【解決手段】実施形態のプリント配線板1は、発光素子Lの搭載面である第1面1Fおよび第1面1Fと反対側の第2面1Sを有し、第1面1F側の最外層の導体層であって発光素子搭載パッド111を備える第1導体層11と、第2面1S側の最外層の導体層である第2導体層12と、第1導体層11と第2導体層12との間に介在する1つまたは複数の絶縁層21〜24と、1つまたは複数の絶縁層21〜24それぞれを貫通するビア導体3a〜3dと、を含んでいる。そして、第1導体層11の厚さは第2導体層12の厚さよりも厚い。
請求項1記載のプリント配線板であって、さらに、前記第1導体層および前記第2導体層の間に前記絶縁層を介して内層の導体層を含んでおり、前記第1導体層の厚さは、前記内層の導体層の厚さよりも厚い。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の第1実施形態のプリント配線板が図面を参照して説明される。
図1には、第1実施形態のプリント配線板1が示されている。
図1に示されるように、プリント配線板1は、厚さ方向の一方の表面である第1面1Fおよび第1面1Fと反対側の表面である第2面1Sを有している。プリント配線板1は、第1面1F側の最外層の導体層である第1導体層11と、第2面1S側の最外層の導体層である第2導体層12と、第1導体層11と第2導体層12との間に介在する1つまたは複数の絶縁層(
図1の例では第1〜第4の絶縁層21〜24)とを含んでいる。さらに、プリント配線板1は、この1つまたは複数の絶縁層それぞれを貫通するビア導体3a〜3dを含んでいる。第1導体層11は発光素子搭載パッド111を備えている。発光素子搭載パッド111には、プリント配線板1の使用時に発光素子Lが搭載される。プリント配線板1の第1面1Fは、発光素子の搭載面である。そして、プリント配線板1では、この発光素子の搭載面である第1面1F側の最外層の導体層であって発光素子搭載パッド111を備える第1導体層11の厚さは、第2面1S側の最外層の導体層である第2導体層12の厚さよりも厚い。
【0010】
従って、本実施形態では、発光素子搭載パッド111の熱容量が大きい。発光素子Lはこの発光素子搭載パッド111に搭載されるため、発光素子Lで発生する熱は発光素子搭載パッド111に速やかに伝わると推察される。本実施形態では、この発光素子搭載パッド111の熱容量が大きいため、発光素子Lで発生する熱(熱量)のうちの多くが発光素子搭載パッド111中に拡散し得る。そのため、発光素子Lの温度は上昇し難いと考えられる。特に、過渡熱抵抗が低く、従って、発熱開始(電圧印加などの開始)から短い時間における温度上昇や瞬間的な温度上昇は緩やかであると考えられる。また、第1導体層11が本実施形態よりも薄い場合と比べて熱飽和時の熱抵抗(飽和熱抵抗)も小さいと考えられる。従って、発光素子の熱による破損や、その特性の変動もしくは低下を防止できると考えられる。また、プリント配線板1における発光素子搭載パッド111の近傍部分に加わる熱応力によるストレスも少ないと考えられる。プリント配線板1を用いた電子機器の信頼性は高いと考えられる。
【0011】
第1導体層11の厚さT1は、たとえば、70μm以上、250μm以下であり、好ましくは、100μm以上、200μm以下である。一方、第2導体層12の厚さT2は、たとえば、10μm以上、70μm以下である。第1および第2導体層11、12がこのような厚さを有することにより、前述の温度上昇の抑制効果を享受しながら、プリント配線板に求められがちな薄型化の要求にも対応し得ると考えられる。
【0012】
「発光素子」としては、発光ダイオードやレーザーダイオードなどが例示される。
図1の例では、表面実装型の発光素子Lが示されているが、発光素子の形態(パッケージ)は、表面実装型に限定されない。たとえば、実施形態のプリント配線板1は、ピン状の端子を備えた発光素子の搭載に用いられてもよい。実施形態のプリント配線板1に搭載される発光素子は、電圧の印加や通電によって光を発するものであれば、その発光原理や形状に関して何ら限定されない。実施形態のプリント配線板1では、発光素子Lで生じる熱が、厚い第1導体層11によって速やかに拡散され得る。従って、プリント配線板1は、特に大電力を消費する発光素子の搭載に適していると考えられる。
図1の例では、発光素子Lは、はんだや導電性接着剤などの任意の接合材Sを用いて発光素子搭載パッド111に接続されている。
【0013】
本実施形態のプリント配線板1では、第2導体層12は放熱部材搭載パッド121を備えている。放熱部材搭載パッド121には、プリント配線板1の使用時に、銅やアルミニウムなどの金属やセラミックスのなどの熱伝導率の高い材料からなる放熱ブロックやヒートシンクまたは放熱フィンなどの放熱部材Cが搭載される。プリント配線板1では、発光素子搭載パッド111と放熱部材搭載パッド121とが、第1〜第4の絶縁層21〜24のそれぞれを個々に貫通するビア導体3a〜3dによって接続されている。ビア導体3a〜3dは、後述のように、銅やニッケルなどの熱伝導性の高い金属で形成される。従って、発光素子Lから、放熱部材Cさらにはその周囲の外気に至るまでの熱抵抗は小さく、たとえ発熱しても発光素子Lの温度上昇は小さいと考えられる。なお、放熱部材Cと放熱部材搭載パッド121とは、たとえば、溶接やはんだ付けまたは導電性接着剤などの任意の接合手段によって接合され得る。
