特開2018-207081(P2018-207081A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-207081(P2018-207081A)
(43)【公開日】2018年12月27日
(54)【発明の名称】プリント配線板およびその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 23/12 20060101AFI20181130BHJP
   H05K 1/02 20060101ALI20181130BHJP
   H05K 3/00 20060101ALI20181130BHJP
   H01L 23/40 20060101ALI20181130BHJP
   H01L 23/36 20060101ALI20181130BHJP
   H01L 33/64 20100101ALI20181130BHJP
   H01L 33/62 20100101ALI20181130BHJP
   H05K 7/20 20060101ALI20181130BHJP
【FI】
   H01L23/12 J
   H05K1/02 Q
   H05K3/00 X
   H05K1/02 Z
   H05K1/02 J
   H01L23/40 A
   H01L23/36 C
   H01L33/64
   H01L33/62
   H05K7/20 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2017-114585(P2017-114585)
(22)【出願日】2017年6月9日
(71)【出願人】
【識別番号】000000158
【氏名又は名称】イビデン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001896
【氏名又は名称】特許業務法人朝日奈特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】北川 勝敏
【テーマコード(参考)】
5E322
5E338
5F136
5F142
【Fターム(参考)】
5E322AA11
5E322AB02
5E322FA04
5E338AA02
5E338AA16
5E338CD40
5E338EE02
5F136BB02
5F136BB03
5F136DA27
5F136DA33
5F136EA13
5F136EA62
5F136FA01
5F136FA03
5F136FA52
5F136FA82
5F136GA21
5F136GA22
5F136GA23
5F142AA42
5F142BA32
5F142CD02
5F142CD13
5F142CD17
5F142CD25
5F142CD32
5F142CD44
5F142CE08
5F142CF03
5F142CF23
5F142CF42
5F142FA03
(57)【要約】
【課題】プリント配線板の放熱性の向上。
【解決手段】実施形態のプリント配線板1は、内層とされる第1導体層11と、第1導体層11の両面側の最表層にそれぞれ形成される第2導体層12および第3導体層13と、第1導体層11と第2導体層12および第3導体層13との間に設けられる第1絶縁層21および第2絶縁層22と、第1導体層11と第2導体層12とを接続する複数の第1ビア導体41と、第1導体層11と第3導体層13とを接続する複数の第2ビア導体42とを有する。第2導体層12に部品実装パッド12aが形成され、部品実装パッド12aの1つに第1ビア導体41が複数個接続されており、第1ビア導体41および第2ビア導体42は、共に同じ方向に向かって細くなるテーパー形状に形成されており、かつ、第1導体層11は、第2導体層12および第3導体層13よりも厚く形成されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内層とされる第1導体層と、
前記第1導体層の一面およびその反対面である他面の両面側の最表層にそれぞれ形成される第2導体層および第3導体層と、
前記第1導体層と前記第2導体層および前記第1導体層と前記第3導体層との間に、それぞれ少なくとも1層設けられる第1絶縁層および第2絶縁層と、
前記第1絶縁層および前記第2絶縁層にそれぞれ形成され、前記第1導体層と前記第2導体層および前記第1導体層と前記第3導体層とをそれぞれ接続する、それぞれが複数個の第1ビア導体および第2ビア導体と、
を有するプリント配線板であって、
前記第2導体層に部品実装パッドが形成され、前記部品実装パッドの1つに前記第1ビア導体が複数個接続されており、前記第1ビア導体および前記第2ビア導体は、共に同じ方向に向かって細くなるテーパー形状に形成されており、かつ、
前記第1導体層は、前記第2導体層および前記第3導体層よりも厚く形成されている。
【請求項2】
請求項1記載のプリント配線板であって、前記部品実装パッドが、前記部品実装パッドに実装される電子部品の前記第2導体層への投影領域である部品実装領域よりも前記電子部品の外側に延びて形成されており、前記複数の第1ビア導体が、前記部品実装領域の前記外側にも複数個形成されている。
【請求項3】
請求項1記載のプリント配線板であって、前記部品実装パッドが、実装される電子部品の異なる電極にそれぞれ接続される一対の導体パッドを有している。
【請求項4】
請求項1記載のプリント配線板であって、
前記第3導体層に接続用導体パッドが形成されており、前記接続用導体パッドが、前記部品実装領域の前記第3導体層への投影領域よりも外側に延びて形成され、前記部品実装領域の前記第3導体層への投影領域の他に、前記部品実装領域の投影領域より外側にも前記第2ビア導体が複数個形成されている。
【請求項5】
請求項4記載のプリント配線板であって、前記接続用導体パッドが、前記接続用導体パッドに接続される電子部品の異なる電極にそれぞれ接続される一対の導体パッドを有している。
