特開2018-207762(P2018-207762A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-207762(P2018-207762A)
(43)【公開日】2018年12月27日
(54)【発明の名称】給電システム
(51)【国際特許分類】
   B60L 11/18 20060101AFI20181130BHJP
   B60L 9/18 20060101ALI20181130BHJP
   B60L 7/14 20060101ALI20181130BHJP
   H02M 7/48 20070101ALI20181130BHJP
   H02J 50/20 20160101ALI20181130BHJP
   H02J 50/05 20160101ALI20181130BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20181130BHJP
   H02J 50/12 20160101ALI20181130BHJP
【FI】
   B60L11/18 C
   B60L9/18 J
   B60L7/14
   H02M7/48 T
   H02J50/20
   H02J50/05
   H02J7/00 P
   H02J7/00 301D
   H02J50/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2017-114625(P2017-114625)
(22)【出願日】2017年6月9日
(71)【出願人】
【識別番号】000006286
【氏名又は名称】三菱自動車工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100174366
【弁理士】
【氏名又は名称】相原 史郎
(72)【発明者】
【氏名】谷口 雅彦
【テーマコード(参考)】
5G503
5H125
5H770
【Fターム(参考)】
5G503AA01
5G503AA07
5G503BA03
5G503BB01
5G503CC02
5G503CC08
5G503DA07
5G503DA08
5G503FA06
5G503GB08
5H125AA01
5H125AC12
5H125AC23
5H125AC24
5H125AC26
5H125AC27
5H125AC28
5H125BB00
5H125BC21
5H125CB02
5H125CD04
5H125EE49
5H125FF16
5H770AA29
5H770BA02
5H770CA02
5H770CA06
5H770DA03
5H770DA10
5H770DA41
5H770FA13
5H770JA17Y
5H770JA17Z
(57)【要約】
【課題】高電圧に対応可能に構成すると共に、整流器を搭載せずに車両の外部からの交流電力による給電を直流電力に変換する。
【解決手段】車両(1)に設けられ、車両を駆動するための電力を蓄電し、直流電力を放電するバッテリ(13)と、交流電力を供給されて駆動することで車両を走行させ、車両を減速させることで交流電力を発電する交流モータ(3)と、バッテリと直流電力を通電可能に接続し、交流モータと交流電力を通電可能に接続し、バッテリから供給される直流電力を交流電力に変換して交流モータに供給するとともに交流モータが発電する交流電力を直流電力に変換してバッテリに給電する交流モータ用直交流変換部(42)と、交流モータ用直交流変換部と交流モータとを通電可能に接続する交流回線(34)と、交流回線に通電可能に接続し、車両の外部からエネルギを供給され、交流電力を通電する外部電力供給手段(24,26)とを備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に設けられ、前記車両を駆動するための電力を蓄電し、直流電力を放電するバッテリと、
交流電力を供給されて駆動することで前記車両を走行させ、前記車両を減速させることで交流電力を発電する交流モータと、
前記バッテリと直流電力を通電可能に接続し、前記交流モータと交流電力を通電可能に接続し、前記バッテリから供給される直流電力を交流電力に変換して前記交流モータに供給するとともに前記交流モータが発電する交流電力を直流電力に変換して前記バッテリに給電する交流モータ用直交流変換部と、
前記交流モータ用直交流変換部と前記交流モータとを通電可能に接続する交流回線と、
前記交流回線に通電可能に接続し、前記車両の外部からエネルギを供給され、交流電力を通電する外部電力供給手段と、
を備える給電システム。
【請求項2】