【0014】
図1の例では、プリント配線板1は、前述のように、複数の絶縁層(第1〜第4の絶縁層21〜24)を含んでいる。ビア導体3aは第1絶縁層21を貫通し、ビア導体3bは第2絶縁層22を貫通している。同様に、ビア導体3cは第3絶縁層23を、ビア導体3dは第4絶縁層24を、それぞれ貫通している。
図1の例では、発光素子搭載パッド111と放熱部材搭載パッド121とは、平面視で互いに重なる位置に積層されている複数のビア導体3a〜3dによって接続されている。ビア導体3a〜3dによって所謂スタックビアが構成されている。発光素子搭載パッド111と放熱部材搭載パッド121とが短い、好ましくは最短の熱伝導経路で接続され得る。発光素子Lで生じる熱が効率よく放熱部材Cに伝わると考えられる。発光素子Lの温度上昇が、より小さいと考えられる。
図1の例では、ビア導体3a〜3dは、互いの中心軸が一致するように、すなわち、各ビア導体が他のビア導体の真上もしくは真下に形成されている。しかし、ビア導体3a〜3dは、必ずしも
図1の例示のように形成されていなくてもよい。たとえば、ビア導体3a〜3dは、平面視で互いの一部だけが重なるように形成されていてもよく、互いに全く重ならない位置に形成されていてもよい。なお「平面視」は、プリント配線板を外部から見るときの見方に関し、プリント配線板の厚さ方向と平行な視線でプリント配線板を見ることを意味している。
【0015】
また、プリント配線板1は、最外層の導体層である第1導体層11および第2導体層12の間に第1絶縁層21および第4絶縁層24を介して内層の導体層13a〜13cを含んでいる。内層の導体層13a〜13cのそれぞれは、互いの間に第2絶縁層22または第3絶縁層23を介して積層されている。第1導体層11の厚さは、内層の導体層13a〜13cの厚さよりも厚い。前述のように、発光素子Lで生じる熱が速やかに第1導体層11中に拡散され得る。第1導体層11と内層の導体層13aとはビア導体3aによって接続されており、内層の導体層13aと内層の導体層13bとはビア導体3bによって接続されている。同様に、内層の導体層13bと内層の導体層13cとはビア導体3cによって、内層の導体層13cと第2導体層12とはビア導体3dによって、それぞれ接続されている。すなわち、発光素子搭載パッド111と放熱部材搭載パッド121とが、各導体層や各ビア導体を形成するたとえば銅などの熱伝導性の良好な材料で接続されている。複数の導体層および複数の絶縁層を間に介在させているものの、発光素子搭載パッド111と放熱部材搭載パッド121との間の熱抵抗は小さいと考えられる。
【0016】
なお、本実施形態のプリント配線板1は、複数の絶縁層(第1〜第4の絶縁層21〜24)、これら複数の絶縁層それぞれを貫通するビア導体3a〜3d、および複数の内層の導体層13a〜13cを含んでいるが、プリント配線板1は、必ずしも、これら全てを含んでいなくてもよい。たとえば、第1導体層11と第2導体層12との間には、絶縁層が少なくとも1つ設けられていればよく、従って、この少なくとも1つの絶縁層を貫通するビア導体だけが設けられていてもよい。絶縁層が1つだけ設けられる場合、内層の導体層は設けられなくてもよい。また、プリント配線板1は2つ以上の任意の層数の絶縁層と、その各絶縁層を貫通するビア導体と、絶縁層の層数に応じた数の内層の導体層とを含み得る。プリント配線板1が多くの導体層および絶縁層を有することによって、より複雑な電気回路が、プリント配線板1の内部に構成され得る。
【0017】
本実施形態では、第1導体層11は、第1絶縁層21上に形成されている金属箔層11a、および金属箔層11a上に形成されているめっき膜層11bを含んでいる。めっき膜層11bは金属箔層11aよりも厚い。めっき膜層11bの厚さは、たとえば、10μm以上、200μm以下である。一方、金属箔層11aの厚さは、たとえば、5μm以上、30μm以下である。めっき膜層11bを金属箔層11aよりも厚くすることによって、金属箔層11aを薄くすることができる。そうすることによって、ビア導体3aを形成するための導通用孔の形成が容易になる。
【0018】
一方、第2導体層12は、本実施形態では金属箔のみからなる。しかし、第2導体層12が、第1導体層11と同様にめっき膜層を含んでいてもよく、また、第1導体層11が、金属箔およびめっき膜のいずれか一方のみで形成されていてもよい。また、第1導体層11のめっき膜層11bが金属箔層11aよりも薄くてもよい。めっき膜層11bが金属箔層11aよりも薄い場合、めっき厚のばらつきが抑えられ、平坦性の良好な第1導体層11が得られる。