【請求項6】
請求項1記載のプリント配線板であって、前記第1ビア導体および前記第2ビア導体が、共に前記第3導体層側から前記第2導体層側に向かって細くなるテーパー形状に形成されている。
【請求項7】
請求項1記載のプリント配線板であって、前記第1導体層に配線パターンが形成されている。
【請求項8】
請求項1記載のプリント配線板であって、前記第1導体層が第1金属箔とめっき膜とを含んでおり、前記第1金属箔が前記第1絶縁層と接しており、前記第1絶縁層との接触面がマット面である。
【請求項9】
請求項8記載のプリント配線板であって、前記第1導体層の前記めっき膜が前記第1金属箔より厚く形成されている。
【請求項10】
請求項1記載のプリント配線板であって、前記部品実装パッドに搭載される電子部品が発光素子である。
【請求項11】
請求項10記載のプリント配線板であって、前記部品実装パッドの少なくとも電子部品との接続部の周囲に光反射性絶縁部材が形成されている。
【請求項12】
請求項1記載のプリント配線板であって、前記第1導体層と前記第2導体層との間、および/または前記第1導体層と前記第3導体層との間にさらに他の絶縁層と導体層とを含んでいる。
【請求項13】
プリント配線板の製造方法であって、前記方法は、
支持板に第2金属箔を貼り付けることと、
前記第2金属箔の上に第1絶縁層を積層することと、
前記第1絶縁層に複数個の第1導通用孔を形成することと、
前記第1導通用孔の内部に前記第2金属箔と接続する第1ビア導体を形成すると共に、前記第1絶縁層の表面に第1導体層を形成することと、
前記第1導体層および前記第1絶縁層の上に第2絶縁層を積層することと、
前記第2絶縁層に複数個の第2導通用孔を形成することと、
前記第2導通用孔の内部に前記第1導体層と接続する第2ビア導体を形成すると共に、前記第2絶縁層の表面に第3導体層を形成することと、
前記支持板を除去し、その後露出する前記第2金属箔のパターニングをすることで、部品実装パッドを有する第2導体層とすることと
を含み、前記第1導体層が前記第2導体層および前記第3導体層のいずれよりも厚く形成されている。
【請求項14】
請求項13記載のプリント配線板の製造方法であって、前記第1導体層を形成することは、前記支持板の前記第2金属箔の表面に第1絶縁層と第1金属箔とを積層して圧着することにより前記第1絶縁層を積層することと、前記第1金属箔側から前記第1絶縁層に前記導通用孔を形成することと、前記導通用孔の内部および前記第1金属箔の上にめっき膜を積層すること、とを含んでいる。
【請求項15】
請求項13記載のプリント配線板の製造方法であって、前記部品実装パッドとして、発光素子が搭載される発光素子搭載パッドを形成することと、前記発光素子搭載パッドの発光素子との接続部の周囲に光反射性絶縁部材を形成することとをさらに含んでいる。
【請求項16】
請求項13記載のプリント配線板の製造方法であって、前記部品実装パッドの表面に表面保護層をさらに形成することを含んでいる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリント配線板およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、順に積層されている基体、枠体および回路板、ならびに枠体内に収容される導電性部材からなる回路基板が開示されている。回路板上には電子部品が実装される。電子部品から発生する熱は、主に、回路板、導電性部材および基体を介して外部に放熱される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−138838号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の回路基板では、空間内に導電性部材を隙間なく収容することは大変な作業になると推察される。さらに、導電性部材と回路板および基体とは単に互いに接触しているだけなので、熱伝導が十分に行われない可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のプリント配線板は、内層とされる第1導体層と、前記第1導体層の一面およびその反対面である他面の両面側の最表層にそれぞれ形成される第2導体層および第3導体層と、前記第1導体層と前記第2導体層および前記第1導体層と前記第3導体層との間に、それぞれ少なくとも1層設けられる第1絶縁層および第2絶縁層と、前記第1絶縁層および前記第2絶縁層にそれぞれ形成され、前記第1導体層と前記第2導体層および前記第1導体層と前記第3導体層とをそれぞれ接続する、それぞれが複数個の第1ビア導体および第2ビア導体と、を有している。そして、前記第2導体層に部品実装パッドが形成され、前記部品実装パッドの1つに前記第1ビア導体が複数個接続されており、前記第1ビア導体および前記第2ビア導体は、共に同じ方向に向かって細くなるテーパー形状に形成されており、かつ、前記第1導体層は、前記第2導体層および前記第3導体層よりも厚く形成されている。
【0006】
また、本発明のプリント配線板の製造方法は、支持板に第2金属箔を貼り付けることと、前記第2金属箔の上に第1絶縁層を積層することと、前記第1絶縁層に複数個の第1導通用孔を形成することと、前記第1導通用孔の内部に前記第2金属箔と接続する第1ビア導体を形成すると共に、前記第1絶縁層の表面に第1導体層を形成することと、前記第1導体層および前記第1絶縁層の上に第2絶縁層を積層することと、前記第2絶縁層に複数個の第2導通用孔を形成することと、前記第2導通用孔の内部に前記第1導体層と接続する第2ビア導体を形成すると共に、前記第2絶縁層の表面に第3導体層を形成すること、前記支持板を除去し、その後露出する前記第2金属箔のパターニングをすることで、部品実装用パッドを有する第2導体層を形成することと、を含んでいる。そして、前記第1導体層が前記第2導体層および前記第3導体層のいずれよりも厚く形成されている。
