特開2018-207657(P2018-207657A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-207657(P2018-207657A)
(43)【公開日】2018年12月27日
(54)【発明の名称】電源装置
(51)【国際特許分類】
   H02M 7/06 20060101AFI20181130BHJP
【FI】
   H02M7/06 U
   H02M7/06 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2017-109944(P2017-109944)
(22)【出願日】2017年6月2日
(71)【出願人】
【識別番号】000006666
【氏名又は名称】アズビル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(74)【代理人】
【識別番号】100064621
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 政樹
(72)【発明者】
【氏名】礒田 浩
【テーマコード(参考)】
5H006
【Fターム(参考)】
5H006AA06
5H006CC01
5H006DB01
5H006DC05
5H006FA01
(57)【要約】
【課題】交流の入力電圧の周波数の上昇による負荷回路への出力電圧の上昇を低減する。
【解決手段】周波数検出回路3と基準周波数発振回路4と比較回路5とダミー抵抗6と電流調整回路7とを設ける。周波数検出回路3は、CVT1へのAC入力電圧einの周波数を検出し、検出した周波数に応じた電圧(検出電圧)Vfを生成する。基準周波数発振回路4は、CVT1へのAC入力電圧einの定格周波数を基準周波数とし、この基準周波数に応じた電圧(基準電圧)Vrを生成する。比較回路5は、周波数検出回路3からの検出電圧Vfと基準周波数発振回路4からの基準電圧Vrとの差に応じた電圧Vsを出力する。電流調整回路7は、比較回路5からの電圧Vsに応じて、ダミー抵抗6に流れる電流Idを調整する。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
交流の入力電圧から共振現象を利用して安定した交流の出力電圧を生成するように構成された定電圧トランスと、
前記定電圧トランスからの交流の出力電圧を整流して負荷回路への直流の出力電圧を生成するように構成された整流回路と、
前記定電圧トランスへの交流の入力電圧および前記定電圧トランスからの交流の出力電圧の何れか一方の周波数を検出するように構成された周波数検出回路と、
前記周波数検出回路によって検出された周波数と前記定電圧トランスへの交流の入力電圧の定格周波数とを比較するように構成された比較回路と、
前記整流回路からの直流の出力電圧の前記負荷回路への出力ライン間に擬似的な負荷として接続されたダミー抵抗と、
前記比較回路における比較結果に基づいて前記ダミー抵抗に流す電流を調整するように構成された電流調整回路と
を備えることを特徴とする電源装置。
【請求項2】
請求項1に記載された電源装置において、
前記比較回路は、
前記周波数検出回路によって検出された周波数と前記定格周波数との周波数の差を求めるように構成され、
前記電流調整回路は、
前記比較回路で求められた前記周波数の差に応じた電流を前記ダミー抵抗に流すように構成されている
ことを特徴とする電源装置。
【請求項3】
請求項2に記載された電源装置において、
前記定格周波数に応じた電圧を基準電圧として生成する基準電圧生成回路を備え、
前記周波数検出回路は、
前記検出した周波数に応じた電圧を検出電圧として生成するように構成され、
前記比較回路は、
前記周波数検出回路からの検出電圧と前記基準電圧生成回路からの基準電圧との差を前記周波数の差として求めるように構成されている
ことを特徴とする電源装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、定電圧トランスを用いた電源装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図4に、一般的な定電圧トランス(CVT)の等価回路を示す。CVTは、飽和リアクトルL1とコンデンサC1とを並列共振させ、この並列共振回路に不飽和リアクトルL2を通じて直列共振する電流を供給すると、入力電圧(交流の入力電圧(AC入力電圧))einが変動しても並列共振電圧(交流の出力電圧(AC出力電圧))eoutがほゞ一定となる共振現象を利用したものである。
【0003】
