特開2018-207599(P2018-207599A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-207599(P2018-207599A)
(43)【公開日】2018年12月27日
(54)【発明の名称】電動車両の充電制御装置
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20181130BHJP
   B60L 3/00 20060101ALI20181130BHJP
   B60L 11/18 20060101ALI20181130BHJP
【FI】
   H02J7/00 P
   H02J7/00 B
   B60L3/00 S
   B60L11/18 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2017-108230(P2017-108230)
(22)【出願日】2017年5月31日
(71)【出願人】
【識別番号】000006286
【氏名又は名称】三菱自動車工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100101236
【弁理士】
【氏名又は名称】栗原 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100166914
【弁理士】
【氏名又は名称】山▲崎▼ 雄一郎
(72)【発明者】
【氏名】杉本 喬紀
【テーマコード(参考)】
5G503
5H125
【Fターム(参考)】
5G503AA01
5G503AA07
5G503BA04
5G503BB01
5G503CA03
5G503CA04
5G503CA08
5G503CA12
5G503CA14
5G503CB09
5G503CC02
5G503DA08
5G503DA19
5G503EA05
5G503FA06
5G503FA16
5G503GB03
5G503GB06
5G503GD04
5G503GD06
5H125AA01
5H125AC12
5H125AC23
5H125AC24
5H125BA09
5H125BC02
5H125BC03
5H125BC04
5H125BC14
5H125BC21
5H125DD02
5H125EE23
5H125EE70
(57)【要約】
【課題】充電中に外部電源からの電力供給を停止することなく、バッテリ電圧の過度の上昇を抑制できる電動車両の充電制御装置を提供する。
【解決手段】バッテリ2の充電中に空調装置10を停止させる際、空調装置10の電流を所定電流値ずつ複数段階で低下させる機器制御手段23と、バッテリ2の特性に応じた第1の設定電圧と、上記所定電流値に応じた第1の設定電圧よりも低い第2の設定電圧と、を目標電圧として設定する目標電圧設定手段21と、バッテリ2の充電中に空調装置10が作動している場合、第2の設定電圧を目標電圧としてバッテリ2の充電を実行する充電制御手段22と、を備える構成とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部電源から供給される電力により充電可能なバッテリと、前記バッテリの充電中に作動する車載機器と、を備える電動車両に搭載され、前記バッテリの充電を制御する充電制御装置であって、
前記バッテリを充電する際の目標電圧を設定する目標電圧設定手段と、
前記バッテリのバッテリ電圧が前記目標電圧となるように前記バッテリの充電を制御する充電制御手段と、
前記車載機器の作動状態を制御する機器制御手段と、を有し、
前記機器制御手段は、前記バッテリの充電中に前記車載機器を停止させる際、前記車載機器の電流を所定電流値ずつ複数段階で低下させ、
前記目標電圧設定手段は、前記バッテリの特性に応じた第1の設定電圧と、前記第1の設定電圧よりも低い第2の設定電圧と、を前記目標電圧として設定し、
前記充電制御手段は、前記バッテリの充電中に前記車載機器が作動している場合、前記第2の設定電圧を前記目標電圧として前記バッテリの充電を実行する
ことを特徴とする電動車両の充電制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の電動車両の充電制御装置であって、
前記目標電圧設定手段は、前記第1の設定電圧と前記第2の設定電圧との差分が前記車載機器の電流を前記所定電流値だけ低下させたことに伴う前記バッテリ電圧の上昇量よりも大きくなるように前記第2の設定電圧を設定する
ことを特徴とする電動車両の充電制御装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の電動車両の充電制御装置であって、
前記充電制御手段は、前記バッテリ電圧が前記目標電圧に達するまでは定電力充電または定電流充電を実行し、前記バッテリ電圧が前記目標電圧以上となった後は定電圧充電を実行し、
