【課題】基板に対する乾燥工程の間、ベッセル内部のパーティクルによって、基板に欠陥が発生することを防止することができる基板処理装置及び集積回路素子製造装置を提供する。
【解決手段】基板処理装置100は、基板Wを処理するための処理空間を提供するベッセル110、処理空間に搬入された基板を支持するための基板支持部130及びベッセルの側壁と、基板支持部との間に配置され、基板支持部に支持された基板のエッジを取り囲む遮断膜150を含む。
前記ベッセルは、前記処理空間を密閉する閉鎖位置と、前記処理空間を開放する開放位置とを転換することができるように、相互開閉自在に結合される上部ベッセル及び下部ベッセルを含むことを特徴とする請求項1ないし3のうちの何れか一項に記載の基板処理装置。
前記第1保護層は、前記接触部を構成する前記上部ベッセルの一部表面、及び前記接触部を構成する前記下部ベッセルの一部表面のうち少なくともいずれか一つに形成されたことを特徴とする請求項7に記載の基板処理装置。
前記ベッセルは、前記閉鎖位置と前記開放位置との間において、前記上部ベッセル及び前記下部ベッセルのうち少なくとも一つを案内するように、前記上部ベッセル及び前記下部ベッセルに結合された昇降ロッドを含み、
前記昇降ロッド上に第2保護層をさらに含むことを特徴とする請求項4に記載の基板処理装置。
基板を処理するための処理空間を含む少なくとも1つのベッセルであって、前記処理空間を密閉する閉鎖位置と、前記処理空間を開放する開放位置とを転換することができるように、相互開閉自在に結合される上部ベッセル及び下部ベッセルを含む前記少なくとも1つのベッセルと、
前記少なくとも1つのベッセルの上部壁に結合され、前記処理空間に搬入された前記基板を支持するように構成された基板支持部と、
前記少なくとも1つのベッセルの前記上部壁に結合され、前記少なくとも1つのベッセルの側壁と、前記基板支持部との間に配置された遮断膜と、
前記少なくとも1つのベッセルの内部から流体を排出するために、前記少なくとも1つのベッセルの底壁に形成された排気ポートと、を含み、
前記遮断膜は、前記少なくとも1つのベッセルの前記側壁に沿って下方に延長され、
前記遮断膜は、前記ベッセルの閉鎖位置において、前記ベッセルの前記上部壁から、前記基板支持部より低い地点まで延長された基板処理装置。
前記閉鎖位置または前記開放位置に、前記上部ベッセル及び前記下部ベッセルのうち少なくとも一つを移動させるための駆動装置をさらに含むことを特徴とする請求項11に記載の基板処理装置。
前記少なくとも1つのベッセル内部に提供され、前記閉鎖位置において、前記遮断膜の側部または下部を接触及び支持するためのガイドピンをさらに含むことを特徴とする請求項11ないし14のうちの何れか一項に記載の基板処理装置。
前記遮断膜は、前記上部ベッセルの下面から、前記下部ベッセルの側壁に沿って下方に延長されていることを特徴とする請求項17または18に記載の集積回路素子製造装置。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付した図面を参照し、本発明の技術的思想の実施形態について詳細に説明する。
【0013】
図1A及び
図1Bは、本発明の技術的思想による実施形態による基板処理装置100を概略的に図示した断面図である。
図1Aに例示した基板処理装置100は、基板Wを処理するための処理空間PSを提供するベッセル110が、処理空間PSを大気に開放する開放位置にある場合であり、
図1Bに例示した基板処理装置100は、基板Wを処理するための処理空間PSを提供するベッセル110が、処理空間PSを密閉する閉鎖位置にある場合である。
【0014】
図1A及び
図1Bを参照すれば、基板処理装置100は、ベッセル110、基板支持部130、流体供給部140、排気部141、遮断膜150、遮断プレート160及び駆動装置170を含んでもよい。
【0015】
ベッセル110は、基板Wを処理することができる処理空間PSを提供することができる。例えば、処理空間PSにおいては、超臨界流体を利用した基板Wに対する乾燥工程が遂行される。ベッセル110は、臨界圧力以上の高圧に耐えることが可能な材料により形成されてもよい。
【0016】
超臨界流体は、圧力の変化によって、その密度、粘度、拡散係数(diffusion coefficient)及び極性(polarity)のような物性(physical property)が気体のような状態(gas-like state)から液体のような状態(liquid-like state)まで連続して変化する。例えば、液体二酸化炭素を、密閉された容器に入れて加熱する場合、温度及び圧力が臨界点を超えながら、気体・液体間の境界面が消える現象を発見することができる。該超臨界流体は、高い溶解力、高い拡散係数、低い粘度及び低い表面張力を有する。該超臨界流体は、拡散力においては、気体に似ており、表面張力がないので、微細な溝に侵透することができる。また、該超臨界流体は、溶解力においては、圧力に比例して上昇し、液体溶媒に似ている。従って、該超臨界流体を利用する場合、気体・液体間の境界面を通過せずに、基板W上の洗浄液やリンス液を乾燥させることができ、基板W上で発生するリーニング(leaning)現象や水斑点発生を抑制することができる。
【0017】
一実施形態において、超臨界流体は、二酸化炭素を含んでいてもよい。二酸化炭素は、臨界温度及び臨界圧力が、約31℃及び73atmと低く、無毒性、不燃性、及び比較的低価であるので、基板Wの乾燥処理に容易に利用することができる。
【0018】
