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特開2018-207242通信装置、リンクアップ方法および通信システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-207242(P2018-207242A)
(43)【公開日】2018年12月27日
(54)【発明の名称】通信装置、リンクアップ方法および通信システム
(51)【国際特許分類】
   H04L 29/08 20060101AFI20181130BHJP
   H04L 12/28 20060101ALI20181130BHJP
【FI】
   H04L13/00 307A
   H04L12/28 200M
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2017-108776(P2017-108776)
(22)【出願日】2017年5月31日
(71)【出願人】
【識別番号】302062931
【氏名又は名称】ルネサスエレクトロニクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002066
【氏名又は名称】特許業務法人筒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中村 勝
【テーマコード(参考)】
5K033
5K034
【Fターム(参考)】
5K033AA02
5K033BA03
5K033CB01
5K033EA03
5K033EC01
5K034FF04
5K034HH06
5K034HH11
5K034LL01
5K034LL02
5K034LL06
(57)【要約】
【課題】早期且つ確実にリンクアップをする。
【解決手段】通信装置は、電源ONまたはリンクダウンを検出すると、アイドル信号生成回路51がアイドル信号を生成し、I/F回路56が、選択回路55を介して当該アイドル信号を通信相手の通信装置に送信する。また、I/F回路56が、通信相手の通信装置と学習信号を送受信する。Step1学習回路57、Step2学習回路58、およびStep3学習回路59が、学習信号を用いてリンクアップする。リセットマスク回路62は、リンク検出回路60からリンクアップした旨の信号を受信していない場合、リセット信号生成回路53により生成されたリセット信号をStep1学習回路57、Step2学習回路58、およびStep3学習回路59へ送出し、学習を再実行させる。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自装置が主装置および従装置の何れかであるかを示す主従情報を記憶する主従情報記憶部と、
リンクアップのための学習信号を、通信相手の通信装置と送受信する学習信号送受信部と、
前記学習信号送受信部により前記通信相手の通信装置と送受信する学習信号を用いて学習して、リンクアップするリンクアップ部と、
所定の第1の時間経過した時点で、前記リンクアップ部によりリンクアップされていない場合、前記リンクアップ部に学習を再実行させるリンクアップ制御部と、
を備える通信装置。
【請求項2】
請求項1に記載の通信装置であって、
前記リンクアップ制御部によって学習が再実行された結果、前記第1の時間より長い第2の時間経過した時点で、前記リンクアップ部によりリンクアップされていない場合、前記通信相手の通信装置と主装置および従装置を決定するための信号を前記通信相手の通信装置へ送信する主従決定信号送信部をさらに備える、
通信装置。
【請求項3】
請求項2に記載の通信装置であって、
前記リンクアップ制御部は、前記リンクアップ部によりリンクアップされるまで、又は前記第2の時間を経過するまで、前記第1の時間経過する毎に、前記リンクアップ部に学習を再実行させる、
通信装置。
【請求項4】
請求項2に記載の通信装置であって、
前記通信相手の通信装置から前記通信相手の通信装置と主装置および従装置を決定するための信号を受信する主従決定信号受信部をさらに備え、
前記主従決定信号送信部は、前記主従決定信号受信部によって、信号が受信された場合、当該信号に応じて主従決定信号を前記通信相手の通信装置に送信する、
通信装置。
【請求項5】
請求項4に記載の通信装置であって、
前記主従決定信号受信部および前記主従決定信号送信部による、主従決定信号の送受信により、主装置および従装置を決定する決定部をさらに備え、
前記リンクアップ部は、前記決定部による決定に応じて、リンクアップを実行し、
前記リンクアップ制御部は、前記決定部により、主装置および従装置を決定する場合、前記第1の時間経過に伴う前記リンクアップ部による学習の再実行を停止する、
通信装置。
【請求項6】
自装置が主装置および従装置の何れかであるかを示す主従情報を記憶する通信装置で実行されるリンクアップ方法であって、
学習信号送受信部が、リンクアップのための学習信号を通信相手の通信装置と送受信する学習信号送受信ステップと、
リンクアップ部が、前記学習信号送受信ステップで通信相手の通信装置と送受信する学習信号を用いて学習して、リンクアップするリンクアップステップと、
リンクアップ制御部が、所定の時間経過した時点で、前記リンクアップステップでリンクアップされていない場合、前記リンクアップ部に学習を再実行させるリンクアップ制御ステップと、を含むリンクアップ方法。
【請求項7】
第1の通信装置と、当該第1の通信装置の通信相手である第2の通信装置とを含む通信システムであって、
前記第1の通信装置は、
自装置が主装置であることを示す情報を記憶する情報記憶部と、
リンクアップのための学習信号を前記第2の通信装置と送受信する学習信号送受信部と、
前記学習信号送受信部により前記第2の通信装置と送受信する学習信号を用いて学習して、リンクアップするリンクアップ部と、
第1の時間経過した時点で、前記リンクアップ部によりリンクアップされていない場合、前記リンクアップ部に学習を再実行させるリンクアップ制御部と、
を備え、
前記第2の通信装置は、
自装置が従装置であることを示す情報を記憶する情報記憶部と、
リンクアップのための学習信号を前記第1の通信装置と送受信する学習信号送受信部と、
