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特開2018-207669発電量予測装置、発電量予測方法、プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-207669(P2018-207669A)
(43)【公開日】2018年12月27日
(54)【発明の名称】発電量予測装置、発電量予測方法、プログラム
(51)【国際特許分類】
   H02J 3/00 20060101AFI20181130BHJP
   G06Q 50/06 20120101ALI20181130BHJP
【FI】
   H02J3/00 170
   G06Q50/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2017-110634(P2017-110634)
(22)【出願日】2017年6月5日
(71)【出願人】
【識別番号】000211307
【氏名又は名称】中国電力株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】一色国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】土居 崇
(72)【発明者】
【氏名】三川 玄洋
(72)【発明者】
【氏名】河内 清次
【テーマコード(参考)】
5G066
5L049
【Fターム(参考)】
5G066AA03
5G066AE03
5G066AE09
5L049CC06
(57)【要約】      (修正有)
【課題】再生可能エネルギーを活用した発電設備における予測された発電量に対して、その誤差を正確に予測できる発電量予測装置、発電量予測方法、プログラムを提供する。
【解決手段】過去の所定の第1時間において計測された複数の第1発電量と、第1時間において計測された気象状態を示す複数の第1気象情報とに基づいて回帰式を作成する回帰分析部と、現在において計測された気象情報を示す第2気象情報と近似する過去の所定の第2時間において計測された気象状態を示す複数の第3気象情報を取得する取得部と、第3気象情報と、回帰式と、に基づいて、第2時間において予測された複数の第2発電量を算出する第1予測部と、第2発電量と第2時間において計測された第3発電量との差を示す誤差を算出するとともに、将来の所定の将来時間において予測される第4発電量に対する第1誤差として算出する誤差算出部を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
過去の所定の第1時間において計測された複数の第1発電量と、前記第1時間において計測された気象状態を示す複数の第1気象情報と、に基づいて回帰式を作成する回帰分析部と、
現在において計測された気象情報を示す第2気象情報と近似する、過去の所定の第2時間において計測された気象状態を示す複数の第3気象情報を取得する取得部と、
前記第3気象情報と、前記回帰式と、に基づいて、前記第2時間において予測された複数の第2発電量を算出する第1予測部と、
前記第2発電量と、前記第2時間において計測された第3発電量と、の差を示す誤差を算出するとともに、算出された複数の前記誤差を絶対値の最も小さい値から大きい値になる方向に加算したときの前記誤差の数が、前記誤差の総数に対して、所定の割合を示すときの前記誤差の値を、将来の所定の将来時間において予測される第4発電量に対する第1誤差として算出する誤差算出部
を備えることを特徴とする発電量予測装置。
【請求項2】
前記回帰式と、前記将来時間における気象状態を示す第4気象情報と、に基づいて、前記将来時間における第4発電量を算出するとともに、前記第4発電量に前記第1誤差を加算して第5発電量を算出する第2予測部と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の発電量予測装置。
【請求項3】
前記第1気象情報、前記第2気象情報および前記第3気象情報には、少なくとも日射量に関する情報が含まれている
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の発電量予測装置。
【請求項4】
前記第1気象情報、前記第2気象情報および前記第3気象情報には、少なくとも風速に関する情報が含まれている
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の発電量予測装置。
【請求項5】
前記第4発電量と、前記第1誤差と、を組み合わせてグラフを作成するグラフ作成部
をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか一項に記載の発電量予測装置。
【請求項6】
