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特開2018-207643バランス調整方法およびバランス調整用円板
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-207643(P2018-207643A)
(43)【公開日】2018年12月27日
(54)【発明の名称】バランス調整方法およびバランス調整用円板
(51)【国際特許分類】
   H02K 7/04 20060101AFI20181130BHJP
   H02K 15/16 20060101ALI20181130BHJP
   H02K 17/16 20060101ALI20181130BHJP
   G01M 1/38 20060101ALI20181130BHJP
   F16F 15/32 20060101ALI20181130BHJP
【FI】
   H02K7/04
   H02K15/16 A
   H02K17/16 Z
   G01M1/38
   F16F15/32 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2017-109559(P2017-109559)
(22)【出願日】2017年6月1日
(71)【出願人】
【識別番号】501137636
【氏名又は名称】東芝三菱電機産業システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001092
【氏名又は名称】特許業務法人サクラ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】菊田 卓見
【テーマコード(参考)】
2G021
5H013
5H607
5H615
【Fターム(参考)】
2G021AB10
2G021AC03
2G021AH02
2G021AM08
5H013LL09
5H013NN04
5H607AA14
5H607BB06
5H607BB14
5H607BB26
5H607CC01
5H607DD02
5H607DD16
5H607DD17
5H607EE40
5H607GG01
5H615AA01
5H615BB01
5H615BB06
5H615BB14
5H615PP03
5H615SS20
5H615SS54
(57)【要約】
【課題】全閉型誘導電動機の組立後に、短絡環に取り付けるバランス調整用のおもりを増減してバランスを取る作業の省力化と時間短縮を図る。
【解決手段】全閉型誘導電動機のバランス調整方法は、ロータシャフトのブラケットの外側に調整用円板を取り付けるステップS10と、調整用円板に調整おもりを取り付けたうえで回転子を回転させてバランスを検査するステップS20と、調整おもりを調整用円板から取り外すとともに調整用円板をロータシャフトから取り外すステップS30と、ブラケットをフレームから取り外すステップS40と、調整おもりを調整おもりが調整用円板に取り付けられたのと同じ径方向および周方向の位置で短絡環に取り付けるステップS50と、を有する。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転軸周りに回転可能なロータシャフトと、前記ロータシャフトの径方向外側を周方向に囲んで前記ロータシャフトに固定された回転子鉄心と、前記回転子鉄心を軸方向に貫通して互いに周方向に間隔をあけて配置された複数の導体バーと、前記導体バーの軸方向端部同士を周方向に短絡する第1および第2の短絡環と、を備えた回転子と、
前記回転子を周方向に取り囲んで配置された固定子と、
前記固定子を取り囲んで前記固定子を支持する筒状のフレームと、
前記回転子を前記第1および第2の短絡環の軸方向外側でそれぞれ回転支持する第1および第2の軸受けと、
前記フレームの両端部に取り付けられて、前記第1および第2の軸受けそれぞれを支持して、前記フレームとともに密閉空間を形成する第1および第2のブラケットと、
を有する全閉型誘導電動機のバランス調整方法であって、
前記第1のブラケットを貫通する前記ロータシャフトの前記第1のブラケットの軸方向外側に前記回転軸と同軸の調整用円板を取り付ける調整用円板仮取り付けステップと、
前記調整用円板仮取り付けステップの後に、前記回転子の回転バランスを取る方向で前記調整用円板に調整おもりを取り付ける調整おもり仮取り付けステップと、
前記調整おもり仮取り付けステップの後に、前記回転子を回転させてバランスを検査するバランス検査ステップと、
前記バランス検査ステップの後に、前記調整おもりを前記調整用円板から取り外す調整おもり取り外しステップと、
前記バランス検査ステップの後に、前記調整用円板を前記ロータシャフトから取り外す調整用円板取り外しステップと、
前記調整おもり取り外しステップおよび前記調整用円板取り外しステップの後に、前記第1のブラケットを前記フレームから取り外すブラケット取り外しステップと、