【0019】
第1および第2の導体層11、12は、任意の導電性の材料で形成され得る。たとえば、銅やニッケルなどが、第1および第2の導体層11、12の材料として例示される。好ましくは、銅が、第1および第2の導体層11、12の材料として用いられる。第1および第2の導体層11、12は、外部の任意の電子部品や機構部品との接続用のランドパターンや、これらランドパターン同士を接続する配線パターンなど、任意の導体パターンを含み得る。従って、第1導体層11および第2導体層12は、それぞれ、発光素子搭載パッド111または放熱部材搭載パッド121以外の任意の外部部材用の搭載パッドを含み得る。
図1の例では、第1導体層11は、発光素子搭載パッド111の他に、外部部材接続パッド112を含み、第2導体層12は、放熱部材搭載パッド111の他に、外部部材接続パッド122を含んでいる。厚い第1導体層11に形成されている発光素子搭載パッド111、および外部部材接続パッド112は、第1面1F側から第1絶縁層21側に向って拡幅している。しかし、発光素子搭載パッド111、および外部部材接続パッド112の幅は、各パッドの厚さ方向全体に渡って略一定であってもよく、第1面1F側に向って拡幅していてもよい。また、第2導体層12に形成されている放熱部材搭載パッド121および外部部材接続パッド122が、第2面1S側または第4絶縁層24側に向って拡幅していてもよい。
【0020】
発光素子搭載パッド111は、発光素子Lの端子が接続される1つまたは複数の導体パッドからなる。発光素子搭載パッド111は、発光素子Lの形状や数量、および発光素子Lの端子の形状や数量に応じて、任意の平面形状で、任意の位置に、任意の数で設けられる。また、放熱部材搭載パッド121も、放熱部材Cが接続される1つまたは複数の導体パッドからなる。放熱部材搭載パッド121は、発光素子Lの形状や数量および発光素子Lの端子の形状や数量に応じて、さらには、放熱部材Cの形状や大きさおよび数量に応じて、任意の平面形状で、任意の位置に、任意の数で設けられる。発光素子搭載パッド111および放熱部材搭載パッド121は、後述のように、たとえば第1導体層11および第2導体層12をパターニングすることによって、所望の平面形状に形成される。
【0021】
内層の導体層13a〜13cは、第1および第2の導体層11、12と同様に、銅やニッケルなどからなる金属箔および/またはめっき膜によって形成され、任意の導体パターンを含み得る。
【0022】
ビア導体3a〜3dは、任意の導電性材料で形成されている。たとえば、ビア導体3a〜3dは、銅やニッケルなどのめっき膜によって形成され、好ましくは、第1および第2の導体層11、12ならびに内層の各導体層と同じ材料で形成される。各絶縁層それぞれに形成されるビア導体3a〜3dのうち、特に、発光素子搭載パッド111と放熱部材搭載パッド121とを接続するビア導体は、熱伝導路を構成し、所謂サーマルビアとして機能する。従って、ビア導体3a〜3dは、銅のような熱伝導率の高い材料で形成される。また、好ましくは、各絶縁層において発光素子搭載パッド111および放熱部材搭載パッド121と平面視で重なる領域には、ビア導体3a〜3dがそれぞれ複数個形成される。
【0023】
前述のように、第1導体層11には、動作時に発熱し得る発光素子Lが搭載される。従って、基本的に、第1導体層11側の方が第2導体層12側よりも高温になると考えられる。本実施形態では、ビア導体3a〜3dは、全て、
図1に示されるプリント配線板1の厚さ方向に沿った断面において、第2導体層12に向って縮径するテーパー形状を有している。そのため、各ビア導体と、隣接する各導体層との接触面積は、第1導体層11側の方が、第2導体層12側よりも大きい。従って、第1導体層11側の各導体層と各ビア導体との界面が第2導体層12側の界面よりも高温に晒されても、第1導体層11側の界面において剥離などが生じ難いと考えられる。なお、便宜上、「縮径」という文言が用いられているが、ビア導体3a〜3dの開口形状は、必ずしも円形に限定されない。「縮径」は、水平断面(プリント配線板1の厚さ方向に直交する断面)における各ビア導体の外周上の最長の2点間の距離が小さくなることを意味している。
【0024】
第1〜第4の絶縁層21〜24は、たとえば樹脂からなる任意の絶縁性材料により形成される。好ましくは、第1〜第4の絶縁層21〜24は、プリプレグのようにガラス繊維などの補強材を含む、または、含まないエポキシ樹脂により形成される。ビスマレイミドトリアジン樹脂(BT樹脂)、フェノール樹脂などが、第1〜第4の絶縁層21〜24の材料として用いられてもよい。各絶縁層を形成する樹脂は、シリカなどの無機フィラーを含んでいてもよい。第1〜第4の絶縁層21〜24それぞれの厚さは、たとえば、10μm以上、100μm以下であり、好ましくは30μmである。
【0025】