このCVTを用いた電源装置では、CVTが生成するAC出力電圧eoutを整流することによって、AC入力電圧einの電圧変動の影響を受けない安定した直流の出力電圧(DC出力電圧)を生成し、この生成したDC直流電圧を負荷回路への出力電圧Vとする(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−230959号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、CVTは、共振現象を利用して電圧を安定化させているため、AC入力電圧einの周波数が変動すると負荷回路への出力電圧Vも変動してしまう。この場合、AC入力電圧einの周波数が高くなると、負荷回路への出力電圧Vも高くなる。特に、軽負荷の状態で周波数が高くなって、出力電圧Vが上昇すると、2次側の機器に支障が出る虞がある。以下、この問題について、具体的に説明する。
【0006】
図5に、AC入力電圧einの周波数が定格周波数である場合の出力電圧Vと負荷電流Iとの関係を示す。この例では、出力電圧Vの定格の上限が27V(無負荷時の電圧)、下限が24ボルト(I=20Aの時の電圧)とされている。CVTは垂下特性を持っているため、負荷電流Iが増大すると、出力電圧Vが低下する。
【0007】
図6に、AC入力電圧einの周波数が高くなった場合の出力電圧Vと負荷電流Iとの関係を点線で示す。AC入力電圧einの周波数が高くなると出力電圧Vも高くなる。ここで、例えば、I=2Aの軽負荷の状態をみると、AC入力電圧einの周波数が高くなったことにより、出力電圧Vが定格の上限を超えて上昇している(P1点)。出力電圧Vが定格の上限を超えると、2次側の機器に支障が出る虞があり、問題となる。
【0008】
なお、商用電源の周波数の変動は少ないが、工場の発電機を利用する場合などは、周波数が仕様を超えて上昇することがあり、上述したような問題が生じ易い。
【0009】
本発明は、このような課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、交流の入力電圧の周波数の上昇による負荷回路への出力電圧の上昇を低減することが可能な電源装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
このような目的を達成するために本発明は、交流の入力電圧(ein)から共振現象を利用して安定した交流の出力電圧(eout)を生成するように構成された定電圧トランス(1)と、定電圧トランスからの交流の出力電圧を整流して負荷回路(300)への直流の出力電圧(V)を生成するように構成された整流回路(2)と、定電圧トランスへの交流の入力電圧および定電圧トランスからの交流の出力電圧の何れか一方の周波数を検出するように構成された周波数検出回路(3)と、周波数検出回路によって検出された周波数と定電圧トランスへの交流の入力電圧の定格周波数とを比較するように構成された比較回路(5)と、整流回路からの直流の出力電圧の負荷回路への出力ライン間に擬似的な負荷として接続されたダミー抵抗(6)と、比較回路における比較結果に基づいてダミー抵抗に流す電流を調整するように構成された電流調整回路(7)とを備えることを特徴とする。
【0011】
本発明では、定電圧トランスへの交流の入力電圧および定電圧トランスからの交流の出力電圧の何れか一方の周波数を検出し、この検出した周波数と定電圧トランスへの交流の入力電圧の定格周波数とを比較し、この比較結果に基づいてダミー抵抗に流す電流を調整する。例えば、検出した周波数と定格周波数との周波数の差を求め、この求めた周波数の差に応じた電流をダミー抵抗に流すようにする。これにより、定電圧トランスへの交流の入力電圧の周波数が高くなった場合、高くなった周波数と定格周波数との差に応じた電流がダミー抵抗に流れ、定電圧トランスが持つ垂下特性によって、負荷回路への出力電圧が下降するものとなる。
【0012】
なお、上記説明では、一例として、発明の構成要素に対応する図面上の構成要素を、括弧を付した参照符号によって示している。
【発明の効果】
【0013】
以上説明したことにより、本発明によれば、定電圧トランスへの交流の入力電圧および定電圧トランスからの交流の出力電圧の何れか一方の周波数を検出し、この検出した周波数と定電圧トランスへの交流の入力電圧の定格周波数とを比較し、この比較結果に基づいてダミー抵抗に流す電流を調整するようにしたので、定電圧トランスへの交流の入力電圧の周波数が高くなった場合、高くなった周波数と定格周波数との差に応じた電流をダミー抵抗に流すようにして、交流の入力電圧の周波数の上昇による負荷回路への出力電圧の上昇を低減させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、本発明に係る電源装置の一実施の形態の要部を示す図である。
図2図2は、この電源装置においてAC入力電圧の周波数が高くなった場合に負荷回路への出力電圧の上昇が低減される様子を説明する図である。
