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特開2018-207773自動車両ワイパーシステム用ギアードモータ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-207773(P2018-207773A)
(43)【公開日】2018年12月27日
(54)【発明の名称】自動車両ワイパーシステム用ギアードモータ
(51)【国際特許分類】
   H02K 7/116 20060101AFI20181130BHJP
   H02K 5/16 20060101ALI20181130BHJP
   H02K 15/02 20060101ALI20181130BHJP
   B60S 1/08 20060101ALI20181130BHJP
【FI】
   H02K7/116
   H02K5/16 Z
   H02K15/02 A
   B60S1/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
【外国語出願】
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2018-105920(P2018-105920)
(22)【出願日】2018年6月1日
(31)【優先権主張番号】1754892
(32)【優先日】2017年6月2日
(33)【優先権主張国】FR
(71)【出願人】
【識別番号】512092737
【氏名又は名称】ヴァレオ システム デシュヤージュ
【氏名又は名称原語表記】VALEO SYSTEMES D’ESSUYAGE
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100082991
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 泰和
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【弁理士】
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100164688
【弁理士】
【氏名又は名称】金川 良樹
(72)【発明者】
【氏名】ジョゼ−ルイ、エラッダ
【テーマコード(参考)】
3D025
5H605
5H607
5H615
【Fターム(参考)】
3D025AE02
3D025AE57
5H605AA08
5H605BB10
5H605CC04
5H605CC05
5H605EA06
5H605EB01
5H605EB15
5H605GG06
5H605GG12
5H607BB09
5H607BB14
5H607CC03
5H607DD03
5H607EE31
5H607GG00
5H607JJ04
5H607JJ05
5H615AA01
5H615BB07
5H615BB14
5H615PP24
5H615PP25
5H615SS03
5H615SS18
(57)【要約】      (修正有)
【課題】製造容易化を図ったギアモータを提供する。
【解決手段】電気モータ2は、ステータ4とロータ5とを備え、ステータは、ロータの電磁励起のための複数のコイル6を備え、ロータは、回転軸Lを中心とする回転動作により駆動されるように適合されたマグネットを備え、ギアモータ1は、ロータによって回転されるように構成されたモータシャフト8を更に備え、ギアモータは、モータシャフトの回転をガイドするベアリング20と、モータシャフトに付加されたベアリングを軸方向にブロックするためのブレース25と、を備え、ブレースは、モータシャフトに固着される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
特にブラシレスである直流電気モータを備える自動車両ワイパーシステム用ギアモータであって、
前記電気モータ(2)は、ステータ(4)とロータ(5)とを備え、
前記ステータ(4)は、前記ロータ(5)の電磁励起のための複数のコイル(6)を備え、
前記ロータ(5)は、回転軸を中心とする回転動作により駆動されるように適合されたマグネットを備え、
前記ギアモータ(1)は、モータシャフトとして理解される回転シャフト(8)であって、前記ロータ(4)によって回転されるように構成された回転シャフト(8)を更に備え、
前記ギアモータ(1)は、前記モータシャフト(8)の回転をガイドするベアリング(20)と、前記モータシャフトに付加された前記ベアリング(20)を軸方向にブロックするためのブレース(25)と、を備え、
前記ブレース(25)は、前記モータシャフト(8)に固着される、
ギアモータ。
【請求項2】
前記ブレース(25)はリングである、
ことを特徴とする請求項1に記載のギアモータ。
【請求項3】