前記学習信号送受信部により前記第1の通信装置と送受信する学習信号を用いて学習して、リンクアップするリンクアップ部と、
前記第1の時間経過した時点で、前記リンクアップ部によりリンクアップされていない場合、前記リンクアップ部に学習を再実行させるリンクアップ制御部と、
を備える、通信システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信装置、リンクアップ方法および通信システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
産業分野でイーサネット接続が急速に広がってきている。例えば、ノードとスイッチとの間でケーブルが接続された場合に、リンクアップすることが特許文献1に記載されている。具体的に、従来のオートネゴシエーションで実施されるデータ交換に加え、産業向けイーサネット(登録商標)規格の情報を交換するためのデータ交換をして、互いに一致する規格のうち、最も優先度の高い規格を選択してリンクアップすることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012−74848号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
工場などで定期的に決まった装置の交換によるリンクダウン、リンクアップを繰り返すことを想定した場合、その都度オートネゴシエーションを行うと、リンクアップに多くの時間を費やしてしまうことになる。また、工場等では、様々な装置が互いに接続することが想定されるため、確実に接続が保障されることも望まれる。すなわち、早期且つ確実にリンクアップをすることが望まれる。
【0005】
その他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、以下のとおりである。
【0007】
一実施の形態による通信装置は、自装置が主装置および従装置の何れかであるかを示す主従情報を記憶する主従情報記憶部と、リンクアップのための学習信号を通信相手の通信装置と送受信する学習信号送受信部と、学習信号送受信部により通信相手の通信装置と送受信する学習信号を用いて学習して、リンクアップするリンクアップ部と、第1の時間経過した時点で、リンクアップ部によりリンクアップされていない場合、リンクアップ部に学習を再実行させるリンクアップ制御部と、を備える。
【発明の効果】
【0008】
上記一実施の形態によれば、早期且つ確実にリンクアップをすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】通信システムの構成例について概要を示した図である。
図2】学習処理の流れの例を示す図である。
図3】通信装置のPHY部の回路図である。
図4】リセットタイミングと選択切替時間との関係を示す図である。
図5】動作例1における通信装置間でリンクアップをする例を示す図である。
図6】動作例1における通信装置の各信号出力の例を示す図である。
図7】動作例2における通信装置間でリンクアップをする例を示す図である。
図8】動作例2における通信装置の各信号出力の例を示す図である。
図9】動作例2における通信装置の別パターンの各信号出力の例を示す図である。
図10】動作例3における通信装置間でリンクアップをする例を示す図である。
図11】動作例4における通信装置間でリンクアップをする例を示す図である。
図12】動作例5における通信装置間でリンクアップをする例を示す図である。
図13】動作例6における通信装置間でリンクアップをする例を示す図である。
図14】動作例6における通信装置の各信号出力の例を示す図である。
図15】動作例7における通信装置間でリンクアップをする例を示す図である。
図16】動作例8における通信装置間でリンクアップをする例を示す図である。
図17】動作例9における通信装置間でリンクアップをする例を示す図である。
図18】本発明の一実施の形態における通信装置におけるリンクアップ処理の流れの例について概要を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一部には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。一方で、ある図において符号を付して説明した部位について、他の図の説明の際に再度の図示はしないが同一の符号を付して言及する場合がある。
【0011】
<システム構成>
図1は、本発明の一実施の形態である通信システムの構成例について概要を示した図である。本実施の形態の通信システム1は、マスタである通信装置2(第1の通信装置)と、当該通信装置2の通信相手であり、スレーブである通信装置3(第2の通信装置)とを含むシステムである。通信装置2および通信装置3は、それぞれイーサネット(登録商標)通信機器であり、例えば、通信ケーブル(LANケーブル等)で接続されている。通信装置2および通信装置3は、当該通信ケーブルを介して各種信号を互いに送受信する。
【0012】
通信装置2は、情報記憶部4と、PHY部5とを有する。情報記憶部4は、自装置がマスタ(主装置)であるかスレーブ(従装置)であるかを示す情報(主従情報)を記憶する部分である。通信装置2は、予めマスタとして設定され、情報記憶部4では、マスタであることを示す情報が記憶されている。このように、情報記憶部4は、主従情報記憶部として機能する。PHY部5は、物理層に対応するデータの送受信を行う部分である。PHY部5の詳細については後述する。
【0013】
通信装置3は、情報記憶部6と、PHY部7とを有する。情報記憶部6は、自装置がマスタ(主装置)であるかスレーブ(従装置)であるかを示す情報を記憶する部分である。通信装置3は、予めスレーブとして設定され、情報記憶部6では、スレーブであることを示す情報が記憶されている。PHY部7は、物理層に対応するデータの送受信を行う部分である。PHY部7は、PHY部5に類似する構成を有する。これについては、後述する。なお、通信装置2のPHY部5および通信装置3のPHY部7は、例えば、イーサネット規格の一つである1000Base−Tに対応しているものとする。また、通信装置2および通信装置3は、リンクダウンを検出する機能(リンクダウン検出部)や、自装置の電源制御をする機能(電源ON検出部)も有する。
