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特開2018-207625配線モジュールの敷設構造及び配線モジュール
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-207625(P2018-207625A)
(43)【公開日】2018年12月27日
(54)【発明の名称】配線モジュールの敷設構造及び配線モジュール
(51)【国際特許分類】
   H02G 3/30 20060101AFI20181130BHJP
   B60R 16/02 20060101ALI20181130BHJP
   H05K 7/00 20060101ALI20181130BHJP
【FI】
   H02G3/30
   B60R16/02 620Z
   H05K7/00 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2017-109054(P2017-109054)
(22)【出願日】2017年6月1日
(71)【出願人】
【識別番号】395011665
【氏名又は名称】株式会社オートネットワーク技術研究所
(71)【出願人】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088672
【弁理士】
【氏名又は名称】吉竹 英俊
(74)【代理人】
【識別番号】100088845
【弁理士】
【氏名又は名称】有田 貴弘
(72)【発明者】
【氏名】石田 英敏
(72)【発明者】
【氏名】水野 芳正
【テーマコード(参考)】
4E352
5G363
【Fターム(参考)】
4E352AA16
4E352BB15
4E352CC17
4E352CC18
4E352GG12
5G363AA16
5G363BA02
5G363BB10
5G363DA13
5G363DC02
(57)【要約】
【課題】パネル部材に対して配線モジュールを容易に敷設して位置決めできるようにすることを目的とする。
【解決手段】配線モジュールの敷設構造20は、パネル部材(例えば、ルーフ内装部材14)と、パネル部材の主面上に敷設されたシート状部材32と、シート状部材32がパネル部材の主面上に敷設された状態で所定の配線経路34に沿って配設されるように、シート状部材32に固定された少なくとも1つの電線40とを含む配線モジュール30と、パネル部材に対して一定位置に設けられ、配線モジュール30をパネル部材に対して位置決めするパネル周辺部品(例えば、電気部品15、エアコンダクト18、ルーフ本体11)とを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パネル部材と、
前記パネル部材の主面上に敷設されたシート状部材と、前記シート状部材が前記パネル部材の主面上に敷設された状態で所定の配線経路に沿って配設されるように、前記シート状部材に固定された少なくとも1つの電線とを含む配線モジュールと、
前記パネル部材に対して一定位置に設けられ、前記配線モジュールを前記パネル部材に対して位置決めするパネル周辺部品と、
を備える配線モジュールの敷設構造。
【請求項2】
請求項1に記載の配線モジュールの敷設構造であって、
前記パネル周辺部品は、前記配線モジュールを前記パネル部材に対して位置決めする機能以外の機能を持つ部品である、配線モジュールの敷設構造。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の配線モジュールの敷設構造であって、
前記パネル周辺部品が前記パネル部材に固定された電気部品を含み、
前記少なくとも1つの電線の端部に、前記電気部品に接続された状態で、前記パネル部材の主面上に広げられた前記シート状部材を位置決めする位置決めコネクタが取付けられている、配線モジュールの敷設構造。
【請求項4】
請求項3に記載の配線モジュールの敷設構造であって、
前記位置決めコネクタが複数設けられている、配線モジュールの敷設構造。
【請求項5】
請求項3又は請求項4に記載の配線モジュールの敷設構造であって、
前記位置決めコネクタは、前記シート状部材に固定されたシート固定位置決めコネクタを含む、配線モジュールの敷設構造。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の配線モジュールの敷設構造であって、
前記所定の配線経路は、複数の電気部品に向う複数の接続配線経路を含み、
前記少なくとも1つの電線は、前記複数の接続配線経路に沿って配設された複数の電線を含む、配線モジュールの敷設構造。
【請求項7】
請求項6に記載の配線モジュールの敷設構造であって、
前記複数の配線経路の少なくとも1つは、接続先となる電気部品側の端部とその反対側端部とを最短距離で結ぶ経路に設定されている、配線モジュールの敷設構造。
【請求項8】
請求項6又は請求項7に記載の配線モジュールの敷設構造であって、
前記シート状部材は、前記複数の配線経路間の位置関係を一定に保つように、前記複数の配線経路の間にも広がる形状に形成されている、配線モジュールの敷設構造。
【請求項9】
請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の配線モジュールの敷設構造であって、
前記パネル周辺部品は、前記シート状部材の縁を固定する縁固定部品を含む、配線モジュールの敷設構造。
【請求項10】
請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の配線モジュールの敷設構造であって、
前記配線モジュールに対して前記パネル部材とは反対側に配設される、変形容易な介在部材と、
前記パネル部材の前記主面側に配設され、前記介在部材を介して前記配線モジュールを前記パネル部材に押付けた状態に保つ対向パネル部材と、
を備える配線モジュールの敷設構造。
【請求項11】
パネル部材上に敷設される配線モジュールであって、
パネル部材の主面上に敷設されるシート状部材と、
前記シート状部材がパネル部材の主面上に敷設された状態で所定の配線経路に沿って配設されるように、前記シート状部材に固定された少なくとも1つの電線と、
