガスを供給するガス供給孔81が形設されている。ガス供給孔81は、凹部62よりも上側位置に形設されており、反射リング68に設けられていても良い。ガス供給孔81はチャンバー6の側壁内部に円環状に形成された緩衝空間82を介してガス供給管83に連通接続されている。ガス供給管83は処理ガス供給源85に接続されている。また、ガス供給管83の経路途中にはバルブ84が介挿されている。バルブ84が開放されると、処理ガス供給源85から緩衝空間82に処理ガスが送給される。緩衝空間82に流入した処理ガスは、ガス供給孔81よりも流体抵抗の小さい緩衝空間82内を拡がるように流れてガス供給孔81から熱処理空間65内へと供給される。処理ガスとしては、例えば窒素(N)等の不活性ガス、または、水素(H)、アンモニア(NH)等の反応性ガス、或いはそれらを混合した混合ガスを用いることができる(本実施形態では窒素ガス)。
【0026】
一方、チャンバー6の内壁下部には熱処理空間65内の気体を排気するガス排気孔86が形設されている。ガス排気孔86は、凹部62よりも下側位置に形設されており、反射リング69に設けられていても良い。ガス排気孔86はチャンバー6の側壁内部に円環状に形成された緩衝空間87を介してガス排気管88に連通接続されている。ガス排気管88は排気部190に接続されている。また、ガス排気管88の経路途中にはバルブ89が介挿されている。バルブ89が開放されると、熱処理空間65の気体がガス排気孔86から緩衝空間87を経てガス排気管88へと排出される。なお、ガス供給孔81およびガス排気孔86は、チャンバー6の周方向に沿って複数設けられていても良いし、スリット状のものであっても良い。また、処理ガス供給源85および排気部190は、熱処理装置1に設けられた機構であっても良いし、熱処理装置1が設置される工場のユーティリティであっても良い。
【0027】
また、搬送開口部66の先端にも熱処理空間65内の気体を排出するガス排気管191が接続されている。ガス排気管191はバルブ192を介して排気部190に接続されている。バルブ192を開放することによって、搬送開口部66を介してチャンバー6内の気体が排気される。
【0028】
図2は、保持部7の全体外観を示す斜視図である。保持部7は、基台リング71、連結部72およびサセプタ74を備えて構成される。基台リング71、連結部72およびサセプタ74はいずれも石英にて形成されている。すなわち、保持部7の全体が石英にて形成されている。
【0029】
基台リング71は円環形状から一部が欠落した円弧形状の石英部材である。この欠落部分は、後述する移載機構10の移載アーム11と基台リング71との干渉を防ぐために設けられている。基台リング71は凹部62の底面に載置されることによって、チャンバー6の壁面に支持されることとなる(図1参照)。基台リング71の上面に、その円環形状の周方向に沿って複数の連結部72(本実施形態では4個)が立設される。連結部72も石英の部材であり、溶接によって基台リング71に固着される。
【0030】
サセプタ74は基台リング71に設けられた4個の連結部72によって支持される。図3は、サセプタ74の平面図である。また、図4は、サセプタ74の断面図である。サセプタ74は、保持プレート75、ガイドリング76および複数の基板支持ピン77を備える。保持プレート75は、石英にて形成された略円形の平板状部材である。保持プレート75の直径は半導体ウェハーWの直径よりも大きい。すなわち、保持プレート75は、半導体ウェハーWよりも大きな平面サイズを有する。
【0031】
保持プレート75の上面周縁部にガイドリング76が設置されている。ガイドリング76は、半導体ウェハーWの直径よりも大きな内径を有する円環形状の部材である。例えば、半導体ウェハーWの直径がφ300mmの場合、ガイドリング76の内径はφ320mmである。ガイドリング76の内周は、保持プレート75から上方に向けて広くなるようなテーパ面とされている。ガイドリング76は、保持プレート75と同様の石英にて形成される。ガイドリング76は、保持プレート75の上面に溶着するようにしても良いし、別途加工したピンなどによって保持プレート75に固定するようにしても良い。或いは、保持プレート75とガイドリング76とを一体の部材として加工するようにしても良い。
【0032】
保持プレート75の上面のうちガイドリング76よりも内側の領域が半導体ウェハーWを保持する平面状の保持面75aとされる。保持プレート75の保持面75aには、複数の基板支持ピン77が立設されている。本実施形態においては、保持面75aの外周円(ガイドリング76の内周円)と同心円の周上に沿って30°毎に計12個の基板支持ピン77が立設されている。12個の基板支持ピン77を配置した円の径(対向する基板支持ピン77間の距離)は半導体ウェハーWの径よりも小さく、半導体ウェハーWの径がφ300mmであればφ270mm〜φ280mm(本実施形態ではφ270mm)である。それぞれの基板支持ピン77は石英にて形成されている。複数の基板支持ピン77は、保持プレート75の上面に溶接によって設けるようにしても良いし、保持プレート75と一体に加工するようにしても良い。
【0033】
