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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-2191(P2018-2191A)
(43)【公開日】2018年1月11日
(54)【発明の名称】ブリスタ包装機
(51)【国際特許分類】
   B65B 47/04 20060101AFI20171208BHJP
   B65B 47/02 20060101ALI20171208BHJP
   B65B 7/28 20060101ALI20171208BHJP
【FI】
   B65B47/04
   B65B47/02
   B65B7/28 B
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2016-128579(P2016-128579)
(22)【出願日】2016年6月29日
(11)【特許番号】特許第6152201号(P6152201)
(45)【特許公報発行日】2017年6月21日
(71)【出願人】
【識別番号】000106760
【氏名又は名称】CKD株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111095
【弁理士】
【氏名又は名称】川口 光男
(72)【発明者】
【氏名】野田 尚彦
【テーマコード(参考)】
3E049
3E050
【Fターム(参考)】
3E049AA02
3E049AB03
3E049BA10
3E049CA01
3E049DB02
3E049FA06
3E049FA08
3E050AA02
3E050AB02
3E050AB08
3E050BA11
3E050BA12
3E050CA02
3E050CA06
3E050CB03
3E050DA01
3E050GA10
(57)【要約】
【課題】ブリスタパックの外縁形状に関する設計自由度を高めることができるとともに、ブリスタパックを備えてなる製品に対するスクラップの混入をより確実に防止することができるブリスタ包装機を提供する。
【解決手段】ブリスタパックは、容器部及び外蓋部を有する蓋付容器と、容器部に取着された内蓋フィルムとを備える。ブリスタ包装機10は、容器フィルム7における容器部に対応する部位である容器対応部に対し内蓋フィルム6を取着するシール装置17と、内蓋フィルム6とともに容器フィルム7における蓋付容器に対応する部位である蓋付容器対応部を打抜き、ブリスタパック1を得る打抜装置18とを有する。容器フィルム7及び内蓋フィルム6のうち打抜装置18による打抜後に残存するスクラップ部8Sが、容器フィルム7の搬送方向に沿って連なった状態とされる。
【選択図】 図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を収容するための容器部、及び、当該容器部と一体形成された外蓋部を有し、前記外蓋部によって前記容器部の開口を開閉可能に構成された蓋付容器と、
前記容器部に前記物品が収容された状態で前記容器部の開口を塞ぐようにして前記容器部に取着された内蓋フィルムと、
を備えてなるブリスタパックを製造するためのブリスタ包装機であって、
搬送される帯状の容器フィルムに対し成形処理を行い、前記蓋付容器に対応する蓋付容器対応部を形成する成形手段と、
前記成形手段の下流において、前記蓋付容器対応部における前記容器部に対応する部位である容器対応部に対し前記物品を収容する収容手段と、
前記収容手段の下流において、少なくとも前記容器対応部に対しその開口を塞ぐようにして前記内蓋フィルムを取着する取着手段と、
前記取着手段の下流において、前記内蓋フィルムとともに前記容器フィルムにおける前記蓋付容器対応部を打抜くことで、前記ブリスタパックを得る打抜手段とを有し、
前記容器フィルム及び前記内蓋フィルムのうち前記打抜手段による打抜後に残存するスクラップ部が、前記搬送方向に沿って連なった状態となるように構成されていることを特徴とするブリスタ包装機。
【請求項2】
前記成形手段は、前記容器フィルムに対しその搬送方向に沿って並んだ状態で前記容器対応部を形成するように構成されており、
前記取着手段は、前記搬送方向に並んだ前記容器対応部に対し、前記搬送方向に沿って延びる帯状の前記内蓋フィルムを順次取着するように構成されており、
前記容器フィルムのうち前記打抜手段による打抜後に残存する容器スクラップ部が、前記搬送方向に沿って連なった状態となり、かつ、
前記内蓋フィルムのうち前記打抜手段による打抜後に残存する内蓋スクラップ部が、その幅方向一端縁側のみにおいて前記搬送方向に沿って連なった状態となるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のブリスタ包装機。
【請求項3】
前記取着手段は、前記容器フィルムのうち前記容器スクラップ部となる部位と前記内蓋フィルムのうち前記内蓋スクラップ部となる部位とが非取着状態となるように前記容器フィルムに対し前記内蓋フィルムを取着するように構成されていることを特徴とする請求項2に記載のブリスタ包装機。
【請求項4】
前記成形手段は、前記容器フィルムに対しその搬送方向に沿って間隔をあけた状態で前記容器対応部を形成するとともに、前記容器フィルムにおける前記各容器対応部間に位置する部位に対し、前記容器対応部における前記内蓋フィルムが取着される部位と同じ高さのスクラップ取着部を形成するように構成されており、
前記取着手段は、前記搬送方向に沿って交互に並んだ前記容器対応部及び前記スクラップ取着部に対し、帯状の前記内蓋フィルムを順次取着するように構成されており、
前記容器フィルムのうち前記打抜手段による打抜後に残存する容器スクラップ部は、前記搬送方向に沿って連なった状態となるとともに、
前記スクラップ取着部は、前記容器スクラップ部に存在し、かつ、
前記内蓋フィルムのうち前記打抜手段による打抜後に残存する内蓋スクラップ部は、前記スクラップ取着部に取着された状態となるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のブリスタ包装機。
【請求項5】
前記搬送方向と直交する方向に沿った前記帯状の前記内蓋フィルムの幅が、前記搬送方向と直交する方向に沿った前記容器対応部のうち前記内蓋フィルムが取着される部位の幅と同一とされていることを特徴とする請求項4に記載のブリスタ包装機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定の物品を収容する容器部及び容器部と一体形成された外蓋部を備えてなる蓋付容器と、容器部に取着された内蓋フィルムとを具備するブリスタパックを製造するためのブリスタ包装機に関する。
【背景技術】
【0002】
各種物品(例えば、食品や医療用品等)が収容されるブリスタパックとしては、前記物品が収容される容器部と、当該容器部と一体形成され、容器部の開口を開閉可能に構成された外蓋部とを備えてなる蓋付容器が知られている。また、ブリスタパックとしては、前記容器部内に収容された物品を密封すべく、容器部の開口を塞ぐようにして内蓋フィルム(シール蓋)が取着されたものもある(例えば、特許文献1等参照)。
【0003】
このようなブリスタパックを製造するためのブリスタ包装機としては、帯状の容器フィルムに対し成形処理を施すことで前記蓋付容器に対応する部分(蓋付容器対応部)を形成する成形手段、成形後の容器フィルムの両端縁を挟んだ状態でその容器フィルムを搬送する搬送手段、搬送される容器フィルムにおける容器部に対応する部分に対し前記物品を収容する収容手段、容器フィルムから前記蓋付容器を切り離すカット手段などを備えたものが提案されている(例えば、特許文献2等参照)。カット手段は、長手方向と直交する方向(横方向)に切れ目などが入れられた容器フィルムをその長手方向(縦方向)に沿って切断するものであり、容器フィルムを上下に挟むようにして配置された回転刃などにより構成されている。尚、内蓋フィルムは、例えば、物品の収容後、カット手段による切断前に容器フィルムへと取着することができる。
【0004】
ところで、上記のブリスタ包装機では、カット手段によって、容器フィルムを直線状に切断することのみが可能である。そのため、安全性の面などを考慮して、ブリスタパック(蓋付容器)における角部分を、丸みを帯びた湾曲形状とする場合には、前記カット手段による切断に先立って、湾曲形状をなすように前記角部分に対応する部分を打抜く必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2015−182781号公報