過去の所定の第1時間において計測された複数の第1発電量と、前記第1時間において計測された気象状態を示す複数の第1気象情報と、に基づいて回帰式を作成し、
現在において計測された気象情報を示す第2気象情報と近似する、過去の所定の第2時間において計測された気象状態を示す複数の第3気象情報を取得し、
前記第3気象情報と、前記回帰式と、に基づいて、前記第2時間において予測された複数の第2発電量を算出し、
前記第2発電量と、前記第2時間において計測された第3発電量と、の差を示す誤差を算出するとともに、算出された複数の前記誤差を絶対値の最も小さい値から大きい値になる方向に加算したときの前記誤差の数が、前記誤差の総数に対して、所定の割合を示すときの前記誤差の値を、将来の所定の将来時間において予測される第4発電量に対する第1誤差として算出する
ことを特徴とする発電量予測方法。
【請求項7】
発電量予測装置に、
過去の所定の第1時間において計測された複数の第1発電量と、前記第1時間において計測された気象状態を示す複数の第1気象情報と、に基づいて回帰式を作成する機能と、
現在において計測された気象情報を示す第2気象情報と近似する、過去の所定の第2時間において計測された気象状態を示す複数の第3気象情報を取得する機能と、
前記第3気象情報と、前記回帰式と、に基づいて、前記第2時間において予測された複数の第2発電量を算出する機能と、
前記第2発電量と、前記第2時間において計測された第3発電量と、の差を示す誤差を算出するとともに、算出された複数の前記誤差を絶対値の最も小さい値から大きい値になる方向に加算したときの前記誤差の数が、前記誤差の総数に対して、所定の割合を示すときの前記誤差の値を、将来の所定の将来時間において予測される第4発電量に対する第1誤差として算出する機能と、
を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発電量予測装置、発電量予測方法、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、日射量強度およびそのスプレッドを考慮して発電量を予測するシステムが知られている。(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015−167439号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1には、予測日射量強度およびそのスプレッドと、過去の実測日射強度と予測日射量強度との予測誤差と、の関係から信頼度あるいは信頼区間を算出し、発電量を予測するシステムが開示されている。当該システムは、先ず、異なる気象予報データを用いてアンサンブル予測を実行することで、予測日射強度のアンサンブル予測値とそのスプレッドを算出する。さらに、アンサンブル予測値およびそのスプレッドに基づいて、予測日射強度の予測信頼度および信頼区間を算出する。ここで、信頼区間は、予測日射強度と実際に観測された日射強度とを比較して算出される。つまり、特許文献1では、予測日射強度及びスプレッドから予測日射強度の予測信頼度を算出し、予測日射強度と現地で過去に実際に観測された実測日射強度とを比較することにより予測日射強度の信頼区間を算出し、発電量を予測するシステムが開示されています。
【0005】
しかし、特許文献1に係るシステムでは、日射量強度およびそのスプレッドに基づいて、信頼度および信頼区間を算出しているため、特許文献1における太陽光発電設備などの再生可能エネルギー発電設備で実際に発電される発電量の誤差を正確に予測することができない虞があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前述した課題を解決する主たる本発明は、過去の所定の第1時間において計測された複数の第1発電量と、前記第1時間において計測された気象状態を示す複数の第1気象情報と、に基づいて回帰式を作成する回帰分析部と、現在において計測された気象情報を示す第2気象情報と近似する、過去の所定の第2時間において計測された気象状態を示す複数の第3気象情報を取得する取得部と、前記第3気象情報と、前記回帰式と、に基づいて、前記第2時間において予測された複数の第2発電量を算出する第1予測部と、前記第2発電量と、前記第2時間において計測された第3発電量と、の差を示す誤差を算出するとともに、算出された複数の前記誤差を絶対値の最も小さい値から大きい値になる方向に加算したときの前記誤差の数が、前記誤差の総数に対して、所定の割合を示すときの前記誤差の値を、将来の所定の将来時間において予測される第4発電量に対する第1誤差として算出する誤差算出部を備える。
【0007】