前記ブラケット取り外しステップの後に、前記調整おもりを、当該調整おもりが前記調整用円板に取り付けられたのと同じ径方向および周方向の位置で前記第1の短絡環に取り付ける調整おもり本取り付けステップと、
を有することを特徴とするバランス調整方法。
【請求項2】
前記バランス検査ステップの後で、前記調整おもり取り外しステップおよび前記調整用円板取り外しステップの前に、
前記バランス検査ステップの結果に基づいて、前記回転子の回転バランスをさらに取る方向で、前記調整用円板に調整おもりを増減させる調整おもり増減ステップと、
前記調整おもり増減ステップの後に、前記回転子を回転させてバランスを検査する調整おもり増減後バランス再検査ステップと、
をさらに有すること、を特徴とする請求項1に記載のバランス調整方法。
【請求項3】
前記調整用円板は、前記調整おもりよりも比重の小さい材料からなること、を特徴とする請求項1または請求項2に記載のバランス調整方法。
【請求項4】
前記調整用円板および前記第1の短絡環それぞれには、周方向に互いに間隔をあけて、前記調整おもりを取り付けるための複数の穴が形成されていること、を特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載のバランス調整方法。
【請求項5】
前記全閉型誘導電動機は、
前記ロータシャフトの前記回転軸とは別の回転軸周りに回転して外気を駆動する他力ファンと、
前記他力ファンおよび前記第2のブラケットを覆い、前記他力ファンによって駆動された外気を前記第2のブラケットの軸方向外側に向けて導くファンカバーと、
をさらに有すること、を特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載のバランス調整方法。
【請求項6】
回転軸周りに回転可能なロータシャフトと、前記ロータシャフトの径方向外側を周方向に囲んで前記ロータシャフトに固定された回転子鉄心と、前記回転子鉄心を軸方向に貫通して互いに周方向に間隔をあけて配置された複数の導体バーと、前記導体バーの軸方向端部同士を周方向に短絡する第1および第2の短絡環と、を備えた回転子と、
前記回転子を周方向に取り囲んで配置された固定子と、
前記固定子を取り囲んで前記固定子を支持する筒状のフレームと、
前記回転子を前記第1および第2の短絡環の軸方向外側でそれぞれ回転支持する第1および第2の軸受けと、
前記フレームの両端部に取り付けられて、前記第1および第2の軸受けそれぞれを支持して、前記フレームとともに密閉空間を形成する第1および第2のブラケットと、
を有する全閉型誘導電動機のバランス調整のためのバランス調整用円板であって、
前記第1のブラケットを貫通する前記ロータシャフトの前記第1のブラケットの軸方向外側に、前記回転軸と同軸に着脱可能であり、
前記第1の短絡環の周方向に互いに間隔をあけて設けられた複数の調整おもり取り付け用短絡環穴と同じ径方向および周方向の位置に複数の調整おもり取り付け用調整用円板穴が形成されたこと、
を特徴とするバランス調整用円板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、全閉型誘導電動機のバランス調整方法およびそのためのバランス調整用円板に関する。
【背景技術】
【0002】
全閉型誘導電動機の組立後に行うバランス調整方法としては、ロータシャフトの反負荷側に取り付けられた外扇にバランス調整用おもりを取り付けるのが一般的である。これに対して、外扇として他力ファンを用いる場合などに、短絡環(エンドリング)にバランス調整用おもりを取り付ける技術が知られている(特許文献1〜3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013−90447号公報
【特許文献2】実開平2−118450号公報
【特許文献3】特開2009−268197号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
全閉型誘導電動機の組立後に、短絡環にバランス調整用のおもりを取り付ける、あるいは取り外すためには、軸受を支持するブラケットを取り外す必要がある。従来技術によれば、バランスを調整するためには、おもりを増やしたり減らしたりした後に、ブラケットを再び取り付けて、その後にロータシャフトを回転させてバランス検査を行う必要がある。通常は、このバランス検査の結果に基づいて、さらにおもりを増減する必要があり、ブラケットを再び外しておもりを増減する作業を再び行い、その後にブラケットを再び取り付けて、その後にロータシャフトを回転させてバランス検査をまた行う。このように、おもりを増減するごとにブラケットの取り外し、取り付けの作業を繰り返すことは、大きな手間となっていた。
【0005】