【特許文献2】特開2008−297008号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、打抜加工に伴い、容器フィルムのスクラップ(尚、容器フィルムとともに内蓋フィルムを打抜く場合には、容器フィルム及び内蓋フィルムのスクラップ)が、相互に分離した状態で多数発生してしまうおそれがある。そのため、製造されたブリスタパックを備えてなる製品に対しスクラップが混入してしまうことが懸念される。また、カット手段による切断とは別に打抜を行う必要があるため、製造工程が増大してしまい、生産性の低下を招いてしまうおそれがある。
【0007】
一方、スクラップの混入防止や生産性向上を図るべく、カット手段による切断のみでブリスタパックを得ようとした場合には、ブリスタパック(特に蓋付容器)の外縁部分が直線形状となるため、ブリスタパックの外縁形状に関する設計自由度が低くなってしまう。尚、ブリスタパックの外縁部分に対しトリミング加工を施すことで、ブリスタパックの外縁形状を所望の形状とすることも考えられるが、この場合には、結局のところ、スクラップの混入や生産性の低下といった事態を招いてしまうおそれがある。
【0008】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ブリスタパックの外縁形状に関する設計自由度を高めることができるとともに、ブリスタパックを備えてなる製品に対するスクラップの混入をより確実に防止することができるブリスタ包装機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
以下、上記目的を解決するのに適した各手段につき、項分けして説明する。なお、必要に応じて対応する手段に特有の作用効果を付記する。
【0010】
手段1.物品を収容するための容器部、及び、当該容器部と一体形成された外蓋部を有し、前記外蓋部によって前記容器部の開口を開閉可能に構成された蓋付容器と、
前記容器部に前記物品が収容された状態で前記容器部の開口を塞ぐようにして前記容器部に取着された内蓋フィルムと、
を備えてなるブリスタパックを製造するためのブリスタ包装機であって、
搬送される帯状の容器フィルムに対し成形処理を行い、前記蓋付容器に対応する蓋付容器対応部を形成する成形手段と、
前記成形手段の下流において、前記蓋付容器対応部における前記容器部に対応する部位である容器対応部に対し前記物品を収容する収容手段と、
前記収容手段の下流において、少なくとも前記容器対応部に対しその開口を塞ぐようにして前記内蓋フィルムを取着する取着手段と、
前記取着手段の下流において、前記内蓋フィルムとともに前記容器フィルムにおける前記蓋付容器対応部を打抜くことで、前記ブリスタパックを得る打抜手段とを有し、
前記容器フィルム及び前記内蓋フィルムのうち前記打抜手段による打抜後に残存するスクラップ部が、前記搬送方向に沿って連なった状態となるように構成されていることを特徴とするブリスタ包装機。
【0011】
上記手段1によれば、ブリスタパックは、打抜によって得られることとなる。従って、ブリスタパック(特に蓋付容器)の外縁形状に関する設計自由度を高めることができる。また、ブリスタパックを得るにあたって、打抜のみによってブリスタパックの外縁形状を所望形状とすることができるため、角を丸くするための処理などを別途行う必要がなくなり、生産性を高めることができる。
【0012】
さらに、上記手段1によれば、打抜後に残存するスクラップ部は、容器フィルムの搬送方向に沿って連なった状態となる。すなわち、上記手段1によれば、多数のスクラップが相互に分離した状態で発生してしまうことを防止できる。これにより、ブリスタパックを備えてなる製品に対しスクラップ部が混入してしまうことをより確実に防止できる。
【0013】
手段2.前記成形手段は、前記容器フィルムに対しその搬送方向に沿って並んだ状態で前記容器対応部を形成するように構成されており、
前記取着手段は、前記搬送方向に並んだ前記容器対応部に対し、前記搬送方向に沿って延びる帯状の前記内蓋フィルムを順次取着するように構成されており、
前記容器フィルムのうち前記打抜手段による打抜後に残存する容器スクラップ部が、前記搬送方向に沿って連なった状態となり、かつ、
前記内蓋フィルムのうち前記打抜手段による打抜後に残存する内蓋スクラップ部が、その幅方向一端縁側のみにおいて前記搬送方向に沿って連なった状態となるように構成されていることを特徴とする手段1に記載のブリスタ包装機。
【0014】
上記手段2によれば、打抜後に残存する内蓋フィルムのスクラップ(内蓋スクラップ部)は、その幅方向一端縁側のみにおいて前記搬送方向に沿って連なった状態となるため、内蓋スクラップ部が多量に排出されてしまうことを防止できる。その結果、生産コストの増大抑制を効果的に図ることができる。
【0015】
手段3.前記取着手段は、前記容器フィルムのうち前記容器スクラップ部となる部位と前記内蓋フィルムのうち前記内蓋スクラップ部となる部位とが非取着状態となるように前記容器フィルムに対し前記内蓋フィルムを取着するように構成されていることを特徴とする手段2に記載のブリスタ包装機。
【0016】
上記手段3によれば、内蓋スクラップ部は、前記搬送方向に沿って連なるとともに、打抜後に残存する容器フィルムのスクラップ(容器スクラップ部)と非取着の状態とされる。これにより、内蓋スクラップ部のみを素早く巻き取って回収することができるため、より高速での生産が可能となり、生産性を一層高めることができる。
【0017】
さらに、容器スクラップ部と内蓋スクラップ部とを別々に回収することが容易となり、回収後の各種処理に係る利便性を高めることができる。
【0018】
手段4.前記成形手段は、前記容器フィルムに対しその搬送方向に沿って間隔をあけた状態で前記容器対応部を形成するとともに、前記容器フィルムにおける前記各容器対応部間に位置する部位に対し、前記容器対応部における前記内蓋フィルムが取着される部位と同じ高さのスクラップ取着部を形成するように構成されており、
前記取着手段は、前記搬送方向に沿って交互に並んだ前記容器対応部及び前記スクラップ取着部に対し、帯状の前記内蓋フィルムを順次取着するように構成されており、
前記容器フィルムのうち前記打抜手段による打抜後に残存する容器スクラップ部は、前記搬送方向に沿って連なった状態となるとともに、
前記スクラップ取着部は、前記容器スクラップ部に存在し、かつ、
前記内蓋フィルムのうち前記打抜手段による打抜後に残存する内蓋スクラップ部は、前記スクラップ取着部に取着された状態となるように構成されていることを特徴とする手段1に記載のブリスタ包装機。
【0019】
上記手段4によれば、内蓋スクラップ部は、前記搬送方向に沿って連なった状態の容器スクラップ部に設けられたスクラップ取着部に対し取着された状態となる。従って、内蓋スクラップ部が相互に分離した状態で発生してしまうことをより確実に防止でき、製品に対するスクラップ部の混入防止をより効果的に図ることができる。
【0020】
手段5.前記搬送方向と直交する方向に沿った前記帯状の前記内蓋フィルムの幅が、前記搬送方向と直交する方向に沿った前記容器対応部のうち前記内蓋フィルムが取着される部位の幅と同一とされていることを特徴とする手段4に記載のブリスタ包装機。
【0021】
尚、「同一」とあるのは、厳密な同一のみならず、若干(例えば、数mm程度)の差が存在する場合も含む。
【0022】
上記手段5によれば、内蓋スクラップ部の排出量低減を図ることができ、生産コストの増大を効果的に抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】ブリスタパックの斜視図である。
図2】ブリスタパックの断面図である。
図3】第1実施形態におけるブリスタ包装機の概略構成を示す模式図である。
図4】第1実施形態における蓋付容器対応部が形成された容器フィルムを示す斜視図である。
図5】第1実施形態において、容器フィルムに対し内蓋フィルムを重ねた状態を示す平面図である。
図6】第1実施形態において、打抜後に残存するスクラップ部を示す平面図である。
図7】第2実施形態におけるブリスタ包装機の概略構成を示す模式図である。
図8】第2実施形態における蓋付容器対応部及びスクラップ取着部が形成された容器フィルムを示す斜視図である。
図9】第2実施形態において、容器フィルムに対し内蓋フィルムを重ねた状態を示す平面図である。