本発明の他の特徴については、添付図面および本明細書の記載により明らかとなる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、再生可能エネルギーを活用した発電設備における予測された発電量に対して、その誤差を正確に予測できる。該誤差を考慮することで、正確な系統電力の調整が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本実施形態に係る発電量予測装置の概要の一例を示す図である。
図2】本実施形態に係る発電量予測装置の構成の一例を示す図である。
図3】本実施形態に係る誤差決定グラフの一例を示す図である。
図4】本実施形態に係るグラフ格納テーブルの一例を示す図である。
図5】本実施形態に係る過去情報テーブルの一例を示す図である。
図6】本実施形態に係る回帰式情報テーブルの一例を示す図である。
図7】本実施形態に係る抽出情報テーブルの一例を示す図である。
図8】本実施形態に係る予測情報テーブルの一例を示す図である。
図9】本実施形態に係る発電量予測装置の処理フローの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本明細書および添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。以下の説明において、同一符号を付した部分は同一の要素を表し、その基本的な構成および動作は同様であるものとする。
【0011】
===発電量予測装置10===
図1図2を参照しつつ、発電量予測装置10について以下のとおり説明する。図1は、本実施形態に係る発電量予測装置10の概要の一例を示す図である。図2は、本実施形態に係る発電量予測装置10の構成の一例を示す図である。
【0012】
発電量予測装置10は、過去に実績のある発電量に基づいて将来の発電量を予測する際に、電力量の誤差を算出し、予測される発電量のとり得る範囲を正確に予測する装置である。
【0013】
発電量予測装置10は、図1に示すように、通信ネットワーク120を介して気象庁データベース110および再生可能エネルギー発電設備(以下、「再エネ発電設備100」と称する。)に接続される。発電量予測装置10は、雲量、気温、風速、日射量などの気象に関する情報(以下、「気象情報」と称する。)を、気象庁データベース110から取得する。また、再エネ発電装置100で発電される発電量(以下、「発電量」と称する。)に関する情報を、再エネ発電装置100から取得する。
【0014】
発電量予測装置10は、気象情報および発電量に基づいて、将来の発電量を予測するとともに、予測された発電量の誤差を算出する。このような機能を有する発電量予測装置10は、図2に示すように、演算処理部11と、記憶部12と、入力部13と、出力部14と、メモリ15と、を有している。なお、演算処理部11、記憶部12、入力部13、出力部14およびメモリ15の夫々は、通信可能に接続されている。
【0015】
演算処理部11は、例えばCPUあるいはMPUなどで構成されている。演算処理部11は、メモリ15に格納されているプログラムを読み込むことにより、各種機能を実現する。演算処理部11は、回帰分析部11aと、取得部11bと、第1予測部11cと、誤差算出部11dと、第2予測部11eと、グラフ作成部11fと、を有している。演算処理部11は、記憶部12から各種情報を読み出して、上述した各構成要素の処理を実行する。演算処理部11の各構成要素については、詳細に後述する。
【0016】
記憶部12は、プログラムや各種情報を記憶する装置である。記憶部12は、例えば、ROM、RAMあるいはフラッシュメモリなどで構成されている。記憶部12に格納される各種テーブルについては、詳細に後述する。
【0017】
入力部13は、通信ネットワーク120を介して気象情報や発電量情報などの各種情報が入力されるネットワークインターフェイスである。出力部14は、通信ネットワーク120に各種情報が出力されるネットワークインターフェイスである。メモリ15は、演算処理部11が処理するためのプログラムを格納する装置である。メモリ15は、例えば、ハードディスクドライブ、SSDあるいは光学式記憶装置などで構成されている。
【0018】
==演算処理部11==
図2図3を参照しつつ、演算処理部11について、以下のとおり詳細に説明する。図3は、本実施形態に係る基準誤差決定グラフの一例を示す図である。
【0019】
演算処理部11は、記憶部12の各種テーブルを参照し、以下で述べる各種機能を実現する。図2に示すように、演算処理部11は、上述したように、回帰分析部11aと、取得部11bと、第1予測部11cと、誤差算出部11dと、第2予測部11eと、グラフ作成部11fと、を有している。
【0020】
<<回帰分析部11a>>