前記少なくとも1つの電線の端部に取付けられ、前記シート状部材がパネル部材の主面上に敷設された状態で、前記パネル部材に対して一定位置に設けられた電気部品に接続されて、前記シート状部材及び前記少なくとも1つの電線の位置決めを行う位置決めコネクタと、
を備える配線モジュール。
【請求項12】
請求項11に記載の配線モジュールであって、
前記位置決めコネクタが複数設けられている、配線モジュール。
【請求項13】
請求項11又は請求項12に記載の配線モジュールであって、
前記位置決めコネクタは、前記シート状部材に固定されたシート固定位置決めコネクタを含む、配線モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ヘッドライニング等のパネル部材上に配線モジュールを敷設する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、予め電線を結束して形成したルーフハーネスを、ハーネス係止具、ホットメルト及び粘着テープ等を用いてルーフライニングに固定する技術を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−335329号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、電線を結束して形成したルーフハーネスは、ルーフライニング上で位置が定り難い。このため、ルーフハーネスをルーフライニング上で固定する作業を行い難い。
【0005】
そこで、本発明は、パネル部材に対して配線モジュールを容易に敷設して位置決めできるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、第1の態様にかかる配線モジュールの敷設構造は、パネル部材と、前記パネル部材の主面上に敷設されたシート状部材と、前記シート状部材が前記パネル部材の主面上に敷設された状態で所定の配線経路に沿って配設されるように、前記シート状部材に固定された少なくとも1つの電線とを含む配線モジュールと、前記パネル部材に対して一定位置に設けられ、前記配線モジュールを前記パネル部材に対して位置決めするパネル周辺部品とを備える。
【0007】
第2の態様は、第1の態様に係る配線モジュールの敷設構造であって、前記パネル周辺部品は、前記配線モジュールを前記パネル部材に対して位置決めする機能以外の機能を持つ部品とされている。
【0008】
第3の態様は、第1又は第2の態様に係る配線モジュールの敷設構造であって、前記パネル周辺部品が前記パネル部材に固定された電気部品を含み、前記少なくとも1つの電線の端部に、前記電気部品に接続された状態で、前記パネル部材の主面上に広げられた前記シート状部材を位置決めする位置決めコネクタが取付けられているものである。
【0009】
第4の態様は、第3の態様に係る配線モジュールの敷設構造であって、前記位置決めコネクタが複数設けられているものである。
【0010】
第5の態様は、第3又は第4の態様に係る配線モジュールの敷設構造であって、前記位置決めコネクタは、前記シート状部材に固定されたシート固定位置決めコネクタを含むものである。
【0011】
第6の態様は、第1から第5のいずれか1つの態様に係る配線モジュールの敷設構造であって、前記所定の配線経路は、複数の電気部品に向う複数の接続配線経路を含み、前記少なくとも1つの電線は、前記複数の接続配線経路に沿って配設された複数の電線を含むものである。
【0012】
第7の態様は、第6の態様に係る配線モジュールの敷設構造であって、前記複数の配線経路の少なくとも1つは、接続先となる電気部品側の端部とその反対側端部とを最短距離で結ぶ経路に設定されているものである。
【0013】
第8の態様は、第6又は第7の態様に係る配線モジュールの敷設構造であって、前記シート状部材は、前記複数の配線経路間の位置関係を一定に保つように、前記複数の配線経路の間にも広がる形状に形成されているものである。
【0014】
第9の態様は、第1から第8のいずれか1つの態様に係る配線モジュールの敷設構造であって、前記パネル周辺部品は、前記シート状部材の縁を固定する縁固定部品を含むものである。
【0015】
第10の態様は、第1から第9のいずれか1つの態様に係る配線モジュールの敷設構造であって、前記配線モジュールに対して前記パネル部材とは反対側に配設される、変形容易な介在部材と、前記パネル部材の前記主面側に配設され、前記介在部材を介して前記配線モジュールを前記パネル部材に押付けた状態に保つ対向パネル部材とを備える。
【0016】
第11の態様は、パネル部材上に敷設される配線モジュールであって、パネル部材の主面上に敷設されるシート状部材と、前記シート状部材がパネル部材の主面上に敷設された状態で所定の配線経路に沿って配設されるように、前記シート状部材に固定された少なくとも1つの電線と、前記少なくとも1つの電線の端部に取付けられ、前記シート状部材がパネル部材の主面上に敷設された状態で、前記パネル部材に対して一定位置に設けられた電気部品に接続されて、前記シート状部材及び前記少なくとも1つの電線の位置決めを行う位置決めコネクタとを備える。
【0017】
第12の態様は、第11の態様に係る配線モジュールであって、前記位置決めコネクタが複数設けられているものである。
【0018】
第13の態様は、第11又は第12の態様に係る配線モジュールであって、前記位置決めコネクタは、前記シート状部材に固定されたシート固定位置決めコネクタを含むものである。
【発明の効果】
【0019】
第1の態様によると、シート状部材をパネル部材の主面上に敷設すると、少なくとも1つの電線が所定の配線経路に沿うように敷設される。この状態で、シート状部材がパネル部材の主面上に面接触した状態で配設されるため、少なくとも1つの電線は所定の配線経路に沿ってある程度位置が定った状態で配設される。また、この状態で、パネル周辺部品が配線モジュールをパネル部材に対して位置決めする。このため、パネル部材に対して配線モジュールを容易に位置決めした状態で敷設できる。
【0020】
第2の態様によると、配線モジュールを前記パネル部材に対して位置決めする機能以外の機能を持つパネル周辺部品により、前記配線モジュールを前記パネル部材に対して位置決めしているため、配線モジュールをパネル部材に対して位置決めする構造を簡易化することができる。
【0021】