図3図3は、本発明に係る電源装置の他の実施の形態を示す図である。
図4図4は、一般的なCVTの等価回路を示す図である。
図5図5は、AC入力電圧の周波数が定格周波数である場合の出力電圧と負荷電流との関係を示す図である。
図6図6は、AC入力電圧の周波数が高くなった場合の出力電圧と負荷電流との関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1は本発明の実施の形態に係る電源装置100の要部を示す図である。
【0016】
この電源装置100は、定電圧トランス(CVT)1と、整流回路2と、周波数検出回路3と、基準周波数発振回路4と、比較回路5と、ダミー抵抗6と、電流調整回路7と、コンデンサ8とを備えている。なお、200は工場の発電機などの交流電源であり、300は負荷回路である。
【0017】
この電源装置100において、CVT1は、交流電源200からの交流の入力電圧(AC入力電圧)einから、共振現象を利用して、安定した交流の出力電圧(AC出力電圧)eoutを生成する。
【0018】
整流回路2は、CVT1からのAC出力電圧eoutを整流して、負荷回路300への直流の出力電圧(DC出力電圧)Vを生成する。
【0019】
周波数検出回路3は、ゼロクロス発振回路31とパルス−電圧変換回路32とを備えており、CVT1へのAC入力電圧einの周波数を検出する。
【0020】
この周波数検出回路3において、ゼロクロス発振回路31は、AC入力電圧einの波形がゼロレベルを交差する毎にパルスを発生する。パルス−電圧変換回路32は、ゼロクロス発振回路31からのパルスを入力とし、この入力されるパルスの数に応じた電圧Vfを生成する。AC入力電圧einの周波数が高ければ、パルス−電圧変換回路32へ入力されるパルスの数が多くなり、生成される電圧Vfが大きくなる。
【0021】
基準周波数発振回路4は、CVT1へのAC入力電圧einの定格周波数を基準周波数とし、この基準周波数に応じた電圧Vrを生成する。比較回路5は、周波数検出回路3からの電圧(検出電圧)Vfと基準周波数発振回路4からの電圧(基準電圧)Vrとを比較し、この検出電圧Vfと基準電圧Vrとの差に応じた電圧Vsを出力する。
【0022】
ダミー抵抗6は、整流回路2からのDC出力電圧Vの負荷回路300への出力ラインLA,LB間に接続されている。また、このダミー抵抗6と直列に電流調整回路7が接続されている。電流調整回路7は、例えばトランジスタで構成されており、比較回路5からの電圧Vsがトランジスタのベースに与えられることによって、ダミー抵抗6に流れる電流Idを調整する。
【0023】
この電源装置100では、CVT1へのAC入力電圧einの周波数が高くなった場合、このAC入力電圧einの周波数と基準周波数(定格周波数)との差に応じた電流Idがダミー抵抗6に流れる。これにより、CVT1が持つ垂下特性によって、負荷回路300への出力電圧Vが下降するものとなる。
【0024】
例えば、図2において、I=2Aの軽負荷の状態をみると、AC入力電圧einの周波数が高くなったことにより、従来であれば、DC出力電圧Vが定格の上限を超えて上昇する(P1点)。これに対し、本実施の形態では、AC入力電圧einの周波数と基準周波数(定格周波数)との差に応じた電流Idがダミー抵抗6に流れるので、CVT1が持つ垂下特性によって、負荷回路300への出力電圧Vが下降し(P2点)、定格の範囲に入るものとなる。
【0025】
なお、図1に示した電源装置100(100A)では、周波数検出回路3においてCVT1へのAC入力電圧einの周波数を検出するようにしたが、CVT1へのAC入力電圧einの周波数とCVT1からのAC出力電圧eoutの周波数とはほゞ同じであるので、図3に示す電源装置100(100B)のように、CVT1からのAC出力電圧eoutの周波数を周波数検出回路3において検出するようにしてもよい。
【0026】
また、本実施の形態では、基準周波数(定格周波数)に応じた電圧を基準電圧Vrとして生成する回路(基準電圧生成回路)を基準周波数発振回路4としたが、必ずしも発振動作を伴う回路でなくてもよい。
【0027】
〔実施の形態の拡張〕
以上、実施の形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明の技術思想の範囲内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【符号の説明】
【0028】
1…定電圧トランス(CVT)、2…整流回路、3…周波数検出回路、4…基準周波数発振回路、5…比較回路、6…ダミー抵抗、7…電流調整回路、31…ゼロクロス発振回路、32…パルス−電圧変換回路、100(100A,100B)…電源装置。
図1
図2
図3
図4
図5
図6