この発明はかかる事情に鑑みてなされたものであって、全閉型誘導電動機の組立後に、短絡環に取り付けるバランス調整用のおもりを増減してバランスを取る作業の省力化と時間短縮を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明に係るバランス調整方法は、回転軸周りに回転可能なロータシャフトと、前記ロータシャフトの径方向外側を周方向に囲んで前記ロータシャフトに固定された回転子鉄心と、前記回転子鉄心を軸方向に貫通して互いに周方向に間隔をあけて配置された複数の導体バーと、前記導体バーの軸方向端部同士を周方向に短絡する第1および第2の短絡環と、を備えた回転子と、前記回転子を周方向に取り囲んで配置された固定子と、前記固定子を取り囲んで前記固定子を支持する筒状のフレームと、前記回転子を前記第1および第2の短絡環の軸方向外側でそれぞれ回転支持する第1および第2の軸受けと、前記フレームの両端部に取り付けられて、前記第1および第2の軸受けそれぞれを支持して、前記フレームとともに密閉空間を形成する第1および第2のブラケットと、を有する全閉型誘導電動機のバランス調整方法であって、前記第1のブラケットを貫通する前記ロータシャフトの前記第1のブラケットの軸方向外側に前記回転軸と同軸の調整用円板を取り付ける調整用円板仮取り付けステップと、前記調整用円板仮取り付けステップの後に、前記回転子の回転バランスを取る方向で前記調整用円板に調整おもりを取り付ける調整おもり仮取り付けステップと、前記調整おもり仮取り付けステップの後に、前記回転子を回転させてバランスを検査するバランス検査ステップと、前記バランス検査ステップの後に、前記調整おもりを前記調整用円板から取り外す調整おもり取り外しステップと、前記バランス検査ステップの後に、前記調整用円板を前記ロータシャフトから取り外す調整用円板取り外しステップと、前記調整おもり取り外しステップおよび前記調整用円板取り外しステップの後に、前記第1のブラケットを前記フレームから取り外すブラケット取り外しステップと、前記ブラケット取り外しステップの後に、前記調整おもりを、当該調整おもりが前記調整用円板に取り付けられたのと同じ径方向および周方向の位置で前記第1の短絡環に取り付ける調整おもり本取り付けステップと、を有することを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係るバランス調整用円板は、回転軸周りに回転可能なロータシャフトと、前記ロータシャフトの径方向外側を周方向に囲んで前記ロータシャフトに固定された回転子鉄心と、前記回転子鉄心を軸方向に貫通して互いに周方向に間隔をあけて配置された複数の導体バーと、前記導体バーの軸方向端部同士を周方向に短絡する第1および第2の短絡環と、を備えた回転子と、前記回転子を周方向に取り囲んで配置された固定子と、前記固定子を取り囲んで前記固定子を支持する筒状のフレームと、前記回転子を前記第1および第2の短絡環の軸方向外側でそれぞれ回転支持する第1および第2の軸受けと、前記フレームの両端部に取り付けられて、前記第1および第2の軸受けそれぞれを支持して、前記フレームとともに密閉空間を形成する第1および第2のブラケットと、を有する全閉型誘導電動機のバランス調整のためのバランス調整用円板であって、前記第1のブラケットを貫通する前記ロータシャフトの前記第1のブラケットの軸方向外側に、前記回転軸と同軸に着脱可能であり、前記第1の短絡環の周方向に互いに間隔をあけて設けられた複数の調整おもり取り付け用短絡環穴と同じ径方向および周方向の位置に複数の調整おもり取り付け用調整用円板穴が形成されたこと、を特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
この発明によれば、全閉型誘導電動機の組立後に、短絡環に取り付けるバランス調整用のおもりを増減してバランスを取る作業の省力化と時間短縮を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施形態に係る全閉型誘導電動機のバランス調整作業前の状態を示す模式的縦断面図である。
図2】本発明の一実施形態に係る全閉型誘導電動機のバランス調整方法において、ロータシャフトに調整用円板を取り付けて、さらに調整用円板に調整おもりを取り付けた状態を示す模式的縦断面図である。
図3図2のIII−III線矢視図である。
図4】本発明の一実施形態に係る全閉型誘導電動機の短絡環に調整おもりが取り付けられてバランス調整方法が完了した状態を示す模式的縦断面図である。
図5】本発明の一実施形態に係る全閉型誘導電動機のバランス調整方法の手順を示す流れ図である。
図6図5における調整用円板と調整おもりによるバランス調整工程の詳細手順を示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明に係る全閉型誘導電動機のバランス調整方法およびそのためのバランス調整用円板について説明する。
【0011】