【0007】
本発明の実施形態によれば、電子部品を実装する実装パッドが形成される第2導体層が、複数のビア導体を介して第2導体層よりも厚い第1導体層に接続されている。その結果、電子部品で発生した熱が容易に第1導体層に伝導して発散すると考えられる。その結果、熱伝導性が向上し、電子部品の信頼性が向上すると共に、応力に対する接合の信頼性も向上すると考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施形態のプリント配線板の断面図。
図2図1の上面のパターンを示す平面図。
図3図1の下面の導体パターンを示す図。
図4A】本発明の一実施形態のプリント配線板の製造方法の一例を示す図。
図4B】本発明の一実施形態のプリント配線板の製造方法の一例を示す図。
図4C】本発明の一実施形態のプリント配線板の製造方法の一例を示す図。
図4D】本発明の一実施形態のプリント配線板の製造方法の一例を示す図。
図4E】本発明の一実施形態のプリント配線板の製造方法の一例を示す図。
図4F】本発明の一実施形態のプリント配線板の製造方法の一例を示す図。
図4G】本発明の一実施形態のプリント配線板の製造方法の一例を示す図。
図4H】本発明の一実施形態のプリント配線板の製造方法の一例を示す図。
図4I】本発明の一実施形態のプリント配線板の製造方法の一例を示す図。
図4J】本発明の一実施形態のプリント配線板の製造方法の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の一実施形態のプリント配線板およびその製造方法が図面を参照して説明される。図1〜3には、一実施形態のプリント配線板1が示されており、内層とされる第1導体層11と、第1導体層11の一面およびその反対面である他面の両面側の最表層にそれぞれ形成される第2導体層12および第3導体層13と、第1導体層11と第2導体層12および第1導体層11と第3導体13層との間に、それぞれ少なくとも1層設けられる第1絶縁層21および第2絶縁層22と、第1絶縁層21および第2絶縁層22にそれぞれ形成され、第1導体層11と第2導体層12および第1導体層11と第3導体層13とをそれぞれ接続する、それぞれが複数個の第1ビア導体41および第2ビア導体42と、を有している。そして、第2導体層12に部品実装パッド12aが形成され、部品実装パッド12aの1つに第1ビア導体41が複数個接続されており、第1ビア導体41および第2ビア導体42は、共に同じ方向に向かって、たとえば第3導体層13側から第2導体層12側に向かって細くなるテーパー形状に形成されており、かつ、第1導体層11は、第2導体層12および第3導体層13よりも厚く形成されている。
【0010】
第1導体層11は、図1に示されるように、第1金属箔11aとめっき膜11bとの積層体で形成されている。この第1金属箔11aは無くても構わない。すなわち、第1導体層11のメインは、めっき膜11bである。この第1導体層11は、第2導体層12または第3導体層13より遥かに厚く、10倍程度の厚さに形成されている。第1金属箔11aは、一般的に一面がマット面と呼ばれる凹凸面になっている。一方、他面側は比較的滑らかな平坦面に形成されている。この実施形態では、そのマット面と反対側にめっき膜11bが形成されている。めっき膜11bは、無電解めっきによるめっき膜またはスパッタリングもしくは真空蒸着などにより形成される被膜をシード層として電解めっきによって形成されることが好ましい。めっき時間が短縮される。第1金属箔11aおよびめっき膜11bの材料は、優れた電気伝導性および熱伝導性を備えている銅であることが好ましい。しかし、これに限定されず、第1金属箔11aおよびめっき膜11bの材料はニッケルなどの他の金属材料でもよい。
【0011】
第1金属箔11aのマット面と呼ばれる凹凸面側が第2導体層12側になるように形成されることが好ましい。すなわち、第1金属箔11aの第1絶縁層21との接合面に凹凸があるので、第1絶縁層21がその凹凸に食い込んで接合される。一方、第1金属箔11aの他面側は比較的滑らかな平坦面になっている。しかし、その面に電解めっきなどによりめっき膜11bが形成されている。そのため、金属膜同士の接合で密着して積層される。一方、めっき膜11bの露出面側には第2絶縁層22が接合する。そのため、めっき膜11bの露出面には、黒化処理やマイクロエッチングなどにより細かい凹凸が形成されることが好ましい。すなわち、めっき膜11bの第1金属箔11aと反対面は粗化面であってもよい。前述の第1絶縁層21側と同様に凹凸のある方が樹脂などとの食いつきがよく、信頼性のある接合面が得られる。
【0012】
部品実装パッド12a側(第1絶縁層21側)に第1金属箔11aのマット面が向けられることにより、第1金属箔11aと第1絶縁層21との接触面積が大きくなる。第1導体層11の部品実装パッド12a側の表面が粗い凹凸面にされている理由は、部品実装パッド12aに実装される電子部品E1の発熱により、第1絶縁層21側の温度変化の方が、第2絶縁層22側よりも大きくなるからである。すなわち、大きな応力を受けやすい第1導体層11と第1絶縁層21との界面の密着性が、大きな応力でも剥離しないように強化されている。換言すると、第1導体層11は、第1絶縁層21側の面が第2絶縁層22側の面よりも凹凸の粗さが大きい。これにより、接合面の信頼性が向上すると共に、最も温度上昇の大きな部品実装パッド12aからの熱放散性も向上すると考えられる。
【0013】
第1導体層11には、図2に破線で示されているように、配線パターンが形成されている。すなわち、部品実装パッド12aと接続用導体パッド13aとの間に内層の導体パッド11cや内層の配線パターン11dが形成されている。内層の配線パターン11dは、その先端で、第3ビア導体43によって第2導体層12の第3部品実装パッド12dに接続されている。すなわち、第1導体層11は、ただ単に放熱用として導体層が埋め込まれているのではなく、第1導体層11は電気回路の一部として形成されている。このような放熱効果のある厚い導体層がめっき膜11bにより形成されている。また、第1導体層11と第2導体層12を接続する第1ビア導体41および第3導体層13と第1導体層11とを接続する第2ビア導体42の向きがいずれも第2導体層12側で幅が狭く、熱伝導の下流側に行くほど広くなるテーパー状に形成されている。そのため、熱伝導がより一層スムーズに行われる。
