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特開2018-207297作業員監視システムおよび作業員監視方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-207297(P2018-207297A)
(43)【公開日】2018年12月27日
(54)【発明の名称】作業員監視システムおよび作業員監視方法
(51)【国際特許分類】
   H04N 7/18 20060101AFI20181130BHJP
   H02J 13/00 20060101ALI20181130BHJP
   G08B 25/00 20060101ALI20181130BHJP
   G08B 25/04 20060101ALI20181130BHJP
   G06T 7/20 20170101ALI20181130BHJP
【FI】
   H04N7/18 U
   H04N7/18 D
   H02J13/00 301K
   G08B25/00 510M
   G08B25/04 K
   G06T7/20 300Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2017-110703(P2017-110703)
(22)【出願日】2017年6月5日
(71)【出願人】
【識別番号】000211307
【氏名又は名称】中国電力株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126561
【弁理士】
【氏名又は名称】原嶋 成時郎
(72)【発明者】
【氏名】桑原 智宏
【テーマコード(参考)】
5C054
5C087
5G064
5L096
【Fターム(参考)】
5C054CA04
5C054CC02
5C054EA05
5C054FC12
5C054FE12
5C054HA19
5C087AA03
5C087AA09
5C087AA11
5C087AA19
5C087AA32
5C087DD03
5C087EE14
5C087FF01
5C087FF04
5C087GG02
5C087GG10
5C087GG83
5G064AA04
5G064AC08
5G064BA02
5G064BA03
5G064BA08
5G064CB16
5G064DA03
5L096BA02
5L096DA03
5L096FA16
5L096FA66
5L096FA69
5L096FA76
5L096HA02
5L096JA11
(57)【要約】
【課題】禁止領域の設定を簡単かつ短時間で行うことができ、かつ禁止領域の誤設定を防ぐことが可能な作業員監視システムおよび作業員監視方法を提供する。
【解決手段】停電範囲設定タスク51は、図面サーバ2から読み出した単線結線図に停電範囲を設定し、表示変更タスク52は、図面サーバ2から読み出した立体設備図に単線結線図と同じ停電範囲を適用して停電状態のる電気設備を識別表示させる。視点移動タスク53は、電気設備の撮影画像の視点に立体設備図の視点を合わせ、禁止領域設定タスク54は、立体設備図に基づいて撮影画像上に禁止領域を設定する。接近判定タスク55は、撮影画像を解析し、禁止領域に作業員が接近したことを判定する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
充電状態の電気設備に対する作業員の接近を監視する作業員監視システムであって、
前記電気設備の接続が記号によって表された単線結線図と、前記電気設備の外観形状が視点の移動が可能な立体図によって表された立体設備図と、を対応付けて記憶する図面記憶手段と、
前記図面記憶手段から読み出した前記単線結線図に、停電範囲を設定するための停電範囲設定手段と、
前記図面記憶手段から読み出した前記立体設備図に、前記単線結線図で設定された停電範囲を適用し、停電状態にある前記電気設備が識別できるように前記立体設備図の表示を変更する表示変更手段と、
前記電気設備を撮影して撮影画像を出力する撮影手段と、
前記撮影画像の視点に前記立体設備図の視点を合わせるための視点移動手段と、
前記撮影画像と視点が合わせられ、かつ前記電気設備の停電状態が識別できるように表示が変更された前記立体設備図に基づいて、前記撮影画像上で作業員の接近を禁止する禁止領域を設定するための禁止領域設定手段と、
前記撮影画像を解析し、前記禁止領域に前記作業員が接近したことを判定する接近判定手段と、
を備えることを特徴とする作業員監視システム。
【請求項2】