前記車両の外部から供給するエネルギは電力であり、
前記外部電力供給手段は、交流電力を供給する有線式給電システムである、請求項1に記載の給電システム。
【請求項3】
前記車両の外部から供給するエネルギは電磁波であり、
前記外部電力供給手段は、電磁コイルを有する非接触式給電システムである、請求項1に記載の給電システム。
【請求項4】
前記車両の外部から供給するエネルギは磁界であり、
前記外部電力供給手段は、受電コイル及び送電コイルを有する非接触給電システムである、請求項1に記載の給電システム。
【請求項5】
前記車両の外部から供給するエネルギは電界であり、
前記外部電力供給手段は、受電電極及び送電電極を有する非接触給電システムである、請求項1に記載の給電システム。
【請求項6】
前記車両の外部から供給するエネルギはマイクロ波であり、
前記外部電力供給手段は、受電アンテナ及び送電アンテナを有する非接触給電システムである、請求項1に記載の給電システム。
【請求項7】
前記交流モータと前記外部電力供給手段との接続を通電状態と遮断状態とに切替可能なモータスイッチを更に有する、請求項1〜6のいずれかに記載の給電システム。
【請求項8】
前記車両を乗員によって走行モードまたは走行モード以外のモードに選択操作可能な走行モード選択手段と、
前記モータスイッチを制御可能な制御手段とを更に有し、
前記制御手段は、乗員によって前記走行モード選択手段が走行モード以外のモードに選択操作されるとき、前記モータスイッチを遮断状態にする、請求項7に記載の給電システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は給電システムに係り、特に交流電力によるバッテリの給電を効率よく行う技術に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、モータジェネレータ(以下、単にモータという)を搭載した電気自動車が普及している。このような電気自動車は、車両の走行のためにモータが消費する電力や、所謂回生ブレーキによってモータが発電する電力を蓄電するために、バッテリを搭載している。
また、車両の外部からバッテリに給電する方法として、車両に給電コネクタを接続して直流電力や交流電流を用いて給電する方法や、車両にコイルを搭載し、外部からの電磁波による電磁誘導によってコイルに交流の誘導電力を発生させてバッテリに給電する方法がある。給電コネクタを接続しない方法にはこの電磁誘導方式以外にも、磁界を利用した磁界共鳴方式、電界を利用した電界結合方式、マイクロ波を利用した電波受信方式などがあり、いずれも車両側には交流電力が発生する。
【0003】
しかしながら、交流電力を用いて給電する場合、交流電力を直流電力に変換してバッテリに給電する必要があるため、交流電力を直流電力に変換するために車両にダイオードで構成された整流器を搭載している(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013−99145号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に開示される技術では、交流電力を直流電力に変換するために車両に搭載した整流器は、給電する電力の電力が大きくなるほど耐電力性の高い大型のものを使用する必要がある。即ち、給電コネクタを接続して給電する交流電力や電磁誘導によって給電する交流の誘導電力を大きくして給電するためには、大型の整流器を車両に搭載する必要があるため、車両重量を増加させることになり、好ましいことではない。
【0006】
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、大電力に対応可能に構成すると共に、整流器を搭載せずに車両の外部からの交流電力による給電を直流電力に変換することができる給電システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するため、本発明の給電システムは、車両に設けられ、車両を駆動するための電力を蓄電し、直流電力を放電するバッテリと、交流電力を供給されて駆動することで車両を走行させ、車両を減速させることで交流電力を発電する交流モータと、バッテリと直流電力を通電可能に接続し、交流モータと交流電力を通電可能に接続し、バッテリから供給される直流電力を交流電力に変換して交流モータに供給するとともに交流モータが発電する交流電力を直流電力に変換してバッテリに給電する交流モータ用直交流変換部と、交流モータ用直交流変換部と交流モータとを通電可能に接続する交流回線と、交流回線に通電可能に接続し、車両の外部からエネルギを供給され、交流電力を通電する外部電力供給手段とを備えることを特徴とする。