回帰分析部11aは、各種情報に基づいて回帰式を生成する機能を有する。回帰分析部11aは、過去の所定の時間(以下、「過去時間」と称する。)に計測された発電量(以下、「第1発電量」と称する。)と、過去時間に計測された気象情報(以下、「第1気象情報」と称する。)と、に基づいて回帰式を生成する。ただし、回帰式を生成するための気象情報には、再エネ発電設備100が太陽光発電設備の場合は少なくとも日射量に関する情報が含まれていればよく、再エネ発電設備100が風力発電設備の場合は少なくとも風速に関する情報が含まれていればよく、その情報項目が限定されるものではない。
【0021】
ここで、第1気象情報とは、例えば、気象庁データベース110から通信ネットワーク120を介して取得する気象情報や、記憶部12に予め記憶されている気象情報である。なお、所定の時間とは、期間と時刻の意味の両方を含むこととし、以下同様に説明する。
【0022】
また、回帰式は、過去時間において予測された発電量(第2発電量)を算出するための式である。式(1)に示すように、第1発電量を“目的変数”とし、第1気象情報を“説明変数”として重回帰分析を実行する。
【0023】
【数1】
(但し、Gは目的変数(第1発電量)、Aは回帰定数、B1〜B4は偏回帰係数、X1は雲量情報、X2は気温情報、X3は風速情報、X4は日射量情報を表す。)
なお、上記の重回帰分析に替えて最小二乗法またはベイズ推定法などを用いてもよい。
【0024】
これにより、演算処理部11は、第1回帰式を用いると、過去時間における気象情報に基づいて、過去時間における発電量を予測することができる。
【0025】
<<取得部11b>>
取得部11bは、現在において計測された気象情報(以下、「第2気象情報」と称する。)と近似する、過去において計測された気象情報(以下、「第3気象情報」と称する。)を取得する機能を有する。
【0026】
取得部11bは、第2気象情報および第3気象情報を記憶部12の過去情報テーブル12aから読み込む。なお、第2気象情報と近似する第3気象情報とは、例えば、第2気象情報の各項目の値に対して、第3気象情報の各項目の値が10%以内の相異に収まる気象情報である。ただし、近似しているか否かを判定する手法は、特に限定されるものではない。
【0027】
<<第1予測部11c>>
第1予測部11cは、第3気象情報を回帰式に代入して、過去の所定の時間において予測される発電量(以下、「第2発電量」と称する。)を算出する機能を有する。
【0028】
第1予測部11cは、第3気象情報および回帰式を、記憶部12の抽出情報テーブル12cおよび回帰式情報テーブル12bから読み込む。第2発電量は、第3気象情報ごとに算出される。誤差の予測精度を向上させるために、算出される第2発電量のデータ個数は多いことが好ましい。これにより、現在時点の第2気象情報に略等しい過去の第3気象情報において予測される第2発電量が算出できるため、後述する誤差算出部11dは、現在時点に近い気象状態に対する誤差を算出できる。なお、第2発電量が予測される過去の所定の時間(第2時間)は、第1発電量および第1気象情報が計測される過去時間(第1時間)と区別するように記載しているが、両者ともに、過去における時間であればよい。
【0029】
<<誤差算出部11d>>
図3を参照しつつ、誤差算出部11dについて、以下のとおり詳細に説明する。
【0030】
誤差算出部11dは、予測される発電量の誤差を算出する機能を有する。誤差算出部11dは、第3気象情報および過去において計測された発電量(以下、「第3発電量」と称する。)を記憶部12の抽出情報テーブル12cから読み込む。第3発電量とは、第3気象情報において計測された発電量である。
【0031】
誤差算出部11dは、第2発電量と第3発電量の差(以下、「誤差」と称する。)を算出する。これにより、計測された発電量に対する予測された発電量の誤差が算出される。誤差算出部11dは、複数の誤差の絶対値の最も小さい値から大きい値になる方向に加算したとき、誤差の数(データ個数)が誤差の総数(総データ個数)に対して所定の割合を示すときの誤差(以下、「第1誤差」と称する。)を特定する。
【0032】
具体的に述べると、図3に示すように、所定の割合が75%に設定される場合、“−40〜+40”の値を示す第1誤差のデータ個数が第1誤差の総データ個数の75%を示すため、+側の第1誤差(以下、「+第1誤差」と称する。)を“+40”と設定し、−側の第1誤差(以下、「−第1誤差」と称する。)を“−40”と設定する。同様に、所定の割合が95%に設定される場合、+第1誤差を“+60”と設定し、−第1誤差を“−60”と設定する。第1誤差を設定することで、予測する発電量の精度を決定できる。
【0033】
つまり、誤差算出部11dは、図4に示すように、後述する第4発電量に対する+第1誤差および−第1誤差を算出する。これにより、系統電力を調整する発電設備(不図示)を調整する際に、再エネ発電設備100で発電される発電量の上限(+第1誤差)および下限(−第1誤差)を考慮できるため、より効率的に発電設備(不図示)を調整できる。