図2に戻り、基台リング71に立設された4個の連結部72とサセプタ74の保持プレート75の周縁部とが溶接によって固着される。すなわち、サセプタ74と基台リング71とは連結部72によって固定的に連結されている。このような保持部7の基台リング71がチャンバー6の壁面に支持されることによって、保持部7がチャンバー6に装着される。保持部7がチャンバー6に装着された状態においては、サセプタ74の保持プレート75は水平姿勢(法線が鉛直方向と一致する姿勢)となる。すなわち、保持プレート75の保持面75aは水平面となる。
【0034】
チャンバー6に搬入された半導体ウェハーWは、チャンバー6に装着された保持部7のサセプタ74の上に水平姿勢にて載置されて保持される。このとき、半導体ウェハーWは保持プレート75上に立設された12個の基板支持ピン77によって支持されてサセプタ74に保持される。より厳密には、12個の基板支持ピン77の上端部が半導体ウェハーWの下面に接触して当該半導体ウェハーWを支持する。12個の基板支持ピン77の高さ(基板支持ピン77の上端から保持プレート75の保持面75aまでの距離)は均一であるため、12個の基板支持ピン77によって半導体ウェハーWを水平姿勢に支持することができる。
【0035】
また、半導体ウェハーWは複数の基板支持ピン77によって保持プレート75の保持面75aから所定の間隔を隔てて支持されることとなる。基板支持ピン77の高さよりもガイドリング76の厚さの方が大きい。従って、複数の基板支持ピン77によって支持された半導体ウェハーWの水平方向の位置ずれはガイドリング76によって防止される。
【0036】
また、図2および図3に示すように、サセプタ74の保持プレート75には、上下に貫通して開口部78が形成されている。開口部78は、放射温度計20が半導体ウェハーWの下面から放射される放射光(赤外光)を受光するために設けられている。すなわち、放射温度計20が開口部78およびチャンバー側部61の貫通孔61aに装着された透明窓21を介して半導体ウェハーWの下面から放射された光を受光して当該半導体ウェハーWの温度を測定する。さらに、サセプタ74の保持プレート75には、後述する移載機構10のリフトピン12が半導体ウェハーWの受け渡しのために貫通する4個の貫通孔79が穿設されている。
【0037】
図5は、移載機構10の平面図である。また、図6は、移載機構10の側面図である。移載機構10は、2本の移載アーム11を備える。移載アーム11は、概ね円環状の凹部62に沿うような円弧形状とされている。それぞれの移載アーム11には2本のリフトピン12が立設されている。移載アーム11およびリフトピン12は石英にて形成されている。各移載アーム11は水平移動機構13によって回動可能とされている。水平移動機構13は、一対の移載アーム11を保持部7に対して半導体ウェハーWの移載を行う移載動作位置(図5の実線位置)と保持部7に保持された半導体ウェハーWと平面視で重ならない退避位置(図5の二点鎖線位置)との間で水平移動させる。水平移動機構13としては、個別のモータによって各移載アーム11をそれぞれ回動させるものであっても良いし、リンク機構を用いて1個のモータによって一対の移載アーム11を連動させて回動させるものであっても良い。
【0038】
また、一対の移載アーム11は、昇降機構14によって水平移動機構13とともに昇降移動される。昇降機構14が一対の移載アーム11を移載動作位置にて上昇させると、計4本のリフトピン12がサセプタ74に穿設された貫通孔79(図2,3参照)を通過し、リフトピン12の上端がサセプタ74の上面から突き出る。一方、昇降機構14が一対の移載アーム11を移載動作位置にて下降させてリフトピン12を貫通孔79から抜き取り、水平移動機構13が一対の移載アーム11を開くように移動させると各移載アーム11が退避位置に移動する。一対の移載アーム11の退避位置は、保持部7の基台リング71の直上である。基台リング71は凹部62の底面に載置されているため、移載アーム11の退避位置は凹部62の内側となる。なお、移載機構10の駆動部(水平移動機構13および昇降機構14)が設けられている部位の近傍にも図示省略の排気機構が設けられており、移載機構10の駆動部周辺の雰囲気がチャンバー6の外部に排出されるように構成されている。
【0039】
図1に戻り、チャンバー6の上方に設けられたフラッシュ加熱部5は、筐体51の内側に、複数本(本実施形態では30本)のキセノンフラッシュランプFLからなる光源と、その光源の上方を覆うように設けられたリフレクタ52と、を備えて構成される。また、フラッシュ加熱部5の筐体51の底部にはランプ光放射窓53が装着されている。フラッシュ加熱部5の床部を構成するランプ光放射窓53は、石英により形成された板状の石英窓である。フラッシュ加熱部5がチャンバー6の上方に設置されることにより、ランプ光放射窓53が上側チャンバー窓63と相対向することとなる。フラッシュランプFLはチャンバー6の上方からランプ光放射窓53および上側チャンバー窓63を介して熱処理空間65にフラッシュ光を照射する。
【0040】