図10】第2実施形態において、打抜後に残存するスクラップ部を示す平面図である。
図11】別の実施形態におけるブリスタパックの斜視図である。
図12】別の実施形態におけるブリスタパックの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、実施形態について図面を参照しつつ説明する。
〔第1実施形態〕
図1及び図2に示すように、ブリスタパック1は、蓋付容器2と、内蓋フィルム6とを備えている。尚、便宜上、各図中における蓋付容器2及び内蓋フィルム6は、実際よりも厚肉に示されている。
【0025】
蓋付容器2は、例えばPP(ポリプロピレン)やPVC(ポリ塩化ビニル)、PE(ポリエチレン)等の熱可塑性樹脂材料によって構成されている。また、蓋付容器2は、所定の物品W(例えば、食品や医療用品など)を収容するための収容空間3Aを有してなる収容部3と、当該収容部3と一体形成された外蓋部4と、両者3,4を連結する断面湾曲形状のヒンジ部5とを備えている。外蓋部4は、ヒンジ部5を回動軸として収容部3に対し相対回動可能となっており、収容部3の開口は、外蓋部4によって開閉可能となっている。
【0026】
また、収容部3は、収容空間3Aの開口端から外側に延出形成された環状の被シール部3Bと、当該被シール部3Bの最外周から垂下する内嵌部3Cとを備えている。一方、外蓋部4は、前記内嵌部3Cに対応する形状をなす環状の外嵌部4Aを備えている。そして、外蓋部4により収容部3の開口を閉鎖する際には、内嵌部3Cの外周に対し外嵌部4Aを嵌め込むことによって、閉鎖状態をより確実に維持可能となっている。
【0027】
内蓋フィルム6は、蓋付容器2と相溶性のある熱可塑性樹脂により形成されており、本実施形態では、透明又は半透明を呈するように構成されている。内蓋フィルム6は、容器部3の開口を塞ぐようにして前記被シール部3Bに対し取着されている。
【0028】
次に、上記ブリスタパック1を製造するためのブリスタ包装機10の構成について説明する。
【0029】
図3に示すように、ブリスタ包装機10では、ロール状の原反から引き出された帯状の容器フィルム7が所定のコンベア11(例えば、チェーンクリップコンベア等)により下流側へ向け間欠搬送されていく。容器フィルム7は、蓋付容器2の材料である。
【0030】
容器フィルム7原反の下流側には、まず加熱装置12及び形成装置13が設けられている。加熱装置12及び形成装置13によって成形手段が構成される。
【0031】
加熱装置12は、容器フィルム7を挟んで上下に配置される上型12a及び下型12bを備え、容器フィルム7における蓋付容器2の形成範囲を部分的に加熱可能に構成されている。
【0032】
形成装置13は、蓋付容器2の形状とおよそ相似的で小さいプラグを有してなる上型13aと、蓋付容器2の形状に対応した凹凸部を有してなる下型13bとを備えている。そして、容器フィルム7が加熱装置12により加熱され比較的柔軟になった状態において、上型13a及び下型13bにより、容器フィルム7の所定位置に蓋付容器2に対応する蓋付容器対応部2Fが成形される(図4参照)。蓋付容器対応部2Fは、容器部3に対応する容器対応部3Fと、外蓋部4に対応する外蓋対応部4Fと、ヒンジ部5に対応するヒンジ対応部5Fとを備えている。
【0033】
尚、蓋付容器対応部2Fの成形は、容器フィルム7の搬送動作間のインターバルの際に行われる。また、本実施形態では、形成装置13によって、容器フィルム7に対しその搬送方向に沿って並んだ状態で容器対応部3Fが形成される。
【0034】
さらに、形成装置13の下流側には、収容手段としての収容装置14が設けられており、当該収容装置14によって、容器対応部3Fにおける前記収容空間3Aに対応する空間へと物品Wが収容される。
【0035】
また、帯状に形成された内蓋フィルム6の原反は、前記容器フィルム7とは別にロール状に巻回されて配置されている。当該原反から引き出された内蓋フィルム6は、収容装置14の下流側に設けられた受けローラ15へと案内されている。内蓋フィルム6は、受けローラ15まで案内されることで、図5に示すように、容器フィルム7の搬送方向に沿って延びた状態で、容器対応部3Fの開口を塞ぐようにして容器フィルム7へと重ねられることとなる。
【0036】
尚、本実施形態において、容器フィルム7の搬送方向と直交する方向に沿った内蓋フィルム6の幅は、前記搬送方向と直交する方向に沿った容器対応部3Fにおける被シール部3Bに対応する部位である被シール部対応部3G(図5中、斜線を付した部位)の幅よりも大きなものとされている。そして、容器フィルム7に対し内蓋フィルム6を重ねた状態においては、内蓋フィルム6の幅方向一端縁が前記被シール部対応部3Gよりも容器フィルム7の幅方向一端縁側にはみ出し、一方、内蓋フィルム6の幅方向他端縁が被シール部対応部3Gの外縁に対しほぼ重なるようになっている。
【0037】
図3に戻り、受けローラ15の下流には、取着手段としてのシール装置17が設けられている。シール装置17は、上型17a及び下型17bを備えている。
【0038】
上型17aは、両フィルム6,7の搬送経路の上方に配置されており、図示しない駆動手段によって上下に移動可能となっている。また、上型17aは、前記被シール部3Bに対応する形状をなすとともに、図示しないヒータ等により発熱可能な発熱部17cを備えている。
【0039】
下型17bは、蓋付容器対応部2Fにおける下向きに突出する部位が収容される凹部17dを備えており、図示しない駆動手段によって上下に移動可能となっている。また、下型17bのうち前記凹部17dの開口から外周に延びる平坦面が、前記上型17aの発熱部17cとの間で、容器フィルム7及び内蓋フィルム6を挟み込む押圧面となっている。
【0040】
シール装置17においては、上型a及び下型17bが容器フィルム7及び内蓋フィルム6に接近することで、発熱部17cと下型17bの前記平坦面との間で、容器対応部3Fにおける被シール部対応部3G及び内蓋フィルム6を挟み込む。その結果、被シール部対応部3Gに対し、容器対応部3Fの開口を塞ぐようにして内蓋フィルム6が取着(熱融着)される。
【0041】
尚、本実施形態において、シール装置17は、容器対応部3Fにおける被シール部対応部3Gのみに対し内蓋フィルム6を取着するように構成されている。すなわち、シール装置17は、容器フィルム7のうち後述する容器スクラップ部7Sとなる部位と内蓋フィルム6のうち後述する内蓋スクラップ部6Sとなる部位とが非取着状態となるように容器フィルム7に対し内蓋フィルム6を取着するように構成されている。また、内蓋フィルム6の取着は、容器フィルム7の搬送動作間のインターバルに行われ、シール装置17によって、容器対応部3Fに対し内蓋フィルム6が順次取着されるようになっている。
【0042】
シール装置17の下流側には、打抜手段としての打抜装置18が設けられている。打抜装置18は、蓋付容器2の外縁形状に対応する形状の図示しない打抜パンチを備えており、当該打抜パンチによって、内蓋フィルム6とともに、容器フィルム7における蓋付容器対応部2Fを打抜くことで、ブリスタパック1が得られる。本実施形態では、蓋付容器2の外縁部分における角部が丸みを帯びた形状となるように前記打抜パンチの形状が設定されている。
【0043】
また、打抜装置18の下方には、コンベア20が設けられている。打抜かれたブリスタパック1は、コンベア20によって下流側へと移送される。移送途中又は移送後において、所定のクローズ装置(図示せず)によって、外蓋部4が閉状態とされる。
【0044】
尚、内蓋フィルム6及び容器フィルム7の打抜後には、図6に示すように、スクラップ部8Sが残存することとなる。スクラップ部8Sは、容器フィルム7のうち打抜後に残存する容器スクラップ部7Sと、内蓋フィルム6のうち打抜後に残存する内蓋スクラップ部6Sとからなり、容器スクラップ部7S及び内蓋スクラップ部6Sは、それぞれ容器フィルム7の搬送方向に沿って連なった状態となっている。すなわち、スクラップ部8Sは、容器フィルム7の搬送方向に沿って連なった状態となっており、多数のスクラップが相互に分離した状態とならないようになっている。但し、本実施形態において、内蓋スクラップ部6Sは、その幅方向一端縁側のみにおいて前記搬送方向に沿って連なった状態となっている。
【0045】
さらに、上記の通り、シール装置17によって、被シール部対応部3Gのみに対し内蓋フィルム6が取着されるため、容器スクラップ部7Sと内蓋スクラップ部6Sとは非取着の状態(分離された状態)となっている。