【0014】
上述のように、通信装置2には、マスタである旨が予め設定されており、通信装置3には、スレーブである旨が予め設定されている。これにより、通信装置2と通信装置3との間で双方の装置一方をマスタに、他方をスレーブに決定するオートネゴシエーション処理を省略して、通信装置2と通信装置3との間でリンクアップに必要な学習処理をするだけで、リンクアップすることができる。すなわち、高速にリンクアップすることができる。このようなリンクアップを以下「高速リンクアップ」ともいう。
【0015】
上記のように、高速にリンクアップすれば、その分通信装置2および通信装置3の稼働時間を増やすことができ、生産性を上げることができる。具体的には、マスタおよびスレーブを決める処理も含めてリンクアップする場合、2、3秒程度かかるが、高速リンクアップをする場合200、300m秒でリンクアップすることができる。
【0016】
ここで、上記学習処理の流れについて、図2を用いて説明する。図2は、1000Base−Tの学習処理の流れの例を示す図である。Step1(通信装置2:E/通信装置3:D)で、通信装置2は、通信装置3へ、学習信号としてアイドル信号を出力し、自身のEchoとNEXT(Near-End Cross Talk)のキャンセラの学習をする。通信装置3は、このタイミングではアイドル信号を出力せずに、通信装置2からのアイドル信号を受信して、DFE(decision feedback equalizer)/タイミング学習を行う。
【0017】
続いて、Step2(通信装置2:D/通信装置3:E、FD)では、通信装置2と通信装置3の動作を入れ替える。具体的に、通信装置2は、アイドル信号を出力せず、通信装置3は、アイドル信号を通信装置2に送信し、通信装置2は、当該アイドル信号を受信し、それぞれの学習を行う。続いて、Step3(通信装置2:E、FD、P/通信装置3:T)で総合学習を行い、リンクを確立する。すなわち、リンクアップが完了する。上述の学習方法は、http://grouper.ieee.org/groups/802/3/tutorial/march98/mick_170398.pdfに示す文献に記載されている。
【0018】
続いて、図3を用いて通信装置2のPHY部5の詳細を説明する。図3は、通信装置2のPHY部5の回路図である。図3に示すように、PHY部5は、データ信号生成回路50、アイドル信号生成回路51、FLP生成回路52、リセット信号生成回路53、選択切替時間生成回路54、選択回路55、I/F回路56を含む。さらに、PHY部5は、Step1学習回路57、Step2学習回路58、Step3学習回路59、リンク検出回路60、リセットマスク回路62、FLP受信回路63、およびマスタ/スレーブ決定回路64を含む。
【0019】
データ信号生成回路50は、通信相手に送るべきデータ信号を生成し、当該データ信号を選択回路55へ送出する。
【0020】
アイドル信号生成回路51は、通信装置2がリンクダウンを検出した場合、または通信装置2の電源がOFFからONになったことを検出した場合、リンクアップのための学習信号としてアイドル信号を生成し、当該アイドル信号を選択回路55へ送出する。通信装置2がリンクダウンを検出するとは、リンクダウン検出部66が、公知の手法により、リンクダウンを検出することをいう。また、通信装置2の電源がOFFからONになったことを検出するとは、電源ON検出部67が、公知の手法により、通信装置2の電源がOFFからONになったことを検出することをいう。
【0021】
FLP生成回路52は、通信装置2がリンクダウンを検出した場合、または通信装置2の電源がOFFからONになったことを検出した場合、FLP(Fast Link Pulse)信号を選択回路55へ送出する。このFLP信号は、通信相手の通信装置とマスタおよびスレーブを決定するための信号(主従決定信号)である。
【0022】
また、FLP受信回路63が、I/F回路56を介して通信相手である通信装置からFLP信号を受け取った場合に、FLP生成回路52は、受け取ったFLP信号に応答するためのFLP信号を生成し、当該FLP信号を選択回路55へ送出する。
【0023】
リセット信号生成回路53は、通信装置2がリンクダウンを検出した場合、または通信装置2の電源がOFFからONになったことを検出した場合、リセット信号を出力し、それ以降は、リセットタイミング(第1の時間)の計測をして、リセットタイミングごとにリセット信号を出力する。
【0024】
選択切替時間生成回路54は、通信装置2がリンクダウンを検出した場合、または通信装置2の電源がOFFからONになったことを検出した場合、選択切替時間(第2の時間)の計測を開始する。選択切替時間生成回路54は、選択切替時間経過した場合、選択切替時間を経過したことを示す信号をリセットマスク回路62へ送出すると共に、選択回路55へ当該信号を送出する。
【0025】
ここで、リセットタイミングと、選択切替時間との関係を図4を用いて説明する。図4は、リセットタイミングと、選択切替時間との関係を示す図である。図4に示すように、リセットタイミングが複数回経過すると、選択切替時間が経過する。すなわち、選択切替時間は、リセットタイミングの間隔より長く設定されている。
【0026】
図3に戻り、選択回路55は、FLP信号、アイドル信号およびデータ信号の何れかを選択し、出力する回路である。選択回路55は、通信装置2の電源がOFFからONになったことを検出した後、もしくは、通信装置2がリンクダウンを検出した後は、アイドル信号生成回路51から供給されるアイドル信号を選択して、当該アイドル信号をI/F回路56へ出力する。
【0027】