第3の態様によると、位置決めコネクタを接続先となる電気部品に接続すれば、シート状部材を位置決めすることができるため、配線モジュールの位置決め作業が容易となる。
【0022】
第4の態様によると、複数の位置決めコネクタを、それぞれの接続先の電気部品に接続することで、配線モジュールを複数箇所で位置決めすることができる。
【0023】
第5の態様によると、シート固定位置決めコネクタを接続先となる電気部品に接続することで、配線モジュールがより正確に位置決めされる。
【0024】
第6の態様によると、パネル部材の主面上にシート状部材を広げると、複数の電線が当該パネル部材上で複数の接続配線経路に沿って配設される。このため、複数の電気部品に向う複数の接続配線経路に沿って、複数の電線を容易に敷設することができる。
【0025】
第7の態様によると、電線の使用量を削減することができる。
【0026】
第8の態様によると、シート状部材をパネル部材の主面に広げると、複数の配線経路が、相互間の位置関係を一定に保たれた状態で、パネル部材の主面上に広がる。このため、複数の電線を所定の複数の配線経路に沿って容易にパネル部材上に敷設することができる。
【0027】
第9の態様によると、縁固定部品によってシート状部材の縁を固定することで、配線モジュールを位置決めすることができる。
【0028】
第10の態様によると、対向パネル部材によって、介在部材を介して配線モジュールをパネル部材に押付けて配線モジュールを位置決め固定することができる。この際、配線モジュールは、シート状部材を介して第1パネル部材の主面に面接触した状態で、当該第1パネル部材に押付けられた状態となる。このため、配線モジュールをパネル部材と対向パネルとの間で安定した状態で固定することができる。
【0029】
第11の態様によると、シート状部材をパネル部材の主面上に敷設すると、少なくとも1つの電線が所定の配線経路に沿うように敷設される。この状態で、シート状部材がパネル部材の主面上に面接触した状態で配設されるため、少なくとも1つの電線は所定の配線経路に沿ってある程度位置が定った状態で配設される。また、この状態で、位置決めコネクタが電気部品に接続されて、前記シート状部材及び前記少なくとも1つの電線が位置決めされる。このため、パネル部材に対して配線モジュールを容易に位置決めした状態で敷設できる。
【0030】
第12の態様によると、複数の位置決めコネクタを、それぞれの接続先の電気部品に接続することで、配線モジュールを複数箇所で位置決めすることができる。
【0031】
第13の態様によると、シート固定位置決めコネクタを接続先となる電気部品に接続することで、配線モジュールがより正確に位置決めされる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】第1実施形態に係る配線モジュールの敷設構造及びその組込対象を示す概略分解斜視図である。
図2】同上の配線モジュールの敷設構造を示す概略平面図である。
図3】電線及び位置決めコネクタをシート状部材に固定する構造例を示す図である。
図4】電線及び位置決めコネクタをシート状部材に固定する他の構造例を示す図である。
図5】電線及び位置決めコネクタをシート状部材に固定する他の構造例を示す図である。
図6】エアコンダクトがシート状部材の縁を固定する構造例を示す概略断面図である。
図7】第2実施形態に係る配線モジュールの敷設構造及びその組込対象を示す概略分解斜視図である。
図8】同上の配線モジュールの敷設構造を示す概略平面図である。
図9】配線モジュールの組込工程例を示す説明図である。
図10】配線モジュールの組込例を示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
{第1実施形態}
以下、第1実施形態に係る配線モジュールの敷設構造及び配線モジュールについて説明する。図1は本実施形態に係る配線モジュールの敷設構造20及びその組込対象を示す概略分解斜視図であり、図2は同配線モジュールの敷設構造20を示す概略平面図である。
【0034】
本実施形態においては、配線モジュール30及び配線モジュールの敷設構造20の組込対象が車両におけるルーフ10である例で説明する。すなわち、車両におけるルーフ10は、ルーフ本体11と、ルーフ内装部材14とを備える。
【0035】
ルーフ本体11は、車両の基本形状を構成する車体のうち、車室の上方を覆う部分であり、金属等により板状に形成されている。このルーフ本体11の各角部等には、当該ルーフ本体11を支えるピラー12が設けられている。
【0036】
ルーフ内装部材14は、樹脂等で形成された板状部分であり、ルーフライニングとも呼ばれる部材である。ルーフ内装部材14は、配線モジュール30が敷設されるパネル部材の一例である。このルーフ内装部材14の周縁部がルーフ本体11の周縁部に係止すること等によって、ルーフ内装部材14が上記ルーフ本体11の内面側を覆うようにして取付けられる。ルーフ内装部材14がルーフ本体11の内側に固定された状態で、ルーフ内装部材14とルーフ本体11との間に、配線モジュール30を敷設するための隙間が形成される。
【0037】
ルーフ内装部材14には、少なくとも一つの電気部品15が固定されている。ここでは、ルーフ内装部材14のうち前寄りの左右部分に2つの電気部品15が固定されている。ルーフ内装部材14のうち後ろ寄りの左右部分に2つの電気部品15が固定されている。ルーフ内装部材14のうち前後及び左右の中間部分に電気部品15が固定されている。電気部品15は、照明装置、センサ、カメラであること等が想定される。各電気部品15には、コネクタ16が設けられている。ルーフ内装部材14の前後に設けられる電気部品15に設けられたコネクタ16は、車両の前後方向中央に向いている。ルーフ内装部材14の前後及び左右の中間に設けられる電気部品15に設けられたコネクタ16は、車両の前側に向いている。各電気部品15は、ネジ止、嵌込構造、両面テープ、接着剤等によって、ルーフ内装部材14に固定されている。電気部品15の数、設置位置は、上記例に限られない。
【0038】
本実施形態においては、上記各電気部品15は、パネル部材であるルーフ内装部材14に対して一定位置に設けられ、配線モジュール30をパネル部材に対して位置決めするパネル周辺部品の一例である。また、各電気部品15は、それぞれ照明機能(照明装置である場合)、センサ機能(センサ部品である場合)、撮像機能(カメラである場合)を有しているため、配線モジュール30をルーフ内装部材14に対して位置決めする機能以外の機能を持つ部品でもある。