【0014】
この第1導体層11は、後述の製造方法に記載されるように、たとえばセミアディティブ法によってめっきが施されることによって、材料の無駄がなく、容易に形成される。しかし、全面にめっきが施され、その後にエッチングによりパターニングされてもよい。従って、第1導体層11は、基本的に任意の導体パターンを有し得る。すなわち、第2および第3の導体層12、13だけでは所望の電気回路が形成され得ない場合に、さらなる導体層の追加をしなくても、第1導体層11により所望の電気回路を形成し得る。放熱用の導電性部材を回路基板内に埋設する前述の特許文献1の開示と異なり、単純な構造および容易な製法で、より複雑な電気回路を含む放熱性の高いプリント配線板が得られると考えられる。
【0015】
第1導体層11の厚さは、たとえば、150μm以上、300μm以下であり、好ましくは、200μm以上、250μm以下である。その理由は、第1導体層11の厚さが薄過ぎると平面方向への熱拡散効果が十分に得られないし、逆に厚過ぎると厚さ方向の熱抵抗が過度に増加するからである。しかし、第1導体層11の厚さは、これらに限定されない。図1に示されるように、第1導体層11が二層構造を有する場合は、好ましくは、めっき膜11bは第1導体層11の厚さの9割以上を占める厚さを有する。第1金属箔11aが厚過ぎると、第1導通用孔44(図4C参照)を形成するのが困難になるからである。
【0016】
図1〜3に示されるように、第1導体層11の両面側の最表層には、第2導体層12と第3導体層13とが設けられている。そして、第2導体層12には、部品実装パッド12aが一対で形成されている。この部品実装パッド12aは、実装される電子部品E1の異なる電極にそれぞれ接続されるように形成されている。図2に示される例では、第2導体層12には、第2部品実装パッド12bが並んで形成されている。しかし、機能的には、部品実装パッド12aと同じなので、その説明は省略される。部品実装パッド12aは、一対で形成されており、外部の電子部品E1が、はんだなどの接合材S(図1参照)によりフリップチップ方式などで実装される。
【0017】
また、図3に示されるように、第3導体層には、接続用導体パッド13aおよび第2接続用導体パッド13bが形成されている。接続用導体パッド13aは、接続用導体パッドに接続される電子部品(図示せず)の異なる電極にそれぞれ接続される一対の導体パッドを有している。接続用導体パッド13aは、部品実装パッド12aと平面視で重なる位置に形成されており、第2接続用導体パッド13bは、第2部品実装パッド12bと平面視で重なる位置に形成されている。接続用導体パッド13aなどは、たとえば、マザーボードなどの図示されない外部要素と接続される。すなわち、プリント配線板1では、第1面1Fが部品実装面であり、第2面1S側が、たとえばマザーボードなどの外部要素との接続面である。
【0018】
しかし、この例に限らず、第3導体層13側はマザーボード等には接続されないで、図示しない放熱シートが貼り付けられたり、放熱フィンが接続されたりしてもよい。この放熱シートなどは、たとえば第2接続用導体パッド13bだけに形成されてもよい。また、図1に示されるように、プリント配線板1の第1面1Fには、電子部品E1の接続部以外の表面に白色のソルダーレジスト層31が形成されることが好ましい。電子部品E1として、発光ダイオード(LED)やレーザーダイオードなどの発光素子が用いられる場合があり、プリント配線板1側に来た光を正面側に反射させることにより、LEDなどの光が有効に利用され得る。発光素子は特に発熱しやすいため、本実施形態のプリント配線板1のように放熱性のよいのが好ましい。また、図示されていないが、第2面1Sにもソルダーレジスト層が形成されていてもよい。
【0019】
図2に示されるように、部品実装パッド12aは、電子部品E1の部品実装領域R(電子部品E1が実装される領域で、電子部品E1の第2導体層12への投影領域に相当)およびその近傍に形成されている。できるだけ大きく形成されることが好ましい。熱が放散され易くなる。すなわち、電子部品E1の外方に延長して形成されることが好ましい。この電子部品E1の端部と部品実装パッド12aの端部との距離d(図2参照)は、好ましくは、200μm以上で、500μm以下にされ得る。この延長部分の下に、後述される第1ビア導体41の数を複数個増やすことが可能になり、第1導体層11側への熱伝導がよくなると考えられる。第1導体層11の接続用導体パッド13a側は部品実装パッド12a側よりも温度が低下しているが、接続用導体パッド13aも同様に、電子部品E1の部品実装領域Rの第3導体層13への投影領域より外方に大きく形成されることが好ましい。この場合も、外方に延びる量は部品実装パッド12aの距離dと同程度であることが好ましい。そうすることにより、第2ビア導体42の数の増加により、熱が伝導しやすい。なお、図2でソルダーレジスト層31は省略されている。また、図2のI−I断面が図1に示されている。
【0020】
プリント配線板1は、前述のように、第1導体層11と第2導体層12との間の第1絶縁層21、および第1導体層11と第3導体層13との間の第2絶縁層22を含んでいる。この第1絶縁層21と第2絶縁層22は、それぞれ1層とは限らず、導体層を介して積層された複数層を有する絶縁層でもよい。第1および第2の絶縁層21、22となる絶縁材は、たとえば、フィルム状に形成されたエポキシ樹脂や、ガラス繊維などの補強材にエポキシ樹脂を含浸してなるプリプレグでもよい。