前記単線結線図と前記立体設備図には、前記電気設備を識別するためのブランチ番号と、前記電気設備の接続点を識別するためのノード番号とが対応付けて設定されており、前記表示切替え手段は、前記単線結線図で設定された停電範囲内の前記ブランチ番号と前記ノード番号とに基づいて、前記立体設備図に停電範囲を適用する、
ことを特徴とする請求項1に記載の作業員監視システム。
【請求項3】
前記撮影画像に前記禁止領域が設定する際に、前記撮影画像と視点が合わせられ、かつ前記電気設備の停電状態が識別できるように表示が変更された前記立体設備図が参照可能である、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の作業員監視システム。
【請求項4】
前記接近判定手段によって前記禁止領域に対する作業員の接近が判定された場合に、警報を発する報知手段を備える、
ことを特徴とする請求項1ないし3いずれか1項に記載の作業員監視システム。
【請求項5】
充電状態の電気設備に対する作業員の接近を監視する作業員監視方法であって、
前記電気設備の接続が記号によって表された単線結線図と、前記電気設備の外観形状が視点の移動が可能な立体図によって表された立体設備図と、を対応付けて記憶する図面記憶手段から、前記単線結線図および前記立体設備図を読み出す読出しステップと、
前記単線結線図に停電範囲を設定する停電範囲設定ステップと、
前記立体設備図に前記単線結線図で設定された停電範囲を適用し、停電状態にある前記電気設備が識別できるように前記立体設備図の表示を変更する表示変更ステップと、
前記電気設備を撮影手段によって撮影する撮影ステップと、
前記撮影手段によって撮影された前記電気設備の撮影画像に合わせて、前記立体設備図の視点を変更する視点移動ステップと、
前記撮影画像と視点が合わせられ、かつ前記電気設備の停電状態が識別できるように表示が変更された前記立体設備図に基づいて、前記撮影画像上で作業員の接近を禁止する禁止領域を設定する禁止領域設定ステップと、
前記撮影画像を解析し、前記禁止領域に前記作業員が接近したことを判定する接近判定ステップと、
を備えることを特徴とする作業員監視方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、充電状態にある電気設備に対する作業員の接近を監視する作業員監視システムおよび作業員監視方法に関する。
【背景技術】
【0002】
変電所などの電気所では、監視業務および制御業務などの他に、巡視や保守などの作業が行われており、保守業務の一環として、設備工事が行われる場合がある。電気所に設置されている変圧器などの電気設備は、通常は通電されて充電状態となっているため、作業員が不用意に触れてしまうと感電の危険性がある。そのため、電気所では、巡視や保守作業などを行う作業員の安全を確保するために、作業員が充電状態にある電気設備に接近した場合に警報を発する作業員監視システムが従来発明されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1の作業員監視システムは、電気設備を撮影するカメラと、カメラで撮影した撮影画像を表示するモニタと、モニタに表示された撮影画像上で作業員の接近を禁止する禁止領域を設定する設定部と、撮影画像を解析して禁止領域に作業員が侵入したことを判定する判定部と、判定部で禁止領域への作業員の侵入が判定された場合に警報を発する警報部とを備えている。このような作業員監視システムによれば、実際に電気所を撮影した撮影画像に基づいて作業員が充電状態にある電気設備に接近するのを監視することができるので、作業員の安全を確保することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平2006−259951号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の作業員監視システムでは、電気所を撮影した撮影画像から、電気設備が充電状態であるのか否かを識別することはできない。そのため、従来は、電気所の電気設備や電線を記号によって表した単線結線図などを用意し、この単線結線図上で、断路器や遮断器などの開閉状態を切り替えた場合に各電気設備や電線がどのような状態(充電状態あるいは停電状態)になるかを検討し、その検討結果に基づいて禁止領域を設定していたので、設定に時間が掛かっていた。また、単線結線図の検討に誤りがあり、禁止領域の設定が適切に行なえなかった場合には、作業員に感電などの危険がおよぶという問題もあった。
【0006】