【0008】
これにより、車両の外部から供給されるエネルギとして例えば交流電力を外部電力供給手段に供給し、外部電力供給手段から交流電力を交流モータ用直交流変換部と交流モータとを通電可能に接続する交流回線に通電し、交流モータ用直交流変換部によって直流電力に変換してバッテリを給電することで、外部電力供給手段から供給される交流電力を直流電力に変換するコンバータ等を別途設けることなく、大電力に対応可能な交流モータ用直交流変換部を利用して交流モータが発電する交流電力を直流電力に変換してバッテリに給電するのと同様にバッテリに給電することが可能とされる。
【0009】
その他の態様として、車両の外部から供給するエネルギは電力であり、外部電力供給手段は、交流電力を供給する有線式給電システムであるのが好ましい。
これにより、車両の外部から供給するエネルギとして電力を用い、外部電力供給手段として交流電力を供給する有線式給電システムを用いて給電することで、直流電力に変換することなく、急速給電のために車両の外部から大きな電力を供給することができ、有線式給電システムに通電させてバッテリに給電することが可能とされる。
【0010】
その他の態様として、車両の外部から供給するエネルギは電磁波であり、外部電力供給手段は、電磁コイルを有する非接触式給電システムであるのが好ましい。
これにより、車両の外部から供給するエネルギとして電磁波を用い、非接触式給電システムが有する電磁コイルを用いて電磁誘導を発生させ、誘導電力、即ち交流電力を給電することで、給電コネクタ等を接続させることなくバッテリに給電することが可能とされる。
【0011】
その他の態様として、前記車両の外部から供給するエネルギは磁界であり、前記外部電力供給手段は、受電コイル及び送電コイルを有する非接触給電システムであるのが好ましい。
これにより、車両の外部から供給するエネルギとして磁界を用い、非接触式給電システムが有する受電コイル及び送電コイルを用いて磁界共鳴を発生させ、磁界共鳴によって交流電力を給電することで、給電コネクタ等を接続させることなくバッテリに給電することが可能とされる。
【0012】
その他の態様として、前記車両の外部から供給するエネルギは電界であり、前記外部電力供給手段は、受電電極及び送電電極を有する非接触給電システムであるのが好ましい。
これにより、車両の外部から供給するエネルギとして電界を用い、非接触式給電システムが有する受電電極及び送電電極を用いて電界共鳴を発生させ、電界共鳴によって交流電力を給電することで、給電コネクタ等を接続させることなくバッテリに給電することが可能とされる。
【0013】
その他の態様として、前記車両の外部から供給するエネルギはマイクロ波であり、前記外部電力供給手段は、受電アンテナ及び送電アンテナを有する非接触給電システムであるのが好ましい。
これにより、車両の外部から供給するエネルギとしてマイクロ波を用い、非接触式給電システムが有する受電アンテナ及び送電アンテナを用いてマイクロ波を送受電し、受電することによって交流電力を給電することで、給電コネクタ等を接続させることなくバッテリに給電することが可能とされる。
【0014】
その他の態様として、交流モータと外部電力供給手段との接続を通電状態と遮断状態とに切替可能なモータスイッチを更に有するのが好ましい。
これにより、モータスイッチによって交流モータと外部電力供給手段との接続を通電状態と遮断状態とに切替可能にすることで、外部電力供給手段によって交流電力を供給するときにモータスイッチを遮断状態にし、給電による電力が交流モータに供給されることを防止することが可能とされる。
【0015】
その他の態様として、車両を乗員によって走行モードまたは走行モード以外のモードに選択操作可能な走行モード選択手段と、モータスイッチを制御可能な制御手段とを更に有し、制御手段は、乗員によって走行モード選択手段が走行モード以外のモードに選択操作されるとき、モータスイッチを遮断状態にするのが好ましい。
これにより、乗員によって走行モード選択手段が走行モード以外のモードに選択操作されるとき、制御手段によってモータスイッチを遮断状態にすることで、走行モード以外の場合は交流モータを駆動させる場合はなく、一方、給電をする可能性はあるため、予めモータスイッチを遮断状態にしておくことが可能とされる。
【発明の効果】
【0016】