複数のフラッシュランプFLは、それぞれが長尺の円筒形状を有する棒状ランプであり、それぞれの長手方向が保持部7に保持される半導体ウェハーWの主面に沿って(つまり水平方向に沿って)互いに平行となるように平面状に配列されている。よって、フラッシュランプFLの配列によって形成される平面も水平面である。複数のフラッシュランプFLが配列される領域は半導体ウェハーWの平面サイズよりも大きい。
【0041】
キセノンフラッシュランプFLは、その内部にキセノンガスが封入されその両端部にコンデンサーに接続された陽極および陰極が配設された円筒形状のガラス管(放電管)と、該ガラス管の外周面上に付設されたトリガー電極とを備える。キセノンガスは電気的には絶縁体であることから、コンデンサーに電荷が蓄積されていたとしても通常の状態ではガラス管内に電気は流れない。しかしながら、トリガー電極に高電圧を印加して絶縁を破壊した場合には、コンデンサーに蓄えられた電気がガラス管内に瞬時に流れ、そのときのキセノンの原子あるいは分子の励起によって光が放出される。このようなキセノンフラッシュランプFLにおいては、予めコンデンサーに蓄えられていた静電エネルギーが0.1ミリセカンドないし100ミリセカンドという極めて短い光パルスに変換されることから、ハロゲンランプHLの如き連続点灯の光源に比べて極めて強い光を照射し得るという特徴を有する。すなわち、フラッシュランプFLは、1秒未満の極めて短い時間で瞬間的に発光するパルス発光ランプである。なお、フラッシュランプFLの発光時間は、フラッシュランプFLに電力供給を行うランプ電源のコイル定数によって調整することができる。
【0042】
また、リフレクタ52は、複数のフラッシュランプFLの上方にそれら全体を覆うように設けられている。リフレクタ52の基本的な機能は、複数のフラッシュランプFLから出射されたフラッシュ光を熱処理空間65の側に反射するというものである。リフレクタ52はアルミニウム合金板にて形成されており、その表面(フラッシュランプFLに臨む側の面)はブラスト処理により粗面化加工が施されている。
【0043】
チャンバー6の下方に設けられたハロゲン加熱部4は、筐体41の内側に複数本(本実施形態では40本)のハロゲンランプHLを内蔵している。ハロゲン加熱部4は、複数のハロゲンランプHLによってチャンバー6の下方から下側チャンバー窓64を介して熱処理空間65への光照射を行って半導体ウェハーWを加熱する光照射部である。
【0044】
図7は、複数のハロゲンランプHLの配置を示す平面図である。保持部7に保持された円板形状の半導体ウェハーWの主面(つまり、直径300mmの円)よりも広い光源領域に複数のハロゲンランプHLが配置されている。また、複数のハロゲンランプHLが配置された光源領域は当該半導体ウェハーWの主面のうち下面と対向する。
【0045】
図1および図7に示すように、40本のハロゲンランプHLが上下2段に分けて配置されている。保持部7に近い上段に20本のハロゲンランプHLが配設されるとともに、上段よりも保持部7から遠い下段にも20本のハロゲンランプHLが配設されている。各ハロゲンランプHLは、長尺の円筒形状を有する棒状ランプである。上段、下段ともに20本のハロゲンランプHLは、それぞれの長手方向が保持部7に保持される半導体ウェハーWの主面に沿って(つまり水平方向に沿って)互いに平行となるように配列されている。よって、上段、下段ともにハロゲンランプHLの配列によって形成される平面は水平面である。
【0046】
また、図7に示すように、上段のハロゲンランプHLからなるランプ群と下段のハロゲンランプHLからなるランプ群とが格子状に交差するように配列されている。すなわち、上段に配置された20本のハロゲンランプHLの長手方向と下段に配置された20本のハロゲンランプHLの長手方向とが互いに直交するように計40本のハロゲンランプHLが配設されている。
【0047】
ハロゲンランプHLは、ガラス管内部に配設されたフィラメントに通電することでフィラメントを白熱化させて発光させるフィラメント方式の光源である。ガラス管の内部には、窒素やアルゴン等の不活性ガスにハロゲン元素(ヨウ素、臭素等)を微量導入した気体が封入されている。ハロゲン元素を導入することによって、フィラメントの折損を抑制しつつフィラメントの温度を高温に設定することが可能となる。したがって、ハロゲンランプHLは、通常の白熱電球に比べて寿命が長くかつ強い光を連続的に照射できるという特性を有する。すなわち、ハロゲンランプHLは少なくとも1秒以上連続して発光する連続点灯ランプである。また、ハロゲンランプHLは棒状ランプであるため長寿命であり、ハロゲンランプHLを水平方向に沿わせて配置することにより上方の半導体ウェハーWへの放射効率が優れたものとなる。
【0048】
また、図7に示すように、上段、下段ともに保持部7に保持される半導体ウェハーWの中央部に対向する領域よりも周縁部に対向する領域におけるハロゲンランプHLの配設密度が高くなっている。すなわち、上下段ともに、光源領域における中央部よりも周縁部の方がハロゲンランプHLの配設ピッチが短い。このため、光源領域の中央部よりも周縁部からの照度が強くなり、ハロゲン加熱部4からの光照射による加熱時に温度低下が生じやすい半導体ウェハーWの周縁部により多い光量の照射を行うことができる。
【0049】