前記ブレース(25)は、前記モータシャフト(8)に、クリンプ留めされる、又は溶接される、又は接着される、又はリベット留めされる、又はクランプ固定調整により嵌合される、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のギアモータ。
【請求項4】
前記モータシャフト(8)は、前記ブレース(25)を形成する前記リングを受容するための溝(26)を備え、
前記リングは、前記溝(26)内で弾性的に圧縮されて所定位置に保持される、
ことを特徴とする請求項1に記載のギアモータ。
【請求項5】
前記ベアリング(20)は、内輪(24)と外輪(23)とを備え、
前記ブレース(25)は、前記ベアリング(20)の前記内輪(24)に接触して配設される、
ことを特徴とする請求項1乃至4の一項に記載のギアモータ。
【請求項6】
前記ブレース(25)の反対側において、前記ベアリング(20)の前記内輪(24)に接触して配設される、前記ベアリング(20)を保持するための弾性リング(27)を備える、
ことを特徴とする先行請求項に記載のギアモータ。
【請求項7】
前記第1ブレース(25)の反対側において、前記ベアリング(20)の前記内輪(24)に接触して配置される第2ブレース(25’)を備え、
前記第2ブレース(25’)は、前記モータシャフト(8)に固着される、
請求項5に記載のギアモータ。
【請求項8】
前記ベアリング(20)は、前記モータシャフト(8)の端部(21)の近傍に配設される、
ことを特徴とする請求項1乃至7に記載のギアモータ。
【請求項9】
前記モータシャフトの他端部の近傍に第2ベアリングを備える、
請求項1乃至8のいずれかに記載のギアモータ。
【請求項10】
特にブラシレスである直流電気モータを備える自動車両ワイパーシステム用ギアモータの製造方法であって、
前記モータは、ステータ(2)とロータ(3)とを備え、
前記ステータ(2)は、前記ロータ(3)の電磁励起のための複数のコイル(4)を備え、
前記ロータ(3)は、回転軸を中心とする回転動作により駆動されるように適合されたマグネットを備え、
前記ギアモータは、モータシャフト(L)として理解される回転シャフトであって、前記ロータによって回転されるように構成された回転シャフトを更に備え、
前記ギアモータは、前記モータシャフトの回転をガイドするベアリングと、前記モータシャフトに付加された前記ベアリングを軸方向にブロックするためのブレースと、を備える、製造方法であって、
前記ブレースを前記モータシャフトに固着するように、前記モータシャフト及び/又は前記ブレースに機械的又は熱的変形を付与する工程を備える、
製造方法。
【請求項11】
請求項1乃至9の一項に記載のギアモータを備える自動車両ワイパーシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車両ワイパーシステム用ギアモータに関する。
【背景技術】
【0002】
ギアモータは、実質的な回転伝達トルクを得るようにモータの速度を減速させる役割を有する減速機構に結合された電気モータから実質的に構成される。
【0003】
ギアモータにおいて、様々なタイプの電気モータが使用され得る。特にブラシレス直流モータは、長い寿命、小さいサイズ及び消費量、並びに低いノイズレベル等の多くの利点を有している。
【0004】
当該電気モータの制御は、ブラシを有する電気モータよりも複雑である。なぜならば、十分な動作を可能とするためには、ブラシレス直流電気モータのロータの角度位置を正確に把握する必要があるからである。
【0005】
このようなタイプの電気モータは、ステータに配設されて、ロータの駆動を可能とするようにインバータを介して交互に給電される電磁励起コイルを備える。
【0006】
ロータは、回転軸を中心とする回転運動によって駆動されるように適合され、ギアモータのモータシャフトとして知られるシャフトを回転させる。
【0007】
ギアモータの動作を最適にするように、モータシャフトの回転動作をガイドする少なくとも1つのベアリングを設けることが知られている。
【0008】
このようなタイプのベアリングは、転動体を有するケージによって離間した内輪と外輪とを備え、内輪の動作は、外輪の動作から分離されている。
【0009】
ベアリングをブロックして、これによりモータシャフトの回転中に受ける軸方向力にベアリングが耐え得るようにすることが好適である。
【0010】
内輪をモータシャフトに溶接するという解決策が想定される。
【0011】
しかしながら、この解決策は多くの欠点を有する。なぜならば、ベアリングは、鋼製であることが多く結果として溶接が難しいというだけでなく、溶接に必要な高い熱の増加によりリングの転動体に傷が付いてしまう。
【0012】
このようなタイプの傷は、ベアリングの修復できない不良動作、ひいてはギアモータの不良動作の原因となる。
【発明の概要】
【0013】
本発明の目的は、このような状況を改善することである。