本発明は、上記課題を解決するために、禁止領域の設定を簡単かつ短時間で行うことができ、かつ禁止領域の誤設定を防ぐことが可能な作業員監視システムおよび作業員監視方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、充電状態の電気設備に対する作業員の接近を監視する作業員監視システムであって、前記電気設備の接続が記号によって表された単線結線図と、前記電気設備の外観形状が視点の移動が可能な立体図によって表された立体設備図と、を対応付けて記憶する図面記憶手段と、前記図面記憶手段から読み出した前記単線結線図に、停電範囲を設定するための停電範囲設定手段と、前記図面記憶手段から読み出した前記立体設備図に、前記単線結線図で設定された停電範囲を適用し、停電状態にある前記電気設備が識別できるように前記立体設備図の表示を変更する表示変更手段と、前記電気設備を撮影して撮影画像を出力する撮影手段と、前記撮影画像の視点に前記立体設備図の視点を合わせるための視点移動手段と、前記撮影画像と視点が合わせられ、かつ前記電気設備の停電状態が識別できるように表示が変更された前記立体設備図に基づいて、前記撮影画像上で作業員の接近を禁止する禁止領域を設定するための禁止領域設定手段と、前記撮影画像を解析し、前記禁止領域に前記作業員が接近したことを判定する接近判定手段と、を備えることを特徴とする。
【0008】
請求項5に記載の発明は、充電状態の電気設備に対する作業員の接近を監視する作業員監視方法であって、前記電気設備の接続が記号によって表された単線結線図と、前記電気設備の外観形状が視点の移動が可能な立体図によって表された立体設備図と、を対応付けて記憶する図面記憶手段から、前記単線結線図および前記立体設備図を読み出す読出しステップと、前記単線結線図に停電範囲を設定する停電範囲設定ステップと、前記立体設備図に前記単線結線図で設定された停電範囲を適用し、停電状態にある前記電気設備が識別できるように前記立体設備図の表示を変更する表示変更ステップと、前記電気設備を撮影手段によって撮影する撮影ステップと、前記撮影手段によって撮影された前記電気設備の撮影画像に合わせて、前記立体設備図の視点を変更する視点移動ステップと、前記撮影画像と視点が合わせられ、かつ前記電気設備の停電状態が識別できるように表示が変更された前記立体設備図に基づいて、前記撮影画像上で作業員の接近を禁止する禁止領域を設定する禁止領域設定ステップと、前記撮影画像を解析し、前記禁止領域に前記作業員が接近したことを判定する接近判定ステップと、を備えることを特徴とする。
【0009】
請求項1および請求項5に記載の発明によれば、図面記憶手段には、電気設備の接続が記号によって表された単線結線図と、電気設備の外観形状が視点の移動が可能な立体図によって表された立体設備図と、が予め対応付けて記憶されている。読出しステップでは、図面記憶手段から単線結線図と、立体設備図とが読み出される。停電範囲設定ステップでは、停電範囲設定手段により、単線結線図に対して停電範囲が設定される。表示変更ステップでは、表示変更手段により、立体設備図に単線結線図で設定された停電範囲が適用され、停電状態にある電気設備が識別できるように立体設備図の表示が変更される。撮影ステップでは、撮影手段によって電気設備を撮影される。視点移動ステップでは、視点移動手段により、撮影手段によって撮影された電気設備の撮影画像に合わせて、立体設備図の視点が変更される。禁止領域設定ステップでは、禁止領域設定手段により、撮影画像上で作業員の接近を禁止する禁止領域が設定される。接近判定ステップでは、接近判定手段により、禁止領域に作業員が接近したことが判定される。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の作業員監視システムであって、前記単線結線図と前記立体設備図には、前記電気設備を識別するためのブランチ番号と、前記電気設備の接続点を識別するためのノード番号とが対応付けて設定されており、前記表示切替え手段は、前記単線結線図で設定された停電範囲内の前記ブランチ番号と前記ノード番号とに基づいて、前記立体設備図に停電範囲を適用する、ことを特徴とする。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の作業員監視システムであって、前記撮影画像に前記禁止領域が設定する際に、前記撮影画像と視点が合わせられ、かつ前記電気設備の停電状態が識別できるように表示が変更された前記立体設備図が参照可能である、ことを特徴とする。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の作業員監視システムであって、前記接近判定手段によって前記接近禁止領域に対する作業員の接近が判定された場合に警報を発する報知手段を備える、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