図1の例では、プリント配線板1は、さらに、第1面1Fに第1ソルダーレジスト層41を備え、第2面1Sに第2ソルダーレジスト層42を備えている。第1および第2ソルダーレジスト層41、42は、それぞれ、発光素子搭載パッド111、放熱部材搭載パッド121、および各外部部材接続パッド112、122が内部に露出する開口部を備えている。第1および第2のソルダーレジスト層41、42は、感光性のエポキシ樹脂やポリイミド樹脂などによって形成され得る。なお、プリント配線板1は、各ソルダーレジスト層を含んでいなくてもよい。また、図示されていないが、発光素子搭載パッド111、放熱部材搭載パッド121、および各外部部材接続パッド112、122の露出面には、Ni/Pd/Au、Ni/Au、または、はんだもしくはOSPなどによって表面保護膜が形成されていてもよい。
【0026】
つぎに、プリント配線板1を例に、第1実施形態のプリント配線板の製造方法が、
図2A〜2Iを参照して以下に説明される。
【0027】
図2Aに示されるように、支持板90が用意され、支持板90の表面に金属箔12cが積層される。
図2Aの例では、支持板90は、ベース板92およびベース板92の表裏両面に設けられた、たとえば銅などからなるベース金属箔91によって構成されており、金属箔12cは、ベース金属箔91上に積層される。金属箔12cとベース金属箔91とは、たとえば、熱可塑性接着剤などの分離可能な接着剤で接着される。金属箔12cとベース金属箔91とは、外周付近の余白部分だけで接着されてもよい。支持板90は、ベース板92および2枚のベース金属箔91によって構成される両面銅張積層板であってもよい。銅などの金属板が支持板90として用いられてもよい。また、銅などからなるキャリア金属箔を一面に備えた金属箔12cがキャリア金属箔側をベース板92に向けてベース板92の表面に積層され、それにより、キャリア金属箔とベース板92とを含む支持板90の表面上に金属箔12cが積層されてもよい。金属箔12cは、プリント配線板1の完成時に第2導体層12(
図1参照)を構成する。従って、好ましくは、10μm以上、70μm以下の厚さの銅箔やニッケル箔などの任意の金属製の箔状部材が、金属箔12cとして用いられる。
【0028】
図2Aの例では、支持板90の表裏両面に金属箔12cが積層されている。支持板90の両面を用いて2つのプリント配線板1を効率よく製造することができる。しかし、金属箔12cは、必ずしも支持板90の表裏両面に積層されなくてもよい。
図2B〜2Hおよび以下の説明では、各図面上、支持板90の下側で形成されるプリント配線板に関する符号や説明は適宜省略される。また、
図2B〜2Hには、支持板90の各面に製造途中のプリント配線板が1つだけ示されている。しかし、支持板90の各面において複数のプリント配線板が並置状態で同時に形成されてもよい。
【0029】
つぎに、金属箔12c上に少なくとも1組の絶縁層および導体層が形成される。
図1に示されるプリント配線板1が製造される場合は、4組の絶縁層および導体層が形成され、その結果、絶縁層と導体層との積層体5(
図2G参照)が支持板90上に形成される。まず、
図2Bに示されるように、金属箔12c上に、第4絶縁層24となる絶縁材、および、内層の導体層13c(
図1参照)の一部を構成する金属箔13c1が積層される。そして、熱圧着などによって絶縁材と金属箔12cおよび金属箔13c1とが接合されると共に、第4絶縁層24が形成される。第4絶縁層24となる絶縁材は、たとえば、フィルム状に成型されたエポキシ樹脂またはプリプレグである。金属箔13c1は、銅箔やニッケル箔などの任意の金属箔である。なお、金属箔13c1は必ずしも積層されなくてもよい。
【0030】
図2Cに示されるように、ビア導体3d(
図1参照)用の導通用孔3d1が、金属箔13c1の支持板90と反対側の表面からのCO
2ガスレーザー光の照射などによって、ビア導体3dの所定の形成箇所に形成される。第4絶縁層24を貫通し、第2導体層12(
図1参照)となる金属箔12cに向って縮径する導通用孔3d1が形成される。
【0031】
つぎに、内層の導体層13cおよびビア導体3dが形成される。内層の導体層13cおよびビア導体3dは、無電解めっきやスパッタリングなどによる電流供給層の形成、この電流供給層を用いた電解めっきによるめっき膜の形成、さらには、エッチングによる不要な領域のめっき膜の除去などによって形成され得る。すなわち、サブトラクティブ法やアディティブ法などの任意の導体パターン形成方法が用いられ得る。その結果、
図2Dに示されるように、所望の領域に導体パターンを備える内層の導体層13c、および、内層の導体層13cと金属箔12c(第2導体層12)とを接続するビア導体3dが形成される。なお、内層の導体層13cは、前述の金属箔13c1、電流供給層として用いられた図示されない無電解めっき膜やスパッタリング膜など、および電解めっき膜によって構成されるが、
図2Dでは、省略して1層で示されている。
【0032】
図2Eに示されるように、