【0039】
また、ルーフ内装部材14上には、エアコンダクト18が固定される。エアコンダクト18は、樹脂等で形成された筒状の部材、ここでは、筒状の部材である。エアコンダクト18は、ルーフ内装部材14の主面(上面)に対して両面テープ、接着剤、ネジ止構造等によって固定される。ここでは、2つのエアコンダクト18が、ルーフ内装部材14の主面の左右両側部分に車両前後方向に沿って固定される。エアコンダクト18の内部空間によって、エアコンディショナーによって温度調整されたエアが室内の吹出し口に向けて案内される。
【0040】
本実施形態においては、2つのエアコンダクト18が設けられており、そのうちの一方は、パネル部材であるルーフ内装部材14に対して一定位置に設けられ、配線モジュール30をパネル部材に対して位置決めするパネル周辺部品の一例である。また、エアコンダクト18は、空気を案内する機能を持つため、配線モジュール30をルーフ内装部材14に対して位置決めする機能以外の機能を持つ部品でもある。
【0041】
配線モジュール30は、シート状部材32と、少なくとも1つの電線40とを備える。
【0042】
シート状部材32は、ルーフ内装部材14の主面(上面)上に敷設されるシート状の部材である。シート状部材32は、PVC(polyvinyl chloride)、PP(polypropylene)、不織布等のシート材によって形成されている。電線固定が可能であれば、シート状部材は網状のシートでもよいが、網状のシートである場合は2cm程度以下の粗さであることが好ましい。
【0043】
シート状部材32は、好ましくは、後述する複数の配線経路34間の位置間関係を一定に保つように、複数の配線経路34の間にも広がる形状に形成されている。
【0044】
ここでは、シート状部材32は、上記各電気部品15への対向部分に広がるような形状に形成されている。より具体的には、シート状部材32は、ルーフ内装部材14の前後に設けられた電気部品15(ここでは前後の左右部位に設けられた4つの電気部品15)のうちコネクタ16が設けられた側に対向する部分に広がる形状、ここでは、方形状に広がる形状に形成されている。このため、シート状部材32をルーフ内装部材14の主面上に広げると、当該シート状部材32に設けられた電線40を、対応する各電気部品15に案内することができる。
【0045】
また、シート状部材32の前後及び左右の中間部のうちルーフ内装部材14の中間に設けられた電気部品15に対応する位置には、開口32hが形成されている。開口32hの周縁部の1つは、ルーフ内装部材14の中間に設けられた電気部品15のコネクタ16に対向する部分に配設される。このため、シート状部材32をルーフ内装部材14の主面上に広げると、シート状部材32に設けられた電線40を当該電気部品15に向けて案内することができる。
【0046】
少なくとも1つの電線40は、シート状部材32がルーフ内装部材14の主面上に敷設された状態で、所定の配線経路34に沿って配設されるように、シート状部材32に固定されている。
【0047】
ここでは、少なくとも1つの電線40は、各電気部品15に接続される複数の電線40を含む。複数の電線40の一端側部分は、束ねられている。複数の電線40の一端側部分は、少なくとも1つのピラー12を通って配設され、コネクタ等を介して、電子制御ユニット、電源等に接続される。
【0048】
複数の電線40の他端部は、シート状部材32に導かれ、当該シート状部材32において、各電気部品15への接続先に応じて複数に分岐している。図1及び図2等では、電線40の本数に拘らず、各電気部品15に接続される電線40が1本の線で描かれている。
【0049】
複数の電線40の分岐部分は、所定の配線経路34に沿ってシート状部材32に固定されている。所定の配線経路34は、上記複数の電線40が分岐する部分から複数の電気部品15に向う複数の接続配線経路35a、35b、35c、35d、35eを含む。複数の電線40は、複数の接続配線経路35a、35b、35c、35d、35eに沿って固定されて、それぞれ対応する電気部品15に向けて案内される。
【0050】
複数の接続配線経路35a、35b、35c、35d、35eの少なくとも1つは、好ましくは、接続先となる電気部品15側の端部とその反対側の端部とを最短距離で結ぶ経路に設定されている。ここで、接続先となる電気部品15側の端部とその反対側の端部とを最短距離で結ぶ経路とは、2つの部分を、布線困難な箇所を避けて最短距離で結ぶ経路をいう。経路が布線困難な箇所を避ける際、電線へのダメージ等を抑制するために、経路と布線困難な箇所との間に隙間が設けられていてもよい。
【0051】
ここでは、接続配線経路35a、35bは、複数の電線40の分岐箇所40Bと前側の2つの電気部品15に対向する部分とを直線的に最短距離で結ぶ経路に設定されている。接続配線経路35cは、分岐箇所40Bと後ろ側の1つの電気部品15に対向する部分とを直線的に最短距離で結ぶ経路に設定されている。接続配線経路35dは、分岐箇所40Bと後ろ側の他の1つの電気部品15に対向部分する部分とを、開口32hが形成された領域を迂回して最短距離で結ぶ経路に設定されている。接続配線経路35eは、分岐箇所40Bと中間の電気部品15に対向部分する部分とを直線的に最短距離で結ぶ経路に設定されている。なお、全ての接続配線経路が最短距離で設定されている必要は無い。
【0052】
ここでは、複数の接続配線経路35a、35b、35c、35d、35eの基端側の端部は、複数の電線40の分岐箇所40Bであるが、そのような箇所である必要は無い。複数の電線40は、シート状部材32の外側で分岐し、各電気部品15の接続先毎にまとめられた形態で、シート状部材32上に案内されていてもよい。そのような場合には、各接続配線経路は、電線がシート状部材に導かれた端部と、電気部品側に導かれる側の端部とを最短距離で結んでいればよい。
【0053】
また、複数の接続配線経路35a、35b、35c、35d、35eのそれぞれにおいて、電線40の端部に位置決めコネクタ42が取付けられている。位置決めコネクタ42は、対応する電気部品15に接続された状態で、ルーフ内装部材14の主面上に広げられたシート状部材32を位置決め可能に構成されている。