請求項1および請求項5に記載の発明によれば、電気設備の接続が記号によって表された単線結線図を利用して停電範囲を設定するので、停電範囲の誤設定を防ぐことが可能となる。また、単線結線図で設定した停電範囲は、電気設備の外観形状を立体的に表した立体設備図に自動的に適用されるので、立体設備図で停電範囲の設定を誤ることもない。さらに、立体設備図は、停電状態の電気設備が識別できるように表示が変更されるので、立体設備図と、実際に電気設備を撮影した撮影画像とを比較すれば、どの電気設備が停電状態であるかが容易に識別することができるようになる。特に、立体設備図の視点を撮影画像の視点に合わせれば、撮影画像と立体設備図とで同じ方向から同じアングルで電気設備を観察することができるので、停電状態および充電状態にある電気設備を適切に確認することが可能となる。そして、立体設備図に基づいて撮影画像に禁止領域を設定することができるので、充電状態にある電気設備に対する作業員の接近を適切に監視することが可能となる。したがって、電気所の構成が複雑であっても、簡単かつ短時間でかつ誤りなく正確に禁止領域を設定し、作業員の禁止領域への接近を監視することができるので、作業員の感電事故を防ぐことが可能となる。
【0014】
請求項2に記載の発明によれば、単線結線図と立体設備図に、電気設備を識別するためのブランチ番号と、電気設備の接続点を識別するためのノード番号とを対応付けて設定するようにしたので、単線結線図で設定された停電範囲をブランチ番号とノード番号とに基づいて特定し、立体設備図にその停電範囲を適用することが可能となる。したがって、停電範囲の検討に用いる単線結線図と、禁止領域の設定に用いる立体設備図とで誤りなく同じ停電範囲を設定することができるので、停電範囲の設定ミスによる感電事故を防ぐことが可能である。
【0015】
請求項3に記載の発明によれば、撮影画像に禁止領域が設定する際に、撮影画像と視点が合わせられ、かつ電気設備の停電状態が識別できるように表示が変更された立体設備図を参照可能にしたので、立体設備図に基づいて最適な位置に禁止領域を設定することができる。
【0016】
請求項4に記載の発明によれば、禁止領域に対する作業員の接近が判定された場合に警報を発するようにしたので、作業員の感電事故を防ぐことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】作業員監視システムの概略構成を示すブロック図である。
図2】結線図データベースおよび立体図データベースの構成を示す説明図である。
図3】単線結線図の結線図データおよび立体設備図の立体図データの説明図である。
図4】単線結線図のノード・ブランチ設定および立体設備図のノード・ブランチ設定の説明図である。
図5】作業員監視方法の手順を示すフローチャートである。
図6】電気所に監視用のカメラを設置した状態を示す説明図である。
図7】単線結線図の結線図データおよび立体設備図の立体図データに停電範囲を設定した状態を示す説明図である。
図8】カメラの撮影画像と視点が合わせられた立体図データを示す説明図である。
図9】別のカメラの撮影画像と視点が合わせられた立体図データを示す説明図である。
図10】撮影画像に禁止領域を設定した状態を示す説明図である。
図11】撮影画像で禁止領域に対する作業員の接近状態を判定している状態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、この発明を図示の実施の形態に基づいて説明する。
【0019】
図1は、この発明の実施の形態に係る作業員監視システム1を示す概略構成図である。この作業員監視システム1は、変電所などの電気所で設備工事などが行われる際に、充電状態にある変圧器などの電気設備に対して作業員が不用意に接近しないように監視するためのシステムである。
【0020】
作業員監視システム1は、図面サーバ(図面記憶手段)2と、監視端末5とを備える。図面サーバ2と、監視端末5は、インターネットなどの通信ネットワークNWを介して通信可能に接続されている。
【0021】
図面サーバ2は、電気所に関する図面を記憶、管理するためのサーバであり、例えば、電気所を管理する電力会社や、データセンタなどに設置されている。図面サーバ2は、結線図データベース(DB)3と、立体図DB4とを備える。結線図DB3は、断路器、遮断器、変圧器および電線などの電気設備の接続が記号によって表された単線結線図31図2(A)参照)を記憶、管理する。立体図DB4は、断路器、遮断器、変圧器および電線などの電気設備の外観形状を視点の移動が可能な立体図によって表した立体設備図41図2(B)参照)を記憶、管理する。
【0022】