【0021】
また、第1および第2の絶縁層21、22それぞれには、密集して形成されている複数の第1ビア導体41および第2ビア導体42が形成されている。第1ビア導体41は、第1導体層11と第2導体層12の部品実装パッド12aとを複数個のビア導体で接続している。第2ビア導体42は、第1導体層11と第3導体層13の接続用導体パッド13aとを複数個のビア導体で接続している。第1および第2のビア導体41、42は、第1〜第3の各導体層11、12、13間を、高い熱伝導性を備えて熱的に接続する、所謂サーマルビアとして機能する。従って、第1および第2のビア導体41、42は、少なくとも熱に関して良好な伝導性を備えていることが好ましい。一方で、第1および第2のビア導体41、42は第1〜第3の各導体層11、12、13間をそれぞれ電気的にも接続するので、電気的にも良好な伝導体であることも好ましい。
【0022】
この第1ビア導体41は、部品実装パッド12aが電子部品E1の部品実装領域Rより外方に延びて形成されている場合には、その部分にも形成されていることが好ましい。第1ビア導体41の数が多いほど放熱に寄与すると考えられる。その結果、部品実装パッド12aの全体に広がった熱は表面からの輻射による放熱のみならず、第1ビア導体41を介して効率的に第1導体層11に伝導により放熱される。前述のように、接続用導体パッド13aも部品実装領域Rの投影領域よりも外方に延びて形成されていることが好ましい。そして、その外方に延びて形成されている部分にも第2ビア導体42が複数個形成されていることが好ましい。その結果、第1導体層11に伝導した熱は、この多く形成される第2ビア導体42を介して接続用導体パッド13aに容易に伝導する。そして、接続用導体パッド13aに伝導した熱は、接続用導体パッド13aでの輻射、および接続用導体パッド13aに接続される図示しないマザーボードなどへの伝導により放熱される。または、この接続用導体パッド13aに放熱シートや放熱フィンが接続されてもよい。
【0023】
図1に示される例では、複数の第1ビア導体41は、部品実装パッド12aと、内層の導体層である第1導体層11とを接続しており、複数の第2ビア導体42は接続用導体パッド13aと第1導体層11とを接続している。このように、本実施形態では、部品実装パッド12aと内層の厚い第1導体層11とが、サーマルビアの機能を有する第1ビア導体41により接続され、第1導体層11と接続用導体パッド13aとの間もサーマルビアの機能を有する第2ビア導体42で接続されている。サーマルビアとして機能する各ビア導体41、42は、後述のように、銅などの熱伝導率の高い金属で形成され得る。従って、第1面1F側の部品実装パッド12aから第1および第2のビア導体41、42および第1導体層11を介して図示しないマザーボードなどに効率よく熱が伝導し得ると考えられる。
【0024】
部品実装パッド12aおよび接続用導体パッド13aに対してそれぞれ複数個形成される各ビア導体41、42は、前述のようにサーマルビアとしての機能を有し得る。第1ビア導体41の第1導体層11との接触面積および第2ビア導体42の第3導体層13との接触面積に関して、たとえば、2,000μm2以上、70,680μm2以下の面積で形成され、好ましくは、17,600μm2以上の面積で形成される。また、部品実装パッド12aに対する、複数の第1ビア導体41の占有面積率(部品実装パッド12aと個々の第1ビア導体41との接触面積の合計/部品実装パッド12aの面積×100)は、好ましくは、15%以上、40%以下である。同様に、接続用導体パッド13aに対する第2ビア導体42の占有面積率も、好ましくは、15%以上、40%以下である。部品実装パッド12aおよび接続用導体パッド13aと第1導体層11とが十分に低い熱抵抗で接続され、かつ、第1および第2の絶縁層21、22の機械的強度も一定以上に維持されると考えられる。
【0025】
部品実装パッド12aに実装される電子部品E1は、たとえば、半導体装置のような能動部品や、抵抗やインダクタなどの受動部品である。しかし、電子部品E1はこれらに限定されない。高い放熱性を有し得る実施形態のプリント配線板は、動作時に発熱を伴う電子部品、たとえば、電力系半導体、電力系抵抗器、および、発光ダイオード(LED)のような発光素子などの実装に特に適していると考えられる。
【0026】
図2および図3に示される例では、それぞれ複数個設けられている第1および第2のビア導体41、42は、一行ごとに半ピッチずらして並べられ、所謂千鳥配列で配置されている。隣接するビア導体間の間隔についての設計面や製造面からの制約の下で、より高密度に複数のビア導体41、42が配置され得ると考えられる。しかし、複数個設けられる各ビア導体の配置は、千鳥配列に限定されない。複数の各ビア導体は、たとえば、格子状(マトリックス状)に配置されてもよく、全くランダムに配置されてもよい。円形の断面を有する断面積の大きいビア導体がマトリックス状に形成され、二行間でそれぞれ隣接する4個の大きなビア導体の中心部に断面積の小さいビア導体が配置されてもよい。そうすることにより、全体として広い断面積のビア導体41、42が得られる可能性がある。
【0027】
部品実装パッド12aまたは接続用導体パッド13aを含む第2および第3の導体層12、13は、たとえば、金属箔およびめっき膜などにより形成される(なお、図1では、第2および第3の導体層12、13は、簡略化されて一層構造で示されている)。第2および第3の導体層12、13の材料としては、銅やニッケルなどが例示される。しかし、第2および第3の導体層12、13の材料はこれらに限定されない。第2および第3の導体層12、13は、後述のように、サブトラクティブ法やアディティブ法により任意の導体パターンを有するように形成され得る。図2の例では、第2導体層は、部品実装パッド12a、12bの他に、一対の導体パッドからなる2つの第3部品実装パッド12d、および第3部品実装パッド12dと第2部品実装パッド12bとを接続する配線パターン12cを含んでいる。