本発明の給電システムによれば、車両の外部から供給されるエネルギとして例えば交流電力を外部電力供給手段に供給し、外部電力供給手段から交流電力を交流モータ用直交流変換部と交流モータとを通電可能に接続する交流回線に通電し、交流モータ用直交流変換部によって直流電力に変換してバッテリを給電するようにしたので、外部電力供給手段から供給される交流電力を直流電力に変換するコンバータ等を別途設けることなく、大電力に対応可能な交流モータ用直交流変換部を利用して交流モータが発電する交流電力を直流電力に変換してバッテリに給電するのと同様にバッテリに給電することができる。
【0017】
従って、例えば、車両の外部から供給するエネルギとして電磁波を用い、非接触式給電システムが有する電磁コイルを用いて電磁誘導を発生させ、誘導電力、即ち交流電力を給電することにより、急速給電のために高エネルギの電磁波を供給することができ、給電コネクタ等を接続させることなくバッテリに給電することができる。
これにより、大電力に対応可能に構成すると共に、別途整流器を搭載せずに車両の外部からの交流電力による給電を直流電力に変換することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明に係る給電システムが搭載された車両の概略構成図である。
図2】充放電回路の回路図である。
図3】ECUが実行する、本発明に係る給電システムの制御手順を示すルーチンのフローチャートである。
図4】別実施例における充放電回路の回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面に基づき本発明の一実施形態について説明する。
図1を参照すると、本発明に係る給電システムが搭載された車両1の概略構成図が示されている。
車両1は電気自動車であり、モータ(交流モータ)3、減速機5、ドライブシャフト7、駆動輪9、従動輪11、バッテリ13、充放電回路15が搭載されている。
【0020】
バッテリ13は、繰り返し充放電が可能な所謂二次電池であり、例えば車両1の後部に配設される。
モータ3は、例えば車両1の前部に配設された所謂三相交流モータであり、充放電回路15を介してバッテリ13と通電可能に接続している。詳しくは、モータ3は、三相交流電力(以下、単に交流電力という)が通電することで、モータ3内の図示しない複数のコイルがそれぞれ交流電力の周期に合わせて電磁波を発生し、モータ3内の図示しない導体が回転して駆動力が発生する(駆動)。また、モータ3は、外部からの駆動力を受けて導体が回転する時、モータ3内で導体と複数のコイルとの間に発生する電磁誘導によって誘導電流が発生する(発電)。
【0021】
減速機5は、複数のギアで構成されており、モータ3及びドライブシャフト7と駆動力を増減速して伝達可能に接続している。詳しくは、モータ3が駆動力を減速機5に伝達する時、減速機5内の複数のギアによって該駆動力のトルクを増加させると共に回転速度を低下させ、ドライブシャフト7に伝達可能となっている。ドライブシャフト7は、一端が減速機5に駆動力を伝達可能に接続し、他端が駆動輪9に駆動力を伝達可能に接続している。これにより、モータ3と駆動輪9は、減速機5及びドライブシャフト7を介して駆動力のトルクと回転速度とを増減させて連動可能となっている。
【0022】
図2を参照すると、充放電回路15の回路図が示されており、充放電回路15は、インバータ20、DC給電システム22、AC給電システム24、非接触給電システム(外部電力供給手段、非接触式給電システム)26によって構成されている。
インバータ20は、モータ回線40、インバータ主回路(交流モータ用直交流変換部)42、平滑回路44で構成されている。
【0023】
モータ回線40は、モータ3に通電するAC主回線(交流回線)34と通電可能に接続している。また、モータ回線40は、モータスイッチ40aが直列接続している。モータスイッチ40aは、AC主回線34との接続状態をON(通電状態)またはOFF(遮断状態)に切替可能に設けられたスイッチである。
インバータ主回路42は、例えば高電圧の電力に対応可能なスイッチング素子であるIGBTと整流素子である寄生ダイオードとから構成されたチョッパ回路42aを、モータ回線40の各相が接続する短絡線42bに各相が接続する接続点を挟むように配設して構成されている。これにより、各IGBTをそれぞれターンオン又はターンオフするように制御することで、モータ回線40が接続するAC主回線34の各相のうちバッテリ13から供給される電力が流れる相を選択可能となっている。また、モータ3が発電をして交流電力をインバータ主回路42に通電すると、チョッパ回路42a内の寄生ダイオードによって直流電力に変換することが可能となっている。
【0024】