図2B〜2Dを参照して説明された方法と同様の方法で、第3および第2の絶縁層23、22、内層の導体層13b、13a、ならびにビア導体3c、3bが形成される。さらに、
図2Bに示される方法と同様の方法を用いて、
図2Fに示されるように、第1絶縁層21が形成されると共に、第1導体層11(
図1参照)の金属箔層11aとなる金属箔が積層される。さらに、
図2Cに示される方法と同様の方法を用いて、ビア導体3a(
図1参照)用の導通用孔3a1が形成される。
【0033】
続いて、
図2Gに示されるように、第1導体層11のめっき膜層11bが形成される。その結果、金属箔層11aおよびめっき膜層11bを含む第1導体層11が形成されると共に、導通用孔3a1内にめっき膜からなるビア導体3aが形成される。めっき膜層11bの形成では、導通用孔3a1内および金属箔層11a上に、たとえば、無電解めっきなどによって導体膜(図示せず)が形成される。そして、この導体膜を電流供給層とする電解めっきによってめっき膜層11bが形成される。
【0034】
めっき膜層11bは、第1導体層11の厚さが、金属箔12cからなる第2導体層12よりも厚くなるような厚さに形成される。すなわち、第1導体層11は支持板90の表面に積層される金属箔12cよりも厚く形成される。たとえば、電解めっき時のめっき時間やめっき液の成分などの電解めっきの条件が適切に設定される。その結果、
図2Gに示されるように、第2導体層12よりも厚い第1導体層11が形成される。たとえば、めっき膜層11bは、金属箔層11aよりも厚く形成されてもよい。また、第2導体層12となる金属箔12cよりも厚い金属箔によって金属箔層11aが形成されてもよい。
【0035】
図1に示されるプリント配線板1と異なり、4層以外の層数の絶縁層を有するプリント配線板が形成される場合は、
図2D〜
図2Fを参照して説明された工程を行う回数が増減される。たとえば、絶縁層を1層だけ含んでいるプリント配線板が製造される場合は、
図2Cに示される工程の後、
図2D〜
図2Fに示される工程を省略して、
図2Gに示される工程が実行される。また、形成される絶縁層それぞれを貫通するビア導体が形成され得る。さらに、絶縁層の層数に応じた(具体的には絶縁層の層数よりも1つ少ない)層数の内層の導体層が形成され得る。
【0036】
このように絶縁層と導体層とを形成することによって、第1面1Fおよび第1面1Fと反対側の第2面1Sを有していて第2面1Sに第2導体層12を備え、かつ、第1面1Fに第2導体層12よりも厚い第1導体層11を備える、絶縁層と導体層との積層体5が支持板90上に形成される。本実施形態のプリント配線板の製造方法では、積層体5は、支持板90と反対側に第1面1Fを有し、支持板90側に第2面1Sを有している。積層体5の第1面1F側の最表層には、金属箔層11aが形成され、金属箔層11a上にめっき膜層11bが形成されている。第1導体層11は、金属箔層11aとめっき膜層11bとを含んでいる。積層体5は、支持板90の表面に積層されている金属箔12cからなる第2導体層12を支持板90側の最表層に備えている。また、第1〜第4の絶縁層21〜24それぞれを貫通し、第1導体層11と第2導体層12とを接続する1つまたは複数のビア導体(
図1のプリント配線板1ではビア導体3a〜3d)が形成される。
【0037】
つぎに、
図2Hに示されるように、支持板90が除去される。支持板90は、ベース金属箔91と第2導体層12を構成する金属箔12cとを分離することによって、製造工程中のプリント配線板から除去される。たとえば、金属箔12cとベース金属箔91とを接着している熱可塑性接着剤を加熱することによって、金属箔12cとベース金属箔91とが引き離される。金属箔12cとベース金属箔91とが外周部分だけで接着されている場合は、その接着部分よりも内周側で金属箔12cおよびベース金属箔91それぞれが切断されてもよい。
【0038】
図2Iに示されるように、第1導体層11および第2導体層12が、所望の導体パターンを備えるようにパターニングされる。第1導体層11をパターニングすることによって第1面1Fに発光素子搭載パッド111が形成される。また、
図1のプリント配線板1が製造される場合は、第2導体層12をパターニングすることによって第2面1Sに放熱部材搭載パッド121が形成される。
図1のプリント配線板1が製造される場合は、さらに、第1導体層11および第2導体層12に、外部部材接続パッド112、122も形成される。
【0039】
第1および第2の導体層11、12のパターニングは、たとえば、ウェットエッチングやドライエッチングによって行われる。すなわち、発光素子搭載パッド111や放熱部材搭載パッド121などの所望の導体パターンの形成領域を覆うエッチングマスク(図示せず)が、第1および第2の導体層11、12それぞれの上に形成される。そして、第1および第2の導体層11、12におけるエッチングマスクに覆われずに露出している部分がエッチングによって除去される。その結果、発光素子搭載パッド111や放熱部材搭載パッド121などを含む所望の導体パターンが、第1導体層11および第2導体層12にそれぞれ形成される。なお、このエッチング時に各搭載パッドの側面がサイドエッチングされ得る。そのため、