【0028】
図1に示されるように、第1導体層11の各導体パターンの間には、絶縁物の充填により層内絶縁体23が形成されている。層内絶縁体23により、第1導体層11の各導体パターン間が確実に絶縁される。第1導体層11の厚さ方向の両方の表面と層内絶縁体23の両方の表面とは、それぞれほぼ面一である。層内絶縁体23により、第1導体層11と、第2絶縁層22との界面がほぼ全面的に平坦となり得る。第3導体層13の導体パターンを第2絶縁層22の平坦な表面上に形成することができると考えられる。層内絶縁体23は、たとえば、エポキシ樹脂などにより形成される。しかし、層内絶縁体23の材料はエポキシ樹脂に限定されず、エポキシ樹脂以外の任意の絶縁性材料が層内絶縁体23の形成に用いられ得る。なお、層内絶縁体23は、第2絶縁層22の一部で形成されてもよい。
【0029】
第1および第2の絶縁層21、22は、たとえば樹脂からなる任意の絶縁性材料により形成される。好ましくは、第1および第2の絶縁層21、22は、プリプレグのようにガラス繊維などの補強材を含む、または、含まないエポキシ樹脂により形成される。ビスマレイミドトリアジン樹脂(BT樹脂)、フェノール樹脂などが、第1および第2の絶縁層21、22の材料として用いられてもよい。各絶縁層を形成する樹脂は、シリカなどの無機フィラーを含んでいてもよい。第1および第2の絶縁層21、22の厚さは、たとえば、10μm以上、100μm以下であり、好ましくは30μmである。
【0030】
第1〜第3のビア導体41〜43は、第1絶縁層21または第2絶縁層22に設けられたビアホール(第1および第2の導通用孔44、45)内に形成されている。第1および第2のビア導体41、42は、金属などの熱伝導性の高い材料で形成され、好ましくは導電性の材料で形成される。また、各ビア導体41〜43は、好ましくは、第2導体層12および第3導体層13と同じ材料で形成される。各ビア導体41〜43の好ましい材料としては、銅のめっき膜が例示される。各ビア導体は、好ましくは、60W/(m・K)以上、より好ましくは、350W/(m・K)以上の熱伝導率を有する材料で形成される。第3ビア導体43は、熱伝導よりも電気伝導に関して良導体であることが好ましい。第3ビア導体43は、銅のめっき膜などにより形成される。各ビア導体41〜43は、同じ方向、たとえば第3導体層13側から第2導体層12側に向かって細くなるテーパー形状を有している。各ビア導体41〜43の大きさは、第1および第2の絶縁層21、22の厚さや、各ビア導体の配置ピッチなどに応じて任意に選択される。たとえば、ほぼ円形の平面形状を有する第1ビア導体41の場合、第2導体層12との界面における第1ビア導体41の直径は、30μm以上、300μm以下である。好ましくは、各ビア導体41〜43の直径は第1導体層11との界面において150μm以上である。サーマルビアとして機能する第1および第2のビア導体41、42でも十分な熱伝導性が得られると考えられる。
【0031】
図1に示されるプリント配線板1を例に、一実施形態のプリント配線板の製造方法の一例が、図4A〜4Jを参照して以下に説明される。図4A〜4Jは、図1に相当する断面を示している。
【0032】
図4Aに示されるように、支持板80の表面に第2導体層12となる第2金属箔が貼り付けられる。第2金属箔は、両面に銅箔が積層された支持板80に貼り付けられてもよいし、一面に接着されたキャリア金属箔81を備えており、キャリア金属箔81の第2金属箔と反対側の面が支持板80の一面に熱圧着などにより接合されていてもよい。第2金属箔とキャリア金属箔81または銅張り支持板とは、たとえば、熱可塑性接着剤などの分離可能な接着剤で接着されている。第2金属箔(第2導体層12)とキャリア金属箔81とは、外周付近の余白部分だけで接着されてもよい。その接着部分が切断除去されることによって第2導体層12がキャリア金属箔81から分離され得る。支持板80には、たとえば、ガラス繊維などの芯材にエポキシ樹脂などの樹脂材料を含浸してなるプリプレグが用いられる。このプリプレグは、キャリア金属箔81との熱圧着時に本硬化され得る。銅などの金属板が支持板80に用いられてもよい。また、両面銅張積層板が、キャリア金属箔81を備えた支持板80として用いられてもよい。第2導体層12およびキャリア金属箔81は好ましくは銅箔である。ニッケル箔などの他の金属箔が用いられてもよい。第2導体層12の厚さは、たとえば3μm以上、10μm以下である。なお、図4A〜4Jにおいて、各構成要素の厚さの正確な比率を示すことは意図されていない。
【0033】
図4Aの例では、支持板80の表裏両面に第2導体層12とする第2金属箔が設けられている。支持板80の両面において、プリント配線板1が同時に形成され得る。プリント配線板1を効率よく製造することができる。しかし、第2導体層12は、必ずしも支持板80の表裏両面に設けられていなくてもよい。図4B〜4Gおよび以下の説明では、各図面上、支持板80の上側で形成されるプリント配線板に関しては、各構成要素の形成工程を示す図面だけにその符号が記載され、その後の工程を示す図面中の符号、およびその説明は適宜省略されている。また、図4B〜4Gには、支持板80の各面に製造途中のプリント配線板1が1つだけ示されている。しかし、支持板80の各面において複数のプリント配線板1が並置状態で同時に形成されてもよい。
【0034】
図4Bに示されるように、第2導体層12の表面上に第1絶縁層21となる絶縁材が積層される。図4Bに示される例では、第1金属箔11aが第1絶縁層21と共に積層されている。この際、第1金属箔11aのマット面側が第1絶縁層21となる絶縁材と対向するように第1金属箔11aが重ね合される。そして、第1金属箔11a側から加圧され、さらに加熱されることにより、絶縁材が第2導体層12および第1金属箔11aと接合すると共に、第1絶縁層21が形成される。なお、この第1金属箔11aは無くても構わない。