前記機器制御手段は、前記定電圧充電が行われている状態で前記車載機器を停止させる際に、前記車載機器の電流を所定電流値ずつ複数段階で低下させる
ことを特徴とする電動車両の充電制御装置。
【請求項4】
請求項3に記載の電動車両の充電制御装置であって、
前記機器制御手段は、前記車載機器の電流を一段階低下させた後、当該車載機器の電流の低下に伴って上昇した前記バッテリ電圧が前記第2の設定電圧まで低下した時点で、前記車載機器の電流をさらに一段階低下させる
ことを特徴とする電動車両の充電制御装置。
【請求項5】
請求項1から4の何れか一項に記載の電動車両の充電制御装置であって、
前記機器制御手段が、前記バッテリの充電中に前記車載機器を作動させた場合、
前記充電制御手段は、前記車載機器の作動のタイミングで前記目標電圧を前記第1の設定電圧から前記第2の設定電圧に変更する
ことを特徴とする電動車両の充電制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動車両に搭載された走行用モータに電力を供給するバッテリ(二次電池)の充電を制御する電動車両の充電制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電気自動車(BEV)やプラグインハイブリッド自動車(PHV)等の電動車両が実用化されている。このような電動車両に搭載されているバッテリは、例えば、車体の充電口に接続された充電用ケーブルを介して、家庭用電源や急速充電装置等の商用電源から供給される電力によって充電される。
【0003】
バッテリの充電方法としては、例えば、一定の電流で走行用バッテリを充電する定電流充電、一定の電圧で充電する定電圧充電、一定の電力で充電する定電力充電等がある。またこれらを組み合わせた充電方法も様々提案されている。具体的には、例えば、充電の初期段階では、定電力充電又は定電流充電を実行し、バッテリ電圧が目標電圧に達すると定電流充電を終了して一定の電圧で充電する定電圧充電を実行する充電方法が一般的に多く採用されている。
【0004】
ところで、電動車両には、バッテリの充電中に、外部電源から供給される電力により作動する車載機器、例えば、車室内の空調を行う空調装置等を備えているものがある。このような車載機器(電気負荷)を備える電動車両では、バッテリの充電中に作動していた車載機器の作動停止によって消費電力が低下すると、外部電源から供給される電力のうち、車載機器で消費されていた電力がバッテリに充電され、バッテリの過充電といった問題が生じる虞がある。すなわちバッテリ電圧が、充電許容電圧を超えて過度に上昇してしまう虞がある。特に、バッテリの定電圧充電を実行している状態では、上記の問題が生じやすい。
【0005】
このような問題を解消するために、バッテリ(蓄電機構)の充電時に車載機器を作動させている際に、バッテリの充電許容電力が所定の余裕電力以下であるときには、外部電源からの電力供給を停止して、バッテリからの供給電力によって車載機器を駆動するようにしたものがある(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−071902号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に記載のように、充電中の所定のタイミングで、外部電源からの電力供給を停止してバッテリからの電力供給によって車載機器を駆動させることで、バッテリの過充電等の問題の発生は抑制することができるかもしれない。
【0008】
しかしながら、充電中に外部電源からの電力供給を停止してしまうと、主目的であるバッテリの充電が進まなくなる。さらにバッテリからの供給電力で車載機器を作動させることで、バッテリの充電率(SOC)が低下してしまう。このため、バッテリの充電に長時間を要してしまったり、所定時間内にバッテリを所望の充電容量まで充電できないといった問題が生じる虞がある。
【0009】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、充電中に外部電源からの電力供給を停止することなく、バッテリ電圧の過度の上昇を抑制できる電動車両の充電制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決する本発明の一つの態様は、外部電源から供給される電力により充電可能なバッテリと、前記バッテリの充電中に作動する車載機器と、を備える電動車両に搭載され、前記バッテリの充電を制御する充電制御装置であって、前記バッテリを充電する際の目標電圧を設定する目標電圧設定手段と、前記バッテリのバッテリ電圧が前記目標電圧となるように前記バッテリの充電を制御する充電制御手段と、前記車載機器の作動状態を制御する機器制御手段と、を有し、前記機器制御手段は、前記バッテリの充電中に前記車載機器を停止させる際、前記車載機器の電流を所定電流値ずつ複数段階で低下させ、前記目標電圧設定手段は、前記バッテリの特性に応じた第1の設定電圧と、前記第1の設定電圧よりも低い第2の設定電圧と、を前記目標電圧として設定し、前記充電制御手段は、前記バッテリの充電中に前記車載機器が作動している場合、前記第2の設定電圧を前記目標電圧として前記バッテリの充電を実行することを特徴とする電動車両の充電制御装置にある。