ベッセル110は、上部ベッセル110U、下部ベッセル110L、昇降部材120、第1供給ポート111、第2供給ポート113及び排気ポート115を含んでもよい。
【0019】
上部ベッセル110U及び下部ベッセル110Lは、処理空間PSを密閉する閉鎖位置と、処理空間PSを大気に開放する開放位置とを転換(又は変更)することができるように、相互開閉自在にも結合される。一実施形態において、下部ベッセル110Lは、上部が開放された空間を形成し、上部ベッセル110Uは、下部ベッセル110Lの空間を覆うように、下部ベッセル110L上に結合されてもよい。その場合、上部ベッセル110Uは、概してベッセル110の上部壁を構成し、下部ベッセル110Lは、概してベッセル110の底壁及び側壁を構成することができる。ただし、他の実施形態において、上部ベッセル110Uが、概してベッセル110の上部壁及び側壁を構成し、下部ベッセル110Lがベッセル110の底壁を構成することもできる。または、上部ベッセル110U及び下部ベッセル110Lが、共にベッセル110の側壁を構成してもよい。
【0020】
ベッセル110の閉鎖位置及び開放位置の転換は、後述する昇降部材120及び駆動装置170によって遂行されてもよい。一実施形態において、ベッセル110が、閉鎖位置及び開放位置の間で転換される間、上部ベッセル110Uは、固定され、下部ベッセル110Lは、上部ベッセル110Uの下方に位置し、固定された上部ベッセル110Uに対して昇降される。
【0021】
例えば、
図1Aに図示されているように、下部ベッセル110Lが下降し、上部ベッセル110Uから離隔されるならば、処理空間PSが大気に開放される。処理空間PSが開放されたとき、基板Wは、外部から処理空間PSに搬入されるか、あるいは処理空間PSからベッセル110の外部に搬出される。処理空間PSに搬入される基板Wは、洗浄工程を経て、有機溶剤が残留する状態であってもよい。ベッセル110の開放位置において、上部ベッセル110U及び下部ベッセル110Lは、所定間隔を空け、互いに離隔された位置で相互対面するようにも構成される。例えば、間隔は、約5〜20mmのサイズを有することができるが、それに限定されるものではない。
【0022】
また、
図1Bに図示されているように、下部ベッセル110Lが上昇し、上部ベッセル110Uに密着されれば、処理空間PSは、密閉される。処理空間PSが密閉されれば、超臨界流体を利用した基板Wに対する乾燥工程が遂行される。
【0023】
昇降部材120は、上部ベッセル110U及び下部ベッセル110Lのうち少なくとも一つを昇降させることができる。すなわち、昇降部材120によって、上部ベッセル110U及び下部ベッセル110Lのうち少なくとも一つは、閉鎖位置と開放位置との間で転換されるようにも昇降される。昇降部材120は、昇降シリンダ121及び昇降ロッド123を含んでもよい。昇降シリンダ121は、下部ベッセル110Lにも結合される。基板Wに対する乾燥工程が遂行される間、処理空間PS内部の高圧に耐えるために、昇降シリンダ121は、上部ベッセル110U及び下部ベッセル110Lを密着させ、ベッセル110を密閉させることができる。
【0024】
昇降ロッド123は、上部ベッセル110U及び下部ベッセル110Lに結合され、ベッセル110の開放位置及び密閉位置の間で、上部ベッセル110U及び/または下部ベッセル110Lを垂直方向に案内することができる。例えば、昇降ロッド123は、一端が昇降シリンダ121に結合され、他端は、上部ベッセル110Uにも結合される。昇降シリンダ121によって駆動力が発生すれば、昇降シリンダ121及び昇降ロッド123が昇降し、昇降シリンダ121に結合された下部ベッセル110Lが昇降する。昇降部材120によって、下部ベッセル110Lが昇降する間、昇降ロッド123は、上部ベッセル110U及び/または下部ベッセル110Lを垂直方向に案内することができ、上部ベッセル110U及び/または下部ベッセル110Lが水平状態を維持するようにする。
【0025】
第1供給ポート111は、ベッセル110内部において、超臨界流体を供給するためのものであり、例えば、下部ベッセル110Lにも形成される。例えば、第1供給ポート111は、基板支持部130に置かれた基板Wの中心部の下方に位置することができる。第1供給ポート111は、第1供給ライン140Laを介して、流体供給部140にも連結される。
【0026】
第2供給ポート113は、ベッセル110内部に、超臨界流体を供給するためのものであり、例えば、上部ベッセル110Uに形成される。例えば、第2供給ポート113は、基板支持部130に置かれた基板Wの中心部の上方に位置することができる。第2供給ポート113は、第2供給ライン140Lbを介して、流体供給部140に連結される。一実施形態において、第2供給ポート113を介して、圧力制御用流体が、ベッセル110内部に供給される。
【0027】
排気ポート115は、ベッセル110内部から流体を排出するためのものであり、例えば、下部ベッセル110Lにも形成される。排気ポート115は、排気ライン141Lを介して、排気部141にも連結される。
【0028】
基板支持部130は、処理空間PSに提供された基板Wを支持することができる。基板支持部130は、基板Wの第1面が、ベッセル110の底壁に向き、基板Wの第1面と反対になる第2面が、ベッセル110の上部壁に向くように、基板Wを支持することができる。このとき、基板Wの第1面は、パターンが形成されたパターン面であってもよい。ただし、それとは異なり、基板Wの第2面が、パターンが形成されたパターン面であってもよい。