【0034】
<<第2予測部11e>>
図4を参照しつつ、第2予測部11eについて、以下のとおり詳細に説明する。
【0035】
第2予測部11eは、将来時間において、第1誤差を考慮した再エネ発電設備100の発電量を予測する機能を有する。より具体的に述べると、第2予測部11eは、回帰式に将来の所定の時間(以下、「将来時間」と称する。)に予測される気象情報(以下、「第4気象情報」と称する。)を代入して、将来時間に予測される発電量(以下、「第4発電量」と称する。)を算出する。そして、第4発電量に第1誤差を加算して、将来時間においてとり得る発電量(以下、「第5発電量」と称する。)を算出する。
【0036】
ここで、第4発電量とは、回帰式に、記憶部12の予測情報テーブル12dから読み込む第4気象情報を代入して算出される発電量である。なお、第4発電量に関するデータは、第2予測部11eにおいて算出される発電量に関するデータに限らず、例えば、発電量予測装置10とは異なる外部の装置から取得する発電量に関するデータであってもよい。
【0037】
また、第5発電量は、図4に示すように、第4発電量に+第1誤差を加えた+側の第5発電量と、第4発電量に−第1誤差を加えた−側の第5発電量と、を有する。図4では、第4発電量を中心として、+第1誤差1と−第1誤差1との間を予測精度75%として示し、+第1誤差2と−第1誤差2との間を予測精度95%として示す。
【0038】
<<グラフ作成部11f>>
図4を参照しつつ、グラフ作成部11fについて、以下のとおり説明する。
【0039】
グラフ作成部11fは、第5発電量をグラフ形式で表示する。グラフ作成部11fは、不図示の表示部に、図4に示すようなグラフを表示させる。これにより、操作員は、視覚を通じて発電量の予測結果を容易に確認できる。
【0040】
==記憶部12==
記憶部12は、演算処理部11が処理を実行するための各種データを格納する機能を有する。記憶部12は、過去情報テーブル12aと、回帰式情報テーブル12bと、抽出情報テーブル12cと、予測情報テーブル12dと、グラフ格納テーブル12eと、を格納している。
【0041】
<<過去情報テーブル12a>>
図5を参照しつつ、過去情報テーブル12aについて、以下のとおり説明する。図5は、本実施形態に係る過去情報テーブル12aの一例を示す図である。
【0042】
過去情報テーブル12aは、通信ネットワーク120を介して気象庁データベース110および再エネ発電設備100から受信する情報を格納するテーブルである。過去情報テーブル12aには、例えば過去10年分の情報が1時間毎に記憶されている。演算処理部11は、過去情報テーブル12aから各種情報を読み込んで、回帰式および誤差を算定する。
【0043】
過去情報テーブル12aは、例えば、過去の所定の時間(第1時間,第2時間)を示す “日時”項目と、第1,第2気象情報に係る、雲の量が段階的に数値で入力される“雲量”項目と、大気の温度が入力される“気温”項目、風速が入力される“風速”項目と、全天日射量が入力される“日射量”項目と、第1発電量が入力される“第1発電量”項目と、を対応付けて格納している。
【0044】
なお、過去情報テーブル12aの形式は、一例を示すものであり、演算処理部11が参照可能なデータベース形式であればよい。また、過去情報テーブル12aに格納される項目は限定されるものではなく、該項目には発電量予測装置10が回帰式を算出するために必要な項目が含まれていればよい。
【0045】
<<回帰式情報テーブル12b>>
図6を参照しつつ、回帰式情報テーブル12bについて、以下のとおり説明する。図6は、本実施形態に係る回帰式情報テーブル12bの一例を示す図である。
【0046】
回帰式情報テーブル12bは、回帰分析部11aで生成された回帰式を格納するテーブルである。回帰式情報テーブル12bは、回帰式における回帰定数および偏回帰係数が入力される“回帰式”項目を有する。なお、図6では、“回帰式”項目に各種係数のみを格納するように示しているが、回帰式が特定できるように格納していればよい。
【0047】
<<抽出情報テーブル12c>>
図7を参照しつつ、抽出情報テーブル12cについて、以下のとおり説明する。図7は、本実施形態に係る抽出情報テーブル12cの一例を示す図である。
【0048】
抽出情報テーブル12cは、現在時点の第2気象情報と近似する第3気象情報と、それに対応する各種データを格納するテーブルである。抽出情報テーブル12cは、例えば、過去の所定の時間(第2時間)を示す“日時”項目と、第3気象情報に係る、雲の量が段階的に数値で入力される“雲量”項目と、大気の温度が入力される“気温”項目、風速が入力される“風速”項目と、全天日射量が入力される“日射量”項目と、第3発電量が入力される“第3発電量”項目と、第2発電量が入力される“第2発電量”項目と、第3発電量と第2発電量との差を示す“誤差”項目と、を対応付けて格納している。“誤差”項目に格納される誤差により、図3に示すようなグラフを作成できる。