【0011】
ここで、前記目標電圧設定手段は、前記第1の設定電圧と前記第2の設定電圧との差分が前記車載機器の電流を前記所定電流値だけ低下させたことに伴う前記バッテリ電圧の上昇量よりも大きくなるように前記第2の設定電圧を設定することが好ましい。
【0012】
また前記充電制御手段は、前記バッテリ電圧が前記目標電圧に達するまでは定電力充電または定電流充電を実行し、前記バッテリ電圧が前記目標電圧以上となった後は定電圧充電を実行し、前記機器制御手段は、前記定電圧充電が行われている状態で前記車載機器を停止させる際に、前記車載機器の電流を所定電流値ずつ複数段階で低下させることが好ましい。
【0013】
またその場合、前記機器制御手段は、前記車載機器の電流を一段階低下させた後、当該車載機器の電流の低下に伴って上昇した前記バッテリ電圧が前記第2の設定電圧まで低下した時点で、前記車載機器の電流をさらに一段階低下させることが好ましい。
【0014】
また前記機器制御手段が、前記バッテリの充電中に前記車載機器を作動させた場合、前記充電制御手段は、前記車載機器の作動のタイミングで前記目標電圧を前記第1の設定電圧から前記第2の設定電圧に変更することが好ましい。
【0015】
なお前記車載機器が、車室内の空調を行う空調装置である場合、車載機器の消費電力が大きいため、本発明は特に有効である。
【発明の効果】
【0016】
かかる本発明の電動車両の充電制御装置によれば、充電中に外部電源からの電力供給を停止することなく、バッテリ電圧の過度の上昇を抑制できる。また外部電源からの電力供給を停止することがないため、バッテリの充電時間が長くなることもない。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の一実施形態に係る充電制御装置の概略構成を示すブロック図である。
図2】本発明の一実施形態に係る充電制御の一例を説明するグラフである。
図3】本発明の一実施形態に係る充電制御の一例を説明するグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の一実施形態に係る電動車両の充電制御装置について、図面を参照して詳細に説明する。まずは充電制御装置が搭載される電動車両の概略構成について説明する。
【0019】
図1に示すように、例えば、電気自動車である電動車両1には、高電圧の二次電池であるバッテリ2が搭載されている。バッテリ2はインバータ3を介して走行用モータ4に電気的に接続されている。走行用モータ4は、図示は省略するが駆動輪に連結されている。電動車両1はこの走行用モータ4の駆動力によって走行する。
【0020】
また電動車両1には、例えば、家庭用電源(普通充電)である外部電源100によりバッテリ2を充電するための充電器7が搭載されている。すなわち家庭用電源である外部電源100によりバッテリ2を充電する際には、電動車両1の充電口8に設置された給電コネクタに充電ケーブルの充電プラグを接続する。この状態で、充電器7には、外部電源100から100V〜200V程度の交流電力が入力される。家庭用電源である外部電源100から充電器7に入力された電力は、例えば、350V程度の直流電力に変換・昇圧されて充電用電力としてバッテリ2に入力される。これにより、バッテリ2の充電が行われる。
【0021】
また電動車両1は、急速充電装置である外部電源101とバッテリ2とを充電ケーブルによって接続してバッテリ2を充電することができるように構成されている。急速充電装置である外部電源101でバッテリ2を充電する場合、外部電源101から供給される高圧の直流電力が、電動車両1に搭載されている充電器7を介することなくバッテリ2に入力される。
【0022】
またバッテリ2には、DC/DCコンバータ5を介してサブバッテリ(12Vバッテリ)6が接続されている。またバッテリ2には空調装置10が接続されている。この空調装置10は、バッテリ2の充電時、外部電源100,101からバッテリ2を介して供給される電力で作動するように構成されている。すなわち空調装置10は、バッテリ2の充電中に、車室内の温度等を適切に調整する、いわゆるプレ空調が可能に構成されている。
【0023】