【0014】
この目的のために、本発明は、特にブラシレスである直流電気モータを備える自動車両ワイパーシステム用ギアモータであって、前記モータは、ステータとロータとを備え、前記ステータは、前記ロータの電磁励起のための複数のコイルを備え、前記ロータは、回転軸を中心とする回転動作により駆動されるように適合されたマグネットを備え、前記ギアモータは、モータシャフトとして理解される回転シャフトであって、前記ロータによって回転されるように構成された回転シャフトを更に備え、前記ギアモータは、前記モータシャフトの回転をガイドするベアリングと、前記モータシャフトに付加された前記ベアリングを軸方向にブロックするためのブレースと、を備え、前記ブレースは、前記モータシャフトに固着されるギアモータ、に関する。
【0015】
したがって、本発明によるギアモータにより、ベアリングは、ブレースによってブロックされ、ブレースそれ自体はモータシャフトに固着される。
【0016】
ブレースをモータシャフトに固着するように、モータシャフト及び/又はブレースに、例えば機械的又は熱的変形を付与し、且つベアリング自体には手を加えないことが可能である。
【0017】
本発明の他の特徴によれば、ブレースはリングである。
【0018】
本発明の他の特徴によれば、ブレースは、モータシャフトに、クリンプ留めされる、又は溶接される、又は接着される、又はリベット留めされる、又はクランプ固定調整により嵌合される。
【0019】
本発明の他の特徴によれば、モータシャフトは、ブレースを形成するリングを受容するための溝を備え、リングは、溝内で弾性的に圧縮されて所定位置に保持される。
【0020】
本発明の他の特徴によれば、ベアリングは、内輪と外輪とを備え、ブレースは、ベアリングの内輪に接触して配設される。
【0021】
本発明の他の特徴によれば、ギアモータは、ブレースの反対側において、ベアリングの内輪に接触して配設される、ベアリングを保持するための弾性リングを備える。
【0022】
本発明の他の特徴によれば、ギアモータは、第1ブレースの反対側において、ベアリングの内輪に接触して配置される第2ブレースを備え、第2ブレースは、モータシャフト固着される。
【0023】
本発明の他の特徴によれば、ベアリングは、モータシャフトの端部の近傍に配設される。
【0024】
また、本発明は、特にブラシレスである直流電気モータを備える自動車両ワイパーシステム用ギアモータの製造方法であって、前記モータは、ステータとロータとを備え、前記ステータは、前記ロータの電磁励起のための複数のコイルを備え、前記ロータは、回転軸を中心とする回転動作により駆動されるように適合されたマグネットを備え、前記ギアモータは、モータシャフトとして理解される回転シャフトであって、前記ロータによって回転されるように構成された回転シャフトを更に備え、前記ギアモータは、前記モータシャフトの回転をガイドするベアリングと、前記モータシャフトに付加された前記ベアリングを軸方向にブロックするためのブレースと、を備える、製造方法であって、前記ブレースを前記モータシャフトに固着するように、前記モータシャフト及び/又は前記ブレースに機械的又は熱的変形を付与する工程を備える製造方法に関する。
【0025】
また、本発明は、上述のギアモータを備える自動車両ワイパーシステムに関する。
【0026】
本発明の他の特徴及び利点は、以下の説明を読むことで明らかになるであろう。以下の説明は、完全に例示的なものであり、添付図面を参照しつつ読まれる必要がある。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明による電気ギアモータの斜視図。
図2】実施形態の変形例によるブレースを設けられたモータシャフトを示す図。
図3】実施形態の変形例によるブレースを設けられたモータシャフトを示す図。
図4】実施形態の変形例によるブレースを設けられたモータシャフトを示す図。
図5】実施形態の変形例によるブレースを設けられたモータシャフトを示す図。
図6】実施形態の変形例によるブレースを設けられたモータシャフトを示す図。
図7】実施形態の変形例によるブレースを設けられたモータシャフトを示す図。
図8】実施形態の変形例によるブレースを設けられたモータシャフトを示す図。
図9】実施形態の変形例によるブレースを設けられたモータシャフトを示す図。
【発明を実施するための形態】
【0028】
ギアモータ
本発明は、符号1が付される自動車両ワイパーシステム用ギアモータに関する。
【0029】
ギアモータは、好適にはブラシレスである直流電気モータ2と、減速機構3と、を備える。
【0030】
図1に示すように、電気モータ2は、ロータ4とステータ5とを備えている。
【0031】
ステータ5は、ロータ4の複数の電磁励起コイル6を備える。
【0032】
ロータ4は、符号Lが付される回転軸を中心とした回転動作によって駆動されるように適合された多極マグネット7を備える。