平滑回路44は、コンデンサやインダクタによって構成されており、インバータ主回路42よりバッテリ13側に配設され、バッテリ13に通ずるDC主回線30に接続している。これにより、平滑回路44は、モータ3が発電したあとチョッパ回路42a内の寄生ダイオードによって直流電力に変換された矩形波電流、矩形波電圧の電力を平滑化することが可能となっている。
【0025】
このようにしてインバータ主回路42がモータ回線40の各相のうち電流が流れる相を選択することで、バッテリ13から供給される直流電力をモータ3が駆動可能な交流電力に変換することができる。故に車両1は、モータ3が駆動して駆動輪9を駆動することで加速することが可能となっている(加速状態)。
また、車両1が例えば惰性走行によってモータ3の駆動によらず駆動輪9を駆動させるとき、モータ3は、駆動輪9と連動して発電する。発電した交流電力は、インバータ主回路42によって直流電力に変換され、平滑回路44によって平滑化されてバッテリ13に給電される。また、車両1は、モータ3が発電するときに駆動輪9の回転方向に対して反対方向に回転力がかかることを利用して、駆動輪9を減速させて車両1を制動することができる(回生状態)。即ち、車両1は、乗員が図示しないアクセルペダルやブレーキペダルを踏圧して加速状態や回生状態を作動させるように操作することで走行可能となっている(走行モード)。
【0026】
AC給電システム24は、車両1の外部から電力をバッテリ13に給電するためにDC主回線30に並列接続している。詳しくは、図示しないAC給電プラグをAC給電コネクタ24aに装着し、AC給電コンバータ24bによってAC給電プラグから供給される交流電力を直流電力に変換し、平滑化してからバッテリ13に給電(AC給電モード)するシステムである。なお、AC給電モードは、家庭用電源等、小型の設備で給電できることから、一般的に普通給電と言われている。
【0027】
DC給電システム22は、AC給電システム24同様に車両1の外部から電力をバッテリ13に給電するためにDC主回線30に並列接続しており、AC給電システム24との相違点は、交流電力ではなく、直流電力をバッテリ13に直接供給することである。即ち、DC給電システム22は、図示しないDC給電プラグをDC給電コネクタ22aに装着し、車両1の外部から高電圧の直流電力をバッテリ13にコンバータ等を介さずに給電(DC給電モード)するシステムである。なお、DC給電モードは、車両1内でコンバータ等を用いて交流電力を直流電力に変換する必要や電流を平滑化する必要もないため、コンバータ等の耐電力を考慮せずにAC給電システム24と比較して大電力の電力を供給でき、急速に給電を完了させることができるので、一般的に急速給電と言われている。
【0028】
更に、非接触給電システム26は、車載コイル26aとマッチング回路26bとで構成されており、AC主回線34の例えばU相34uとW相34wに、モータスイッチ40aとインバータ主回路42とに挟まれるように通電可能に並列接続している。
車載コイル26aは、例えば車両1の最下部に設けられており、車両1の下方に給電コイル50が配設された駐車場から電磁波を受けることで交流電力である誘導電流を電磁誘導によって発生させている。該誘導電流は、例えばマッチング回路26bによってインピーダンス等を調整されてインバータ20に通電する。即ち、非接触給電システム26は、給電コイル50から受けた電磁波によって交流電力を発生させてAC主回線に通電させ、回生状態においてモータ3が発電した交流電力と同様にして直流電力に変換されてバッテリ13を給電する(非接触給電モード)。
【0029】
これら各モードを乗員の意思によって作動させるために、図示しない車室内には、走行モード切替スイッチ(走行モード選択手段)52や非接触給電開始スイッチ54が設けられている。なお、車両1の施錠を遠隔操作によって行うことが可能な所謂キーレスや、所謂スマートフォンなどの乗員所有の端末に走行モード切替スイッチ(走行モード選択手段)52や非接触給電開始スイッチ54を設けるようにして操作可能となるようにしてもよく、乗員の意思によって各モードを選択することができればよい。
【0030】
走行モード切替スイッチ52は、乗員の意思によってON操作またはOFF操作可能なスイッチであり、ON操作することで後述するECU60を走行モードに切替可能となっている。
非接触給電開始スイッチ54も同様に、乗員の意思によってON操作またはOFF操作可能なスイッチであり、ON操作することで後述するECU60を非接触給電モードに切替可能となっている。
【0031】