また、選択回路55は、選択切替時間生成回路54から選択切替時間を経過したことを示す信号を受信した場合には、FLP生成回路52から供給されるFLP信号を選択して、当該FLP信号をI/F回路56へ送出する。なお、選択回路55は、通信相手の通信装置からのFLP信号を受信した場合には、当該FLP信号に応答するため、FLP生成回路52にて生成されたFLP信号を選択出力する。さらに、選択回路55は、通信相手とのFLP信号のやりとりの後、マスタ/スレーブ決定回路64によってマスタもしくはスレーブを決定したことを示す信号を受信した場合には、アイドル信号を選択し出力する。また、選択回路55は、リンク検出回路60がリンクアップを検出したことを示す信号を受けた場合には、データ信号生成回路50が生成するデータ信号を選択し、当該データ信号をI/F回路56へ送出する。
【0028】
I/F回路56は、他の通信装置(例えば、通信装置3)と信号を送受信するためのインターフェース部分である。I/F回路56は、選択回路55からFLP信号、アイドル信号またはデータ信号を受信し、これらの信号を他の通信装置へ送信する。同様に、I/F回路56は、他の通信装置よりFLP信号、アイドル信号またはデータ信号を受信する。このように、I/F回路56は、主従決定信号受信部および主従決定信号送信部として機能する。
【0029】
また、I/F回路56は、自身の装置および他の通信装置から学習信号を受信した場合、当該信号をStep1学習回路57、Step2学習回路58、およびStep3学習回路59に送出する。このように、I/F回路56は、他の通信装置と学習信号を送受信する。すなわち、I/F回路56は、学習信号送受信部としても機能する。
【0030】
Step1学習回路57は、図2に示したStep1の学習処理をする部分である。Step1学習回路57は、I/F回路56から送信されるアイドル信号を用いて、自身のEchoとNEXTのキャンセラの学習をする。Step1学習回路57は、当該学習を完了した後、その旨をStep2学習回路58へ通知する。
【0031】
Step2学習回路58は、図2に示したStep2の学習処理をする部分である。Step2学習回路58は、I/F回路56を介して通信装置3から受信したアイドル信号を用いて、DFE/Timing学習を行う。Step2学習回路58は、当該学習を完了した後、その旨をStep3学習回路59へ通知する。
【0032】
Step3学習回路59は、図2に示したStep3の学習処理をする部分である。Step3学習回路59は、学習したDFEを保持しておきながら、Echo/NEXTキャンセラ、位相調整をする。Step3学習回路59は、学習を完了すると、リンク検出回路60に通知する。このように、Step1学習回路57、Step2学習回路58、およびStep3学習回路59では、I/F回路56を介して自身の装置および通信装置3から受信したアイドル信号を用いて学習をすることにより、リンクアップを図る。すなわち、Step1学習回路57、Step2学習回路58、およびStep3学習回路59は、リンクアップ部として機能する。また、Step1学習回路57、Step2学習回路58、およびStep3学習回路59は、FLP信号を送受信してマスタ/スレーブ決定回路64がマスタもしくはスレーブを決定した後に、I/F回路56から送信されるアイドル信号を用いて、リンクアップを図る。
【0033】
リンク検出回路60は、Step3学習回路59から学習完了した旨を受信することで、リンクアップしたことを検出する部分である。リンク検出回路60は、Step3学習回路59から学習完了した旨を受信すると、その旨を選択回路55およびリセットマスク回路62へ送出する。
【0034】
リセットマスク回路62は、リセット信号生成回路53から受信したリセット信号をStep1学習回路57、Step2学習回路58、Step3学習回路59に送出するか否かを制御する部分である。
【0035】
リセットマスク回路62は、選択切替時間生成回路54から選択切替時間を経過したことを示す信号を受信した場合、マスタ/スレーブ決定回路64から信号を受信した場合、もしくはリンクアップを検出した場合に、リセット信号生成回路53から供給されるリセット信号をマスク処理して、Step1学習回路57、Step2学習回路58、Step3学習回路59に送出しないようにする。
【0036】
一方、リセットマスク回路62は、選択切替時間生成回路54が示す選択切替時間内であればリンクアップが検出されるまで、リセット信号生成回路53から供給されるリセット信号をリセットタイミング毎に、Step1学習回路57、Step2学習回路58、Step3学習回路59へ送出する。すなわち、Step1学習回路57、Step2学習回路58、Step3学習回路59は、それぞれ選択切替時間内においてリンクアップされるまで、リセット信号に応じて学習を再実行する。このように、リセットマスク回路62は、リンクアップ制御部として機能する。
【0037】
FLP受信回路63は、I/F回路56を介してFLP信号を受信する部分である。FLP受信回路63は、通信相手の装置からFLP信号を受信すると、マスタ/スレーブ決定回路64へ当該FLP信号を送出する。
【0038】
マスタ/スレーブ決定回路64は、通信相手の装置から受信したFLP信号に基づいて、自装置をマスタとするか、スレーブとするかを決定する部分である。マスタ/スレーブ決定回路64は、FLP受信回路63から受信したFLP信号に基づいて、自装置をマスタとするか、スレーブとするかを決定する。FLP信号を用いてマスタ、スレーブを決定する方法は、公知の方法により実現できる。また、マスタ/スレーブ決定回路64は、選択回路55へFLP信号を受信した旨を通知すると共に、マスタ/スレーブ決定回路64によってマスタもしくはスレーブを決定したことを示す信号をリセットマスク回路62へ通知する。このように、マスタ/スレーブ決定回路64は、決定部として機能する。
【0039】
なお、スレーブである通信装置3のPHY部7は、通信装置3がリンクダウンを検出した場合、または通信装置3の電源がOFFからONになったことを検出した場合に、まずは通信相手からのアイドル信号の受信を待つことが通信装置2のPHY部5と異なる。
【0040】
また、通信装置3においても、通信装置2のStep1学習回路57、Step2学習回路58、およびStep3学習回路59相当の回路を有している。Step1学習回路57に対応する学習回路ではDFE/Timing学習を、Step2学習回路58に対応する学習回路では、学習したDFEを保持しておきながら、自身のEchoとNEXTのキャンセラを学習し、Step3学習回路59に対応する学習回路では周波数/位相調整を行う。それ以外はマスタである通信装置2のPHY部5と同一の構成を有する。