また、ハロゲン加熱部4の筐体41内にも、2段のハロゲンランプHLの下側にリフレクタ43が設けられている(図1)。リフレクタ43は、複数のハロゲンランプHLから出射された光を熱処理空間65の側に反射する。
【0050】
ハロゲン加熱部4と保持部7との間にルーバー91が設けられている。すなわち、ルーバー91の下側にハロゲン加熱部4が配置され、上側に保持部7が配置される。図8は、ルーバー91の斜視図である。ルーバー91は上下に開放端を有する円筒形状(無底円筒形状)の部材である。ルーバー91のサイズはチャンバー6およびハロゲン加熱部4の配置構成に応じた適宜のものとすることができる。ルーバー91の円筒の外径はハロゲンランプHLが配置される光源領域よりも小さければ良く、例えば本実施形態ではルーバー91の外径を半導体ウェハーWの直径と同じ300mmとし、内径を294mmとしている。また、ルーバー91の高さは、例えば15mm〜25mmとすれば良い(本実施形態では16mm)。
【0051】
図1に示すように、ハロゲン加熱部4の筐体41の上端にはルーバーステージ45が設けられている。ルーバーステージ45は、ハロゲンランプHLから出射される光に対して透明な石英ガラスにて形成された平板状部材である。このルーバーステージ45の上面にルーバー91が設置される。ルーバー91は、その円筒の中心軸が保持部7に保持された半導体ウェハーWの中心を通るように設けられる。また、ルーバー91の中心軸は、ハロゲン加熱部4の複数のハロゲンランプHLの配列の中心も通る。
【0052】
図8に示すように、ルーバー91の壁面には、高透過率領域92と低透過率領域93とが設けられている。本実施形態においては、高透過率領域92は、ハロゲンランプHLから出射される光に対して透明な石英にて形成される。また、低透過率領域93は、ハロゲンランプHLから出射される光に対して不透明な不透明石英にて形成される。よって、ハロゲンランプHLから出射された光に対する透過率は低透過率領域93よりも高透過率領域92の方が当然に高い。本実施形態では、円弧状の透明な石英と不透明石英とを溶接することによって円筒形状のルーバーを形成する。
【0053】
また、図8に示すように、ルーバー91の壁面には、上側に高透過率領域92が形成されて下側に低透過率領域93が形成された第1区画94と、逆に上側に低透過率領域93が形成されて下側に高透過率領域92が形成された第2区画95とが設けられている。すなわち、第1区画94では、ハロゲン加熱部4から近い順に低透過率領域93と高透過率領域92とが形成される。一方、第2区画95では、ハロゲン加熱部4から近い順に高透過率領域92と低透過率領域93とが形成される。第1区画94と第2区画95とは、円筒形状のルーバー91の周方向に沿って90°毎に交互に設けられる。従って、ルーバー91の壁面には、2つの第1区画94と2つの第2区画95とが設けられる。そして、2つの第1区画94はルーバー91の中心軸を挟んで相対向し、2つの第2区画95もルーバー91の中心軸を挟んで相対向する。
【0054】
ところで、上述したハロゲン加熱部4に配置された全てのハロゲンランプHLについて均一にフィラメントが設けられているわけではない。図9は、複数のハロゲンランプHLへのフィラメントの設置形態を示す図である。ハロゲン加熱部4の複数のハロゲンランプHLは、半導体ウェハーWの主面よりも広い光源領域に2段に格子状に配置されている。図9では、理解容易のため、上段に配置された複数のハロゲンランプHLの一部を描いている。
【0055】
また、ルーバー91の円筒の外径はハロゲンランプHLが配置される光源領域よりも小さい(本実施形態では、ルーバー91の外径は半導体ウェハーWの直径と同じ)。よって、ハロゲン加熱部4に配置された複数のハロゲンランプHLには、円筒形状のルーバー91の内側と対向する部位を有するハロゲンランプHL1と、ルーバー91の内側と対向する部位を全く有さないハロゲンランプHL2とが存在する。複数のハロゲンランプHLのランプ配列平面における比較的内側にハロゲンランプHL1が位置するとともに、それらの両外側にハロゲンランプHL2が位置する。なお、ハロゲンランプHL1とハロゲンランプHL2とを特に区別する必要の無いときは単にハロゲンランプHLと称する。
【0056】
図9に示すように、ハロゲンランプHL1には、ルーバー91の内側と対向する部位のみにフィラメント48が設けられている。すなわち、ハロゲンランプHL1のルーバー91の内側と対向しない部位にはフィラメント48は設けられていない。一方、ハロゲンランプHL2には、その全長にわたってフィラメント48が設けられている。このようなフィラメント48の配置形態は、下段の複数のハロゲンランプHLについても同様である。
【0057】
図10は、ルーバー91と複数のハロゲンランプHLとの配置関係を示す図である。上段(つまり保持部7に近い側)に配置された複数のハロゲンランプHLの長手方向と、相対向する2つの第1区画94を結ぶルーバー91の径の方向とが一致するように、ルーバー91は設置される。それとともに、下段(つまり保持部7から遠い側)に配置された複数のハロゲンランプHLの長手方向と、相対向する2つの第2区画95を結ぶルーバー91の径の方向とが一致するように、ルーバー91は設置される。なお、このような配置関係の作用についてはさらに後述する。