【0035】
図4Cに示されるように、第1ビア導体41(図1参照)および図示しない第3ビア導体43(図2参照)の形成場所に第1金属箔11aおよび第1絶縁層21を貫通する第1導通用孔44が形成される。この第1ビア導体41の形成場所は、部品実装領域R(図2参照)よりも電子部品E1の外方にも延びて形成されることが好ましい。そうすることにより、熱伝導による熱放散が向上する。しかし、部品実装領域Rの下側部分のみに形成されてもよい。図4Cには図示されていないが、第3ビア導体43(図2参照)の形成場所にも同様に第1導通用孔が形成される。第1導通用孔44の形成は、たとえば、第1金属箔11a上の所定の位置へのCO2レーザー光の照射により行われる。第1金属箔11aの第2導体層12と反対側からのレーザー光の照射により、第2導体層12に向って縮径するテーパー形状の第1導通用孔44が第2導体層12に向かって第1絶縁層21に形成される。
【0036】
続いて、図4Dに示されるように、第1導通用孔44内および第1金属箔11aの表面上に、無電解めっきもしくはスパッタリングなどにより、図示されない金属膜が形成される。そして、この金属膜をシード層として電解めっきが行われ、第1導通用孔44内および第1金属箔11aの上に電解めっきなどのめっき膜11bが形成される。電解めっきは、第1導通用孔44の穴径や深さおよび数に応じた適切なめっき時間をかけて行われる。電解めっき工程は、めっき液の特性やめっき条件などに応じて複数回にわたって行われてもよい。その結果、図4Dに示されるように、第1導通用孔44内に第1ビア導体41および第1絶縁層21上に第1導体層11が形成される。この際、セミアディティブ法により電解めっきが施されることにより、図4Dに示されるような内層の導体パターン11cを有する第1導体層11が形成される。しかし、全面にめっき膜が形成されてからパターニングするサブトラクト法により形成されてもよい。第1導体層11は、第1金属箔11aの他に、第1金属箔11a上に形成されて、電解めっき時のシード層とされる金属膜を有しているが、各図では省略されている。
【0037】
その結果、図4Dに示されるように、第1導体層11は、内層の導体パッド11cおよび内層の配線パターン11d(図2参照)などの個々の導体パターンに分離されて形成される。サブトラクト法によるエッチングによってパターニングされる場合には、エッチング液の特性やエッチングの条件によって、分離溝が図4Dに示されるように、第1絶縁層21側に向かって狭小となるテーパー形状を有し得る。しかし、ドライエッチングやサンドブラストなどによりほぼ垂直に第1導体層11がエッチングされてもよい。なお、前述のセミアディティブ法によるめっき法によれば、ほぼ垂直な側面を有する各導体パターンが形成され得る。
【0038】
第1導体層11の形成後、好ましくは、第1導体層11の各導体パターンの側面を含む第1導体層11の露出面が粗化処理される。粗化処理としては、たとえば、強アルカリ性溶液への浸漬による黒化処理や、有機酸系のエッチング剤への浸漬によるマイクロエッチングが例示される。粗化処理により、後述の層内絶縁体23(図4E参照)と第1導体層11との密着性が向上すると考えられる。
【0039】
図4Eに示されるように、第1導体層11の各導体パターン11c間に層内絶縁体23が形成される。たとえば、エポキシ樹脂が第1導体層11上に印刷される。印刷されたエポキシ樹脂のうち各導体パターン11cの間に入り込んだ樹脂により層内絶縁体23が形成される。必要に応じて、加熱などによりエポキシ樹脂が硬化される。前述のように、層内絶縁体23は、エポキシ以外の任意の絶縁性材料を用いて形成されてもよい。また、第1導体層11がそれほど厚くない場合には、次の第2絶縁層22を形成する際に、その第2絶縁層22の絶縁材料が埋め込まれてもよい。
【0040】
図4Eに示されるように、第1導体層11および層内絶縁体23の露出面上に、第2絶縁層22となる絶縁材が積層され、さらにその絶縁材上に第3導体層13(図1参照)となる第3金属箔13cが積層される。第3金属箔13c側から加圧され、さらに加熱されることにより、絶縁材が第1導体層11、層内絶縁体23および第3金属箔13cと接合すると共に、第2絶縁層22が形成される。第2絶縁層22となる絶縁材は、たとえば、フィルム状に成形されたエポキシ樹脂やプリプレグであり、好ましくは、前述の第1絶縁層21となる絶縁材と同じものである。第3金属箔13cは、銅箔やニッケル箔などの任意の金属箔であり、好ましくは、第2導体層12となる第2金属箔と同じ材料およびほぼ同じ厚さの金属箔が、第3金属箔13cに用いられる。
【0041】
その後、図4Fに示されるように、第2ビア導体42(図1参照)の形成場所に第3金属箔13cおよび第2絶縁層22を貫通する第2導通用孔45が形成される。第2ビア導体42も、前述の第1ビア導体41と同様に、部品実装領域Rよりも外方まで延びて形成されることが好ましい。この第2導通用孔45の形成も、前述の第1導通用孔44の形成と同様に、第3金属箔13c上の所定の位置へのCO2レーザー光の照射により行われる。その結果、第1導体層11に向って縮径するテーパー形状の第2導通用孔45が第3金属箔13cから第2絶縁層22に形成される。
【0042】
続いて、第2導通用孔45内および第3金属箔13cの表面上に、無電解めっきもしくはスパッタリングなどにより、図示されない金属膜が形成される。そして、この金属膜をシード層として電解めっきが行われ、第2導通用孔45内および第3金属箔13cの上に電解めっき膜が形成される。電解めっきは、前述の第1導体層11の場合と同様に、第2導通用孔45の穴径や深さおよび数に応じた適切なめっき時間をかけて行われる。電解めっき工程は、めっき液の特性やめっき条件などに応じて複数回にわたって行われてもよい。その結果、図4Gに示されるように、第2導通用孔45内に第2ビア導体42が形成されると共に、第2ビア導体42の形成領域を覆うように、第2絶縁層22上に第3導体層13が形成される。この際、セミアディティブ法によって電解めっきが行われる場合には、直接接続用導体パッド13a(図1参照)が形成される。なお、第3導体層13は、第3金属箔13c(図4F参照)、無電解めっきなどにより形成された金属膜、およびその金属膜をシード層として形成された電解めっき膜により構成され得る。しかし、図4G〜4Jでは、第3導体層13は、それぞれ、便宜上、単層構造で示されている。