【0041】
すなわち、通信装置3のI/F回路56が、学習信号として自身の装置および通信装置2からのアイドル信号を送受信する。このように、通信装置3のI/F回路56は、学習信号送受信部として機能する。そして、通信装置3のStep1学習回路57、Step2学習回路58、およびStep3学習回路59が、学習信号を用いて学習して、リンクアップする。
【0042】
<動作例>
<動作例1>
続いて、2つの通信装置がリンクアップする動作例を説明する。図5は、動作例1における通信装置間でリンクアップする例を示す図である。具体的には、スレーブである通信装置3と接続していたマスタである通信装置2Aを通信装置2Bに交換する例である。この場合、スレーブである通信装置3は、交換時にリンクダウンを検出するので、このタイミングで通信装置3のアイドル信号生成回路51は、アイドル信号を生成し、当該アイドル信号を選択回路55へ送出する。また、通信装置3のFLP生成回路52は、FLP信号を選択回路55へ送出する。通信装置3の選択回路55は、アイドル信号およびFLP信号を受けるが、通信相手からのアイドル信号を受信するまでは、いずれも選択出力しない。
【0043】
スレーブである通信装置3とマスタである通信装置2Bがケーブルを介して接続した後、通信装置2Bの電源がONになると、このタイミングで通信装置2Bのアイドル信号生成回路51は、アイドル信号を生成し、当該アイドル信号を選択回路55へ送出する。また、通信装置2BのFLP生成回路52は、FLP信号を選択回路55へ送出する。通信装置2Bの選択回路55は、アイドル信号を選択し、I/F回路56が、当該アイドル信号を通信装置3へ送信する。また、通信装置2Bの学習回路(Step1学習回路57、Step2学習回路58、およびStep3学習回路59)が学習をする。また、通信装置3の学習回路も通信装置2Bからのアイドル信号を用いて学習をする。これにより、通信装置2Bと通信装置3とがリンクアップすることができる。この場合、スレーブである通信装置3がリンクダウンを検出するタイミングの方が、マスタである通信装置2Bの電源がONになるより早い。よって、スレーブである通信装置3は、マスタである通信装置2Bから送信されるアイドル信号を待つことができる。従って、通信装置2Bおよび通信装置3は、確実に高速リンクアップすることができる。
【0044】
図6は、動作例1における通信装置の各信号出力の例を示す図である。具体的には、マスタである通信装置2Bにおける、各信号出力の例を示す図である。図6に示すリセット信号は、リセット信号生成回路53が計測するリセットタイミングを示す。図6に示す選択切替時間生成回路出力信号は、選択切替時間生成回路54により出力される信号である。図6に示すリセットマスク信号なし期間/リセット信号マスク期間は、リセットマスク回路62によりマスクされていない期間と、リセットマスク回路62によりマスク処理される期間とを示すものである。図6に示すリセットマスク回路出力信号は、リセットマスク回路62から出力される信号を示す。図6に示す入出力信号(出力)は、I/F回路56が出力する信号を示す。図6に示す入出力信号(入力)は、I/F回路56が入力する信号を示す。
【0045】
図6に示すStep1学習回路出力とは、Step1学習回路57が出力する学習完了信号を示す。図6に示すStep2学習回路出力とは、Step2学習回路58が出力する学習完了信号を示す。図6に示すStep3学習回路出力とは、Step3学習回路59が出力する学習完了信号を示す。図6に示すリンク検出回路出力とは、リンク検出回路60が出力するリンク完了信号を示す。
【0046】
図6に示すように、リセット信号生成回路53が電源ONまたはリンクダウン検出に伴う最初のリセット信号を出力したのち、2回目のリセット信号を出力する前にI/F回路56が、学習信号としてアイドル信号を出力しており、通信装置3から当該アイドル信号に対応するアイドル信号を受信している。これにより、リセット信号生成回路53がリセット信号を出力する前にStep1〜Step3の学習が適切に終了し、リンクアップが完了している。これに応じて、リセットマスク回路62は、リセット信号をマスクする。よって、図6のリセットマスク回路出力リセットに示すように、リセットマスク回路62は、リセット信号を出力しない。
【0047】
<動作例2>
図7は、動作例2における通信装置間でリンクアップをする例を示す図である。具体的には、マスタ装置である通信装置2に接続されていたスレーブ装置である通信装置3Aを通信装置3Bに交換する例を示す図である。
【0048】
この場合、通信装置2は、交換時にリンクダウンを検出するので、このタイミングで通信装置2のアイドル信号生成回路51は、アイドル信号を生成し、当該アイドル信号を選択回路55へ送出する。また、リセット信号生成回路53は、リンクダウンの検出に応じてリセット信号を出力するとともにリセットタイミングの計測を開始する。同様に、選択切替時間生成回路54は、選択切替時間の計測を開始する。選択回路55は、選択切替時間が経過したことを示す信号を受けていないため、アイドル信号を選択しI/F回路56へ送出する。その結果、新たに接続されるスレーブである通信装置3Bへアイドル信号が送信される。しかし、この時点では、スレーブである通信装置3Bが接続されていない、もしくは、電源がONになっていないので、通信装置3Bは、当該アイドル信号を受信することができない。この結果、通信装置2のみで学習が開始されてしまい、通信装置3Bで学習が開始されず、双方の学習が適切に処理されない。
【0049】
そこで、マスタである通信装置2では、リセットタイミング経過後、通信装置2のリセット信号生成回路53から出力されるリセット信号に応じて、再度学習処理を行う。これにより、通信装置3Bの方が電源ONになるのが遅れても、再度学習を開始できるので、適切に双方の学習が処理される。なお、リセット時間は、学習を行う時間よりも長いものとする。
【0050】