監視端末5は、充電状態にある電気設備に対する作業員の接近を監視するための端末装置であり、パーソナルコンピュータによって構成されている。監視端末5は、電気所で設備工事などが行なわれる場合に、電気所の制御所などに設置され、監視員によって操作される。監視端末5は、詳しくは図示しないが、CPUと、メモリと、ストレージデバイスと、外部装置が接続される外部I/Fなどを備えている。ストレージデバイスには、OSなどの基本プログラムの他、通常のパーソナルコンピュータを本実施の形態の監視端末として動作させる監視プログラムが記憶されている。
【0023】
外部I/Fには、モニタ6と、入力部7と、カメラ8と、報知部9とが接続されている。モニタ6には、単線結線図31や立体設備図41、カメラ8で撮影された電気所の撮影画像などが表示される。入力部7は、キーボードやマウスなどの入力デバイスであり、監視端末5の操作に用いられる。カメラ(撮影手段)8は、作業員の監視のために電気所を撮影するビデオカメラであり、動画あるいは所定間隔で撮影された静止画からなる撮影画像を出力する。カメラ8は、電気所の規模や監視点の数に応じて1台から複数台が用いられる。報知部9は、例えばブザーやランプなどからなり、充電状態にある電気設備に作業員が接近した際に音を発したり、発光するなどして警告を行なう。
【0024】
監視端末5は、ストレージデバイスに記憶された監視プログラムに基づいてCPUが動作することにより、停電範囲設定タスク(停電範囲設定手段)51と、表示変更タスク(表示変更手段)52と、視点移動タスク(視点移動手段)53と、禁止領域設定タスク(禁止領域設定手段)54と、および接近判定タスク(接近判定手段)55として機能する。
【0025】
停電範囲設定タスク51は、図面サーバ2から読み出した単線結線図31に停電範囲を設定するためのタスクである。表示変更タスク52は、図面サーバ2から読み出した立体設備図41に、単線結線図31で設定された停電範囲を適用し、停電状態にある電気設備が識別できるように立体設備図41の表示を変更するタスクである。視点移動タスク53は、カメラ8から出力された撮影画像の視点に立体設備図41の視点を合わせるためのタスクである。禁止領域設定タスク54は、撮影画像と視点が合わせられ、かつ電気設備の停電状態が識別できるように表示が変更された立体設備図41に基づいて、撮影画像上で作業員の接近を禁止する禁止領域を設定するためのタスクである。接近判定タスク55は、カメラ8から出力された撮影画像を解析し、禁止領域に作業員が接近したことを判定するタスクである。
【0026】
図2(A)は、結線図DB3の構成を示す説明図である。結線図DB3には、多数の電気所に対応した多数の単線結線図31が記憶されている。単線結線図31は、結線図データ31aと、ノード・ブランチ設定31bと、電気所データ31cの3つのデータから構成されている。結線図データ31aは、電気設備の接続を記号によって表した図面データである。ノード・ブランチ設定31bは、電気設備を識別するために設定されたブランチ番号と、電気設備の接続点を識別するために設定されたノード番号とに関するデータである。電気所データ31cは、電気所の名称や所在地、電気所に設置されている電気設備に関する情報などが記憶されている。
【0027】
図2(B)は、立体図DB4の構成を示す説明図である。立体図DB4には、単線結線図31に対応した多数の立体設備図41が記憶されている。立体設備図41は、立体図データ41aと、ノード・ブランチ設定41bと、電気所データ41cの3つのデータから構成されている。立体図データ41aは、電気設備の外観形状を立体図によって表した図面データであり、単線結線図31に対応している。ノード・ブランチ設定41bは、電気設備を識別するために設定されたブランチ番号と、電気設備の接続点を識別するために設定されたノード番号とに関するデータであり、単線結線図31に対応している。電気所データ41cには、単線結線図31と同様に、電気所の名称や所在地、電気所に設置されている電気設備に関する情報などが記憶されている。
【0028】
図3(A)は、単線結線図31の結線図データ31aを示す説明図である。結線図データ31には、断路器、遮断器および変圧器と、これらを接続する電線などの電気設備の接続が記号によって表されている。図3(A)に示す結線図データ31aは、例えば、2回線の1L送電線および2L送電線と、この1L送電線および2L送電線から供給された電力を、1バンク配電線および2バンク配電線によって配電する電気所の単線結線図を表している。1L送電線には、断路器LS1と、遮断器CB1aと、変圧器T1と、遮断器CB1bとが接続されている。また、2L送電線には、断路器LS2と、遮断器CB2aと、変圧器T2と、遮断器CB2bとが接続されている。1L送電線と2L送電線とを接続する母線には、母線用の遮断器CB3と断路器LS3とが接続されている。1L送電線および2L送電線が接続された6kV母線には、この母線用の遮断器CB4が接続されている。また、6kV母線に接続された1バンク配電線および2バンク配電線には、それぞれ配電線用の遮断器CB5が接続されている。