【0029】
基板支持部130は、基板Wの端部を支持することができる。例えば、基板支持部130は、上部ベッセル110Uから垂直下方に延長され、さらに水平方向に延長される屈曲した構造を有することができる。基板支持部130は、固定された上部ベッセル110Uに設けられ、下部ベッセル110Lが昇降する間、基板Wを安定して支持することができる。
【0030】
流体供給部140は、ベッセル110内部に超臨界流体を供給することができる。ベッセル110の底壁に形成された第1供給ポート111には、超臨界流体の流路を提供するための第1供給ライン140Laが連結され、流体供給部140は、第1供給ライン140La及び第1供給ポート111を介して、基板支持部130に支持された基板Wの第1面に超臨界流体を供給することができる。また、ベッセル110の上部壁に形成された第2供給ポート113には、超臨界流体の流路を提供するための第2供給ライン140Lbが連結され、流体供給部140は、第2供給ライン140Lb及び第2供給ポート113を介して、基板支持部130に支持された基板Wの第2面に超臨界流体を供給することができる。
【0031】
排気部141は、ベッセル110内部の流体を排出することができる。排気ポート115には、流路を提供する排気ライン141Lが連結され、排気部141は、排気ポート115及び排気ライン141Lを介して、ベッセル110内部の流体を排出することができる。
【0032】
遮断膜150は、ベッセル110内のパーティクルが、基板支持部130に支持された基板Wに流入することを防止するために、ベッセル110内にも提供される。遮断膜150は、基板支持部130と、ベッセル110の側壁との間に配置され、ベッセル110の側壁で発生したパーティクルが、基板Wに流入することを遮断することができる。
【0033】
例えば、
図1Bに図示されているように、遮断膜150は、閉鎖位置において、上部ベッセル110U及び下部ベッセル110Lが接触する接触部119a,119b(
図5)から発生したパーティクルが、基板Wに伝達されることを防止することができる。遮断膜150は、接触部近傍のパーティクルが、排気ポート115が形成されたベッセル110の下部に移動することができる経路を提供し、それにより、基板支持部130に支持された基板Wに、パーティクルが流入することを防止することができる。
【0034】
遮断膜150は、ベッセル110の上部壁、例えば、上部ベッセル110Uの下面上に配置され、上部ベッセル110Uの下面から下方に延長される。例えば、遮断膜150は、ベッセル110の側壁に沿って、上部ベッセル110Uの下面から下方に延長される。
【0035】
一実施形態において、遮断膜150は、上部ベッセル110Uの下面から、接触部より低い地点まで下方に延長される。また、一実施形態において、遮断膜150は、上部ベッセル110Uの下面から、基板支持部130に支持された基板Wより低い地点まで下方に延長される。
【0036】
一実施形態において、遮断膜150は、基板支持部130に支持された基板Wのエッジに沿って延長され、例えば、リング形態を有することができる。または、遮断膜150は、ベッセル110の側壁に沿って、円周方向に延長され、例えば、リング形態を有することができる。
【0037】
遮断プレート160は、流体供給部140を介して供給される超臨界流体が、基板Wに直接噴射されることを遮断することができる。例えば、遮断プレート160は、第1供給ポート111と基板支持部130との間に配置され、第1供給ポート111から噴射された超臨界流体が、基板支持部130に支持された基板Wに直接噴射されることを遮断することができる。例えば、第1供給ポート111から噴射されて遮断プレート160に逹した超臨界流体は、遮断プレート160の表面に沿って移動した後、基板支持部130に支持された基板Wに逹することができる。
【0038】
遮断プレート160は、基板Wに対応する形状を有することができ、例えば、円盤形状を有することができる。遮断プレート160は、超臨界流体が、基板Wに直接噴射されることを効果的に遮断するために、基板Wの半径と同一であるか、あるいは基板Wより長い半径を有するようにも構成される。または、遮断プレート160は、基板Wより短い半径を有するように構成され、超臨界流体が比較的容易に基板Wに逹するようにも構成される。
【0039】
一実施形態において、遮断プレート160は、下部ベッセル110L上に配置され、支持部161によって、下部ベッセル110Lの表面から所定距離離隔される。下部ベッセル110Lに形成された第1供給ポート111及び/または排気ポート115は、それらの上方で遮断プレート160によりオーバーラップされていてもよい。その場合、遮断プレート160は、第1供給ポート111から噴射された超臨界流体が、遮断プレート160の表面に沿う所定ストリーム(stream)を有しながら、基板支持部130に支持された基板Wに逹するようにする。また、遮断プレート160は、ベッセル110内部の流体が、遮断プレート160の表面に沿って、排気ポート115に続く所定ストリームを有しながら、排気ポート115を介して排出されるようにする。
【0040】