ここで、図8を用いてマスタである通信装置2の各信号出力例を説明する。図8は、動作例2における通信装置の各信号出力例を示す図である。具体的には、通信装置2が、学習を再実行している間にスレーブである通信装置3Bの電源がONになった場合における、通信装置2の各信号出力の例を示す図である。通信装置2がリンクダウンを検出した際には、通信装置3Bの電源がONになっていないため、通信装置3Bは、通信装置2から送出したアイドル信号を受信できない。図8の例では、通信装置2は、リセット信号を3度生成した時点において、通信装置3Bからのアイドル信号を受信できていない。
【0051】
なお、通信装置2がリセット信号を繰り返し出力するのは、マスタ、スレーブの通信装置が立ち上がり、Step1学習回路57、Step2学習回路58、Step3学習回路59が一連の流れの中で学習処理を進める必要があるためである。図8では、通信装置3Bからのアイドル信号が入力されないため、通信装置2が繰り返し学習処理を再開している。
【0052】
通信装置2は、通信装置3Bからアイドル信号を受信しないと適切に学習処理を完了できないので、リンク検出回路60からリンクアップしたことを示す信号が出力されない。よって、リセットマスク回路62は、図8に示すように、リセット信号生成回路53から受信したリセット信号をそのままStep1学習回路57、Step2学習回路58、Step3学習回路59へ出力する。その後、通信装置3の電源がONし、通信装置3からアイドル信号が送信され、各学習回路における学習が完了し、リンク検出回路60からリンクアップしたことを示す信号を受信すると、リセットマスク回路62は、リセット信号生成回路53からのリセット信号をマスク処理する。
【0053】
なお、通信装置2のリセットマスク回路62がリセット信号を送出するのは、選択切替時間が経過する前までである。これは、スレーブと予め設定されている通信装置3以外の通信装置と接続した場合を考慮したものである。選択切替時間を経過した場合、通信装置2は、FLP信号を送信する。
【0054】
ここで、図9は、動作例2における通信装置の別パターンの各信号出力の例を示す図である。具体的に、図9は、マスタである通信装置2がリンクダウンを検出してから選択切替時間を経過した後に、スレーブである通信装置3Bの電源がONになる場合の各信号出力の例を示す図である。図9のリセットマスク回路出力信号に示すように、通信装置2は、選択切替時間が経過するまで、リセットマスク回路62は、リセット信号生成回路53から受信するリセット信号をStep1学習回路57、Step2学習回路58、Step3学習回路59へ出力する。
【0055】
このように、通信装置2は、Step1学習回路57、Step2学習回路58、Step3学習回路59に学習処理を繰り返し実行させる。通信装置2は、選択切替時間が経過すると、選択回路55がFLP信号を選択して、FLP信号を通信装置3Bに送信する。また、選択切替時間生成回路54は、リセットマスク回路62へ選択切替時間を経過したことを示す信号をリセットマスク回路62へ送出する。リセットマスク回路62は、これに応じて、リセット信号をマスク処理する。通信装置3Bは、上記FLP信号を受信し、これに応じてFLP信号を通信装置2に送信する。通信装置2および通信装置3Bは、互いにFLP信号を送受信して、何れの装置がマスタとなるか決定する。そして、マスタを決定した後に、マスタとなる装置がアイドル信号を送信して、学習を開始する。
【0056】
<動作例3>
図5図7を用いて、通信装置を交換する場合について述べたが、動作例3として、図10を用いて、マスタである通信装置2およびスレーブである通信装置3が接続されている状態において、一方を電源OFFにして、再度電源ONにする場合や時間差をもって電源がONされる場合について述べる。図10は、動作例3における通信装置間でリンクアップをする例を示す図である。
【0057】
図10に示した状態において、通信装置2の方が後で電源がONになる場合、図6に示したときと同様、通信装置2が電源ONになるより前に通信装置3がアイドル信号を受信可能な状態になるので、通信装置2から送信したアイドル信号に基づいて、学習をする。
【0058】
また、図10に示した状態において、通信装置3の方が後で電源を入れる場合、通信装置2が、リンクダウンを検出してから所定期間学習を繰り返す。選択切替期間になる前に学習が完了する場合、互いの通信装置は、FLP信号を送受信することなく学習を完了する。選択切替期間を経過した後の場合、互いの通信装置は、FLP信号を送受信して、何れがマスタとなるか決定した後に学習をする。
【0059】
なお、通信装置2および通信装置3が電源ON状態のときに、ケーブルが外れて、再度ケーブルを通信装置2および通信装置3に接続した場合について述べる。通信装置2は、リンクダウン後(ケーブルが外れた後)、選択切替時間を経過するまで、リセットタイミング毎にリセット信号を送出し、学習を繰り返し、選択切替時間を経過すると、FLP信号を送信する。通信装置3は、リンクダウンしてから選択切替時間を経過するまでは、通信装置2からのアイドル信号の受信を待ち、選択切替時間を経過すると、FLP信号を送信する。
【0060】
<動作例4>
図11は、動作例4における通信装置間でリンクアップをする例を示す図である。具体的には、図11は、マスタとして設定された通信装置2Aとスレーブとして設定された通信装置3とが接続していた場合に、通信装置3とマスタとして設定される通信装置2Bとを交換する場合の例を示す図である。この場合、双方ともマスタに設定されている通信装置が接続することになる。従って、双方の通信装置が学習信号であるアイドル信号を送信することになり、学習が成立しない。この結果、双方ともリセット信号による学習の再実行が繰り返されることになるが、リンクアップされない状態が続くことになる。しかしながら、選択切替期間になった後は、通信装置2Aおよび通信装置2Bの何れか一方がFLP信号を送信して、他方が当該FLP信号を受信して、当該FLP信号に応じたFLP信号を送信する。これにより、通信装置2Aおよび通信装置2Bの一方をマスタに、他方をスレーブに設定しなおすことが可能となる。その後、双方の通信装置が、学習を行うことで、リンクアップすることが可能となる。