【0029】
図3(B)は、立体設備図41の立体図データ41aを示す説明図である。立体図データ41aには、断路器、遮断器および変圧器と、これらを接続する電線などの電気設備の外観形状が視点の移動が可能な立体図によって表されている。図3(B)に示す立体図データ41aは、上述した結線図データ31aに対応したものであり、結線図データ31aに図示された1L送電線および2L送電線と、1バンク配電線および2バンク配電線の外観形状が図示されており、これらの1L送電線および2L送電線と、1バンク配電線および2バンク配電線とに接続された各断路器、遮断器および変圧器の外観形状が図示されている。
【0030】
図4(A)は、単線結線図31のノード・ブランチ設定31bを示す説明図である。ノード・ブランチ設定31bは、結線図データ31a上に三角記号によって設定されたブランチ番号と、電気設備の接続点を識別するために四角記号で設定されたノード番号とからなる。例えば、図4(A)に示すノード・ブランチ設定31bでは、1L送電線、断路器LS1および遮断器CB1aにブランチ番号1、2、4が設定され、断路器LS1と遮断器CB1aとの間の電線にブランチ番号3が設定されている。また、1L送電線、断路器LS1、遮断器CB1aおよび母線の接続点にノード番号1〜6がそれぞれ設定されている。なお、煩雑化を避けるため図示は省略しているが、その他の電気設備および接続点にもブランチ番号およびノード番号が設定されている。
【0031】
図4(B)は、立体設備図41のノード・ブランチ設定41bを示す説明図である。立体設備図41のノード・ブランチ設定41bは、単線結線図31のノード・ブランチ設定31bと同様に、立体図データ41a上に三角記号によって設定されたブランチ番号と、電気設備の接続点を識別するために四角記号で設定されたノード番号とからなる。例えば、図4(B)に示すノード・ブランチ設定41bでは、単線結線図31と同様に、1L送電線、断路器LS1および遮断器CB1aにブランチ番号1、2、4が設定され、断路器LS1と遮断器CB1aとの間の電線にブランチ番号3が設定されている。また、1L送電線、断路器LS1、遮断器CB1aおよび母線の接続点にノード番号1〜6がそれぞれ設定されている。なお、煩雑化を避けるため図示は省略しているが、その他の電気設備および接続点にもブランチ番号およびノード番号が設定されている。
【0032】
単線結線図31のノード・ブランチ設定31bと、立体設備図41のノード・ブランチ設定41bは、図面サーバ2に単線結線図31および立体設備図41を記憶する際に予め設定されており、同じ電気所の単線結線図31および立体設備図41において、同じ電気設備に同じブランチ番号が設定され、同じ接続点に同じノード番号が設定されている。したがって、単線結線図31でブランチ番号またはノード番号を利用してある電気設備を指定すると、立体設備図41では、同じブランチ番号またはノード番号から対応する電気設部を特定することが可能となる。
【0033】
次に、図5のフローチャートにしたがって、上述した実施の形態の作用について説明する。変電所などの電気所で設備工事などが行なわれる場合、設備工事開始前にその電気所の事前調査が行なわれる(ステップS1)。この事前調査では、設備工事中に監視を行なう監視員や、監視を監督する者などが電気所まで赴き、電気所の停電範囲と、工事作業中の停電範囲の変化(例えば、午前中は1バンク配電線側が停電され、午後から2バンク配電線側が停電するなど)などが確認される。また、工事中における作業員や監視員、作業用車両などの動線などの行動パターンを推測した上で、作業員の監視に適したカメラ8の設置位置や、カメラアングルなどが決定される。
【0034】
さらに、事前調査では、図面サーバ2に工事が行なわれる電気所の単線結線図31および立体設備図41が記憶されているかが確認される。単線結線図31および立体設備図41が存在しない場合には、新たに作成された上でブランチ番号およびノード番号が設定され、電気所データとともに図面サーバ2に記憶される。
【0035】
設備工事の当日、あるいは数日前には、監視端末5およびカメラ8の設置が行なわれる(ステップS2)。監視端末5は、例えば電気所の制御所などに設置され、通信ネットワークNWを介して図面サーバ2と接続される。また、図6に示すように、事前調査の結果に基づいて、電気所の各電気設備を撮影できるように、1台または複数台のカメラ8が設置される。カメラ8は、その設置位置およびカメラアングルに応じて鉄塔や電柱に設置したり、カメラ専用のポール8aなどを利用して設置される。