図1は、本発明の一実施形態に係る全閉型誘導電動機のバランス調整作業前の状態を示す模式的縦断面図である。図2は、本発明の一実施形態に係る全閉型誘導電動機のバランス調整方法において、ロータシャフトに調整用円板を取り付けて、さらに調整用円板に調整おもりを取り付けた状態を示す模式的縦断面図である。図3図2のIII−III線矢視図である。図4は、本発明の一実施形態に係る全閉型誘導電動機の短絡環に調整おもりが取り付けられてバランス調整方法が完了した状態を示す模式的縦断面図である。図5は、本発明の一実施形態に係る全閉型誘導電動機のバランス調整方法の手順を示す流れ図である。図6は、図5における調整用円板と調整おもりによるバランス調整工程の詳細手順を示す流れ図である。
【0012】
図1に示すように、この実施形態に係る全閉型誘導電動機は、回転子11と、固定子12と、フレーム13と、第1および第2の軸受け14、15と、第1および第2のブラケット16、17とを有する。
【0013】
回転子11は、ロータシャフト18と、ロータシャフト18に固定された回転子鉄心19と、複数の導体バー20と、第1および第2の短絡環21、22とを有する。ロータシャフト18は、第1および第2の軸受け14、15によって回転支持され、回転軸方向に延びている。回転子鉄心19は軸に垂直に広がる複数の鋼板を軸方向に積層したものである。複数の導体バー20は、回転子鉄心19を軸方向に貫通して延びていて、互いに周方向に間隔をあけて配置されている。
【0014】
第1および第2の短絡環21、22は導体からなる。複数の導体バー20の両端は、第1の軸受け14側、第2の軸受け15側それぞれで、第1の短絡環21および第2の短絡環22によって周方向に、電気的に接続されて短絡している。
【0015】
固定子12は、固定子鉄心30と、複数の固定子巻線31とを有する。固定子鉄心30は、軸に垂直に広がる複数の穴あき円板状の鋼板を軸方向に積層したものである。固定子巻線31は固定子鉄心30の内周に沿って互いに周方向に間隔をあけて形成された複数の溝(図示せず)内に配置され、軸方向に延びている。固定子鉄心30は回転子鉄心19の径方向外側を取り囲むように配置されている。
【0016】
フレーム13は筒状であって、固定子12の径方向外側を取り囲み、固定子12を支持している。
【0017】
第1および第2のブラケット16、17は、フレーム13の軸方向両端に取り付けられ、第1および第2のブラケット16、17とフレーム13とによって、密閉空間が形成されている。第1および第2のブラケット16、17は、それぞれ、第1および第2の軸受け14、15を支持している。フレーム13の外表面に、軸方向および半径方向に広がる複数の冷却フィン34が形成されている。
【0018】
第2のブラケット17の軸方向外側に隣接して外扇ダクト(ファンカバー)35が配置され、外扇ダクト35内に外扇(他力ファン)36が配置されている。外扇36は、ロータシャフト18とは別に設けられた外扇電動機37によって駆動されるように構成されている。外扇36の回転により、外気が第2のブラケット17の外側に送られ、さらに、冷却フィン34に沿って第1のブラケット16に向かって流され、この外気によってフレーム13の外側が冷却されるように構成されている。
【0019】
第1および第2のブラケット16、17とフレーム13とによって形成された密閉空間内で、内扇38がロータシャフト18に取り付けられている。内扇38は、ロータシャフト18とともに回転して密閉空間内の気体を攪拌し、密閉空間内の冷却を促進する。ただし、内扇38は必須構成要素ではなく、内扇38を設けない構成とすることも可能である。
【0020】
第1の短絡環21には、複数のおもり取り付け用短絡環穴40が形成されている。おもり取り付け用短絡環穴40には雌ねじが形成されている。おもり取り付け用短絡環穴40は、周方向に互いに間隔をあけて配列されていて、軸方向外向きに開口している。後述するように、おもり取り付け用短絡環穴40の雌ねじにボルト41をねじ込むことにより、調整おもり42を取り付けることができるようになっている(図4参照)。
【0021】
つぎに、図5および図6を参照しながら、この実施形態に係る全閉型誘導電動機のバランス調整方法を説明する。
【0022】
はじめに、第1の短絡環21に調整おもり42が取り付けられていない図1の状態の後に、ロータシャフト18の第1のブラケット16から突出した部分に調整用円板50を仮に取り付ける(ステップS10)。調整用円板50には、たとえばキー溝が形成され、キー51により、調整用円板50が、ロータシャフト18に対して着脱可能に固定(仮取り付け)される。調整用円板50には、第1の短絡環21のおもり取り付け用短絡環穴40と径方向および周方向に同じ位置に、複数の取り付け用調整用円板穴52が形成されている。図3に示す例では、取り付け用調整用円板穴52は、周方向に45度間隔で8個が形成されている。ただし、取り付け用調整用円板穴52の個数は8個に限定されない。
【0023】
取り付け用調整用円板穴52には、おもり取り付け用短絡環穴40の雌ねじと同じ形状・寸法の雌ねじが形成されている。調整用円板50は、周方向に質量のインバランスがないものとする。取り付け用調整用円板穴52は、それ自体の質量のインバランスによるバランス調整の影響が小さいことが望ましく、その意味でアルミニウムなどの比重の小さい材料から構成されているのが望ましい。