【0046】
加えて、内蓋スクラップ部6Sは、打抜装置18よりも下流に設けられた回収装置21によって、巻き取られつつ回収される。
【0047】
一方で、容器スクラップ部7Sは、打抜装置18の下流に設けられた図示しない裁断装置に搬送されるとともに、当該裁断装置によって所定寸法に裁断され、図示しない所定のスクラップ用ホッパに貯留される。
【0048】
以上詳述したように、本実施形態によれば、ブリスタパック1を打抜によって得ることができるため、ブリスタパック1(蓋付容器2)の外縁形状に関する設計自由度を高めることができる。また、ブリスタパック1を得るにあたって、打抜のみによってブリスタパック1の外縁形状を所望形状とすることができるため、角を丸くするための処理などを別途行う必要がなくなり、生産性を高めることができる。
【0049】
さらに、打抜後に残存するスクラップ部8Sは、容器フィルム7の搬送方向に沿って連なった状態となるため、多数のスクラップが相互に分離した状態で発生してしまうことを防止できる。その結果、ブリスタパック1を備えてなる製品に対しスクラップ部8Sが混入してしまうことをより確実に防止できる。
【0050】
また、内蓋スクラップ部6Sは、その幅方向一端縁側のみにおいて前記搬送方向に沿って連なった状態となるため、内蓋スクラップ部6Sが多量に排出されてしまうことを防止できる。その結果、生産コストの増大抑制を効果的に図ることができる。
【0051】
加えて、内蓋スクラップ部6Sは、容器スクラップ部7Sと非取着の状態(分離した状態)とされるため、内蓋スクラップ部6Sを素早く巻き取って回収することができる。その結果、より高速での生産が可能となり、生産性を一層高めることができる。
【0052】
さらに、容器スクラップ部7Sと内蓋スクラップ部6Sとを別々に回収することができ、回収後の各種処理(例えば、廃棄前の分別処理など)に係る利便性を高めることができる。
〔第2実施形態〕
次いで、第2実施形態について上記第1実施形態との相違点を中心に説明する。
【0053】
上記第1実施形態では、ブリスタ包装機10により、容器フィルム7に対し蓋付容器対応部2Fが形成されるように構成されている。これに対し、本第2実施形態では、図7及び図8に示すように、ブリスタ包装機30により、容器フィルム7に対し、蓋付容器対応部2Fとともに、スクラップ取着部7Gが形成されるように構成されている。スクラップ取着部7Gは、四角錐台状をなしており、自身の上端面と被シール部対応部3Gとが同一高さとなるように構成されている。そして、容器対応部3Fとスクラップ取着部7Gとは、容器フィルム7の搬送方向に沿って交互に並んだ状態で設けられている。
【0054】
このようなスクラップ取着部7Gを形成すべく、本第2実施形態における形成装置33は、スクラップ取着部7Gの形状に対応した凹部を有してなる上型33aと、スクラップ取着部7Gの形状に対応する凸部を有してなる下型33bとを備えている。そして、容器フィルム7のうち蓋付容器2及びスクラップ取着部7Gの形成範囲が加熱装置12により加熱されて比較的柔軟になった状態において、上型33a及び下型33bによって容器フィルム7が成形されることで、容器フィルム7に対し蓋付容器対応部2Fとスクラップ取着部7Gとが形成されるようになっている。本第2実施形態では、加熱装置12及び形成装置33によって、成形手段が構成されている。
【0055】
尚、本第2実施形態では、形成装置33によって、容器フィルム7に対しその搬送方向に沿って間隔をあけた状態で容器対応部3Fが形成されるとともに、容器フィルム7における各容器対応部3F間に位置する部位に対し、スクラップ取着部7Gが形成される。
【0056】
さらに、本第2実施形態において、受けローラ15へと案内される内蓋フィルム6は、上記第1実施形態における内蓋フィルム6と比べて幅狭となっている。具体的には、本第2実施形態において、容器フィルム7の搬送方向と直交する方向に沿った内蓋フィルム6の幅αは、前記搬送方向と直交する方向に沿った被シール部対応部3Gの幅と同一とされている(図9参照)。これにより、容器フィルム7に対し内蓋フィルム6を重ねた状態においては、内蓋フィルム6の幅方向一端縁及び幅方向他端縁がそれぞれ被シール部対応部3Gの外縁へとほぼ重なるようになっている。
【0057】
そして、本第2実施形態において、取着手段としてのシール装置37は、容器フィルム7の搬送方向に沿って交互に並んだ容器対応部3F(被シール部対応部3G)及びスクラップ取着部7Gのそれぞれに対し、帯状の内蓋フィルム6を順次取着していく。尚、シール装置37は、スクラップ取着部7Gに対応するスクラップ用の発熱部を備えた上型37aと、前記スクラップ用の発熱部との間でスクラップ取着部7G及び内蓋フィルム6を挟み込み可能な押圧面を備えた下型37bとを有している。そして、前記スクラップ用の発熱部と下型37bの前記押圧面とでスクラップ取着部7G及び内蓋フィルム6を挟み込みつつ加熱することにより、スクラップ取着部7Gに対し内蓋フィルム6が取着(熱融着)される。
【0058】
また、図10に示すように、内蓋フィルム6及び容器フィルム7の打抜後に残存するスクラップ部8Sにおいて、容器スクラップ部7Sは、上記第1実施形態と同様、容器フィルム7の搬送方向に沿って連なった状態となっている。これに対し、内蓋スクラップ部6Sは、上記第一実施形態と異なり、前記搬送方向に沿って分断された状態となっているが、分断された内蓋スクラップ部6Sの各片部はそれぞれスクラップ取着部7Gに対し取着された状態となっている。従って、上記第1実施形態と同様、スクラップ部8Sは、容器フィルム7の搬送方向に沿って連なった状態とされており、多数のスクラップが相互に分離した状態とならないようになっている。
【0059】
尚、本第2実施形態において、スクラップ部8Sは、例えば、前記裁断装置によって所定寸法に裁断された上で、前記スクラップ用ホッパに貯留される。
【0060】
以上、本第2実施形態によれば、基本的には、上記第1実施形態と同様の作用効果が奏されることとなる。
【0061】
加えて、内蓋スクラップ部6Sは、容器スクラップ部7Sに設けられたスクラップ取着部7Gに対し取着された状態とされる。従って、内蓋スクラップ部6Sが相互に分離した状態で発生してしまうことをより確実に防止でき、製品に対するスクラップ部8Sの混入防止をより効果的に図ることができる。
【0062】
また、帯状の内蓋フィルム6の幅が、容器対応部3Fのうち内蓋フィルム6が取着される部位(被シール部対応部3G)の幅と同一とされるため、内蓋スクラップ部6Sの排出量低減を図ることができ、生産コストの増大を効果的に抑制することができる。
【0063】
尚、上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。勿論、以下において例示しない他の応用例、変更例も当然可能である。
【0064】
(a)上記実施形態におけるブリスタパック1の形状や構造は例示であって、ブリスタパック1の形状や構造については適宜変更してもよい。例えば、図11に示すように、外蓋部4における外縁部分の一部を突出形状とすることで、外蓋部4を回動させる(収容部3の開口を開閉させる)際に利用可能な持ち手部4Bを形成することとしてもよい。尚、このように蓋付容器2における外縁形状を比較的複雑な形状とする場合であっても、打抜のみによって蓋付容器2の外縁形状を所望形状とすることができるため、良好な生産性を得ることができる。
【0065】
(b)上記実施形態で挙げた蓋付容器2(容器フィルム7)や内蓋フィルム6の材料や態様は例示であって、これらの材料などを適宜変更してもよい。
【0066】
(c)上記実施形態では、容器部3のみに対し物品Wが収容されているが、図12に示すように、容器部103及び外蓋部104の双方に対し物品Wを収容してもよい。尚、この場合、容器部103に収容される物品Wと外蓋部104に収容される物品Wとを異なるものとしてもよい。また、この場合には、容器部103及び外蓋部104のそれぞれに対しその開口を塞ぐようにして内蓋フィルム6を取着することとしてもよい。
【0067】
(d)上記実施形態では、前記クローズ装置によって、打抜により得られたブリスタパック1における外蓋部4が閉状態とされるように構成されているが、クローズ装置を省略してもよい。また、人手により外蓋部4を閉状態としてもよい。
【符号の説明】
【0068】