また空調装置10は、電流を一度に低下させて作動を停止させることもできるが、後述するように所定電流値ずつ複数段階で低下させることで停止するように構成されている。なお電流を低下させる段数や、一段階で低下させる電流値は、特に限定されず、空調装置10の性能等に基づいて適宜決定されればよい。本実施形態では、数秒程度で空調装置10を停止させることができるように、電流を低下させる段数及び低下させる電流値をそれぞれ設定している。
【0024】
さらに電動車両1は、バッテリ2の充電制御を実行する充電制御装置としての制御部20を備えている。この制御部20は、例えば、入出力装置、記憶装置(ROM、RAM等)、中央処理装置(CPU)、タイマカウンタ等を備えて構成され、充電器7又は外部電源(急速充電装置)101による外部電源100,101から供給される電力によるバッテリ2の充電を制御すると共に、バッテリ2の充電時における空調装置10の動作を制御する。すなわち本発明に係る充電制御装置によるバッテリ2の充電制御には、バッテリ2の充電中における空調装置10の制御が含まれるものとする。
【0025】
制御部20は、具体的には、目標電圧設定手段21と、充電制御手段22と、機器制御手段23と、を備えている。目標電圧設定手段21は、詳しくは後述するが、バッテリ2を充電する際の目標電圧(最大電圧)を設定する。
【0026】
充電制御手段22は、バッテリ2の電圧(バッテリ電圧)が、目標電圧設定手段21によって設定された目標電圧となるようにバッテリ2の充電制御を実行する。より詳細には、充電制御手段22は、バッテリ電圧が目標電圧よりも低い状態では、バッテリ2を一定の電流値で充電する「定電流充電」を実行する。
【0027】
また充電制御手段22は、バッテリ電圧が目標電圧に達した時点で「定電流充電」を終了し、その後は「定電圧充電」を実行する。そしてバッテリ2の充電率(SOC)が所望の充電率、例えば、100%になるとバッテリ2の充電を終了する。なお充電制御手段22は、「定電流充電」の代わりに、バッテリ2を一定の電力値で受電する「定電力充電」を実行するようにしてもよい。
【0028】
機器制御手段23は、バッテリ2の充電中における空調装置(車載機器)10の作動状態を制御する。機器制御手段23は、バッテリ2の充電時に空調装置10によるプレ空調が行われると、車室内が適切な温度等になるように空調装置10の動作を適宜制御する。すなわち機器制御手段23は、車室内が、例えば、ユーザにより設定された設定温度となるように、空調装置10を適宜作動又は停止させる。
【0029】
ここで空調装置10は、上述のように電流を一度に低下させて作動を停止させることもできるが、所定電流値ずつ複数段階で低下させることで停止させることができるように構成されている。
【0030】
そして機器制御手段23は、バッテリ2の充電中に所定のタイミングで空調装置10を停止させる場合に、電流を所定電流値ずつ複数段階で低下させて空調装置10を停止させる。例えば、充電制御手段22によって定電流充電が実行されている(バッテリ電圧が目標電圧に達してない)タイミングで空調装置10を停止させる際には、機器制御手段23は、空調装置10の電流を一度に低下させる。また充電制御手段22によって定電圧充電が実行されている(バッテリ電圧が目標電圧に達している)タイミングで空調装置10を停止させる際には、機器制御手段23は、空調装置10の電流を所定電流値ずつ複数段階で低下させる。
【0031】
勿論、充電制御手段22によって定電流充電が行われている状態でも、機器制御手段23は、空調装置10の電流を所定電流値ずつ複数段階で低下させて空調装置10を停止させるようにしてもよい。
【0032】
ところで、目標電圧設定手段21は、上述したようにバッテリ2の充電時におけるバッテリ電圧の目標電圧(最大電圧)を設定するが、具体的には、目標電圧として二つの値を設定している。
【0033】
目標電圧設定手段21は、一つ目の値として、バッテリ2の特性に応じた第1の設定電圧を設定する。すなわち目標電圧設定手段21は、バッテリ2の特定を考慮して、バッテリ2の充電時に許容される最大電圧(充電許容電圧)を超えない範囲で、充電許容電圧付近に第1の設定電圧を設定する。
【0034】
目標電圧設定手段21は二つ目の値として、機器制御手段23が空調装置10の電流を複数段階で低下させる際の「所定電流値」に応じた第2の設定電圧を設定する。具体的には、目標電圧設定手段21は、バッテリ2の特性に応じて設定された第1の設定電圧と上記第2の設定電圧との差分が、空調装置10の電流を「所定電流値」だけ低下させた際のバッテリ電圧の上昇量よりも大きくなるように、第2の設定電圧を設定する。
【0035】
すなわち第2の設定電圧は、上記「所定電流値」だけ空調装置10の電流を低下させた際にバッテリ電圧が第1の設定電圧を超えて上昇しない程度に、第1の設定電圧よりも低い値に設定される。ただし第2の設定電圧は、この条件を満たす範囲で、極力高い値に設定することが好ましい。
【0036】