【0054】
ここでは、位置決めコネクタ42は、シート状部材32に固定されたシート固定位置決めコネクタとされている。より具体的には、位置決めコネクタ42は、シート状部材32のうち各電気部品15に対向する縁部分に固定されている。このため、各位置決めコネクタ42を電気部品15のコネクタ16に固定すると、当該位置決めコネクタ42が電気部品15に対して一定位置に固定される。また、位置決めコネクタ42が一定位置に固定されることによって、シート状部材32のうち当該位置決めコネクタ42が固定された縁部分が一定位置に固定される。
【0055】
シート状部材32がルーフ内装部材14に対して一定位置に敷設された状態で位置決めされるようにするためには、位置決めコネクタ42は、シート状部材32に対して複数設けられていることが好ましい。より好ましくは、シート状部材32のうち対向する2つの縁部に位置決めコネクタ42が設けられる。
【0056】
ここでは、シート状部材32のうち対向する前後の縁部であって、それぞれの縁部の中央よりも両端寄りの部分の合計4箇所に位置決めコネクタ42が設けられているため、シート状部材32がより確実にルーフ内装部材14に対して一定位置に位置決めされる。また、シート状部材32の前後及び左右の中間部に位置決めコネクタ42が設けられているため、シート状部材32の前後及び左右の中間部分もルーフ内装部材14に対して一定位置に位置決めされる。
【0057】
なお、位置決めコネクタ42がシート状部材32に固定されていることは必須ではない。シート状部材に固定された電線がシート状部材の縁部から延出している場合であっても、位置決めコネクタを電気部品のコネクタに接続した状態でシート状部材のうち電線が延出する部分の縁部を位置決めできる程度に、電線の延出長さが短ければよい。例えば、シート状部材の縁部から電線が5cm以下延出しており、その端部に位置決めコネクタが取付けられていてもよい。
【0058】
なお、接続配線経路35a、35b、35c、35d、35eの全てにおいて、電線40の端部に位置決めコネクタ42が取付けられる必要は無い。位置決めコネクタ42が少なくとも1つ設けられれば、シート状部材32の少なくとも1箇所を位置決めすることができる。
【0059】
図3は電線40及び位置決めコネクタ42を、シート状部材32に固定する一例を示す図である。
【0060】
図3に示す例では、複数の電線40が直線状でかつ並列状態となるように縫糸33によってシート状部材32に縫付けられているが、複数の電線の全部又は一部が曲がって配設されていてもよい。
【0061】
縫糸33としては、電線40よりも曲げ容易な部材であることが好ましい。また縫糸33としては、電線40よりも引張強度が強いことが好ましい。かかる縫糸33としては、天然繊維を材料として形成されたものであってもよいし、化学繊維を材料として形成されたものであってもよい。また、縫糸33は、単糸であってもよいし、撚糸であってもよい。
【0062】
車両に組み付けられた状態で、縫糸33が周囲の部材と当接する恐れがある場合、縫糸33はナイロン又はポリエステル等によって形成されていわゆる釣糸のように耐摩耗性の高いものが採用されることが好ましい。
【0063】
ここでは、1つの電線40を縫付ける縫糸33として1本の連続する縫糸33が採用され、当該1本の縫糸33によって電線40の延在方向に沿った複数位置で電線40が縫付けられている。この際、1本の縫糸33は、シート状部材32の他方主面側に沿って延在しつつ、部分的にシート状部材32の一方主面側に抜けて輪33aを形成している。そして、当該輪33a内に電線40が配設されることによって、電線40がシート状部材32に縫付けられている。
【0064】
もっとも、1本の連続する縫糸33によって1つの電線40が縫付けられることは必須ではない。縫糸33としては、電線40を1つの位置で部分に縫付けて両端が切断されたものが、電線40の延在方向に沿って複数箇所に存在するものであってもよい。
【0065】
複数の電線40のそれぞれが縫糸33によってシート状部材32に縫付けられることで、当該複数の電線40が並列状態でシート状部材32に対して固定される。もっとも、縫糸が複数の電線を一括してシート状部材に縫付けていてもよい。
【0066】
上記複数の電線40のうち分岐箇所40B、及び、分岐箇所40Bから基端側に延在する束ねられた箇所も上記と同様に、縫糸によって縫付けられる。
【0067】
ここでは、位置決めコネクタ42もシート状部材32に縫付けられている。位置決めコネクタ42におけるコネクタハウジング42Hには孔36h又は凹部等が形成され、当該孔36h又は凹部等を用いてコネクタハウジング42Hがシート状部材32に縫い付けられている。なお、当該孔36h又は凹部としては、ロック部に形成されたもの又はカセット部に形成されたものなど、既存のものを用いることもあり得るし、新たに専用の突出片を設け、この突出片に孔36h又は凹部を形成することもあり得る。
【0068】
図4は電線40及び位置決めコネクタ42を、シート状部材32に固定する他例を示す図であり、図5図4の底面図である。
【0069】
この例では、電線40が接合部38を介してシート状部材32に接合されている。ここでは、シート状部材32に対する電線40の接合は、超音波溶着、抵抗溶着又はレーザー溶着等の溶着によってなされている。
【0070】
ここでは、電線40の延在方向において複数箇所で、電線40がシート状部材32に接合されている。
【0071】
ここでは、位置決めコネクタ42も接合部38を介してシート状部材32に接合されている。接合は、上記と同様に、超音波溶着、抵抗溶着又はレーザー溶着等の溶着によってなされている。
【0072】
上記複数の電線40のうち分岐箇所40B、及び、分岐箇所40Bから基端側に延在する束ねられた箇所も上記と同様に、溶着によって接合される。
【0073】
もっとも、電線40、位置決めコネクタ42が縫付け又は溶着によってシート状部材32に固定されることは必須ではない。電線40及び位置決めコネクタ42と、シート状部材32とは、粘着テープ又は接着剤等によってシート状部材32に固定されてもよい。また、縫付け、溶着、粘着テープ及び接着剤等の固定構造が組合わされてもよい。