【0058】
図1に戻り、制御部3は、熱処理装置1に設けられた上記の種々の動作機構を制御する。制御部3のハードウェアとしての構成は一般的なコンピュータと同様である。すなわち、制御部3は、各種演算処理を行う回路であるCPU、基本プログラムを記憶する読み出し専用のメモリであるROM、各種情報を記憶する読み書き自在のメモリであるRAMおよび制御用ソフトウェアやデータなどを記憶しておく磁気ディスクを備えている。制御部3のCPUが所定の処理プログラムを実行することによって熱処理装置1における処理が進行する。
【0059】
上記の構成以外にも熱処理装置1は、半導体ウェハーWの熱処理時にハロゲンランプHLおよびフラッシュランプFLから発生する熱エネルギーによるハロゲン加熱部4、フラッシュ加熱部5およびチャンバー6の過剰な温度上昇を防止するため、様々な冷却用の構造を備えている。例えば、チャンバー6の壁体には水冷管(図示省略)が設けられている。また、ハロゲン加熱部4およびフラッシュ加熱部5は、内部に気体流を形成して排熱する空冷構造とされている。また、上側チャンバー窓63とランプ光放射窓53との間隙にも空気が供給され、フラッシュ加熱部5および上側チャンバー窓63を冷却する。
【0060】
次に、熱処理装置1における半導体ウェハーWの処理手順について説明する。ここで処理対象となる半導体ウェハーWはイオン注入法により不純物(イオン)が添加された半導体基板である。その不純物の活性化が熱処理装置1によるフラッシュ光照射加熱処理(アニール)により実行される。以下に説明する熱処理装置1の処理手順は、制御部3が熱処理装置1の各動作機構を制御することにより進行する。
【0061】
まず、給気のためのバルブ84が開放されるとともに、排気用のバルブ89,192が開放されてチャンバー6内に対する給排気が開始される。バルブ84が開放されると、ガス供給孔81から熱処理空間65に窒素ガスが供給される。また、バルブ89が開放されると、ガス排気孔86からチャンバー6内の気体が排気される。これにより、チャンバー6内の熱処理空間65の上部から供給された窒素ガスが下方へと流れ、熱処理空間65の下部から排気される。
【0062】
また、バルブ192が開放されることによって、搬送開口部66からもチャンバー6内の気体が排気される。さらに、図示省略の排気機構によって移載機構10の駆動部周辺の雰囲気も排気される。なお、熱処理装置1における半導体ウェハーWの熱処理時には窒素ガスが熱処理空間65に継続的に供給されており、その供給量は処理工程に応じて適宜変更される。
【0063】
続いて、ゲートバルブ185が開いて搬送開口部66が開放され、装置外部の搬送ロボットにより搬送開口部66を介してイオン注入後の半導体ウェハーWがチャンバー6内の熱処理空間65に搬入される。このときには、半導体ウェハーWの搬入にともなって装置外部の雰囲気を巻き込むおそれがあるが、チャンバー6には窒素ガスが供給され続けているため、搬送開口部66から窒素ガスが流出して、そのような外部雰囲気の巻き込みを最小限に抑制することができる。
【0064】
搬送ロボットによって搬入された半導体ウェハーWは保持部7の直上位置まで進出して停止する。そして、移載機構10の一対の移載アーム11が退避位置から移載動作位置に水平移動して上昇することにより、リフトピン12が貫通孔79を通ってサセプタ74の保持プレート75の上面から突き出て半導体ウェハーWを受け取る。このとき、リフトピン12は基板支持ピン77の上端よりも上方にまで上昇する。
【0065】
半導体ウェハーWがリフトピン12に載置された後、搬送ロボットが熱処理空間65から退出し、ゲートバルブ185によって搬送開口部66が閉鎖される。そして、一対の移載アーム11が下降することにより、半導体ウェハーWは移載機構10から保持部7のサセプタ74に受け渡されて水平姿勢にて下方より保持される。半導体ウェハーWは、保持プレート75上に立設された複数の基板支持ピン77によって支持されてサセプタ74に保持される。また、半導体ウェハーWは、パターン形成がなされて不純物が注入された表面を上面として保持部7に保持される。複数の基板支持ピン77によって支持された半導体ウェハーWの裏面(表面とは反対側の主面)と保持プレート75の保持面75aとの間には所定の間隔が形成される。サセプタ74の下方にまで下降した一対の移載アーム11は水平移動機構13によって退避位置、すなわち凹部62の内側に退避する。
【0066】
半導体ウェハーWが石英にて形成された保持部7のサセプタ74によって水平姿勢にて下方より保持された後、ハロゲン加熱部4の40本のハロゲンランプHLが一斉に点灯して予備加熱(アシスト加熱)が開始される。ハロゲンランプHLから出射されたハロゲン光は、石英にて形成されたルーバーステージ45、下側チャンバー窓64およびサセプタ74を透過して半導体ウェハーWの下面に照射される。ハロゲンランプHLからの光照射を受けることによって半導体ウェハーWが予備加熱されて温度が上昇する。なお、移載機構10の移載アーム11は凹部62の内側に退避しているため、ハロゲンランプHLによる加熱の障害となることは無い。
【0067】