駆動装置170は、ベッセル110の閉鎖位置及び開放位置の転換を調節することができる。駆動装置170は、ベッセル110に設けられた昇降部材120を駆動させるための駆動力を、昇降部材120に印加することができる。例えば、駆動装置170は、油圧式(hydraulic)駆動装置でってもよく、油圧を発生させるための油圧ポンプ及びレギュレータ(regulator)のような制御装置を含んでもよい。駆動装置170は、油圧伝達ライン170Lを介して、昇降シリンダ121に連結され、油圧伝達ライン170Lには、油圧調節用バルブが設けられる。
【0041】
図2及び
図3は、それぞれ本発明の技術的思想による実施形態による基板処理装置100a,100bを概略的に示した断面図である。
図2及び
図3は、閉鎖位置にある基板処理装置100a,100bを示し、
図2及び
図3に図示された基板処理装置100a,100bは、ガイドピン151,151aをさらに含むという点を除いては、
図1A及び
図1Bに図示された基板処理装置100と概して同一構成を有することができる。
【0042】
図2及び
図3を参照すれば、基板処理装置100a,100bは、ベッセル110内のパーティクルが、基板支持部130に支持された基板Wに流入することを防止するための遮断膜150を含み、遮断膜150を接触支持するように、ベッセル110内に提供されたガイドピン151,151aを含んでもよい。
【0043】
ガイドピン151,151aは、基板Wに対する乾燥工程が進められる間、遮断膜150を接触支持することができる。例えば、乾燥工程を遂行するために、ベッセル110が閉鎖位置にあるとき、ガイドピン151,151aは、遮断膜150が所定位置に位置するように案内する機能を行うことができる。また、ガイドピン151,151aは、乾燥工程が遂行される間、遮断膜150を接触支持することにより、ベッセル110内に印加された圧力パルスなどによる遮断膜150の振動を緩和することができる。
【0044】
一実施形態において、
図2に図示されているように、ガイドピン151は、遮断膜150の側部を接触支持することができる。例えば、ガイドピン151は、下部ベッセル110Lの側壁にも配置される。
【0045】
一実施形態において、
図3に図示されているように、ガイドピン151aは、遮断膜150の下部を接触支持することができる。例えば、ガイドピン151aは、ベッセル110の底壁、例えば、下部ベッセル110Lの底壁に配置される。
【0046】
図2及び
図3においては、それぞれガイドピン151,151aが1個であるように図示されたが、それに制限されるものではなく、遮断膜150の周囲方向に沿って、複数個のガイドピン151,151aが配置されてもよい。
【0047】
図4は、本発明の技術的思想による実施形態による基板処理装置100cを概略的に示した断面図である。
図4は、閉鎖位置にある基板処理装置100cを示し、
図4に図示された基板処理装置100cは、遮断膜150aの構造を除いては、
図1A及び
図1Bに図示された基板処理装置100と概して同一構成を有することができる。
【0048】
図4を参照すれば、基板処理装置100cは、ベッセル110内のパーティクルが、基板支持部130に支持された基板Wに流入することを防止するための遮断膜150aを含み、遮断膜150aの下部は、内側に曲がるか、あるいは屈曲した形状を有することができる。言い換えれば、遮断膜150aの下部は、下部ベッセル110Lの側面から遠ざかる方向に曲がってもよいし、あるいは屈曲した形状を有することができる。
【0049】
具体的には、遮断膜150aは、上部ベッセル110Uに結合され、上部ベッセル110Uから下部ベッセル110Lに向けて下方に延長されるが、遮断膜150aの下部は、内側に曲がるか、あるいは屈曲した形状を有することができる。例えば、リング状の遮断膜150aにおいて、遮断膜150aの下部は、下方に向かうにつれてリングの半径がだんだんと小さくなる形状を有することができる。
【0050】
前述の構成により、遮断膜150aとベッセル110の側壁との間の空間は、遮断膜150aの下部近傍において広くなるので、遮断膜150aの下部近傍の圧力は、局所的に上昇する。それにより、閉鎖位置において、上部ベッセル110U及び下部ベッセル110Lが接触する接触部119a,119b(
図5)で発生したパーティクルは、遮断膜150aにより、さらに容易に下方に(即ち、基板から遠ざかるように)移動することができる。
【0051】
図5及び
図6は、本発明の技術的思想による実施形態による基板処理装置100d,100eを概略的に示した断面図であり、それぞれ
図1AのA領域に対応する部分を示す。
図5及び
図6に図示された基板処理装置100d,100eは、第1保護層181及び/または第2保護層183をさらに含むという点を除いては、
図1A及び
図1Bに図示された基板処理装置100と概して同一構成を有することができる。
【0052】
図5を参照すれば、基板処理装置100dは、上部ベッセル110U及び下部ベッセル110Lの摩擦によるパーティクルの発生を防止するための第1保護層181を含んでもよい。
【0053】
上部ベッセル110U及び下部ベッセル110Lは、処理空間PSを密閉する閉鎖位置と、処理空間PSを開放する開放位置とを転換することができるように、相互開閉自在に結合されるものであり、ベッセル110(
図1A)は、閉鎖位置において、上部ベッセル110U及び下部ベッセル110Lが接触する接触部119a,119bを有する。すなわち、接触部119a,119bは、閉鎖位置において、上部ベッセル110U及び下部ベッセル110Lが接触する領域であり、上部ベッセル110Uの表面の一部分の領域、及び下部ベッセル110Lの表面の一部分の領域を意味する。接触部119a,119bは、乾燥工程が遂行される間、反復的な摩擦が発生する部分であり、接触部119a,119bにおいては、摩擦によって、上部ベッセル110U及び下部ベッセル110Lの摩耗が起きる。