【0061】
<動作例5>
図12は、動作例5における通信装置間でリンクアップをする例を示す図である。具体的に、マスタとして設定された通信装置2とスレーブとして設定された通信装置3Aとが接続していた場合に、マスタとして設定された通信装置2と予めスレーブとして設定された通信装置3Bとを交換する場合の例を示す。この場合、双方ともスレーブに設定されている通信装置が接続することになる。この場合、双方の装置が学習信号であるアイドル信号の受信を待つことになり、双方ともマスタが送信すべき学習信号を送信しない。従って、リンクアップされない状態が続くことになる。しかしながら、選択切替期間になった後に、通信装置3Aおよび通信装置3Bの何れか一方がFLP信号を送信して、他方が当該FLP信号を受信して、当該FLP信号に応じたFLP信号を送信する。これにより、通信装置3Aおよび通信装置3Bの一方をマスタに、他方をスレーブに設定しなおすことが可能となる。その後、双方の通信装置が学習を行い、リンクアップする。
【0062】
<動作例6>
図13は、動作例6における通信装置間でリンクアップをする例を示す図である。具体的に、初期状態においてマスタとして設定された通信装置2とスレーブとして設定された通信装置3とが接続していた場合に、通信装置3と通信装置8とを交換する場合の例を示す。この通信装置8は、最初にマスタおよびスレーブの決定が必要な設定がなされていない通信装置であり、他の通信装置と接続すると、FLP信号を送信する通信装置である。通信装置8は、リンクダウンまたは電源ONになると、FLP信号を送信する。図13に示すように、通信装置3から通信装置8に交換すると、通信装置2は、リンクダウンを検出して、アイドル信号を送信する。交換がなされた後、通信装置8は、FLP信号を送信する。通信装置2は、FLP信号を受信した場合、これに対応するFLP信号を生成し、当該FLP信号を通信装置8へ送信する。これにより、通信装置2および通信装置8の一方をマスタに決定して、他方をスレーブに決定する。その後、双方の通信装置が学習を行い、リンクアップする。
【0063】
図14は、動作例6における通信装置の各信号出力の例を示す図である。具体的には、通信装置3と通信装置8との交換した場合における、通信装置2の各信号出力の例を示す図である。図14に示すように、通信装置2は、当初は、アイドル信号を送信しているが、通信装置8からFLP信号を受信すると、通信装置2もこれに応じたFLP信号を送信する。また、リセットマスク回路62は、マスタ/スレーブ決定回路64からFLP信号を受信した旨を受信し、これに応じてマスク処理をする。
【0064】
このように、通信装置2および通信装置8は、互いにFLP信号を送受信して、何れの装置がマスタとなるか決定する。そして、マスタを決定した後に、マスタとなる装置がアイドル信号を送信して、双方の通信装置が学習を開始する。
【0065】
<動作例7>
図15は、動作例7における通信装置間でリンクアップをする例を示す図である。具体的に、マスタとして設定された通信装置2とスレーブとして設定された通信装置3とが接続していた場合に、通信装置2と通信装置8とを交換する場合の例を示す。この場合も、動作例6と同様に、通信装置8により送信されたFLP信号に基づいて通信装置3および通信装置8の一方をマスタに決定することによりリンクアップすることができる。
【0066】
<動作例8>
図16は、動作例8における通信装置間でリンクアップをする例を示す図である。具体的に、通信装置8Aと通信装置8Bとが接続していた場合に、通信装置8Aと通信装置2とを交換する場合の例を示す。この場合も、動作例6と同様に、通信装置8Bにより送信されたFLP信号に基づいて通信装置2および通信装置8Bの一方をマスタに決定することによりリンクアップすることができる。
【0067】
<動作例9>
図17は、動作例9における通信装置間でリンクアップをする例を示す図である。具体的に、通信装置8Aと通信装置8Bとが接続していた場合に、通信装置8Bと通信装置3とを交換する場合の例を示す。この場合も、動作例6と同様に、通信装置8Aにより送信されたFLP信号に基づいて通信装置3および通信装置8Aの一方をマスタに決定することによりリンクアップすることができる。
【0068】
<処理の流れ>
図18は、本実施の形態における通信装置2におけるリンクアップ処理の流れの例について概要を示した図である。まず、通信装置2は、電源ONまたはリンクダウンの検出をした場合において(S11:Yes)、通信相手の装置からFLP信号を受信していない場合(S12:Yes)、アイドル信号生成回路51がアイドル信号を生成する。また、I/F回路56が、選択回路55を介して当該アイドル信号を通信相手の装置へ送信し、Step1学習回路57、Step2学習回路58、およびStep3学習回路59が、学習処理を開始する(S13)。リンク検出回路60が、当該学習処理によりリンクアップされたことを検出した場合(S14:Yes)、処理を終了する。
【0069】
リンク検出回路60が、リンクアップされたことを検出していない場合(S14:No)、リセットタイミング(リセット時間)になっていないとき(S15:No)、通信装置2は、リセット時間になるまで待つ。なお、この時点において、Step1学習回路57、Step2学習回路58、およびStep3学習回路59の何れかが、学習処理を継続している。リセット信号生成回路53がリセット信号を送出した場合(S15:Yes)、選択切替時間でない場合(S16:No)、S13に進み、学習処理を再度実行する。
【0070】
また、選択切替時間である場合(S16:Yes)、I/F回路56が、選択回路55を介してFLP信号を通信相手の装置へ送信して(S17)、マスタ/スレーブ決定回路64が当該通信相手の装置とマスタおよびスレーブを決定して(S18)、ステップS13へ進む。また、ステップS12において、通信相手の装置からFLP信号を受信した場合(S12:No)、FLP生成回路52は、当該FLP信号に応じたFLP信号を生成する。また、I/F回路56が、選択回路55を介して、生成したFLP信号を通信相手の装置へ送信して(S17)、マスタ/スレーブ決定回路64が当該通信相手の装置とマスタおよびスレーブを決定して(S18)、ステップS13へ進む。ステップS17を経由してステップS13に進む場合、リセットタイミングはリセットマスク回路62でマスクされるので、ステップS15ではNoを選択することになる。