【0033】
電気モータ2は、ロータ4がステータ5内で回動すると、機構3のシャフト8の回転が生じるように構成されている。シャフト8は、ロータ4と一体のモータシャフト8として理解される。
【0034】
モータシャフト8は、回転軸Lに従って延在する。
【0035】
モータシャフト8は、減速機構3の歯車10に係合するように適合されたねじ部9を備える。
【0036】
歯車10は、出力シャフト11を回転させる。
【0037】
したがって、ギアモータからの出力時の回転速度(すなわち、出力シャフト11の回転速度)は、モータシャフト8の回転速度より遅い。
【0038】
出力シャフト11は、モータシャフト8に対して実質的に垂直である。
【0039】
図面から明らかなように、ベアリング20が、モータシャフト8の端部21、22のうちの一方において、電気モータ2の反対側で、モータシャフトの案内を保証している。
【0040】
当業者には公知のように、ベアリングは、転動体を有するケージによって離間した内輪24と外輪23とを備え、内輪と外輪は互いに分離されている。
【0041】
図面において、内輪24を点線で示す。
【0042】
図1乃至9に示すように、ギアモータ1は、ベアリング20を軸方向にブロックするためのブレース25を備えている。
【0043】
ブレース25は、モータシャフト8に付加される。
【0044】
図面に示すように、ブレース25は、モータシャフト8に嵌合するリングである。
【0045】
以下に詳述するように、ブレース25は、モータシャフト8に固着される。
【0046】
有利には、ブレース25は、モータシャフトに固着されるように、機械的又は熱的変形を付与されている。
【0047】
図2及び3に、第1実施形態による例を示す。ブレースは、クリンプ工程において、機械的変形を付与されている。ブレース25は、モータシャフト8にクリンプ留めされる(符号30参照)。
【0048】
図4及び5に、第2実施形態による例を示す。ブレースは、溶接工程において、熱的変形を付与されている。本例において、ブレース25は、モータシャフト8に溶接される(符号40参照)。
【0049】
図6及び7に、第3実施形態による例を示す。ブレースは、クランプ固定調整による工程の間に、例えばにプレス機に嵌合させる工程において、機械的変形を付与されている。
【0050】
図9に、第4実施形態による例を示す。ブレースは、モータシャフト8の溝26内で弾性的に圧縮されて所定位置に保持されている。
【0051】
本実施形態によれば、ブレースは、ブレースの引張方向(矢印F)において、又はブレースの圧縮方向(矢印F’)においてブレース25に及ぼされる最大軸方向力にかかわらず、溝26内に保持され続けるように構成されている。
【0052】
図示しない他の実施形態において、ブレースは、モータシャフトにリベット留めされるか、タッピングを有する。
【0053】
図示しない他の実施形態において、ブレースは、モータシャフトに接着される。
【0054】
全ての実施形態について、ベアリングにはいかなる変形も付与されないことに留意されたい。
【0055】
全ての実施形態によれば、ベアリング20に及ぼされる軸方向力を吸収するのはブレース25である。なぜならば、それはモータシャフト8に一体的に固着されているからである。
【0056】
ベアリング20は、ブレース25を介して、モータシャフト8と動作において一体的である。
【0057】
図3乃至9に示すように、ブレース25は、ベアリング20の内輪24に接触して配設される。
【0058】
有利には、弾性リング27が、ブレース25の反対側において、ベアリング20の内輪24に接触して配設される。
【0059】
好適には、弾性リング27は開口を有する。それは、サークリップ(登録商標)であり得る。
【0060】
弾性リング27は、モータシャフト8の溝に配置される。
【0061】
弾性リング27は、ベアリング20を軸方向に保持可能とする。
【0062】
弾性リング27は、図2乃至7及び9に示されている。
【0063】
図8の変形例において、ギアモータ1は、第1ブレースの反対側において、ベアリングの内輪に接触して配設された第2ブレース25’を備える。第2ブレースは、第1ブレースについて上述したように、モータシャフトに固着される。
【0064】
本発明は、また、ギアモータ1の製造方法に関する。
【0065】
本方法は、上述のように、ブレースをモータシャフトに固着するように、モータシャフト、及び/又はブレースに機械的又は熱的変形を付与する工程を備える。
【0066】
モータシャフト8の他方の端部も、ベアリングと、1つ又は2つのブレース25とを設けられ得ることを理解されたい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【外国語明細書】
2018207773000001.pdf