【0054】
第1保護層181は、上部ベッセル110Uの表面一部領域上の接触部119a上に形成された上部保護層181a、及び下部ベッセル110Lの表面一部領域上の接触部119b上に形成された下部保護層181bを含んでもよい。一実施形態において、第1保護層181は、上部保護層181a及び下部保護層181bのうち少なくとも一部を含んでもよい。例えば、第1保護層181は、上部保護層181a及び下部保護層181bのうちいずれか1つのみを含んでもよい。
【0055】
第1保護層181は、閉鎖位置と開放位置との転換によって発生する上部ベッセル110U及び下部ベッセル110Lの摩擦を減らし、摩擦によって発生するパーティクルを減少させることができる。特に、接触部119a,119bは、乾燥工程が遂行される間、ベッセル110内部に圧力パルスが印加される場合に、反復的な摩擦が発生する場所であり、第1保護層181は、上部ベッセル110U及び下部ベッセル110Lの反復的な摩擦によるベッセル110の摩耗を防止し、ベッセル110の摩耗による金属性のパーティクル発生を防止することができる。
【0056】
第1保護層181は、高い圧力において、変形が少なくて摩擦係数が低い物質から形成されてもよい。一実施形態において、第1保護層181は、摩擦係数が約0.5より小さい物質からもなる。また、一実施形態において、第1保護層181は、樹脂系の物質からもなる。例えば、第1保護層181は、ポリイミド(PI)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリクロロトリフルオロエチル(PCTFE)、及びそれらの組み合わせからもなる。
【0057】
一実施形態において、第1保護層181は、スプレー方式により、接触部119a,119b上に形成されてもよい。または、他の実施形態において、第1保護層181は、フィルム形態で提供され、接触部119a,119b上に付着されてもよい。さらに、第1保護層181を形成するために、ベッセル110との接触力を改善するための追加工程、並びに/または物理的及び化学的な特性、例えば、耐熱的、耐圧的、耐火的な特性を改善するための追加工程を遂行することもできる。また、一実施形態において、接触部119a,119bに第1保護層181を形成する前に、接触部119a,119bの表面不純物を除去し、接触部119a,119bの表面を平坦にさせるための電解研磨(electropolishing)が接触部119a,119bに対して行われてもよい。
【0058】
第1保護層181は、接触部119a,119b上に、数μmないし数百mm範囲の厚みを有することができる。例えば、第1保護層181は、1μmないし10μmの厚みを有することができ、または、10mmないし100mmの厚みを有することもできる。
【0059】
一実施形態において、第1保護層181は、接触部119a,119bを構成する上部ベッセル110Uの表面の一部分、及び/または下部ベッセル110Lの表面の一部分の上に形成されてもよい。反復的な摩擦が発生する接触部119a,119bに、第1保護層181が形成されることにより、上部ベッセル110U及び下部ベッセル110Lの摩耗によって発生するパーティクルが著しく低減される。従って、乾燥工程が遂行される間、金属性パーティクルが基板支持部130に支持された基板Wに伝達され、基板Wに吸着されることにより、基板Wに発生する欠陥、特に、基板Wのエッジ領域に発生する欠陥は、低減する。
【0060】
図6を参照すれば、基板処理装置100eは、上部ベッセル110U及び/または下部ベッセル110Lを垂直方向に案内するように、上部ベッセル110U及び下部ベッセル110Lに結合された昇降ロッド123上に形成された第2保護層183をさらに含んでもよい。第2保護層183は、第1保護層181をなす物質と類似した物質からもなり、第1保護層181と類似した方式によっても形成される。
【0061】
昇降ロッド123は、上部ベッセル110U及び/または下部ベッセル110Lの移動を案内する機能を遂行するので、昇降ロッド123と、上部ベッセル110U及び/または下部ベッセル110Lとの摩擦によって発生するパーティクルは、ベッセル110内部に容易に流入する。また、接触部119a,119bから発生したパーティクルは、昇降ロッド123に付着し、反復的な摩擦により、昇降ロッド123に付着したパーティクルは、剥離され、ベッセル110内部に流入する。
【0062】
第2保護層183が、昇降ロッド123の表面上に形成されることにより、昇降ロッド123と、上部ベッセル110U及び/または下部ベッセル110Lとの摩擦が低減し、摩擦によって発生するパーティクルは、さらに低減する。
【0063】
図7は、本発明の技術的思想の一実施形態による基板処理装置100において、閉鎖位置にあるベッセル110内部から流体が排気されるストリームS1を概略的に示す図面である。
【0064】
図7を参照すれば、前述のように、上部ベッセル110U及び下部ベッセル110Lが接触する接触部119a,119b(
図5)付近では、上部ベッセル110U及び/または下部ベッセル110Lの摩耗によるパーティクルが発生しうる。例えば、接触部は、閉鎖位置にあるベッセル110内の処理空間PSの上部のエッジ付近、またはベッセル110の側壁上部に位置することができる。
【0065】