また更に、DC給電コネクタ22aやAC給電コネクタ24aには、例えばセンサがそれぞれに設けられている。DC給電コネクタ22aやAC給電コネクタ24aは、センサによって各給電コネクタに給電プラグが接続されているか否かを検出し、AC給電モードやDC給電モードに切替可能となっている。なお、センサの代わりにボタンスイッチでもよく、各給電コネクタに給電プラグが接続されているか否かを検出できればよい。
【0032】
各モードの制御を実施するために車両1には、ECU(制御手段)60が配設されている。
ECU60は、インバータ20内のインバータ主回路42の制御をはじめとして総合的な制御を行うための制御装置であり、入出力装置、記憶装置(ROM、RAM、不揮発性RAM等)、中央処理装置(CPU)等を含んで構成されている。
【0033】
図3を参照すると、ECU60が実行する、本発明に係る給電システムの制御手順を示すルーチンがフローチャートで示されおり、以下、同フローチャートに沿い説明する。
本ルーチンは、走行モード切替スイッチ52がON操作またはOFF操作をすることでスタートする。
ステップS10では、乗員によって走行モード切替スイッチ52のON操作がされたか否かを判別する。乗員によって走行モード切替スイッチ52のON操作がされたと判別する場合、ステップS12に移行してモータスイッチ40aをONにする。その後、ステップS14に移行してECU60を走行モードに切り替えて本ルーチンを終了する。また、乗員によって走行モード切替スイッチ52のOFF操作がされたと判別する場合、ステップS20に移行してモータスイッチ40aをOFFにし、ステップS22に移行する。
【0034】
ステップS22では、DC給電コネクタ22aに給電プラグが接続しているか否かを判別する。DC給電コネクタ22aに給電プラグが接続していると判別する場合は、ステップS24に移行してECU60をDC給電モードに切り替えて本ルーチンを終了する。また、DC給電コネクタ22aに給電プラグを接続していないと判別する場合は、ステップS26に移行する。
【0035】
ステップS26では、ステップS22と同様に、AC給電コネクタ24aに給電プラグが接続しているか否かを判別する。AC給電コネクタ24aに給電プラグが接続していると判別する場合は、ステップS28に移行してECU60をAC給電モードに切り替えて本ルーチンを終了する。また、AC給電コネクタ24aに給電プラグを接続していないと判別する場合は、ステップS30に移行する。
【0036】
ステップS30では、乗員によって非接触給電開始スイッチ54のON操作がされたか否かを判別する。乗員によって非接触給電開始スイッチ54のON操作がされたと判別する場合は、ステップS32に移行してECU60を非接触給電モードに切り替えて本ルーチンを終了する。また、乗員によって非接触給電開始スイッチ54のON操作がされていないと判別するときは、いずれのモードにも切り替えずに本ルーチンを終了する。
【0037】
即ち、乗員によって走行モード切替スイッチ52のOFF操作がされたと判別する場合は、DC給電モード、AC給電モード、非接触給電モード(以下、総称して給電モードという)のうち、いずれかのモードにECU60を切り替えるか、一切のモードにもならずに駐車状態になる。このとき、給電モードでは必要のないモータ3への電力の供給を遮断するため、モータスイッチ40aをOFFにする。これにより、非接触給電モードにおいて電磁誘導によって発生する誘導電流がモータ3に通電することを防止可能となっている。
【0038】
図4を参照すると、別実施例における充放電回路15の回路図が示されており、以下図4に基づき、別実施例について説明する。AC主回線34には、大電力AC給電システム(外部電力供給手段、有線式給電システム)124が並列接続している。大電力AC給電システム124とAC給電システム24との相違点は、大電力AC給電システム124にはAC給電コンバータ24bに相当するコンバータ等の交流電力と直流電力とを変換する回路が無いことである。即ち、AC給電モードのとき、AC給電コネクタ24aから供給される大電力の交流電力は、AC給電コンバータ24bの代わりにインバータ主回路42によって直流電力に変換される。その後、非接触給電モードと同様に平滑回路44によって平滑化されてバッテリ13に給電される。
【0039】
以上説明したように、本発明に係る給電システムでは、車両1に設けられ、車両1を駆動するための電力を蓄電し、直流電力を放電するバッテリ13と、交流電力を供給されて駆動することで車両1を走行させ、車両1を減速させることで交流電力を発電するモータ3と、バッテリ13と直流電力を通電可能に接続し、モータ3と交流電力を通電可能に接続し、バッテリ13から供給される直流電力を交流電力に変換してモータ3に供給するとともにモータ3が発電する交流電力を直流電力に変換してバッテリ13に給電するインバータ主回路42と、インバータ主回路42とモータ3とを通電可能に接続するAC主回線34と、AC主回線34に通電可能に接続し、車両1の外部からエネルギが供給されて交流電力を通電するAC給電システム24とを備えている。