【0036】
次に、監視端末5によって、図面サーバ2から工事が行なわれる電気所の単線結線図31および立体設備図41が読み出される(読出しステップ、ステップS3)。図面サーバ2から読み出された単線結線図31の結線図データ31aには、停電範囲設定タスク51によって停電範囲が設定される(ステップS4)。
【0037】
図7(A)は、監視員が停電範囲設定タスク51に基づいて入力部7を操作し、図面サーバ2から読み出した単線結線図31の結線図データ31aに対して、図中破線で示す停電範囲31dを設定した状態を示している。停電範囲設定タスク51によって結線図データ31aに停電範囲31dが設定されると、その停電範囲31d内に含まれる電気設備、例えば断路器LS1、遮断器CB1a、遮断器CB1b、遮断器CB3および断路器LS3に、開放状態を表す横線または縦線が図示される。また、停電範囲31d内の電気設備のブランチ番号と、接続点のノード番号とが図示しないメモリに一時的に記憶される。
【0038】
単線結線図31に停電範囲31dが設定されると、表示変更タスク52によって、図面サーバ2から読み出された立体設備図41の立体図データ41aに、単線結線図31で設定された停電範囲31dが適用される(表示変更ステップ、ステップS5)。表示変更タスク52は、結線図データ31aに停電範囲31dを設定する際にメモリに一時記憶されたブランチ番号およびノード番号を読み出し、そのブランチ番号およびノード番号に基づいて、立体図データ41aに停電範囲31dを適用する。図7(B)に示す例では、例えば断路器LS1、遮断器CB1a、遮断器CB1b、遮断器CB3および断路器LS3と、これらを接続する電線が例えば緑色で着色され、停電状態にある電気設備が識別できるようになっている。
【0039】
次に、カメラ8による電気設備の撮影が開始され(撮影ステップ、ステップS6)、カメラ8から出力された撮影画像と、停電状態の電気設備が識別表示された立体図データとがモニタ6に表示される。図8(A)、(B)は、モニタ6に一緒に表示される撮影画像81と、立体図データ411を示している。また、図9(A)、(B)は、別のカメラ8で撮影されてモニタ6に一緒に表示される撮影画像82と、立体図データ412を示しており、図8とは撮影範囲およびカメラアングルが異なっている。このように、撮影画像と立体図データとは、1組(セット)でモニタ6に表示される。なお、モニタ6が複数台ある場合には、各モニタ6に複数組の撮影画像および立体図データを同時に表示させてもよいし、モニタ6が1台しかない場合には、撮影画像および立体図データの組ごとに表示を切り換えてもよい。
【0040】
次に、立体図データ411、412の視点を撮影画像81、82の視点(カメラアングル)に合わせる視点移動が行なわれる(視点移動ステップ、ステップS7)。図8(B)および図9(B)は、監視員が視点移動タスク53に基づいて入力部7を操作し、視点を移動した後の立体図データ411、412を示しており、セットでモニタ6に表示される撮影画像81、82と視点が一致している。
【0041】
次に、撮影画像81、82と視点が合わせられ、かつ電気設備の停電状態が識別できるように表示が変更された立体図データ411、412に基づいて、撮影画像81、82上に作業員の接近を禁止する禁止領域が設定される(禁止領域設定ステップ、ステップS8)。図10(A)、(B)は、監視員が禁止領域設定タスク54に基づいて入力部7を操作し、禁止領域10a、10bを設定した後の撮影画像81、82を示している。禁止領域10a、10bは、例えば、所定幅を有する2本のバーによって表されている。禁止領域10aは、図8(B)の立体図データ411に示された停電状態の断路器LS1と、1L送電線側とを区切るように設定されている。また、禁止領域10bは、図9(B)の立体図データ412に示された停電状態の遮断器CB3と、2L送電線側とを区切るように設定されている。
【0042】
次に、カメラ8の撮影画像81、82を解析し、禁止領域10a、10bに作業員が接近したことが判定される(接近判定ステップ、ステップS9)。接近判定タスク55は、例えば、撮影画像81、82に設定された禁止領域10a、10b内の画素の輝度変化などを監視し、図11(A)、(B)に示すように、作業員Wが禁止領域10a、10bに接近して重なった場合に、その輝度変化に基づいて、作業員が充電状態にある電気設備に接近したことを判定する。接近判定タスク55は、作業員Wが禁止領域10a、10bに接近したと判定した場合(ステップS10でYES)、報知部9を作動させて監視員にその旨を知らせる(ステップS11)。これにより、監視員から作業員Wに対して危険であることを注意することができるので、作業員Wの感電事故の危険を未然に防ぐことが可能となる。