遮断膜150は、基板支持部130とベッセル110の側壁の間に配置されて上部ベッセル110Uから下方に延長される構造を有するので、接触部119a,119b付近で発生したパーティクルを含む流体は、遮断膜150によって案内され、下方に流れるストリームS1を有することができる。すなわち、接触部119a,119b付近で発生したパーティクルは、遮断膜150及びベッセル110の側壁に沿って下方に移動することができる。次に、下方に案内されたパーティクルを含む流体は、下部ベッセル110Lの表面に沿って、排気ポート115に移動されて排出される。一実施形態において、パーティクルを含む流体が排気ポート115に移動する間、パーティクルを含む流体は、遮断プレート160及び下部ベッセル110Lの間に提供された経路に沿って、排気ポート115に移動することができる。
【0066】
図8は、本発明の技術的思想の一実施形態による基板処理装置100において、ベッセル110内部に供給された超臨界流体のストリームS2を概略的に示す図面である。
【0067】
図8を参照すれば、遮断膜150は、接触部119a,119b(
図5)付近、すなわち遮断膜150と、ベッセル110の側壁との間に供給される超臨界流体の流れを遮断することができる。例えば、第2供給ポート113を介して供給される超臨界流体は、基板支持部130に支持された基板Wに沿って基板Wの半径方向に流れ、基板Wの外周付近では、遮断膜150に沿って下降し、次に、排気ポート115に排出されるストリームS2を有することができる。すなわち、遮断膜150は、第2供給ポート113を介して供給された超臨界流体が、接触部119a,119bに直接流れることを遮断し、超臨界流体が接触部119a,119b付近に直接流れながら、接触部119a,119b付近において、不規則な流体流れ、例えば、流体が渦流(turbulence)の流れを有することを防止することができる。従って、接触部119a,119b付近で発生した渦流により、パーティクルが排気ポート115に移動することができず、接触部119a,119b付近に留まる現象を防止することができる。
【0068】
図9及び
図10は、それぞれ本発明の技術的思想の一実施形態による基板処理装置100f,100gを概略的に示す図面である。
図9及び
図10に図示された基板処理装置100f,100gは、複数個のベッセル110を含むという点を除いては、前述の基板処理装置100,100a,100b,100d,100eと概して同一構成を有することができる。
【0069】
図9及び
図10を参照すれば、基板処理装置100f,100gは、それぞれ基板に対する乾燥工程が遂行されることができる処理空間を提供する複数個のベッセル110を含んでもよく、複数個のベッセル110それぞれに連結された駆動装置170を含んでもよい。駆動装置170は、1個でもよいし、または複数個のベッセル110の数より小さい数で提供されてもよい。駆動装置170は、複数個のベッセル110の上方、下方または側方に位置することができる。
【0070】
一実施形態において、
図9に図示されているように、複数個のベッセル110は、直列式、例えば、互いに積層された形態に配列されてもよい。複数個のベッセル110それぞれの閉鎖位置及び開放位置への転換は、1つの駆動装置170によって、遂行及び/または制御される。すなわち、駆動装置170は、複数個のベッセル110それぞれに、閉鎖位置及び開放位置の転換のための駆動力、例えば、油圧を印加することができる。一実施形態において、駆動装置170は、複数個のベッセル110の閉鎖位置及び開放位置の転換が同時に行われるように、複数個のベッセル110の駆動を制御することができ、または複数個のベッセル110の閉鎖位置及び開放位置の転換が、複数個のベッセル110において個別的に行われるように、複数個のベッセル110の駆動を制御することもできる。
【0071】
一実施形態において、
図10に図示されているように、基板処理装置100gは、並列式に配列された複数個のベッセル110、及び複数個のベッセル110それぞれに連結された駆動装置170を含んでもよい。例えば、複数個のベッセル110は、平行に(side-by-side)も配列される。
【0072】
基板処理装置100f,100gが、1つの駆動装置170によって駆動される複数個のベッセル110を含むことにより、同一面積対比で、さらに多くのベッセル110を乾燥工程に利用することができるので、工程の生産性をさらに向上させることができる。例えば、設備当たり時間当り生産量(UPEH:unit per equipment hour)がさらに向上する。
【0073】
図11は、本発明の技術的思想による一実施形態による集積回路素子製造装置1000を概略的に示した平面図である。
図11において、
図1Aないし
図1Bと同一参照符号は、同一部材を示し、ここでは、それらに係わる詳細な説明を省略する。
【0074】
図11を参照すれば、集積回路素子製造装置1000は、インデックスモジュール1010、バッファユニット1020、洗浄ユニット1030、乾燥ユニット1040及び搬送ユニット1050を含む。
【0075】
インデックスモジュール1010は、ロードポート1012及び移送フレーム1014を含む。
【0076】
ロードポート1012には、基板Wが収納されたキャリアCAが載置される。インデックスモジュール1010には、複数個のロードポート1012が提供されるが、それに限定されるものではなく、集積回路素子製造装置1000の工程効率及び工程制御条件により、ロードポート1012の個数は、多様に決定される。キャリアCAとして、例えば、開放一体型ポッド(FOUP:front opening unified pod)が使用される。