ハロゲンランプHLによる予備加熱を行うときには、半導体ウェハーWの温度が放射温度計20によって測定されている。すなわち、サセプタ74に保持された半導体ウェハーWの下面から開口部78を介して放射された赤外光を透明窓21を通して放射温度計20が受光して昇温中のウェハー温度を測定する。測定された半導体ウェハーWの温度は制御部3に伝達される。制御部3は、ハロゲンランプHLからの光照射によって昇温する半導体ウェハーWの温度が所定の予備加熱温度T1に到達したか否かを監視しつつ、ハロゲンランプHLの出力を制御する。すなわち、制御部3は、放射温度計20による測定値に基づいて、半導体ウェハーWの温度が予備加熱温度T1となるようにハロゲンランプHLの出力をフィードバック制御する。予備加熱温度T1は、半導体ウェハーWに添加された不純物が熱により拡散する恐れのない、200℃ないし800℃程度、好ましくは350℃ないし600℃程度とされる(本実施の形態では600℃)。
【0068】
半導体ウェハーWの温度が予備加熱温度T1に到達した後、制御部3は半導体ウェハーWをその予備加熱温度T1に暫時維持する。具体的には、放射温度計20によって測定される半導体ウェハーWの温度が予備加熱温度T1に到達した時点にて制御部3がハロゲンランプHLの出力を調整し、半導体ウェハーWの温度をほぼ予備加熱温度T1に維持している。
【0069】
また、本実施形態においては、ハロゲン加熱部4とチャンバー6との間に円筒形状のルーバー91を設け、ハロゲン加熱部4から半導体ウェハーWへと向かう光の一部を遮光している。既述したように、全体の透過率が一様なルーバーを設けた場合、半導体ウェハーWの周縁部に向かう光も遮光されて当該周縁部の温度も低下し、その結果当該周縁部よりも若干内側の領域が相対的に高温になって面内温度分布の均一性が損なわれる。
【0070】
このため、本発明は、ルーバー91の壁面に、高透過率領域92と低透過率領域93とを設け、透過率の異なる複数の領域を形成するようにしている。図11および図12は、ルーバー91による光路調整を示す図である。図11にはルーバー91の第1区画94による光路調整を示し、図12には第2区画95による光路調整を示す。
【0071】
ルーバー91は、上段に配置されたハロゲンランプHLの長手方向と、相対向する2つの第1区画94を結ぶルーバー91の径方向とが一致するように設置される。よって、図11に示すように、上段に配置された複数のハロゲンランプHLのうちルーバー91の内側と対向する部位を有するハロゲンランプHL1(上段のランプ配列における比較的内側のハロゲンランプHL)は第1区画94と交差する。そして、その上段のハロゲンランプHL1のルーバー91よりも外側の部位にはフィラメント48が設けられていない。従って、ルーバー91の第1区画94の下方外側において、上段のハロゲンランプHL1のルーバー91よりも外側の部位は発光していない。
【0072】
一方、ルーバー91の第1区画94の下方外側において、下段にはルーバー91の内側と対向する部位を全く有さないハロゲンランプHL2が存在している。ハロゲンランプHL2には、その全長にわたってフィラメント48が設けられている。従って、ルーバー91の第1区画94の下方外側において、下段のハロゲンランプHL2は発光している。要するに、ハロゲンランプHLによる予備加熱時に、ルーバー91の第1区画94の下方外側においては、下段のハロゲンランプHLのみが発光しているのである。
【0073】
ルーバー91の第1区画94では、上側に高透過率領域92が形成されて下側に低透過率領域93が形成されている。従って、第1区画94の下方外側に位置する下段のハロゲンランプHLから出射された光のうち、第1区画94の上側の高透過率領域92に入射した光は高透過率領域92を透過して半導体ウェハーWの周縁部に照射される。一方、第1区画94の下方外側に位置する下段のハロゲンランプHLから出射された光のうち、第1区画94の下側の低透過率領域93に入射した光はその低透過率領域93によって遮光される。当該下段のハロゲンランプHLから出射されて低透過率領域93に入射する光は、半導体ウェハーWの周縁部よりも若干内側に向かう光である。すなわち、ルーバー91の第1区画94は、第1区画94の下方外側に位置する下段のハロゲンランプHLから出射された光のうち、半導体ウェハーWの周縁部に向かう光は透過するとともに、その周縁部よりも若干内側に向かう光を遮光するのである。このため、温度が低下しやすい半導体ウェハーWの周縁部に照射される光量を増やしつつ、相対的に高温になりやすい当該周縁部よりも若干内側の領域に照射される光量を減少させて温度分布を均一にすることができる。
【0074】
また、ルーバー91は、下段に配置されたハロゲンランプHLの長手方向と、相対向する2つの第2区画95を結ぶルーバー91の径方向とが一致するようにも設置される。よって、図12に示すように、下段に配置された複数のハロゲンランプHLのうちルーバー91の内側と対向する部位を有するハロゲンランプHL1(下段のランプ配列における比較的内側のハロゲンランプHL)は第2区画95と交差する。そして、その下段のハロゲンランプHL1のルーバー91よりも外側の部位にはフィラメント48が設けられていない。従って、ルーバー91の第2区画95の下方外側において、下段のハロゲンランプHL1のルーバー91よりも外側の部位は発光していない。