【0043】
この実施の形態に係る作業員監視システム1によれば、電気設備の接続が記号によって表された単線結線図31を利用して停電範囲を設定するので、停電範囲の誤設定を防ぐことが可能となる。また、単線結線図31で設定した停電範囲は、電気設備の外観形状を立体的に表した立体設備図41に自動的に適用されるので、立体設備図41で停電範囲の設定を誤ることもない。さらに、立体設備図41は、停電状態の電気設備が識別できるように表示が変更されるので、立体設備図41と、実際に電気設備を撮影した撮影画像81、82とを比較すれば、どの電気設備が停電状態であるかが容易に識別することができるようになる。特に、立体設備図41の視点を撮影画像81、82の視点に合わせれば、撮影画像81、82と立体設備図41とで同じ方向から同じアングルで電気設備を観察することができるので、停電状態および充電状態にある電気設備を正確に確認することが可能となる。そして、立体設備図41に基づいて撮影画像81、82に禁止領域を設定することができるので、充電状態にある電気設備に対する作業員Wの接近を適切に監視することが可能となる。したがって、電気所の構成が複雑であっても、簡単かつ短時間でかつ誤りなく正確に禁止領域10a、10bを設定し、作業員Wの禁止領域10a、10bへの接近を監視することができるので、作業員Wの感電事故を防ぐことが可能となる。
【0044】
また、単線結線図31と立体設備図41に、電気設備を識別するためのブランチ番号と、電気設備の接続点を識別するためのノード番号とを対応付けて設定するようにしたので、単線結線図31で設定された停電範囲31dをブランチ番号とノード番号とに基づいて特定し、立体設備図41に停電範囲31dを適用することが可能となる。したがって、停電範囲31dの検討に用いる単線結線図31と、禁止領域の設定に用いる立体設備図41とで誤りなく同じ停電範囲31dを設定することができるので、停電範囲31dの設定ミスによる感電事故を防ぐことが可能である。
【0045】
さらに、撮影画像81、82に禁止領域10a、10bを設定する際に、撮影画像81、82と視点が合わせられ、かつ電気設備の停電状態が識別できるように表示が変更された立体設備図41を参照可能にしたので、立体設備図41に基づいて最適な位置に禁止領域10a、10bを設定することができる。
【0046】
また、禁止領域10a、10bに対する作業員Wの接近が判定された場合に警報を発するようにしたので、作業員Wに注意を喚起して感電事故を減少することが可能である。
【0047】
以上、この発明の実施の形態について説明したが、具体的な構成は、上記の実施の形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても、この発明に含まれる。例えば、実施の形態1では、立体設備図41の視点移動と、禁止領域10a、10bの設定とを監視員が手動で行なうようにしたが、視点移動タスク53および禁止領域設定タスク54によって自動で行なうようにしてもよい。具体的には、例えば図8に示す撮影画像81と立体図データ411とを画像解析して、エッジ部分などから共通の特徴点を複数箇所抽出し、これらの特徴点が画面上で一致するように立体図データ411の視点を移動させ、視点移動後の立体図データ411から識別可能な停電状態の電気設備から、所定距離だけ離れた位置に禁止領域10aを自動的に設定するようにしてもよい。これによれば、電気設備に対する接近判定がより簡単かつ確実に行なえるようになる。
【0048】
また、上記の実施の形態では、表示変更タスク52、視点移動タスク53などを監視端末5に設けたが、これらのタスクを図面サーバ2に設けておき、監視端末5からこれらのタスクを利用して各種設定を行なうようにしてもよい。また、単線結線図31で停電範囲を設定するようにしたが、充電範囲を設定するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0049】
1 作業員監視システム
2 図面サーバ
3 結線図データベース
31 単線結線図
31a 結線図データ
31b ノード・ブランチ設定
31c 電気所データ
4 立体図データベース
41 立体設備図
41a 立体図データ
41b ノード・ブランチ設定
41c 電気所データ
5 監視端末
51 停電範囲設定タスク
52 表示変更タスク
53 視点移動タスク
54 禁止領域設定タスク
55 接近判定タスク
6 モニタ
7 入力部
8 カメラ
9 報知部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11