図2Iに示されるように、厚い第1導体層11に形成される発光素子搭載パッド111および外部部材接続パッド112では、第1面1F側の幅が、第1絶縁層21側の幅よりも、容易に看取できる程小さくなり得る。
【0040】
図1に示されるプリント配線板1が製造される場合は、その後、第1ソルダーレジスト層41および第2ソルダーレジスト層42が形成される。たとえば、感光性のエポキシ樹脂などが第1面1Fおよび第2面1Sのほぼ全面に印刷や吹き付けなどにより塗布される。そして、フォトリソグラフィ技術を用いて、発光素子搭載パッド111や放熱部材搭載パッド121などを露出させる開口部が第1ソルダーレジスト層41および第2ソルダーレジスト層42に形成される。以上の工程を経ることによって、
図1に示されるプリント配線板1が完成する。なお、発光素子搭載パッド111や放熱部材搭載パッド121の表面上には、ニッケルやパラジウムまたは金などの無電解めっきにより表面保護膜が形成されてもよい。
【0041】
つぎに、第2実施形態のプリント配線板1aが
図3を参照して説明される。
図3に示されるように、プリント配線板1aは、前述の第1実施形態のプリント配線板1と同様に、発光素子Lの搭載面である第1面1Fおよび第2面1Sを有し、第1面1F側および第2面1S側それぞれの最外層の導体層として第1導体層61および第2導体層62を含んでいる。第1導体層61は、発光素子搭載パッド611を備え、第2導体層62は、放熱部材搭載パッド621を備えている。また、プリント配線板1aは、前述の第1実施形態のプリント配線板1と同様に、第1導体層61と第2導体層62との間に介在する第1〜第4の絶縁層71〜74、これらの絶縁層それぞれを貫通するビア導体8a〜8d、および、内層の導体層63a〜63cを含んでいる。そして、プリント配線板1aにおいても、発光素子搭載パッド611を備える第1導体層61の厚さは第2導体層62の厚さよりも厚い。従って、本実施形態のプリント配線板1aにおいても、前述の第1実施形態のプリント配線板1の場合と同様に、発光素子Lの温度は上昇し難く、その温度上昇は緩やかであると考えられる。従って、発光素子Lの熱による破損や特性の変動などが防止されると考えられる。また、プリント配線板1aを用いた電子機器の信頼性は高いと考えられる。本実施形態における第1導体層61の厚さは、たとえば、70μm以上、250μm以下であり、好ましくは、100μm以上、200μm以下である。また、第2導体層62の厚さは、たとえば、10μm以上、70μm以下である。
【0042】
一方、プリント配線板1aでは、第1導体層61は、第1実施形態のプリント配線板1の第1導体層11と異なり、金属箔61cのみからなる単層構造を有している。また、第2導体層62は、第1実施形態のプリント配線板1の第2導体層12と異なり、金属箔層62aおよびめっき膜層62bを含む2層構造を有している。さらに、本実施形態では、ビア導体8a〜8dは、第1実施形態のプリント配線板1のビア導体3a〜3dと異なり、第1導体層61に向って縮径するテーパー形状を有している。換言すると、ビア導体8a〜8dは、それぞれ、第2導体層62側に向かうほど断面の大きさが大きくなる。第1導体層61上で発熱する発光素子Lからの熱が、各ビア導体を通って伝導する間に、各ビア導体の軸方向と直交する方向に広く拡散し、より大きな面積で、第2導体層62側の各導体層に伝わると考えられる。良好な放熱性が得られることがあると考えられる。
【0043】
第1導体層61および第2導体層62の層構成、ならびに各ビア導体8a〜8dにおける縮径する方向の違いを除いて、
図3に示されるプリント配線板1aは、
図1の第1実施形態のプリント配線板1と同様の構造を有している。第1実施形態のプリント配線板1と同様の構成についての更なる説明は省略される。なお、本実施形態において、第1導体層61は第2導体層62と同様にめっき膜層を含んでいてもよく、また、第2導体層62は金属箔およびめっき膜のいずれか一方のみで形成されていてもよい。
【0044】
つぎに、プリント配線板1aを例に、第2実施形態のプリント配線板の製造方法が、
図4A〜4Fを参照して以下に説明される。本実施形態のプリント配線板の製造方法では、支持板90の表面上に第1導体層61(
図4D参照)が形成され、積層体10における支持板90側と反対側に第2導体層62が形成される(
図4D参照)。主にこれらの点において、本実施形態のプリント配線板の製造方法は、前述の第1実施形態のプリント配線板の製造方法と異なる。以下の説明において、第1実施形態のプリント配線板の製造方法と同様に点については、その説明は適宜省略されている。
【0045】
図4Aに示されるように、支持板90の表面に金属箔61cが積層される。本実施形態では、支持板90の表面に形成される金属箔61cが、プリント配線板1aの完成時に第1導体層61(