【0043】
第3導体層13の形成後、キャリア金属箔81と第2導体層12の第2金属箔とが分離される。その結果、製造工程中のプリント配線板と支持板80とが分離される。たとえば、第2導体層12の第2金属箔とキャリア金属箔81とを接着している熱可塑性接着剤が加熱されることにより軟化し、その状態で、第2金属箔とキャリア金属箔81とが引き離される。第2金属箔とキャリア金属箔81とが外周部分だけで接着されている場合は、接着部分が除去されるように、その接着部分よりも内周側で第2導体層12の第2金属箔およびキャリア金属箔81それぞれが切断されてもよい。
【0044】
なお、キャリア金属箔81と第2導体層12との分離後、好ましくは、表面の平坦化のために、第2および第3の導体層12、13が過酸化水素や硫酸などからなる薬液を用いてソフトエッチングされる。
【0045】
その後、第2および第3の導体層12、13が所望の導体パターンにパターニングされる。すなわち、部品実装パッド12aおよび接続用導体パッド13a(図1参照)などの第2および第3の導体層12、13の各導体パターンが形成される。図4Iに示されるように、第2導体層12および第3導体層13それぞれの導体パターンとなる領域上を覆うエッチングレジスト膜82が形成される。部品実装パッド12aおよび接続用導体パッド13a(図1参照)の形成領域などが、エッチングレジスト膜82によりマスクされる。そして、第2および第3の導体層12、13のうちのエッチングレジスト膜82に覆われずに露出している部分がエッチングにより除去される。そしてエッチングレジスト膜82が除去される。その結果、図4Jに示されるように、第2導体層12および第3の導体層13が所望の導体パターンを有するようにパターニングされる。すなわち、部品実装パッド12aは、第1ビア導体41の形成領域を覆うように形成されている。接続用導体パッド13aは第2ビア導体42の形成領域を覆うように形成されている。
【0046】
この後、図1に示されるように、部品実装パッド12aの少なくとも電子部品E1との接続部の周囲にソルダーレジスト層31が形成されることにより、図1〜3に示されるプリント配線板1が完成する。このソルダーレジスト層31は、白色の光反射性絶縁部材であることが好ましい。電子部品E1として発光ダイオード(LED)などの発光素子が搭載される場合に、下側に向かう光も上方に反射されて利用できるからである。すなわち、そのような場合は、部品実装パッド12aとして、発光素子搭載パッドが形成され、発光素子搭載パッドの発光素子との接続部の周囲に、好ましくは、光反射性絶縁部材が形成される。ソルダーレジスト層31は、図示されていないが、第3導体層13側にも形成されてもよい。また、第3導体層13側に熱放射シートが形成される場合には、ソルダーレジスト層31は形成されないで、全面に熱放射シートが設けられてもよい。ソルダーレジスト層31が設けられる場合、たとえば、感光性のエポキシ樹脂などを第1面1Fおよび第2面1Sのほぼ全面に印刷や吹き付けなどにより塗布することにより形成され得る。そして、ソルダーレジスト層31には、フォトリソグラフィ技術を用いて部品実装パッド12aなどの接続部(ハンダ付け部)を露出させる開口32が設けられる。
【0047】
さらに、部品実装パッド12aなどのソルダーレジスト層31の開口32から露出する表面上に、ニッケルやパラジウムまたは金などの無電解めっきにより表面保護層が必要に応じて形成されてもよい。
【0048】
また、内層の厚い第1導体層11の両面側それぞれに2つ以上の絶縁層および導体層を有するプリント配線板が製造されてもよい。この場合、たとえば第2導体層12側にビルドアップ層が形成される場合には、図4Cの工程の後、図4Gの工程と同様に、導体層が形成され、さらに、図4B〜4Cに示される工程と同様に絶縁層および導通用孔の形成が行われる。この工程が必要なビルドアップ層の層数だけ繰り返されて、図4Dの工程に進むことにより、第2導体層12側に必要な数のビルドアップ層が形成される。また、第3導体層13側にビルドアップ層が形成される場合には、図4Gの工程の後に、図4B〜4C、4Gの工程を必要な数のビルドアップ層の形成まで繰り返すことによって、所望のビルドアップ層が第3導体層13側に形成される。これらの場合も、ビア導体(サーマルビア)が多数個形成されることによって、ビルドアップ層が多くなっても、電子部品E1で発生する熱は効率よく放散され得る。
【0049】
なお、実施形態のプリント配線板の製造方法は、図4A〜4Jを参照して説明された方法に限定されない。実施形態のプリント配線板の製造方法には、前述の各工程以外に任意の工程が追加されてもよく、前述の説明の工程のうちの一部が省略されてもよい。
【符号の説明】
【0050】
1 プリント配線板
1F 第1面
1S 第2面
41 第1ビア導体
42 第2ビア導体
43 第3ビア導体
44 第1導通用孔
45 第2導通用孔
11 第1導体層
11a 第1金属箔
11b めっき膜
11c 内層の導体パッド
11d 内層の配線パターン
12 第2導体層
12a 部品実装パッド
13 第3導体層
13a 接続用導体パッド
21 第1絶縁層
22 第2絶縁層
23 層内絶縁体
31 ソルダーレジスト層
80 支持板
82 エッチングレジスト膜
R 部品実装領域
E1 電子部品
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図4F
図4G
図4H
図4I
図4J