【0049】
<<予測情報テーブル12d>>
図8を参照しつつ、予測情報テーブル12dについて、以下のとおり詳細に説明する。図8は、本実施形態に係る予測情報テーブル12dの一例を示す図である。
【0050】
予測情報テーブル12dは、第1誤差および該第1誤差を算出するための各種データを格納するテーブルである。また、予測情報テーブル12dには、第5発電量と、該第5発電量に対応するグラフに関するデータが格納されている。演算処理部11は、予測情報テーブル12dから各種データを読み込んで、第1誤差および第5発電量を算出する。
【0051】
予測情報テーブル12dには、将来時間を示す “日時”項目と、第4気象情報である、雲の量が段階的に数値で入力される“雲量”項目と、大気の温度が入力される“気温”項目と、風速が入力される“風速”項目と、全天日射量が入力される“日射量”項目と、第4気象情報に対応する第4発電量が入力される“第4発電量”項目と、を対応付けて格納している。
【0052】
さらに、+第1誤差と−第1誤差が入力される“第1誤差”項目と、第4発電量に+第1誤差と−第1誤差との夫々を加えた第5発電量が入力される“第5発電量”項目と、第5発電量に対応するグラフに関するデータを格納する“グラフ”項目と、を対応付けて格納している。
【0053】
なお、予測情報テーブル12dの形式は、一例を示すものであり、演算処理部11が参照可能なデータベース形式であればよい。また、予測情報テーブル12dに格納される項目は限定されるものではなく、該項目には発電量予測装置10が第1誤差を算出するために必要な項目が含まれていればよい。
【0054】
==処理フロー==
図9を参照しつつ、発電量予測装置10の処理フローについて、以下のとおり詳細に説明する。図9は、本実施形態に係る発電量予測装置10の処理フローの一例を示す図である。
【0055】
操作員は、発電量予測装置10を用いて将来時間における再エネ発電設備100の発電量を予測する。このとき、操作員は、予測すべき将来時間を発電量予測装置10に入力する。例えば、これを契機として、発電量予測装置10は、以下の処理手順に示すように、指定された将来時間の発電量を算出する。発電量予測装置10は、予め、気象庁データベース110および再エネ発電設備100から過去における各種データを取得し、該各種情報を記憶部12の過去情報テーブル12aに記憶している。
【0056】
先ず、回帰分析部11aは、過去情報テーブル12aから第1発電量に関するデータおよび第1気象情報を読み込み、夫々の情報に基づいて回帰式を生成する(S100)。回帰式の生成方法については、上述したとおりである。回帰分析部11aは、生成した回帰式に関するデータを回帰式情報テーブル12bに格納する。
【0057】
次に、取得部11bは、過去情報テーブル12aから、現在時点の第2気象情報を読み込むとともに、第2気象情報と近似する第3気象情報を読み込む(S101)。これにより、現在時点の気象情報と略等しい気象情報を取得できる。取得部11bは、読み込んだ第3気象情報を抽出情報テーブル12cに格納する。
【0058】
次に、第1予測部11cは、回帰式情報テーブル12bから回帰式に関するデータを読み込む。回帰式に第3気象情報を代入して、第2発電量を算出する(S102)。これにより、現在時点の気象情報に近い条件において、過去における発電量を予測できる。第1予測部11cは、算出した第2発電量に関するデータを抽出情報テーブル12cに格納する。
【0059】
次に、誤差算出部11dは、過去情報テーブル12aから第3気象情報に対応する第3発電量を読み込む(S103)。誤差算出部11dは、第2発電量と第3発電量の誤差を算出する(S104)。これにより、現在時点の気象情報に近い条件において、計測された発電量と予測された発電量との誤差を算出できる。誤差算出部11dは、第3発電量および誤差に関するデータを抽出情報テーブル12cに格納する。
【0060】
次に、誤差算出部11dは、複数の誤差の絶対値の最も小さい値から大きい値になる方向に加算したとき、誤差の数(データ個数)が誤差の総数(総データ個数)に対して所定の割合を示す第1誤差(+第1誤差および−第1誤差)を特定する(S105)。これにより、所望の精度範囲における1つあるいは複数の第1誤差を特定することができる。第1誤差を特定手法については、上述したとおりである。誤差算出部11dは、第1誤差に関するデータを予測情報テーブル12dに格納する。
【0061】