図3参照)を構成する。また、本実施形態の製造方法においても、第2導体層62(
図3参照)よりも厚い第1導体層61を備えるプリント配線板1aが製造される。第2導体層62は、後述の工程において所定の厚さに形成される。従って、後述の工程で形成される第2導体層62の厚さよりも厚い金属製の箔状部材が金属箔61cとして支持板90の表面に積層される。たとえば、70μm以上、250μm以下、好ましくは、100μm以上、200μm以下の厚さの銅箔が、金属箔61cとして用いられる。なお、支持板90は、
図2Aを参照して説明された方法において用いられるものと同様の構造を有し得る。金属箔61cとベース金属箔91とは、
図2Aについての前述の説明と同様に、たとえば、熱可塑性接着剤などを用いて、および/または、外周付近の余白部分だけで接着され得る。なお、
図4B〜4Eおよび以下の説明では、各図面上、支持板90の上側で形成されるプリント配線板に関する符号や説明は適宜省略される。
【0046】
つぎに、前述の第1実施形態のプリント配線板の製造方法と同様に、所望の数の絶縁層および導体層が形成されることによって、導体層と絶縁層との積層体10(
図4D参照)が支持板90上に形成される。すなわち、
図4Bに示されるように、金属箔61c上に、第1絶縁層71、および、内層の導体層63aの一部を構成する金属箔63a1が積層され、その後、前述の
図2C〜2Fを参照して説明された工程と同様の工程が行われる。なお、本実施形態では、第1導体層61、そして、内層の導体層63aから内層の導体層63cの順に各導体層が形成され、各絶縁層は第1絶縁層71から第4絶縁層74の順に、また、各ビア導体はビア導体8aからビア導体8cの順にそれぞれ形成される。その結果、
図4Cに示されるように、所望の層数(
図4Cの例では全4層)の絶縁層が形成され、支持板90と反対側の最外層の絶縁層として第4絶縁層74が形成される。また、第2導体層62(
図3参照)の金属箔層62aとなる金属箔が積層され、さらに、ビア導体8d(
図3参照)用の導通用孔8d1が形成される。
【0047】
図4Dに示されるように、第2導体層62のめっき膜層62bが形成される。その結果、金属箔層62aおよびめっき膜層62bを含む第2導体層62が形成されると共に、導通用孔8d1内にビア導体8dが形成される。めっき膜層62bは、前述の
図2Gを参照して説明されためっき膜11bの形成と同様の方法で形成され得る。なお、前述の
図4Aに示される工程では、この
図4Dに示される工程で第4絶縁層74上に形成される第2導体層62の厚さよりも厚い金属製の箔状部材が、金属箔61cとして支持板90の表面に積層されている。
【0048】
このように絶縁層と導体層とを形成することによって、第1面1Fに第2導体層62よりも厚い第1導体層61を備える、絶縁層と導体層との積層体10が支持板90上に形成される。本実施形態のプリント配線板の製造方法では、積層体10は、支持板90側に第1面1Fを有し、支持板90と反対側に第2面1Sを有している。積層体10の第2面1S側の最表層には、金属箔層62aが形成され、金属箔層62a上にめっき膜層62bが形成されている。第2導体層62は、金属箔層62aとめっき膜層62bとを含んでいる。積層体10は、支持板90の表面に積層されている金属箔61cからなる第1導体層61を支持板90側の最表層に備えている。また、第1〜第4の絶縁層71〜74それぞれを貫通し、第1導体層61と第2導体層62とを接続する1つまたは複数のビア導体(
図3のプリント配線板1aではビア導体8a〜8d)が形成される。
【0049】
なお、ビア導体8a〜8dの導通用孔を穿孔するレーザー光は、本実施形態においても、順次積層される各絶縁層に関して支持板90と反対側から照射される。従って、本実施形態では、第1導体層61側に向って縮径するビア導体8a〜8dが形成される。
【0050】
つぎに、
図4Eに示されるように、支持板90が除去される。支持板90は、前述の
図2Hを参照して説明された方法と同様の方法で除去され得る。
【0051】
そして、
図4Fに示されるように、第1導体層61および第2導体層62が、所望の導体パターンを備えるようにパターニングされる。その結果、第1面1Fに発光素子搭載パッド611が形成される。また、
図4Fに示される例では、第2面1Sに放熱部材搭載パッド621が形成される。
図4Fに示されるように、外部部材接続パッド612、622が形成されてもよい。なお、第1および第2の導体層61、62は、
図2Iを参照して説明された方法と同様の方法でパターニングされ得る。
【0052】
その後、フォトリソグラフィ技術などを用いて、所望の開口部を有する第1ソルダーレジスト層41および第2ソルダーレジスト層42が形成される。以上の工程を経ることによって、