1…ブリスタパック、2…蓋付容器、2F…蓋付容器対応部、3…容器部、3F…容器対応部、4…外蓋部、6…内蓋フィルム、6S…内蓋スクラップ部、7…容器フィルム、7G…スクラップ取着部、7S…容器スクラップ部、8S…スクラップ部、10…ブリスタ包装機、12…加熱装置、13…形成装置、14…収容装置(収容手段)、17…シール装置(取着手段)、18…打抜装置(打抜手段)、W…物品。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【手続補正書】
【提出日】2017年4月11日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を収容するための容器部、及び、当該容器部と一体形成された外蓋部を有し、前記外蓋部によって前記容器部の開口を開閉可能に構成された蓋付容器と、
前記容器部に前記物品が収容された状態で前記容器部の開口を塞ぐようにして前記容器部に取着された内蓋フィルムと、
を備えてなるブリスタパックを製造するためのブリスタ包装機であって、
搬送される帯状の容器フィルムに対し成形処理を行い、前記蓋付容器に対応する蓋付容器対応部を形成する成形手段と、
前記成形手段の下流において、前記蓋付容器対応部における前記容器部に対応する部位である容器対応部に対し前記物品を収容する収容手段と、
前記収容手段の下流において、少なくとも前記容器対応部に対しその開口を塞ぐようにして前記内蓋フィルムを取着する取着手段と、
前記取着手段の下流において、前記内蓋フィルムとともに前記容器フィルムにおける前記蓋付容器対応部を打抜くことで、前記ブリスタパックを得る打抜手段とを有し、
前記容器フィルム及び前記内蓋フィルムのうち前記打抜手段による打抜後に残存するスクラップ部が、前記搬送方向に沿って連なった状態となるように構成されており、
前記成形手段は、前記容器フィルムに対しその搬送方向に沿って並んだ状態で前記容器対応部を形成するように構成されており、
前記取着手段は、前記搬送方向に並んだ前記容器対応部に対し、前記搬送方向に沿って延びる帯状の前記内蓋フィルムを順次取着するように構成されており、
前記容器フィルムのうち前記打抜手段による打抜後に残存する容器スクラップ部が、前記搬送方向に沿って連なった状態となり、かつ、
前記内蓋フィルムのうち前記打抜手段による打抜後に残存する内蓋スクラップ部が、その幅方向一端縁側のみにおいて前記搬送方向に沿って連なった状態となるように構成されていることを特徴とするブリスタ包装機。
【請求項2】
前記取着手段は、前記容器フィルムのうち前記容器スクラップ部となる部位と前記内蓋フィルムのうち前記内蓋スクラップ部となる部位とが非取着状態となるように前記容器フィルムに対し前記内蓋フィルムを取着するように構成されていることを特徴とする請求項に記載のブリスタ包装機。
【請求項3】
物品を収容するための容器部、及び、当該容器部と一体形成された外蓋部を有し、前記外蓋部によって前記容器部の開口を開閉可能に構成された蓋付容器と、
前記容器部に前記物品が収容された状態で前記容器部の開口を塞ぐようにして前記容器部に取着された内蓋フィルムと、
を備えてなるブリスタパックを製造するためのブリスタ包装機であって、
搬送される帯状の容器フィルムに対し成形処理を行い、前記蓋付容器に対応する蓋付容器対応部を形成する成形手段と、
前記成形手段の下流において、前記蓋付容器対応部における前記容器部に対応する部位である容器対応部に対し前記物品を収容する収容手段と、
前記収容手段の下流において、少なくとも前記容器対応部に対しその開口を塞ぐようにして前記内蓋フィルムを取着する取着手段と、
前記取着手段の下流において、前記内蓋フィルムとともに前記容器フィルムにおける前記蓋付容器対応部を打抜くことで、前記ブリスタパックを得る打抜手段とを有し、
前記容器フィルム及び前記内蓋フィルムのうち前記打抜手段による打抜後に残存するスクラップ部が、前記搬送方向に沿って連なった状態となるように構成されており、
前記成形手段は、前記容器フィルムに対しその搬送方向に沿って間隔をあけた状態で前記容器対応部を形成するとともに、前記容器フィルムにおける前記各容器対応部間に位置する部位に対し、前記容器対応部における前記内蓋フィルムが取着される部位と同じ高さのスクラップ取着部を形成するように構成されており、
前記取着手段は、前記搬送方向に沿って交互に並んだ前記容器対応部及び前記スクラップ取着部に対し、帯状の前記内蓋フィルムを順次取着するように構成されており、
前記容器フィルムのうち前記打抜手段による打抜後に残存する容器スクラップ部は、前記搬送方向に沿って連なった状態となるとともに、
前記スクラップ取着部は、前記容器スクラップ部に存在し、かつ、
前記内蓋フィルムのうち前記打抜手段による打抜後に残存する内蓋スクラップ部は、前記スクラップ取着部に取着された状態となるように構成されていることを特徴とするブリスタ包装機。
【請求項4】
前記搬送方向と直交する方向に沿った前記帯状の前記内蓋フィルムの幅が、前記搬送方向と直交する方向に沿った前記容器対応部のうち前記内蓋フィルムが取着される部位の幅と同一とされていることを特徴とする請求項に記載のブリスタ包装機。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定の物品を収容する容器部及び容器部と一体形成された外蓋部を備えてなる蓋付容器と、容器部に取着された内蓋フィルムとを具備するブリスタパックを製造するためのブリスタ包装機に関する。
【背景技術】
【0002】
各種物品(例えば、食品や医療用品等)が収容されるブリスタパックとしては、前記物品が収容される容器部と、当該容器部と一体形成され、容器部の開口を開閉可能に構成された外蓋部とを備えてなる蓋付容器が知られている。また、ブリスタパックとしては、前記容器部内に収容された物品を密封すべく、容器部の開口を塞ぐようにして内蓋フィルム(シール蓋)が取着されたものもある(例えば、特許文献1等参照)。
【0003】
このようなブリスタパックを製造するためのブリスタ包装機としては、帯状の容器フィルムに対し成形処理を施すことで前記蓋付容器に対応する部分(蓋付容器対応部)を形成する成形手段、成形後の容器フィルムの両端縁を挟んだ状態でその容器フィルムを搬送する搬送手段、搬送される容器フィルムにおける容器部に対応する部分に対し前記物品を収容する収容手段、容器フィルムから前記蓋付容器を切り離すカット手段などを備えたものが提案されている(例えば、特許文献2等参照)。カット手段は、長手方向と直交する方向(横方向)に切れ目などが入れられた容器フィルムをその長手方向(縦方向)に沿って切断するものであり、容器フィルムを上下に挟むようにして配置された回転刃などにより構成されている。尚、内蓋フィルムは、例えば、物品の収容後、カット手段による切断前に容器フィルムへと取着することができる。
【0004】
ところで、上記のブリスタ包装機では、カット手段によって、容器フィルムを直線状に切断することのみが可能である。そのため、安全性の面などを考慮して、ブリスタパック(蓋付容器)における角部分を、丸みを帯びた湾曲形状とする場合には、前記カット手段による切断に先立って、湾曲形状をなすように前記角部分に対応する部分を打抜く必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2015−182781号公報
【特許文献2】特開2008−297008号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、打抜加工に伴い、容器フィルムのスクラップ(尚、容器フィルムとともに内蓋フィルムを打抜く場合には、容器フィルム及び内蓋フィルムのスクラップ)が、相互に分離した状態で多数発生してしまうおそれがある。そのため、製造されたブリスタパックを備えてなる製品に対しスクラップが混入してしまうことが懸念される。また、カット手段による切断とは別に打抜を行う必要があるため、製造工程が増大してしまい、生産性の低下を招いてしまうおそれがある。
【0007】
一方、スクラップの混入防止や生産性向上を図るべく、カット手段による切断のみでブリスタパックを得ようとした場合には、ブリスタパック(特に蓋付容器)の外縁部分が直線形状となるため、ブリスタパックの外縁形状に関する設計自由度が低くなってしまう。尚、ブリスタパックの外縁部分に対しトリミング加工を施すことで、ブリスタパックの外縁形状を所望の形状とすることも考えられるが、この場合には、結局のところ、スクラップの混入や生産性の低下といった事態を招いてしまうおそれがある。