次に、第2予測部11eは、回帰式情報テーブル12bから回帰式を読み込み、予測情報テーブル12dから第4気象情報を読み込む。第2予測部11eは、回帰式に第4気象情報を代入して、第4発電量を算出する(106)。さらに、第4発電量に+第1誤差1を加えて+側の第5発電量を算出し、第4発電量に−第1誤差1を加えて−側の第5発電量を算出する(S107)。また、同様に、第4発電量に+第1誤差2および−第1誤差2を加えて、+側および−側の第5発電量を算出する。これにより、将来時間において、予測される発電量の範囲を明確にできる。第2予測部11eは、算出した第5発電量に関するデータを予測情報テーブル12dに格納する。
【0062】
次に、グラフ作成部11fは、発電量予測部11eで算出された第5発電量を、図4に示すように、グラフ化する(S108)。グラフ作成部11fは、グラフ化したデータを予測情報テーブル12dに格納して、処理を終了する。
【0063】
===まとめ===
以上説明したように、本実施形態に係る発電量予測装置10は、過去の所定の時間(第1時間)において計測された複数の第1発電量と、過去の所定の時間(第1時間)において計測された気象状態を示す複数の第1気象情報と、に基づいて回帰式を作成する回帰分析部11aと、現在において計測された気象情報を示す第2気象情報と近似する、過去の所定の時間(第2時間)において計測された気象状態を示す複数の第3気象情報を取得する取得部11bと、第3気象情報と、回帰式と、に基づいて、過去の所定の時間(第2時間)において予測された複数の第2発電量を算出する第1予測部11cと、第2発電量と、過去の所定の時間(第2時間)において計測された第3発電量と、の差を示す誤差を算出するとともに、算出された複数の誤差を絶対値の最も小さい値から大きい値になる方向に加算したときの誤差の数が、誤差の総数に対して、所定の割合を示すときの誤差の値を第1誤差とする誤差算出部11dを備える。本実施形態によれば、再エネ発電設備100の将来時間における予測する発電量のとり得る範囲を明確に把握することができるため、系統電力(不図示)を正確に調整することができる。
【0064】
又、本実施形態に係る発電量予測装置10は、回帰式と、将来の所定の将来時間における気象状態を示す第4気象情報と、に基づいて、将来時間における第4発電量を算出するとともに、第4発電量に第1誤差を加算して第5発電量を算出する第2予測部11eと、を備える。本実施形態によれば、第1誤差のみならず、第1誤差を反映させた発電量を予測できるため、操作員の作業効率の向上を図ることができる。
【0065】
又、本実施形態に係る発電量予測装置10は、第1気象情報、第2気象情報および第3気象情報には、少なくとも日射量情報が含まれている。本実施形態によれば、太陽光発電設備に対して発電量を予測することができる。
【0066】
又、本実施形態に係る発電量予測装置10は、第1気象情報、第2気象情報および第3気象情報には、少なくとも風速情報が含まれている。本実施形態によれば、風力発電設備に対して発電量を予測することができる。
【0067】
又、本実施形態に係る発電量予測装置10は、第5発電量をグラフ化するグラフ作成部11fをさらに備える。本実施形態によれば、操作員が視覚的に予測された発電量を確認できるため、操作性の向上が図れる。
【0068】
===その他の実施形態===
上記において、演算処理部11は、第2予測部11eを有するとして説明したが、これに限定されない。演算処理部11には、第2予測部11eが含まれていなくてもよく、第1誤差を算出することができればよい。第2予測部11eの機能は、発電量予測装置10とは異なる装置により実現できればよい。
【0069】
上記において、演算処理部11は、グラフ作成部11fを有するとして説明したが、これに限定されない。演算処理部11にはグラフ作成部11fが含まれていなくてもよく、発電量予測装置10とは異なる装置によりグラフが作成できればよい。
【0070】
上記において、第2気象情報は過去において計測された気象情報であるとして説明したが、これに限定されない。第2気象情報は、将来時間において予測される気象情報でもよい。この場合、取得部は、将来時間において予測された第2気象情報と近似する第3気象情報を取得する。これにより、誤差算出部11dで算出される第1誤差は、将来時間における予測される誤差となる。
【0071】
尚、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得るとともに、本発明にはその等価物も含まれる。
【符号の説明】
【0072】
10 発電量予測装置
11a 回帰分析部
11b 取得部
11c 第1予測部
11d 誤差算出部
11e 第2予測部
11f グラフ作成部
100 再エネ発電設備
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9