【0077】
移送フレーム1014には、インデックスレール1016とインデックスロボット1018とが提供される。移送フレーム1014においては、ロードポート1012に載置されたキャリアCAと搬送ユニット1050との間で、基板Wを搬送することができる。
【0078】
一実施形態において、基板Wは、ウェーハ、例えば、シリコンウェーハであってもよい。他の一実施形態において、基板Wは、ガラス基板Wであってもよい。基板Wには、アスペクト比が大きいパターンが形成されていてもよい。
【0079】
バッファユニット1020は、移送フレーム1014と搬送ユニット1050との間にも配置される。バッファユニット1020は、搬送ユニット1050と移送フレーム1014との間において基板Wが搬送される前、基板Wが留まる空間を提供する。バッファユニット1020において、移送フレーム1014と対面する面と、搬送ユニット1050と対面する面とが開放される。
【0080】
洗浄ユニット1030は、基板Wに処理液を供給し、所定湿式洗浄を実施するようにも構成される。
【0081】
洗浄ユニット1030は、基板Wに処理液を供給して湿式処理を実施する少なくとも1つの湿式処理装置1032を含む。
図11には、洗浄ユニット1030に2個の湿式処理装置1032が含まれた場合を例示しているが、本発明の技術的思想は、それに限定されるものではない。
【0082】
洗浄ユニット1030においては、基板Wに処理液を供給し、湿式洗浄が実施される。基板Wの洗浄処理後には、リンス液、例えば、脱イオン水またはイソプロピルアルコールによって、リンス処理が実施される。リンス液として、イソプロピルアルコールを使用する場合、後続の乾燥処理時に利用される超臨界流体、例えば、超臨界二酸化炭素との反応性が高く、容易に除去することができる。
【0083】
また、後続の超臨界流体を利用した乾燥処理を促進するために、リンス処理後、脱イオン水より二酸化炭素との親和性にすぐれる有機溶剤を含む湿潤液を利用し、さらなる湿潤処理を実施することもできる。湿潤液に、界面活性剤がリンス液に添加されれば、液相と気相との相互反応が弱くなるために、蒸気圧が低くなる。従って、基板W上に、界面活性剤を含む湿潤液がある状態で、洗浄ユニット1030から乾燥ユニット1040に基板Wを搬送するとき、基板Wの自然乾燥を抑制することができる。界面活性剤として、湿潤液に好ましく溶解され、超臨界流体、例えば、超臨界二酸化炭素にも良好に溶解される物質を利用することができる。界面活性剤は、TMN(trimethyl nonanol)系の界面活性剤、ブランチを有するフッ素系界面活性剤、及びフッ素系ブロック共重合体を含む界面活性剤のうち少なくとも一つを含んでもよい。
【0084】
搬送ユニット1050は、洗浄ユニット1030で洗浄された基板Wを取り出し、洗浄された基板Wに乾燥防止用液体を供給し、湿潤された状態の基板Wを乾燥ユニット1040に搬送する役割を行うことができる。搬送ユニット1050は、基板Wを支持する搬送部材1054と、基板Wに乾燥防止用液体を供給する湿式搬送部1056とを含んでもよい。搬送部材1054は、洗浄ユニット1030から基板Wを取り出し、乾燥ユニット1040に搬送する役割を行う。
【0085】
搬送ユニット1050において、湿式搬送部1056は、基板Wに乾燥防止用湿潤液を噴射することができる。乾燥防止用湿潤液として、イソプロピルアルコールを使用することができるが、それに限定されるものではない。基板Wの洗浄工程及びリンス工程の後、基板Wに乾燥防止用湿潤液を供給することにより、基板W上にあるリンス液の自然乾燥を防止することができる。
【0086】
このように、洗浄ユニット1030から乾燥ユニット1040に基板Wを搬送するとき、基板Wに乾燥防止用湿潤液を供給し、基板W上にあるリンス液の自然乾燥を防止することにより、乾燥ユニット1040において基板Wを乾燥させる場合に、基板W上に形成されているパターンのアスペクト比が比較的大きかったとしても、気体と液体との表面張力により、パターンが傾いて倒れるリーニング(leaning)現象発生を抑制することができる。また、アスペクト比が比較的大きいパターンが形成された基板Wを湿式洗浄した後、自然乾燥を抑制した状態で、超臨界流体を利用して乾燥させる場合、基板W上における水斑点(water spot)発生を抑制することができる。
【0087】
乾燥ユニット1040は、洗浄ユニット1030において、洗浄工程及びリンス工程を経た基板Wを乾燥させることができる。乾燥ユニット1040は、超臨界流体を利用して、基板Wを乾燥させるように構成されている。乾燥ユニット1040においては、超臨界流体の低い粘性及び表面張力を利用して基板Wを乾燥させる。乾燥ユニット1040は、洗浄ユニット1030とは、分離されて配置される。
【0088】
乾燥ユニット1040は、基板Wを乾燥させるための少なくとも1つの乾燥チャンバ1042を含む。
図11には、乾燥ユニット1040に2個の乾燥チャンバ1042が含まれるように例示されているが、本発明の技術的思想は、それに限定されるものではなく、必要によって、乾燥チャンバ1042の個数を決定することができる。乾燥チャンバ1042は、
図1Aないし
図6、
図9及び
図10を参照して説明した基板処理装置100,100a,100b,100d,100e,100f,100gのうちいずれか一つ、またはそれらから本発明の技術的思想の範囲によって、変形及び変更された構造を有する基板処理装置によっても構成される。