【0008】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ブリスタパックの外縁形状に関する設計自由度を高めることができるとともに、ブリスタパックを備えてなる製品に対するスクラップの混入をより確実に防止することができるブリスタ包装機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
以下、上記目的を解決するのに適した各手段につき、項分けして説明する。なお、必要に応じて対応する手段に特有の作用効果を付記する。
【0010】
手段1. 物品を収容するための容器部、及び、当該容器部と一体形成された外蓋部を有し、前記外蓋部によって前記容器部の開口を開閉可能に構成された蓋付容器と、
前記容器部に前記物品が収容された状態で前記容器部の開口を塞ぐようにして前記容器部に取着された内蓋フィルムと、
を備えてなるブリスタパックを製造するためのブリスタ包装機であって、
搬送される帯状の容器フィルムに対し成形処理を行い、前記蓋付容器に対応する蓋付容器対応部を形成する成形手段と、
前記成形手段の下流において、前記蓋付容器対応部における前記容器部に対応する部位である容器対応部に対し前記物品を収容する収容手段と、
前記収容手段の下流において、少なくとも前記容器対応部に対しその開口を塞ぐようにして前記内蓋フィルムを取着する取着手段と、
前記取着手段の下流において、前記内蓋フィルムとともに前記容器フィルムにおける前記蓋付容器対応部を打抜くことで、前記ブリスタパックを得る打抜手段とを有し、
前記容器フィルム及び前記内蓋フィルムのうち前記打抜手段による打抜後に残存するスクラップ部が、前記搬送方向に沿って連なった状態となるように構成されており、
前記成形手段は、前記容器フィルムに対しその搬送方向に沿って並んだ状態で前記容器対応部を形成するように構成されており、
前記取着手段は、前記搬送方向に並んだ前記容器対応部に対し、前記搬送方向に沿って延びる帯状の前記内蓋フィルムを順次取着するように構成されており、
前記容器フィルムのうち前記打抜手段による打抜後に残存する容器スクラップ部が、前記搬送方向に沿って連なった状態となり、かつ、
前記内蓋フィルムのうち前記打抜手段による打抜後に残存する内蓋スクラップ部が、その幅方向一端縁側のみにおいて前記搬送方向に沿って連なった状態となるように構成されていることを特徴とするブリスタ包装機。
【0011】
上記手段1によれば、ブリスタパックは、打抜によって得られることとなる。従って、ブリスタパック(特に蓋付容器)の外縁形状に関する設計自由度を高めることができる。また、ブリスタパックを得るにあたって、打抜のみによってブリスタパックの外縁形状を所望形状とすることができるため、角を丸くするための処理などを別途行う必要がなくなり、生産性を高めることができる。
【0012】
さらに、上記手段1によれば、打抜後に残存するスクラップ部は、容器フィルムの搬送方向に沿って連なった状態となる。すなわち、上記手段1によれば、多数のスクラップが相互に分離した状態で発生してしまうことを防止できる。これにより、ブリスタパックを備えてなる製品に対しスクラップ部が混入してしまうことをより確実に防止できる。
【0013】
また、上記手段によれば、打抜後に残存する内蓋フィルムのスクラップ(内蓋スクラップ部)は、その幅方向一端縁側のみにおいて前記搬送方向に沿って連なった状態となるため、内蓋スクラップ部が多量に排出されてしまうことを防止できる。その結果、生産コストの増大抑制を効果的に図ることができる。
【0014】
手段.前記取着手段は、前記容器フィルムのうち前記容器スクラップ部となる部位と前記内蓋フィルムのうち前記内蓋スクラップ部となる部位とが非取着状態となるように前記容器フィルムに対し前記内蓋フィルムを取着するように構成されていることを特徴とする手段に記載のブリスタ包装機。
【0015】
上記手段によれば、内蓋スクラップ部は、前記搬送方向に沿って連なるとともに、打抜後に残存する容器フィルムのスクラップ(容器スクラップ部)と非取着の状態とされる。これにより、内蓋スクラップ部のみを素早く巻き取って回収することができるため、より高速での生産が可能となり、生産性を一層高めることができる。
【0016】
さらに、容器スクラップ部と内蓋スクラップ部とを別々に回収することが容易となり、回収後の各種処理に係る利便性を高めることができる。
【0017】
手段.物品を収容するための容器部、及び、当該容器部と一体形成された外蓋部を有し、前記外蓋部によって前記容器部の開口を開閉可能に構成された蓋付容器と、
前記容器部に前記物品が収容された状態で前記容器部の開口を塞ぐようにして前記容器部に取着された内蓋フィルムと、
を備えてなるブリスタパックを製造するためのブリスタ包装機であって、
搬送される帯状の容器フィルムに対し成形処理を行い、前記蓋付容器に対応する蓋付容器対応部を形成する成形手段と、
前記成形手段の下流において、前記蓋付容器対応部における前記容器部に対応する部位である容器対応部に対し前記物品を収容する収容手段と、
前記収容手段の下流において、少なくとも前記容器対応部に対しその開口を塞ぐようにして前記内蓋フィルムを取着する取着手段と、
前記取着手段の下流において、前記内蓋フィルムとともに前記容器フィルムにおける前記蓋付容器対応部を打抜くことで、前記ブリスタパックを得る打抜手段とを有し、
前記容器フィルム及び前記内蓋フィルムのうち前記打抜手段による打抜後に残存するスクラップ部が、前記搬送方向に沿って連なった状態となるように構成されており、
前記成形手段は、前記容器フィルムに対しその搬送方向に沿って間隔をあけた状態で前記容器対応部を形成するとともに、前記容器フィルムにおける前記各容器対応部間に位置する部位に対し、前記容器対応部における前記内蓋フィルムが取着される部位と同じ高さのスクラップ取着部を形成するように構成されており、
前記取着手段は、前記搬送方向に沿って交互に並んだ前記容器対応部及び前記スクラップ取着部に対し、帯状の前記内蓋フィルムを順次取着するように構成されており、
前記容器フィルムのうち前記打抜手段による打抜後に残存する容器スクラップ部は、前記搬送方向に沿って連なった状態となるとともに、
前記スクラップ取着部は、前記容器スクラップ部に存在し、かつ、
前記内蓋フィルムのうち前記打抜手段による打抜後に残存する内蓋スクラップ部は、前記スクラップ取着部に取着された状態となるように構成されていることを特徴とするブリスタ包装機。
【0018】
上記手段によれば、内蓋スクラップ部は、前記搬送方向に沿って連なった状態の容器スクラップ部に設けられたスクラップ取着部に対し取着された状態となる。従って、内蓋スクラップ部が相互に分離した状態で発生してしまうことをより確実に防止でき、製品に対するスクラップ部の混入防止をより効果的に図ることができる。
【0019】
手段.前記搬送方向と直交する方向に沿った前記帯状の前記内蓋フィルムの幅が、前記搬送方向と直交する方向に沿った前記容器対応部のうち前記内蓋フィルムが取着される部位の幅と同一とされていることを特徴とする手段に記載のブリスタ包装機。
【0020】
尚、「同一」とあるのは、厳密な同一のみならず、若干(例えば、数mm程度)の差が存在する場合も含む。
【0021】
上記手段によれば、内蓋スクラップ部の排出量低減を図ることができ、生産コストの増大を効果的に抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】ブリスタパックの斜視図である。
図2】ブリスタパックの断面図である。
図3】第1実施形態におけるブリスタ包装機の概略構成を示す模式図である。
図4】第1実施形態における蓋付容器対応部が形成された容器フィルムを示す斜視図である。
図5】第1実施形態において、容器フィルムに対し内蓋フィルムを重ねた状態を示す平面図である。
図6】第1実施形態において、打抜後に残存するスクラップ部を示す平面図である。
図7】第2実施形態におけるブリスタ包装機の概略構成を示す模式図である。
図8】第2実施形態における蓋付容器対応部及びスクラップ取着部が形成された容器フィルムを示す斜視図である。
図9】第2実施形態において、容器フィルムに対し内蓋フィルムを重ねた状態を示す平面図である。
図10】第2実施形態において、打抜後に残存するスクラップ部を示す平面図である。
図11】別の実施形態におけるブリスタパックの斜視図である。
図12】別の実施形態におけるブリスタパックの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、実施形態について図面を参照しつつ説明する。