【0074】
また、図1図2及び図6に示すように、パネル周辺部品の一例であるエアコンダクト18は、縁固定部品として、シート状部材32の縁を固定している。
【0075】
すなわち、一方のエアコンダクト18は、シート状部材32の1つの縁に沿って配設される。ここでは、エアコンダクト18は、シート状部材32の一側縁部に沿って、車両前後方向に延在する姿勢で配設される。エアコンダクト18の底面の一側部は、ルーフ内装部材14に対して両面テープ19によって固定されている。この状態で、エアコンダクト18の底面の他側部は、シート状部材32の一側縁部の上に配設されている。これにより、エアコンダクト18がシート状部材32の一側縁部をルーフ内装部材14の主面上に押付けるようにして固定している。
【0076】
縁固定部品としてのエアコンダクト18が、シート状部材32の縁を固定する構成は上記例に限られない。エアコンダクトにフック形状の引っ掛け部が形成され、シート状部材の縁に孔が形成され、前記引っ掛け部が孔に引っ掛けられることで、シート状部材の縁がエアコンダクトに固定される構成であってもよい。
【0077】
また、シート状部材の縁を固定する部品としては、エアコンダクト18に限られず、本来、シート状部材を固定する目的ではない他の目的でルーフ内装部材上に固定される各種部品を利用することができる。
【0078】
本配線モジュール30及び配線モジュールの敷設構造20を、ルーフ10に組付けるにあたっては、電気部品15が固定されたルーフ内装部材14を準備する。そして、ルーフ内装部材14の主面上に配線モジュール30を広げる。配線モジュール30のシート状部材32をルーフ内装部材14の主面上に広げると、複数の電線40が所定の配線経路34に沿って配設され、各位置決めコネクタ42が対応する電気部品15に対向する位置に配設される。この後、各位置決めコネクタ42を、対応する電気部品15のコネクタ16に接続する。すると、各電気部品15のコネクタ16に対して各位置決めコネクタ42が接続及び固定される。位置決めコネクタ42がルーフ内装部材14の主面上で一定位置に固定されることで、シート状部材32もルーフ内装部材14の主面上で一定位置に位置決めされる。
【0079】
この状態で、配線モジュール30は、上記電気部品15及びエアコンダクト18等のパネル周辺部品を用いた位置決め固定のみなされていることが好ましい。これにより、ルーフ内装部材14に対する配線モジュール30の位置決めを容易に行える。もっとも、補助的に、配線モジュール30がルーフ内装部材14に対して両面テープ、ブチルゴム、接着剤等を用いて固定されていてもよい。この場合でも、両面テープ等を用いた固定箇所を少なくできる。
【0080】
この後、エアコンダクト18を両面テープ等でルーフ内装部材14上に固定する。この際、一方のエアコンダクト18によってシート状部材32の縁をルーフ内装部材14に向けて押付ける。これにより、シート状部材32の縁がルーフ内装部材14と一方のエアコンダクト18との間に挟持され、これによっても、シート状部材32が一定位置に位置決めされる。これにより、ルーフ内装部材14と、配線モジュール30と、電気部品15と、エアコンダクト18とを備える配線モジュールの敷設構造20が製造される。
【0081】
この状態で、ルーフ内装部材14を、配線モジュール30と共にルーフ本体11の下方に移動させて、ルーフ内装部材14をルーフ10に固定する。これにより、本配線モジュール30及び配線モジュールの敷設構造20がルーフ10に組付けられる。
【0082】
以上のように構成された配線モジュール30及び配線モジュールの敷設構造20によると、シート状部材32をルーフ内装部材14の主面上に敷設すると、電線40が所定の配線経路34に沿うように敷設される。この状態で、シート状部材32がルーフ内装部材14の主面上に面接触した状態で配設されるため、電線40は、所定の配線経路34に対してある程度位置が定った状態で配設される。また、この状態で、パネル周辺部品である電気部品15、エアコンダクト18が配線モジュール30をルーフ内装部材14に対して位置決めする。このため、ルーフ内装部材14に対して配線モジュール30を容易に位置決めした状態で敷設できる。
【0083】
なお、電気部品15及びエアコンダクト18の一方のみを利用して、ルーフ内装部材14に対して配線モジュール30が位置決めされていてもよい。
【0084】
特に、パネル周辺部品である電気部品15及びエアコンダクト18は、配線モジュール30をルーフ内装部材14に対して位置決めする機能以外の機能を持つパネル周辺部品であるため、配線モジュール30をルーフ内装部材14に対して位置決めする構造を簡易化できる。
【0085】
また、パネル周辺部品としての位置決めコネクタ42を、接続先となる電気部品15のコネクタ16に接続すれば、シート状部材32を位置決めすることができるため、配線モジュール30の位置決め作業が容易となる。
【0086】
しかも、複数の位置決めコネクタ42を、それぞれの接続先の電気部品15のコネクタ16に接続することで、配線モジュール30を複数箇所で位置決めすることができる。
【0087】
さらに、位置決めコネクタ42は、シート状部材32に固定されているため、位置決めコネクタ42を電気部品15のコネクタ16に接続することで、シート状部材32をより正確に位置決めすることができる。
【0088】
また、所定の配線経路34は、複数の電気部品15に向う複数の接続配線経路35a、35b、35c、35d、35eを含み、複数の電線40が複数の接続配線経路35a、35b、35c、35d、35eに沿って配設されているため、ルーフ内装部材14の主面上にシート状部材32を広げると、複数の電線40がルーフ内装部材14上で複数の接続配線経路35a、35b、35c、35d、35eに沿って配設される。このため、複数の接続配線経路35a、35b、35c、35d、35eに沿って、複数の電線40を容易に敷設することができる。
【0089】
また、複数の接続配線経路35a、35b、35c、35d、35eの少なくとも1つ(ここでは全て)が最短経路に設定されているため、電線40の使用量を削減することができ、コスト低減、軽量化等に貢献する。
【0090】