そして充電制御手段22は、目標電圧設定手段21によって設定されたこれら二つの目標電圧に基づいてバッテリ2の充電制御を実行する。具体的には、バッテリ2の充電の際に空調装置10が作動しなければ(プレ空調が実行されなければ)、充電制御手段22は、第1の設定電圧を目標電圧としてバッテリ2の充電を実行する。一方、バッテリ2の充電の際に空調装置10が作動する場合、充電制御手段22は、第1の設定電圧よりも低い第2の設定電圧を目標電圧としてバッテリ2の充電を実行する。
【0037】
以下、図2及び図3のグラフを参照して、充電制御手段22によるバッテリ2の充電制御及び機器制御手段23による空調装置10の動作制御について説明する。なお図2及び図3は、バッテリ2の充電時におけるバッテリ電圧、充電電流及び放電電流(空調装置10に供給される電流)との関係を示すグラフである。
【0038】
また図2は、バッテリ2の充電開始と同時に空調装置10が作動し、定電圧充電時に空調装置10が停止する例である。図3は、バッテリ2の充電開始と同時に空調装置が作動し定電流充電時に空調装置10が停止する例である。なお図2及び図3に示す各例では、目標電圧設定手段21によって第1の設定電圧V1及び第2の設定電圧V2が目標電圧として設定されている。
【0039】
まず図2に示す例では、時刻t11でバッテリ2の充電開始と同時に空調装置10が作動している(プレ空調が開始されている)ため、充電制御手段22は、第1の設定電圧V1よりも低い第2の設定電圧V2を目標電圧としてバッテリ2の充電を開始する。
【0040】
そして、バッテリ電圧が目標電圧である第2の設定電圧V2よりも低い状態では(期間t11−t12)、充電制御手段22はバッテリ2を一定の電流値A1で充電する「定電流充電」を実行する。その後、バッテリ電圧が第2の設定電圧V2に達した時点で(時刻t12)、充電制御手段22は「定電流充電」を終了し、バッテリ2を一定の電圧で充電する「定電圧充電」を実行する。すなわちバッテリ電圧が第2の設定電圧V2に達すると、充電制御手段22は、バッテリ電圧が第2の設定電圧V2に保たれるように外部電源(急速充電装置)101又は充電器7を制御する。
【0041】
バッテリ電圧が第2の設定電圧V2に達した時点(時刻t12)で、バッテリ2の充電率(SOC)はかなり高い状態(満充電に近い状態)にある。このため、定電圧充電の実行中、バッテリ2に供給される電力(バッテリ2の充電に要する電力)は徐々に減少し、それに伴いバッテリ2の充電電流が徐々に減少する。
【0042】
そして充電制御手段22は、バッテリ2の充電率(SOC)がほぼ100%となり充電電流がゼロ付近(予め設定された電流値)まで低下した時点(時刻t16)で、バッテリ2の充電を終了させる。
【0043】
また図2に示す例において空調装置10は時刻t11でバッテリ2の充電開始と同時に作動されており、所定値A2の電流(放電電流)が、外部電源(急速充電)101又は外部電源(普通充電)100からバッテリ2を介して空調装置10に供給されている。その後、機器制御手段23が、時刻t13において空調装置10を停止させている。このとき、充電制御手段22によって「定電圧充電」が実行されているため、機器制御手段23は、空調装置10の電流を所定電流値A3ずつ複数段階(例えば、3段階)で低下させることで、空調装置10を停止させている(期間t13−t15)。
【0044】
機器制御手段23が空調装置10の電流を一段階(所定電流値A3)低下させると、それに伴ってバッテリ電圧が、例えば、所定電圧V3上昇する。すなわち空調装置10の電流が低下することで外部電源100からバッテリ2への供給電力が増加し、それに伴ってバッテリ電圧が上昇する(時刻t13,t14,t15)。なおバッテリ電圧が空調装置10の電流の低下に伴って上昇すると、充電制御手段22によって外部電源(急速充電装置)101又は充電器7が適宜制御され、バッテリ電圧は目標電圧である第2の設定電圧V2まで徐々に低下する。
【0045】
ここで、空調装置10の電流の低下に伴ってバッテリ電圧が上昇する際、バッテリ電圧が充電許容電圧を超えて過度に上昇してしまうことが考えられる。例えば、定電圧充電が行われている状態では、バッテリ電圧は充電許容電圧に比較的近いため、バッテリ電圧が充電許容電圧を超えて過度に上昇してしまう虞がある。
【0046】
しかしながら本発明では、上述のように第1の設定電圧V1と第2の設定電圧V2との差分(V1−V2)が、空調装置10の電流を所定電流値A3だけ低下させたことに伴うバッテリ電圧の上昇分(所定電圧V3)よりも大きくなるように、第2の設定電圧V2を設定している。このため、定電圧充電が行われている状態で空調装置10の電流を一段階(所定電流値A3)低下させた場合でも、バッテリ電圧が第1の設定電圧V1を超えて過度に上昇することはない。つまりバッテリ電圧が、充電許容電圧(≧第1の設定電圧V1)を超えて過度に上昇することはない。