【0089】
図12は、本発明の技術的思想による実施形態による基板処理方法について説明するためのフローチャートである。
図13は、
図12の基板を乾燥させる段階において、ベッセル110の処理空間PS内での例示的な圧力変化を示したグラフである。
【0090】
図12及び
図13を、
図1A及び
図1Bと共に参照すれば、基板Wを、ベッセル110の処理空間PSにローディングする(即ち、搬入する)(S110)。基板Wが処理空間PSにローディングされる間、ベッセル110は、開放位置に位置され、基板Wは、処理空間PS内で基板支持部130に支持される。
【0091】
次に、ベッセル110の処理空間PSにおいて、超臨界流体を利用し、基板Wを乾燥させる(S120)。基板Wに対する乾燥工程が進められる間、ベッセル110は、閉鎖位置に位置し、処理空間PSを密閉させることができる。かような処理空間PSの密閉状態は、昇降部材120及び駆動装置170によって維持される。
【0092】
基板Wを乾燥させるために、基板Wをベッセル110の処理空間PS内にローディングした後、
図1Bに例示されているようなベッセル110の閉鎖位置において、第1供給ポート111を介して、流体、例えば、二酸化炭素をベッセル110の処理空間PS内に流入させ、処理空間PS内の圧力を、大気圧と類似した初期圧力P0から第1圧力P1まで昇圧することができる(S121)。ベッセル110の処理空間PS内にある流体が、飽和蒸気圧または臨界圧力に逹するまで、第1供給ポート111を介して、ベッセル110の処理空間PS内に流体を供給することができる。ベッセル110の処理空間PS内にある流体が、飽和蒸気圧に逹した後、ベッセル110の処理空間PS内の温度が、処理空間PS内にある流体の臨界温度以上の温度に昇温される。ベッセル110の処理空間PS内の温度が、供給された流体の臨界温度に逹すれば、ベッセル110の処理空間PS内にある流体が、超臨界状態になる。
【0093】
その後、処理空間PS内において、超臨界流体を利用して、基板Wの乾燥工程を遂行する間、処理空間PS内に供給される超臨界流体の供給流量を調節し、処理空間PSでの圧力を、第1圧力P1から、第1圧力P1より低い第2圧力P2に減圧させる減圧工程と、処理空間PSでの圧力を、第2圧力P2から、第1圧力P1にさらに昇圧する昇圧工程とを、交互に少なくとも2回反復し、処理空間PSから基板Wに圧力パルスを印加することができる(S123)。
【0094】
一実施形態において、第1圧力P1は、約140barであり、第2圧力P2は、約100barであってもよいが、それに限定されるものではない。
【0095】
S123段階でのように、第1圧力P1と第2圧力P2との間で、減圧工程及び昇圧工程を交互に反復するために、
図1Aに例示されているような第2供給ポート113を介して、ベッセル110の処理空間PS内に、圧力制御用流体を所定量供給する工程と、排気ポート115を介して、ベッセル110の処理空間PS内にあるガスを排出する工程とを交互に反復することができる。
【0096】
ベッセル110の処理空間PS内にローディングされた基板Wに対する乾燥工程が完了した後、ベッセル110の処理空間PS内の圧力を第3圧力P3に強圧する低速排気工程(S125)、及びベッセル110の処理空間PS内の圧力を大気圧と類似した初期圧力P0に強圧する高速排気工程(S127)を順次に遂行することができる。低速排気工程(S125)及び高速排気工程(S127)は、排気ポート115を介する排気流速を制御することによって節することができる。
【0097】
次に、基板Wに対する乾燥工程が完了すれば、乾燥した基板Wを、処理空間PSから除去する(S130)。基板Wを処理空間PSから除去するために、ベッセル110は、閉鎖位置から開放位置に転換される。
【0098】
本発明の実施形態による基板処理方法によれば、基板処理装置100は、遮断膜150を含むので、超臨界流体を利用した乾燥工程の間、上部ベッセル110U及び下部ベッセル110Lの摩擦によって発生したパーティクルが、基板Wに流入することを防止することができ、パーティクルを、効果的に排気ポート115に排出させることができる。また、上部ベッセル110U及び下部ベッセル110Lの接触部119a,119b(
図5)には、保護層181(
図5)が形成されるので、S123段階のように、ベッセル110内部に圧力パルスが印加される間、上部ベッセル110U及び下部ベッセル110Lの摩耗によるパーティクルの発生を抑制することができる。
【0099】
また、本発明の実施形態による基板処理方法によれば、複数個のベッセル110において、それぞれ乾燥工程を遂行することができ、複数個のベッセル110の閉鎖位置及び開放位置の転換は、1つの駆動装置170によって制御されるので、乾燥工程の生産性を改善することができる。
【0100】
以上のように、図面及び明細書で例示的な実施形態が開示された。本明細書において、特定用語を使用して実施形態について説明したが、それらは、単に本開示の技術的思想について説明するための目的に使用されたのみ、意味限定や、特許請求の範囲に記載された本開示の範囲を制限するために使用されたものではない。従って、本技術分野の当業者であるならば、それらから多様な変形、及び均等な他の実施形態が可能であるという点を理解するであろう。従って、本開示の真の技術的保護範囲は、特許請求の範囲の技術的思想によって決められるものである。