また、シート状部材32は、複数の接続配線経路35a、35b、35c、35d、35e間の位置関係を一定に保つように、複数の接続配線経路35a、35b、35c、35d、35eの間にも広がる形状に形成されている。このため、シート状部材32をルーフ内装部材14の主面に広げると、複数の接続配線経路35a、35b、35c、35d、35eが、相互間の位置関係を一体に保たれた状態で、ルーフ内装部材14の主面上に広がる。このため、複数の電線40を所定の配線経路34に沿って容易にルーフ内装部材14上に敷設することができる。この後、位置決めコネクタ42を電気部品15のコネクタ16に接続する作業等を容易に行える。
【0091】
また、縁固定部品であるエアコンダクト18によってシート状部材32の縁を固定しているため、配線モジュール30を容易に位置決めすることができる。
【0092】
{第2実施形態}
第2実施形態に係る配線モジュールの敷設構造について説明する。図7は第2実施形態に係る配線モジュールの敷設構造120及びその組込対象を示す概略分解斜視図であり、図8は同配線モジュールの敷設構造120を示す概略平面図である。なお、本実施の形態の説明において、第1実施形態で説明したものと同様構成要素については同一符号を付してその説明を省略する。
【0093】
本実施形態においても、配線モジュールの敷設構造120の組込対象が車両におけるルーフ10である例で説明する。
【0094】
配線モジュールの敷設構造120は、ルーフ内装部材14と、配線モジュール130と、介在部材150と、対抗パネル部材としてのルーフ本体11とを備える。
【0095】
ルーフ内装部材14及びルーフ10は、上記第1実施形態で説明したものと同様構成である。
【0096】
ルーフ内装部材14には、電気部品15が固定されている。ここでは、電気部品15が1つのみ図示されている。複数の電気部品15がルーフ内装部材14に固定されていてもよい。
【0097】
配線モジュール130は、シート状部材132と、少なくとも1つの電線140とを備える。
【0098】
シート状部材132は、ルーフ内装部材14の主面(上面)上に敷設されるシート状の部材である。シート状部材132は、上記シート状部材32と同様に、PVC(polyvinyl chloride)、PP(polypropylene)、不織布等のシート材によって形成されている。電線固定が可能であれば、シート状部材は網状のシートでもよいが、網状のシートである場合は2cm程度以下の粗さであることが好ましい。
【0099】
ここでは、シート状部材132は、帯状に形成されている。
【0100】
少なくとも1つの電線140は、シート状部材132がルーフ内装部材14の主面上に敷設された状態で、所定の配線経路134に沿って配設されるように、シート状部材132に固定されている。
【0101】
ここでは、少なくとも1つの電線140は、電気部品15に接続される複数の電線140を含む。複数の電線140の一端側部分は、シート状部材132から外方に延出し、少なくとも1つのピラー12を通って配設され、コネクタ等を介して、電子制御ユニット、電源等に接続される。
【0102】
複数の電線140の他端部は、シート状部材132において所定の配線経路134に沿って配設されている。
【0103】
ここでは、所定の配線経路134は、シート状部材132の延在方向に沿って延びる直線状の経路に設定されている複数の電線140は、当該配線経路134に沿って配設されて、シート状部材132に固定されている。
【0104】
シート状部材に対する複数の電線140の固定構造は、上記第1実施形態と同様に、電線140を縫糸によってシート状部材132に縫付ける構成、超音波溶着、抵抗溶着又はレーザー溶着等の溶着による構成、粘着テープ及び接着剤等による固定構造を採用することができる。複数の電線140は、シート状部材132上において複数層積層された状態で固定されていてもよい。
【0105】
また、ここでは、コネクタ142も、シート状部材132に固定されている。コネクタ142も上記第1実施形態と同様に、縫糸によってシート状部材132に縫付ける構成、超音波溶着、抵抗溶着又はレーザー溶着等の溶着による構成、粘着テープ及び接着剤等による固定構造を採用することができる。
【0106】
もっとも、コネクタ142は、シート状部材132に固定されている必要は無く、電線がシート状部材から延出しており、シート状部材から延出する電線の端部にコネクタが取付けられていてもよい。
【0107】
なお、シート状部材は、第1実施形態と同様に、ルーフ内装部材に対してより大きく広がっていてもよい。また、シート状部材に対して複数の接続配線経路が設定されていてもよい。
【0108】
介在部材150は、配線モジュール130に対してルーフ内装部材14とは反対側に配設される、変形容易な部材である。
【0109】
介在部材150としては、不織布、発泡樹脂等、圧縮変形容易な部材を用いることができる。
【0110】
介在部材150は、配線モジュール130上に重ねられる。ここでは、介在部材150は、シート状部材132の延在方向に沿う帯状の部材に形成されている。介在部材150は、配線モジュール130の延在方向に沿うように、当該配線モジュール130の上に重ねられる。もっとも、介在部材は、配線モジュールの延在方向に対して短い部材であり、配線モジュールの延在方向において部分的な位置に設けられてもよい。介在部材は、配線モジュールの延在方向において複数設けられてもよい。この場合、配線モジュールの延在方向において複数の介在部材の間に隙間があいていてもよいし、隣合う介在部材同士が接触していてもよい。
【0111】
介在部材150は、配線モジュール130に対してどの領域上に配設されていてもよいが、電線140をルーフ内装部材14に対して押付けるため、電線140の上に配設されていることが好ましい。
【0112】
介在部材150の厚み寸法は、配線モジュール130とルーフ本体11との間で圧縮される程度の大きさであることが好ましい。具体的には、介在部材150の厚み寸法は、ルーフ内装部材14上に敷設されるシート状部材132とその上に間隔をあけて配設されるルーフ本体11との隙間の寸法よりも大きい。
【0113】