【0040】
従って、車両1の外部から供給されるエネルギとして電磁波を用い、非接触給電システム26が有する車載コイル26aを用いて電磁誘導を発生させ、誘導電力、即ち交流電力を非接触給電システム26からインバータ主回路42とモータ3とを通電可能に接続するAC主回線34に通電し、インバータ主回路42によって直流電力に変換してバッテリ13を給電するようにしたので、非接触給電システム26から供給される交流電力を直流電力に変換するコンバータ等を別途設けることなく、大電力に対応可能なインバータ主回路42を利用してモータ3が発電する交流電力を直流電力に変換してバッテリ13に給電するのと同様にバッテリ13に給電することができる。
【0041】
更に、非接触給電システム26を車両1に搭載したことにより、急速給電のために高エネルギの電磁波を供給することができ、給電コネクタ等を接続することなくバッテリ13に給電することができる。
そして、別実施例では、車両1の外部から供給するエネルギとして交流電力を用い、交流電力を供給する大電力AC給電システム124を用いて給電するようにしたので、直流電力に変換することなく急速給電のために車両1の外部から高電圧の電力を供給することができ、大電力AC給電システム124に通電させてバッテリ13に給電することができる。
【0042】
そして、モータスイッチ40aによってモータ3とAC給電システム24との接続を通電状態と遮断状態とに切替可能にしたので、AC給電システム24によって交流電力を供給するときにモータスイッチ40aを遮断状態にすることで、給電による電力がモータ3に供給されることを防止することができる。
更に、車両1を乗員によって走行モードまたは走行モード以外のモードに選択操作可能な走行モード切替スイッチ52と、モータスイッチ40aを制御可能なECU60とを更に有し、ECU60は、乗員によって走行モード切替スイッチ52が走行モード以外のモードに選択操作されるとき、モータスイッチ40aを遮断状態にするようにしたので、走行モード以外の場合はモータ3を駆動させる場合はなく、給電する可能性がある場合であるため、予めモータスイッチ40aを遮断状態にしておくことができる。
【0043】
以上で本発明に係る給電システムの説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
例えば、本実施形態では、車両1を電気自動車として説明したが、エンジンを搭載した所謂ハイブリット自動車や燃料電離を搭載した燃料電池自動車でもよく、車両1にモータ3とバッテリ13が搭載され、通電可能に接続できればよい。
【0044】
また、本実施形態では、交流モータとして三相交流モータを用いて説明したが、交流電流を利用して駆動及び発電するモータであればよい。
また、本実施形態では、走行モード切替スイッチ52を切り替えることでモータスイッチ40aを通電状態または遮断状態にしているが、非接触給電開始スイッチ54をON操作したときにモータスイッチ40aを遮断状態にするようにしてもよい。
【0045】
また、本実施形態では、非接触給電システムとして、電磁波を利用した電磁誘導方式を用いているが、車載コイル26aに代わり受電コイルを車両に搭載し、給電コイル50に代わり受電コイルと同じ共鳴周波数を有する送電コイルを配設し、磁気共鳴によって電力を流して給電する磁界共鳴方式や、車載コイル26aに代わり受電電極を搭載し、給電コイル50に代わり送電電極を配設し、両電極間で発生させる電界を利用した電界結合方式、車載コイル26aに代わり受電アンテナを車両に搭載し、給電コイル50に代わり送電アンテナを配設し、送電アンテナから発せられるマイクロ波を受電アンテナで受信する電波受信方式であってもよく、車両側に交流を出力する方式であれば良い。
【符号の説明】
【0046】
1 車両
3 モータ(交流モータ)
13 バッテリ
26 非接触給電システム(外部電力供給手段、非接触式給電システム)
26a 車載コイル(電磁コイル)
34 AC主回線(交流回線)
40a モータスイッチ
42 インバータ主回路(交流モータ用直交流変換部)
52 走行モード切替スイッチ(走行モード選択手段)
60 ECU(制御手段)
124 大電力AC給電システム(外部電力供給手段、有線式給電システム)
図1
図2
図3
図4