〔第1実施形態〕
図1及び図2に示すように、ブリスタパック1は、蓋付容器2と、内蓋フィルム6とを備えている。尚、便宜上、各図中における蓋付容器2及び内蓋フィルム6は、実際よりも厚肉に示されている。
【0024】
蓋付容器2は、例えばPP(ポリプロピレン)やPVC(ポリ塩化ビニル)、PE(ポリエチレン)等の熱可塑性樹脂材料によって構成されている。また、蓋付容器2は、所定の物品W(例えば、食品や医療用品など)を収容するための収容空間3Aを有してなる収容部3と、当該収容部3と一体形成された外蓋部4と、両者3,4を連結する断面湾曲形状のヒンジ部5とを備えている。外蓋部4は、ヒンジ部5を回動軸として収容部3に対し相対回動可能となっており、収容部3の開口は、外蓋部4によって開閉可能となっている。
【0025】
また、収容部3は、収容空間3Aの開口端から外側に延出形成された環状の被シール部3Bと、当該被シール部3Bの最外周から垂下する内嵌部3Cとを備えている。一方、外蓋部4は、前記内嵌部3Cに対応する形状をなす環状の外嵌部4Aを備えている。そして、外蓋部4により収容部3の開口を閉鎖する際には、内嵌部3Cの外周に対し外嵌部4Aを嵌め込むことによって、閉鎖状態をより確実に維持可能となっている。
【0026】
内蓋フィルム6は、蓋付容器2と相溶性のある熱可塑性樹脂により形成されており、本実施形態では、透明又は半透明を呈するように構成されている。内蓋フィルム6は、容器部3の開口を塞ぐようにして前記被シール部3Bに対し取着されている。
【0027】
次に、上記ブリスタパック1を製造するためのブリスタ包装機10の構成について説明する。
【0028】
図3に示すように、ブリスタ包装機10では、ロール状の原反から引き出された帯状の容器フィルム7が所定のコンベア11(例えば、チェーンクリップコンベア等)により下流側へ向け間欠搬送されていく。容器フィルム7は、蓋付容器2の材料である。
【0029】
容器フィルム7原反の下流側には、まず加熱装置12及び形成装置13が設けられている。加熱装置12及び形成装置13によって成形手段が構成される。
【0030】
加熱装置12は、容器フィルム7を挟んで上下に配置される上型12a及び下型12bを備え、容器フィルム7における蓋付容器2の形成範囲を部分的に加熱可能に構成されている。
【0031】
形成装置13は、蓋付容器2の形状とおよそ相似的で小さいプラグを有してなる上型13aと、蓋付容器2の形状に対応した凹凸部を有してなる下型13bとを備えている。そして、容器フィルム7が加熱装置12により加熱され比較的柔軟になった状態において、上型13a及び下型13bにより、容器フィルム7の所定位置に蓋付容器2に対応する蓋付容器対応部2Fが成形される(図4参照)。蓋付容器対応部2Fは、容器部3に対応する容器対応部3Fと、外蓋部4に対応する外蓋対応部4Fと、ヒンジ部5に対応するヒンジ対応部5Fとを備えている。
【0032】
尚、蓋付容器対応部2Fの成形は、容器フィルム7の搬送動作間のインターバルの際に行われる。また、本実施形態では、形成装置13によって、容器フィルム7に対しその搬送方向に沿って並んだ状態で容器対応部3Fが形成される。
【0033】
さらに、形成装置13の下流側には、収容手段としての収容装置14が設けられており、当該収容装置14によって、容器対応部3Fにおける前記収容空間3Aに対応する空間へと物品Wが収容される。
【0034】
また、帯状に形成された内蓋フィルム6の原反は、前記容器フィルム7とは別にロール状に巻回されて配置されている。当該原反から引き出された内蓋フィルム6は、収容装置14の下流側に設けられた受けローラ15へと案内されている。内蓋フィルム6は、受けローラ15まで案内されることで、図5に示すように、容器フィルム7の搬送方向に沿って延びた状態で、容器対応部3Fの開口を塞ぐようにして容器フィルム7へと重ねられることとなる。
【0035】
尚、本実施形態において、容器フィルム7の搬送方向と直交する方向に沿った内蓋フィルム6の幅は、前記搬送方向と直交する方向に沿った容器対応部3Fにおける被シール部3Bに対応する部位である被シール部対応部3G(図5中、斜線を付した部位)の幅よりも大きなものとされている。そして、容器フィルム7に対し内蓋フィルム6を重ねた状態においては、内蓋フィルム6の幅方向一端縁が前記被シール部対応部3Gよりも容器フィルム7の幅方向一端縁側にはみ出し、一方、内蓋フィルム6の幅方向他端縁が被シール部対応部3Gの外縁に対しほぼ重なるようになっている。
【0036】
図3に戻り、受けローラ15の下流には、取着手段としてのシール装置17が設けられている。シール装置17は、上型17a及び下型17bを備えている。
【0037】
上型17aは、両フィルム6,7の搬送経路の上方に配置されており、図示しない駆動手段によって上下に移動可能となっている。また、上型17aは、前記被シール部3Bに対応する形状をなすとともに、図示しないヒータ等により発熱可能な発熱部17cを備えている。
【0038】
下型17bは、蓋付容器対応部2Fにおける下向きに突出する部位が収容される凹部17dを備えており、図示しない駆動手段によって上下に移動可能となっている。また、下型17bのうち前記凹部17dの開口から外周に延びる平坦面が、前記上型17aの発熱部17cとの間で、容器フィルム7及び内蓋フィルム6を挟み込む押圧面となっている。
【0039】
シール装置17においては、上型a及び下型17bが容器フィルム7及び内蓋フィルム6に接近することで、発熱部17cと下型17bの前記平坦面との間で、容器対応部3Fにおける被シール部対応部3G及び内蓋フィルム6を挟み込む。その結果、被シール部対応部3Gに対し、容器対応部3Fの開口を塞ぐようにして内蓋フィルム6が取着(熱融着)される。
【0040】
尚、本実施形態において、シール装置17は、容器対応部3Fにおける被シール部対応部3Gのみに対し内蓋フィルム6を取着するように構成されている。すなわち、シール装置17は、容器フィルム7のうち後述する容器スクラップ部7Sとなる部位と内蓋フィルム6のうち後述する内蓋スクラップ部6Sとなる部位とが非取着状態となるように容器フィルム7に対し内蓋フィルム6を取着するように構成されている。また、内蓋フィルム6の取着は、容器フィルム7の搬送動作間のインターバルに行われ、シール装置17によって、容器対応部3Fに対し内蓋フィルム6が順次取着されるようになっている。
【0041】
シール装置17の下流側には、打抜手段としての打抜装置18が設けられている。打抜装置18は、蓋付容器2の外縁形状に対応する形状の図示しない打抜パンチを備えており、当該打抜パンチによって、内蓋フィルム6とともに、容器フィルム7における蓋付容器対応部2Fを打抜くことで、ブリスタパック1が得られる。本実施形態では、蓋付容器2の外縁部分における角部が丸みを帯びた形状となるように前記打抜パンチの形状が設定されている。
【0042】
また、打抜装置18の下方には、コンベア20が設けられている。打抜かれたブリスタパック1は、コンベア20によって下流側へと移送される。移送途中又は移送後において、所定のクローズ装置(図示せず)によって、外蓋部4が閉状態とされる。
【0043】
尚、内蓋フィルム6及び容器フィルム7の打抜後には、図6に示すように、スクラップ部8Sが残存することとなる。スクラップ部8Sは、容器フィルム7のうち打抜後に残存する容器スクラップ部7Sと、内蓋フィルム6のうち打抜後に残存する内蓋スクラップ部6Sとからなり、容器スクラップ部7S及び内蓋スクラップ部6Sは、それぞれ容器フィルム7の搬送方向に沿って連なった状態となっている。すなわち、スクラップ部8Sは、容器フィルム7の搬送方向に沿って連なった状態となっており、多数のスクラップが相互に分離した状態とならないようになっている。但し、本実施形態において、内蓋スクラップ部6Sは、その幅方向一端縁側のみにおいて前記搬送方向に沿って連なった状態となっている。
【0044】
さらに、上記の通り、シール装置17によって、被シール部対応部3Gのみに対し内蓋フィルム6が取着されるため、容器スクラップ部7Sと内蓋スクラップ部6Sとは非取着の状態(分離された状態)となっている。
【0045】
加えて、内蓋スクラップ部6Sは、打抜装置18よりも下流に設けられた回収装置21によって、巻き取られつつ回収される。
【0046】
一方で、容器スクラップ部7Sは、打抜装置18の下流に設けられた図示しない裁断装置に搬送されるとともに、当該裁断装置によって所定寸法に裁断され、図示しない所定のスクラップ用ホッパに貯留される。