ルーフ内装部材14をルーフ10に取付けた状態で、ルーフ本体11は、ルーフ内装部材14の主面(上面)に対して間隔をあけて一定位置に配設される。この状態で、ルーフ内装部材14とルーフ本体11との間に、配線モジュール130及び介在部材150が積層状態で配設される。なお、この状態で、配線モジュール130と介在部材150とは、相互固定されず、相互に押付けられた状態に保たれている。ルーフ本体11は、介在部材150を圧縮させた状態で、当該介在部材150を介して配線モジュール130をルーフ内装部材14に押付けた状態に保っている。
【0114】
本配線モジュールの敷設構造120を、ルーフ10に組付けるにあたっては、ルーフ内装部材14の主面上に配線モジュール130を広げる。配線モジュール130のシート状部材132をルーフ内装部材14の主面上に広げると、複数の電線140が所定の配線経路134に沿って配設され、各コネクタ142が対応する電気部品15に対向する位置に配設される。この後、各コネクタ142を、対応する電気部品15のコネクタ16に接続する。すると、各電気部品15のコネクタ16に対して各コネクタ142が接続及び固定される。コネクタ142がルーフ内装部材14の主面上で一定位置に固定されることで、シート状部材132もルーフ内装部材14の主面上で一定位置に位置決めされる。もっとも、本実施形態において、電気部品15によりシート状部材132が位置決めされることは必須ではない。
【0115】
この状態で、配線モジュール130は、パネル周辺部品以外の構成による固定、例えば、両面テープ、ブチルゴム、接着剤等を用いた固定がなされないことが好ましい。これにより、ルーフ内装部材14に対する配線モジュール130の位置決めを容易に行える。もっとも、補助的に、配線モジュール130がルーフ内装部材14に対して両面テープ、ブチルゴム、接着剤等を用いて固定されていてもよい。この場合でも、両面テープ等を用いた固定箇所を少なくできる。
【0116】
この後、図9に示すように、配線モジュール130の上に、当該配線モジュール130とは別体として準備された介在部材150を載せる。この状態では、配線モジュール130は、ルーフ内装部材14に対して多少移動し得る状態である。そして、ルーフ内装部材14の上に配線モジュール130及び介在部材150を載せた状態で、ルーフ内装部材14をルーフ本体11の下側に取付ける。
【0117】
すると、介在部材150がルーフ本体11の下面に接触し、図10に示すように、介在部材150がルーフ内装部材14に向けて押される。これにより、介在部材150が電線140の外形状に沿う形状に変形しつつ、ルーフ内装部材14上のシート状部材132とルーフ本体11との間で圧縮される。これにより、ルーフ本体11が介在部材150を介して、配線モジュール130をルーフ内装部材14に向けて押す状態となる。この状態で、好ましくは、介在部材150は、電線140だけでなく、その両側のシート状部材132をも、ルーフ内装部材14に向けて押す。これにより、配線モジュール130がルーフ内装部材14上の一定位置で位置決め固定される。これにより、ルーフ内装部材14と、配線モジュール130と、介在部材150と、ルーフ本体11とを備える配線モジュールの敷設構造120が製造される。
【0118】
以上のように構成された配線モジュールの敷設構造120によると、シート状部材132をルーフ内装部材14の主面上に敷設すると、電線140が所定の配線経路134に沿うように敷設される。この状態で、シート状部材132がルーフ内装部材14の主面上に面接触した状態で配設されるため、電線140は、所定の配線経路134に対してある程度位置が定った状態で配設される。この状態で、ルーフ内装部材14をルーフ10に固定すると、パネル周辺部品であるルーフ本体11が配線モジュール130をルーフ内装部材14に対して位置決めするため、ルーフ内装部材14に対して配線モジュール130を容易に位置決めした状態で敷設できる。これにより、配線モジュール130の固定部品の削減等も可能となる。
【0119】
また、ルーフ本体11は、介在部材150を介して配線モジュール130をルーフ内装部材14に対して押付けた状態に保って、当該配線モジュール130を位置決めするため、ルーフ内装部材14をルーフ本体11に固定する構造を利用して簡易な構成で配線モジュール130を位置決め固定できる。また、配線モジュール130は、シート状部材132を介してルーフ内装部材14の主面に面接触した状態で、ルーフ内装部材14に押付けられた状態となる。このため、配線モジュール130をルーフ内装部材14とルーフ本体11との間で安定した状態で固定できる。このため、ルーフ内装部材14上でのルーフ内装部材14の揺れ、揺れによる異音等を抑制できる。また、ルーフ内装部材14上で配線モジュール130が安定して一定位置に保たれるため、電線140とコネクタ142との接続部分において、コネクタ端子への振動、引っ張り力が作用し難い。
【0120】
{変形例}
上記実施形態では、ルーフ内装部材14に配線モジュール30、130を固定する例で説明したが、上記各実施形態で説明した構成は、車両に配設される諸パネル部材に配線モジュールを固定する構成として適用できる。例えば、フロアパネル上に敷設される配線モジュールを位置決めする構成としても適用できる。
【0121】
なお、上記各実施形態及び各変形例で説明した各構成は、相互に矛盾しない限り適宜組合わせることができる。例えば、第1実施形態で説明した構成において、第2実施形態で説明した介在部材150が適用されてもよい。
【0122】
以上のようにこの発明は詳細に説明されたが、上記した説明は、すべての局面において、例示であって、この発明がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、この発明の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。
【符号の説明】
【0123】
10 ルーフ
11 ルーフ本体
14 ルーフ内装部材
15 電気部品
16 コネクタ
18 エアコンダクト
19 両面テープ
20、120 配線モジュールの敷設構造
30、130 配線モジュール
32、132 シート状部材
34、134 配線経路
35a、35b、35c、35d、35e 接続配線経路
40、140 電線
42 位置決めコネクタ
142 コネクタ
150 介在部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10