【0047】
なお空調装置10の電流を複数段階で低下させる際、電流を低下させる各タイミングは、特に限定されないが、上昇したバッテリ電圧が第2の設定電圧V2まで低下した時点(時刻t14,t15)で、空調装置10の電流をさらに一段階(所定電流値A3)低下させることが好ましい。これにより、バッテリ2の充電中に空調装置10を停止させても、バッテリ電圧の過度の上昇をより確実に抑制することができる。
【0048】
さらに本発明に係る充電制御装置では、空調装置10の電流値を複数段階で低下させて停止させるようにし、その一段階で低下させる「所定電流値A3」に基づいて目標電圧となる第2の設定電圧V2が設定されている。このため、従来に比べて目標電圧が高く設定されることになる。したがって、本発明の充電制御装置によれば、バッテリ2の過充電を抑制しつつ、バッテリ2の充電容量の向上を図ることもできる。
【0049】
また図3に示す例では、図2の例と同様に、時刻t21でバッテリ2の充電開始と同時に空調装置10が作動している(プレ空調が開始されている)。このため、充電制御手段22は、第2の設定電圧V2を目標電圧としてバッテリ2の充電を開始する。充電制御手段22は、バッテリ電圧が目標電圧である第2の設定電圧V2よりも低い状態では「定電流充電」を実行する。
【0050】
そしてこの例では、バッテリ電圧が目標電圧である第2の設定電圧V2には達しておらず定電流充電が実行されている間に(時刻t22)、機器制御手段23が空調装置10を停止させている。
【0051】
その際、機器制御手段23は、空調装置10の電流を所定電流値ずつ複数段階で低下させることなく、空調装置10の電流を一度に(一段階で)低下させている。すなわち機器制御手段23は、空調装置10の電流を一度に低下させても、それに伴ってバッテリ電圧が充電許容電圧に達しないと判断した場合には、空調装置10の電流を一度に(一段階で)低下させている。これにより空調装置10をより短時間で停止させることができ、また空調装置10による電力の消費を抑制することもできる。
【0052】
またバッテリ電圧が第2の設定電圧V2に達する前に空調装置10が停止されたため、充電制御手段22は、この時点で、目標電圧を第2の設定電圧V2から第1の設定電圧V1に変更する。
【0053】
その後は、バッテリ電圧が目標電圧である第1の設定電圧V1に達した時点で(時刻t23)、充電制御手段22が「定電流充電」を終了して「定電圧充電」を実行する。そして充電制御手段22は、バッテリ2の充電率(SOC)がほぼ100%となり充電電流がゼロ付近(予め設定された電流値)まで低下した時点(時刻t24)で、バッテリ2の充電を終了させる。
【0054】
このようにバッテリ2の充電中に空調装置10が停止された際、状況に応じて目標電圧を第2の設定電圧V2から第1の設定電圧V1に変更することで、バッテリ2の充電容量の向上を図ることができる。
【0055】
以上説明したように、本発明に係る充電制御装置によれば、バッテリ2の充電中に空調装置10等の車載装置が停止された場合でも、外部電源100からの電力供給を停止することなく、バッテリ電圧の過度の上昇を抑制することができる。また従来に比べてバッテリ2の充電容量の向上を図ることもできる。
【0056】
なお上述した実施形態は、あくまで本発明の一例である。本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、その主旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0057】
例えば、上述の実施形態では、バッテリを充電する際、外部電源からバッテリを介して空調装置に電力が供給される例について説明したが、例えば、外部電源からバッテリを介さずに空調装置に電力が供給されるようにしてもよい。
【0058】
また例えば、上述の実施形態では、車載機器の一例として空調装置を例示して本発明を説明したが、車載機器は、バッテリの充電時に、バッテリもしくは外部電源から供給される電力により作動するように構成されていればよく、車室内の空調を行う空調装置に限定されるものではない。
【0059】
また上述の実施形態では、電動車両の一例として電気自動車を例示して本発明を説明したが、本発明は、例えば、プラグインハイブリッド自動車の充電制御装置としても適用できるものである。
【符号の説明】
【0060】
1 電動車両
2 バッテリ
3 インバータ
4 走行用モータ
5 DC/DCコンバータ
6 サブバッテリ(補機バッテリ)
7 充電器
8 充電口
10 空調装置
20 制御部(充電制御装置)
21 目標電圧設定手段
22 充電制御手段
23 機器制御手段
100 外部電源(普通充電)
101 外部電源(急速充電)
図1
図2
図3