【0071】
なお、通信相手の装置からFLP信号を受信しているか否かを判断するタイミングは、上記以外のタイミングでもよい。例えば、ステップS15の前でもよい。
【0072】
<作用効果>
上述のように、通信装置2において、情報記憶部4は、マスタであることを示す情報を記憶する。また、通信装置2は、電源ONまたはリンクダウンを検出すると、アイドル信号生成回路51がアイドル信号を生成し、I/F回路56が、選択回路55を介して当該アイドル信号を通信相手の通信装置(例えば、通信装置3)に送信する。また、I/F回路56が、通信相手の通信装置と学習信号を送受信する。Step1学習回路57、Step2学習回路58、およびStep3学習回路59が、学習信号を用いてリンクアップする。リセットマスク回路62は、リンク検出回路60からリンクアップした旨の信号を受信していない場合、リセット信号生成回路53により生成されたリセット信号をStep1学習回路57、Step2学習回路58、およびStep3学習回路59へ送出し、学習を再実行させる。
【0073】
このように、通信装置2は、予め自装置が主装置および従装置の何れかであるかを示す情報を記憶しており、原則として記憶している情報を用いてリンクアップさせる。これにより、通信装置2は、主装置および従装置を決定する処理を省略できる分、早期にリンクアップを実行することができる。
【0074】
また、選択切替時間生成回路54により選択切替時間が生成された時点で、Step1学習回路57、Step2学習回路58、およびStep3学習回路59によりリンクアップされていない場合、I/F回路56が通信相手の装置へFLP信号を送信する。
【0075】
これにより、通信装置2は、一定期間学習を再実行してもリンクアップできない場合に、FLP信号を送信することにより、通信相手の通信装置とマスタおよびスレーブを決定して学習することができるので、確実にリンクアップすることができる。
【0076】
また、リセットマスク回路62は、選択切替時間生成回路54が示す選択切替時間内であればリンクアップが検出されるまで、リセット信号生成回路53から供給されるリセット信号をリセット間隔毎に、Step1学習回路57、Step2学習回路58、Step3学習回路59に送出する。このように、リセットマスク回路62は、選択切替時間内において、繰り返して学習を再実行させることにより、確実にリンクアップすることができる。
【0077】
また、I/F回路56が、通信相手の装置からFLP信号を受信した場合、マスタ/スレーブ決定回路64が当該FLP信号に基づいて、マスタおよびスレーブを決定するためのFLP信号をFLP生成回路52に生成させる。I/F回路56が、当該FLP信号を通信相手の装置に送信する。
【0078】
これにより、通信装置2は、通信相手の装置からFLP信号を受信した場合に、当該FLP信号に対応するFLP信号を送信することにより、通信相手の通信装置とマスタおよびスレーブを決定して学習することができるので、確実にリンクアップすることができる。
【0079】
また、リセットマスク回路62は、マスタ/スレーブ決定回路64によってマスタもしくはスレーブを決定したことを示す信号を受信した場合、リセット信号生成回路53から供給されるリセット信号をマスク処理して、Step1学習回路57、Step2学習回路58、Step3学習回路59に送出しないようにする。また、Step1学習回路57、Step2学習回路58、およびStep3学習回路59は、マスタ/スレーブ決定回路64によってマスタもしくはスレーブを決定した後に、I/F回路56から送信されるアイドル信号を用いて、リンクアップをする。
【0080】
このように、通信相手の装置からFLP信号を受信することに応じて、マスタ/スレーブを決定する場合に、リセット信号をStep1学習回路57、Step2学習回路58、Step3学習回路59に送出しないようにするので、例えば、通信相手の装置から受信したアイドル信号に基づいて学習している途中で学習処理がリセットされてしまうことを防止することができる。
【0081】
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。例えば、上記の実施の形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、上記の各実施の形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【0082】
例えば、上述の実施形態では、接続するそれぞれの通信装置をマスタ、スレーブに設定する場合について述べたが、MDI、MDI−Xも同様に設定されるものである。
【0083】
また、別のイーサネット規格である100Base−TXや10Base−Tなどのマスタ/スレーブという概念がない仕様であっても、MDI、MDI−Xに関して事前に設定をおこなうことで、FLP信号を送受信して一方をMDI、他方をMDI−Xに決める必要がなく、すぐに学習を開始できることから、前述したのと同様に短時間でのリンクアップは可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0084】
本発明は、リンクアップをする通信装置に利用可能である。
【符号の説明】
【0085】
1…通信システム、2…通信装置、3…通信装置、4…情報記憶部、5…PHY部、6…情報記憶部、7…PHY部、8…通信装置、50…データ信号生成回路、51…アイドル信号生成回路、52…FLP生成回路、53…リセット信号生成回路、54…選択切替時間生成回路、55…選択回路、56…I/F回路、57…Step1学習回路、58…Step2学習回路、59…Step3学習回路、60…リンク検出回路、62…リセットマスク回路、63…FLP受信回路、64…マスタ/スレーブ決定回路。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18