【0075】
一方、ルーバー91の第2区画95の下方外側において、上段にはルーバー91の内側と対向する部位を全く有さないハロゲンランプHL2が存在している。ハロゲンランプHL2には、その全長にわたってフィラメント48が設けられている。従って、ルーバー91の第2区画95の下方外側において、上段のハロゲンランプHL2は発光している。要するに、ハロゲンランプHLによる予備加熱時に、ルーバー91の第2区画95の下方外側においては、上段のハロゲンランプHLのみが発光しているのである。
【0076】
ルーバー91の第2区画95では、上側に低透過率領域93が形成されて下側に高透過率領域92が形成されている。従って、第2区画95の下方外側に位置する上段のハロゲンランプHLから出射された光のうち、第2区画95の下側の高透過率領域92に入射した光は高透過率領域92を透過して半導体ウェハーWに照射される。一方、第2区画95の下方外側に位置する上段のハロゲンランプHLから出射された光のうち、第2区画95の上側の低透過率領域93に入射した光はその低透過率領域93によって遮光される。当該上段のハロゲンランプHLから出射されて低透過率領域93に入射する光は、半導体ウェハーWの周縁部よりも若干内側に向かう光である。すなわち、ルーバー91の第2区画95は、第2区画95の下方外側に位置する上段のハロゲンランプHLから出射された光のうち、半導体ウェハーWの周縁部よりも若干内側に向かう光を遮光するのである。なお、第2区画95の下方外側に位置する上段のハロゲンランプHLから半導体ウェハーWの周縁部に向かう光はルーバー91の上側をそのまま通過するため、当該周縁部に向かう光が遮光されることはない。このため、温度が低下しやすい半導体ウェハーWの周縁部に照射される光量を増やしつつ、相対的に高温になりやすい当該周縁部よりも若干内側の領域に照射される光量を減少させて温度分布を均一にすることができる。
【0077】
このように、ルーバー91の下方外側においては、上段または下段のいずれか一方のハロゲンランプHLが発光している。そして、ルーバー91の下方外側に位置する下段のハロゲンランプHLから出射された光のうち半導体ウェハーWの周縁部よりも若干内側に向かう光は、第1区画94にて高透過率領域92よりも下側に形成された低透過率領域93によって遮光される。一方、ルーバー91の下方外側に位置する上段のハロゲンランプHLから出射された光のうち半導体ウェハーWの周縁部よりも若干内側に向かう光は、第2区画95にて高透過率領域92よりも上側に形成された低透過率領域93によって遮光される。換言すれば、ルーバー91の下方外側にて発光しているハロゲンランプHLの高さ位置に応じて低透過率領域93を形成する高さ位置も変化させることにより、相対的に高温になりやすい半導体ウェハーWの周縁部よりも若干内側の領域に照射される光の光量を半導体ウェハーWの全周にわたって減少させて照度分布の面内均一性を向上させているのである。その結果、複数のハロゲンランプHLによる予備加熱時に、半導体ウェハーWの面内温度分布を均一にすることができる。
【0078】
半導体ウェハーWの温度が予備加熱温度T1に到達して所定時間が経過した時点にてフラッシュ加熱部5のフラッシュランプFLがサセプタ74に保持された半導体ウェハーWの表面にフラッシュ光照射を行う。このとき、フラッシュランプFLから放射されるフラッシュ光の一部は直接にチャンバー6内へと向かい、他の一部は一旦リフレクタ52により反射されてからチャンバー6内へと向かい、これらのフラッシュ光の照射により半導体ウェハーWのフラッシュ加熱が行われる。
【0079】
フラッシュ加熱は、フラッシュランプFLからのフラッシュ光(閃光)照射により行われるため、半導体ウェハーWの表面温度を短時間で上昇することができる。すなわち、フラッシュランプFLから照射されるフラッシュ光は、予めコンデンサーに蓄えられていた静電エネルギーが極めて短い光パルスに変換された、照射時間が0.1ミリセカンド以上100ミリセカンド以下程度の極めて短く強い閃光である。そして、フラッシュランプFLからのフラッシュ光照射によりフラッシュ加熱される半導体ウェハーWの表面温度は、瞬間的に1000℃以上の処理温度T2まで上昇し、半導体ウェハーWに注入された不純物が活性化された後、表面温度が急速に下降する。このように、熱処理装置1では、半導体ウェハーWの表面温度を極めて短時間で昇降することができるため、半導体ウェハーWに注入された不純物の熱による拡散を抑制しつつ不純物の活性化を行うことができる。なお、不純物の活性化に必要な時間はその熱拡散に必要な時間に比較して極めて短いため、0.1ミリセカンドないし100ミリセカンド程度の拡散が生じない短時間であっても活性化は完了する。
【0080】
本実施形態では、高透過率領域92と低透過率領域93とを設けたルーバー91によって、ハロゲン加熱部4による予備加熱段階での半導体ウェハーWの面内温度分布を均一にしているため、フラッシュ光照射時における半導体ウェハーW表面の面内温度分布も均一にすることができる。
【0081】