図3に示されるプリント配線板1aが完成する。本実施形態のプリント配線板1aの製造方法では、発光素子搭載パッド611を備える第1導体層61は、支持板90に積層される金属箔61cによって構成される。従って、発光素子搭載パッド611を構成する個々の導体パッド間における厚さ方向の位置ばらつきは少ないと考えられる。発光素子Lが、歩留まりよく、かつ、良好な接続品質で搭載され得ると考えられる。
【0053】
つぎに、第3実施形態のプリント配線板1bが、
図5を参照して説明される。
図5に示されるように、本実施形態のプリント配線板1bは、前述の第1実施形態のプリント配線板1と同様に、第1および第2の導体層11、12、ならびに、内層の導体層13a〜13cを含んでいる。プリント配線板1bは、さらに、第1〜第4の絶縁層21〜24と、第1〜第4の絶縁層21〜24それぞれを貫通するビア導体3a〜3dを含んでいる。また、第1実施形態のプリント配線板1と同様に、第1導体層11には発光素子搭載パッド111が形成されており、第2導体層12には放熱部材搭載パッド121が形成されている。
【0054】
そして、本実施形態では、第1絶縁層21を貫通し、第1導体層11と内層の導体層13aとを接続するビア導体3aが、発光素子搭載パッド111と平面視で重なる位置に複数個形成されている。すなわち、発光素子搭載パッド111と内層の導体層13aとが、発光素子搭載パッド111に一端が直接接している複数個のビア導体3aで接続されている。また、発光素子搭載パッド111において、発光素子Lの搭載時に発光素子Lの真下となる領域だけでなく、発光素子Lと平面視で重ならない領域、すなわち発光素子Lの周囲の領域にも、ビア導体3aが形成されている。従って、発光素子Lで発生した熱が、内層の導体層13aに伝導し易いと考えられる。発光素子Lの熱による破損や、その特性の変動もしくは低下がいっそう防止されると考えられる。
【0055】
さらに、プリント配線板1bでは、第4絶縁層24を貫通し、第2導体層12と内層の導体層13cとを接続するビア導体3dが、放熱部材搭載パッド121と平面視で重なる位置に複数個形成されている。すなわち、放熱部材搭載パッド121と内層の導体層13cとが、放熱部材搭載パッド121に一端が直接接している複数個のビア導体3dで接続されている。従って、発光素子Lから内層の導体層13cまで伝導した熱が、放熱部材搭載パッド121に、さらには放熱部材Cに伝導し易いと考えられる。
【0056】
なお、第1導体層11と第2導体層12との間に絶縁層が1つ(たとえば第1絶縁層21)だけ設けられる場合は、複数個のビア導体3aによって、発光素子搭載パッド111と放熱部材搭載パッド121とが直接接続され得る。
図5の例では、発光素子搭載パッド111の下のビア導体3aと外部部材接続パッド112の下のビア導体3aとは、互いに異なるビア径を有しており、放熱部材搭載パッド121上のビア導体3dと外部部材接続パッド122上のビア導体3dとは、互いに異なるビア径を有している。しかし、これらのビア導体は、互いに同じビア径を有していてもよい。
【0057】
図5に示される第3実施形態のプリント配線板1bは、前述の
図2A〜2Iを参照して説明された第1実施形態のプリント配線板の製造方法を用いて製造することができる。すなわち、
図2Gに示される工程で複数個のビア導体3aが発光素子搭載パッド111の形成領域内に形成される。そして、
図2Iに示される工程で、これらの複数個のビア導体3aが発光素子搭載パッド111に覆われるように第1導体層11をパターニングすることによって、
図5に示されるビア導体3aおよび発光素子搭載パッド111を形成することができる。放熱部材搭載パッド121上の複数のビア導体3dも同様に形成され得る。発光素子搭載パッド111におけるビア導体3aの数、および、放熱部材搭載パッド121におけるビア導体3dの数を除いて、第3実施形態のプリント配線板1bの構造は、第1実施形態のプリント配線板1の構造と同様である。同一の構成要素には、
図5中に同じ符号が付され、再度の説明は省略される。
【0058】
なお、前述の
図3に例示される第2実施形態のプリント配線板1aにおいて、発光素子搭載パッド611が複数個のビア導体8aによって内層の導体層63aに接続されていてもよい。さらに、放熱部材搭載パッド621が、複数個のビア導体8dによって内層の導体層63cに接続されていてもよい。
【0059】
なお、各実施形態のビア導体3a〜3dおよび8a〜8dは、各実施形態のプリント配線板1、1aの厚さ方向に沿った断面において、必ずしもテーパー形状を有していなくてもよい。たとえば、各ビア導体は、一方の端部から他方の端部まで、ほぼ同じ直径もしくは幅を有していてもよい。また、各実施形態の内層の導体層13a〜13cおよび63a〜63cは、
図2Bおよび2Cならびに
図4Bに示される例と異なり、フルアディティブ法で形成されてもよい。実施形態のプリント配線板の製造方法は、各図面を参照して説明された方法に限定されず、実施形態のプリント配線板の製造方法には、前述の各工程以外に任意の工程が追加されてもよく、前述の説明で説明された工程のうちの一部が省略されてもよい。