【0047】
以上詳述したように、本実施形態によれば、ブリスタパック1を打抜によって得ることができるため、ブリスタパック1(蓋付容器2)の外縁形状に関する設計自由度を高めることができる。また、ブリスタパック1を得るにあたって、打抜のみによってブリスタパック1の外縁形状を所望形状とすることができるため、角を丸くするための処理などを別途行う必要がなくなり、生産性を高めることができる。
【0048】
さらに、打抜後に残存するスクラップ部8Sは、容器フィルム7の搬送方向に沿って連なった状態となるため、多数のスクラップが相互に分離した状態で発生してしまうことを防止できる。その結果、ブリスタパック1を備えてなる製品に対しスクラップ部8Sが混入してしまうことをより確実に防止できる。
【0049】
また、内蓋スクラップ部6Sは、その幅方向一端縁側のみにおいて前記搬送方向に沿って連なった状態となるため、内蓋スクラップ部6Sが多量に排出されてしまうことを防止できる。その結果、生産コストの増大抑制を効果的に図ることができる。
【0050】
加えて、内蓋スクラップ部6Sは、容器スクラップ部7Sと非取着の状態(分離した状態)とされるため、内蓋スクラップ部6Sを素早く巻き取って回収することができる。その結果、より高速での生産が可能となり、生産性を一層高めることができる。
【0051】
さらに、容器スクラップ部7Sと内蓋スクラップ部6Sとを別々に回収することができ、回収後の各種処理(例えば、廃棄前の分別処理など)に係る利便性を高めることができる。
〔第2実施形態〕
次いで、第2実施形態について上記第1実施形態との相違点を中心に説明する。
【0052】
上記第1実施形態では、ブリスタ包装機10により、容器フィルム7に対し蓋付容器対応部2Fが形成されるように構成されている。これに対し、本第2実施形態では、図7及び図8に示すように、ブリスタ包装機30により、容器フィルム7に対し、蓋付容器対応部2Fとともに、スクラップ取着部7Gが形成されるように構成されている。スクラップ取着部7Gは、四角錐台状をなしており、自身の上端面と被シール部対応部3Gとが同一高さとなるように構成されている。そして、容器対応部3Fとスクラップ取着部7Gとは、容器フィルム7の搬送方向に沿って交互に並んだ状態で設けられている。
【0053】
このようなスクラップ取着部7Gを形成すべく、本第2実施形態における形成装置33は、スクラップ取着部7Gの形状に対応した凹部を有してなる上型33aと、スクラップ取着部7Gの形状に対応する凸部を有してなる下型33bとを備えている。そして、容器フィルム7のうち蓋付容器2及びスクラップ取着部7Gの形成範囲が加熱装置12により加熱されて比較的柔軟になった状態において、上型33a及び下型33bによって容器フィルム7が成形されることで、容器フィルム7に対し蓋付容器対応部2Fとスクラップ取着部7Gとが形成されるようになっている。本第2実施形態では、加熱装置12及び形成装置33によって、成形手段が構成されている。
【0054】
尚、本第2実施形態では、形成装置33によって、容器フィルム7に対しその搬送方向に沿って間隔をあけた状態で容器対応部3Fが形成されるとともに、容器フィルム7における各容器対応部3F間に位置する部位に対し、スクラップ取着部7Gが形成される。
【0055】
さらに、本第2実施形態において、受けローラ15へと案内される内蓋フィルム6は、上記第1実施形態における内蓋フィルム6と比べて幅狭となっている。具体的には、本第2実施形態において、容器フィルム7の搬送方向と直交する方向に沿った内蓋フィルム6の幅αは、前記搬送方向と直交する方向に沿った被シール部対応部3Gの幅と同一とされている(図9参照)。これにより、容器フィルム7に対し内蓋フィルム6を重ねた状態においては、内蓋フィルム6の幅方向一端縁及び幅方向他端縁がそれぞれ被シール部対応部3Gの外縁へとほぼ重なるようになっている。
【0056】
そして、本第2実施形態において、取着手段としてのシール装置37は、容器フィルム7の搬送方向に沿って交互に並んだ容器対応部3F(被シール部対応部3G)及びスクラップ取着部7Gのそれぞれに対し、帯状の内蓋フィルム6を順次取着していく。尚、シール装置37は、スクラップ取着部7Gに対応するスクラップ用の発熱部を備えた上型37aと、前記スクラップ用の発熱部との間でスクラップ取着部7G及び内蓋フィルム6を挟み込み可能な押圧面を備えた下型37bとを有している。そして、前記スクラップ用の発熱部と下型37bの前記押圧面とでスクラップ取着部7G及び内蓋フィルム6を挟み込みつつ加熱することにより、スクラップ取着部7Gに対し内蓋フィルム6が取着(熱融着)される。
【0057】
また、図10に示すように、内蓋フィルム6及び容器フィルム7の打抜後に残存するスクラップ部8Sにおいて、容器スクラップ部7Sは、上記第1実施形態と同様、容器フィルム7の搬送方向に沿って連なった状態となっている。これに対し、内蓋スクラップ部6Sは、上記第一実施形態と異なり、前記搬送方向に沿って分断された状態となっているが、分断された内蓋スクラップ部6Sの各片部はそれぞれスクラップ取着部7Gに対し取着された状態となっている。従って、上記第1実施形態と同様、スクラップ部8Sは、容器フィルム7の搬送方向に沿って連なった状態とされており、多数のスクラップが相互に分離した状態とならないようになっている。
【0058】
尚、本第2実施形態において、スクラップ部8Sは、例えば、前記裁断装置によって所定寸法に裁断された上で、前記スクラップ用ホッパに貯留される。
【0059】
以上、本第2実施形態によれば、基本的には、上記第1実施形態と同様の作用効果が奏されることとなる。
【0060】
加えて、内蓋スクラップ部6Sは、容器スクラップ部7Sに設けられたスクラップ取着部7Gに対し取着された状態とされる。従って、内蓋スクラップ部6Sが相互に分離した状態で発生してしまうことをより確実に防止でき、製品に対するスクラップ部8Sの混入防止をより効果的に図ることができる。
【0061】
また、帯状の内蓋フィルム6の幅が、容器対応部3Fのうち内蓋フィルム6が取着される部位(被シール部対応部3G)の幅と同一とされるため、内蓋スクラップ部6Sの排出量低減を図ることができ、生産コストの増大を効果的に抑制することができる。
【0062】
尚、上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。勿論、以下において例示しない他の応用例、変更例も当然可能である。
【0063】
(a)上記実施形態におけるブリスタパック1の形状や構造は例示であって、ブリスタパック1の形状や構造については適宜変更してもよい。例えば、図11に示すように、外蓋部4における外縁部分の一部を突出形状とすることで、外蓋部4を回動させる(収容部3の開口を開閉させる)際に利用可能な持ち手部4Bを形成することとしてもよい。尚、このように蓋付容器2における外縁形状を比較的複雑な形状とする場合であっても、打抜のみによって蓋付容器2の外縁形状を所望形状とすることができるため、良好な生産性を得ることができる。
【0064】
(b)上記実施形態で挙げた蓋付容器2(容器フィルム7)や内蓋フィルム6の材料や態様は例示であって、これらの材料などを適宜変更してもよい。
【0065】
(c)上記実施形態では、容器部3のみに対し物品Wが収容されているが、図12に示すように、容器部103及び外蓋部104の双方に対し物品Wを収容してもよい。尚、この場合、容器部103に収容される物品Wと外蓋部104に収容される物品Wとを異なるものとしてもよい。また、この場合には、容器部103及び外蓋部104のそれぞれに対しその開口を塞ぐようにして内蓋フィルム6を取着することとしてもよい。
【0066】
(d)上記実施形態では、前記クローズ装置によって、打抜により得られたブリスタパック1における外蓋部4が閉状態とされるように構成されているが、クローズ装置を省略してもよい。また、人手により外蓋部4を閉状態としてもよい。
【符号の説明】
【0067】
1…ブリスタパック、2…蓋付容器、2F…蓋付容器対応部、3…容器部、3F…容器対応部、4…外蓋部、6…内蓋フィルム、6S…内蓋スクラップ部、7…容器フィルム、7G…スクラップ取着部、7S…容器スクラップ部、8S…スクラップ部、10…ブリスタ包装機、12…加熱装置、13…形成装置、14…収容装置(収容手段)、17…シール装置(取着手段)、18…打抜装置(打抜手段)、W…物品。