フラッシュ加熱処理が終了した後、所定時間経過後にハロゲンランプHLが消灯する。これにより、半導体ウェハーWが予備加熱温度T1から急速に降温する。降温中の半導体ウェハーWの温度は放射温度計20によって測定され、その測定結果は制御部3に伝達される。制御部3は、放射温度計20の測定結果より半導体ウェハーWの温度が所定温度まで降温したか否かを監視する。そして、半導体ウェハーWの温度が所定以下にまで降温した後、移載機構10の一対の移載アーム11が再び退避位置から移載動作位置に水平移動して上昇することにより、リフトピン12がサセプタ74の上面から突き出て熱処理後の半導体ウェハーWをサセプタ74から受け取る。続いて、ゲートバルブ185により閉鎖されていた搬送開口部66が開放され、リフトピン12上に載置された半導体ウェハーWが装置外部の搬送ロボットにより搬出され、熱処理装置1における半導体ウェハーWの加熱処理が完了する。
【0082】
本実施形態においては、ルーバー91の下方外側にて発光しているハロゲンランプHLの高さ位置に応じて、そのハロゲンランプHLから相対的に高温になりやすい半導体ウェハーWの周縁部よりも若干内側の領域に向かう光を遮光するように、ルーバー91の壁面における低透過率領域93の高さ位置を変化させている。すなわち、ハロゲンランプHLから相対的に高温になりやすい半導体ウェハーWの面内領域に向かう光を遮光するように、ルーバー91の壁面の異なる高さ位置に低透過率領域93を設けているのである。これにより、ハロゲンランプHLによる予備加熱時における半導体ウェハーWの面内温度分布を均一にすることができる。その結果、フラッシュ加熱時における半導体ウェハーW表面の面内温度分布も均一にすることができる。
【0083】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、この発明はその趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば、低透過率領域93および高透過率領域92の形成形態は上記実施形態の例に限定されるものではなく、半導体ウェハーWの面内に現出する相対的な高温領域(いわゆるホットスポット)に向かうハロゲンランプHLからの光を遮光するように、ルーバー91の壁面に低透過率領域93を設けるようにすれば良い。このようにすれば、上記実施形態と同様に、半導体ウェハーWの面内温度分布を均一にすることができる。
【0084】
また、低透過率領域93および高透過率領域92の透過率は特に限定されるものではなく適宜の値とすることができる。もっとも、低透過率領域93よりも高透過率領域92の方が透過率が高いのは勿論である。
【0085】
低透過率領域93は、不透明石英に限定されるものではなく、例えばルーバー91を構成する透明石英の表面にSiOの膜を成膜することによって形成するようにしても良い。また、ルーバー91を構成する透明石英の表面にブラスト処理等を施工することによって、ルーバー91の壁面に低透過率領域93を形成するようにしても良い。
【0086】
また、ルーバー91の壁面に付与する透過率は高透過率と低透過率との2段階に限定されるものではなく、3段階以上であっても良い。すなわち、ルーバー91の壁面に、ハロゲン加熱部4から出射された光に対する透過率の異なる複数の領域を設けるようにすれば良い。
【0087】
また、上記実施形態においては、フラッシュ加熱部5に30本のフラッシュランプFLを備えるようにしていたが、これに限定されるものではなく、フラッシュランプFLの本数は任意の数とすることができる。また、フラッシュランプFLはキセノンフラッシュランプに限定されるものではなく、クリプトンフラッシュランプであっても良い。また、ハロゲン加熱部4に備えるハロゲンランプHLの本数も40本に限定されるものではなく、上段および下段に複数する配置する形態であれば任意の数とすることができる。
【0088】
また、本発明に係る熱処理装置によって処理対象となる基板は半導体ウェハーに限定されるものではなく、液晶表示装置などのフラットパネルディスプレイに用いるガラス基板や太陽電池用の基板であっても良い。また、本発明に係る技術は、高誘電率ゲート絶縁膜(High-k膜)の熱処理、金属とシリコンとの接合、或いはポリシリコンの結晶化に適用するようにしても良い。
【0089】
また、本発明に係る熱処理技術は、フラッシュランプアニール装置に限定されるものではなく、ハロゲンランプを使用した枚葉式のランプアニール装置やCVD装置などのフラッシュランプ以外の熱源の装置にも適用することができる。特に、チャンバーの下方にハロゲンランプを配置し、半導体ウェハーの裏面から光照射を行って熱処理を行うバックサイドアニール装置に本発明に係る技術は好適に適用することができる。
【符号の説明】
【0090】
1 熱処理装置
3 制御部
4 ハロゲン加熱部
5 フラッシュ加熱部
6 チャンバー
7 保持部
10 移載機構
48 フィラメント
65 熱処理空間
74 サセプタ
91 ルーバー
92 高透過率領域
93 低透過率領域
94 第1区画
95 第2区画
FL フラッシュランプ
HL ハロゲンランプ
W 半導体ウェハー
図1
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