【0024】
つぎに、調整用円板50に、適当な大きさかつ適当な個数の調整おもり42を、ボルト41によって取り付け、バランス調整を行う(ステップS20)。このステップS20の詳細は、図6を参照して後述する。このステップS20では、第1のブラケット16の外側に配置された調整用円板50に調整おもり42を取り付けたり取り外したりするので、第1のブラケット16を取り付けたままで作業を進めることができる。ステップS20完了時の状況を図2および図3に例示する。
【0025】
調整用円板50に調整おもり42を取り付けることによるバランス調整(ステップS20)が完了した後に、調整用円板50に取り付けられた調整おもり42およびボルト41を取り外し、さらに、調整用円板50をロータシャフト18から取り外す(ステップS30)。このとき、調整おもり42とボルト41とが調整用円板50に取り付けられた状態のままで調整用円板50をロータシャフト18から取り外し、その後に調整おもり42およびボルト41を調整用円板50から取り外してもよい。
【0026】
つぎに、第1のブラケット16をフレーム13から取り外す(ステップS40)。
【0027】
つぎに、第1の短絡環21に調整おもり42およびボルト41を取り付ける本取り付け作業を行う(ステップS50)。このとき、バランス調整(ステップS20)が完了したときの調整用円板50における調整おもり42の径方向および周方向の位置と同じ位置で同じ調整おもり42を第1の短絡環21に取り付ける。その後、調整おもり42を増減して周方向のバランス調整を行う必要はない。調整用円板50に調整おもり42を取り付けることによるバランス調整(ステップS20)がすでに完了しており、同じ調整おもり42の軸方向の位置を変更するだけだからである。
【0028】
つぎに、第1のブラケット16をフレーム13に再び取り付ける(ステップS60)。ステップS60完了時の状況を図4に例示する。
【0029】
つぎに、図6を参照しながら、調整用円板50に適当な調整おもり42を取り付けることによるバランス調整ステップ(ステップS20)の詳細手順について説明する。
【0030】
初めに、ロータシャフト18に調整用円板50を仮取り付けする(ステップS21)。
【0031】
この状態で、バランス検査を行う(ステップS22)。
【0032】
ステップS22のバランス検査でバランスが十分にとれていない場合(ステップS23でNoの場合)は、調整用円板50に取り付ける調整おもり42の増減を行う(ステップS24)。
【0033】
この状態で、バランス再検査を行う(ステップS25)。
【0034】
ステップS25のバランス再検査でバランスが十分にとれていない場合(ステップS26でNoの場合)は、ステップS24に戻って、調整用円板50に取り付ける調整おもり42の増減をさらに行う。
【0035】
ステップS22,S25のバランス検査の結果、バランスが十分にとれていると判定された場合(ステップS23,S26のいずれかでYesの場合)は、調整用円板50と調整おもり42によるバランス調整(ステップS20)を終了する。その後、調整用円板50から調整おもり42を取り外して調整用円板50をロータシャフト18から取り外す前述のステップS30へ移行する。
【0036】
以上説明したように、この実施形態によれば、バランス調整作業(ステップS20)を、第1のブラケット16をフレーム13に取り付けたままで進めることができる。そのため、第1のブラケット16の取り外しと取り付けを繰り返し行う必要がなくなり、バランス調整作業の省力化と時間短縮を図ることができる。
【0037】
なお、上記実施形態では、外扇36を外扇電動機37によって駆動するものとしたが、このような構成に限定されるものではない。たとえば、外扇36をロータシャフト18に取り付ける場合にも適用できる。また、上記実施形態では内扇38がロータシャフト18に取り付けられているものとしたが、内扇38を設けない設計にすることもできる。
【0038】
上記実施形態では、調整おもり42をボルト41によって調整用円板50または短絡環21に取り付けるものとしたが、調整おもり42を着脱可能に取り付ける構造であれば、ボルトを用いなくてもよい。
【0039】
以上、本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0040】
11…回転子、 12…固定子、 13…フレーム、 14…第1の軸受け、 15…第2の軸受け、 16…第1のブラケット、 17…第2のブラケット、 18…ロータシャフト、 19…回転子鉄心、 20…導体バー、 21…第1の短絡環、 22…第2の短絡環、 30…固定子鉄心、 31…固定子巻線、 34…冷却フィン、 35…外扇ダクト(ファンカバー)、 36…外扇(他力ファン)、 37…外扇電動機、 38…内扇、 40…おもり取り付け用短絡環穴、 41…ボルト、 42…調整おもり、 50…調整用円板、 51…キー、 52…取り付け用調整用円板穴
図1
図2
図3
図4
図5
図6